JP2010137778A - 操舵支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者の意図に応じた補助操舵トルクを付与することにより、運転者に与える違和感を軽減しながらハンドル操舵に適応した操舵支援制御が行うことができる操舵支援装置を提供する。
【解決手段】 逸脱防止支援ECU10は、操舵トルクが操舵トルクしきい値を超え、制御トルクが制御トルクしきい値を超えた時間が成立判定時間しきい値を超えたときに、干渉判定を成立させて、目標制御トルクを小さくする。ここで、車両の前方に他車両が走行し、他車両と白線との距離が所定値以下であり、かつ車両の他車両に対する到達時間が所定値以下の場合に操舵トルクしきい値、制御トルクしきい値、および成立判定時間しきい値を小さくする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操舵支援装置に係り、特に、走行中の車両が車線から逸脱するのを防止する車線逸脱防止を行うための操舵支援装置に関する。
従来、車線が描かれた道路を走行する車両が、車線から逸脱するのを防止するために、運転者のステアリング操作によって付与される操舵トルクのほかに、補助操舵トルクを付与するトルク付与手段を備える操舵支援装置が知られている。また、この種の操舵支援装置として、トルク付与手段によって付与された補助操舵トルクと運転者のハンドル操作による操舵トルクとの方向が異なるときに、トルク付与手段によって付与される補助操舵トルクを小さくするものがある(たとえば特許文献1参照)。この操舵支援装置によれば、運転者のハンドル操舵に適応した操舵支援制御が行うことができる。
特開2007−038697号公報
しかし、上記特許文献1に開示された操舵支援装置では、トルク付与手段によって付与される補助操舵トルクと運転者のハンドル操作による操舵トルクとの方向が違う場合に、一律的にトルク付与手段によって付与される補助操舵トルクを小さくしている。このため、車両の周辺環境等によっては、運転者の意図と異なって補助操舵トルクが小さくなったり、あるいは小さくならなかったりすることがあり、運転者に違和感を与えることがあるという問題があった。
そこで、本発明の課題は、運転者の意図に応じた補助操舵トルクを付与することにより、運転者に与える違和感を軽減しながらハンドル操舵に適応した操舵支援制御が行うことができる操舵支援装置を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係る操舵支援装置は、車両の前方の走行路を撮像した画像に基づき車両が走行路に沿って走行するように操舵機構に補助操舵トルクを付与するトルク付与手段と、トルク付与手段による操舵量と車両のハンドル操作による操舵量との差が所定のしきい値を超える場合に、操舵機構に付与する補助操舵トルクを抑制する操舵トルク抑制手段と、を備える操舵支援装置であって、車両の運転者がトルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制を期待する状況であるトルク抑制制御期待状況を判定するトルク抑制制御期待状況判定手段と、トルク抑制制御期待状況判定手段による判定結果に基づいて、所定のしきい値を調整することを特徴とする。
本発明に係る操舵支援装置では、車両の運転者がトルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制を期待する状況であるトルク抑制制御期待状況を判定し、その判定結果に基づいて操舵機構に付与する補助操舵トルクを抑制すると判断する際のしきい値を調整している。このため、車両の運転者がトルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制を期待する状況に応じて操舵機構に付与する補助操舵トルクを抑制するか否かを調整することができる。したがって、運転者の意図に応じた補助操舵トルクを付与することにより、運転者に与える違和感を軽減しながらハンドル操舵に適応した操舵支援制御が行うことができる。
ここで、トルク抑制制御期待状況判定手段がトルク抑制制御期待状況であると判定した場合に、所定のしきい値を小さくする態様とすることができる。
このように、トルク抑制制御期待状況判定手段がトルク抑制制御期待状況であると判定した場合に、所定のしきい値を小さくすることにより、車両の運転者がトルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制を期待する状況のときに操舵機構に付与する補助操舵トルクを抑制することができる。
また、トルク抑制制御期待状況判定手段は、車両の周囲を走行する他車両を検出する他車両検出手段と、他車両と車両との相対関係を検出する相対関係検出手段と、を備えており、他車両と車両との相対関係に基づいて、トルク抑制制御期待状況の判定を行う態様とすることができる。
車両の運転者がトルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制を期待する状況にあるか否かは、他車両と車両との相対関係に基づいて推定することができる。したがって、他車両と車両との相対関係に基づいて、トルク抑制制御期待状況の判定を行うことにより、トルク抑制制御期待状況を判定することができ、運転者の意図に応じた補助操舵トルクを付与することができる。
さらに、他車両と車両との相対関係が、車両が走行する走行路に対する他車両からの距離であり、距離が近いときに、トルク抑制制御期待状況であると判定する態様とすることができる。
