JP2010138127A - 含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物 - Google Patents

含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】含硫黄官能基を有するホスフィン化合物を提供する。
【解決手段】式(1)
Figure 2010138127

(式中、Rはハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、又はハロゲン原子で置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基を表し、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数6〜20のアリール基、炭化水素基で置換された炭素原子数1〜20の置換シリル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基または炭素原子数6〜20のアリールオキシ基を表す。)で示されるホスフィン。
【選択図】なし

Description

本発明は含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物、該化合物の製造方法、該化合物配位子として用いる金属触媒、および該金属触媒を用いるアルキルメタクリレートの製造方法に関する。
パラジウム化合物、配位子及びプロトン酸からなる触媒の存在下、アセチレン化合物を一酸化炭素とアルコールと反応させアルキルメタクリレートを製造する方法が知られている(特許文献1)。本アルキルメタクリレート製造法に用いられる配位子は主にピリジルホスフィン化合物が好適に用いられる。
非特許文献1には、ジフェニル(6−メチルチオ−2−ピリジル)ホスフィンが開示されている。しかしながら、遷移金属触媒反応の配位子としての応用例は報告されておらず、配位子としての有用性はこれまで明らかにされていなかった。
特開昭63−277551号公報 テトラヘドロン・レターズ,2000年,41巻,303−306項
本発明は、含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物、該化合物の製造方法、該化合物を配位子として用いる金属触媒、および該金属触媒を用いるアルキルメタクリレートの製造方法を提供するものである。
すなはち、本発明は式(1)

Figure 2010138127

(式中、Rはハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、またはハロゲン原子で置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基を表し、
、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数6〜20のアリール基、炭化水素基で置換された炭素原子数1〜20の置換シリル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、または炭素原子数6〜20のアリールオキシ基を表し、
、R、R、R、R、R、RおよびRのうち隣接する基は互いに結合して環を形成していても良い。但しRがメチル基であり、且つR、R、R、R、R、R、RおよびRが全て水素原子である場合を除く。)
で示される含硫黄官能基を有するホスフィン化合物、
式(2)

Figure 2010138127

(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、式(1)において定義されたとおりの意味を有し、Xはハロゲン原子を示す)
で表されるハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物と、式(3)

Figure 2010138127

(式中、Rはハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、又はハロゲン原子で置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す)
で示される金属チオアルコキシドを反応させる事を特徴とする式(4)

Figure 2010138127

(式中、Rは式(3)において定義されたとおりの意味を有し、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、式(1)において定義されたとおりの意味を有する。)
で表される含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物の製造方法、該化合物と第10族金属化合物を含む金属触媒、および該金属触媒を用いるアルキルメタクリレートの製造方法を提供するものである。
本発明により得られる含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物を配位子として含む金属触媒の存在下でメチルアセチレンのメトキシカルボニル化反応を行うと、メタクリル酸メチルを効率よく製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
式(1)において、Rにおけるハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、および、これらのアルキル基をフッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子で置換したものなどが挙げられる。
式(1)において、Rにおけるハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、および、これらのアラルキル基をフッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子で置換したものなどが挙げられる。
式(1)において、Rにおけるハロゲン原子で置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、および、これらのアリール基をフッ素原子や塩素原子などのハロゲン原子で置換したものなどが挙げられる。
式(1)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9におけるハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、および、これらのアルキル基をフッ素原子などのハロゲン原子で置換したものなどが挙げられる。
式(1)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9におけるハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、および、これらのアラルキル基をフッ素原子などのハロゲン原子で置換したものなどが挙げられる。
式(1)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9におけるハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、および、これらのアリール基をフッ素原子などのハロゲン原子で置換したものなどが挙げられる。
式(1)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
式(1)において、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9における炭素原子数1〜20の炭化水素で置換されたシリル基としては、例えば、炭素原子数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)などの炭化水素基で置換されたシリル基をあげることできる。具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基、tert−ブチル−ジフェニルシリル基などがあげられる。
2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9における炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコソキシ基などがあげられる。
2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9における炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などがあげられる。
2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9における炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などがあげられる。
2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9において隣接する基は互いに結合して環構造を形成していてもよい。具体的には、例えば、これらの置換基が、互いに結合して、それらが結合しているピリジン環もしくはベンゼン環と縮合環を形成する例が示される。これらの隣接する基が形成する環構造としては、例えば、飽和もしくは不飽和の炭化水素環などがあげられ、具体的には、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などをあげることができる。これらの環は、塩素、フッ素などのハロゲン原子などで置換されていてもよい。
本発明の式(1)および(4)で示される含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物を具体的に例示すると、表1のとおりである。以下の表1および2において、それぞれの記号は、Me:メチル基、Et:エチル基、n-Pr:n−プロピル基、i-Pr:イソプロピル基、n−Bu:n-ブチル基、i−Bu:i-ブチル基、t−Bu:t−ブチル基、PhCH2-:ベンジル基、Ph:フェニル基を意味する。
表1−1
Figure 2010138127

