JP2010136549A - 回転電機の回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み付け時や使用中に無理な力が磁石7に加わることなく、且つ、磁石7の組み付け方向の位置ずれを確実に防止できる回転子を提供する。
【解決手段】一対の界磁鉄心を組み合わせた状態で、爪状磁極の内周側に磁石支持リング8が配置され、その後、磁石7を自身の長手方向から磁石挿入スペースに挿入して組み付ける。この方法によれば、爪状磁極の加工精度や組み付け精度にばらつきがあっても、個々の磁石7をそれぞれ容易に磁石挿入スペースへ挿入して組み付けることができるので、組み付け時に磁石7に無理な力が加わることはなく、磁石7が破損することを防止できる。また、磁石7は、内周面に設けられた凸部7aを、磁石支持リング8の磁石支持部8aに形成された孔部8dに嵌め合わせることで位置決めされ、磁石支持部8aに対し、磁石7の長手方向(磁石7の組み付け方向)の位置ずれを防止できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、一対の界磁鉄心に設けられる互いの爪状磁極間に永久磁石を配設した回転電機の回転子に関する。
従来、自動車用等の交流発電機として、例えば、特許文献1が公知である。
この特許文献1では、一対のランデル型ポールコアに設けられる爪状磁極同士の間にそれぞれ永久磁石を挿入し、周方向に隣合う爪状磁極間の漏洩磁束を減らして発電に寄与する有効磁束を増量させることにより、出力向上を図る技術が提案されている。
この従来技術では、複数の永久磁石が、非磁性体から成る磁石支持リングの外周面に接着剤等により固着されて磁石アセンブリとして構成され、この磁石アセンブリの状態でポールコアに組み付けられている。
また、爪状磁極には、周方向の側面外周部から周方向へ突き出る鍔部が設けられ、この鍔部の内周面に永久磁石の外周面肩部が当接することにより、ロータの回転時に永久磁石が遠心方向(径方向外側)へ飛び出すことを規制している。
特開平8−223882号公報
ところが、特許文献1に開示された従来技術では、複数の永久磁石が磁石支持リングの外周面に固着されているため、極めて高い部品精度および組み付け精度が要求される。すなわち、磁石アセンブリの状態では、磁石支持リングに対して永久磁石の位置が固定されるため、永久磁石を磁石支持リングに固着する位置が多少でもずれていると、組み付け時あるいは使用中に過大なストレスが磁石アセンブリに加わり、永久磁石や磁石支持リングが破損する恐れがある。
また、磁石アセンブリの精度(磁石支持リングに対する永久磁石の位置精度)が良くても、爪状磁極の加工精度にばらつきがあると、一対のポールコアを組み合わせた状態で、周方向に隣合う爪状磁極同士の間に永久磁石を無理無く挿入できるだけの空間(磁石挿入スペースと呼ぶ)を確保できたとしても、その磁石挿入スペースと、磁石支持リングに固着されている永久磁石との位置がずれている場合には、磁石挿入スペースに永久磁石を挿入できなくなる恐れがある。
上記の様に、特許文献1に係る発明では、磁石支持リングに固着されている複数の永久磁石をそれぞれ磁石挿入スペースに無理なく挿入するためには、ポールコア側の部品精度(特に爪状磁極の加工精度)や組み付け精度だけでなく、磁石アセンブリの精度も要求されるため、コストが増大する要因となっている。
そこで、永久磁石を磁石支持リングに固着しない状態で組み付ける方法が考えられる。例えば、磁石支持リングを予めポールコアに組み付けておき、その後、永久磁石を磁石挿入スペースに挿入する方法である。しかし、この方法では、ロータの回転方向および径方向(内径方向と外径方向)に対して永久磁石の移動を規制することはできるが、永久磁石が磁石支持リングに固着されていないので、永久磁石の組み付け方向である永久磁石自身の長手方向への移動(位置ずれ)を規制することは困難である。
つまり、永久磁石は、周方向に隣合う爪状磁極間に配置されることで回転方向への移動が規制され、爪状磁極の鍔部に永久磁石の外周面肩部が当接することで遠心方向(径方向外側)への移動が規制され、永久磁石の内周側に配置される磁石支持リングによって径方向内側への移動が規制される。しかし、永久磁石の組み付け方向へは、磁石支持リングと爪状磁極の鍔部との間に締代を設定する、すなわち、磁石支持リングの弾力により永久磁石の外周面肩部を爪状磁極の鍔部に押し付けることで移動が規制される。この場合、永久磁石を磁石支持リングと鍔部との間に挟み込む力だけで永久磁石の長手方向の移動を規制しているため、使用時の振動により、永久磁石が組み付け方向へ移動することを確実に防止することはできない。