車両が走行する走行路に対する他車両からの距離が近いとき、運転者は他車両から離れた位置を走行しようとすると考えられ、運転者がトルク抑制制御を期待している状況であると考えられる。このため、車両が走行する走行路に対する他車両からの距離が近いときに、トルク抑制制御期待状況であると判定することにより、運転者の意図に応じた補助操舵トルクを付与することができる。
また、他車両と前記車両との相対関係が、車両における他車両までの到達時間であり、到達時間が短いときに、トルク抑制制御期待状況であると判定する態様とすることができる。
車両における他車両までの到達時間が短いときにも、運転者は他車両から離れた位置を走行しようとすると考えられ、運転者がトルク抑制制御を期待している状況であると考えられる。このため、車両における他車両までの到達時間が短いときに、トルク抑制制御期待状況であると判定することにより、運転者の意図に応じた補助操舵トルクを付与することができる。
あるいは、操舵量が操舵力および操舵時間であり、所定のしきい値として操舵力に対する操舵力しきい値および操舵時間に対する操舵時間しきい値が設定されている態様とすることができる。
トルク付与手段による操舵量と前記車両のハンドル操作による操舵量との差に対する所定のしきい値としては、操舵力に対する操舵力しきい値および操舵時間に対する操舵時間しきい値を好適に用いることができる。
このとき、操舵力しきい値を小さくすることによって所定のしきい値を小さくすることができるし、操舵時間しきい値を短くすることによって所定のしきい値を小さくすることもできる。
このように、操舵力しきい値を小さくすることによって所定のしきい値を小さくすることや、操舵時間しきい値を短くすることによって所定のしきい値を小さくすることにより所定のしきい値を調整することができる。
また、トルク抑制制御期待状況判定手段がトルク抑制制御期待状況でないと判定した場合に、所定のしきい値を大きくする態様とすることができる。
このように、トルク抑制制御期待状況判定手段がトルク抑制制御期待状況でないと判定した場合に、所定のしきい値を大きくすることにより、車両の運転者がトルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制を期待しない状況のときに、操舵機構に付与する補助操舵トルクの抑制を行わないようにすることができる。
ここで、トルク抑制制御期待状況判定手段は、車両の運転者が脇見状態にある場合に、トルク抑制制御期待状況でないと判定することができるし、車両の運転者が居眠り状態にある場合に、トルク抑制制御期待状況でないと判定することもできる。
車両の運転者が脇見状態にある場合に、トルク抑制制御期待状況でないと判定することができるし、車両の運転者が居眠り状態にある場合は、運転者がトルク抑制制御を期待している状況ではないと考えられる。このため、車両の運転者が脇見状態にある場合や居眠り状態にある場合に、トルク抑制制御期待状況であると判定することにより、運転者の意図に反することがない補助操舵トルクを付与することができる。
また、トルク抑制制御期待状況判定手段によってトルク抑制制御期待状況であると判定されている時間である判定継続時間を計測する判定継続時間計測手段を備えており、判定継続時間計測手段の計測結果に基づいて、操舵トルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制量を調整する態様とすることができる。
このように、判定継続時間計測手段の計測結果に基づいて、操舵トルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制量を調整することにより、トルク抑制制御の継続時間に応じて補助操舵トルクの抑制量が変更される。このため、運転者に与える違和感をさらに低減することができる。
このとき、判定継続時間の長さに応じて、操舵トルク抑制手段によって操舵機構に付与する補助操舵トルクの抑制量を大きくしていく態様とすることができる。さらには、判定継続時間中におけるハンドル操作による操舵トルクの積分値に応じて、操舵トルク抑制手段によって操舵機構に付与する補助操舵トルクの抑制量を大きくしていく態様とすることができる。
このように、判定継続時間の長さや判定継続時間中におけるハンドル操作による操舵トルクの積分値に応じて、操舵トルク抑制手段によって操舵機構に付与する補助操舵トルクの抑制量を大きくすることによって、運転者の癖に応じた制御を行うことができ、運転者に与える違和感を好適に軽減することができる。
本発明に係る操舵支援装置によれば、運転者の意図に応じた補助操舵トルクを付与することにより、運転者に与える違和感を軽減しながらハンドル操舵に適応した操舵支援制御が行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図1は本発明の実施形態に係る操舵支援装置のブロック構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る操舵支援装置1は、逸脱防止支援ECU10を備えている。逸脱防止支援ECU10には、車速検出手段11、操舵トルク検出手段12、白線認識カメラ13、ブレーキスイッチ14、ウィンカースイッチ15、メインスイッチ16、および前方認識レーダ17が接続されている。また、逸脱防止支援ECU10には、トルク付与手段となる操舵トルク印加手段2、警報ブザー3、およびメーター4が接続されている。
逸脱防止支援ECU10は、車速検出手段11、操舵トルク検出手段12、白線認識カメラ13などから出力される情報に基づいて、自車が車線を逸脱するか否かを判断する。その結果、自車が所定時間後に車線を逸脱すると判断したときに、操舵トルク印加手段2、警報ブザー3などに所定の信号を出力する。逸脱防止支援ECU10は、操舵トルク抑制手段を構成する。