Figure 2010138127








表1−2
Figure 2010138127





表1−3
Figure 2010138127





表1−4
Figure 2010138127





表1−5
Figure 2010138127





表1−6
Figure 2010138127





表1−7
Figure 2010138127
式(4)で示されるホスフィンは、式(2)で示されるハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物と式(3)で示されるアルカリ金属チオアルコキシドを反応させることにより製造する事ができる。以下その製造方法について詳細に説明する。
式(2)で示されるハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物のハロゲン原子Xとしては、反応性の観点から、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。具体的には表2に示す化合物が例示される。
表2−1
Figure 2010138127

Figure 2010138127

表2−2

Figure 2010138127






表2−3

Figure 2010138127
式(3)で示されるアルカリ金属チオアルコキシドの使用量は、式(2)のハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物1モルに対し、通常、0.1から10モル、好ましくは0.5から5モル倍の範囲である。式(3)で示されるアルカリ金属チオアルコキシドとして具体的には、リチウム チオメトキシド、ナトリウム チオメトキシド、カリウム チオメトキシド、リチウム チオエトキシド、ナトリウム チオエトキシド、カリウム チオエトキシド、リチウム チオ−n−プロポキシド、ナトリウム チオ−n−プロポキシド、カリウム チオ−n−プロポキシド、リチウム チオイソプロポキシド、ナトリウム チオイソプロポキシド、カリウム チオイソプロポキシド、リチウム チオ−n−ブトキシド、ナトリウム チオ−n−ブトキシド、カリウム チオ−n−ブトキシド、リチウム チオイソブトキシド、ナトリウム チオイソブトキシド、カリウム チオイソブトキシド、リチウム チオ−tert−ブトキシド、ナトリウム チオ−tert−ブトキシド、カリウム チオ−tert−ブトキシド、リチウム チオベンジルオキシド、ナトリウム チオベンジルオキシド、カリウム チオベンジルオキシド、リチウム チオフェノキシド、ナトリウム チオフェノキシド、カリウム チオフェノキシド、リチウム 4−メチルチオフェノキシド、ナトリウム 4−メチルチオフェノキシド、カリウム 4−メチルチオフェノキシド、リチウム 3,5−ジメチルチオフェノキシド、ナトリウム 3,5−ジメチルチオフェノキシド、カリウム 3,5−ジメチルチオフェノキシド、リチウム 4−フルオロチオフェノキシド、ナトリウム 4−フルオロチオフェノキシド、カリウム 4−フルオロチオフェノキシド、リチウム 4−クロロチオフェノキシド、ナトリウム 4−クロロチオフェノキシド、カリウム 4−クロロチオフェノキシド、リチウム 4−メトキシチオフェノキシド、ナトリウム 4−メトキシチオフェノキシド、カリウム 4−メトキシチオフェノキシド、リチウム 4−トリフルオロメチルチオフェノキシド、ナトリウム 4−トリフルオロメチルチオフェノキシド、カリウム 4−トリフルオロメチルチオフェノキシド、リチウム 1−チオナフトキシド、ナトリウム 1−チオナフトキシド、カリウム 1−チオナフトキシド、リチウム 2−チオナフトキシド、ナトリウム 2−チオナフトキシド、カリウム 2−チオナフトキシドが例示される。
反応は必ずしも溶媒の使用を必要とはしないが、一般には溶媒の存在下で実施される。使用する溶媒に制限は無いが、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)やN−メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒が好ましく使用され、それぞれ単独もしくは2種以上を適宜混合しても良い。反応は、式(2)で示されるハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物と式(3)で示される金属チオアルコシシド、および溶媒を一度に全て混合させても良いし、式(2)で示されるハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物と溶媒の混合物に対して式(3)で示される金属チオアルコキシドを加えても、式(3)で示される金属チオアルコキシドと溶媒の混合物に式(2)で示されるハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物を加えても良い。また、その際には加える方のハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物又は金属チオアルコキシドはそのまま加えても良いし、予め上記溶媒に溶解又は、けん濁させて使用しても良い。
反応条件に制限はないが、反応温度は通常、0℃以上溶媒の沸点以下、好ましくは室温〜100℃程度の範囲であって、反応時間は通常48時間以内で充分である。
得られた反応混合物に対し、塩水を加えて分液等の処理により、無機成分を除いた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、および/あるいは再結晶、などの精製により、式(4)で示される含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物を取得することができる。
かくして得られる式(4)で示される含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物は、第10族金属化合物との組み合わせにより金属触媒(以下、本発明の金属触媒と記す場合も有る。)としての使用が可能である。該金属触媒が使用される触媒反応は第10族金属とホスフィンを使用する遷移金属触媒反応であれば限定されず、例えば、重合反応、オリゴマー化反応、アルキル化反応、ヘック(Heck)反応、水素化反応、カップリング反応、酸化反応、カルボキシル化反応、アルコキシカルボニル化反応、ヒドロホルミル化反応、ヒドロシリル化反応などがあげられる。
