JP2010138405A - プロピレンの製造 - Google Patents

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Abstract

【課題】オレフィン類をより軽質なオレフィン類、特にプロピレンに接触転化する方法の原料として精油所および石油化学プラントに存在するあまり価値がないオレフィンを用いる方法の提供。更に、プロピレンを高いプロピレン収率および純度でもたらす方法、プロピレンが非常に豊富に入っていて少なくとも化学グレード品質内のプロピレン含有流出液をもたらし得る方法、経時的に安定なプロピレン転化率および安定な生成物分配率でプロピレンを製造する方法を提供する。
【解決手段】Cまたはそれ以上のオレフィン類を1種以上含有するオレフィン含有原料からプロピレンを製造する方法に、上記オレフィン含有原料を少なくとも約180のケイ素/アルミニウム原子比を有するMFI型の触媒に接触させることでプロピレンを含有する流出液を上記原料のオレフィン含有量を基準にして30から50%のオレフィン基準プロピレン収率で生じさせることを含める。
【選択図】なし

Description

本発明はオレフィン含有原料からプロピレンを製造する方法に関する。
例えば、石油原料の接触脱ろうなどで長鎖パラフィン類をより軽質の生成物に変化させる目的でゼオライト類が用いられることは当該技術分野で公知である。脱ろうの目的ではないが、パラフィン系炭化水素の少なくとも一部がオレフィン類に変化する。そのような工程で例えばMFI型の結晶性シリケート類が用いられることは公知であり、この3文字表示「MFI」はStructure Commission of the International Zeolite Associationが確立した如き特別な結晶性シリケート構造型を表す表示である。MFI型の結晶性シリケートの例は合成ゼオライトZSM−5およびシリカライト(silicalite)であり、他のMFI型の結晶性シリケート類も当該技術分野で公知である。
特許文献1には、結晶性シリケート触媒、特にZSM−5を用いて炭化水素原料から直鎖パラフィン類および若干分枝鎖のパラフィン類を除去する脱ろう方法が開示されている。また、特許文献2にも、ZSM−5型の結晶性シリケートを用いて石油および合成炭化水素原料の接触水素化脱ろうを行う方法が開示されている。特許文献3および特許文献4にも同様な脱ろう方法が開示されている。その触媒は結晶性アルミノ−シリケート類であり、そしてこの上に示した従来技術の資料には幅広い範囲のSi/Al比の使用が開示されており、かつその開示された脱ろう方法にはいろいろな反応条件が開示されている。
特許文献5にはシリカライト触媒を用いた炭化水素原料の脱ろう方法が開示されている。特許文献6にはアルミニウムを含有する外側殻を有する結晶性シリケート粒子を用いた炭化水素転化が開示されている。
また、直鎖および/または若干分枝鎖の炭化水素、特にパラフィン類を含有する炭化水素原料をより低い分子量を有していてオレフィン類を有意量で含有する生成物混合物に選択的に変化させることができることも当該技術分野で公知である。この転化は、特許文献7、特許文献8および特許文献9に開示されているように、シリカライトとして知られる結晶性シリケートに供給材料を接触させることで行われている。シリカライトは特許文献10に開示されている。
いろいろなケイ素/アルミニウム原子比およびいろいろな結晶形態を有するシリカライト触媒が存在する。Cosden Technology,Inc.の名前で発行された特許文献11および特許文献12には、単斜対称を有するシリカライト型の結晶性シリカ類およびそれの製造方法が開示されている。このようなシリケート類が有するアルミニウムに対するケイ素の原子比は80以上である。
特許文献13には、ゼオライトが接触分解で示すブテン選択率を向上させる目的で、中程度の孔を有するゼオライトを蒸気で処理した後それを酸性溶液で処理することが開示されている。
非特許文献1に、そのような脱アルミニウム化されたゼオライトを用いてアセトン/n−ブタノール混合物を炭化水素に変化させることが開示されている。
更にその上、結晶性シリケート触媒、例えばZSM−5などを用いて石油溜分の脱ろう
を行って軽質オレフィン溜分、例えばCないしCのオレフィン溜分を生じさせることができることも、例えば特許文献14などから公知である。典型的には反応槽の温度を約500℃にまで到達させており、そして石油溜分からプロピレンへの転化にとって好都合な低い炭化水素分圧が反応槽内で用いられている。脱ろうではパラフィン鎖が分解を受ける結果として原料溜分の粘度低下がもたらされるが、また、分解されたパラフィン類から副生物オレフィン類も得られる。
特許文献15には炭化水素の接触転化で気体状のオレフィン類を製造することが開示されている。特許文献16には炭化水素含有原料を軽質オレフィン類に転化する方法が開示されている。特許文献17にはC−C12パラフィン系炭化水素を石油化学原料、特にCからCのオレフィンに転化する方法が開示されている。特許文献18および特許文献19には炭素原子数が4以上のパラフィン類からオレフィン類を製造することが開示されている。特許文献20には、蒸気による活性化を受けさせた燐含有触媒とH−ZSM−5を用いて炭化水素からオレフィン類を製造することが開示されている。特許文献21にはシリカライト触媒を用いた脱ろうでガスオイルの処理を行う方法が開示されている。特許文献22にはプロピレンまたはプロピレン含有炭化水素混合物からイソブチレンを製造することが開示されている。特許文献23には軽質溜分の接触分解でイソブチレンを製造することが開示されている。
この上に例示した結晶性シリケート類を用いると長鎖オレフィン類の方が相当する長鎖パラフィンよりもずっと速い速度で分解を受ける傾向があることが当該技術分野では知られている。
更に、パラフィン類からオレフィン類への転化で結晶性シリケート類を触媒として用いると上記転化が時間に対して安定でないことも知られている。稼働時間が長くなるにつれて転化率が低下し、このような低下は、コークス(炭素)が生じて触媒に付着することによるものである。
このような公知方法は重質パラフィン分子に分解を受けさせて軽質分子を生じさせる目的で用いられている。しかしながら、プロピレンの製造を望む場合には、収率が低いばかりでなくまた結晶性シリケート触媒の安定性も低い。例えば、FCC装置における典型的なプロピレン産出率は3.5重量%である。分解を受けさせる流入炭化水素原料からプロピレンをより多い量で「絞り」出すことができるように公知ZSM−5触媒をFCC装置に導入することを通してFCC装置で産出されるプロピレン産出量を約7−8重量%のプロピレンにまで高めることは可能である。このような収率上昇度合は極めて小さいばかりでなくまたそのようなZSM−5触媒がFCC装置中で示す安定性も低い。
特にポリプロピレンの製造に関連してプロピレンの需要が増えて来ている。
石油化学産業は、現在、プロピレン誘導体、特にポリプロピレンの数量が増大している結果としてプロピレンの入手性に関して重大な窮地に直面している。プロピレンの生産量を高める伝統的な方法は必ずしも完全に満足されるものではない。例えば、プロピレンに比べてエチレンをほぼ2倍の量でもたらす追加的ナフサ蒸気分解装置は、原料が高価でありかつ資本投下が非常に高いことから、プロピレンを得るには高価な方法である。ナフサは精油所でガソリンを製造する時の基材であることから、それは蒸気分解装置の原料として競合状態にある。プロパンの脱水素化反応ではプロピレンが高い収率でもたらされるが、原料(プロパン)が費用効果的であるのは年度の限られた期間のみであることから、そのような工程は高価でありかつプロピレンの生産量が制限される。プロピレンはFCC装置から得られるが、収率が比較的低く、その収率を高くするのは高価でかつ限られた度合であることが確かめられている。複分解または不均化として知られる更に別のルートでエ
チレンとブテンからプロピレンを製造することも可能である。この技術はしばしば蒸気分解装置と組み合わせて用いられ、エチレンが原料として使用されているが、エチレンは少なくともプロピレンと同じほど価値があることから、このような技術は高価である。
特許文献24には炭素原子数が4から12のオレフィン類をプロピレンに転化する方法が開示されている。結晶性でゼオライト構造(例えばZSM−5またはZSM−11)を有していて300に等しいか或はそれより低いSiO/Alモル比を有するアルミノ−シリケートに上記オレフィン類を接触させている。上記明細書の場合、高いプロピレン収率を達成するには高純度のゼオライト1kg当たり50kg/時以上の高い空間速度が要求される。上記明細書には、また、空間速度を高くすればするほど一般にSiO/Alモル比(Z比と呼ばれている)を低くすると記述されている。上記明細書に例示されているオレフィン転化方法は短時間(例えば数時間)のもののみであり、触媒がより長い時間(例えば少なくとも160時間または数日間)(これは商業的生産で要求される)に渡って安定であることを保証することに関する問題は取り扱われていない。更に、オレフィン転化方法を商業的に実行しようとする場合には、高い空間速度が必要なことは望ましいことでない。
このように、市場であまり価値がない原料(市場で代わりの用途をほとんど持たない)を利用してプロピレンを高い収率でもたらしかつ精油所または石油化学プラントと容易に一体化可能な方法が求められている。
他方、またMFI型の結晶性シリケート類もオレフィン類のオリゴマー化で用いられるよく知られた触媒である。例えば特許文献25にはZSM−5の如き触媒を用いてオレフィン含有混合物をガソリンに転化することが開示されている。本分野の技術者に明らかなように、オリゴマー化反応の操作条件は分解で用いられる操作条件とは大きく異なる。オリゴマー化反応槽内の温度は典型的に約400℃以下であり、圧力を高くした方がオリゴマー化反応にとって好都合である。