また、逸脱防止支援ECU10では、車線逸脱判定を行う際に、操舵トルク検出手段12で検出された操舵トルクと、操舵トルク印加手段2によって付与する補助操舵トルクとなる制御トルクとが干渉しているか否かの干渉判定を行っている。干渉判定の結果、操舵トルクと制御トルクとが干渉していると判定したときに、制御トルクの目標値となる目標制御トルクを小さくする。また、干渉判定では、操舵トルクと制御トルクとがそれぞれ所定のしきい値を超える場合に干渉しているとの判定を行う。逸脱防止支援ECU10では、車両の周囲の状況等に応じて、トルク抑制制御期待状況を判定し、トルク抑制制御期待状況に応じて干渉判定を行う際のしきい値を調整する。逸脱防止支援ECU10は、相対関係検出手段およびトルク抑制制御期待状況判定手段を構成する。
逸脱防止支援ECU10は、干渉判定に用いるしきい値として、操舵トルク低しきい値Dd_il、操舵トルク標準しきい値Dd_is、制御トルク低しきい値Dt_il、制御トルク標準しきい値Dt_is、成立判定時間低しきい値To_il、および成立判定時間標準しきい値To_isを記憶している。また、干渉解除判定に用いる解除用しきい値として、解除用操舵トルク低しきい値Dd_ol、解除用操舵トルク標準しきい値Dd_os、解除用制御トルク低しきい値Dt_ol、解除用制御トルク標準しきい値Dt_os、解除用成立判定時間低しきい値To_ol、および解除用成立判定時間標準しきい値To_osを記憶している。さらに、干渉判定の際のしきい値を調整するため、前方車両と白線との間の相対距離しきい値X_lおよび車両が前方車両に到達するまでの到達時間しきい値T_lを記憶している。
逸脱防止支援ECU10では、干渉判定低しきい値フラグがONとなっているときに、干渉判定低しきい値がセットされ、干渉判定が成立しやすくなる。その一方、干渉判定低しきい値フラグがOFFのときには、干渉判定標準しきい値がセットされ、干渉判定が成立しにくくなる。
また、逸脱防止支援ECU10は、干渉判定低しきい値フラグがONとなっている時間を計測する干渉判定低しきい値フラグONタイマを備えている。さらには、干渉判定低しきい値フラグがONとなっている継続時間が所定の継続時間を超えた際に、干渉判定低しきい値フラグをOFFにするための所定の継続時間となる干渉判定低しきい値フラグ継続時間しきい値αを記憶している。逸脱防止支援ECU10のさらに詳しい機能は、後に説明する。
車速検出手段11は、たとえば車両の前輪部分に取り付けられており、自車が走行する際の車速を検出している。車速検出手段11は、検出した車速を逸脱防止支援ECU10に出力している。
操舵トルク検出手段12は、たとえば車室内のステアリングに接続されたステアリングロッドに取り付けられており、ドライバのステアリング操作によってステアリングに入力された操舵トルクを検出している。操舵トルク検出手段12は、検出した操舵トルク信号を逸脱防止支援ECU10に出力している。
白線認識カメラ13は、たとえば車室内におけるフロントガラス上部から車外を見渡す位置に配置されており、フロントガラス越しに覗く車外の状況を撮像している。白線認識カメラ13は、撮像した車外状況を逸脱防止支援ECU10に出力している。
ブレーキスイッチ14は、たとえば車室内におけるブレーキペダルに取り付けられており、ドライバによるブレーキペダルの操作を検出している。ブレーキスイッチ14は、ドライバがブレーキペダルを操作して車両にブレーキ動作をさせようとした際に、ブレーキ信号を逸脱防止支援ECU10に出力する。
ウィンカースイッチ15は、たとえば車室内におけるウィンカーレバーに取り付けられており、ドライバによるウィンカーの操作を検出している。ウィンカースイッチ15は、ドライバがウィンカーレバーを操作してウィンカーを出そうとした際に、ウィンカー信号を逸脱防止支援ECU10に出力する。
メインスイッチ16は、たとえば車室内における運転席側のドアに取り付けられている。ドライバなどがメインスイッチ16をONにする操作をすると、メインスイッチ16は、ON信号を逸脱防止支援ECU10に出力する。逸脱防止支援ECU10は、このON信号を受けて逸脱防止支援を開始する。
前方認識レーダ17は、自車両前方における障害物の有無、自車両に対する前方車両(他車両)などの障害物の方向、および自車両と障害物との距離を検出するセンサである。たとえば、前方認識レーダ17は、ミリ波信号を送受信するミリ波レーダセンサである。前方認識レーダ17は、自車両前方における所定の範囲にミリ波信号を送信し、このミリ波信号が障害物によって反射された反射波信号を受信して、自車両前方における障害物の有無、および自車両に対する障害物の方向を検出する。また、前方認識レーダ17は、ミリ波信号送信時間と反射波信号受信時間とから、障害物までの距離を算出する。前方認識レーダ17は、障害物の有無情報、障害物の方向情報および障害物までの距離情報を含むレーダ信号を逸脱防止支援ECU10へ送信する。前方認識レーダは、他車両検出手段を構成する。
操舵トルク印加手段2としては、たとえばステアリングロッドに接続された電動パワーステアリング装置における電動モータが用いられる。操舵トルク印加手段2は、逸脱防止支援ECU10から出力される印加信号に基づいて、ステアリングロッドに所定の制御トルクを印加する。
警報ブザー3は、たとえば車室内のインストルメントパネル部分に設けられており、ドライバに到達する所定の音量の警報を発する。また、警報ブザー3が発する信号には複数の種類が備えられており、逸脱防止支援ECU10から出力される警報信号に基づいて、所定の種類の警報が出力される。
