JP2010189488A - 洗剤粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】〔1〕ベース洗剤粒子(a)100質量部に対して、平均粒子径1〜80μmの層状粘土鉱物(b)1〜25質量部、及び平均粒子径1〜80μmの酸源粒子(c)1〜25質量部を含有してなり、該ベース洗剤粒子(a)の表面に該層状粘土鉱物(b)と該酸源粒子(c)を含有する層が形成されてなる洗剤粒子、〔2〕ベース洗剤粒子(a)に対して、平均粒子径1〜80μmの層状粘土鉱物(b)と平均粒子径1〜80μmの酸源粒子(c)を添加することにより、該ベース洗剤粒子(a)の表面に該層状粘土鉱物(b)と該酸源粒子(c)を含有する層を形成することによって得られる洗剤粒子、及び〔3〕前記洗剤粒子を含有する洗剤組成物である。
【選択図】なし
Description
特許文献2には、粒状洗剤組成物と液状バインダー物質を混合した後にゼオライトXで被覆する流動性の改善された凝集洗剤組成物の製法が開示されている。しかしながら、ゼオライトXの付着性が十分ではないため剥離し易く、実使用時に十分な効果が得られないという問題がある。
特許文献3には、吸油量が80ml/100g未満の粘土鉱物と80ml/100g以上の吸油性担体を含有する粒状ノニオン洗剤組成物が開示されている。しかしながら、吸油性担体が洗浄性能に寄与しないことから配合上の制約が生じたり、比較的高価であることから、製造コストが嵩む等の点から満足できるものではない。
しかし、特許文献4及び5では、洗剤粒子の耐ケーキング性を改善しようとすると、粉末洗剤の溶解性が低下するという問題があった。
すなわち、本発明は次の〔1〕〜〔3〕を提供する。
〔1〕ベース洗剤粒子(a)100質量部に対して、平均粒子径1〜80μmの層状粘土鉱物(b)1〜25質量部、及び平均粒子径1〜80μmの酸源粒子(c)1〜25質量部を含有してなり、該ベース洗剤粒子(a)の表面に該層状粘土鉱物(b)と該酸源粒子(c)を含有する層が形成されてなる洗剤粒子。
〔2〕ベース洗剤粒子(a)に対して、平均粒子径1〜80μmの層状粘土鉱物(b)と平均粒子径1〜80μmの酸源粒子(c)を添加することにより、該ベース洗剤粒子(a)の表面に該層状粘土鉱物(b)と該酸源粒子(c)を含有する層を形成することによって得られる洗剤粒子。
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕の洗剤粒子を含有する洗剤組成物。
本発明に用いられるベース洗剤粒子(a)とは、層状粘土鉱物(b)及び酸源粒子(c)による表面改質が施される前の粒子を意味する。
ベース洗剤粒子(a)としては、ベース粒子(a’)に界面活性剤組成物(e)、及びその他の成分等を担持させて得られるものが好ましく、ベース粒子(a’)としては、金属イオン封鎖能やアルカリ能を有する基材等を含有するスラリーを粒状に乾燥して調製したものが好ましい。
ベース洗剤粒子(a) は、溶解性及び流動性等を向上させる観点から、実質的に界面活性剤を含有しない上記スラリーを噴霧乾燥して得られる噴霧乾燥粒子(d)に液状等の界面活性剤組成物(e)を担持させて得られるものが好ましい。
噴霧乾燥粒子(d)の調製に用いられるスラリーは、水不溶性無機物、水溶性ポリマー、及び水溶性塩類を含有することが好ましい。
水不溶性無機物としては、20℃の水100g中に10g未満、好ましくは5g未満、より好ましくは1g未満が溶解しうる無機物が好ましい。具体的には、金属イオン封鎖能を有するアルミノケイ酸塩、二酸化ケイ素、水和ケイ酸化合物、パーライト等の粘土化合物等が挙げられる。
水溶性ポリマーとしては、20℃の水100g中に1g以上、好ましくは5g以上、より好ましくは10g以上が溶解しうるものが好ましい。具体的には、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類等が挙げられる。中でも金属イオン封鎖能、固体汚れ、粒子汚れ等の分散能及び再汚染防止能の観点から、重量平均分子量が数千〜10万のカルボン酸ポリマーが好ましく、特にアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩が好ましい。
水溶性塩類としては、具体的には、アルカリ能を有する炭酸イオン、炭酸水素イオン、ケイ酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸水素イオン、塩酸イオン、又はリン酸イオン等をそれぞれ有するアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩に代表される水溶性の無機塩類や、金属イオン封鎖能を有するクエン酸やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機塩類等が挙げられる。また、水溶性塩類として、二酸化炭素源としての機能を有するものも好ましい。
炭酸塩としては、カリウム、リチウム、ナトリウム等の炭酸及び炭酸水素塩が挙げられるが、それらの中では炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムが好ましい。
重炭酸塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属等の重炭酸塩が挙げられるが、それらの中では重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムが好ましい。
炭酸塩、重炭酸塩又はそれら混合物の選択は、洗剤粒子が溶解される水性媒体で望まれるpHに応じて行える。例えば、相対的に高いpH(例えば、pH9.5以上)が水性媒体で望まれるときには、炭酸塩を単独で用いるか、又は炭酸塩と重炭酸塩を併用することが好ましい。例えば、炭酸塩/重炭酸塩の重量比は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜2である。
二酸化炭素源粒子の平均粒子径は1〜80μmであり、好ましくは1〜80μm、より好ましくは1〜80μmである。二酸化炭素源は酸源粒子に近い平均粒子径を有することが好ましい。
また、二酸化炭素源の含有量は、ベース洗剤粒子(a)中に、通常1〜75質量%、好ましくは2〜67質量%、より好ましくは4〜50質量%である。
噴霧乾燥粒子中には、前記の水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶性塩類以外に最終の洗剤組成物に好適な界面活性剤、染料、酵素等の補助成分を含んでもよく、補助成分の配合量は10質量%以下が好ましい。