特許文献26にはシリカライトを触媒として用いてオレフィン類の異性化を行う方法が開示されている。特許文献27にはシリカライト触媒を用いてオレフィン類をより高い分子量の炭化水素に転化することが開示されている。特許文献28には結晶性シリケート触媒を用いた軽質オレフィン類の高級化でC+液が豊富な炭化水素を製造することが開示されている。特許文献29にはオレフィン類を高オクタンのガソリンに転化する2段階方法が開示されており、そこでは第一段階でオレフィン類にオリゴマー化を受けさせてC+オレフィン類を生じさせている。特許文献30には、孔サイズが中程度の結晶性ケイ素含有モレキュラーシーブ触媒、例えばシリカライト、ハロゲン安定化シリカライトまたはゼオライトなどを用いてC−Cオレフィン含有原料のオリゴマー化を行うことを含むガソリン製造方法が開示されている。特許文献31には、通常は気体状の炭化水素から高沸点の炭化水素を製造する多段階方法が開示されており、そこでの第一段階は、中間的な孔サイズを有する結晶性のケイ素含有モレキュラーシーブ触媒の上に通常は気体状のオレフィンを供給することを含む。特許文献32にはシリカライトを用いて高炭素(high
carbon)オレフィン類の二量化および三量化を行うことが開示されている。特許文献33にはシリカライトを用いたオレフィン類のオリゴマー化方法が開示されている。特許文献34および特許文献35にはゼオライトまたはシリカライトの如き触媒を用いてオレフィン類のオリゴマー化を行って高沸点の炭化水素を製造することが開示されている。特許文献36にはゼオライトまたはシリカライトを用いて気体状のオレフィン類のオリゴマー化を行うことが開示されている。
英国特許出願公開第1323710号明細書 米国特許第4247388号明細書 米国特許第4284529号明細書 米国特許第5614079号明細書 英国特許出願公開第2185753号明細書 米国特許第4394251号明細書 英国特許出願公開第2075045号明細書 米国特許第4401555号明細書 米国特許第4309276号明細書 米国特許第4061724号明細書 ヨーロッパ特許出願公開第0146524号明細書 ヨーロッパ特許出願公開第0146525号明細書 WO−A−97/04871パンフレット 米国特許第4171257号明細書 ヨーロッパ特許出願公開第0305720号明細書 ヨーロッパ特許第0347003号明細書 WO−A−90/11338パンフレット 米国特許第5043522号明細書 ヨーロッパ特許出願公開第0395345号明細書 ヨーロッパ特許出願公開第0511013号明細書 米国特許第4810356号明細書 英国特許出願公開第2156845号明細書 英国特許出願公開第2159833号明細書 ヨーロッパ特許出願公開第0109059号明細書 ヨーロッパ特許出願公開第0031675号明細書 英国特許出願公開第2156844号明細書 米国特許第4579989号明細書 米国特許第4746762号明細書 米国特許第5004852号明細書 米国特許第5171331号明細書 米国特許第4414423号明細書 米国特許第4417088号明細書 米国特許第4417086号明細書 英国特許出願公開第2106131号明細書 英国特許出願公開第2106132号明細書 英国特許出願公開第2106533号明細書
Applied Catalysis A:General 154 1997 221−240
本発明の1つの目的は、この上で述べた従来技術の方法とは対照的に、オレフィン類をより軽質なオレフィン類、特にプロピレンに接触転化する方法の原料として精油所および石油化学プラントに存在するあまり価値がないオレフィンを用いる方法を提供することにある。
本発明の別の目的はプロピレンを高いプロピレン収率および純度でもたらす方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、プロピレンが非常に豊富に入っていて少なくとも化学グレード品質内のプロピレン含有流出液をもたらし得る上記方法を提供することにある。
本発明の更に一層の目的は経時的に安定なプロピレン転化率および安定な生成物分配率でプロピレンを製造する方法を提供することにある。
本発明の更に一層の目的はオレフィン原料の転化をこのオレフィン原料の源および組成に関係なくプロピレンに向かう高いオレフィン基準収率(yield on an olefin basis)でもたらす方法を提供することにある。
本発明は、Cまたはそれ以上のオレフィン類を1種以上含有するオレフィン含有原料からプロピレンを製造する方法を提供する。この方法は、上記オレフィン含有原料を少なくとも約180のケイ素/アルミニウム原子比を有するMFI型の触媒と接触させてプロピレンを含有する流出液を上記原料のオレフィン含有量を基準にして30ないし50%のオレフィン基準プロピレン収率で生じさせることを含んでなる。
従って、本発明は、精油所および石油化学プラントで得られるオレフィンが豊富な炭化水素流(生成物)に選択的分解を受けさせることで軽質オレフィン類ばかりでなく特にプロピレンを生じさせる方法を提供し得るものである。1つの好適な態様では、このオレフィンが豊富な原料を、特に蒸気処理/脱アルミニウム化処理を受けさせることで得た180ないし1000のSi/Al原子比を有する結晶性シリケート触媒の上に通してもよい。別法として、上記オレフィンが豊富な原料を商業的に入手可能なZSM−5型触媒[これは有機鋳型(organic template)を用いた結晶化で作られたもので、その後に如何なる蒸気処理も脱アルミニウム化処理も受けておらず、この触媒は300から1000のケイ素/アルミニウム原子比を有する]の上に通すことも可能である。上記原料を上記触媒の上に0.1ないし2バールのオレフィン分圧下10ないし30時−1のLHSVにおいて500ないし600℃の範囲の温度で通すことで上記原料中のオレフィン含有量を基にしてプロピレンを少なくとも30から50%生じさせることができる。
本明細書において、用語「ケイ素/アルミニウム原子比」は材料全体のSi/Al原子比を意味することを意図し、これは化学分析で測定可能である。特に、結晶性シリケート材料の場合に述べるSi/Al比は、厳密には結晶性シリケートのSi/Al骨格に当てはまらず、むしろ材料全体に当てはまる。
このケイ素/アルミニウム原子比を約180以上にする。ケイ素/アルミニウム原子比が約180より低い場合でも、オレフィンが豊富な原料の接触分解の結果として生じる軽質オレフィン類、特にプロピレンの収率は、従来技術の方法の場合よりも高い可能性がある。上記原料は未希釈状態であるか或は不活性ガス、例えば窒素などで希釈された状態で供給可能である。後者の場合の原料の絶対圧力は、炭化水素原料が不活性ガス中で示す分圧を構成する。
本発明の実施例に従う接触分解方法および比較実施例に従う接触分解方法それぞれに関するいろいろな産物(プロピレンを包含)の収率と時間の間の関係を示すグラフである。 本発明の実施例に従う接触分解方法および比較実施例に従う接触分解方法それぞれに関するいろいろな産物(プロピレンを包含)の収率と時間の間の関係を示すグラフである。 触媒をいろいろな結合剤を用いていろいろな加工段階で製造した場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示すグラフである。 触媒をいろいろな結合剤を用いていろいろな加工段階で製造した場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示すグラフである。 触媒をいろいろな結合剤を用いていろいろな加工段階で製造した場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示すグラフである。 触媒をいろいろな結合剤を用いていろいろな加工段階で製造した場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示すグラフである。 接触分解を受けさせる前の原料に予備的ジエン水添段階を受けさせた場合と受けさせなかった場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示すグラフである。 接触分解を受けさせる前の原料に予備的ジエン水添段階を受けさせた場合と受けさせなかった場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示すグラフである。 本発明の選択的接触分解方法におけるオレフィン原料転化量、プロピレン収率および他の成分の総量とケイ素/アルミニウム原子比の間の関係を示すグラフである。
本発明のいろいろな面をここに添付図を参照してより詳細に記述するが、しかしながら、これは単に例であり、ここで、
図1および2は、本発明の実施例に従う接触分解方法および比較実施例に従う接触分解方法それぞれに関するいろいろな産物(プロピレンを包含)の収率と時間の間の関係を示すグラフであり、
図3ないし6に、触媒をいろいろな結合剤を用いていろいろな加工段階で製造した場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示し、
図7および8に、接触分解を受けさせる前の原料に予備的ジエン水添段階を受けさせた場合と受けさせなかった場合のとりわけプロピレンの収率と時間の間の関係を示し、そして
図9に、本発明の選択的接触分解方法におけるオレフィン原料転化量、プロピレン収率および他の成分の総量とケイ素/アルミニウム原子比の間の関係を示す。
本発明に従えば、炭化水素流中のオレフィン類が分解を受けて軽質オレフィン類が生じそして選択的にプロピレンが生じる意味でオレフィン類の分解を実施する。この原料と流出液は好適には実質的に同じオレフィン重量含有量を有する。この流出液に含まれるオレフィンの含有量は、典型的に、上記原料に含まれるオレフィン含有量の±15重量%以内、より好適には±10重量%以内である。この原料には、Cまたはそれ以上のオレフィン類を1種以上含有することを条件として如何なる種類のオレフィン含有炭化水素流も含まれ得る。この原料のオレフィン含有量は典型的に10ないし100重量%であってもよく、更にそれを未希釈状態でか或は希釈剤で希釈して供給してもよく、このような希釈剤に任意に非オレフィン系の炭化水素を含めてもよい。このオレフィン含有原料は、特に、炭素数がCないしC10の範囲、より好適には炭素数がCないしCの範囲のノルマルおよび分枝オレフィンを含有する炭化水素混合物であってもよく、これは任意に、炭素数がCないしC10の範囲のノルマルおよび分枝パラフィンおよび/または芳香族との混合物の状態であってもよい。このオレフィン含有流の沸点は典型的に約−15ないし約180℃である。
