JPH0952578A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JPH0952578A
JPH0952578A JP22746295A JP22746295A JPH0952578A JP H0952578 A JPH0952578 A JP H0952578A JP 22746295 A JP22746295 A JP 22746295A JP 22746295 A JP22746295 A JP 22746295A JP H0952578 A JPH0952578 A JP H0952578A
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Katsutoshi Nishizaki
勝利 西崎
Yoshihiro Goto
嘉宏 後藤
Minoru Chitoku
稔 千徳
Tomoyasu Kada
友保 嘉田
Yoshinobu Hiyamizu
由信 冷水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 障害物との衝突可能性発生時であっても操舵
の遊び感を確保して操舵フィーリングの低下を防止し、
適正な操舵抑制により障害物との衝突を防止することが
できるパワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 時系列に検知された操舵トルクに応じた
制御値によって操舵補助力発生用のアクチュエータを制
御する。操舵方向において検知される障害物と車両との
衝突可能性の発生時に、検知された操舵トルクと定常状
態における操舵トルクとの差の時間積分値に応じて操舵
抑制をするように、その制御値を変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行中の車両が障
害物に衝突するのを防止できるパワーステアリング装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】レーンチェンジ等の際に車両が側方や後
側方の障害物と衝突するのを防止することを目的とし
て、車両と障害物との衝突可能性に基づき操舵抑制を行
なうパワーステアリング装置が提案されている。
【0003】そのような操舵抑制は、トルクセンサによ
って操舵トルクを検知し、その検知した操舵トルクに応
じた制御値によって操舵補助力発生用アクチュエータを
制御するパワーステアリング装置において、操舵方向に
おいて検知される障害物との衝突可能性の有無を判断す
る手段を設け、その衝突可能性発生時に上記制御値を変
化させることで行なえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような衝
突可能性発生時において、実際には衝突可能性のある方
向へのレーンチェンジ等を行なわず、現在の車線を維持
する場合であっても、その操舵抑制が行なわれると、そ
の衝突可能性のある方向への操舵の遊び感がなくなり、
操舵フィーリングが低下するという問題がある。
【0005】そこで、操舵トルクの変動幅が設定値未満
では操舵抑制を行なわないようにすることが考えられ
る。しかし、操舵トルクの変動幅が設定値以上になるま
で操舵抑制が行なわれないため、制御遅れにより危険回
避効果が低下するという問題がある。また、その制御遅
れにより衝突可能性のある方向への操舵が維持されてし
まうおそれもある。さらに、その操舵トルクの変動幅の
設定値は、車速に応じて変化させる必要があるが、任意
の走行状況に応じて実験的に求めるのは困難である。
【0006】また、操舵トルクが小さい場合は操舵抑制
の程度を小さくすることで、操舵の遊び感を確保するこ
とが考えられる。しかし、この場合は、小さな操舵トル
クでゆっくり衝突可能性のある方向に操舵する場合に対
処できないという問題がある。
【0007】本発明は、上記課題を解決することのでき
るパワーステアリング装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本件発明は、時系列に操
舵トルクを検知する手段と、検知された操舵トルクに応
じた制御値によって操舵補助力発生用のアクチュエータ
を制御する手段と、操舵方向において検知される障害物
と車両との衝突可能性の有無を判断する手段とを備える
パワーステアリング装置に適用される。
【0009】本件発明は、そのパワーステアリング装置
において、衝突可能性発生時に、検知された操舵トルク
と定常状態における操舵トルクとの差の時間積分値に応
じて操舵抑制をするように、その制御値を変化させる手
段を備えることを特徴とする。