構造(A):粒子を水に溶解した場合、その粒子径の好ましくは1/10以上、より好ましくは1/5以上、更に好ましくは1/4以上、特に好ましくは1/3以上の径の気泡を放出可能な気孔を有する構造。
構造(B):水不溶性無機物、水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有し、その内部よりも表面近傍に水溶性ポリマー及び/又は水溶性塩類が多く存在する偏在性を有する構造。
噴霧乾燥粒子が前記構造(A)を有することにより、洗剤粒子が水に溶解する過程において、先ず粒子内部に少量の水が侵入して粒子内部から所定の大きさの気泡が放出され、次いで該粒子内部に大量の水が侵入することによって粒子自体が崩壊(自己崩壊)し、表面近傍からの溶解のみならず、粒子内部からの溶解及び崩壊が起こることにより、洗剤粒子が高速溶解性を有する。この気泡放出の現象は、デジタルマイクロスコープや光学顕微鏡等で確認でき、気泡径(円相当径)を測定することができる。
また、噴霧乾燥粒子の気孔径は、その粒子径の好ましくは1/10〜4/5、より好ましくは1/5〜4/5である。この気孔径の算出は、噴霧乾燥粒子を壊さないようにメス等で最大粒子径を含む面で切断し、切断面を走査型電子顕微鏡で観察し、切断粒子の切断面の円相当径(γμm)、及び粒子内部で気孔の存在が確認された場合には気孔の円相当径(δμm)を測定し、粒子径に対する気孔径の比(δ/γ)を求めることにより行うことができる。なお、複数個の気孔が確認される場合には、その中で最も大きい気孔についての円相当径をδμmとする。
噴霧乾燥粒子(d)の平均粒径は、溶解性の観点から、150〜500μmが好ましく、180〜350μmがより好ましい。嵩密度は、コンパクト化の観点から、400g/L以上が好ましく、450g/L以上がより好ましく、溶解性の観点から、800g/L以下が好ましく、600g/L以下がより好ましい。
噴霧乾燥粒子(d)の平均粒径及び嵩密度の測定は、実施例記載の方法により行う。
噴霧乾燥粒子(d)は、ベース洗剤粒子(a)の凝集を抑制する観点から、液体成分を担持する能力(担持能)が高い方が好ましい。その担持能は、20mL/100g以上が好ましく、40mL/100g以上がより好ましい。
噴霧乾燥粒子(d)に担持させる界面活性剤組成物(e)としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、及び陽イオン界面活性剤から選ばれる1種以上を含む組成物が挙げられる。界面活性剤組成物(e)は、ベース洗剤粒子(a)の製造時に液状であることが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルコールのエトキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩若しくはそのアルキルエステル塩、又は脂肪酸塩等が挙げられる。特に、炭素数が10〜18の、より好ましくは12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が10〜16の、より好ましくは12〜14の高級アルコールの硫酸エステル塩が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキシド(以下「EO」という)付加物、又はEO/プロピレンオキシド(以下「PO」という)付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等が挙げられる。特に炭素数が10〜16のアルコールのEO1〜10モル付加物が、皮脂汚れの除去、耐硬水性、生分解性の観点、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩や高級アルコールの硫酸エステル塩との相性の観点から好ましい。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミノプロピルベタイン等が挙げられ、陽イオン界面活性剤としては、モノ(又はジ)長鎖アルキル型第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの界面活性剤組成物(e)を使用すると、洗剤粒子群の溶解性及び流動特性の向上、混合時における噴霧乾燥粒子(d)の崩壊の抑制、保存時(常温)における界面活性剤組成物のシミ出しを抑制することができるため、特に好ましい。硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤を配合すると、洗剤粒子群の流動特性の向上、保存時(常温)における界面活性剤組成物のシミ出し抑制に更に有利となる。
ここで非イオン界面活性剤の固定化剤(ハ)とは、常温で液状の非イオン界面活性剤の流動性を抑え、かつ界面活性剤組成物が流動性を失った状態での硬度を著しく高めることができる基剤を意味する。この固定化剤としては、例えば、脂肪酸塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プルロニック型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤組成物(e)の配合量は、洗浄力を発揮させる観点から、噴霧乾燥粒子100質量部に対して好ましくは5〜80質量部、より好ましくは5〜60質量部、更に好ましくは10〜60質量部、特に好ましくは20〜60質量部である。
本発明においては、層状粘土鉱物(b)は、酸源粒子(c)と共に表面改質剤を構成し、ベース洗剤粒子(a)の表面層を形成し、耐ケーキング性、界面活性剤等のシミ出し抑制等の効果を発揮する。
層状粘土鉱物(b)としては、タルク、パイロフィライト、スメクタイト(サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スティーブンサイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト等)、バーミキュライト、雲母(金雲母、黒雲母、チンワルド雲母、白雲母、パラゴナイト、セラドナイト、海緑石等)、緑泥石(クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ペナンタイト、スドーアイト、ドンバサイト等)、脆雲母(クリントナイト、マーガライト等)、スーライト、蛇紋石鉱物(アンチゴライト、リザーダイト、クリソタイル、アメサイト、クロンステダイト、バーチェリン、グリーナライト、ガーニエライト等)、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト等)等が挙げられる。中でも、柔軟性能の点で、タルク、スメクタイト、膨潤性雲母、バーミキュライト、クリソタイル、カオリン鉱物等が好ましく、スメクタイトがより好ましく、モンモリロナイトが更に好ましい。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