以下、本発明の金属触媒を用いる触媒反応の好適な例として、アセチレン化合物のアルコキシカルボニル化反応を例にとり具体的に説明する。
第10族の金属としては、ニッケル、パラジウム、白金があげられ、好ましくはパラジウムをあげることができる。かかる金属化合物としては、パラジウム アセチルアセトナート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム アセテート、塩化パラジウム、酢酸パラジウムおよびこれらの混合物をあげることができる。第10族金属化合物の使用量は限定されないが、アセチレン化合物1モル当たり、10−2から10−5モル倍である。式(2)で示されるハロゲン置換ピリジルホスフィン化合物の使用量は、特に限定されないが、第10族金属の化合物に対して通常3から400モル倍、好ましくは、10から200モル倍である。
本発明の金属触媒は、通常、プロトン酸の共存下でアルコキシカルボニル化触媒の成分として用いられる。かかるプロトン酸としては、オルトリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、硫酸、ハロゲン化水素酸、ベンゼンリン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリメチルメタンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸およびこれらの混合物が例示され、好ましくは、スルホン酸化合物、さらに好ましくはメタンスルホン酸を用いる事ができる。プロトン酸の使用量は、特に限定されないが、第10族金属化合物1モルに対して通常3から600モル、好ましくは、10から300である。
アセチレン化合物としては、アセチレン、メチルアセチレン、シクロヘキシルアセチレン、フェニルアセチレン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、1−ヘプチン、1−オクチン、2−ブチン、3−ヘキシン、ジフェニルアセチレンをあげることができ、メチルアセチレンを好ましく使用することができる。本発明においては、アセチレン化合物に、アレンやブテン、プロピレンなどの炭化水素を不純物として含んでいても使用することができる。ただし、アレンに関しては、その触媒被毒作用による触媒の劣化を防ぎ触媒コストを下げるという観点から、好ましくはその含有量はアセチレン化合物中1%以下であり、より好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは10ppm以下である。
本発明のアルコキシカルボニル化反応において使用されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコールをあげることができる。好ましい実施形態として、アセチレン化合物としてメチルアセチレンに対し、メタノールを反応させることでメタクリル酸メチルを製造する事が出来る。アルコールの使用量は特に限定されないが、アセチレン化合物1モルに対して、通常、1モル以上である。
大過剰のアルコールの使用は、しばしば、好ましい反応結果を与える。しかし、別途、溶媒を使用することもできる。例えば、スホキシド類およびスルホン類、例えば、ジメチルスルホキシド、ジイソプロピルスルホン、スルホラン;芳香族炭化水素類、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン;エステル類、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタクリル酸メチル;ケトン類、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン;エーテル類、例えば、アニソール、ジメトキシエタン、ジグライム、メチル tert−ブチル エーテル、エチル tert−ブチル エーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル;アミド類、例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、およびこれらの混合物を例示する事ができる。溶媒の使用量は特に限定されない。
本発明のアルコキシカルボニル化反応においては、プロトン酸の他に更にアミン化合物を添加することで好ましい結果が得られる場合が有る。アミン化合物は特に限定されないが、通常、公知の3級アミンもしくは環状アミンが用いられる。具体的にはN,N−ジアルキルアニリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、トリアジン、イミダゾール、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンおよびこれらの混合物が例示され、好ましくはN,N−ジメチルアニリン、ピリジンである。アミン化合物の添加量に制限はないが、好ましくはプロトン酸1モルに対して1〜50モル、より好ましくは1〜10モルの範囲である。
本発明のアルコキシカルボニル化反応に必要な一酸化炭素は、純粋な一酸化炭素のほか、窒素、アルゴンなどカルボニル化反応に不活性なガスを含んでいても良い。反応の際の一酸化炭素分圧は好ましくは0.1MPaGから10MPaGである。
本発明におけるアルコキシカルボニル化反応の反応条件は特に制限されないが、好ましくは、反応温度は20℃から100℃の範囲において実施される。反応時間は一概に定める事はできないが、通常は12時間から24時間で十分である。又、反応圧力は、好ましくは、0.5から10MPaGであり、さらに好ましくは1から9MPaGである。
上記のようにして製造したメタクリル酸メチルは、通常、精製後に重合することによりメタクリル酸メチルの重合体を製造するため用いることができる。メタクリル酸メチルを精製する方法としては、例えば、蒸留、抽出など一般的な方法を使用することができる。また、メタクリル酸メチルを重合してメタクリル酸メチルの重合物を含む重合体を製造する方法は、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等が挙げられるが、特に限定されない。
以下、本発明を実験例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。
実施例1 ジフェニル(6−メチルチオ−2−ピリジル)ホスフィンの合成
