JP5391706B2 - リニア式電磁駆動装置 - Google Patents

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本発明は、電磁力を利用して、例えば蓄冷型冷凍機(例えば、スターリング冷凍機、パルス管冷凍機)、圧縮機等のピストン等を往復動させるリニア式電磁駆動装置に関する。
従来技術のリニア式電磁駆動装置として、例えば、特許文献1に示されるリニア圧縮機のリニアモータ部(リニア式電磁駆動装置)が開示されている。このリニア圧縮機は、シリンダと、シリンダと同一の軸心でその軸線方向に沿って摺動自在に支持されるピストンと、ピストンに固定される永久磁石及びシリンダに固定されるコイルで磁路を形成して推力を発生させるリニアモータ部とを備え、リニアモータ部をピストンの外周に配置し、ピストンに固定される円筒保持部材とこれと同心円の筒体とにより永久磁石を挟持固定し、更に円筒保持部材とピストンに設けた棒体とがフランジ部を介在して結合され、フランジ部はバネ機構部のバネ板に接続される。
特許第3499447号公報
しかしながら、特許文献1によれば、リニアモータ部は永久磁石を使用しているため、コイルに電流を流さない時でも、径方向の吸引力が可動子に作用している。このため、可動子と固定とのクリアランスを確保するために設けたバネ板及びライナ(摺動軸受)には、永久磁石により常時、大きなラジアル荷重が作用し、バネ板及びライナの耐久性が低下してリニアモータ部の耐久性が低下する問題がある。
また、非通電磁時でも、可動部には永久磁石の吸引力が生じているので、組付が難しく、リニアモータ部の組付時に於けるクリアランス確保に関する初期故障が起き易く信頼性が低下する問題がある。
また、リニアモータ部は、保持力の大きな永久磁石(例えば、ネオジウム−鉄−ボロン系の永久磁石)が必要で、保持力の大きな永久磁石は高価であるため、リニアモータ部のコストが高くなる問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、永久磁石を使用することなく、組付が容易で、信頼性及び耐久性が高く、コストが安く且つ効率の高いリニア式電磁駆動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、内周面と外周面を形成し非磁性材で且つ電気良導材の導体と、前記導体の軸方向の両側に設けられ磁性材である鉄心片と、を有する可動子と、前記可動子の軸回りに導線を巻回したコイルと、前記コイルの前記軸方向の両側に設けられ磁性材である磁極片と、前記磁極片を互いに連結する磁性材である固定子側ヨークと、を有する固定子と、前記固定子の外周面が内周面に固定されたモータケースと、 前記鉄心片の内周面側に配備した磁性材である可動子側ヨークと、前記可動子の内周面に外周面が固定されたロッドと、前記ロッドの背面に同軸に連結されるピストンと、前記ピストンを収容するシリンダと、前記シリンダと前記ピストンで包囲して形成され作動ガスを圧縮する圧縮室と前記ロッドの外周面と前記モータケースの内周面に固定され、前記固定子の内周面と前記可動子の外周面との間の間隙とを確保するフレクシャベアリングと、を備え、前記フレクシャベアリングは、前記可動子の軸方向の両側に設けられ、前記固定子の前記磁極片と前記可動子の前記鉄心片が前記ピストンの中立位置で対面し、前記磁極片と前記鉄心片の軸方向の幅が互いに等しい
また、一対の前記固定子と前記可動子とは、複数組同軸に設けられ、対面する前記固定子の前記磁極片と前記可動子の前記鉄心片の数が同じである。
請求項1に記載の発明では、リニア式電磁駆動装置は永久磁石を有しないので、コイルの無通電時、固定子と可動子との間には、磁気力が発生しない。従って、可動子の外周面が固定子の内周面に当接することなく所定の間隙をもって可動子を固定子の容易に組付でき、固定部材と可動部材の間の間隙に関する初期故障の発生が阻止され、リニア式電磁駆動装置の信頼性が向上する。
また、リニア式電磁駆動装置は永久磁石を有しないので、可動子の支持部材(例えば、フレクシャベアリング)は、常時作用するラジアル荷重が作用せず、このラジアル荷重分、荷重が軽減されて支持部材の耐久性が向上する。結果、リニア式電磁駆動装置の耐久性が向上する。