本発明の特に好適な態様では、上記炭化水素原料は精油所および蒸気分解装置由来のC混合物を含んでなる。そのような蒸気分解装置では幅広く多様な原料の分解が行われており、そのような原料にはエタン、プロパン、ブタン、ナフサ、ガスオイル、燃料油などが含まれる。最も特別には、この炭化水素原料は原油精油所の流動床接触分解(FCC)装置(重質油をガソリンおよび軽質産物に転化する目的で用いられる)由来のC溜分を含んでもよい。そのようなFCC装置から得られるC溜分は典型的にオレフィンを約50重量%含有する。別法として、上記炭化水素原料は原油精油所内のメチルt−ブチルエーテル(MTBE)(これはメタノールとイソブテンから作られる)製造用装置由来のC溜分を含んでなることも可能である。そのようなMTBE装置由来のC溜分も典型的にオレフィンを約50重量%含有する。このようなC溜分は個々のFCCまたはMTBE装置の出口の所で分溜されたものである。更にその上、上記炭化水素原料は石油化学プラントのナフサ蒸気分解装置由来のC溜分を含んでなることも可能であり、そこでは沸点の範囲が約15ないし180℃のCからC種を含有するナフサに蒸気分解を受けさせることが行われており、とりわけC溜分が生じる。そのようなC溜分は典型的に1,3−ブタジエンを40ないし50重量%、イソブチレンを約25重量%、ブテン(ブテ−1−エンおよび/またはブテ−2−エンの形態)を約15重量%およびn−ブタンおよび/またはイソブタンを約10重量%含有する。また、上記オレフィン含有炭化水素原料は、ブタジエン抽出後(抽残液1)またはブタジエン水添後の蒸気分解装置由来のC溜分を含んでなることも可能である。
更にその上、別法として、上記原料は水添で得られるブタジエンが豊富なC溜分、典型的にはCをオレフィンとして50重量%以上の量で含有するC溜分を含んでなることも可能である。また、上記炭化水素原料は、石油化学プラントで製造された高純度のオレフィン原料を含むことも可能である。
更にその上、別法として、上記オレフィン含有原料は蒸気分解装置由来の軽質分解ナフサ(LCN)[さもなくば軽質接触分解スピリット(LCCS)としても知られる]またはC溜分か或は軽質分解ナフサ(この軽質分解ナフサは本明細書の上で考察した原油精油所のFCC装置の流出液の分溜由来のナフサである)を含むことも可能である。そのような原料は両方ともオレフィン類を含有している。更にその上、別法として、上記オレフィン含有原料は、上記FCC装置由来の中質(medium)分解ナフサまたは原油精油所内の真空蒸留装置の残渣を処理するためのビスブレーキング(visbreaking)装置由来のビスブレーキングを受けたナフサを含むことも可能である。
このオレフィン含有原料は上述した原料の1種以上から成る混合物を含むことも可能である。
ガソリンを精油所で製造する時には如何なる場合にもガソリンからC種を除去する必要があることから、本発明の好適な方法に従うオレフィン含有炭化水素原料としてC溜分を用いるのが特に有利である。これは、ガソリンにCが存在しているとオゾンポテンシャル(ozone potential)が高くなることで結果として得られるガソリンの光化学作用が高くなるからである。軽質分解ナフサを上記オレフィン含有原料として用いることができれば、残りのガソリン溜分に含まれるオレフィンの含有量が低くなり、それによってガソリンの蒸気圧が低下しかつまた光化学作用が低下する。
本発明の方法に従い、軽質分解ナフサに転化を受けさせるとCないしCのオレフィン類が生じ得る。このC溜分にはオレフィン類、特にイソブテンが非常に豊富に含まれており、これはMTBE装置の供給材料として興味が持たれる。C溜分に転化を受けさせると、一方ではCないしCのオレフィン類が生じそして他方ではイソ−オレフィン類を主に含有するCないしCのオレフィン類が生じる。残りのC溜分にはブタン類
、特にイソブタンが豊富に含まれており、これは精油所のアルキル化装置の原料として興味が持たれる(ガソリンで用いられるアルキレートはCとCの原料混合物から製造される)。イソ−オレフィン類を主に含有するCないしC溜分は第三アミルメチルエーテル(TAME)の製造で興味の持たれる供給材料である。
本発明者らは、驚くべきことに、本発明の方法に従ってオレフィン原料に選択的転化を受けさせると結果として生じる流出液には上記原料に含まれていたオレフィンが再分配を受けたものが含まれることを見出した。この方法では、原料に関して触媒および工程条件を選択すると、それによって、プロピレンに向かう特定のオレフィン基準収率が得られる。本方法では、触媒および工程条件を選択すると、オレフィン原料の源、例えばFCC装置から得られたC溜分、MTBE装置から得られたC溜分、軽質分解ナフサ、または軽質分解ナフサから得られたC溜分などに関係なく、典型的に、プロピレンに向かう方向で同じく高いオレフィン基準収率が得られる。このことは従来技術を基にすると極めて予想外である。オレフィンを基準にしたプロピレン収率は、原料のオレフィン含有量を基準にして30ないし50%である。個々のオレフィンのオレフィン基準収率を、流出液に含まれるオレフィンの重量を初期のオレフィン含有量全体重量で割った値として定義する。例えば、原料にオレフィンが50重量%入っている時に流出液にプロピレンが20重量%含まれる場合のオレフィン基準プロピレン収率は40%である。このことは、製品の実際の収率(これは生じた生成物の重量を供給材料の重量で割った値として定義される)とは対照的であり得る。本発明の好適な面に従い、原料に含まれるパラフィン類および芳香族が転化を受ける度合は若干のみである。
本発明の好適な面に従えば、オレフィン分解用触媒はシリカライト型またはZSM−5型の結晶性シリケートを含んでなるが、これらは逆にMFI系列の結晶性シリケート類である。
好適な結晶性シリケート類は、10個の酸素の環で限定される孔またはチャンネルを有していて高いケイ素/アルミニウム原子比を有するものである。
結晶性シリケート類は、酸素イオンを共有することで互いに連結しているXO四面体骨格を基とする微孔性で結晶性の無機ポリマーであり、ここで、Xは三価(例えばAl、B...)または四価(例えばGe、Si...)であり得る。結晶性シリケートの結晶構造は四面体単位の骨格が一緒に連結する特定の配列によって限定されている。結晶性シリケートの孔開口の大きさは、四面体単位の数または別法として孔の形成に要する酸素原子の数、そしてその孔内に存在するカチオンの性質によって決定される。それらは下記のユニークな特性組み合わせを有する:内部表面積が高いこと;均一に存在する孔が1種以上の個別サイズを有すること;イオン交換能力を有すること;熱安定性が良好なこと;そして有機化合物を吸着する能力を有すること。このような結晶性シリケートの孔の大きさは実際上興味の持たれる数多くの有機分子のサイズに類似していることから、反応体および生成物の出入りを調節し、その結果として、触媒反応に特別な選択性を示す。MFI構造を有する結晶性シリケート類は下記の孔直径を有する双方向交差孔系を有する:[010]に沿った真っすぐなチャンネル:0.53−0.56nmおよび[100]に沿った正弦チャンネル:0.51−0.55nm。
この結晶性シリケート触媒に構造的および化学的特性を持たせて、それを接触分解が容易に進行するような特定の反応条件下で用いる。この触媒にはいろいろな反応路が存在し得る。好適な工程条件、即ち流入温度を約500ないし600℃、より好適には520ないし600℃、更により好適には540ないし580℃にし、そしてオレフィン分圧を0.1ないし2バール、最も好適にはほぼ大気圧にすると、原料に含まれるオレフィンが有する二重結合のシフトが容易に達成され、その結果として、二重結合の異性化がもたらさ
れる。更に、そのような異性化は熱力学的平衡に到達する傾向がある。プロピレンは、例えばヘキセンまたは重質オレフィン原料の接触分解で直接製造可能である。オレフィンの接触分解は結合の開裂による短分子の生成過程を含むものと理解することができる。
上記触媒に高いケイ素/アルミニウム原子比、即ち少なくとも約180、好ましくは約180ないし1000、好適には約200以上、より好適には約300以上の比率を持たせ、このようにすると、この触媒は比較的低い酸性度を示すようになり得る。水素移動反応は触媒上に存在する酸部位の強さおよび密度に直接関係し、好適には上記反応を抑制してオレフィン転化過程中にコークスの生成が起こらないようにし、そうしないと、触媒の経時的安定性が低下することになるであろう。上記水素移動反応では飽和物、例えばパラフィン類など、不安定な中間体であるジエン類および環状オレフィン類および芳香族が生じる傾向があり、これらはいずれも軽質オレフィン類を生じさせる分解で用いるには好都合でない。環状オレフィン類は芳香族およびコークス様分子の前駆体であり、特に固体状酸、即ち酸性の固体状触媒が存在していると、それらの前駆体になる。触媒の酸性度は、触媒をアンモニアに接触させることで触媒上の酸部位にアンモニアを吸着させ次に高温でアンモニアを脱離させた後に触媒上に残存するアンモニアの量を示差熱重量分析で測定することを通して測定可能である。上記ケイ素/アルミニウム比を好適には180ないし1000、最も好適には300ないし500の範囲にする。
本発明の特徴の1つは、そのように結晶性シリケート触媒中のケイ素/アルミニウム比を高くしていることからオレフィン原料の源および組成がどのようであろうとも安定なオレフィン転化を30ないし50%の高いオレフィン基準プロピレン収率で達成することができる点である。そのように比率を高くしておくと触媒の酸性度が低くなり、それによって触媒の安定性が向上する。