メーター4には、図2に示すように、速度メーター21およびタコメーター22が設けられている。速度メーター21の表示部分には、「LKA」の文字で表される逸脱防止支援実行表示23、操舵制御実行表示24、白線認識表示25、レーダクルーズ表示26、およびレーダクルーズ設定速度表示27などが表示される。これらの表示部分には、逸脱防止支援ECU10から出力される表示信号に基づいて、適宜の表示がなされる。具体的に、逸脱防止支援実行表示23は、逸脱防止支援を行っている最中に点灯する。
次に、本実施形態における操舵支援装置1における動作、作用について説明する。図3は、本実施形態に係る操舵支援装置の処理手順を示すフローチャート、図4は目標制御トルク判定処理の手順を示すフローチャートである。図3における一連の制御処理は、たとえば、逸脱防止支援ECU10により所定の周期で繰り返し実行される。本実施形態では、目標制御トルク判定処理に特徴があるが、目標制御トルク判定処理の説明の前に、操舵支援装置の処理手順について説明する。
図3に示すように、操舵支援装置1では、運転支援を開始する前処理として、メインスイッチ16がONになっていることを確認する。メインスイッチ16がONになっていたら、白線認識カメラ13で撮影された画像から白線を取り出す白線情報処理を行い、自車が走行する車線の白線を認識する(S1)。
操舵支援の可否判断が済んだら、続いて、ドライバの操作判定を行う(S2)。ドライバの操作判定は、操舵トルク検出手段12から出力される操舵トルク信号、ブレーキスイッチ14から出力されるブレーキ信号、およびウィンカースイッチ15から出力されるウィンカー信号などに基づいて行われる。操舵トルク信号が所定のトルク量を示す場合には、ドライバがステアリングを操作したと判断する。また、ブレーキスイッチ14からブレーキ信号が出力された場合には、ドライバがブレーキ操作を行ったと判断し、ウィンカースイッチ15からウィンカー信号が出力された場合には、ドライバがウィンカー操作を行ったと判断する。
ドライバの操作判定に続いて、周辺車両の検出を行う(S3)。周辺車両の検出では、前方認識レーダ17から送信されるミリ波信号に基づいて、車両の周辺前方における前方車両を検出する。それから、操舵トルク検出手段12から送信される操舵トルク信号に基づいて、ドライバのステアリング操作によってステアリングに入力された操舵トルクを検出する(S4)。続いて、操舵トルク印加手段2に出力している印加信号に基づいて、操舵トルク印加手段2によってステアリングロッドに印加する制御トルクを検出する(S5)。その後、制御トルクおよび操舵トルクを用いて目標制御トルク判定処理を行う(S6)。目標制御トルク判定処理については、後に詳述する。
目標制御トルク判定処理を行ったら、操舵トルク印加手段2によって目標制御トルクを操舵系に印加する。それから、逸脱判定処理を行う(S7)。逸脱判定処理を行う際に、逸脱防止支援として、操舵補助トルクを印加する行う旨をドライバに知らせるためのブザー吹鳴処理を行う(S8)。車線逸脱判定処理において、自車が車線を逸脱すると判断し、操舵トルク印加手段2によって操舵補助トルクが印加されているときに、警報ブザー3から所定の音の警報が出力される。
また、ブザー吹鳴処理を行うとともに、警報表示処理がなされる(S9)。さらに、車線逸脱判定処理において、自車が車線を逸脱すると判断し、操舵トルク印加手段2によって目標制御トルクが印加されているときに、メーター4には、逸脱防止支援実行表示23および白線認識表示などがなされる。その後、所定のデータ出力処理を行う(S10)。こうして、運転支援が終了する。
それでは、目標制御トルク判定処理について説明する。図4は、目標制御トルク判定処理の手順を示すフローチャートである。
図4に示すように、目標制御トルク判定処理の際には、干渉判定低しきい値フラグがOFFのデフォルト設定されている(S11)。次に、車両の前方に、隣車線を走行する前方車両が検出された場合に、前方車両と白線との相対距離Xおよび車両が前方車両に到達するまでの到達時間Tを算出する。前方車両と白線との相対距離Xは、白線認識カメラ13から送信された車外情報に基づいて認識された白線の位置と、前方認識レーダ17によって認識された前方車両まで距離に基づいて算出される。また、車両が前方車両に到達するまでの到達時間Tは、車速検出手段11で検出された車速と、前方認識レーダ17によって認識された車両から前方車両までの距離および前方車両の速度に基づいて算出される。それから、前方車両と白線との相対距離Xが相対距離しきい値X_l以下であり、かつ、車両が前方車両に到達するまでの到達時間Tが到達時間しきい値T_l以下であるか否かを判断する(S13)。
その結果、前方車両と白線との相対距離Xが相対距離しきい値X_l以下であり、かつ、車両が前方車両に到達するまでの到達時間Tが到達時間しきい値T_l以下であるという条件が成立していると判断した場合には、干渉判定低しきい値フラグをONにする(S13)。一方、前方車両と白線との相対距離Xが相対距離しきい値X_l以下であり、かつ、車両が前方車両に到達するまでの到達時間Tが到達時間しきい値T_l以下であるという条件が成立していないと判断した場合には、そのままステップS14に進む。
それから、干渉判定低しきい値フラグがONとなっているか否かを判断する(S14)。その結果、干渉判定低しきい値フラグがONとなっていると判断した場合には、干渉判定に用いるしきい値として、干渉判定低しきい値をセットする(S15)。ここでは、干渉判定低しきい値のうち、操舵トルクしきい値としてDd_i、操舵トルク低しきい値Dd_il、制御トルクしきい値Dt_iとして制御トルク低しきい値Dt_il、成立判定時間しきい値To_iとして成立判定時間低しきい値To_ilをそれぞれセットする。
また、干渉解除判定に用いる解除用しきい値のうち、解除用操舵トルクしきい値Dd_oとして解除用操舵トルク低しきい値Dd_ol、解除用制御トルクしきい値Dt_oとして解除用制御トルク低しきい値Dt_ol、解除用成立判定時間しきい値To_oとして解除用成立判定時間低しきい値To_olをそれぞれセットする。それから、干渉判定低しきい値フラグONタイマをカウントアップする(S16)
