JP2010138348A - アニオン界面活性剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性ペースト状であってアニオン界面活性剤が高濃度の組成物であっても、ポンプ輸送時や造粒時にかかるせん断速度においてハンドリングが容易なアニオン界面活性剤組成物を提供すること。
【解決手段】ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコール、並びにアニオン界面活性剤50〜90重量%を含有する、アニオン界面活性剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アニオン界面活性剤の濃度が高くてもハンドリング可能な程度に粘度が低いアニオン界面活性剤組成物、及び当該組成物を用いる洗剤粒子群の製造方法に関する。
従来より知られているペースト状の高濃度のアニオン界面活性剤組成物としては、例えば、高濃度で安定し、しかも低粘度のアニオン界面活性剤、平均分子量1,000〜20,000のポリエチレングリコール、高級アルコール及び/又はそのエトキシレート化物、硫酸ナトリウム並びにアルカリ物質を特定の割合で含有するペースト(特許文献1)や、液状の水性濃縮アルキルサルフェート組成物であって、アルコールエトキシレート、アルコールエトキシサルフェート、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールの硫酸化物を含有する組成物からなるペースト(特許文献2)などがある。
特開平5−93199号公報 特開平5−140586号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2で開示される組成物の粘度は未だ満足のいくレベルではなかった。また、このような組成物を用いて洗剤粒子群を製造する場合、得られる洗剤粒子群中に洗剤粒子同士の凝集物が多量に出来てしまうため、溶解性が悪く、この点で未だ満足のいくレベルではなかった。
従って、本発明の課題は、水性ペースト状であってアニオン界面活性剤が高濃度の組成物であっても、ポンプ輸送時や造粒時にかかるせん断速度においてハンドリングが容易なアニオン界面活性剤組成物を提供することである。さらに本発明の課題は、かかるアニオン界面活性剤が高濃度のアニオン界面活性剤組成物を用いる洗剤粒子群の製造方法であって、得られる洗剤粒子群の洗剤粒子同士の凝集物が少なく、溶解性の良好な洗剤粒子群の製造方法を提供することである。
即ち、本発明は、
〔1〕 ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコール、並びにアニオン界面活性剤50〜90重量%を含有する、アニオン界面活性剤組成物;
〔2〕 下記工程:
工程(A):界面活性剤担持用顆粒群を調製する工程、工程(B):ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールと、アニオン界面活性剤50〜90重量%とを含有する、アニオン界面活性剤組成物を調製する工程、工程(C):工程(A)で調製された界面活性剤担持用顆粒群と、工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物とを混合して混合物を得る工程、並びに工程(D):工程(C)で得られた混合物を表面改質して洗剤粒子群を得る工程、
を含む洗剤粒子群の製造方法;並びに
〔3〕 前記〔2〕に記載の製造方法によって得られた洗剤粒子群、に関するものである。
本発明のアニオン界面活性剤組成物は、ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールを含有させることによって、アニオン界面活性剤が高濃度であるにもかかわらず低粘度となったものであるため、洗剤粒子群の製造時のハンドリング性に優れている。さらにかかるアニオン界面活性剤組成物を用いて得られる洗剤粒子群は、粒子同士の凝集・圧密が抑制されたものであり、その結果、嵩密度の上昇(コンパクト化)及び溶解性の改善といった効果が奏される。
1.アニオン界面活性剤組成物
本発明のアニオン界面活性剤組成物は、ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコール、並びにアニオン界面活性剤50〜90重量%を含有する。本発明のアニオン界面活性剤組成物は、ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコール(両成分をまとめて「粘度調整剤」と言う)を含有することを一つの特徴とする。かかる粘度調整剤を所定量含有することにより、アニオン界面活性剤組成物が高濃度であってもその粘度を小さくすることができるという効果が奏される。なお、以下に記載の各成分の含有量及び配合量の%表示は、別に規定のない限り重量%のことである。
本発明の組成物に含有されるアニオン界面活性剤としては、一般に、衣料用洗剤、野菜・食器洗い洗剤や毛髪・皮膚洗浄剤などに使われるものを使用することができる。例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルまたは、ヒドロキシアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシル化タウリン、N−アシル化メチルタウリン、N−アシル化グリシン、N−アシル化アスパラギン酸、N−アシル化ザルコシン、N−アシル化グルタミン酸、高級脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、アルキルアミドエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸モノグリセライド硫酸エステル塩及びアルキルイミノジカルボン酸塩などが挙げられる。かかるアニオン界面活性剤としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
かかるアニオン界面活性剤の中で、好ましいアニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等である。顕著な効果が得られる点で、アルキル硫酸塩及び/又はアルキル硫酸エステル塩がより好ましい。
本発明において用いられるアニオン界面活性剤の、アニオン界面活性剤組成物中の含有量は50〜90%であり、好ましくは60〜85%であり、より好ましくは65〜80%である。この範囲内であれば、アニオン界面活性剤が高濃度でも、ハンドリング可能な低粘度の水性ペースト状の組成物を工業的スケールにおいて得ることができる。
本発明の組成物に使用されるヒドロキシカルボン酸エステルとはヒドロキシ基を有するエステル化合物であり、例えば、乳酸エステル、リンゴ酸エステル、酒石酸エステル、クエン酸エステル、グリコールモノエステル、グリセリンモノエステル、グリセリンジエステル、リシノール酸エステルおよびヒマシ油等を挙げることができる。かかるヒドロキシカルボン酸エステルとしては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。より好ましいヒドロキシカルボン酸エステルとしては下記一般式(1)で特定される乳酸エステルを挙げることができる。
CH3CH(OH)COOR (1)
(式中、Rは炭素数1〜16の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜16のアルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基を示す。)
かかる乳酸エステルの具体例としては乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸ペンチル、乳酸ヘキシル、乳酸テトラデシル等を挙げることができる。これらの中でより好ましい乳酸エステルは、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル及び乳酸ブチルであり、さらに好ましくは乳酸エチルである。