また、リニア式電磁駆動装置は永久磁石を使用せず永久磁石の代わりに非磁性材で且つ電気良導材の導体を使用しているので、コストの安いリニア式電磁駆動装置を提供できる。
また、請求項2に記載の発明では、本発明のリニア式電磁駆動装置を使用してピストンを往復動することで、例えば、蓄冷型冷凍機あるいは圧縮機等に使用するリニア式電磁駆動装置は、組付が容易で、信頼性、耐久性が向上すると共に、コストが低減する。
また、請求項3に記載の発明では、一対の固定子と可動子とが、可動子の往復動方向に複数組配備される。これにより、一対の固定子と可動子を一組配備したリニア式電磁駆動装置に比べ、複数組配備したリニア式電磁駆動装置は、推力が増大すると共に、同じストローク、同じ供給電流値の下で、コイルの銅損が減少するので、効率が向上する。
以下に本発明の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るリニア式電磁装置の断面図で、リニア式電磁駆動装置をパルス管冷凍機等の蓄冷型冷凍機の圧縮機に適応したものである。図2は、図1のA−A断面を示す。
図1に示すように、圧縮機100は、リニア式電磁駆動装置1と、モータケース3と、圧縮部40とから構成される。リニア式電磁駆動装置1は、可動子10と、固定子20と、可動子側ヨーク2から構成される。
可動子10は、リング形状の強磁性材からなる積層板11を可動子10の軸X方向に多数枚積層して構成した鉄心片12、13と、円筒形状の非磁性材(例えば、アルミニウム、銅等)で、且つ、電気良導材からなる導体14とを備える。導体14の両端面には鉄心片12と、13が固着される。積層板11の両面及び導体14の内周面には絶縁皮膜がコーティングされており、これにより積層した積層板11は互いに電気的に絶縁され、また、導体14の両端面と鉄心片12及び13との当接面と、導体14の内周面とロッド32の外周面の間も電気的に絶縁され、鉄損が減少する。尚、軸Xは、固定子20、シリンダ41、モータケース3の軸でもある。
可動子10の内周面は、ロッド32の外周面に固定される。ロッド32には、孔32aが設けられ、強磁性材からなる円柱形状の可動子側ヨーク2が孔32aの内周面に対し所定の間隙を持って挿入される。
図2に示すように、可動子側ヨーク2は鉄損を抑制するため軸X方向に可動子側ヨーク素片2a、2bに分割され、可動子側ヨーク素片2a、2bの分割面は絶縁皮膜が施され電気的に絶縁される。可動子側ヨーク素片2a、2bの端部はモータケース3の鏡板部3bに固定される。
固定子20は、可動子10の外周面に対し所定の距離を持って軸X回りに被覆銅線(導線)を巻回したコイル24と、コイル24の両端面側に設けた円筒形状の磁極片22、23と、磁極片22、23の外周面に固着した強磁性材からなる固定子側ヨーク25とから構成され、固定子20の外周面はモータケース3の内周面に固定される。磁極片22、23は、リング形状の強磁性材からなる積層板21を軸X方向に多数枚積層して構成され、磁極片22、23の両面に絶縁皮膜をコーティングする。これにより積層された積層板21は互いに電気的に絶縁され、鉄損が低減される。また、コイル24のリード線(図示せず)の両端はモータケース3に設けたハーメティクシールに接続し、外部に配備した電源装置(図示せず)に接続される。
可動子10の外周面10aは鉄心片12、13の外周面から形成され、固定子20の内周面20a(内面)は磁極片22、23の内周面から形成される。そしてコイル24の無通電時、可動子10は中立位置し、この中立位置に於いて可動子10の外周面10aは固定子20の内周面20aに対し所定の間隙51、52(距離)を持って対面する。尚、導体14の外径は固定子20の内径より小さく固定子20に当らなければ良く、コイル24の内径は、可動子10の外径より大きく可動子10に当らなければ良い。本実施形態では、導体14の外径は鉄心片12、13の外径と同じで、コイル24の内径は、磁極片22、23の内径と同じである。