【0010】これにより、その検知された操舵トルクと
定常状態における操舵トルクとの差の時間積分値は、衝
突可能性発生当初においては小さく、時間の経過に従い
増加率が増加する。よって、衝突可能性のある方向への
操舵を遊びにより行なう程度の時間であれば、その時間
積分値に応じた操舵抑制を小さくし、その遊び感を確保
して操舵フィーリングの低下を防止し、且つ、衝突可能
性のある方向への操舵時間が長くなると操舵抑制を大き
くし、障害物との衝突を防止することができる。
【0011】その操舵抑制時における変化後の制御値
は、定常状態における制御値から、その時間積分値に比
例する抑制値を減じた値とされ、その時間積分値と抑制
値との間の比例係数は車速の関数とされているのが好ま
しい。これにより、その比例係数を高速では低速よりも
大きくし、高速での操舵抑制の遅れを防止できる。
【0012】また、本件発明は、そのパワーステアリン
グ装置において、衝突可能性発生後に、検知された操舵
トルクと定常状態における操舵トルクとの差に対応する
値の時間積分値に対応する値が、予め設定された設定値
を超える時点で、その設定値に応じて操舵抑制をするよ
うに、その制御値を変化させる手段を備えることを特徴
とする。
【0013】これにより、その時間積分値に対応する値
が設定値になるまでは、障害物との衝突可能性があって
も操舵抑制がなされることはない。よって、衝突可能性
のある方向への操舵を遊びにより行なう程度の時間であ
れば、その時間積分値に対応する値を、その設定値より
も小さくし、その遊び感を確保して操舵フィーリングの
低下を防止し、且つ、衝突可能性のある方向への操舵時
間が長くなると、その時間積分値に対応する値がその設
定値を超え操舵抑制を行ない、障害物との衝突を防止す
ることができる。
【0014】また、定常状態における制御値と操舵抑制
時における変化後の制御値との差の時間積分値に対応す
る値が、その設定値を超える時点で、その操舵抑制を解
除するのが好ましい。これにより、衝突可能性発生時点
から操舵抑制開始時点までに加えられた操舵トルクに対
応する値の時間積分値と、操舵抑制トルクの時間積分値
とを等しくできることから、車両の舵角を衝突可能性発
生時点の値に略戻すことができ、過不足のない適正な操
舵抑制を行なえる。
【0015】また、車速の検知手段を備え、その設定値
は車速の関数とされているのが好ましい。これにより、
その設定値を高速では低速よりも小さくし、高速での操
舵抑制の遅れを防止できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の第
1実施形態を説明する。
【0017】図1に示すラックピニオン式電動パワース
テアリング装置1は、車両10のステアリングホイール
Hに連結される入力軸2と、この入力軸2にトルクセン
サ3を介して連結される出力軸4とを備えている。その
出力軸4はユニバーサルジョイント5を介してピニオン
6に接続され、そのピニオン6に噛み合うラック7に操
舵用車輪8が連結される。これにより、操舵トルクがス
テアリングホイールH、入力軸2、トルクセンサ3、出
力軸4、およびピニオン6を介してラック7に伝達さ
れ、そのラック7の移動によって車両10の操舵がなさ
れる。
【0018】図2に示すように、その入力軸2と出力軸
4とに、トーションバー11が挿入されると共にピン1
8、19により連結されている。なお、その入力軸2
は、ステアリングホイールH側の第1軸2aとトルクセ
ンサ3側の第2軸2bとをピン18により連結すること
で構成されている。これにより、その入力軸2と出力軸
4とは操舵トルクに応じ相対回転する。その入力軸2の
一端は出力軸4の一端に形成された凹部4a内に挿入さ
れ、図3に示すように、その入力軸2の外周面の一部と
凹部4aの内周面の一部とは互いに対向する非円形部
2′、4′とされている。その入力軸2側の非円形部
2′と出力軸4側の非円形部4′とが当接することで、
入力軸2と出力軸4とは相対回転可能量が一定範囲に規
制され、トーションバー11の破損が防止される。その
出力軸4の外周にウォームホイール12が嵌合され、こ
のウォームホイール12に噛み合うウォームギヤ15
が、図1に示すように、操舵補助力発生用モータ(アク
チュエータ)13に接続されている。
【0019】図2に示すように、そのトルクセンサ3
は、その入力軸2と出力軸4とに相対回転可能に嵌め合
わされるハウジング16を備えている。その入力軸2の
外周に磁性材製の第1検知リング21が、また、その出
力軸4の外周に磁性体製の第2検出リング23が、それ
ぞれ同行回転するよう嵌合されている。その第1検出リ