本発明の組成物に使用される炭素数が3〜8からなる一価のアルコールとしては、直鎖構造でも分岐構造であってもよく、例えば、1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ヘプタノール及び1−オクタノール等を挙げることができる。かかる一価のアルコールとしては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。より好ましい一価アルコールとしては、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノールを挙げることができる。
本発明の組成物における粘度調整剤の含有量、即ちヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールの含有量としては、本発明の組成物中のアニオン界面活性剤100重量部に対して1〜80重量部が好ましく、10〜60重量部がより好ましく、20〜50重量部がさらに好ましい。アニオン界面活性剤組成物のハンドリングの観点から、当該含有量は1重量部以上が好ましく、顆粒に担持可能なアニオン界面活性剤の有効分、粘度調整剤のコストの観点から、当該含有量は80重量部以下が好ましい。なお、ヒドロキシカルボン酸エステル及び炭素数3〜8の一価のアルコールを粘度調整剤として組み合わせて用いてもよく、このように両者を併用する場合の両者の使用比率には特に制限はなく、任意の比率で用いることができる。よって、両者を併用する場合、ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールの含有量は、両者の総含有量となる。
本発明のアニオン界面活性剤組成物の粘度としては、ハンドリングの観点からより低い方が好ましい。例えば温度を50℃とする時、次の粘度範囲が好ましい。例えばせん断速度が0.1[1/s]の場合、1mPa・s以上1500Pa・s以下が好ましく、1000Pa・s以下がより好ましい。せん断速度が1.0[1/s]の場合、100Pa・s以下が好ましく、50Pa・s以下がより好ましい。せん断速度が10.0[1/s]の場合、8.0Pa・s以下が好ましく、6.0Pa・s以下がより好ましい。本明細書において、アニオン界面活性剤組成物の粘度は、MCR300(PHYSICA Messtechnik GmbH製、ローター:コーンプレート(cp50−1))を用いて、温度50℃、せん断速度0.1〜10[1/s]で測定して求める。
本発明のアニオン界面活性剤組成物は、所定量のアニオン界面活性剤、所定量の粘度調整剤及び水を混合することによって調製することができる。必要に応じて、これらの成分以外の成分を添加してもよい。
2.洗剤粒子群の製造方法
本発明の洗剤粒子群の製造方法は、下記工程:
工程(A):界面活性剤担持用顆粒群を調製する工程、
工程(B):ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールと、アニオン界面活性剤50〜90重量%とを含有する、アニオン界面活性剤組成物を調製する工程、
工程(C):工程(A)で調製された界面活性剤担持用顆粒群と、工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物とを混合して混合物を得る工程、並びに
工程(D):工程(C)で得られた混合物を表面改質して洗剤粒子群を得る工程、を含む
<工程(A)>
本発明の工程(A)で用いられる界面活性剤担持用顆粒群としては、界面活性剤を担持することができる顆粒群が挙げられる。より具体的には、次のような噴乾ベース顆粒(a)及び非噴乾ベース顆粒(b)が挙げられる。
〔噴乾ベース顆粒(a)の調製〕
噴乾ベース顆粒(a)は水溶性無機塩を含有するスラリーを噴霧乾燥することによって得られる顆粒であり、例えば次の成分を含有するスラリーを噴霧乾燥することによって、噴乾ベース顆粒(a)を調製することができる。
水溶性無機塩としては特に限定されないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウム等が好ましい水溶性無機塩である。かかる水溶性無機塩としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
水溶性無機塩に加えて、さらに次のような成分を用いることができる。例えば、一般的に衣料用洗剤に用いられるビルダー、例えば、ゼオライト、クエン酸塩及びトリポリリン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤、結晶性ケイ酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能をいずれも有する成分、アクリル酸ポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー及びカルボキシルメチルセルロース等の再汚染防止剤、蛍光増白剤等が挙げられる。
中でも、ゼオライトを水溶性無機塩と併用することが好ましい。ゼオライトを配合する場合、噴霧乾燥後の噴乾ベース顆粒(a)中の水分としては、水を吸着するというゼオライトの作用を大きくする観点から、噴乾ベース顆粒(a)の5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
スラリーを噴霧乾燥する際の条件(温度、噴霧乾燥装置、噴霧方法、乾燥方法等)は公知の条件であればよく、特に限定はない。
〔噴乾ベース顆粒(a)の物性〕
噴乾ベース顆粒(a)の担持能としては、20mL/100g以上が好ましく、30mL/100g以上がより好ましい。また、担持能の好ましい上限値としては70mL/100g以下である。この範囲においては、噴乾ベース顆粒(a)同士の凝集が抑制され、洗剤粒子群中の粒子の粒子成長を抑制するのに好適である。
噴乾ベース顆粒(a)の担持能の測定法は、下記の通りである。内部に攪拌翼を備えた内径約5cm×深さ約15cmの円筒型混合槽に試料(噴乾ベース顆粒(a))100gを入れる。350r/minで攪拌翼を攪拌させながら、25℃の亜麻仁油を約10mL/minの速度で投入し、攪拌動力の経時変化を測定する。攪拌動力が最も高くなった時の亜麻仁油の投入量を担持能(mL/100g)とする。
噴乾ベース顆粒(a)の嵩密度としては、200〜1000g/Lが好ましく、300〜1000g/Lがより好ましく、400〜1000g/Lがさらに好ましく、500〜800g/Lがより好ましい。本明細書において、噴乾ベース顆粒(a)の嵩密度は、別に規定のない限り、JIS K3362に規定された方法で測定する。
噴乾ベース顆粒(a)の平均粒径としては、150〜500μmが好ましく、180〜300μmがより好ましい。本明細書において、洗剤粒子群、界面活性剤担持用顆粒群、粉末原料(a)、噴乾ベース顆粒(a)及び非噴乾ベース顆粒(b)の平均粒径は、別に規定のない限り、JIS Z 8801に規定の篩を用いて次のようにして求める。
例えば、目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm及び125μmである9段の篩と受け皿を用意し、ロータップマシーン(株式会社田中化学機械製造所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付ける。100gの試料を10分間振動させて篩い分けを行った後、受け皿、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの順番に受け皿及び各篩下の質量頻度を積算していく。積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをxjμmとし、それよりも一段小さい篩の目開きをxj+1μmとした時、受け皿からxjμmの篩までの質量頻度の積算をQj%、受け皿からxj+1μmの篩までの質量頻度の積算をQj+1%とした場合、平均粒径xaは、式(A)及び(B)によって求めることができる。