また、永久磁石と爪状磁極との隙間にエポキシ樹脂等の含浸材を充填して永久磁石を固定することもできるが、温度変化の影響により含浸材による固定力の劣化が懸念されるため、含浸材による固定力だけでは、永久磁石の長手方向の移動を確実に防止することは困難である。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、組み付け時や使用中に無理な力が永久磁石に加わることなく、且つ、永久磁石の組み付け方向の移動(位置ずれ)を確実に防止できる回転電機の回転子を提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、互いに複数の爪状磁極を有し、その互いの爪状磁極同士が周方向に所定の間隔を有して交互に噛み合う様に組み合わされる一対の界磁鉄心と、この一対の界磁鉄心に巻装される界磁巻線と、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間に配設され、その隣合う爪状磁極間の漏洩磁束を減少させる向きに着磁される複数の永久磁石と、この複数の永久磁石の内周側に配置される非磁性体の環状体であって、永久磁石を内周側から支持する磁石支持リングとを備え、爪状磁極には、周方向の側面外周部から周方向へ突き出る鍔部が設けられ、この鍔部により、永久磁石の遠心方向への移動が規制される回転電機の回転子であって、磁石支持リングに対し、爪状磁極の側面に沿った永久磁石の長手方向の位置ずれを規制する位置ずれ規制手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の永久磁石がそれぞれ磁石支持リングに固定されている訳ではないので、例えば、一対の界磁鉄心に設けられる互いの爪状磁極の内周側に予め磁石支持リングを配置して、その後、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間に永久磁石を挿入して組み付けることができる。これにより、爪状磁極の加工精度や組み付け精度にばらつきがあっても、永久磁石に無理な力が加わることはなく、組み付け時や使用中に永久磁石が破損することを防止できる。
また、永久磁石は、周方向に隣合う爪状磁極間に配置されることで回転方向への移動が規制され、爪状磁極の鍔部によって永久磁石の遠心方向への移動が規制され、永久磁石の内周側に配置される磁石支持リングによって径方向内側への移動が規制される。さらに、本発明に係る位置ずれ規制手段により、磁石支持リングに対して永久磁石の長手方向の位置ずれを規制することができるので、永久磁石の固定信頼性に優れ、エンジン振動等による永久磁石の移動を確実に防止できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載した回転電機の回転子において、位置ずれ規制手段は、磁石支持リングと永久磁石のどちらか一方に設けられた凹部あるいは孔部と、他方に設けられた凸部との凹凸嵌合によって構成されることを特徴とする。
本発明によれば、凹部あるいは孔部と凸部との凹凸嵌合による簡単な構成によって位置ずれ規制手段を実現できる。
(請求項3の発明)
請求項1に記載した回転電機の回転子において、磁石支持リングは、永久磁石の長手方向に沿った両端から永久磁石の長手方向の端面側へ折れ曲がる一対の係止片を有し、この一対の係止片により永久磁石を長手方向に把持することにより位置ずれ規制手段を構成することを特徴とする。
上記の構成によれば、磁石支持リングに設けられた一対の係止片により永久磁石を長手方向に把持することで、磁石支持リングに対し永久磁石の長手方向の位置ずれを確実に防止できる。また、磁石支持リングを界磁鉄心に組み付ける際に、一対の係止片のうち、どちらか一方の係止片を予め先に折り曲げておき、その後、永久磁石を磁石支持リングと爪状磁極の鍔部との間に挿入した後、他方の係止片を折り曲げる手順を取ることができる。この手順によれば、永久磁石を磁石支持リングと爪状磁極の鍔部との間に挿入する際に、磁石支持リングの係止片にストレスが加わらないため、永久磁石を長手方向に把持する一対の係止片の信頼性が向上する。