層状粘土鉱物(b)は、下記式(I)で表されるものを主成分とするものが好ましい。
ここで主成分とするとは、下記式(I)で表される層状粘土鉱物が全体の90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上であることをいう。
[Si4(MgyAl2-y)O10(OH)2]y-・Mey+ (I)
式(I)中、yは0.2〜0.6であり、Mey+はNa、K、Li、Ca1/2、Mg1/2及びNH4から選ばれる少なくとも1種のイオンである。
Mey+は、同形のイオン置換の結果として導入され、同形イオン置換度は層状粘土鉱物の膨潤における重要な因子である層電荷の大きさを決定する。式(I)で表される化合物は、例えば、中心8面体層の2個のAl3+イオンを3個のMg2+イオンで置換してもよいし、部分的に1個のMg2+イオンを1個のAl3+イオンで置換し、構造中に過剰の負電荷が残留していてもよい。負電荷の過剰残留は、4面体層のSi4+イオンをAl3+イオンで置換する場合にも生じうる。
層間の金属イオン(Me)としては、アルカリ金属イオンが好ましく、中でもNaイオンがより好ましい。
アルカリ金属イオンの比率が高い粘土鉱物を得るには、天然品であれば産地を選択すればよいし、粘土造粒物を製造する場合は、アルカリ金属塩を添加して調整することが可能であり、合成品であれば公知の方法により任意に調整が可能である。
アルカリ金属イオンの比率が高い粘土鉱物を製造する方法としては、(i)水分を20%以上含む原料粘土鉱石に、粉末の炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩を添加して充分に混合した後、乾燥する工程を含む製法、(ii)パウダー状に粉砕した粘土鉱物を造粒機で造粒する際に、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の粉末や水溶液を添加する工程を含む製法等が挙げられる。
層状粘土鉱物(b)中のアルカリ金属イオンとアルカリ土類金属イオンの比率は、粘土鉱物を乳鉢で粉砕し、目開き125μmの篩を通過した試料0.1gをマイクロウェーブ湿式灰化装置(自動)で硫酸−過酸化水素分解した後、メスフラスコにて50mLにメスアップして、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析装置で測定してNa、K、Li、Ca、Mg量を定量して算出することができる。
上記の層状粘土鉱物(b)を使用する場合、表面改質剤として好適な粒度になるまで予め解砕することが好ましい。解砕に利用できる粉砕機としては、ハンマークラッシャー等の衝撃破砕機、アトマイザー、ピンミル等の衝撃粉砕機、フラッシュミル等のせん断粗砕機等が挙げられる。これらを用いる解砕操作は、1段操作でもよく、同種又は異種の粉砕機による多段操作でもよい。
層状粘土鉱物(b)の平均粒子径は1〜80μmであり、3〜60μmが好ましく、5〜40μmがより好ましく、7〜20μmが更に好ましい。
ここで、層状粘土鉱物(b)の平均粒子径は、例えばレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。具体的にはMie散乱法を用いた、株式会社堀場製作所製「Partica LA−950」を使用し、溶媒にエタノールを用いて測定することができる。得られたメジアン径を層状粘土鉱物(b)の平均粒子径とする。
酸源粒子(c)としては、固形の有機酸、無機酸、それらの塩、それらの誘導体(エステル等)、又はそれらの混合物の粒子が挙げられるが、特に有機酸粒子が好ましい。
有機酸としては、モノ‐、ジ‐又はトリプロトン酸が含まれるが、その好適例としては、クエン酸、アジピン酸、グルタル酸、3‐セトグルタル酸、シトラマル酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、トルエンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられる。かかる有機酸はそれらの酸形又は無水形で用いることができる。
上記の酸源粒子の中では、溶解性、発泡性能の観点から、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、はリンゴ酸、トルエンスルホン酸が好ましく、クエン酸が特に好ましい。
酸源粒子(c)の平均粒径は1〜80μmであり、3〜60μmが好ましく、5〜40μmがより好ましく、7〜20μmが更に好ましい。
酸源粒子(c)の平均粒径は、層状粘土鉱物(b)の平均粒子径の測定方法と同様にして測定することができる。
本発明においては、ベース洗剤粒子(a)の表面上に形成する層状粘土鉱物(b)と酸源粒子(c)を含有する層に加えて、更にその他の表面改質剤により洗剤粒子の表面を改質することができる。該表面改質剤は、平均粒径、使用量等により、洗剤粒子(a)の最外面に存在させることもできるし、層状粘土鉱物(b)と酸源粒子(c)がなす層の間に取り込まれた状態で存在させることもできる。
その他の表面改質剤としては、微粉体、液状物、脂肪酸等が挙げられるが、中でも微粉体が好ましい。表面改質剤の微粉体の一次粒子の平均粒径は、10μm以下であることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。平均粒径がこの範囲内にあれば、ベース洗剤粒子(a)の表面に形成する中間層上における表面改質剤の被覆率は向上するので、洗剤粒子の流動性と耐ケーキング性の向上の観点から好適である。ここで、当該微粉体の平均粒径は、Mie散乱を利用した方法、例えばLA−920(堀場製作所株式会社製)によって測定される。また、該微粉体が高いイオン交換能や高いアルカリ能を有していることが洗浄面から好ましい。
ゼオライトとしては、一次粒子の平均粒径が10μm以下であることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。平均粒径がこの範囲において、洗剤粒子の粒子表面の被覆率が向上し、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性の向上の観点から好適である。当該微粉体の平均粒径は、Mie散乱を利用した方法、例えばLA−920(堀場製作所株式会社製)によって測定される。
また、ゼオライト微粉体は、洗浄性能の観点から、高いイオン交換能や高いアルカリ能を有していることが好ましい。