Figure 2010138348
噴乾ベース顆粒(a)中の水分の測定は、次のような赤外線水分計法により行う。即ち、試料(噴乾ベース顆粒(a))3gを重量既知の試料皿に計り採り、赤外線水分計(ケット科学研究所(株)製(赤外線ランプ185W))により3分間試料の加熱、乾燥を行う。乾燥後、試料皿と乾燥試料の重量を測定する。かかる操作により得られる乾燥前後の試料皿と試料の重量の差分を試料の計り採り量で除し、100を掛けることにより試料中の水分の量(%)を算出する。
〔非噴乾ベース顆粒(b)の調製〕
非噴乾ベース顆粒(b)とは、例えば、「粘土鉱物粉末を除く吸油能0.4mL/g以上の粉末原料」(「粉末原料(a)」と言う。)に水又はバインダー水溶液を添加して顆粒を得る工程を含む方法によって得られる顆粒である。非噴乾ベース顆粒(b)には、粉末原料(a)と粘土鉱物粉末との混合物に水又はバインダー水溶液を添加して顆粒を得る工程を含む方法によって得られる顆粒も包含される。その構造は、粉末原料(a)が緩やかに凝集した構造、又は粉末原料(a)と粘土鉱物粉末とが緩やかに凝集した構造であると考えられる。
本発明において用いることができる粘土鉱物粉末としては、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石鉱物(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられる。これらは一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。かかる粘土鉱物粉末の粒径は10〜100μmが好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がより好ましい。粘土鉱物粉末の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)を用い、該粒子を溶解させない溶媒に分散させて測定したメジアン径を平均粒径として求める。
本発明において用いることができる粉末原料(a)において、吸油能とは次の評価方法により決定される値である。
即ち、吸収量測定器(あさひ総研社製S410)に試料(粉末原料(a))を30〜35g投入し、駆動羽根を200r.p.m.で回転させる。ここに液状のノニオン(花王(株)製エマルゲン108)を液供給速度4mL/minで滴下し、最大トルクとなる点を見極める。この最大トルクとなる点の70%のトルクとなる点での液添加量を試料投入量で除算し、吸油能とする。
粉末原料(a)は、その内部に10μm以下の微細な細孔を有する本質的に多孔質な物質であり、その細孔に界面活性剤を担持させることのできる物質である。なお、吸油能の上限は特に限定されるものでないが、例えば1.0mL/g以下であることが望ましい。
顆粒化の観点から、粉末原料(a)の平均粒径としては50〜250μmが好ましく、50〜200μmがより好ましく、80〜200μmがさらに好ましい。また、溶解性の観点からは、粉末原料(a)は水溶性の物質であることが好ましい。
かかる粉末原料(a)の例としては、重曹を焼成して作成したライト灰又はソーダ灰、芒硝、トリポリリン酸Naの水和物を乾燥して作成した多孔質粉末等が挙げられる。ハンドリングの容易さ及び入手のし易さの観点から、さらにライト灰が好ましい。
非噴乾ベース顆粒(b)中の粉末原料(a)の含有量としては、担持能の観点から、当該顆粒(b)の40〜95重量%が好ましく、45〜90重量%がより好ましく、50〜85重量%がさらに好ましく、50〜80重量%がより好ましい。
粘土鉱物粉末と粉末原料(a)を併用する場合には、粘土鉱物粉末と粉末原料(a)の重量比(粘土鉱物粉末/粉末原料)は、好ましくは1/1〜1/30であり、より好ましくは、1/1〜1/20であり、さらに好ましくは、1/2〜1/20である。
粘土鉱物粉末と粉末原料(a)の他に、さらに次のようなその他の成分を用いて非噴乾ベース顆粒(b)を得ることができる。具体的には、噴乾ベース顆粒(a)の説明において言及した、一般的に衣料用洗剤に用いられるビルダー、再汚染防止剤及び蛍光増白剤等が挙げられる。
粉末原料(a)、あるいは粘土鉱物粉末及び粉末原料(a)、さらに必要に応じてその他の成分を混合して混合物を得る工程において用いられる混合方法としては、両者を好ましくは実質的に均一に混合できる方法であれば、特に限定されない。例えば低剪断造粒機を使用して混合しても良く、予め別の混合機を用いて混合した後、低剪断造粒機へと移送しても良い。この操作に使用される当該別の混合機としては、例えばドラム型ミキサー(日工(株)製)、パン型ミキサー(冨士機(株))、リボンミキサー(日和機械工業(株)製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)、シュギミキサー((株)パウレック)、レディゲミキサー((株)マツボー製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)等が挙げられる。
次に、得られた混合物に水又はバインダー水溶液を添加して顆粒物を得る。バインダー水溶液の濃度については特に限定はされないが、非噴乾ベース顆粒(b)の顆粒化時の粒径はバインダー水溶液の体積によって大きく影響を受けるため、必要なバインダー量と所望の顆粒粒径から濃度を決定すれば良い。ここでバインダーとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びそれらの誘導体、ポリビニルアルコール及びその誘導体、水溶性セルロース誘導体(これらの誘導体としては、エーテル化合物等が挙げられる)、カルボン酸系ポリマー、澱粉、糖類等の有機系ポリマー、非晶質の珪酸塩等の無機ポリマー等が挙げられる。粘結性及び洗浄力の観点からは、水溶性セルロース誘導体、糖類及びカルボン酸系ポリマーが好ましく、アクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩、ポリアクリル酸塩がより好ましい。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。なお、カルボン酸系ポリマーの重量平均分子量としては、1000〜100000が好ましく、2000〜80000がより好ましい。
非噴乾ベース顆粒(b)中のバインダーの含有量は、粘結性及び吸油能の観点から、非噴乾ベース顆粒(b)中、0〜35重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましく、8〜20重量%がさらに好ましく、10〜20重量%がより好ましい。
顆粒物を得る方法としては、例えば低剪断造粒機によって各成分を造粒する方法が挙げられる。このようにして、粉末原料(a)が緩やかに凝集した構造の顆粒、あるいは粘土鉱物粉末及び粉末原料(a)が緩やかに凝集した構造の顆粒が非噴乾ベース顆粒(b)として調製される。
〔非噴乾ベース顆粒(b)の物性〕
非噴乾ベース顆粒(b)は、粉末原料(a)が緩やかに凝集した構造の顆粒、あるいは粘土鉱物粉末及び粉末原料(a)が緩やかに凝集した構造の顆粒である。そのため、(1)顆粒間の大きな空隙、(2)粉末原料(a)内の10μm以下の小さな空隙、及び(3)粘土鉱物粉末の層の間、の三つの担持サイトを持っている。この三つの担持サイトの調整により所望の担持能を持つ非噴乾ベース顆粒(b)を得ることができる。