ング21の一端面と第2検出リング23の他端面とは互
いに対向するように配置され、各検出リング21、23
の対向端面に、それぞれ歯21a、23aが周方向に沿
って複数設けられている。その第1検出リング21の他
端側は一端側よりも外径の小さな小径部21bとされて
いる。そのハウジング16に、各検出リング21、23
の対向間を覆う第1検出コイル33と、第1検出リング
21の小径部21bを覆う第2検出コイル34とが保持
され、各検出コイル33、34は図4に示す信号処理回
路を構成する。すなわち、第1検出コイル33は抵抗4
5を介して発振器46に接続され、第2検出コイル34
は抵抗47を介して発振器46に接続され、各検出コイ
ル33、34は差動増幅回路48に接続される。
【0020】その入力軸2から出力軸4への操舵トルク
の伝達によりトーションバー11が弾性的に捩れ、第1
検出リング21と第2検出リング23とが相対的に回転
すると、各検出リング21、23の歯21a、23aの
対向面積が変化する。その面積変化により、その歯21
a、23aの対向間の磁気抵抗が変化することから、そ
の変化に応じて第1検出コイル33の出力が変化し、そ
の出力に対応して操舵トルクが検出される。これにより
トルクセンサ3は、前記入力軸2側の非円形部2′と出
力軸4側の非円形部4′とが当接する検出限界まで、操
舵トルクを検出することができる。また、操舵トルクの
作用していない状態で第1検出コイル33側の磁気抵抗
と第2検出コイル34側の磁気抵抗とが等しくなるよう
に、前記小径部21bの外径を設定することで、温度変
動による第1検出コイル33の出力変動は、温度変動に
よる第2検出コイル34の出力変動に等しくされ、差動
増幅回路48により打ち消され、伝達トルクの検出値の
温度変動が補償される。なお、トルクセンサ3は、操舵
がなされていない中点において出力が零となり、右操舵
時の上記検出限界における出力の絶対値と、左操舵時の
上記検出限界における出力の絶対値とが等しくなるよう
に、その組み立て工程において、入力軸2と出力軸4と
は相対位置が定められた後に、トーションバー11によ
りピン18、19を介して連結される。
【0021】図1に示すように、そのトルクセンサ3
は、コンピューターにより主構成されるコントローラー
50に接続される。そのコントローラー50に、前記モ
ータ13、車速検知センサ51、および車両10に取り
付けられた複数の障害物検知センサ53、54、55、
56が接続される。それら障害物検知センサ53、5
4、55、56は、例えば、車両10の左右側方と左右
後側方における他車両やガードレール等の障害物を検知
するもので、車両からレーザや超音波等のレーダ波を発
射する発信器と、そのレーダ波の受信器と、その受信し
たレーダ波の増幅器とを有し、そのレーダ波の発信から
受信までの時間差に基づき、コントローラー50により
障害物までの距離を演算するものにより構成できる。
【0022】そのコントローラー50は、そのトルクセ
ンサ3の出力に基づき、本実施形態では車速をも考慮
し、操舵補助力発生用モータ13の駆動電流に対応する
制御値Iを演算し、その演算した制御値Iによりモータ
13を制御する。すなわち、図5は、操舵補助を行なう
場合の操舵トルクと制御値Iとの関係を示し、操舵トル
クが大きくなると制御値Iが増加し、その増加率は低速
では大きく高速では小さくなる。これにより、低速での
旋回性と高速での走行安定性の向上が図られている。そ
のコントローラー50は、操舵補助を行なう場合、その
図5に示す関係を満たすように制御値Iを演算し、ま
た、衝突可能性発生時には、その制御値Iを変化させる
ことで操舵抑制を行なう。なお、その図5に示す操舵ト
ルクと制御値Iとの関係は一例であり、これに限定され
るものではなく、例えば、車速だけでなく舵角も検知
し、その制御値Iを舵角が大きい低速状態では操舵補助
力を大きくして車両の旋回性を向上し、舵角が小さい高
速状態では操舵補助力を小さくして走行安定性を向上し
てもよい。
【0023】上記コントローラー50の制御プログラム
に基づく制御手順を、図6に示すフローチャートを参照
して説明する。
【0024】まず、トルクセンサ3、車速検知センサ5
1および障害物検知センサ53、54、55、56から
の信号を読み込み、操舵トルクおよび車速を求め、障害
物までの距離を演算する(ステップ1)。
【0025】次に、トルクセンサ3からの信号により操
舵方向を判断し、その操舵方向におけるセンサ53、5
4、55、56からの障害物検知信号により、車両10
と障害物との衝突可能性を判断する(ステップ2)。例
えば、その操舵方向において予め定めた一定距離内に障