その他の表面改質剤としては、硫酸ナトリウム、珪酸カルシウム、二酸化珪素、非晶質シリカ誘導体、結晶性シリケート化合物等のシリケート化合物のような微粉体を好ましく挙げることができる。また、一次粒子が0.1〜10μmの金属石鹸、粉末の界面活性剤(例えばアルキル硫酸塩等)や水溶性有機塩等が挙げられる。結晶性シリケート化合物を用いる場合、吸湿や吸炭酸ガスによる結晶性シリケートの凝集等による劣化を防ぐ目的から、結晶性シリケート化合物以外の微粉体と混合して用いることが好ましい。
表面改質剤の使用量としては、洗剤粒子において、0.5〜35質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜25質量%が特に好ましい。当該微粉体の使用量は、この範囲において、流動性が向上し、消費者に良好な使用感を与える。
本発明においては、層状粘土鉱物(b)、酸源粒子(c)、及びその他の表面改質剤との接着性をさらに向上させるためのバインダー成分や、アルカリ緩衝剤等を添加することができる。
バインダー成分としては、前記の界面活性剤組成物(e)や、ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸系ポリマー、セルロース系誘導体、及びその水溶液が挙げられる。ポリエチレングリコールは、洗剤が通常使用される温度(常温〜40℃程度)における固化性や表面処理後の溶解性から、平均分子量が4000〜20000のものが好ましい。セルロース系誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
バインダー成分の添加量としては、ベース洗剤粒子100質量部に対して、0〜8質量部が好ましく、0.5〜6質量部がより好ましく、1〜4質量部が更に好ましい。
本発明においては、噴霧乾燥粒子とアルカリ緩衝剤を予め混合して、界面活性剤組成物の担持に用いることができる。アルカリ緩衝剤としては、アルカリ金属のケイ酸塩や炭酸塩が挙げられ、中でも結晶性ケイ酸ナトリウムや炭酸ナトリウムが好ましい。
結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、イオン交換能を有し、水に溶解しアルカリ性を呈するものが好ましい。イオン交換能は、例えばCaイオン交換能の測定により評価でき、その値は特に限定されないが、10〜250mg/gが好ましく、50〜250mg/gがより好ましい。更に120〜250mg/gの範囲のものは、洗剤用のCaイオン交換体として利用する場合に少量で効力を発揮するため、コンパクト洗剤に配合可能な点で好ましい。
そのようなイオン交換能を有するアルカリ金属ケイ酸塩として、下記式(II)で表される組成のものが好適である。
xM2O・ySiO2・zMeO・wH2O (II)
(式中、MはNa及び/又はKを示し、MeはCa及び/又はMgを示し、y/x=0.5〜4.0、z/x=0〜1.0、MeO中のMg/Ca(モル比)=0〜10である。)
更に高いイオン交換能を発現する、より好ましいアルカリ金属ケイ酸塩としては、上記式(II)において、y/x=1.0〜2.1、z/x=0.001〜1.0のものが挙げられる。このような組成のアルカリ金属ケイ酸塩としては、特許第2525318号明細書に記載の合成無機ビルダー等が挙げられる。
また、カリウムを含有するアルカリ金属ケイ酸塩を用いることにより、その保存安定性を一段と向上させることができる。このようなカリウムを含有するアルカリ金属ケイ酸塩の組成としては、上記式(II)において、y/x=1.4〜2.1、z/x=0.001〜1.0、M2O中のK/Na(モル比)=0.09〜1.11のものが挙げられる。このようなアルカリ金属ケイ酸塩としては、特許第2525342号明細書に記載の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩等が挙げられる。
結晶性アルカリ金属ケイ酸塩の中で最も好ましいのは、上記式(II)において、x=1、y=1.9〜2.2、z=0、Me=Naである結晶性層状二ケイ酸ナトリウム(Na2Si2O5・wH2O)である。結晶性層状二ケイ酸ナトリウムは、α、β、δ及びεの変動する割合の多型の相から構成される。商業的な製品では、非晶質画分も存在し得る。そのため、商業的な製品でのyの値は奇数であることもできる。
噴霧乾燥粒子と予め混合するアルカリ緩衝剤の配合量は、噴霧乾燥粒子100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく、20〜40質量部が更に好ましい。この範囲内であれば、十分な洗浄性能や吸油能が期待できる。
ベース洗剤粒子(a)は、上記成分をスラリー状態にして噴霧乾燥したものを、攪拌造粒法、転動造粒法、捏和・押出し法等で造粒して得ることができる。押出し造粒後には、粉砕を行う方が流動性や外観上の改善のため好ましい。
また、固体状のアニオン界面活性剤中和物は、陰イオン界面活性剤の酸前駆体と固体のアルカリ粒子で中和反応を行うドライ中和法により得られるが、これもベース洗剤粒子として用いることができる。ドライ中和法の中和方法は特に限定されず、捏和/混練により中和を行い、その後に破砕造粒してもよいし、攪拌造粒機において剪断力を加えながら中和反応を行ってもよい。
ベース洗剤粒子(a)は、噴霧乾燥法やドライ中和法等で得られた別々の粒子をドライ混合して得ることもできる。更には、アルカリ粒子等の他の粒子をドライ混合してもよい。例えば、重質炭酸ナトリウム(デンス灰)粒子を、噴霧乾燥法等で製造した界面活性剤を含有する粒子に混合し、目標とする組成にすることもできる。すなわち混合に用いる各々の粒子について、製法は限定されない。しかしながら、後述する噴霧乾燥粒子(d)に界面活性剤組成物(e)を担持させて得られたものが溶解性も良好であり、更に本発明の効果が顕著となることから特に好ましい。
本発明の洗剤粒子の製造方法は特に限定されないが、以下の工程を有する方法によれば効率的に製造することができる。
工程〔1〕:ベース洗剤粒子(a)を製造する工程
工程〔2〕:工程〔1〕で得られたベース洗剤粒子(a)を、層状粘土鉱物(b)、酸源粒子(c)、及びその他の表面改質剤で表面改質する工程
工程〔1〕は、ベース洗剤粒子のスラリーを調製する工程〔A〕、前記スラリーを噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を調製する工程〔B〕、界面活性剤組成物(e)を調製する工程〔C〕、前記噴霧乾燥粒子に界面活性剤組成物(e)を添加して担持させる工程〔D〕を経ることが好ましい。