一方、干渉判定低しきい値フラグがOFFとなっていると判断した場合には、干渉判定に用いるしきい値として、干渉判定低しきい値をセットする(S17)。ここでセットする干渉判定低しきい値として、具体的には、操舵トルクしきい値Dd_iとして操舵トルク低しきい値Dd_ilをセットする。また、制御トルク低しきい値Dt_iとして制御トルク低しきい値Dt_ilをセットする。さらに、成立判定時間しきい値To_iとして成立判定時間低しきい値To_ilをセットする。また、干渉解除判定に用いる解除用しきい値のうち、解除用操舵トルクしきい値Dd_oとして解除用操舵トルク標準しきい値Dd_os、解除用制御トルクしきい値Dt_oとして解除用制御トルク標準しきい値Dt_os、解除用成立判定時間しきい値To_oとして解除用成立判定時間標準しきい値To_osをそれぞれセットする。
続いて、干渉判定および制御トルク低減処理を行う(S18)。干渉判定では、ステップS4(図3)で検出した操舵トルクと、ステップS5で検出した制御トルクと、ステップS15、S16で設定した干渉判定しきい値とを比較して干渉判定を行う。干渉判定において、たとえば、干渉判定しきい値として、干渉判定低しきい値がセットされていた場合について説明する。この場合には、操舵トルクDdが操舵トルク低しきい値Dd_il以下であり、制御トルクDtが制御トルク低しきい値Dt_il以下である時間が、成立判定時間低しきい値To_ilを超えているという条件が成立しているか否かを判断する。この条件が成立している場合には、操舵トルクと制御トルクとが干渉していると判断する。また、この条件が成立していない場合には、操舵トルクと制御トルクとが干渉していないと判断する。
制御トルク低減処理は、操舵トルクと制御トルクとが干渉しているか否かの判断に応じた処理を行う。ここで、操舵トルクと制御トルクとが干渉していると判断した場合には、目標制御トルクを小さくして低目標制御トルクとする処理を行う。一方、操舵トルクと制御トルクとが干渉していないと判断した場合には、目標制御トルクを維持して標準目標制御トルクとする。
さらに、干渉判定の際に、目標制御トルクが低目標制御トルクとされている場合には、目標制御トルクを標準制御トルクに復帰させるか否かの干渉解除判定を行う。干渉解除判定では、解除用操舵トルクしきい値Dd_o、解除用制御トルクしきい値Dt_o、および解除用成立判定時間しきい値To_oが用いられる。干渉解除判定では、ステップS4(図3)で検出した操舵トルクと、ステップS5で検出した制御トルクと、ステップS15、S16で設定した解除用干渉判定しきい値とを比較して干渉解除判定を行う。
干渉解除判定において、たとえば、解除用干渉判定しきい値として、解除用干渉判定低しきい値がセットされていた場合について説明する。この場合、操舵トルクDdが解除用操舵トルク低しきい値Dd_olを超え、制御トルクDtが解除用制御トルク低しきい値Dt_olを超えている時間が、解除用成立判定時間低しきい値To_olを超えているという条件が成立するか否かを判断する。この条件が成立している場合には、操舵トルクと制御トルクとの干渉が終了していると判断し、干渉判定低しきい値フラグをOFFにする。また、この条件が成立していない場合には、操舵トルクと制御トルクとが干渉が終了していないと判断し、干渉判定低しきい値フラグをONのまま維持する。
こうして干渉判定および制御トルク低減処理が済んだら、干渉判定低しきい値フラグがOFFであり、かつ干渉判定低しきい値フラグONタイマの計測時間が干渉判定低しきい値フラグ継続時間しきい値α以下であるか否かを判断する(S19)。その結果、干渉判定低しきい値フラグがOFFであり、かつ干渉判定低しきい値フラグONタイマの計測時間が干渉判定低しきい値フラグ継続時間しきい値α以下である場合には、ステップS13に戻り、処理を繰り返す。一方、干渉判定低しきい値フラグがOFFであり、かつ干渉判定低しきい値フラグONタイマの計測時間が干渉判定低しきい値フラグ継続時間しきい値α以下であるという条件を満たしていない場合には、干渉判定低しきい値フラグONタイマをリセットし(S20)、処理を終了する。
このように、本実施形態に係る操舵支援装置においては、干渉判定を行う際の干渉判定しきい値を車両の周囲を走行する他車両との相対関係に応じて調整している。たとえば図5に示すように、第1走行車線L1を走行中の車両Mの周辺前方において、前方車両である大型車両M1が第2走行車線L2を走行しており、車両Mが大型車両M1を追い越そうとする場合がある。このとき、車両Mの運転者は、大型車両M1から遠い位置を走行しようとすることが多くなり、白線Wからは遠い位置を走行しようとする傾向が大きくなる。
このような状況で干渉判定を行う際、操舵トルクしきい値Dd_iとして操舵トルク標準しきい値Dd_isを用いて干渉判定を行うと、干渉判定が成立しにくくなり、運転者が大型車両M1から遠い位置を走行しようとしても、車線側に誘導する制御トルクが発生しやすくなってしまう。その結果、運転者の意図に反して制御トルクが生じてしまい、運転者に与える違和感を大きくしてしまったり、ハンチングを起こす原因となったりする
。また、制御トルクしきい値Dt_iとして制御トルク標準しきい値Dt_isを用いた場合や、成立判定時間しきい値T_oiとして成立判定時間標準しきい値To_isを用いた場合にも同様に干渉判定が成立しにくくなる。