害物が検知された場合は衝突可能性が有ると判断する。
【0026】その衝突可能性が無い場合、上記のように
操舵補助用モータ13の制御値Iを演算し(ステップ
3)、その制御値Iによりモータ13を制御して操舵補
助を行ない(ステップ4)、ステップ1に戻る。
【0027】ステップ2において衝突可能性が有ると判
断された場合、現時点での検知された操舵トルクTと定
常状態における操舵トルクToとのトルク差(T−T
o)を演算する(ステップ5)。その定常状態における
操舵トルクToは、操舵抑制を行なう直前において操舵
トルクが時間的に変化しない定常状態、すなわち直進走
行時や一定曲率のコーナリング時における操舵トルクで
あって、直進走行時にあっては零であり、一定曲率のコ
ーナリング時にあっては車速や舵角に略対応する一定値
になる。例えば、コントローラー50により検知した操
舵トルクTを一定時間間隔(例えば10ミリ秒間隔)で
記憶し、その記憶値を比較することで定常操舵状態か否
かを判断し、操舵抑制を行なう直前の定常操舵状態にお
ける最新の記憶値を、その定常状態における操舵トルク
Toとしたり、操舵抑制を行なう直前の定常操舵状態に
おける複数の記憶値の平均値を、その定常状態における
操舵トルクToとすることができる。
【0028】次に、その定常状態における操舵トルクT
oを記憶する(ステップ6)。
【0029】次に、前記トルク差(T−To)の、衝突
可能性発生時からの時間積分値∫(T-To)dtを、ステップ
5と後述のステップ12により求めるトルク差(T−T
o)の積算により求める(ステップ7)。
【0030】次に、図7に示すように、その時間積分値
∫(T-To)dtに比例する抑制値ΔIを、比例係数M(v)とス
テップ7において求めた積算値との積M(v)・∫(T-To)dt
により求める(ステップ8)。その比例係数M(v)は車速
の関数とされ、高速になる程に大きくされる。その具体
値は、操舵抑制時に操舵の遊び感を確保でき、且つ、高
速での操舵抑制の遅れが生じないように実験的に求めれ
ばよい。
【0031】次に、モータ13の制御値Iを、操舵抑制
を行なうために変化させる(ステップ9)。その操舵抑
制のための変化後における制御値Iは、ステップ8にお
いて演算した抑制値ΔIを、定常状態における制御値I
oから減じることで求める。その定常状態における制御
値Ioは、前記図5に示す操舵トルクと制御値Iとの関
係において、定常状態における操舵トルクToに対応す
る値として求められる。
【0032】次に、トルクセンサ3からの信号を読み込
んで現時点での操舵トルクTを求め(ステップ10)、
操舵トルクの現時点での値Tとステップ6で記憶した定
常状態における操舵トルクToとを比較する(ステップ
11)。
【0033】現時点での操舵トルクの値Tが定常状態に
おける操舵トルクTo以下であれば、すなわちドライバ
ーが操舵抑制に逆らって操舵トルクを作用させていなけ
れば、ステップ1に戻る。現時点での操舵トルクの値T
が定常状態における操舵トルクToを超えていれば、す
なわちドライバーが操舵抑制に逆らって操舵トルクを作
用させていれば、その現時点での検知された操舵トルク
Tと定常状態における操舵トルクToとのトルク差(T
−To)を演算し(ステップ12)、ステップ7に戻る
ことで操舵抑制を継続する。
【0034】上記第1実施形態によれば、検知された操
舵トルクTと定常状態における操舵トルクToとの差の
時間積分値∫(T-To)dtは、衝突可能性発生当初において
は小さく、時間の経過に従い増加率が増加する。よっ
て、衝突可能性のある方向への操舵を遊びにより行なう
程度の時間であれば、その時間積分値∫(T-To)dtに応じ
た抑制値ΔIを小さくし、その遊び感を確保して操舵フ
ィーリングの低下を防止し、且つ、衝突可能性のある方
向への操舵時間が長くなると操舵抑制を大きくし、障害
物との衝突を防止することができる。また、その時間積
分値∫(T-To)dtと抑制値ΔIとの間の比例係数M(v)は車
速の関数であって、高速では低速よりも大きくされてい
るので、高速での操舵抑制の遅れを防止でき、適正な操
舵抑制を行なえる。
【0035】図8、図9は本発明の第2実施形態に関す
る。本第2実施形態は、コントローラー50の制御プロ
グラムに基づく制御手順を除けば第1実施形態と同様で
あり、以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0036】その制御手順は、図8のフローチャートに
示すように、ステップ1〜ステップ4までは第1実施形
態と同様である。
【0037】ステップ2において衝突可能性が有ると判
断された場合、現時点での検知された操舵トルクTと定