本発明の1つの好適な面に従い、本発明の接触分解方法で用いるに適した高いケイ素/アルミニウム原子比を持たせた触媒は、商業的に入手可能なシリカライトからアルミニウムを除去することで製造可能である。典型的な市販シリカライトのケイ素/アルミニウム原子比は約120である。本発明に従い、結晶性シリケートの骨格に存在する四面体アルミニウムの量を低下させてアルミニウム原子を非晶質アルミナ形態の八面体アルミニウムに変化させる蒸気処理を商業的に入手可能なシリカライトに受けさせることを通して、それの修飾を行う。この蒸気処理段階ではアルミニウム原子が結晶性シリケート骨格構造から化学的に取り除かれてアルミナ粒子が生じるが、このような粒子は、ある程度であるが、骨格内に存在する孔またはチャンネルの障害物になる。これは本発明のオレフィン分解過程を抑制するものである。従って、蒸気処理段階の後の結晶性シリケートに抽出段階を受けさせることで、その非晶質アルミナを孔から除去し、それによって、少なくともある程度であるが、細孔容積を回復させる。水に溶解し得るアルミニウム錯体を生じさせることを経由した滲出段階で上記非晶質アルミナを上記孔から物理的に除去すると、結晶性シリケートの全体的脱アルミニウム効果がもたらされる。このようにして、結晶性シリケートの骨格からアルミニウムを取り除いた後それによって生じたアルミナを上記孔から除去する過程は、触媒に含まれる孔表面全体に渡る実質的に均一な脱アルミニウム化を達成するに役立つ。その結果として触媒の酸性度が低下し、それによって、分解工程で起こる水素移動反応の度合が低くなる。このような酸性度の低下を理想的には結晶性シリケートの骨格内に限定されている孔全体に渡って実質的に均一に起こさせる。この理由は、そのようにするとオレフィン分解過程で炭化水素種が孔の中に深く入り込むことができるようになるからである。従って、酸性度の低下、従って触媒の安定性を低くする可能性がある水素移動反応の低下が骨格内の孔構造物全体に渡って生じるようにする。好適な態様では、上記過程を用いて骨格のケイ素/アルミニウム比を少なくとも約180、好適には約180ないし1000、より好適には少なくとも200、更により好適には少なくとも300、最も好適には約480の値にまで高める。
本発明の好適な別の態様に従えば、この触媒を少なくとも300、好適には300ないし1000のケイ素/アルミニウム原子比を有する商業的に入手可能なZSM−5型触媒[例えばCU Chemie Ueticon AG社(スイス)から商標ZEOCAT
P2−2の下で商業的に入手可能なZSM−5型触媒]にする。
この触媒である結晶性シリケート、即ちシリカライトを結合剤、好適には無機結合剤と一緒に混合して所望形状、例えばペレットなどに成形する。この結合剤を、これが触媒製造過程および次に行うオレフィン類の接触分解過程で用いる温度および他の条件に耐えるように選択する。この結合剤は粘土、シリカ、金属酸化物、例えばZrOなど、および/または金属、またはシリカと金属酸化物の混合物を含有するゲルなどから選択される無機材料である。好適には、この結合剤にアルミナを含めない。それ自身が触媒作用を示す結合剤を結晶性シリケートと一緒に用いると、それによって、上記触媒が示す転化率および/または選択性が変化する可能性がある。結合剤用の不活性な材料は、適切には、反応速度を調節する他の手段を用いることなく製品を経済的にかつ秩序正しく得ることができるように転化度合を調節する希釈剤として働き得るものである。触媒に良好な破壊強度(crush strength)を持たせるのが望ましい。これは、商業的使用で触媒が粉末様材料に分解しないようにするのが望ましいからである。そのような粘土または酸化物である結合剤を用いる目的は、通常は、単に触媒の破壊強度を向上させることにある。本発明の触媒で用いるに特に好適な結合剤にはシリカが含まれる。
微細結晶性シリケート材料と結合剤である無機酸化物マトリックスの相対比は幅広く多様であり得る。この結合剤の含有量を複合触媒の重量を基準にして典型的には5ないし95重量%、より典型的20ないし50重量%の範囲にする。そのような結晶性シリケートと無機酸化物結合剤の混合物を調合結晶性シリケートと呼ぶ。
触媒を結合剤と一緒に混合する時、触媒を調合してペレット状にするか、押出し加工して他の形状にするか、或は噴霧乾燥で粉末にすることも可能である。
典型的には、上記結合剤と結晶性シリケート触媒を押出し加工で一緒に混合する。このような加工では、結合剤、例えばゲル形態のシリカを上記結晶性シリケート触媒材料と一緒に混合した後、その結果として得た混合物を押出し加工で所望形状、例えばペレット状にする。その後、この調合結晶性シリケートに焼成を典型的には200ないし900℃の温度の空気中または不活性ガス中で1ないし48時間受けさせる。
好適には、上記結合剤に如何なるアルミニウム化合物も含めず、例えばアルミナなどを含めない。この理由は、上述したように、本発明で用いる好適な触媒では、それに脱アルミニウム化させて結晶性シリケートのケイ素/アルミニウム比を高くしておくからである。結合剤中にアルミナが存在している場合に結合段階をアルミニウム抽出段階に先立って実施すると他の余分なアルミナが生じる。アルミニウムを含有する結合剤をアルミニウム抽出後の結晶性シリケート触媒と一緒に混合すると、それによって上記触媒が再びアルミニウム化される。結合剤中にアルミニウムが存在していると、触媒が示すオレフィン選択性が低下しかつ触媒の経時的安定性が低下する傾向がある。
加うるに、この触媒と結合剤の混合は蒸気処理および抽出段階の前または後のいずれでも実施可能である。
この蒸気処理を、大気圧下および13ないし200kPaの水分圧下、高温、好適には425ないし870℃の範囲、より好適には540ないし815℃の範囲の温度で実施する。この蒸気処理を好適には蒸気が5ないし100%入っている雰囲気中で実施する。こ
の蒸気処理を好適には1ないし200時間、より好適には20時間ないし100時間に渡って実施する。上述したように、この蒸気処理では、結晶性シリケートの骨格内に存在する四面体アルミニウムの量がアルミナの生成を伴って低下する傾向がある。
この蒸気処理の後、触媒からアルミニウムを滲出で除去する目的で、抽出過程を実施する。好適には、アルミナと一緒になって可溶錯体を形成する傾向がある錯化剤を用いて、アルミニウムをシリカライトから抽出する。この錯化剤を好適にはそれが入っている水溶液の状態にする。このような錯化剤には有機酸、例えばクエン酸、蟻酸、しゅう酸、酒石酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチレンジアミントリ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など、または上記酸の塩(例えばナトリウム塩)、または上記酸もしくは塩の2種以上から成る混合物が含まれ得る。このアルミニウム用錯化剤は、好適には、アルミニウムと一緒になって水に溶解し得る錯体を形成して、特に蒸気処理段階中に生じたアルミナを上記シリカライトから除去するものである。特に好適な錯化剤にはアミン、好適にはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)またはそれの塩、特にそれのナトリウム塩が含まれ得る。
その後、脱アルミニウム化段階を受けさせた後の触媒に焼成を例えば大気圧下400ないし800℃の温度で1ないし10時間受けさせる。
本発明の好適ないろいろな触媒は高い安定性を示し、特に数日間、例えば10日間に及んで安定なプロピレン収率をもたらす能力を有することを確認した。それによって、オレフィン分解過程を2基の並列「自在(swing)」反応槽を用いて連続的に実施することができ、このような連続運転では、1つの反応槽を運転している時にもう一方の反応槽で触媒再生を行う。また、本発明の触媒は数回に渡って再生可能である。この触媒は、また、それを製油所または石油化学プラントのいろいろな給源から来るいろいろな組成の多様な原料(純粋または混合物のいずれも)の分解で用いることができる点で柔軟性を示す。
本発明者らは、本発明に従うオレフィン接触分解過程においてオレフィン含有原料中にジエン類が存在しているとそれによって触媒の失活がより速く起こる可能性があることを見出した。それによって、所望オレフィン、例えばプロピレンを製造する時に触媒が示すオレフィン基準収率が稼働時間が長くなるにつれて大きく低下する可能性がある。本発明者らは、接触分解を受けさせる原料にジエンが存在しているとそのジエンからゴム状物が生じて触媒に付着する可能性があり、それによって今度は触媒の活性が低下する可能性があることを見出した。本発明の方法に従い、触媒に安定な経時的活性、典型的には少なくとも10日間に渡る安定な活性を持たせるのが望ましい。
本発明のこの面に従い、上記オレフィン含有原料にジエン類が含まれている場合には、オレフィンの接触分解を行うに先立って、その原料に選択的水添過程を受けさせて上記ジエン類を除去しておく。この水添過程ではモノオレフィン類が飽和オレフィンにならないように調節を行う必要がある。この水添過程に、好適には、ニッケルを基とするか或はパラジウムを基とする触媒、または第一段階の熱分解ガソリン(Pygas)の水添で典型的に用いられる他の触媒を含める。C溜分の場合にそのようなニッケルを基とする触媒を用いると、水添によってモノオレフィンが有意な転化を受けてパラフィンが生じるのを避けるのは不可能である。従って、C溜分の場合には、ジエンの水添に対して高い選択性を示す上記パラジウムを基とする触媒を用いる方が適切である。
特に好適な触媒は、パラジウムを触媒重量を基準にして0.2−0.8重量%含有するように例えばアルミナなどに支持させたパラジウムを基とする触媒である。上記水添過程
を、好適には5ないし50バール、より好適には10ないし30バールの絶対圧力下、40ないし200℃の流入温度で実施する。水素/ジエンの重量比を典型的には少なくとも1、より好適には1ないし5、最も好適には約3にする。1時間当たりの液体空間速度(liquid hourly space velocity)(LHSV)を好適には少なくとも2時−1、より好適には2から5時−1にする。
上記原料に含まれるジエン類を、好ましくは、この原料中の最大ジエン含有量が約0.1重量%、好適には約0.05重量%、より好適には約0.03重量%になるように除去しておく。