この点、本実施形態に係る操舵支援装置では、図6に示すように、大型車両M1と白線Wとの相対距離Xおよび車両Mから大型車両M1までの到達時間Tがそれぞれ相対距離しきい値X_lおよび到達時間しきい値T_lよりも小さい場合に、操舵トルクしきい値Dd_i、制御トルクしきい値Dt_i、および成立判定時間しきい値To_iをそれぞれ操舵トルク低しきい値Dd_il、制御トルク低しきい値Dt_il、および成立判定時間低しきい値To_ilとしている。到達時間Tは、車両Mと大型車両M1との間の距離Yを車両Mの速度に対する大型車両の相対速度ΔVで除することで算出することができる。
たとえば、図7に示すように、操舵トルクDdおよび制御トルクDtが経時変化した場合を想定する。この場合、干渉判定しきい値が大きく、操舵トルク標準しきい値Dd_is、制御トルク標準しきい値Dt_is、および成立判定時間標準しきい値To_isが用いられていた場合、車両Mの運転者の意図どおりに操舵が行われていたとしても、干渉判定が成立しやすくなってしまう。その一方、本実施形態のように、干渉判定しきい値が小さく、操舵トルク低しきい値Dd_il、制御トルク低しきい値Dt_il、および成立判定時間低しきい値To_ilが用いられていた場合、干渉判定が成立しにくくなり、車両Mの運転者の意図に応じた操舵制御を行うことができることとなる。
また、本実施形態に係る操舵支援装置1では、干渉判定低しきい値フラグが一旦セットされた後は、干渉判定低しきい値フラグ継続時間しきい値αを経過するまで干渉判定低しきい値フラグを維持するようにしている。このため、干渉判定しきい値が頻繁に更新される事態を防止することができるので、車両Mの運転者に対して干渉判定しきい値の変動に基づく違和感を低減することができる。
さらに、本実施形態では、干渉判定しきい値をセットするにあたり、車両の周囲を走行する他車両を検出し、検出した他車両と車両との相対関係を用いてトルク抑制制御期待状況を判定している。このため、他車両と車両との相対関係に基づいて、トルク抑制制御期待状況の判定を行うことができるので、トルク抑制制御期待状況を適切に判定することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、トルク抑制制御期待状況を車両周辺の障害物、運転者の覚醒度、脇見状況等によって判定する。図8は、第2の実施形態に係る操舵支援装置のブロック構成図である。図8に示すように、本実施形態に係る操舵支援装置30は、カーナビゲーション装置31、周辺監視センサ32、覚醒度検知装置33、および脇見検知装置34を備えており、それぞれ逸脱防止支援ECU10に接続されている。その他の点は、上記第1の実施形態と同様の構成を備えている。
カーナビゲーション装置31は、全地球測位システム(Global Positioning System)等を利用して自車両の現在位置を検出するとともに、走行目的地までの各種案内を行う。このカーナビゲーション装置31は、車両の現在位置周辺の地図をディスプレイ上に表示するために地図情報データベースを保持している。また、カーナビゲーション装置31は、車両が走行した地点の走行位置を逸脱防止支援ECU10に送信する。また、カーナビゲーション装置31は、車両の走行位置における車線数、車線位置などの車線関係情報を逸脱防止支援ECU10に送信する。
周辺監視センサ32は、車両の側方に設けられたカメラを備えており、車両の周囲における障害物を検出する。周辺監視センサ32は、検出した周辺情報を含む画像を逸脱防止支援ECU10に送信する。
覚醒度検知装置33は、は、運転者の覚醒度が低下しているか否かを判断するセンサである。覚醒度検知装置33では、カメラで運転者の顔周辺を撮像し、その撮像画像から運転者の眼部分の画像を抽出し、その眼部分の画像から眼を閉じているか否か(つまり、覚醒度が低下している否か)を判定する。そして、覚醒度検知装置33では、閉眼状態に基づいて運転者の覚醒度を判定し、判定した覚醒度を逸脱防止支援ECU10に送信する。運転者の覚醒度が低いほど(眠気が強くなるほど)、運転者は眼を閉じており、居眠り状態となる。
脇見検知装置34は、車室内の計器パネル内やステアリングコラムカバー上に配置されて、運転者の顔画像を取得する顔画像取得カメラと、取得した顔画像から画像認識によって運転者の顔向きを判別し、その判別結果によって脇見か否かを判定する脇見判定ECUとを備えている。ここで、顔画像取得カメラは、車室内の明るさ等の環境条件に影響を受けることなく安定して顔向きが判定できるよう、近赤外線のストロボ光を運転者に照射してその反射光画像を取得するカメラを用いるとよい。また、脇見検知装置34は、脇見判定ECUにおける脇見判定の結果を逸脱防止支援ECU10に送信する。
次に、本実施形態に係る操舵支援装置30における動作、作用について説明する。本実施形態に係る操舵支援装置30は、上記第1の実施形態と同様、図3に示す処理を繰り返す。本実施形態では、上記第1の実施形態と比較して、目標制御トルク判定処理が異なっている。
目標制御トルク判定処理では、まず、逸脱防止支援ECU10において、カーナビゲーション装置31から送信される走行位置および車線関係情報に基づいて、車両が走行する走行路の車線数および車線位置を認識する。それから、白線認識カメラ13から出力される車外状況に基づいて、車線がない側に寄ったオフセット走行を車両が行っているか否かを判断する。そして、このようなオフセット走行を行っている場合には、トルク抑制制御期待状況でないと判定し、干渉判定しきい値をすべて0として、干渉判定を成立させないようにする。
このようなオフセット走行を行っている場合に干渉判定を成立させないようにすることにより、白線のすぐ外側近くにある壁などの障害物へのオフセット走行に対して干渉判定を成立させないようにすることができる。その結果、運転者が意図しないオフセット走行を防止することができるとともに、制御に対する安心感を運転者に与えることができる。