以下、工程〔A〕〜〔D〕について説明するが、これは一例にすぎず、本発明で用いるベース洗剤粒子(a)は、例えばドライ中和法等で製造することもできるし、噴霧乾燥法やドライ中和法等で得られた別々の粒子をドライ混合して得ることもできる。更には、アルカリ粒子等の他の粒子をドライ混合してもよい。例えば、噴霧乾燥法等で製造した界面活性剤を含有する粒子に重質炭酸ナトリウム(デンス灰)粒子を混合し、目標とする組成にすることもできる。
工程〔A〕で調製するスラリーは、水不溶性無機物、水溶性ポリマー、及び水溶性塩類を含有するベース洗剤粒子(a)のスラリーであり、ポンプ送液が可能で非硬化性のスラリーであればよい。
また、実質的に界面活性剤を含有しないスラリーを調製した場合、粒子強度が高く、高嵩密度の噴霧乾燥粒子が得られるため、溶解性の優れたベース洗剤粒子が得られて好ましい。一方、洗浄性能の面から界面活性剤を含有するスラリーを調製した場合、工程〔D〕で担持させるべき界面活性剤量が低下するという点で好ましい。
スラリー温度は、好ましくは30〜80℃であり、より好ましくは35〜65℃である。スラリー温度がこの範囲内にあれば、例えば粒状炭酸ナトリウム等の水溶性塩類の溶解度が減少し、溶け残り量が増える等の不都合が生じない。
またスラリーの水分は一般に好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜60質量%、更に好ましくは40〜55質量%である。スラリーの水分がこの範囲内にあれば、水溶性塩類の溶解量は十分となり、スラリー粘度増加によるポンプ送液性の悪化を抑制できる。また、工程〔B〕で蒸発させる水分量が抑えられるので、生産性が低下することはない。
工程〔B〕では、工程〔A〕で得られたスラリーを噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を調製する。噴霧乾燥により、得られる粒子の形状が実質的に球状となる。
噴霧乾燥塔としては、熱効率や噴霧乾燥粒子の粒子強度向上の観点から、向流塔がより好ましい。スラリーの微粒化装置は、圧力噴霧ノズル、2流体噴霧ノズル、回転円盤式のいずれの形態でもよいが、所望の平均粒径を得るためには圧力噴霧ノズルが特に好ましい。
乾燥塔に供給されるガスの温度は、吸油能の面からは高いほど好ましいが、生産性、操作性、安全性の面を考慮すると、好ましくは200〜360℃、より好ましくは220〜340℃、特に好ましくは240〜320℃である。また、乾燥塔より排出されるガスの温度は乾燥塔の熱効率の観点から、好ましくは80〜130℃、より好ましくは80〜125℃、特に好ましくは80〜120℃である。また、噴霧乾燥後の噴霧乾燥粒子を気流乾燥器、流動層乾燥器、回転乾燥器等によって更に乾燥して製造してもよい。
工程〔C〕で調整する界面活性剤組成物(e)は、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、及び陽イオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤の組成物である。
実用上の温度範囲(常温〜40℃程度)において固体又はペースト状である界面活性剤については、これらを予め粘性の低い溶液、例えば非イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤水溶液又は水中に分散又は溶解させて、該界面活性剤の混合液又は水溶液を調製し、該混合液又は水溶液を噴霧乾燥粒子に添加することができる。粘性の低い界面活性剤又は水と固体又はペースト状の界面活性剤の混合比率は、得られる混合液又は水溶液が噴霧可能である粘度範囲であればよく、例えばポリオキシエチレンドデシルエーテルとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであれば、両者の比を1:1.4〜1.4:1の範囲で調整することで、容易に噴霧可能な界面活性剤組成物(e)を得ることができる。
工程〔D〕では、工程〔B〕で得られた噴霧乾燥粒子に、工程〔C〕で得られた界面活性剤組成物(e)を添加して担持させる。
噴霧乾燥粒子に担持させる界面活性剤組成物(e)の量は、洗浄力を発揮させる観点から、噴霧乾燥粒子100質量部に対して5〜80質量部が好ましく、5〜60質量部がより好ましく、10〜60質量部が更に好ましく、20〜60質量部が特に好ましい。ここで、陰イオン性界面活性剤の担持量は0〜60質量部が好ましく、0〜50質量部がより好ましく、3〜40質量部が特に好ましい。非イオン性界面活性剤の担持量は1〜50質量部が好ましく、1〜45質量部がより好ましく、3〜40質量部が更に好ましい。非イオン性界面活性剤は単独で用いることもできるが、好ましくは、陰イオン性界面活性剤と混合して用いるのがよい。また、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤を目的に合わせ併用することもできる。ここでいう界面活性剤組成物(e)の担持量とは、工程〔A〕のスラリー調製時に界面活性剤が添加される場合、その界面活性剤の添加量を含まないものである。
噴霧乾燥粒子への界面活性剤の担持方法としては、例えば、回分式や連続式の公知の混合機を用いる方法が挙げられる。回分式で行う場合は、混合機への仕込み方法は、混合機を運転しながら、(1)混合機に噴霧乾燥粒子を仕込んだ後、界面活性剤を添加する、(2)混合機に噴霧乾燥粒子と、界面活性剤を少量ずつ仕込む、(3)噴霧乾燥粒子の一部を混合機に仕込んだ後、残りの噴霧乾燥粒子と界面活性剤とを少量ずつ仕込む等の方法をとることができる。
これらの方法の中で、特に上記(1)が好ましい。また、界面活性剤は液体状態で添加することが好ましく、さらに液体状態の界面活性剤を噴霧して供給することが好ましい。
好ましい混合装置としては、溶解性に優れた単核性洗剤粒子を多く含有するベース洗剤粒子(a)を製造する観点から、噴霧乾燥粒子に強い剪断力がかかりにくい(噴霧乾燥粒子を崩壊させにくい)装置であり、界面活性剤の分散効率の観点から混合効率のよい装置が好ましい。中でも特に好ましくは、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー(横型混合機)であるレディゲミキサー、プロシェアミキサー等である。
また、その他の連続型混合装置としては、例えばフレキソミックス型(株式会社パウレック製)、タービュライザー(ホソカワミクロン株式会社製)等がある。
混合装置内の温度は、界面活性剤の融点より高いことが好ましく、該融点より50℃高い温度までがより好ましく、該融点より10℃〜30℃高い温度が更に好ましい。また、この工程で陰イオン性界面活性剤の酸前駆体を添加する場合は、当該酸前駆体が反応できる温度に昇温して混合を行えばより好ましい。