本接触分解方法では、プロピレンの方向に高い選択性が得られ、経時的に安定なオレフィン転化率が得られかつ流出液中に安定なオレフィン生成物分布が得られるように工程条件を選択する。圧力を低くし、流入温度を高くしかつ接触時間を短くすることと協力させて触媒中の酸密度を低くする(即ちSi/Al原子比を高くする)と、上記目的が好適に達成されるが、そのような工程パラメーターは全部相互に関係して全体として累積効果を与える(例えば圧力をより高くした場合には流入温度を更に高くすることでそれを相殺または補うことができる)。パラフィン類、芳香族およびコークス前駆体の生成をもたらす水素移動反応に好都合でない工程条件を選択する。従って、本方法を操作する条件では高い空間速度、低い圧力および高い反応温度を用いる。好適には、LHSVを10ないし30時−1の範囲にする。オレフィンの分圧を好適には0.1ないし2バール、より好適には0.5ないし1.5バールの範囲にする。特に好適なオレフィン分圧は大気圧(即ち1バール)である。上記炭化水素原料の供給を好適にはこの原料が反応槽の中を運ばれるに充分な全体的流入圧力下で行う。この炭化水素原料は未希釈状態でか或は不活性ガス、例えば窒素などで希釈された状態で供給可能である。反応槽内の全絶対圧力を好適には0.5ないし10バールの範囲にする。本発明者らは、本分解方法で低いオレフィン分圧、例えば大気圧を用いると水素移動反応が起こる度合が低くなる傾向があり、それによって今度は、触媒の安定性を低くする傾向があるコークスの生成が低下し得ることを確認した。上記オレフィンの分解を好適には500ないし600℃、より好適には520ないし600℃、更により好適には540ないし580℃、典型的には約560℃ないし570℃の原料流入温度で実施する。
本接触分解方法は固定床反応槽、可動床反応槽または流動床反応槽内で実施可能である。典型的な流動床反応槽は製油所における流動床接触分解で用いられるFCC型の反応槽である。典型的な可動床反応槽は連続接触改質型の反応槽である。この上に記述したように、本方法は1対の並列「自在」反応槽を用いて連続的に実施可能である。
上記触媒はオレフィン転化に対して長期間、典型的には少なくとも約10日間に渡って高い安定性を示すことから、触媒再生の頻度は低い。従って、より特別には、本触媒の寿命は1年を越え得る。
本発明のオレフィン分解方法は一般に吸熱である。プロピレンをC原料から製造する場合の吸熱は、典型的に、Cまたは軽質分解ナフサ原料を用いる場合よりも低い傾向がある。例えば、プロピレン収率が約18.4%の軽質分解ナフサ(実施例1を参照)の場合に送り込まれたエンタルピーは429.9kcal/kgで取り出されたエンタルピーは346.9kcal/kgであった。LCNから除去されたC(C−exLCN)原料(実施例2参照)の場合の相当する値は、収率が16.8%で、送り込まれたエンタルピーは437.9kcal/kgで取り出されたエンタルピーは358.3kcal/kgであり、そしてMTBEから除去されたC原料(実施例3参照)の場合の相当する値は、収率が15.2%で、送り込まれたエンタルピーは439.7kcal/kgで取り出されたエンタルピーは413.7kcal/kgであった。上記反応槽を典型的には
断熱条件下で操作し、最も典型的な条件では、原料の流入温度を約570℃にし、オレフィン分圧を大気圧にし、かつ原料のLHSVを約25時−1にする。用いる個々の原料の接触分解過程は吸熱であることから、出て来る流出液の温度も相当して低い。例えばこの上で述べた液状分解ナフサ、LCNから除去されたCおよびMTBEから除去されたC原料の場合の吸熱過程の結果として得られた典型的な断熱ΔTは、それぞれ、109.3、98.5および31.1℃である。
このように、断熱反応槽内で起こる温度低下は、Cオレフィン流の場合には約30℃である一方、LCNおよびLCNから除去されたC流の場合の温度低下は有意に大きく、即ちそれぞれ約109℃および98℃である。上記原料を2種類組み合わせて一緒に反応槽に供給すると、それによって、選択的分解過程全体の熱負荷低下がもたらされる可能性がある。従って、C溜分をC溜分または軽質分解ナフサと一緒にブレンドすると、本方法の全体的熱負荷が低下する可能性がある。このように、例えばMTBE装置から取り出されたC溜分を軽質分解ナフサと一緒にして複合原料を生じさせると、それによって、本方法の熱負荷が低下して、同じ量のプロピレンを製造する時に要するエネルギー量が低くなる。
この接触分解過程で得た反応槽流出液を分溜装置に送り込んでその流出液から所望のオレフィンを分離する。本接触分解方法をプロピレンの製造で用いる場合には、C溜分(これには少なくともプロピレンが95%入っている)に分溜を受けさせた後、混入物、例えば硫黄種、ヒ素などを全部除去する目的で、それの精製を行う。Cより大きい重質オレフィンは再利用可能である。
本発明者らは、本発明に従って用いるシリカライト触媒に蒸気処理および抽出を受けさせておくと原料中に典型的に存在する硫黄含有化合物、窒素含有化合物および酸素含有化合物による触媒活性低下(即ち触媒毒)に特別抵抗を示すようになることを見出した。
工業原料には分解で用いる触媒に影響を与える可能性がある不純物が数種類含まれている可能性があり、例えばC流にはメタノール、メルカプタン類およびニトリル類などが含まれている可能性があり、そして軽質分解ナフサにはメルカプタン類、チオフェン類、ニトリル類およびアミン類が含まれている可能性がある。
毒含有原料を模擬する目的で、1−ヘキセン原料にn−プロピルアミンまたはプロピオニトリル[各々Nの量が100ppm(重量)になるように]、2−プロピルメルカプタンまたはチオフェン[各々Sの量が100ppm(重量)になるように]、およびメタノール[Oの量が100または2000ppm(重量)のいずれかになるように]を不純物として添加しておく特定の試験を実施した。このようなドーパント(dopants)は、触媒が経時的に示す活性に関して触媒性能に影響を与えなかった。
本発明のいろいろな面に従い、本分解方法では、多様な異なるオレフィン原料を用いることができるばかりでなく、また使用する工程条件および個々の触媒を適切に選択することを通して結果として生じる流出液に含まれるオレフィンが選択的に特別な分布を示すようにオレフィン転化過程を調節することができる。
例えば、本発明に従い、製油所または石油化学プラントから得られるオレフィンが豊富な流に分解を受けさせてプロピレンを生じさせる。この流出液に含まれる軽質溜分、即ちCおよびC溜分はプロピレンを95%を越える量で含有し得る。このような溜分は化学グレードのプロピレン原料を構成するに充分なほど高純度である。本発明者らは、上記方法におけるオレフィン基準プロピレン収率はCまたはそれ以上のオレフィン類を1種以上含有する原料のオレフィン含有量を基にして30から50%の範囲になることを確認
した。本方法の流出液に含まれるオレフィンの分布は原料のそれに比較して異なるが、全体的オレフィン含有量は実質的に同じである。
以下に非制限実施例を言及することで本発明のいろいろな面を以下に例示する。
実施例1
この実施例では結晶性シリケートを用いて軽質分解ナフサ(LCN)に分解を受けさせる。この触媒はシリカライトであり、これを結合剤と一緒に調合し、加熱(蒸気中)による前処理(以下に記述する如く)を受けさせ、アルミニウム用錯化剤による脱アルミニウム化処理にかけることでアルミニウムをそれから抽出し、そして最後に焼成させておいた。その後、この触媒を用いて炭化水素原料中のオレフィン類を分解すると、この接触分解方法で生じた流出液に含まれるオレフィン含有量は、上記原料に含まれるオレフィンの含有量と実質的に同じであった。
上記触媒の前処理では、UOP Molecular Sieve Plant社[P.O.Box 11486、Linde Drive、Chickasaw、AL 36611、米国]から商標S115の下で商業的に入手可能なシリカライトを沈澱シリカを含む結合剤と一緒に(この結合剤が結果として生じるシリカライト/結合剤組み合わせの50重量%を構成するように)して押出し加工を行うことでペレット状にした。より詳細には、538gの沈降シリカ[Degussa AG(フランクフルロ、ドイツ)から商標FK500の下で商業的に入手可能]を1000mlの蒸留水と一緒に混合した。その結果として生じたスラリーのpHを硝酸で1にした後、それを30分間混合した。その後、このスラリーにシリカライトS115を520g、グリセロールを15gおよびチロース(tylose)を45g加えた。ペーストが得られるまで上記スラリーを蒸発させた。このペーストを押出し加工して直径が2.5mmの筒状押出し加工品に成形した。この押出し加工品を110℃で16時間乾燥させた後、それに焼成を600℃の温度で10時間受けさせた。その後、その結果として得た結合剤調合シリカライト触媒に蒸気処理を大気圧下550℃の温度で受けさせた。この雰囲気を窒素に蒸気が72体積%含まれるように構成させて、蒸気処理を48時間実施した。その後、この蒸気処理を受けさせた触媒(145.5g)をアルミニウム用錯形成化合物[エチレンジアミノテトラ酢酸(EDTA)がナトリウム塩として約0.05MのNaEDTA濃度で入っている溶液(611ml)の状態]で処理した。この溶液を16時間還流させた。次に、このスラリーを水で徹底的に洗浄した。次に、この触媒にNHCl(0.1Nを触媒100g当たり480ml)を用いたイオン交換を還流条件下で受けさせ、最後に洗浄、110℃で乾燥そして400℃で焼成を3時間受けさせた。この脱アルミニウム化過程で上記シリカライトのSi/Al比は初期の約220の値から約280の値にまで上昇した。
得られたシリカライトは単斜結晶構造を有していた。
次に、この触媒を粒子サイズが35−45メッシュになるように粉砕した。
次に、この触媒を軽質分解ナフサの分解で用いた。管状反応槽に上記粉砕触媒を10ml入れて560−570℃の温度にまで加熱した。この管状反応槽に供給材料である軽質分解ナフサを約547℃の流入温度、1バール(即ち大気圧)の流出炭化水素圧力および約10時−1のLHSV速度で注入した。
実施例1および残りの実施例に示す流出炭化水素圧力を以下の如く特徴付ける。これは流出液に含まれるオレフィンの分圧といくらか存在する非オレフィン炭化水素の分圧の合計を含む。所定流出炭化水素圧力のオレフィン分圧は流出液に含まれるオレフィンのモル
含有量を基準にして容易に計算可能であり、例えば流出炭化水素にオレフィンが50モル%含まれている場合の流出オレフィン分圧は流出炭化水素圧力の半分である。