ここで、カーナビゲーション装置31から送信される車線関係情報に暫定共用区間情報が含まれている場合には、暫定共用線側へのオフセット走行に対して干渉判定を成立させないようにすることもできる。こうして、たとえば暫定共用線に設けられるポールへの接触を防止することができる。
また、車線がない側に寄ったオフセット走行を車両が行っていないと判断した場合には、周辺監視センサ32から送信される画像に基づいて、車両が走行する走行路における隣車線の有無および走行の外側における障害物の有無を判断する。ここで、走行路に隣車線がなく、走行路から一定距離以内に壁などの障害物があるという条件を満たす場合には、トルク抑制制御期待状況でないと判定し、干渉判定しきい値をすべて0として、干渉判定を成立させないようにする。
この条件を満たす場合に干渉判定を成立させないようにすることにより、障害物などがあり、車両が衝突する可能性がある方向へ車両が行き難くすることができるとともに、意図しない走行路からの逸脱を防止することができる。車両の走行路からの逸脱は、運転者の意図するものであるか否かの判断は明確でないものの、少なくとも障害物が存在する方向への逸脱は意図する逸脱ではないと考えられる。ここでは、このような逸脱を防止することができる。
また、車両の走行路に隣車線がなく、走行路から一定距離以内に障害物があるという条件を満たさない場合には、覚醒度検知装置33から送信される覚醒度に基づいて、運転者の覚醒度が低く、運転者が居眠り状態にあるか否かを判断する。ここで、運転者が居眠り状態にある場合には、トルク抑制制御期待状況でないと判定し、干渉判定しきい値をすべて0として、干渉判定を成立させないようにする。
運転者が居眠り状態にあるときに干渉判定を成立させないようにすることにより、運転者の居眠り時における運転者の意図しない方向、特に走行路を逸脱する逸脱方向への操舵に対する干渉判定が成立することを防止することができる。こうして、運転者の居眠り時における車両のふらつきを防止することができる。
さらに、運転者が居眠り状態でない場合には、脇見検知装置34から送信される脇見判定の結果に基づいて、運転者が脇見運転を行っているか否かを判断する。ここで、運転者が脇見運転を行っている場合には、トルク抑制制御期待状況でないと判定し、干渉判定しきい値をすべて0として、干渉判定を成立させないようにする。
運転者が脇見運転を行っているときに干渉判定を成立させないようにすることにより、運転者が脇見運転を行っている時における運転者の意図しない方向、特に走行路を逸脱する逸脱方向への操舵に対する干渉判定が成立することを防止することができる。こうして、運転者が脇見運転を行っている時における車両のふらつきを防止することができる。
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。上記第1の実施形態では、目標制御トルクとして低目標制御トルクとした場合、この低目標制御トルクを一定の値としていた。これに対して、本実施形態に係る操舵支援装置では、低目標制御トルクを時間変化に応じて可変とする点において、上記第1の実施形態と異なっている。以下、この相違点を中心として本実施形態に係る操舵支援装置について説明する。
本実施形態に係る操舵支援装置においては、目標制御トルクを低目標制御トルクとした場合、低目標制御トルクによる制御を開始してから時間が経過するにしたがって、目標制御トルクを小さくしていく。
具体的には、低目標制御トルクによる制御を開始してから経過した時間に比例して、目標制御トルクを小さくする量を大きくする。あるいは、低目標制御トルクによる制御を開始してから操舵トルクの積分を開始し、操舵トルクの積分量に比例して目標制御トルクを小さくする量を大きくする。
運転者によっては、カーブを走行する際に意図的にカーブの内側を走行したり、直線走行する際に定常的に左によって走行したりする場合がある。このような場合に、低目標制御トルクによる制御を開始してから経過した時間が経過するほど、目標制御トルクを小さくすることにより、運転者の癖に応じた制御を行うことができる。その結果、運転者に与える違和感を好適に軽減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施第1の実施形態においては、干渉判定低しきい値フラグをONとした場合、解除用しきい値を用いた判断によって干渉判定低しきい値フラグをOFFにするようにしていた。これに対して、周辺の車両の状況に応じて干渉判定低しきい値フラグをOFFにする態様とすることもできる。たとえば、車両に側方認識センサや後方認識センサを設け、前方車両を車両追い越したことを検出した後、一定時間経過したら干渉判定低しきい値フラグをOFFにすることもできる。この場合には、前方車両が大型車や全長が長いトレーラ、あるいは全長が短い小型車のいずれである場合にも、適切なタイミングで干渉判定低しきい値フラグをOFFにし、目標制御トルクを標準目標制御トルクに戻すことができる。
また、上記第1の実施形態では、第1走行車線L1を走行する車両Mについて、第2走行車線L2を走行する前方車両(大型車両)M1が検出された場合に、干渉判定低しきい値フラグをONにする態様としている。この場合、第1走行車線L1から見て第2走行車線L2の反対側の白線に対しては、前方車両が存在しない場合、干渉判定が成立しやすくなる。これに対して、第1走行車線L1から見て第2走行車線L2の反対側の白線に対しても、干渉判定が成立しやすくはならない態様とすることもできる。