常状態における操舵トルクToとのトルク差(T−T
o)を演算する。また、現時点での検知された操舵トル
クTに対応する制御値Iと、定常状態における操舵トル
クToに対応する定常状態における制御値Ioとの電流
差(I−Io)を演算する(ステップ5)。
【0038】次に、その定常状態における操舵トルクT
oと、定常状態における制御値Ioとを記憶する(ステ
ップ6)。
【0039】次に、前記トルク差(T−To)の、衝突
可能性発生時からの時間積分値∫(T-To)dtを、ステップ
5と後述のステップ14により求めるトルク差(T−T
o)の積算により求める。さらに、前記電流差(I−I
o)の、衝突可能性発生時からの時間積分値∫(I-Io)dt
を、ステップ5と後述のステップ14により求める電流
差(I−Io)の積算により求める(ステップ7)。
【0040】次に、ステップ7において求めた電流差
(I−Io)の時間積分値に電流とトルクの換算係数K
を乗じた値と、ステップ7において求めたトルク差(T
−To)の時間積分値との和F(T)=∫(T-To)dt+K
・∫(I-Io)dtを演算する(ステップ8)。その和F
(T)は、検知された操舵トルクと定常状態における操
舵トルクとの差に対応する値の時間積分値に対応する。
【0041】次に、ステップ8において求めた和F
(T)が、予め設定された設定値C(v)を超えたか否
かを判断する(ステップ9)。その設定値C(v)は車
速の関数とされ、高速になる程に小さくされ、その具体
値は、操舵抑制時に操舵の遊び感を確保でき、且つ、高
速での操舵抑制の遅れが生じないように実験的に求めれ
ばよい。
【0042】その和F(T)が、その設定値C(v)を
超えていなければ、ステップ1と同様に操舵トルク、車
速、障害物を検知し、(ステップ10)、ステップ2と
同様に障害物との衝突の可能性を判断する(ステップ1
1)。衝突可能性がなければステップ3に戻る。衝突可
能性があればステップ3と同様に制御値Iを演算し(ス
テップ12)、その制御値Iに基づき操舵補助を行ない
(ステップ13)、現時点でのトルク差(T−To)と
電流差(I−Io)とを演算し(ステップ14)、ステ
ップ7に戻る。
【0043】ステップ9において、その和F(T)が設
定値C(v)を超えた場合、操舵抑制のための変化後に
おける当初の制御値Icを求め(ステップ15)、しか
る後に、モータ13の制御値Iを変化させて操舵抑制を
行なう(ステップ16)。その操舵抑制は、定常状態に
おける制御値Ioと操舵抑制時における変化後の制御値
との差の時間積分値に対応する値が、上記設定値C
(v)を超える時点で解除される。図9は、その操舵ト
ルクT、制御値I、定常状態における操舵トルクToと
制御値Ioとの関係を示す。すなわち、予め設定した操
舵抑制時間をtoとして、F(T)=C(v)=K・t
o・(Ic−Io)/2を満足するように、操舵抑制時
における変化当初の制御値Icを決定し、その操舵抑制
時間toの経過時点で定常状態での値Ioになるように
制御値Iを変化させる。その操舵抑制の解除によりステ
ップ1に戻る。なお、その操舵抑制に際してはリミッタ
を利用して制御値Iを変化させ、その操舵抑制時間to
に対応するリミッタ時間を、車速が大きくなるに従って
小さくなるように設定できる。
【0044】上記第2実施形態によれば、検知された操
舵トルクTと定常状態における操舵トルクToとの差に
対応する値の時間積分値に対応する値F(T)が、設定
値C(v)になるまでは、障害物との衝突可能性があっ
ても操舵抑制がなされることはない。よって、衝突可能
性のある方向への操舵を遊びにより行なう程度の時間で
あれば、その時間積分値に対応する値F(T)を設定値
C(v)よりも小さくし、その遊び感を確保して操舵フ
ィーリングの低下を防止し、且つ、衝突可能性のある方
向への操舵時間が長くなるとその時間積分値に対応する
値F(T)が設定値C(v)を超え操舵抑制を行ない、
障害物との衝突を防止することができる。定常状態にお
ける制御値と操舵抑制時における変化後の制御値との差
の時間積分値に対応する値が、その設定値C(v)を超
える時点で操舵抑制を解除することにより、衝突可能性
発生時点から操舵抑制開始時点までに加えられた操舵ト
ルクに対応する値の時間積分値と、操舵抑制トルクの時
間積分値とを等しくできることから、車両の舵角を衝突
可能性発生時点の値に略戻すことができ、過不足のない
適正な操舵抑制を行なえる。さらに、その設定値C
(v)を高速では低速よりも小さくすることで、高速で
の操舵抑制の遅れを防止できる。
【0045】なお、本発明は上記実施形態に限定されな