また、好適なベース洗剤粒子を得るための回分式の混合時間、及び連続式混合における平均滞留時間は、1〜20分間が好ましく、2〜10分間がより好ましい。
融点上昇剤の使用量は、噴霧乾燥粒子100質量部に対して5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましい。
工程〔D〕は、スラリーの調整工程〔A〕において、界面活性剤の水溶液等を添加した場合には、混合機で混合しながら及び/又は混合した後に、余剰の水分を乾燥する工程を有してもよい。
また、界面活性剤の添加前、添加と同時、添加途中、又は添加後に、前記の洗浄ビルダーを添加することもできる。洗浄ビルダーを添加することで、ベース洗剤粒子の粒子径をコントロールすることができ、また洗浄力の向上を図ることができる。
この工程における洗浄ビルダーの使用量は、洗剤粒子の単核性の維持、高速溶解性、粒子径コントロールの観点から、噴霧乾燥粒子100質量部に対して1〜80質量部が好ましく、5〜70質量部がより好ましく、10〜60質量部が更に好ましい。
工程〔2〕では、工程〔1〕で得られたベース洗剤粒子(a)の表面を改質するために、層状粘土鉱物(b)及び酸源粒子(c)を含有する表面改質剤を添加し、該ベース洗剤粒子(a)の表面に該層状粘土鉱物(b)と該酸源粒子(c)を含有する層を形成することによって洗剤粒子を得ることができる。また、その際、更に必要に応じその他の表面改質剤を添加する表面改質工程を1工程又は2工程を繰り返して行うことができる。
前記のとおり、層状粘土鉱物(b)の平均粒子径は1〜80μmが好ましく、酸源粒子(c)の平均粒子径は1〜80μmであることが好ましいが、それらの平均粒子径と添加量とが前記範囲内であれば、溶解性の低下を回避した上で、十分な耐ケーキング性向上効果が期待できる。
表面被覆剤の添加順序は特に制限はない。例えば、(i)層状粘土鉱物(b)と酸源粒子(c)を予め混合してから添加する方法、(ii)層状粘土鉱物(b)と酸源粒子(c)を同時に添加する方法、(iii)層状粘土鉱物(b)を先に添加した後、酸源粒子(c)を添加する方法、(iv)酸源粒子(c)を先に添加した後、層状粘土鉱物(b)を添加する方法等が挙げられる。これらの中では、前記(iv)酸源粒子(c)を先に添加した後、層状粘土鉱物(b)を添加する方法が好ましい。ゼオライト等のその他の表面改質剤は、前記(i)〜(iv)の方法で添加した後に添加することが好ましい。
表面改質剤の添加方法は特に限定されないが、工程〔D〕で用いたような回分式や連続式の公知の混合機は、強い剪断力がかかりにくく(ベース洗剤粒子を崩壊させにくい)、かつ混合効率が高い(分散性が高い)ので、表面改質剤をベース洗剤粒子の表面上に適度に分散させることができるため好ましい。
バインダー成分の添加方法としては、例えば、回分式や連続式の公知の混合機を用いる方法が挙げられる。回分式で行う場合は、混合機を運転しながら、(1)表面改質剤とバインダー成分を別々に又は同時に添加する、(2)表面改質剤とバインダー成分を少量ずつ交互に添加する等の方法をとることができる。また、2種類以上のバインダー成分を使用する場合は、同時に添加してもよいし、表面改質剤を添加する前後に分けて添加してもよい。
バインダー成分で、常温で固体のものは、溶融させた後で噴霧して供給することが好ましい。また常温で液体のバインダー成分は、混合機内部よりも温度を上げてから噴霧して供給することが好ましい。
工程〔2〕で好ましく用いられる装置としては、工程〔D〕で記載した混合装置が挙げられる。
溶解性と保存安定性に優れた洗剤粒子を得るための回分式の混合時間、及び連続式の混合における平均滞留時間は、1〜20分間が好ましく、2〜20分間が更に好ましい。
また表面改質剤の添加前、添加と同時、添加途中に前記洗浄ビルダーを添加することも可能である。洗浄ビルダーを添加することで、洗剤粒子群の粒子径をコントロールすることができ、また洗浄力の向上を図ることができる。
本発明の洗剤組成物は、上記で得られた本発明の洗浄粒子を含有する組成物であり、例えば、本発明の洗剤粒子及び別途添加される洗剤成分を混合して得られる。本発明の洗剤組成物は、粉末洗剤を用いる用途であれば特に限定はなく用いることができるが、例えば、衣料用粉末洗剤、自動食器洗浄機用洗剤等として特に好適に用いることができる。
別途添加される洗剤成分としては、例えば、ビルダー顆粒等の公知の洗浄剤基材、漂白剤(過炭酸塩、過ホウ酸塩、漂白活性化剤等)、漂白活性化剤、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、柔軟化剤、還元剤(亜硫酸塩等)、蛍光増白剤、消泡剤(シリコーン等)、セルラーゼやプロテアーゼ等の酵素、染料、香料等が挙げられる。
洗剤組成物中の洗剤粒子の含有量は、洗浄能力の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。また、別途添加される洗剤成分の洗剤組成物中における含有量は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
(1)平均粒径
JIS Z 8801に規定の篩を用いて求めた。
例えば、目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm及び125μmである9段の篩と受け皿を用い、ロータップマシーン(HEIKO SEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を5分間振動して篩い分けを行った後、受け皿、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの順番に受け皿及び各篩下に質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをxjμmとし、それよりも一段小さい篩の目開きをxj+1μmとした時、受け皿からxjμmの篩までの質量頻度の積算をQj%、受け皿からxj+1μmの篩までの質量頻度の積算をQj+1%とした場合、次式によって求めることができる。平均粒径xaは、式(1)、(2)によって求めることができる。
JIS K3362により規定された方法で測定した。
(3)水分
JIS K0068により規定された方法で測定した。
(4)保存安定性(篩通過率)
濾紙(ADVANTEC社製 No.2)で長さ10.2cm×幅6.2cm×高さ4cmの天部のない箱を作り、四隅をステープラーでとめる。これに、各実施例及び比較例で得られた洗剤組成物50gを入れて、該箱の上にアクリル樹脂板(15g)と鉛板(250g)をのせる。これを温度30℃、湿度70%R.H.雰囲気下で28日放置した後のケーキング状態について下記に規定する篩通過率を求めた。