圧縮部40は、ピストン31と、ピストン31の背面31bに同軸に連結されるロッド32とから構成したロッド付ピストン30と、一端にフランジ41aを有し、他端にシリンダヘッド41bを有するシリンダ41とから構成される。フランジ41aは、シリンダ41の内周面とモータ3の円筒部3aの内周面とが同軸になるように円筒部3aの端部に気密に固定される。そして、ロッド32の両端側はそれぞれ2枚一組のフレクシャベアリング33の内径側に固定され、フレクシャベアリング33の外径側はモータケース3の内周面に固定される。フレクシャベアリング33は、薄いバネ鋼からなり、円板形状で、中心に孔を有し、円板面に多数本のスリット(図示せず)が設けられバネの機能と、ロッド32を軸X方向に往復移動可能に支持する軸受の機能を有する。フレクシャベアリング33により、固定子20の内周面と可動子10の外周面との間の所定の間隙と、ピストン31の内周面との間の所定の微小間隙とが確保される。そして、固定子20と可動子10の間隙は磁気ギャップを形成し、ピストン31とシリンダ41の微小間隙はクリアランスシールを形成する。また、4枚のフレクシャベアリング33のバネと、可動子10と固定子20との間の通電時に生じる磁気バネと、ピストンの前面31aと背面31bに作用する作動ガス(例えば、ヘリウム)によるガスバネとを合成したバネと、可動子10とロッド付ピストン30の合計質量とで共振周波数を有する振動系を形成する。
シリンダ41とピストン31で包囲して圧縮室42が形成され、圧縮室42はシリンダヘッド41bに設けた流路41cと、配管43を介在して冷凍発生部(図示せず)に連通される。また、ピストン31の背面31b側は、ピストン31とモータケース3とシリンダ41とによりバッファ室4が形成され、バッファ室4の容積は圧縮室42の掃気容積に比べ十分大きく(例えば、掃気容積の略15倍)設定される。
尚、モータケース3を強磁性材にすることで、固定子側ヨーク25を設けずモータケース3の円筒部3aを固定子側ヨークにしても良い。あるいは、磁極片22と23の外径をモータケース3の内径に等しくなるよう増大し、磁極片22と23の互いの対抗面との間に固定子ヨークを設けても良い。
また、磁極片22、23は、積層板21を積層して構成した1つの円筒体であるが、この円筒体を径方向に分割(例えば、4分割)した柱体を組合わせて構成しても良い。分割することによりコイル24の固定子20への組付が容易になる。
また、図1のリニア式電磁駆動装置1の固定子20は、モータケース3の内周面に固定されているが、モータケース3の外周面に固定しても良い。
また、リニア式電磁駆動装置1の固定子20では、磁極片22と23の間にコイル24は1個配備されているが、軸X方向に複数個配備しても良い。同じように、導体14は鉄心片12と13の間に1個配備しているが軸X方向に複数個配備しても良い。
次に、リニア式電磁駆動装置1の作動と効果について説明する。コイル24の供給電流が、前述の共振周波数近傍であると可動体10の往復動の振幅が増大し、リニア式電磁駆動装置1が効率良く作動する。この場合、可動子10の往復動変位の位相は、供給電流の位相より略90度遅れる。そして、コイル24に共振周波数近傍の正弦波の交流電流を供給し、供給直後、モータケース3を軽く叩くと、可動子10が中立位置から僅か移動し、振動し出して直ぐに所定の振幅で往復動し、以下のように作動する。
図3は、コイル24に供給する正弦波の交流電流Iの波形と、コイル電流Iの時間tの微分dI/dtの波形及び可動子10の変位波形を示す。図4は、リニア式電磁装置1の作動の部分断面説明図である。図5は、間隙51、52に生じるコイル24の電流及び導体14の誘導電流による各磁力線を示す図である。図6は、図5の各磁力線を合成した磁力線を示す図である。図4〜6中、コイル24内の丸に点の記号と丸にバツの記号は方向を示し、丸に点の記号は紙面の裏から表の方向を示し、丸にバツの記号は紙面の表から裏の方向を示す。また、2点鎖線はピストン31の前面31aの中立位置を示す。図5及び6中、間隙51、52の実線及び細線の矢印線は磁力線を示し、矢印は磁力線の流れ方向を示す。間隙51は磁極片22と鉄心片12との間に形成される間隙、間隙52は磁極片23と鉄心片13との間の間隙に形成される間隙で、間隙51、52は磁束が通過する磁気ギャップを形成する。