非噴乾ベース顆粒(b)の担持能は、30mL/100g以上が好ましく、40mL/100g以上がより好ましい。一方当該担持能としては、70mL/100g以下が好ましい。かかる範囲においては、非噴乾ベース顆粒(b)同士の凝集が抑制されるため、洗剤粒子群中の粒子の粒子成長度を抑制することができるので好適である。非噴乾ベース顆粒(b)の担持能の測定方法は、噴乾ベース顆粒(a)の担持能の測定方法と同じである。
非噴乾ベース顆粒(b)の嵩密度は、液状界面活性剤組成物の担持容量を確保する観点及び液状界面活性剤組成物を担持した後の高い嵩密度を確保する観点から、550g/L以下であり、400〜550g/Lが好ましく、400〜500g/Lがより好ましい。本明細書において、非噴乾ベース顆粒(b)の嵩密度の測定方法は、噴乾ベース顆粒(a)の嵩密度の測定方法と同じである。
非噴乾ベース顆粒(b)の平均粒径は、140〜600μmが好ましく、200〜500μmがより好ましい。本明細書において、非噴乾ベース顆粒(b)の平均粒径の測定方法は、噴乾ベース顆粒(a)の平均粒径の測定方法と同じである。
非噴乾ベース顆粒(b)中の水分の測定方法は、噴乾ベース顆粒(a)中の水分の測定方法と同じである。
<工程(B)>
工程(B)は、ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールと、アニオン界面活性剤50〜90重量%とを含有する、アニオン界面活性剤組成物を調製する工程である。本工程によって調製されるアニオン界面活性剤組成物は上記の本発明のアニオン界面活性剤組成物であり、従って、本発明の方法においては、工程(B)において調製されるアニオン界面活性剤組成物として、本発明のアニオン界面活性剤組成物をそのまま利用することができる。
本工程において用いられるアニオン界面活性剤としては、一般に、衣料用洗剤、野菜・食器洗い洗剤や毛髪・皮膚洗浄剤などに使われるものを使用することができる。例えば、本発明のアニオン界面活性剤組成物の説明において列挙したものが挙げられる。かかるアニオン界面活性剤としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
かかるアニオン界面活性剤の中で、好ましいアニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等である。顕著な効果が得られる点で、アルキル硫酸塩及び/又はアルキル硫酸エステル塩がより好ましい。
本工程において用いられるアニオン界面活性剤の組成物中の含有量は50〜90%であり、好ましくは60〜85%であり、より好ましくは65〜85%である。この範囲内であれば、アニオン界面活性剤が高濃度でも、ハンドリング可能な低粘度の水性ペースト状の組成物を工業的スケールにおいて得ることができる。
本工程において用いられるヒドロキシカルボン酸エステルとはヒドロキシ基を有するエステル化合物であり、例えば、本発明のアニオン界面活性剤組成物の説明において列挙したものが挙げられる。かかるヒドロキシカルボン酸エステルとしては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。より好ましいヒドロキシカルボン酸エステルとしては下記一般式(1)で特定される乳酸エステルを挙げることができる。
CH3CH(OH)COOR (1)
(式中、Rは炭素数1〜16の炭化水素基、好ましくは炭素数1〜16のアルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基を示す。)
かかる乳酸エステルの具体例としては、本発明のアニオン界面活性剤組成物の説明において列挙したものが挙げられる。これらの中でより好ましい乳酸エステルは、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル及び乳酸ブチルであり、さらに好ましくは乳酸エチルである。
本工程において用いられる炭素数が3〜8からなる一価のアルコールとしては、直鎖構造でも分岐構造であってもよく、例えば、本発明のアニオン界面活性剤組成物の説明において列挙したものが挙げられる。かかる一価のアルコールとしては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。より好ましい一価アルコールとしては、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、1−ヘキサノールを挙げることができる。
本工程における粘度調整剤の含有量、即ちヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールの両者の総含有量としては、本工程において調製される組成物中のアニオン界面活性剤100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、5〜25重量部がより好ましく、6〜20重量部がさらに好ましい。なお、ヒドロキシカルボン酸エステル及び炭素数3〜8の一価のアルコールを粘度調整剤として組み合わせて用いてもよく、この場合の両者の使用比率には特に制限はなく、任意の比率で用いることができる。
本工程で調製されるアニオン界面活性剤組成物の粘度としては、ハンドリングの観点からより低い方が好ましい。具体的な粘度としては、本発明のアニオン界面活性剤組成物の粘度と同じである。
アニオン界面活性剤組成物を調製する具体的な操作としては、例えば、所定量のアニオン界面活性剤、所定量の粘度調整剤及び水を混合する操作が挙げられる。必要に応じて、これらの成分以外の成分を添加して混合してもよい。用いる混合としては、洗剤分野で一般的に用いられている混合機を使用することができ、混合時の条件としては、洗剤分野で一般的に採用されている条件を採用することができる。
<工程(C)>
工程(C)は、工程(A)で調製された界面活性剤担持用顆粒群と、工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物とを混合して混合物を得る工程である。本工程によって得られる混合物は造粒物を形成していてもよい。
工程(C)で用いる、アニオン界面活性剤組成物と界面活性剤担持用顆粒群とを混合するための混合機としては、例えば界面活性剤組成物を添加するためのノズルや混合機内の温度を制御するためのジャケットを備えたものが好ましい。
界面活性剤担持用顆粒群とアニオン界面活性剤組成物とを混合する際の両成分の比率としては、一様な混合物が得られる限り特に制限されないが、例えば、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対してアニオン界面活性剤組成物が5〜100重量部であることが好ましく、10〜90重量部であることがより好ましく、20〜70重量部であることがさらに好ましく、30〜60重量部であることがより好ましい。洗浄力の観点から、当該顆粒群100重量部に対してアニオン界面活性剤組成物が5重量部以上であることが好ましく、組成自由度・溶解性等の観点から、当該顆粒群100重量部に対してアニオン界面活性剤組成物が100重量部以下であることが好ましい。
工程(C)における混合条件としては、界面活性剤担持用顆粒群の形態を実質的に維持する混合条件、即ち当該顆粒群を崩壊せしめない混合条件を選択すればよい。例えば、少量を混合する場合はスパーテル等を用いて手動で混合してもよく、又は攪拌翼を具備する混合機を用いる場合、界面活性剤担持用顆粒群の崩壊を抑制する観点及び混合効率の観点から、機内に具備された攪拌翼の混合羽根の形状がパドル型の場合は、当該攪拌翼のフルード数が好ましくは0.5〜8.0、より好ましくは0.8〜4.0、さらに好ましくは0.5〜2.0である。また、当該混合羽根の形状がスクリュー型の場合は、当該攪拌翼のフルード数が好ましくは0.1〜4.0、より好ましくは0.15〜2.0である。また、当該混合羽根の形状がリボン型の場合は、当該攪拌翼のフルード数が好ましくは0.05〜4.0、より好ましくは0.1〜2.0である。