篩通過率:試験後の試料を篩(JIS Z 8801規定の目開き4760μm)上に静かにあけて、通過した粉末質量を計測し、試験後の試料に対する篩通過率(%)を求める。
(5)耐ケーキング性(シミ出し性)
上記の篩通過率試験を行った濾紙の容器の底部(粉体と非接触面)でのシミ出し状態を目視して、下記の1〜5ランクの基準で評価した。
ランク1:濡れていない。
ランク2:1/4程度の面が濡れている。
ランク3:1/2程度の面が濡れている。
ランク4:3/4程度の面が濡れている。
ランク5:全面が濡れている。
TOSHIBA製TW−130VB洗濯機を用いて、ディスペンサー内に各実施例及び比較例で得られた洗剤組成物40gを入れて洗濯(20℃/4°DH水、衣類無し標準条件)を行い、ディスペンサー内の残留量を目視して、下記の1〜5ランクの基準で評価した。
ランク1:全く残留していない。
ランク2:ごく僅か(1/30以下程度)に残留している。
ランク3:僅か(1/20以下程度)に残留している。
ランク4:少し(1/10以下程度)残留している。
ランク5:ランク4以上残留している。
(7)28日保存後のディスペンサー内残留量
上記(4)保存安定性(篩通過率)試験を行った試料を用いて、上記(6)ディスペンサー内残留量試験と同様の試験を行い評価した。
・硫酸ナトリウム:四国化成株式会社製、品名:無水中性芒硝
・亜硫酸ナトリウム:三井化学株式会社製、品名:亜硫酸ソーダ
・蛍光染料:チバスペシャリティケミカルス社製、品名:チノパールCBS−X
・炭酸ナトリウム:セントラル硝子株式会社製、品名:デンス灰、平均粒径:290μm
・ポリアクリル酸ナトリウム水溶液:花王株式会社製、重量平均分子量:1万
・ゼオライト:ゼオビルダー社製、ゼオライト4A型、平均粒径:3.5μm
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:花王株式会社製、品名:ネオペレックスG−25、固形分:26質量%
・石鹸:花王株式会社製、品名:NSソープ、固形分:90%
・ポリエチエングリコール:三井化学株式会社製、品名:PEG13000、重量平均分子量:10000、固形分:60%
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノニオン界面活性剤):花王株式会社製、品名:エマルゲン108KM(エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキル鎖の炭素数:12〜14)
・ドデシルベンゼンスルホン酸:ルナックL−98(花王株式会社製)を38質量%、ルナックMY−98(花王株式会社製)を12質量%、ルナックP−95(花王株式会社製)を50質量%の割合でブレンドして得られたもの。
・結晶性ケイ酸ナトリウム:株式会社トクヤマシルテック製、品名:プリフィード6Nをハンマーミルタイプの粉砕機を用いて平均粒径10μmにしたもの
・層状粘土鉱物1:層状粘土鉱物(ズード・ケミ社製、品名:ラウンドロジルDGAパウダー)平均粒径18μm
・層状粘土鉱物2:層状粘土鉱物(ズート・ケミ社製、品名:ラウンドロジルDGA212、平均粒径:720μm)を、ハンマーミルタイプの粉砕機を用いて、平均粒径45μmに粉砕したもの。
・層状粘土鉱物3:層状粘土鉱物(ズート・ケミ社製、品名:ラウンドロジルDGA212、平均粒径:720μm)を、ハンマーミルタイプの粉砕機を用いて、平均粒径68μmに粉砕したもの。
・酸源粒子1:クエン酸(和光純薬工業化株式会社製、品名:和光特級くえん酸(無水))をハンマーミルタイプの粉砕機を用いて18μmに粉砕したもの。
・酸源粒子2:クエン酸(和光純薬工業化株式会社製、品名:和光特級くえん酸(無水))をハンマーミルタイプの粉砕機を用いて42μmに粉砕したもの。
・酸源粒子3:リンゴ酸(和光純薬工業化株式会社製、品名:和光特級DL−りんご酸)をハンマーミルタイプの粉砕機を用いて18μmに粉砕したもの。
水410質量部を攪拌翼を有した1m3の混合槽に加え、水温が45℃に達した後に、硫酸ナトリウム110質量部、亜硫酸ナトリウム8質量部、蛍光染料2質量部を添加して、10分間攪拌した。次いで、炭酸ナトリウム120質量部、40質量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液150質量部を添加して10分間攪拌し、さらに塩化ナトリウム40質量部、ゼオライト160質量部を添加し、15分間攪拌してスラリー水分50質量%の均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は50℃であった。
285℃の窒素ガスを噴霧乾燥塔に塔下部より供給しながら、スラリーをポンプで噴霧乾燥塔(向流式)に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。窒素ガスは、塔頂から98℃で排出された。得られた噴霧乾燥粒子の水分は0%、平均粒径は290μm、嵩密度は510g/L、担持能は65mL/100g、粒子強度は350kg/cm2であった。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル840質量部とポリエチレングリコール69質量部とを80℃に加熱し、ドデシルベンゼンスルホン酸960質量部と48%水酸化ナトリウム水溶液258質量部を添加、撹拌して、水分10.3質量%を含む界面活性剤組成物を調製した。
レディゲミキサー(松坂技研株式会社製、容量130L、ジャケット付)に、60質量部の噴霧乾燥粒子を投入し、主軸(攪拌翼の回転数:60rpm、周速:1.6m/s)の攪拌を開始した。ジャケットには80℃の温水を10L/分で流した。そこに、80℃に昇温した調製例2で得られた界面活性剤組成物40質量部を2分間かけて投入し、その後5分間攪拌を行って、噴霧乾燥粒子に界面活性剤組成物を担持させてベース洗剤粒子1を調製した。
レディゲミキサー(松坂技研株式会社製、容量130L、ジャケット付)に、60質量部の噴霧乾燥粒子と15質量部の炭酸ナトリウムを投入し、主軸(攪拌翼の回転数:60rpm、周速:1.6m/s)の攪拌を開始した。ジャケットには80℃の温水を10L/分で流した。そこに、80℃に昇温した調製例2で得られた界面活性剤組成物40質量部を2分間かけて投入し、その後5分間攪拌を行って、噴霧乾燥粒子に界面活性剤組成物を担持させてベース洗剤粒子2を調製した。