供給材料が軽質分解ナフサである場合には、それに予備的水添過程を受けさせてそれからジエン類を除去しておく。この水添過程では、パラジウムを含んでいてそれがアルミナ支持体に0.6重量%支持されている触媒を用い、水素/ジエンのモル比が約3になるように水素を存在させて、約30バールの絶対圧力下、約130℃の流入温度で、上記触媒上に軽質分解ナフサと水素を約2時−1のLHSVで通した。
表1に、初期LCN供給材料の組成に加えて、ジエン水添過程に従う水素化処理を受けさせた後の供給材料の組成を、CからCの化合物の項目で示す。この初期LCNは以下に示す如き蒸留曲線(ASTM D 1160で測定)を与えた。
留出(体積%) 温度
1体積% 14.1℃
5 28.1
10 30.3
30 37.7
50 54.0
70 67.0
90 91.4
95 100.1
98 118.3
表1中、文字Pはパラフィン種を表し、文字Oはオレフィン種を表し、文字Dはジエン種を表し、そして文字Aは芳香族種を表す。表1にまた接触分解過程の結果として生じる流出液の組成も示す。
接触分解過程の結果として生じる流出液に含まれるオレフィン含有量と原料に含まれていたオレフィン含有量が実質的に同じであることが表1から分かるであろう。言い換えれば、LCNはオレフィンを約45重量%含有しておりそして流出液はオレフィンを約46重量%含有していた。しかしながら、本発明に従い、この流出液に含まれるオレフィン類の組成は接触分解過程を通して実質的に変化しており、流出液に含まれるプロピレンの量は最初の0の値から流出液中の18.3805重量%の値にまで高くなったことが分かるであろう。このことから、接触分解過程におけるオレフィン基準プロピレン収率は40.6%であった。このことは、本発明に従う方法ではオレフィン類が接触分解を受けて他のオレフィン類が生じ、この実施例ではプロピレンが高い度合で生じることを立証している。
上記LCNにはCないしCの炭化水素が含まれておりそして上記流出液中にはオレフィン含有量の40%以上、例えば約51%がCないしCのオレフィン類として存在していた。このことは、本発明の接触分解方法では軽質分解ナフサ原料から低級オレフィン類が高い収率で生じることを立証している。この流出液に含まれるオレフィン類はプロピレンを約39重量%含んでいた。
本接触分解方法では、有意に、流出液に含まれるCないしCのオレフィン類の量がLCN原料に比較して高くなっており、それに相当して、流出液に含まれるC+炭化水素種の量はLCN原料に比較して有意に低い。このことは表2に明確に示されており、この表から、流出液に含まれるC+種の量は最初のLCN原料中の約96重量%の値に比較して約63重量%の値にまで有意に低下することが分かるであろう。表2にまた初期L
CN原料、水素化処理を受けさせたLCN原料および流出液に含まれるC+種の組成も示す。流出液にはCないしC種が多量に存在し、その結果として、この流出液から上記種を軽質オレフィンとして分溜するのは容易である。それによって、今度は、表2に示す組成(LCNに含まれるオレフィン量が初期のLCN原料に比較して有意に低下した)を有するC+液状産物がもたらされる。これは、初期LCN原料に含まれていたC+オレフィンがより軽質のCないしCオレフィンに変化した結果である。
表3を参照して、この表に、初期LCN原料、水素化処理を受けさせたLCN原料および流出液に含まれるCからC種の炭化水素価(hydrocarbon number)を示す。LCN供給材料にはC種が全く存在しておらずそして流出液に含まれるC種は実際上全部プロピレンとして存在していることが、C種の炭化水素価から分かるであろう。このように、C種を上記流出液から分溜した時のC溜分に関するプロピレンの純度は、ポリプロピレン製造用ポリマー出発材料として用いることができるに充分なほど高い。
実施例2
軽質分解ナフサとは異なる原料(軽質分解ナフサから分溜で得られたC溜分を包含)を用いて実施例1を繰り返した。加うるに、接触分解過程における流入温度を548℃にした。炭化水素流出圧力を約1バール(即ち大気圧)にした。
表4に、LCNから得られたC溜分である供給材料、実施例1と同様なジエン水添処理を受けさせておいた水素化処理供給材料、および分解過程で生じる流出液に含まれる炭化水素種の分布を示す。初め上記供給材料にC種が多く含まれておりそして接触分解過程の結果として生じる流出液に含まれるオレフィンの含有量はそれと実質的に同じままであるがC種の量は初めの原料に含まれる上記種の量に比較して有意に低下していることが分かるであろう。再び、より軽質なCないしCのオレフィンは上記流出液から容易に分溜されて、表5に示す組成を有するC+液状産物が残存する。表6にCないしC炭化水素種の組成を示す。再び、接触分解過程で約34%の高いオレフィン基準プロピレン収率が得られることが分かるであろう。流出液に含まれるオレフィンの約49.5%はCないしCのオレフィンとして存在しており、この流出液に含まれるオレフィンの35%以上がプロピレンで構成されている。更に、CないしC化合物の95%以上がCないしCのオレフィンとして存在している。
上記流出液はオレフィン含有量の約49.5%がCないしCのオレフィンとして存在するオレフィン含有量を有する。この実施例は、CないしCのオレフィンをCオレフィン原料から製造することができることを示している。
実施例3
軽質分解ナフサの代わりに製油所のMTBE装置から得られるC抽残液(抽残液II)を原料として用いる以外は実施例1を繰り返した。加うるに、原料の流入温度を約560℃にした。炭化水素流出圧力を約1バール(大気圧)にした。
本発明に従い、Cオレフィン原料からCと主にCオレフィンが生じることが表7−9から分かるであろう。流出液に含まれるオレフィン含有量の約34.5%がCおよび/またはCオレフィンとして存在している。このCおよび/またはCオレフィンは上記流出液から容易に分溜され得る。オレフィン基準プロピレン収率は29%であった。
実施例4
この実施例では、蒸気処理および脱アルミニウム処理そして焼成を受けさせておいたシ
リカライトを用いて1−ヘキセン含有オレフィン原料の接触分解を管状反応槽に供給する供給材料の流入温度を変えて実施した時の接触分解過程を例示する。
シリカライト触媒にケイ素/アルミニウム比が約120で結晶子サイズが4から6ミクロンで表面積(BET)が399m/gのシリカライトを含めた。このシリカライトを圧縮し、洗浄した後、35−45メッシュの画分を保持した。このシリカライトに蒸気処理を、蒸気が72体積%で窒素が28体積%の雰囲気中、大気圧下、550℃の温度で48時間受けさせた。次に、この蒸気処理を受けさせたシリカライト(11g)にEDTA溶液(NaEDTAが0.0225M入っている100ml)による処理を還流下で6時間受けさせることを通して、このシリカライトに脱アルミニウムを受けさせた。次に、このスラリーを水で徹底的に洗浄した。次に、この触媒に塩化アンモニウム(0.05Nを触媒10g当たり100ml)によるイオン交換を還流下で受けさせ、洗浄し、110℃で乾燥させた後、最後にそれに実施例1に記述した様式と同様な様式の焼成を400℃で3時間受けさせた。上記脱アルミニウム処理を受けさせた後の触媒のケイ素/アルミニウム原子比は約180であった。
このシリカライトは単斜結晶形態であった。
次に、この触媒を粉砕して管状反応槽に入れて約580℃の温度に加熱した。1−ヘキセン供給材料を1バール(大気圧)の流出炭化水素圧力になるように約25時−1のLHSVで表10に示した如きいろいろな流入温度で注入した。表10に、流入温度を約507から580℃に変えたいろいろな実験1−5で生じた流出液に含まれるCないしC+種の組成を示す。表10に示した収率は、上記供給材料は100%オレフィンから成ることから、オレフィン基準プロピレン収率と実際のプロピレン収率[(プロピレンの重量/供給材料の重量)x100%として定義される]の両方を表している。
オレフィン基準プロピレン収率は流入温度を高くするにつれて向上し、約507℃の温度の時の約28ないし約580℃の流入温度の時の約47の値に向かって変化することが分かるであろう。
流出液には元の1−ヘキセン原料に含まれていたオレフィンよりも軽質のオレフィンが多く存在することが分かるであろう。
実施例5
この実施例では原料にC流(製油所のMTBE装置から得られた抽残液II流を包含)を含めた。このC供給材料は表11に示す如き初期組成を有していた。
接触分解過程で用いる触媒に実施例4に記述した条件に従って調製したシリカライト触媒を含めた。
このように、このシリカライト触媒は単斜結晶構造を有していてケイ素/アルミニウム原子比は約180であった。
この触媒を管状反応槽に入れて約550℃の温度に加熱した。その後、上記C抽残液II供給材料を上記管状反応槽に表11の実験1および2に指定する如きいろいろな流出炭化水素圧力および流入温度になるようにLHSVが約30時−1の供給速度で注入した。実験1では流出炭化水素圧力を1.2baraにしそして実験2では流出炭化水素圧力を3baraにした。その結果として生じた流出液の組成を表11に示す。ここでは、プロピレン収率およびパラフィン生成(即ちオレフィン損失)に対する圧力の影響を示す。
1.2バールの流出炭化水素圧力下で実施した実験1では3バールの流出炭化水素圧力で実施した実験2とは対照的に流出液にプロピレンが有意量で含まれていてプロピレンの量およびオレフィン基準プロピレン収率が高いことが実験1および2の両方から分かるであろう。
実験1のオレフィン基準プロピレン収率は34.6%で実験2のオレフィン基準プロピレン収率は23.5%であった。
実験1の分解過程では主にCオレフィン原料からCオレフィンが生じたことが分かるであろう。実験1ではC化合物の少なくとも約95%がCオレフィンとして存在することが分かるであろう。
より高い圧力で行った実験2では実験1の場合に比べてパラフィン類(プロパン、即ちP5類)および重質化合物(C6+)がより多い量で生じた。
実施例6
この実施例では、高いケイ素/アルミニウム原子比を有する結晶性シリケート、特にシリカライト触媒を製造して、このシリカライト粉末を結合剤と一緒に調合した。