図3に示すように可動子10が中立位置aに位置し上死点cに向かう場合、コイル電流はプラスの最大電流Ia、電流の時間微分(以下、電流微分)dIa/dtは0(電流変化がない状態)で磁束Φbの増減のない状態である。最大電流Iaにより閉ループの最大磁束Φa(図4(a))が生じ、最大磁束Φaにより間隙51、52の軸X方向略全体に亘り略均等にそれぞれ矢印の実線で示す最大密度の磁力線Ma1、Ma2(図5(a))が生じる。電流微分dIa/dtは0であるので導体14には電流が誘導されないので、間隙51、52には誘導電流で生じる磁束による磁力線は生じない(図5(a))。従って、磁力線Ma1、Ma2と、誘導電流に基づく磁力線を合成した磁力線Pa1、Pa2は磁力線Ma1、Ma2となる(図6(a))。そして、合成磁力線Pa1、Pa2は、それぞれ軸X方向略全体に亘り略均等であるので、可動体10に作用する磁気力Fmは発生せず、又、前述の合成バネ力Ksも可動子10が中立位置に位置するので略0である。従って、可動子10の運動状態が継続され、可動子10はB方向、即ち、上死点c方向へ移動する(図4(a)、図6(a))。尚、図4に示すように、磁束Φa、及び、以下に述べる磁束Φb、Φe、Ψb、Ψc、Ψdは、順次磁極片22、空隙51、鉄心片12、可動子側ヨーク2、鉄心片13、空隙52、磁極片23、固定子側ヨーク25を通過し磁極片22戻り一巡して閉ループを形成する。
図3に示すように可動子10が中立位置aと上死点cの間のb点に位置し上死点cに向かう場合、コイル電流はIbでプラス、電流微分dIb/dtはマイナス、磁束Φbは減少状態にあり、コイル電流Ibにより閉ループの磁束Φb(図4(b))が生じる。磁束Φbにより間隙51、52の軸X方向略全体に亘り略均等にそれぞれ矢印の実線で示す磁力線Mb1、Mb2(図5(b))が生じると共に、減少状態の磁束Φbにより導体14に電流Ibと同じ方向の電流が誘導される。この誘導電流により、磁束Φbと同方向の閉ループの磁束Ψbが生じ、磁束Ψbにより間隙51の導体14の端面近傍辺りと、間隙52のコイル24の端面近傍辺りにそれぞれ矢印の細線で示す磁力線Nb1、Nb2(図5(b))が生じる。そして、磁力線Nb1、Nb2を合成した磁束Pb1、Pb2(図6(b))が間隙51、52に生じる。磁力線Mb1、Mb2と、磁力線Nb1、Nb2の方向は同じであるので、合成磁束Pb1、Pb2は、導体14の端面側とコイル24の端面側が密で、両端面から軸X方向の遠方側は疎になり、この疎密が均等になるように中立位置に向う方向の磁気力Fmが可動子10に作用する。そして、磁気力Fmと中立位置に向う方向の合成バネ力Fsにより、上死点cに向い移動している可動体10は減速される(図4(b)、図6(b))。
可動子10は減速されつつ上死点cに至ると、可動体10の速度及び電流Icは0、電流微分dIc/dtはマイナスで絶対値が最大となる(図3)。電流Icは0であるので電流Icによる磁束は生じず(図4(c))、間隙51、52にも電流Icに基づく磁力線は生じない(図5(c))。また、電流微分dIc/dtがマイナスで絶対値が最大であるので導体14にコイル電流Ibと同じ方向の最大誘導電流が生じる。この誘導電流により閉ループの最大磁束Ψcが生じ、間隙51の導体14の端面近傍辺りと、間隙52のコイル24の端面近傍辺りには最大磁束Ψcによる最大密度の磁力線Nc1、Nc2が生じる(図5(c))。そして、間隙51と、間隙52に生じる合成磁力線Pc1、Pc2は磁力線Nc1、Nc2となる(図6(c))が、磁力線Nc1、Nc2による磁気力Fmは発生せず、可動体10には中立位置に向う方向の合成バネ力Fsが作用し、可動子10は中立位置eに向い移動し始める(図4(c)、図6(c))。