さらに、上記第1の実施形態では、干渉判定低しきい値フラグがONとなった際には、所定の条件を満たすことで干渉判定しきい値を干渉判定低しきい値に変更しているが、干渉判定低しきい値に変更して干渉判定を成立しやすくする代わりに、しきい値での判定を行うことなく、常に干渉判定を成立させる態様とすることもできる。また、上記第2の実施形態では、トルク抑制制御期待状況でないと判定した場合には、干渉判定しきい値をすべて0として、干渉判定を成立させないようにしている。これに代えて、トルク抑制制御期待状況でないと判定した場合に、干渉判定が成立しにくくする態様とすることもできる。また、干渉判定しきい値を小さくする際、操舵トルクしきい値、制御トルクしきい値、および成立判定時間しきい値をすべて小さくする代わりに、そのうちの一部を小さくする態様とすることもできる。
他方、上記第3の実施形態では、低目標制御トルクによる制御を開始してから経過した時間や低目標制御トルクによる制御を開始した後の操舵トルクの積分量に比例して目標操舵トルクを小さくしているが、比例関係にかかわらず、適宜の態様で目標制御トルクを小さくすることができる。また、上記各実施形態では、操舵トルクおよび制御トルクの双方にしきい値を設定しているが、操舵トルクと制御トルクの差にしきい値を設ける態様とすることもできる。
第1の実施形態に係る操舵支援装置のブロック構成図である。 メーターの正面図である。 本発明に係る操舵支援装置の制御手順を示すフローチャートである。 目標制御トルク判定処理の手順を示すフローチャートである。 車両が大型車両を追い越す状態を示す平面図である。 車両と大型車両との相対関係を説明する平面図である。 操舵トルクおよび制御トルクの経時変化の例を示すグラフである。 第2の実施形態に係る操舵支援装置のブロック構成図である。
符号の説明
1,30…操舵支援装置、2…操舵トルク印加手段、3…警報ブザー、4…メーター、10…逸脱防止支援ECU、11…車速検出手段、12…操舵トルク検出手段、13…白線認識カメラ、14…ブレーキスイッチ、15…ウィンカースイッチ、16…メインスイッチ、17…前方認識レーダ、31…カーナビゲーション装置、32…周辺監視センサ、33…覚醒度検知装置、34…脇見検出装置。

Claims (14)

  1. 車両の前方の走行路を撮像した画像に基づき前記車両が走行路に沿って走行するように操舵機構に補助操舵トルクを付与するトルク付与手段と、
    前記トルク付与手段による操舵量と前記車両のハンドル操作による操舵量との差が所定のしきい値を超える場合に、前記操舵機構に付与する補助操舵トルクを抑制する操舵トルク抑制手段と、を備える操舵支援装置であって、
    前記車両の運転者が前記トルク抑制手段による前記補助操舵トルクの抑制を期待する状況であるトルク抑制制御期待状況を判定するトルク抑制制御期待状況判定手段と、
    前記トルク抑制制御期待状況判定手段による判定結果に基づいて、前記所定のしきい値を調整することを特徴とする操舵支援装置。
  2. 前記トルク抑制制御期待状況判定手段がトルク抑制制御期待状況であると判定した場合に、前記所定のしきい値を小さくする請求項1に記載の操舵支援装置。
  3. 前記トルク抑制制御期待状況判定手段は、前記車両の周囲を走行する他車両を検出する他車両検出手段と、
    前記他車両と前記車両との相対関係を検出する相対関係検出手段と、を備えており、
    前記他車両と前記車両との相対関係に基づいて、トルク抑制制御期待状況の判定を行う請求項2に記載の操舵支援装置。
  4. 前記他車両と前記車両との相対関係が、前記車両が走行する走行路に対する前記他車両からの距離であり、
    前記距離が近いときに、トルク抑制制御期待状況であると判定する請求項3に記載の操舵支援装置。
  5. 前記他車両と前記車両との相対関係が、前記車両における前記他車両までの到達時間であり、
    前記到達時間が短いときに、トルク抑制制御期待状況であると判定する請求項3または請求項4に記載の操舵支援装置。
  6. 前記操舵量が操舵力および操舵時間であり、
    前記所定のしきい値として操舵力に対する操舵力しきい値および操舵時間に対する操舵時間しきい値が設定されている請求項2に記載の操舵支援装置。
  7. 前記操舵力しきい値を小さくすることによって前記所定のしきい値を小さくする請求項6に記載の操舵支援装置。
  8. 前記操舵時間しきい値を短くすることによって前記所定のしきい値を小さくする請求項6に記載の操舵支援装置。
  9. 前記トルク抑制制御期待状況判定手段がトルク抑制制御期待状況でないと判定した場合に、前記所定のしきい値を大きくする請求項1に記載の操舵支援装置。
  10. 前記トルク抑制制御期待状況判定手段は、前記車両の運転者が脇見状態にある場合に、トルク抑制制御期待状況でないと判定する請求項9に記載の操舵支援装置。
  11. 前記トルク抑制制御期待状況判定手段は、前記車両の運転者が居眠り状態にある場合に、トルク抑制制御期待状況でないと判定する請求項9に記載の操舵支援装置。
  12. 前記トルク抑制制御期待状況判定手段によってトルク抑制制御期待状況であると判定されている時間である判定継続時間を計測する判定継続時間計測手段を備えており、
    前記判定継続時間計測手段の計測結果に基づいて、前記操舵トルク抑制手段による補助操舵トルクの抑制量を調整する請求項1〜請求項11のうちのいずれか1項に記載の操舵支援装置。
  13. 前記判定継続時間の長さに応じて、前記操舵トルク抑制手段によって前記操舵機構に付与する補助操舵トルクの抑制量を大きくしていく請求項12に記載の操舵支援装置。
  14. 前記判定継続時間中における前記ハンドル操作による操舵トルクの積分値に応じて、前記操舵トルク抑制手段によって前記操舵機構に付与する補助操舵トルクの抑制量を大きくしていく請求項12に記載の操舵支援装置。
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