この結合剤にシリカを含めた。この結合剤の調製では、Degussa AG[GBAC、D−6000、フランクフルト、ドイツ]から商標FK500の下で商業的に入手可能な沈澱シリカ(538g)を1000mlの蒸留水と一緒に混合した。その結果として生じたスラリーのpHを硝酸で1にした後、それを約30分間混合した。その後、このスラリーにUOP Molecular Sieve Plant社[P.O.Box 11486、Linde Drive、Chickasaw、AL 36611、米国]から商標S115の下で商業的に入手可能なシリカライトを520g加え、それと一緒にグリセロールを15gおよびチロースを45g加えることを通して、触媒であるシリカライトと結合剤であるシリカを一緒にした。ペーストが得られるまで上記スラリーを蒸発させた。このペーストを押出し加工して直径が2.5mmの筒状押出し加工品に成形した。この押出し加工品を約110℃の温度で約16時間乾燥させた。その後、この乾燥させたペレットに焼成を約600℃の温度で約10時間受けさせた。上記結合剤が複合触媒の50重量%を構成していた。
上記シリカを結合剤として用いて調合したシリカライトに、その後、この触媒を蒸気中で加熱した後にその触媒からアルミニウムを抽出する段階を受けさせることで、この触媒のSi/Al原子比を高くした。初期シリカライト触媒のSi/Al原子比は220であった。結合剤であるシリカと一緒に押出し加工品形態で調合したシリカライトに処理を蒸気を72体積%と窒素を28体積%含有する蒸気雰囲気中で大気圧下約550℃の温度で48時間受けさせた。水分圧は72kPaであった。その後、この蒸気処理を受けさせた触媒(145.5g)をNaEDTAが0.05M入っている水溶液(611ml)に浸漬して、その溶液を16時間還流させた。次に、その結果として生じたスラリーを水で徹底的に洗浄した。次に、この触媒に塩化アンモニウム(0.1NのNHClを触媒100g当たり480mlの量)を用いたイオン交換を還流条件下で受けさせた。最後に、この触媒を洗浄し、約110℃の温度で乾燥させた後、これに焼成を約400℃の温度で約3時間受けさせた。
その結果として得た触媒は280を越えるSi/Al原子比および単斜結晶構造を有していた。
実施例7
この実施例では、シリカライトを基にして高いケイ素/アルミニウム原子比を持たせた結晶性シリケート触媒を、実施例6に記述した過程とは異なる段階順を用いて製造した。実施例7では、上記シリカライトに蒸気処理および脱アルミニウムを受けさせた後、このシリカライト触媒を結合剤と一緒に調合した。
最初の蒸気処理段階では、UOP Molecular Sieve Plant社[P.O.Box 11486、Linde Drive、Chickasaw、AL 36611、米国]から商標S115の下で商業的に入手可能なSi/Al原子比が220のシリカライトに蒸気を用いた処理を蒸気を72体積%と窒素を28体積%含有する雰囲気中で大気圧下約550℃の温度で48時間受けさせた。水分圧は72kPaであった。その後、この蒸気処理を受けさせた触媒(2kg)をNaEDTAが0.05M入っている水溶液(8.4リットル)に浸漬して約16時間還流させた。その結果として生じたスラリーを水で徹底的に洗浄した。その後、この触媒に塩化アンモニウム(0.1NのNHClを触媒1kg当たり4.2リットル)用いたイオン交換を還流条件下で受けさせた。最後に、この触媒を洗浄し、約110℃の温度で乾燥させた後、これに焼成を約400℃の温度で約3時間受けさせた。
その結果として得たシリカライト触媒は約280のSi/Al原子比および単斜結晶構造を有していた。
その後、上記シリカライトを無機結合剤であるシリカと一緒に調合した。このシリカはDegussa AG社[GBAC、D−6000、フランクフルト、ドイツ]から商標FK500の下で商業的に入手可能な沈澱シリカの形態であった。215gの上記シリカを850mlの蒸留水と一緒に混合した後、このスラリーのpHを硝酸で1になるまで下げた後、それを1時間混合した。その後、このスラリーに、この上で処理したシリカライトを850g、グリセロールを15gおよびチロースを45g加えた。次に、ペーストが得られるまで上記スラリーを蒸発させた。このペーストを押出し加工して直径が1.6mmの筒状押出し加工品に成形した。この押出し加工品を約110℃の温度で約16時間乾燥させた後、これに焼成を約600℃の温度で約10時間受けさせた。
上記結合剤が複合触媒の20重量%を構成していた。
実施例8および比較実施例1および2
実施例8では、蒸気処理および抽出による脱アルミニウム過程を受けさせておいたシリカライト触媒をブテン含有原料の接触分解で用いた。この触媒は実施例4に従って蒸気処理および脱アルミニウム化を受けさせることで調製したシリカライトであり、これのケイ素/アルミニウム原子比は180であった。
この接触分解過程で用いたブテン含有原料は表12aに示す組成を有していた。
接触分解過程を545℃の流入温度で流出炭化水素圧力が大気圧になるようにして30時−1のLSHVで実施した。
表12aに流出液中に存在するプロピレン、イソブテンおよびn−ブテン量の分類を示す。プロピレンの量が比較的高いことが分かるであろう。また、上記シリカライトは接触分解過程で経時的安定性を示してプロピレンの選択率は20時間および164時間の稼働時間(TOS)後でも同じであることを注目することができる。このように、本発明に従って製造した触媒を用いると経時的に安定したオレフィン転化率が得られかつもたらされるパラフィン生成量、特にプロパン生成量は低い。
比較実施例1および2でも実質的に同じ原料および分解条件を用いたが、上記実施例とは対照的に、比較実施例1では触媒に実施例4と同じ出発シリカライトを含めてそれに如何なる蒸気過程も抽出過程も受けさせず、そして比較実施例2では、触媒に実施例4と同じ出発シリカライトを含めてそれに実施例4と同じ蒸気処理を受けさせたが抽出処理は受けさせなかった。結果をそれぞれ表12bおよび12cに示す。比較実施例1および2では各々アルミニウムをシリカライトの骨格から除去する抽出過程を用いておらず、その結果として、触媒のケイ素/アルミニウム原子比は実施例8の触媒のそれに比較して有意に低かった。
比較実施例1および比較実施例2では触媒が安定性を示さなかったことが分かるであろう。言い換えれば、上記触媒が分解過程を触媒する能力は経時的に低下した。これは触媒上にコークスが生じたことによるものであると考えており、これは逆に、この使用した触媒のケイ素/アルミニウム原子比が低い結果として触媒の酸性度が比較的高かったことによるものであると考えている。
比較実施例1ではまたパラフィン類、例えばプロパンの生成量も多かった。
実施例9および実施例10
実施例9および10では、オレフィンの接触分解過程で用いるシリカライト触媒のケイ素/アルミニウム原子比を高くしておくとそれによって触媒の安定性が向上することを例示する。
図1に、実施例1で用いたシリカライトと同様な初期ケイ素/アルミニウム原子比が約220のシリカライトを用いたがその比率を実施例1に記述した蒸気処理および脱アルミニウム段階で高くしておいた触媒を用いた場合の収率および時間の間の変化を示す。プロピレンの収率が経時的に有意には低下しないことが分かるであろう。このことは上記触媒が高い安定性を示すことを例証している。原料にジエンの量を低くしておいたC原料を含めた。
図2に、シリカライト触媒のケイ素/アルミニウム原子比が低いと触媒の安定性がどれくらい低いかを示し(実施例10)、これは接触分解過程におけるプロピレンの収率が経時的に低下することで明らかになる。実施例10の触媒に実施例9で用いた触媒の出発触媒を含め、このシリカライトのケイ素/アルミニウム原子比は約220であった。
実施例11、実施例12、実施例13および比較実施例3
実施例11から13では、ジエンの量を低くしておいたC含有オレフィン原料の接触分解過程でプロピレンの収率が時間に伴って変化する度合を試験した(実施例11)。この触媒に実施例6のシリカライト触媒、即ち220の初期ケイ素/アルミニウム原子比を有するシリカライトに押出し加工段階を押出された触媒/結合剤複合体中のシリカ含有量が50重量%になるようにシリカ含有結合剤と一緒に受けさせておいた触媒を含めた。上記押出し加工は実施例6の言及で開示した加工と同様であった。その後、この結合剤と一緒に調合したシリカライトに実施例6に開示した如き蒸気処理および抽出処理を受けさせた。図3に、接触分解過程におけるプロピレン収率の経時的変化を示す。プロピレン収率の低下は500時間に及ぶ稼働時間(TOS)全体に渡って若干のみでプロピレン収率は稼働時間が数時間または169時間の時よりも実質的に高いことが分かるであろう。
実施例12では、シリカライト触媒を結合剤と一緒にシリカが複合触媒の50重量%を構成するように調合する押出し加工段階に先立って蒸気処理およびアルミニウム抽出段階を実施例7の場合と同様な様式で実施する以外は同じ触媒を用いた。実施例12の場合のプロピレン収率は実施例11の場合に比べて経時的に有意に低下することが図4から分か
るであろう。このことは、調合シリカライト触媒に含める結合剤の量を約50%にする場合には押出し加工段階を蒸気処理および抽出段階の前に実施する方が好適であることを示している。
実施例13は、実施例11の触媒と同様な触媒を用いて接触分解過程におけるプロピレンの経時的収率を試験する点で実施例12と同様であるが、実施例13では、上記触媒に含める結合剤であるシリカの量をこの結合剤と一緒に調合したシリカライト触媒の重量を基準にして20重量%のみにした。プロピレンの収率は実施例11(この場合の触媒には結合剤をより多い量で含めた)の場合に比べて経時的にあまり低下しなかったことが図5から分かるであろう。このように、この実施例は、結合剤の量が低い場合には蒸気処理および抽出段階を押出し加工段階の前に実施して触媒を結合剤に付着させてもよいことを示しており、この場合には、オレフィン原料の接触分解過程におけるプロピレン収率の経時的な低下は有意には起こらなかった。
比較実施例3では、結合剤にシリカではなくアルミナを結合剤であるアルミナがシリカライト/結合剤複合触媒の50重量%を構成するように含める以外は実施例12の様式と同様な様式でシリカライト触媒の調製を行った。その結果として得た触媒をC(ジエン類の量を少なくしておいた)オレフィン原料の接触分解で用い、その結果を図6に示す。アルミニウム含有結合剤、特にアルミナを用いると接触分解過程で得られるプロピレンの収率が経時的に有意に低下することが分かるであろう。このアルミニウム含有結合剤は高い酸性度を有することから触媒上にコークスが生成し、それによって今度は上記触媒がオレフィンの接触分解過程で示す活性が経時的に低下したと考えている。
