JP2010136551A - ボイスコイルモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状の外ヨーク20と、平角線を巻回して円環状に形成し該円環の外周部位を前記外ヨーク20の内壁に密着させた電磁コイル23a,23bと、前記外ヨーク21の円筒内でストロークするように備えられて前記電磁コイル23a,23bの内周部位と対向する部位にマグネット22a,22bを配設した可動ヨーク21とを有し、前記電磁コイル23a,23bは、前記内周部位が滑らかとなるように前記平角線を巻回して該電磁コイル23a,23bと前記可動ヨーク21のマグネット22a,22bとのエアクリアランス30が極めて小さくなるように形成される。
【選択図】図2
Description
上記のように動作するボイスコイルモータは、例えば特許文献1に記載されているように、可動ヨークにマグネットを配設し、外ヨークの内壁に電磁コイルを配設している。
上記のような構成において、大きな駆動力を得るためには、電磁コイルの巻回数を多くするとともに、電磁コイルとマグネットとの距離を近付ける、即ち上記のエアギャップを小さくする必要がある。
そのため、当該電磁コイルの内周部位と可動ヨークに固定されているマグネットとの間のエアギャップを小さくすることが難しく、また、電磁コイルと外ヨークとを密着させることが困難であるという問題点があった。
<実施形態>
本発明のボイスコイルモータは、例えば極低温冷凍機のコンプレッサの駆動源として使用される。
図1は、本発明の実施形態によるボイスコイルモータを使用する極低温冷凍機の概略構成を示す説明図である。図示した極低温冷凍機1は、ボイスコイルモータ10、コンプレッサ11、蓄冷器12、オリフィス13、および、タンク14によって構成されている。
蓄冷器12は、コンプレッサ11によって圧縮されたヘリウムガスを用いて放熱ならびに吸熱を行うように構成されている。
また、タンク14は、コンプレッサ11が膨張行程になったとき、即ち、圧縮されたヘリウムガスが吸熱を行った後、自らに蓄えていたヘリウムガスをオリフィス13を介して蓄冷器12へ送出するように構成されている。
上述のコンプレッサ11を駆動するボイスコイルモータ10は、次のように構成されている。
外ヨーク20は、珪素鋼によって構成されており、例えば、複数の珪素鋼板を積層させて上記のように円筒状に形成している。
外ヨーク20の筒状の内部には、円環状の電磁コイル23a,23bが備えられている。
また、電磁コイル23a,23bは、自らの外周部位を外ヨーク20の内壁に密着させて固定されている。
また、可動ヨーク21は、外ヨーク20の内部において、図中上下方向、即ち可動ヨーク21の軸方向にストロークすることができるように、例えば図示されないボールスプライン等を用いて外ヨーク20の円筒内部の中央部位に支持されている。
図2に例示したマグネット22aは、外側の円周部位がS極となるように構成されている。また、マグネット22bは、外側の円周部位がN極となるように構成されている。
即ち、マグネット22aとマグネット22bとは、互いに異なる磁極を外周部位に備えており、これらの磁極を外ヨーク20の内壁に対向させている。
外ヨーク20の内壁には、前述のように電磁コイル23a,23bが固定されており、例えば、電磁コイル23aがマグネット22aと対向するように配設されている。また、電磁コイル23bがマグネット22bと対向するように配設されている。
また、上記のように構成すると、ボイスコイルモータ10の寿命、もしくはメンテナンスの間隔を延伸し、また故障発生率の低減を図ることが可能である。
ボイスコイルモータ10は、上記のように電気的に構成されており、電磁コイル23a,23bが発生する電磁力の作用方向を所定のタイミングで変化させることにより、可動ヨーク21が図中上下方向にストロークするように、当該可動ヨーク21を駆動する。
図3には、図2(a)と同様にボイスコイルモータ10の縦断面における各部の配置構成を示し、これら部分に対応させて磁気回路を図示している。
図3に示した磁気回路31は、ボイスコイルモータ10の縦断面において、マグネット22a,22bおよび磁気コイル23a,23bの各間に生じる状態を表している。
即ち、磁気回路31は、外ヨーク20の内部において円筒状を成しており、磁気漏洩が少なくエネルギ効率が高い状態になっている。
本実施形態によるボイスコイルモータ10の電磁コイル23a,23bは、図4(a)に例示した電磁コイル23aのように、平角線である巻線を重ねて巻回するとき当該巻線を密着させて巻回し、巻線間に空隙が極力生じないように構成している。
丸線を巻回したときには、各巻線の接触部分が曲面であることから、巻線間に空隙が生じるとともに、当該コイル表面には凹凸が生じる。
そのため、丸線を巻回させて電磁コイルを構成した場合には、当該電磁コイルの表面を滑らかに形成することが難しい。
上記のようにコイル表面に凹凸が生じていると、可動ヨーク21が動作したときに、電磁コイル103と例えばマグネット22aとが接触しないように、図2に示したエアギャップ30を適当な大きさに設定することが必要になる。