図3に示すように可動子10が上死点cと中立位置eの間のd点に位置し中立位置eに向かう場合、コイル電流はId及び電流微分dId/dtはマイナスで、磁束Φdは増加状態にあり、コイル電流Idにより磁束Φa、Φbに対し反対方向の磁束Φd(図4(d))が生じる。磁束Φdにより間隙51、52の軸X方向略全体に亘り略均等にそれぞれ矢印の実線で示す磁力線Md1、Md2(図5(d))が生じると共に、増加状態の磁束Φdにより導体14に電流Idに対し反対方向の電流が誘導される。この誘導電流により磁束Φdに対し反対方向の磁束Ψd(図4(d))が生じ、磁束Ψdにより間隙51の導体14の端面近傍辺りと、間隙52のコイル24の端面近傍辺りにそれぞれ矢印の細線で示す磁力線Nd1、Nd2(図5(b))が生じる。そして、磁力線Md1、Md2と、磁力線Nd1、Nd2を合成した磁力線Pd1、Pd2(図6(d))が間隙51、52に生じる。磁力線Nb1、Nb2は、磁力線Mb1、Mb2に対して反対方向であるので、導体14の端面側及びコイル24の端面側が疎で、両端面から軸X方向の遠方側は密になり、この疎密が均等になるように中立位置に向う方向の磁気力Fmが可動子10に作用する。そして、磁気力Fmと中立位置に向う方向の合成バネ力Fsにより、可動体10はC方向、即ち、中立位置eに向い移動すると共に可動体10は加速される(図4(d)、図6(d))。
図3に示すように可動子10が中立位置eに至ると、コイル電流はマイナスで絶対値は最大の電流Ieになり、電流微分dIe/dtは0(電流変化が0の状態)で磁束Φeの増減もなくなる。コイル電流Ieにより最大磁束Φe(図4(e))が生じ、最大磁束Φeにより間隙51、52の軸X方向略全体に亘り略均等にそれぞれ矢印の実線で示す最大密度の磁力線Me1、Me2(図5(e))が生じる。電流微分dIe/dtは0であるので導体14には電流が誘導されず、間隙51、52には誘導電流で生じる磁束による磁力線は生じない。従って、合成磁力線Pe1、Pe2は磁力線Me1、Me2となる(図6(e))。合成磁力線Pe1、Pe2は、それぞれ軸X方向略全体に亘り略均等であるので、可動体10に作用する磁気力Fmは発生せず、又、合成バネ力Fsも略0である。従って、可動子10は運動状態を継続しつつ、可動子10は下死点g方向へ移動する(図4(e)、図6(e))。
上述の一連の作動は、可動体10が中立位置aから上死点cに至り、そこから再び中立位置eに戻る半サイクルである。可動体10が中立位置eからf点を経由し下死点gに至り、そこから再びh点を経由して中立位置iに戻る半サイクルも上述した一連の半サイクルの作動と同様になされ、可動子10の1サイクルの作動が終了する。
以上により、コイル24に正弦波の交流電流を通電すると、間隙51、52の磁力線に疎密が生じ、この疎密を均等にするように可動子10を移動させる磁気力が生じ、この磁気力と、合成バネ力と、可動子10の間勢力とが作用し合い、ロッド32を介して可動子10と一体となったピストン31が往復動する。ピストン31の往復動によって、圧縮室42でヘリウムの圧縮と、膨張が行われる。圧縮されたヘリウムは、流路41c、配管43を通って冷凍発生部(図示せず)に流入し、そこで膨張して冷凍を発生する。膨張したヘリウムは、再び配管43、流路41cを通って圧縮室42の膨張により圧縮室42に流入し圧縮機100の1サイクルが終了する。
以上の作動により、以下の効果を生じる。即ち、リニア式電磁駆動装置1は、永久磁石を有してないので、コイルの無通電時、固定子10と可動子20との間には、磁気による吸引力は発生しない。従って、可動子10の外周面が固定子20の内周面に当接することなく所定の間隙をもって容易に組付でき、可動子10の外周面10aと固定子20の内周面20aとの齧りと、ピストン31とシリンダ41との齧りと、可動子側ヨーク2とロッド32の孔32aとの齧りとによる初期故障が防げ、リニア式電磁駆動装置1の信頼性が向上する。
また、リニア式電磁駆動装置1は永久磁石を有してないので、フレクシャベアリング33には永久磁石のラジアル荷重は常に作用せず、このラジアル荷重分、フレクシャベアリング33に作用する荷重は軽減される。結果、フレクシャベアリング33の耐久性が向上し、これに伴いリニア式電磁駆動装置1の耐久性が向上する。