ゼオライト、陰イオン界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、炭酸ナトリウム、1号珪酸ナトリウム(東ソー株式会社製)及び硫酸ナトリウムの成分で含水率50%の水性スラリーを調製した。
このスラリーを噴霧乾燥塔に供給し、噴霧圧力25kg/cm2で塔頂より噴霧を行うことにより噴霧乾燥粒子を調製した。得られた噴霧乾燥粒子の組成は、ゼオライト11質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15質量部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1質量部、炭酸ナトリウム37質量部、1号珪酸ナトリウム5質量部、硫酸ナトリウム25質量部、水6質量部で構成されていた。
次いで得られた噴霧乾燥粒子100質量部をスクリュー押出し造粒機により造粒し、造粒物を分級器で710μm以上を分級し、ゼオライト3重量部と共に粉砕機で粉砕し、710μm未満の造粒物と混合した。次に、得られた混合物とゼオライト3質量部とをロータリーキルンを用いて混合し、ベース洗剤粒子3を調製した。
結晶性ケイ酸ナトリウム70質量部と層状粘土鉱物1を30質量部とをナウターミキサーにて十分混合し、この混合粉末をローラーコンパクター(TF−MINIフロイント産業製)を用いて、ローラー圧80kg/cm2で圧縮造粒した。さらに得られた造粒物を篩にて1000μm以上の粒子と180μm以下の粒子を取り除いて、アルカリ顆粒1を調製した。
調製例3に引き続き、予備混合粉1を24質量部投入し、主軸(攪拌翼の回転数:60rpm、周速:1.6m/s)にて2分間攪拌を行った。次いで、24質量部のゼオライトを投入し、主軸(回転数:120rpm、周速:3.1m/s)とチョッパー(回転数:3600rpm、周速:28m/s)の攪拌を60秒間行った後、排出し、洗剤粒子1を得た。その組成及び評価結果を表1に示す。
実施例2(洗剤粒子2の調製)
調製例3に引き続き、層状粘土鉱物1を6質量部とクエン酸を18質量部投入し、実施例1と同様の操作を行い、洗剤粒子2を得た。その組成及び評価結果を表1に示す。
調製例3に引き続き、クエン酸を18質量部投入し、主軸(攪拌翼の回転数:60rpm、周速:1.6m/s)にて1分間攪拌した後、層状粘土鉱物1を6質量部投入し、主軸(攪拌翼の回転数:60rpm、周速:1.6m/s)にて1分間攪拌を行った。次いで、24質量部のゼオライトを投入し、実施例1と同様の操作を行い、洗剤粒子3を得た。その組成及び評価結果を表1に示す。
実施例4(洗剤粒子4の調製)
調製例3に引き続き、層状粘土鉱物1を6質量部投入し、主軸(攪拌翼の回転数:60rpm、周速:1.6m/s)にて1分間攪拌した後、クエン酸を18質量部投入し、主軸(攪拌翼の回転数:60rpm、周速:1.6m/s)にて1分間攪拌を行った。次いで、24質量部のゼオライトを投入し、実施例1と同様の操作を行い、洗剤粒子4を得た。その組成及び評価結果を表1に示す。
使用する酸源粒子と層状粘土鉱物の種類と量を第1表に示される条件とした以外は、実施例3と同様にして洗剤粒子5〜9を得た。それらの組成及び評価結果を表1に示す。
実施例10〜11(洗剤粒子10〜11の調製)
ベース洗剤に調製例4〜5を用いた以外は、実施例3と同様にして洗剤粒子10〜11を得た。その組成及び評価結果を表1に示す。
実施例12〜13(洗剤粒子12〜13の調製)
実施例1で得られた洗剤粒子1にアルカリ顆粒1(調製例6)100質量部を乾式添加して洗剤粒子12を、同様にアルカリ顆粒2(炭酸ナトリウム)100質量部を乾式添加して洗剤粒子13を得た。それらの組成及び評価結果を表1に示す。
層状粘土鉱物を使用しなかった以外は、実施例3と同様にして洗剤粒子Aを得た。その組成及び評価結果を表1に示す。
比較例2(洗剤粒子Bの調製)
クエン酸を使用しなかった以外は、実施例3と同様にして洗剤粒子Bを得た。その組成及び評価結果を表1に示す。
実施例1〜9については、いずれの水溶液(濃度1g/L)の25℃におけるアルカリ緩衝能(pHを9.5以下にするために要する0.1N塩酸量)が5mL以下であった。
実施例10〜13については、アルカリ緩衝能が5mL以上であり、実施例1〜9に比べて高洗浄力が期待できる。
また、実施例1〜10及び12〜13は、十分な溶解性が期待できる。
なお、実施例1〜4で得られた洗剤粒子1〜4の割断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した結果、いずれも調製例で得られたベース洗剤粒子の表層上に微粉の層状態が形成されていた。
Claims (8)
- ベース洗剤粒子(a)100質量部に対して、平均粒子径1〜80μmの層状粘土鉱物(b)1〜25質量部、及び平均粒子径1〜80μmの酸源粒子(c)1〜25質量部を含有してなり、該ベース洗剤粒子(a)の表面に該層状粘土鉱物(b)と該酸源粒子(c)を含有する層が形成されてなる洗剤粒子。
- 層状粘土鉱物(b)が、下記一般式(I)で表される請求項1に記載の洗剤粒子。
[Si4(MgyAl2-y)O10(OH)2]y-・Mey+ (I)
(式中、yは0.2〜0.6であり、Mey+はNa、K、Li、Ca1/2、Mg1/2及びNH4から選ばれる少なくとも1種のイオンであり、アルカリ土類金属イオンに対するアルカリ金属イオンとのモル比〔(Na+K+Li)/(Ca+Mg)〕は1.0以上である。) - ベース洗剤粒子(a)が、実質的に界面活性剤を含有しない噴霧乾燥粒子(d)に界面活性剤組成物(e)を担持させて得られるものである、請求項1又は2に記載の洗剤粒子。
- 酸源がモノ又はポリカルボン酸、スルホン酸、又はそれらの混合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の洗剤粒子。
- ベース洗剤粒子(a)が、二酸化炭素源をベース洗剤粒子中に1〜75質量部含有してなる、請求項1〜4のいずれかに記載の洗剤粒子。
- ベース洗剤粒子(a)の表層上に、更にゼオライト層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の洗剤粒子。
- ベース洗剤粒子(a)に対して、平均粒子径1〜80μmの層状粘土鉱物(b)と平均粒子径1〜80μmの酸源粒子(c)を添加することにより、該ベース洗剤粒子(a)の表面に該層状粘土鉱物(b)と該酸源粒子(c)を含有する層を形成することによって得られる洗剤粒子。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の洗剤粒子を含有する洗剤組成物。
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