このように電磁コイル103の外ヨーク20に対する密着の度合が好ましくない場合には、ある程度の漏れ磁束が生じて外ヨーク20内を透過する磁束が少なくなり、図3に示した磁気回路31等の作用が弱くなる。即ち、可動ヨーク21もしくはマグネット22a等に作用する電磁力が低減する。
即ち、巻線間に隙間が生じることを抑制することができ、丸線を用いた場合に比べて各巻線を密着させることができる。
特に、前述のように外ヨーク20を珪素鋼合金によって構成すると、さらに放熱効果が向上し、ボイスコイルモータ10を連続動作させる場合に電磁コイル23a,23bを効果的に冷却することが可能になる。
即ち、例えば電磁コイル23aとマグネット22aとを極めて接近させて配設したときでも、当該電磁コイル23aとマグネット22aが接触することなく可動ヨーク21をストロークさせることが可能になる。
電磁コイル23bおよびマグネット22bに関しても、上述の電磁コイル23aおよびマグネット22aと同様に構成してエアギャップ30を小さく設けることが可能であり、また同様な作用効果が得られる。
例えば、外径が130[mm]の電磁コイルの場合、丸線を巻回して構成すると、1[mm]以上の誤差を含むものとなる。
これに対し、上記のサイズの電磁コイルを、平角線を巻回して構成すると、n/100[mm]程度(nは1桁の整数)の誤差になる。
上記のように、平角線を巻線として使用すると、130[mm]の外径において0.1[mm]よりも充分誤差が小さくなり、真円度がn/100よりも良好になる。このように、巻線に丸線を用いた場合に比べて真円度が向上する。
このように、電磁コイル23a,23bと外ヨーク20が良好に密着すると、図2に示した磁気回路31における漏れ磁束が抑制され、可動ヨーク21もしくはマグネット22a,22bに作用する電磁力の効率が向上する。
即ち、可動ヨーク21をストロークさせる駆動力が強くなり、可動ヨーク21を大きくストロークさせることが可能になる。
ボイスコイルモータ10は、前述のように可動ヨーク21のストローク長を大きくすることが可能であり、また電磁コイル23a,23bが効率よく冷却される。
そのため、本実施形態によるボイスコイルモータ10は、冷媒の圧縮ならびに膨張を連続して繰り返す極低温冷凍機1の駆動源、即ちコンプレッサ11の駆動源に適している。
板バネ40は、電磁コイル23a,23bが発生した電磁力により可動ヨーク21がストロークすることが可能な程度のバネ力を有している。
詳しくは、電磁コイル23a,23bが電磁力を発生しているときには、当該電磁作用により可動ヨーク21が駆動され、上記の電磁力が作用しなくなったときには、可動ヨーク21を外ヨーク20の円筒内部へ押し戻す程度の強さ/バネ力を有している。
上記のように、可動ヨーク21の両端に接する板バネ40を外ヨーク20の内部に配設し、可動ヨーク21を大きなストローク長で俊敏に動作させることも可能である。
また、上記のように電磁コイル23a,23bが外ヨーク20に密着することにより、電磁コイル23a,23bが渦電流によって発熱したとき、当該熱を外ヨーク20へ効率よく放熱することができる。また、電磁コイル23a,23bが高温になることによって不具合が生じることを防ぐことができる。
上記のようにエアギャップ30を小さくすることにより、電磁コイル23aとマグネット22aとの間の磁束密度、および、電磁コイル23bとマグネット22bとの間の磁束密度を高めることができる。
また、上記のように磁束密度が高くなることにより、可動ヨーク21に作用する電磁力の効率を向上させて、大きな駆動力で当該可動ヨーク21をストロークさせることができる。
また、上記のように電磁コイル23a,23bを効果的に冷却することにより、ボイスコイルモータ10の耐久性を向上させることができる。
Claims (3)
- 円筒状の外ヨークと、
平角線を巻回して円環状に形成し該円環の外周部位を前記外ヨークの内壁に密着させた電磁コイルと、
前記外ヨークの円筒内でストロークするように備えられて前記電磁コイルの内周部位と対向する部位にマグネットを配設した可動ヨークと、
を有し、
前記電磁コイルは、前記内周部位が滑らかとなるように前記平角線を巻回して該電磁コイルと前記可動ヨークのマグネットとのエアクリアランスが極めて小さくなるように形成されている
ことを特徴とするボイスコイルモータ。 - 前記可動ヨークは、少なくとも二極分の前記マグネットを該可動ヨークのストローク方向に並べて配設し、
前記外ヨークは、前記複数のマグネットに各々対向する複数の前記電磁コイルを配設し、
前記電磁コイルと前記マグネットとの間に磁気回路を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のボイスコイルモータ。 - 前記外ヨークは、珪素鋼からなる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のボイスコイルモータ。
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