い。例えば、障害物の検知手段は特に限定されず、例え
ば、CCDカメラによる車両周囲の映像に基づき車両に
接近する障害物の有無を判断するようにしてもよい。ま
た、操舵方向の検知手段も特に限定されず、例えば、ウ
ィンカの操作信号により検知してもよい。また、検知さ
れた操舵トルクと定常状態における操舵トルクとの差に
対応する値の時間積分値に対応する値として、上記第2
実施形態では、電流差(I−Io)の時間積分値に電流
とトルクの換算係数をKを乗じた値と、トルク差(T−
To)の時間積分値との和F(T)を用いたが、これに
限定されず、例えば、電流差(I−Io)の時間積分値
に電流とトルクの換算係数をKを乗じた値のみを用いて
もよいし、トルク差(T−To)の時間積分値のみを用
いてもよい。
【0046】
【発明の効果】本発明のパワーステアリング装置によれ
ば、障害物との衝突可能性発生時であっても操舵の遊び
感を確保して操舵フィーリングの低下を防止し、且つ、
適正な操舵抑制により障害物との衝突を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のパワーステアリング装置の
構成説明図
【図2】本発明の実施形態のトルクセンサの断面図
【図3】図2のIII‐III線断面図
【図4】本発明の実施形態のトルクセンサの回路図
【図5】本発明の実施形態の制御値と操舵トルクとの関
係を示す図
【図6】本発明の第1実施形態のパワーステアリング装
置の制御手順を示すフローチャート
【図7】本発明の第1実施形態のトルク差の時間積分値
と抑制値との関係を示す図
【図8】本発明の第2実施形態のパワーステアリング装
置の制御手順を示すフローチャート
【図9】本発明の第2実施形態の操舵トルクT、制御値
I、定常状態における操舵トルクToと制御値Ioとの
関係を示す図
【符号の説明】
1 パワーステアリング装置 3 トルクセンサ 10 車両 13 モータ 50 コントローラー 53、54、55、56 障害物検知センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嘉田 友保 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 冷水 由信 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列に操舵トルクを検知する手段と、 検知された操舵トルクに応じた制御値によって操舵補助
    力発生用のアクチュエータを制御する手段と、 操舵方向において検知される障害物と車両との衝突可能
    性の有無を判断する手段と、 衝突可能性発生時に、検知された操舵トルクと定常状態
    における操舵トルクとの差の時間積分値に応じて操舵抑
    制をするように、その制御値を変化させる手段と、を備
    えるパワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 その操舵抑制時における変化後の制御値
    は、定常状態における制御値から、その時間積分値に比
    例する抑制値を減じた値とされ、その時間積分値と抑制
    値との間の比例係数は車速の関数とされている請求項1
    に記載のパワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 時系列に操舵トルクを検知する手段と、 検知された操舵トルクに応じた制御値によって操舵補助
    力発生用のアクチュエータを制御する手段と、 操舵方向において検知される障害物と車両との衝突可能
    性の有無を判断する手段と、 衝突可能性発生後に、検知された操舵トルクと定常状態
    における操舵トルクとの差に対応する値の時間積分値に
    対応する値が、予め設定された設定値を超える時点で、
    その設定値に応じて操舵抑制をするように、その制御値
    を変化させる手段と、を備えるパワーステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】 定常状態における制御値と操舵抑制時に
    おける変化後の制御値との差の時間積分値に対応する値
    が、その設定値を超える時点で、その操舵抑制を解除す
    る請求項3に記載のパワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 車速の検知手段を備え、その設定値は車
    速の関数とされている請求項3または請求項4に記載の
    パワーステアリング装置。
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