実施例14および比較実施例4
実施例14および比較実施例4では、ジエンを除去しておいた原料を用いる方が好適であること、特に原料に含まれるジエンを水添で除去しておくのが好適であることを例示する。
実施例14では、下記の特性を有するシリカライト(AKZO社から入手)を用いた:Si/Al原子比:111、表面積:389m/gおよび結晶子サイズ:2から5ミクロン。このシリカライトを圧縮し、粉砕した後、35−45メッシュの画分を保持した。この画分に蒸気含有量が72体積%で窒素含有量が28体積%の蒸気雰囲気を用いた処理を大気圧下553℃で約48時間受けさせた。この蒸気処理を受けさせた触媒(104g)をNaEDTAが0.025M入っている1000mlの水溶液に浸漬して16時間還流させた。このスラリーを水で徹底的に洗浄した。次に、この触媒にNHCl(0.05Nを触媒100g当たり1000ml)による交換を還流条件下で受けさせた。次に、この触媒を最終的に洗浄し、110℃で乾燥させた後、それに焼成を400℃で3時間受けさせた。上記脱アルミニウム処理を受けさせた後の最終Si/Al原子比は182であった。
次に、この触媒をオレフィンを37重量%含有する軽質分解ナフサである供給材料の分解で用いたが、ここでは、この供給材料に前以てジエンの水添をもたらす処理を受けさせておいた。工程条件は流入温度が557℃で流出炭化水素圧力が大気圧でLHSVが25時−1であった。図7にエチレン、プロピレン、CからCのパラフィン類およびブテン類の経時的収率分布を示す。プロピレン生産量は試験時間全体に渡って安定でパラフィン類の追加的生成は見られないことが図7から分かるであろう。
それとは対照的に、比較実施例4では、シリカライト触媒を用いたオレフィン分解過程でジエンの水添をもたらす水素化処理を前以て受けさせておかなかった供給材料を用いた。この触媒は実施例4に従って製造した触媒と同じ触媒(脱アルミニウムの結果としてS
i/Al原子比が180の触媒)であった。この触媒をオレフィンを49重量%含有するLCN供給材料(この供給材料はジエンを0.5重量%含有する)の分解過程で用いた。工程条件は流入温度が570℃で流出炭化水素圧力が大気圧でLHSVが27時−1であった。
図8に、ジエン含有量を低くしておいた分解ナフサにシリカライトを用いた選択的分解を受けさせた時のいろいろなオレフィン成分の収率とプロパンの収率の間の関係を時間に関して示す。比較実施例4ではプロピレンの収率が経時的に有意に低下することが分かるであろう。これは原料にジエンが存在していると結果としてゴム状物が触媒に付着し得ることでそれの活性が経時的に低下することによるものであると考えている。
実施例15
この実施例では、原料に1番目の炭化水素流(Cオレフィンを含有)、特にジエン水添を受けさせておいたC流(主成分としてCオレフィンを含有する)と2番目の炭化水素流(軽質分解ナフサを包含)を含めた。この2つの炭化水素流の組成および結果として生じた混合物の組成を表11に示す。この混合した原料をシリカライト触媒の上に約550℃の原料流入温度で炭化水素圧力が大気圧になるようにして約23時−1の原料LHSVで送り込んだ。このような混合原料の場合、結果として生じる流出液のオレフィン含有量は上記原料混合物のオレフィン含有量と実質的に同じでありそして流出液にプロピレンが16.82%含まれることが分かるであろう。本明細書の上に記述したように、Cオレフィン流とLCNの混合物を用いると本発明の接触分解方法の全体的熱負荷の低下がもたらされ得る。
実施例16
この実施例では、CU Chennie Ueticon AG社(スイス)から商標ZEOCAT P2−2の下で商業的に入手可能な触媒を用いて反応槽に表14に示した組成を有する1−ブテン供給材料から成る原料を約560℃の流入温度で流出炭化水素圧力が大気圧になるようにして約23時−1のLHSVで送り込んだ。この触媒のケイ素/アルミニウム原子比は300であった。この触媒は商業的に入手可能であり、これは有機鋳型を用いた結晶化で調製されたもので、後で如何なる蒸気処理も脱アルミニウム処理も全く受けさせていないものであった。この触媒の結晶サイズは2ないし5ミクロンでペレットサイズは35ないし45メッシュであった。流出液の組成を40時間の稼働時間後および112時間の稼働時間後に検査し、この流出液の分析結果を表14に示す。表14は、流出液に含まれるプロピレンに対して選択性のある接触分解過程に関してケイ素/アルミニウム原子比が300の触媒は大きな安定性を有することを示している。このように、稼働時間が40時間後の流出液ではそれの18.32重量%をプロピレンが構成している一方、稼働時間が112時間後の流出液ではそれの18.19重量%をプロピレンが構成していた。稼働時間が162時間後の流出液ではそれの17.89重量%をプロピレンが構成していた。このことは、流出液中のプロピレン含有量は約5日間に及ぶ極めて長い時間(3日を越える)に渡って有意には低下しないことを示している。3日間は、典型的に、固定床型の2基の並列「自在」反応槽の場合に用いられる再利用、即ち再生期間である。実施例16の場合の112時間および162時間後の結果はそれぞれ比較実施例1の場合の97時間および169時間の結果に匹敵し得る。比較実施例1の場合の触媒は97時間に渡ってかなり安定で流出液に含まれるプロピレンの量が初期体積に比較して低下した度合は約1.1%であったが、これの安定性は97時間から169時間の間で有意に低下し、このことは、実施例16の場合の相当する期間である112時間および162時間には当てはまらない。
比較実施例5
この比較実施例では、ブテン含有原料の接触分解でケイ素/アルミニウム原子比が25
の市販ZSM−5触媒を用いた。この接触分解過程で用いたブテン含有原料の組成は表15に示す通りであった。
この接触分解過程を560℃の流入温度で流出炭化水素の圧力を大気圧にして50時−1のLHSVで実施した。
本明細書の上で引用したヨーロッパ特許出願公開第0109059号に開示されている相当する触媒および条件を模擬するように触媒および工程条件、特に高い空間速度を選択した。
この接触分解過程をほぼ40時間に渡って実施して流出液の組成を逐次的稼働時間(TOS)で定期的に測定した。個々の稼働時間後の流出液の組成を表15に示し、これはブテン転化度の指示に相当する。
約25の低いケイ素/アルミニウム原子比を有するZSM−5触媒を高い空間速度と一緒に用いる(ヨーロッパ特許出願公開第0109059号には高いプロピレン収率を達成するに重要であると示されている)とプロピレンの収率は流出液にプロピレンが約16重量%含まれるに充分なほど高くなり得たが、これは稼働時間が約15−20時間の間であり、その期間を過ぎるとプロピレンの収率が急速に悪化することが表15から分かるであろう。このことは、ヨーロッパ特許出願公開第0109059号に開示されている方法で用いられているように高い空間速度と一緒に低いケイ素/アルミニウム原子比を用いると触媒の安定性が低くなることを示している。
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Claims (14)

  1. またはそれ以上のオレフィン類を1種以上含有するオレフィンが豊富な原料からプロピレンを製造する方法であって、該オレフィン含有原料を少なくとも約180のケイ素/アルミニウム原子比を有するMFI型の触媒に接触させてプロピレンを含有する流出液を該原料のオレフィン含有量を基準にして30ないし50%のオレフィン基準プロピレン収率で生じさせることを含んでなる方法。
  2. 該原料が軽質分解ナフサを含む請求項1記載の方法。
  3. 該原料が製油所内の流動床接触分解装置由来のC溜分、製油所内のメチルt−ブチルエーテル製造用装置由来のC溜分または蒸気分解装置由来のC溜分を含む請求項1記載の方法。
  4. 該原料が蒸気分解装置または軽質分解ナフサ由来のC溜分を含む請求項1記載の方法。
  5. 該流出液中に存在する全てのC化合物の少なくとも95重量%がプロピレンとして存在する前請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 該原料を該触媒に500ないし600℃の流入温度で接触させる前請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 該流入温度が540ないし580℃である請求項6記載の方法。
  8. 該原料を該触媒に0.1ないし2バールのオレフィン分圧で接触させる前請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 該原料を該触媒の上に10ないし30時−1のLHSVで通す前請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 該ケイ素/アルミニウム原子比が180から1000である前請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 該触媒が該触媒を蒸気中での加熱により前処理されそして該触媒をアルミニウム用錯化剤で処理することにより該触媒が脱アルミニウム化されており、この前処理で該触媒のケイ素/アルミニウム原子比が少なくとも約180の値にまで高められているものである前請求項のいずれかに記載の方法。
  12. 該MFI型の触媒がシリカライト型の触媒である請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 該MFI型の触媒がZSM−5型の触媒である請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 該触媒がZSM−5型の触媒であり、有機鋳型を用いた結晶化で作られたものであり、その後如何なる蒸気処理も脱離アルミニウム化処理も受けておらず、300ないし1000のケイ素/アルミニウム原子比を有する触媒である請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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