また、本明細書で定義されるフルード数は以下の式で算出する。
フルード数=V2/(R×g)
(ここで、Vは攪拌翼又は解砕翼の先端の周速[m/s]、Rは攪拌翼又は解砕翼の回転半径[m]、gは重力加速度[m/s2]を表す。)
工程(C)においては、所望により、界面活性剤担持用顆粒群以外の粉体原料を配合することもできる。その配合量は、溶解性の点から、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して、好ましくは30重量部以下である。
本明細書で言う界面活性剤担持用顆粒群以外の粉体原料とは、常温で粉末の洗浄力強化剤又は吸油剤を意味する。具体的には、ゼオライト、クエン酸塩等の金属イオン封鎖能を示す基剤、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ能を示す基剤、結晶性ケイ酸塩等の金属イオン封鎖能・アルカリ能のいずれも有する基剤等や、金属イオン封鎖能は低いが高い吸油能を有する非晶質シリカや非晶質アルミノケイ酸塩等が挙げられる。かかる粉体原料を所望により界面活性剤担持用顆粒群と併用することで、アニオン界面活性剤組成物の高配合化及び混合機内への混合物の付着の低減が達成され、また、洗浄力の向上を図ることもできる。かかる粉体原料としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。
アニオン界面活性剤組成物と界面活性剤担持用顆粒群とを混合後、ポリエチレングリコール(PEG)及び/又は脂肪酸及び/又は石鹸水を、界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して好ましくは1〜10重量部加えてさらに混合することによって、界面活性剤担持用顆粒群の表面をコーティングしてもよい。このコーティングによって、洗剤粒子群の耐ケーキング性が向上するため好ましい。さらに、PEG及び/又は脂肪酸及び/又は石鹸水の添加によって、洗剤粒子群を溶解させる際に、凝集を抑制しかつ分散性を高めることが可能となり、結果的に洗剤粒子群の溶解性を向上させることができるので好ましい。
また、混合時の混合機内の温度としては、界面活性剤担持用顆粒群の崩壊を実質的に抑制しながら、アニオン界面活性剤組成物と界面活性剤担持用顆粒群とを効率的に混合できる温度が好ましい。例えば、混合するアニオン界面活性剤組成物の流動点以上の温度が好ましく、流動点の10℃以上の温度がより好ましく、流動点の20℃以上の温度がさらに好ましい。また、混合時の混合時間としては、2〜20分間程度が好ましく、2〜10分間程度がさらに好ましい。混合機内の温度の調整はジャケット等に冷水や温水を流すことにより行うことができる。そのため、混合に用いる装置はジャケットを備えた構造のものが好ましい。
アニオン界面活性剤組成物と界面活性剤担持用顆粒群との混合方法としては、回分式でも連続式でもよい。回分式で混合する場合、予め界面活性剤担持用顆粒群を混合機に仕込んだ後、アニオン界面活性剤組成物を添加することが好ましい。供給されるアニオン界面活性剤組成物の温度としては、アニオン界面活性剤組成物の安定性の観点から、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
回分式で混合する場合の混合機としては、一般に回分式の混合に使用される混合機であれば特に限定されないが、例えば(1)混合羽根の形状がパドル型の混合機として、混合槽内に攪拌軸を有し、この軸に攪拌翼を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー:例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー((株)マツボー製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、TSK-MTIミキサー(月島機械(株)製)、特開平10−296064号公報及び特開平10−296065号公報に記載の混合装置等、(2)混合羽根の形状がリボン型の混合機として、円筒型、半円筒型又は円錐型の固定された容器内でスパイラルを形成したリボン状の羽根が回転することにより混合を行う形式のミキサー:リボンミキサー(日和機械工業(株)製)、バッチニーダー(佐竹化学機械工業(株)製)、リボコーン((株)大順製作所製)、ジュリアミキサー((株)徳寿工作所製)等、(3)混合羽根の形状がスクリュー型の混合機として、コニカル状の容器に沿ってスクリューが容器の壁と平行の軸を中心として自転しながら公転することにより混合を行う形式のミキサー:例えばナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)、SVミキサー(神鋼パンテック(株)製)等、がある。
また、連続式で混合を行う場合、一般に連続式混合に使用されている連続式混合機であれば特に限定されないが、例えば上記の混合機のうちで連続型の装置を用いて界面活性剤担持用顆粒群とアニオン界面活性剤組成物とを混合してもよい。
<工程(D)>
工程(D)は、工程(C)で混合して得られた混合物を表面改質して洗剤粒子群を得る工程である。この工程(D)を行うことにより、流動性と耐ケーキング性が向上した洗剤粒子群を得ることができる。表面改質を行う際には微粉体等を用いることが好ましい。微粉体等を用いる場合、工程(C)で得られた混合物と微粉体等とを所定の条件で混合することによって、表面改質を実施することができる。
微粉体としては特に限定されるものではないが、洗剤粒子群の被覆率の向上、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の点から、その一次粒子の平均粒径が20μm以下のものが好ましい。平均粒径は、光散乱を利用した方法、例えばパーティクルアナライザー(堀場製作所(株)製)、又は顕微鏡観察により測定される。
微粉体の具体例としては、例えば、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物、アルミノケイ酸塩、ケイ酸カルシウム、二酸化ケイ素、ベントナイト、トリポリリン酸ナトリウム、タルク、クレイ及び非晶質シリカ誘導体のような無機微粉体や、一次粒子が20μm以下の金属石鹸が挙げられる。かかる微粉体としては、一種類を単独で、又は複数の種類を組み合わせて用いることができる。さらには、微粉体が高いイオン交換能やアルカリ能を有することが洗浄力の点で好ましい。これらの中で好ましい微粉体としては、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物及びアルミノケイ酸塩が挙げられる。微粉体の平均粒径は、光散乱を利用する方法により求める。
微粉体の使用量としては、流動性及び使用感の観点から、工程(A)で調製された界面活性剤担持用顆粒群100重量部に対して好ましくは0.5〜40.0重量部、より好ましくは1〜30重量部である。
工程(D)における混合条件としては、アニオン界面活性剤組成物を含有する界面活性剤担持用顆粒群の形態を実質的に維持することができる混合条件を選択すればよい。例えば、少量を混合する場合はスパーテル等を用いて手動で混合してもよく、又は攪拌翼と解砕翼を両方具備した混合機を用いることも好ましい。かかる混合機を用いる場合、界面活性剤担持用顆粒群の崩壊を抑制する観点から、機内に具備された攪拌翼のフルード数を好ましくは10以下、より好ましくは7以下とする。微粉体との混合、微粉体との分散の効率性の観点から、当該フルード数を、好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上とする。さらに、微粉体との混合、微粉体の分散の効率性の観点から、解砕翼のフルード数としては8000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。フルード数がこの範囲であれば、流動性に優れた洗剤粒子群を得ることができる。