また、リニア式電磁駆動装置1は永久磁石(例えば、ネオジウム−鉄−ボロン系の永久磁石)を使用せず永久磁石の代わりに非磁性材で且つ電気良導材(例えば、銅、アルミニュウム等)の導体14を使用しているので、コストの安いリニア式電磁駆動装置1を提供できる。
また、リニア式電磁駆動装置1は、シリンダ41とピストン31とで圧縮室42を形成し、ピストン31を往復動させヘリウムを圧縮して蓄冷型冷凍機の冷凍発生部に供給する。これにより、蓄冷型冷凍機用の圧縮機100のリニア式電磁駆動装置1は、組付が容易で、信頼性、耐久性が向上すると共に、コストが低減する。
さらに、ロッド付ピストン30と一体となった可動子10は、バネ・マスの共振周波数を有する振動系を形成しているので、共振周波数近傍の電流をコイル24に通電して運転することにより、リニア式電磁駆動装置1の効率が向上すると共に圧縮機100の効率も向上する。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態に係るリニア式電磁装置の断面図で、リニア式電磁駆動装置をパルス管冷凍機等の蓄冷型冷凍機の圧縮機に適応したものである。図1と同じ部品及び同じ部位の符号は、図1と同じ符号を付す。図7に示すように、圧縮機200は、リニア式電磁駆動装置5と、モータケース3と、圧縮部40とから構成される。リニア式電磁駆動装置5は、一対の可動子と固定子3組、即ち、可動子110と固定子120と、可動子210と固定子220と、可動子310と固定子320と、可動子側ヨーク2から構成される。
可動子110は、円筒形状の非磁性材で、且つ、電気良導材からなる導体114と、導体114の両端面に固着されリング形状の強磁性材からなる積層板11を多数枚積層して構成した鉄心片112、113とから構成される。積層板11の両面は絶縁皮膜がコーティングされる。可動子110と同じように可動子210は導体214と、鉄心片212、213とから構成され、可動子310は導体314と、鉄心片312、313とから構成される。そして、可動子110、210、310は、順次軸X(可動子110、210、310の軸)方向に積層されロッド32に固定される。導体114、214、314の両端面及び内周面は電気絶縁される。また、ロッド32の孔32aには、強磁性材からなる円柱形状の可動子側ヨーク2が孔32aの内周面に対し所定の間隙を持って挿入され、可動子110、210、310の内周面はロッド32を介在して可動子側ヨーク2の外周面を包囲する。
固定子120は、可動子110の外周面に対し所定の距離を持って軸X回りに被覆銅線(導線)を巻回したコイル124と、コイル124の両端面側に設けた磁極片122、123と、磁極片122と、123の外周側の端面に固着した強磁性材からなる固定子側ヨーク125とから構成される。磁極片122、123は、リング形状の強磁性材からなる積層板21を軸X方向に多数枚積層して構成され、磁極片122、123の両面は絶縁皮膜がコーティングされる。固定子120と同じように、固定子220はコイル224と、磁極片222、223と、固定子側ヨーク225とから構成され、固定子320はコイル324と、磁極片322、323と、固定子側ヨーク325とから構成される。固定子120、220、320は軸X方向に積層されモータケース3の内周面に固定される。そして中立位置に於いて、可動子110、210、310の各外周面110a、210a、310aは、それぞれ固定子120、220、320の各内周面120a、220a、320aに所定の間隙を持って対面する。この間隙は、磁気ギャップを形成する。
可動子110、210、310の各外周面110a、210a、310aは、図1の可動子1の外周面10aと同じように形成される。また、固定子120、220、320の各内周面120a、220a、320aは、図1の固定子20の内周面20aと同じように形成される。その他の構成は、図1の圧縮機100と同じでる。