NaSMe(844mg、12.0mmol)、ジフェニル(6−ブロモ−2−ピリジル)ホスフィン(1.03g、3.01mmol)、脱水DMF(10ml)の混合溶液を室温で9時間攪拌した。この反応液を食塩水でクエンチした後、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を水、食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧で濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、表題化合物を得た(857mg、92%)。
H−NMR(CDCl,270Hz):δ 7.46−7.28(11H,m)、7.05(1H,d,J=8Hz)、6.84(1H,ddd,J=0.8,2,7Hz)、2.36(3H,s);MS(EI,m/z):309(M
実施例2 ジフェニル(6−エチルチオ−2−ピリジル)ホスフィンの合成
純度80%のNaSEt(1.01g、9.60mmol)、ジフェニル(6−ブロモ−2−ピリジル)ホスフィン(1.39g、6.37mmol)、脱水DMF(50ml)の混合溶液を室温で9時間攪拌した。この反応液を食塩水でクエンチした後、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧で濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;ヘキサン/酢酸エチル=15/1)で精製し、表題化合物を得た(1.22g、93%)。
H−NMR(CDCl,270Hz):δ 7.48−7.27(11H,m)、7.01(1H,dd,J=0.7、8Hz)、6.88(1H,ddd,J=0.7,2,7Hz)、2.96(2H,q,J=7Hz)、1.12(3H,t,J=7Hz);31P−NMR(CDCl,243Hz):δ−2.57;MS(EI):m/z 323(M
実施例3
シュレンク管中で25mLのMeOHに酢酸パラジウム11.3mg(0.050mmol)とジフェニル(6−メチルチオ−2−ピリジル)ホスフィン163mg(純度>95%として>0.500mmol)を溶解させた後、メタンスルホン酸49μl(0.75mmol)を加え反応溶液を調製した。この触媒溶液を窒素雰囲気下で内容積100mlのステンレス製オートクレーブに導入後、ドライアイス−エタノール浴下に冷却し、プロパジエン濃度が500ppm以上の市販メチルアセチレン6.24g(154mmol)を導入後、一酸化炭素で加圧し1MPaGに保持した。反応中はCO分圧を1MPaGに保つ為、減圧弁にて消費分の一酸化炭素を常時導入した。反応温度50℃で3時間保持した後の反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析したところ、メチルメタクリレートの収率は97%、Pd1モルあたりの生成量は2998モルであった。
実施例4
シュレンク管中で20mLのMeOHに酢酸パラジウム11.3mg(0.050mmol)とジフェニル(6−エチルチオ−2−ピリジル)ホスフィン163mg(0.500mmol)を溶解させた後、メタンスルホン酸49μl(0.75mmol)を加え反応溶液を調製した。この触媒溶液を窒素雰囲気下で内容積100mlのステンレス製オートクレーブに導入後、ドライアイス−エタノール浴下に冷却し、プロパジエン濃度が500ppm以上の市販メチルアセチレン6.21g(154mmol)を導入後、一酸化炭素で加圧し1MPaGに保持した。反応中はCO分圧を1MPaGに保つ為、減圧弁にて消費分の一酸化炭素を常時導入した。反応温度50℃で3時間保持した後の反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析したところ、メチルメタクリレートの収率は60%、Pd1モルあたりの生成量は1852モルであった。
実施例5
シュレンク管中で45mLのMeOHに酢酸パラジウム1.8mg(0.00800mmol)とジフェニル(6−メチルチオ−2−ピリジル)ホスフィン104mg(純度>95%として>0.320mmol)を溶解させた後、N,N−ジメチルアニリン0.10ml(0.80mol)、メタンスルホン酸31μl(0.48mmol)を加え反応溶液を調製した。この触媒溶液を1.7ml分取(パラジウム0.00030mmol相当)し、窒素雰囲気下で内容積100mlのステンレス製オートクレーブに導入後、更にメタノール23.3mlを導入した。触媒溶液の入ったオートクレーブをドライアイス−エタノール浴下に冷却し、プロパジエン濃度が6ppm以下のメチルアセチレン6.22g(154mmol)を導入後、一酸化炭素で加圧し5MPaGに保持した。反応中はCO分圧を5MPaGに保つ為、減圧弁にて消費分の一酸化炭素を常時導入した。反応温度65℃で6時間保持した後の反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析したところ、メチルメタクリレートの収率は17%、Pd1モルあたりの生成量は9万モルであった。
比較例1
シュレンク管中で45mLのMeOHに酢酸パラジウム1.8mg(0.00800mmol)とジフェニル(6−メトキシ−2−ピリジル)ホスフィン98.8mg(0.320mmol)を溶解させた後、N,N−ジメチルアニリン0.10ml(0.80mol)、メタンスルホン酸31μl(0.48mmol)を加え反応溶液を調製した。この触媒溶液を1.7ml分取(パラジウム0.00030mmol相当)し、窒素雰囲気下で内容積100mlのステンレス製オートクレーブに導入後、更にメタノール28.3mlを導入した。触媒溶液の入ったオートクレーブをドライアイス−エタノール浴下に冷却し、プロパジエン濃度が4ppmのメチルアセチレン6.34g(154mmol)を導入後、一酸化炭素で加圧し5MPaGに保持した。反応中はCO分圧を5MPaGに保つ為、減圧弁にて消費分の一酸化炭素を常時導入した。反応温度65℃で6時間保持した後の反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により定量分析したところ、メチルメタクリレートの収率は5%に低下し、Pd1モルあたりの生成量は僅か2万モルであった。
本発明の含硫黄官能基を有するピリジルホスフィン化合物は、メチルアセチレンのメトキシカルボニル化反応の触媒配位子として利用できる。