本工程における好ましい混合機としては、工程(A)で使用される混合機のうち、攪拌翼と解砕翼を両方具備したものが挙げられる。また、工程(A)と工程(D)とをそれぞれ別の混合機を用いて実施することにより、混合される物質の温度調整が容易となる。例えば、工程(D)の途中又は終了後に香料、酵素等の非耐熱性成分を添加する場合、工程(D)で混合物の温度調整を行うことが好ましい。ジャケット温度の設定や通気によって温度を調整することができる。工程(C)で得られた混合物を効率よく工程(D)の装置へ移送するために、工程(C)終了時に微粉体の一部を混合物に添加することも好ましい態様である。
3.洗剤粒子群
本発明の洗剤粒子群は、以上のような本発明の製造方法によって得ることができる。
〔洗剤粒子群の物性〕
本発明において、洗剤粒子群とは、特に限定されるものではないが、界面活性剤担持用顆粒群を核として製造された洗剤粒子群であって、1個の洗剤粒子中に実質的に1個の界面活性剤担持用顆粒群を核として有するという特徴を有する洗剤粒子群が好ましい。
洗剤粒子群のこのような特徴を表す指標として、下記式(2):
粒子成長度=[工程(D)で得られた洗剤粒子群の平均粒径]/[界面活性剤担持用顆粒群の平均粒径] (2)
で規定される粒子成長度を用いることができる。具体的には、粒子成長度が1.5以下の洗剤粒子群が好ましく、1.4以下のものがより好ましく、1.3以下のものがさらに好ましい。粒子成長度の下限値については特に限定されないが、1.0以上が好ましい。
本発明の洗剤粒子群は洗剤粒子間の凝集が抑制されているため、所望の粒径範囲外の粒子(凝集粒子)の生成量がより少なく、洗剤粒子群の溶解性に優れていること、及び洗剤粒子群の粒径分布がシャープであること、という利点を有する。
本発明の洗剤粒子群の平均粒径としては、150μm以上が好ましく、150〜500μmの範囲がより好ましく、180〜350μmの範囲がさらに好ましい。本明細書において、洗剤粒子群の平均粒径は噴乾ベース顆粒(a)の平均粒径の測定方法と同じである。
本発明の洗剤粒子群の粗粒率は非常に少ない。本明細書において洗剤粒子群の粗粒率は、洗剤粒子群に占める500μm以上の大きさの粒子の割合の重量%で定義される。具体的には、本発明の洗剤粒子群の粗粒率としては15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
本発明の洗剤粒子群の収率は、目開きが1180μmの篩を通過した試料(洗剤粒子群)の重量を試料全体の重量で除すことによって計算される。本発明の洗剤粒子群の収率としては90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
洗剤粒子群の嵩密度は、300〜2000g/Lが好ましく、500〜1500g/Lがより好ましく、600〜1000g/Lがさらに好ましい。洗剤粒子群の嵩密度の測定方法は、噴乾ベース顆粒(a)の嵩密度の測定方法と同じである。
本発明のアニオン界面活性剤組成物及び当該組成物を用いて得られる洗剤粒子群、特にかかる組成物をさらに表面改質して得られる洗剤粒子群は、溶解性に優れたものである。本明細書における溶解性の指標としては、別に規定のない限り以下の方法を用いる。
水道水、イオン交換水又は硬度が71.2mgCaCO3/リットルに相当する25℃、1リットルの硬水(Ca/Mgモル比7/3)を、1リットルビーカー(内径105mm、高さ150mmの円筒型、例えば岩城硝子社製1リットルガラスビーカー)の中に満たす。25℃の水温をウォーターバスにて一定に保った状態で、攪拌子(長さ30mm、例えば型式:ADVANTEC社製、テフロン(登録商標)SA(丸型細型))にて回転数(700r.p.m.)で水を攪拌する。適当な量に縮分・秤量した試料(例えばアニオン界面活性剤組成物又は洗剤粒子群)を攪拌下にビーカー内の水中に投入・分散させ攪拌を続ける。電気伝導度計(D−54、堀場製作所(株)製)を用いて、経時での電気伝導度を測定し、以下の式(3)によって、特定の時点の溶解率を算出する。溶解率が100%に到達する時間を測定することによって、当該試料の溶解性を評価することができる。
溶解率[%]=[(T−Z)/(S−Z)]×100 (3)
T:特定の時点の電気伝導度
Z:試料投入前の電気伝導度
S:完全溶解時の電気伝導度
以下の実施例等に基づいて本発明をさらに説明する。なお、以下の実施例等においては、別に規定のない限り、次の成分を用いた。
ポリアクリル酸ナトリウム:重量平均分子量1万(花王社製)
ゼオライト:ゼオビルダー(4A型、ゼオビルダー社製:メジアン径:3.0μm)
粘土鉱物粉末:ラウンドロジルDGAパウダー(ズード・ケミ社製)
ライト灰:平均粒径100μm;吸油能0.45mL/g(セントラル硝子社製)
アルキル硫酸ナトリウム:アルキル基の炭素数がC12:C14:C16=67:28:5(モル比)のもの
アルキル硫酸エステルナトリウム(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム):エチレンオキシドの平均付加モル数が2のもの
PEG400:ポリエチレングリコール(重量平均分子量10000)
結晶性シリケート:プリフィード顆粒品(トクヤマシルテック社製)
製造例1:噴乾ベース顆粒(a)の製造
噴乾ベース顆粒(a)を、以下の手順により製造した。
<工程(A)>
水405kgを攪拌翼を有した1m3の混合槽に加え、水温が55℃に達した後に、硫酸ナトリウム110kg、炭酸ナトリウム123kg及び亜硫酸ナトリウム4.4kgをこの混合槽に添加した。10分間攪拌した後に、40%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液137kgをこの混合槽に添加した。さらに10分間攪拌した後に、塩化ナトリウム37kg、ゼオライト120kgをこの混合槽に添加し、さらに30分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は58℃であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力25kg/cm3で噴霧し、噴乾ベース顆粒(a)を製造した。噴霧乾燥塔に供給した高温ガスについては、塔下部より温度が235℃で供給され、塔頂より119℃で排出された。得られた噴乾ベース顆粒(a)の水分は0.15%であった。
得られた噴乾ベース顆粒(a)の物性は、平均粒径が257μm、嵩密度が538g/L、担持能が45mL/100gであった。
製造例2:非噴乾ベース顆粒(b)の製造
非噴乾ベース顆粒(b)を、以下の手順により製造した。
<工程(A)>
粘土鉱物粉末2.1kgと粉末原料としてのライト灰4.2kg(粘土鉱物粉末/粉末原料=1/2)を、邪魔板を有した70Lドラム型造粒機(φ40cm×L60cm/回転数32r.p.m./フルード数0.23)中で混合した。2分間混合した後、25%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液3.8kgを、2流体ノズル(スプレーイングシステムスジャパン(株)製:バインダー噴霧圧0.15MPa/微粒化用Air噴霧圧0.3MPa)を用いて、5分間かけて当該造粒機に添加した。添加後、さらに混合して3分間顆粒化を行った後、得られた顆粒をドラム型造粒機から排出した。次いでこの顆粒を電気乾燥機を用いて200℃で3時間かけて乾燥させた。乾燥後の顆粒(非噴乾ベース顆粒(b))中の水分は1.3%であった。
得られた非噴乾ベース顆粒(b)の物性は、平均粒径が320μm、嵩密度が495g/L、担持能が51mL/100gであった。
実施例1〜4並びに比較例1及び2
<工程(B)>
アルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物に、アルキル硫酸ナトリウム100重量部に対して2.1重量部(実施例1)、20重量部(実施例2)若しくは50重量部(実施例3)の乳酸エチル、又は20重量部の1−プロパノール(実施例4)を添加し、あるいはかかる粘度調整剤の代わりに2.1重量部のPEG400(比較例2)を添加し、温度60℃で1分間混合して、本発明のアニオン界面活性剤組成物(実施例1〜4)及び比較品のアニオン界面活性剤組成物(比較例2)を得た。得られた組成物、及び粘度調整剤を添加していない組成物(アルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物:比較例1)の粘度を、MCR300(PHYSICA Messtechnik GmbH製)を用いて、温度50℃、せん断速度0.1〜10[1/s]で測定した。表1に各実施例及び各比較例の結果を示す。
Figure 2010138348
実施例5〜6及び比較例3
<工程(B)>
アルキル硫酸エステルナトリウム(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)70%、水30%から成る混合物に、アルキル硫酸エステルナトリウム100重量部に対して20重量部の乳酸エチル(実施例5)、又は20重量部の1−プロパノール(実施例6)を添加し、温度60℃で1分間混合して、本発明のアニオン界面活性剤組成物(実施例5〜6)を得た。得られた組成物、及び粘度調整剤を添加していない組成物(アルキル硫酸エステルナトリウム70%、水30%から成る混合物:比較例3)の粘度を、MCR300(PHYSICA Messtechnik GmbH製)を用いて、温度50℃、せん断速度0.1〜10[1/s]で測定した。表2に各実施例及び各比較例の結果を示す。
Figure 2010138348
実施例7及び8
<工程(C)>
製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、実施例2の組成物を36.2重量部(実施例7)又は50.7重量部(実施例8)添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、それぞれの混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られず、当該混合物は凝集物のない造粒物を形成していた。
<工程(D)>
以上の操作によって得られたそれぞれの造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。
実施例9及び10
<工程(C)>
製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、実施例2の組成物を62.8重量部(実施例9)又は72.6重量部(実施例10)添加し、スパーテルを用いて15分間かけて混合し、それぞれの混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られず、当該混合物は凝集物のない造粒物を形成していた。
<工程(D)>
以上の操作によって得られたそれぞれの造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。
実施例11
<工程(C)>
製造例2で製造された非噴乾ベース顆粒(b)100重量部に対して、実施例2の組成物を65.2重量部添加し、スパーテルを用いて20分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、液体の存在は見られず、当該混合物は凝集物のない造粒物を形成していた。
<工程(D)>
以上の操作によって得られた造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、洗剤粒子群を得た。
実施例12
<工程(C)>
製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、実施例5の組成物を77.1重量部添加し、スパーテルを用いて15分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、液体の存在は見られず、当該混合物は凝集物のない造粒物を形成していた。
<工程(D)>
以上の操作によって得られた造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、洗剤粒子群を得た。
比較例4〜6
<工程(C)>
製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、比較例1のアルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物を31.5重量部(比較例3)、44.1重量部(比較例4)又は54.6重量部(比較例5)添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、それぞれの混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られないが、多くの凝集物が観察された。
<工程(D)>
以上の操作によって得られたそれぞれの造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、ゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。
比較例7
<工程(C)>
製造例2で製造された非噴乾ベース顆粒(b)100重量部に対して、比較例1のアルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物を56.7重量部添加し、スパーテルを用いて20分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られないが、多くの凝集物が観察された。
<工程(D)>
以上の操作によって得られた造粒物を、非噴乾ベース顆粒(b)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、洗剤粒子群を得た。
比較例8
<工程(C)>
製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、比較例3のアルキル硫酸エステルナトリウム70%、水30%から成る混合物を67.6重量部添加し、スパーテルを用いて15分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、液体の存在は見られないが、多くの凝集物が観察された。
<工程(D)>
以上の操作によって得られた造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、洗剤粒子群を得た。
実施例7〜12及び比較例4〜8で得られた洗剤粒子群の物性等を表3及び表4に示す。なお、表中、洗剤粒子群の嵩密度については、得られた洗剤粒子群そのものの嵩密度(嵩密度(全粒))と、125〜1000μmの粒径の洗剤粒子群の嵩密度(嵩密度(125-1000μm))を測定し記載した。粗粒率は、洗剤粒子群に占める500μm以上の大きさの粒子の割合を重量%で示した。
Figure 2010138348
Figure 2010138348
実施例13〜17、比較例9〜10
<工程(C)>
比較例1のアルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物に、アルキル硫酸ナトリウム100重量部に対してそれぞれ20重量部の、1−プロパノール(実施例13)、イソプロパノール(実施例14)、1−ブタノール(実施例15)、1−ヘキサノール(実施例16)、1−オクタノール(実施例17)、1−デカノール(比較例9)、又は1−ドデカノール(比較例10)を添加し、温度60℃で1分間混合して、アニオン界面活性剤組成物を得た。製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、得られた組成物を36.2重量部添加し、スパーテルを用いて5分間かけて混合し、それぞれの混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られなかったが、実施例13〜17の混合物は凝集物の見られない造粒物を形成していたのに対し、比較例9〜10の混合物には凝集物が多く見られた。