次に、リニア式電磁駆動装置5の作動と効果について説明する。各一対の可動子110と固定子120と、可動子210と固定子220と、可動子310と固定子320の作動は、図1の一対の可動子10と固定子20の作動と同じである。そして、コイル124、324は、同位相、同振幅の交流電流を電源装置(図示せず)から供給し、コイル224にはコイル124の電流と同じ振幅で、コイル124の電流に対し位相が180度ずれた電流を供給する。これにより、コイル124及び導体114よってそれぞれ生じる磁束と、コイル224及び導体214によってそれぞれ生じる磁束は、鉄心片113、212及び磁極片123、222に於いて打消し合うことなく同じ方向に流れる。同様に、コイル224及び導体214によってそれぞれ生じる磁束と、コイル324及び導体314によってそれぞれ生じる磁束とは、鉄心片213、312及び磁極片223、322に於いて打消し合うことなく同じ方向に流れる。従って、リニア式電磁駆動装置5は、図1のリニア式電磁駆動装置1を3組設けた場合と等価であるので、リニア式電磁駆動装置1に比べて3倍の推力が得られる。
また、電源装置(図示せず)からの供給電流値が同一で、コイル24(図1)と、コイル124,224、324の線径、巻数、全長が同一の下では、リニア式電磁駆動装置5の銅損は、リニア式電磁駆動装置1の3分の1になるので、リニア式電磁駆動装置5の効率が向上する。他の効果は、図1のリニア式電磁駆動装置1と同じである。
本発明の第1実施形態に係るリニア式電磁装置の断面図である。 図1のA−A断面図である。 リニア式電磁駆動装置のコイルに通電する電流波形を示す図である。 図1のリニア式電磁装置の作動の部分断面説明図である。 図1のコイルの電流及び導体の誘導電流によって生じる間隙の各磁力線を示す図である。 図5の間隙に生じる各磁力線を合成した磁力線を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るリニア式電磁装置の断面図である。
1、5 リニア式電磁駆動装置
2 可動子側ヨーク
10、110、210、310 可動子
10a、110a、210a、310a 外周面
12、13、112、113、212、213、312、313 鉄心片
14、114、214、314 導体
20、120、220、310 固定子
20a、120a、220a、320a 内周面(内面)
22、23、122、123、222、223、322、323 磁極片
24、124、224、324 コイル
25、125、225、325 固定子側ヨーク
31 ピストン
41 シリンダ
51、52 間隙(距離)
X 軸

Claims (2)

  1. 内周面と外周面を形成し非磁性材で且つ電気良導材の導体と、前記導体の軸方向の両側に設けられ磁性材である鉄心片と、を有する可動子と、
    前記可動子の軸回りに導線を巻回したコイルと、前記コイルの前記軸方向の両側に設けられ磁性材である磁極片と、前記磁極片を互いに連結する磁性材である固定子側ヨークと、を有する固定子と、
    前記固定子の外周面が内周面に固定されたモータケースと、
    前記鉄心片の内周面側に配備した磁性材である可動子側ヨークと、
    前記可動子の内周面に外周面が固定されたロッドと、
    前記ロッドの背面に同軸に連結されるピストンと、
    前記ピストンを収容するシリンダと、
    前記シリンダと前記ピストンで包囲して形成され作動ガスを圧縮する圧縮室と
    前記ロッドの外周面と前記モータケースの内周面に固定され、前記固定子の内周面と前記可動子の外周面との間の間隙とを確保するフレクシャベアリングと、を備え、
    前記フレクシャベアリングは、前記可動子の軸方向の両側に設けられ、
    前記固定子の前記磁極片と前記可動子の前記鉄心片が前記ピストンの中立位置で対面し、前記磁極片と前記鉄心片の軸方向の幅が互いに等しい蓄冷型冷凍機用のリニア式電磁駆動装置。
  2. 一対の前記固定子と前記可動子とは、複数組同軸に設けられ、対面する前記固定子の前記磁極片と前記可動子の前記鉄心片の数が同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄冷型冷凍機用のリニア式電磁駆動装置。
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