Claims (7)

  1. 式(1)

    Figure 2010138127

    (式中、Rはハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、又はハロゲン原子で置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基を表し、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数6〜20のアリール基、炭化水素基で置換された炭素原子数1〜20の置換シリル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基または炭素原子数6〜20のアリールオキシ基を表し、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうち隣接する基は互いに結合して環を形成していても良い。但しRがメチル基であり、且つR、R、R、R、R、R、RおよびRが全て水素原子である場合を除く。)
    で示されるホスフィン化合物。
  2. 式(2)

    Figure 2010138127

    (式中、R、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1において定義されたとおりの意味を有し、Xはハロゲン原子を示す)
    で表されるハロゲン置換ピリジルホスフィンと、
    式(3)

    Figure 2010138127

    (式中、Rはハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素原子数7〜20のアラルキル基、又はハロゲン原子で置換されていても良い炭素数6〜20のアリール基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す。)
    で示される金属チオアルコキシドを反応させる事を特徴とする、
    式(4)

    Figure 2010138127

    (式中、Rは式(3)において定義されたとおりの意味を有し、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、式(1)において定義されたとおりの意味を有する。)
    で表される含硫黄官能基を有するホスフィン化合物の製造方法。
  3. 式(4)で表される請求項2に記載のホスフィンと第10族金属化合物を含む金属触媒。
  4. ホスフィンがジフェニル(6−メチルチオ−2−ピリジル)ホスフィン、またはジフェニル(6−エチルチオ−2−ピリジル)ホスフィンのいずれかである請求項3記載の金属触媒。
  5. 第10族金属化合物がパラジウムである請求項3から4のいずれかに記載の金属触媒。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載の金属触媒およびプロトン酸の存在下に、メチルアセチレンと一酸化炭素およびメタノールとを反応させることを特徴とするメタクリル酸メチルの製造方法。
  7. メタクリル酸メチルを重合させメタクリル酸メチルの重合物を製造するさらななる工程を含む請求項6の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018159846A1 (ja) * 2017-03-02 2018-09-07 Agc株式会社 α,β-不飽和酸エステルまたはα-ハロエステルの製造方法

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