<工程(D)>
以上の操作によって得られたそれぞれの造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して結晶性シリケート4.2重量部、及びゼオライト23.1重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の物性を表5に示す。表5中、各物性値の項目は、表3と同じ趣旨である。
Figure 2010138348
実施例18
<工程(C)>
比較例1のアルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物に、アルキル硫酸ナトリウム100重量部に対して20重量部の乳酸エチルを添加し、温度60℃で1分間混合して、アニオン界面活性剤組成物を得た。製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、得られた組成物を36.2重量部添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、液体の存在は見られず、当該混合物は凝集物のない造粒物を形成していた。
<工程(D)>
以上の操作によって得られた造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対してゼオライト6.3重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、洗剤粒子群を得た。以上の操作で得られた洗剤粒子群0.45gの溶解性(25℃)をイオン交換水を用いて評価した。
比較例11
製造例1で製造された噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対して、比較例1のアルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物を31.5重量部添加し、スパーテルを用いて10分間かけて混合し、混合物を得た。得られた混合物を観察したところ、いずれの混合物についても液体の存在は見られないが、多くの凝集物が観察された。
以上の操作によって得られた造粒物を、噴乾ベース顆粒(a)100重量部に対してゼオライト6.3重量部を入れたビニール袋に加えた。このビニール袋を30回上下に振って、当該造粒物(混合物)の表面改質を実施し、それぞれの洗剤粒子群を得た。
以上の操作で得られた洗剤粒子群0.43gの溶解性(25℃)をイオン交換水を用いて評価した。
Figure 2010138348
実施例19
<工程(B)>
比較例1のアルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物に、アルキル硫酸ナトリウム100重量部に対して20重量部の乳酸エチルを添加し、温度60℃で1分間混合して、本発明のアニオン界面活性剤組成物を得た。
得られた組成物を1日間、スクリュー管の中で室温で保存して冷却した。次いで、この組成物0.23gの溶解性(25℃)を水道水を用いて評価した。
比較例12
比較例1のアルキル硫酸ナトリウム75%、水25%から成る混合物0.21gの溶解性(25℃)を水道水を用いて評価した。
実施例18及び19、並びに比較例11及び12における溶解性に関しては、それぞれについての溶解率が100%になるまでの時間を測定した。結果を表6及び表7に示す。
Figure 2010138348
表1、2より、比較例1〜3のものに比べて、実施例1〜6で示したアニオン界面活性剤組成物の方が、0.1〜10[1/s]のせん断速度において、減粘していることが分かる。さらに本発明における減粘の作用は、アルキル硫酸塩だけではなく、様々なアニオン界面活性剤に発揮できることが分かる。
さらに、表3〜5より、比較例4〜10のものに比べて、実施例7〜17で得られた洗剤粒子群は、いずれも、粗粒率、粒子成長度が良好であり、高嵩密度であること、及び得られた洗剤粒子群の観察結果から、本発明の製造方法によって、凝集物の少ない洗剤粒子群を製造できることが分かる。さらに、比較例9及び10より、一価アルコールの炭素数が特定の範囲を超えると、たとえ一価アルコールを粘度調整剤として用いたとしても、得られる洗剤粒子群には凝集物が生じることが分かる。
さらに、表6より、比較例11における洗剤粒子群に比べて、実施例18における洗剤粒子群の方が溶解性が高いことが分かる。
さらに、表7より、比較例12におけるアニオン界面活性剤組成物に比べて、実施例19におけるアニオン界面活性剤組成物の方が溶解性が高いことが分かる。
本発明のアニオン界面活性剤組成物は粘度が低いため、洗剤粒子の製造工程において優れたハンドリング性を提供することができる。さらに、本発明のアニオン界面活性剤組成物を、粒度分布がシャープで溶解性に優れた洗剤粒子の製造に使用することができる。

Claims (8)

  1. ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコール、並びにアニオン界面活性剤50〜90重量%を含有する、アニオン界面活性剤組成物。
  2. ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールの含有量が、該アニオン界面活性剤100重量部に対して1〜80重量部である、請求項1に記載の組成物。
  3. ヒドロキシカルボン酸エステルが、下記一般式(1):
    CH3CH(OH)COOR (1)
    (式中、Rは炭素数1〜16の炭化水素基を示す。)
    で表される化合物である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 炭素数3〜8の一価のアルコールが、1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ヘプタノール及び1−オクタノールからなる群より選ばれる1種以上のアルコールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. アニオン界面活性剤が、アルキル硫酸塩及び/又はアルキル硫酸エステル塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 下記工程:
    工程(A):界面活性剤担持用顆粒群を調製する工程、
    工程(B):ヒドロキシカルボン酸エステル及び/又は炭素数3〜8の一価のアルコールと、アニオン界面活性剤50〜90重量%とを含有する、アニオン界面活性剤組成物を調製する工程、
    工程(C):工程(A)で調製された界面活性剤担持用顆粒群と、工程(B)で調製されたアニオン界面活性剤組成物とを混合して混合物を得る工程、並びに
    工程(D):工程(C)で得られた混合物を表面改質して洗剤粒子群を得る工程、
    を含む洗剤粒子群の製造方法。
  7. 下記式(2):
    粒子成長度=[工程(D)で得られた洗剤粒子群の平均粒径]/[界面活性剤担持用顆粒群の平均粒径] (2)
    で規定される洗剤粒子群の粒子成長度が1.5以下である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の製造方法によって得られた洗剤粒子群。
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