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかの回転電機の回転子において、永久磁石は、径方向の内周面が磁石支持リングに支持されると共に、その磁石支持リングの弾力を受けて、径方向の外周面の両肩部が鍔部の内周面に押圧された状態で組み付けられることを特徴とする。 この場合、永久磁石は、爪状磁極の鍔部と磁石支持リングとの間の径方向寸法に対し若干の締代を持って組み付けられる。これにより、永久磁石は、自身の内周面が磁石支持リングに支持され、且つ、外周面の両肩部が爪状磁極の鍔部の内周面に押圧されるので、遠心力ストレスに対する永久磁石の固定がより確実となり、固定信頼性が向上する。
(請求項5の発明)
請求項1〜4に記載した何れかの回転電機の回転子において、永久磁石の周方向側面と爪状磁極の周方向側面との間に含浸材が充填されていることを特徴とする。
例えば、永久磁石の周方向の幅寸法を、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間の周方向寸法より若干小さく形成することで、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間に永久磁石を挿入する際に、永久磁石に無理な力が加わらないため、永久磁石の欠けや破損を防止できる。但し、この場合、永久磁石の側面と爪状磁極の側面との間に隙間が生じるため、その隙間を含浸材(例えばエポキシ樹脂)で埋めることにより、永久磁石をより安定した状態で保持できるので、永久磁石の固定信頼性が向上する。
(請求項6の発明)
請求項1〜4に記載した何れかの回転電機の回転子において、永久磁石と爪状磁極および磁石支持リングとの間に含浸材が充填されていることを特徴とする。
永久磁石と爪状磁極および磁石支持リングとの間に隙間が生じる場合は、その隙間に含浸材(例えばエポキシ樹脂)を充填することで、永久磁石をより安定した状態で保持できるので、永久磁石の固定信頼性が向上する。
(請求項7の発明)
本発明は、互いに複数の爪状磁極を有し、その互いの爪状磁極同士が周方向に所定の間隔を有して交互に噛み合う様に組み合わされて一対の界磁鉄心と、この一対の界磁鉄心に巻装される界磁巻線と、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間に配設され、その隣合う爪状磁極間の漏洩磁束を減少させる向きに着磁される複数の永久磁石と、この永久磁石の少なくとも内周面を保護すると共に、永久磁石を長手方向に保持する非磁性部材からなる磁石ケースと、この磁石ケースの内周側に配置される非磁性体の環状体であって、磁石ケースを介して永久磁石を内周側から支持する磁石支持リングとを備え、爪状磁極には、周方向の側面外周部から周方向へ突き出る鍔部が設けられ、この鍔部により、永久磁石の遠心方向への移動が規制される回転電機の回転子であって、磁石支持リングに対し、磁石ケースを介して、爪状磁極の側面に沿った永久磁石の長手方向の位置ずれを規制する位置ずれ規制手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の永久磁石がそれぞれ磁石ケースを介して磁石支持リングに固定されている訳ではないので、例えば、一対の界磁鉄心に設けられる互いの爪状磁極の内周側に予め磁石支持リングを配置して、その後、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間に磁石ケースに保持された永久磁石を挿入して組み付けることができる。これにより、爪状磁極の加工精度や組み付け精度にばらつきがあっても、永久磁石に無理な力が加わることはなく、組み付け時や使用中に永久磁石が破損することを防止できる。
また、永久磁石は、周方向に隣合う爪状磁極間に配置されることで回転方向への移動が規制され、爪状磁極の鍔部によって永久磁石の遠心方向への移動が規制され、磁石ケースの内周側に配置される磁石支持リングによって径方向内側への移動が規制される。さらに、本発明に係る位置ずれ規制手段により、磁石支持リングに対し、磁石ケースを介して永久磁石の長手方向の位置ずれを規制することができるので、永久磁石の固定信頼性に優れ、エンジン振動による永久磁石の移動を確実に防止できる。
(請求項8の発明)
請求項7に記載した回転電機の回転子において、位置ずれ規制手段は、磁石支持リングに設けられた凹部あるいは孔部と、磁石ケースに設けられた凸部との凹凸嵌合によって構成されることを特徴とする。
本発明によれば、凹部あるいは孔部と凸部との凹凸嵌合による簡単な構成によって位置ずれ規制手段を実現できる。
(請求項9の発明)
請求項7に記載した回転電機の回転子において、磁石ケースは、永久磁石の長手方向の両端面を保護する一対の端板部を有し、磁石支持リングは、永久磁石の長手方向に沿った両端から磁石ケースの端板部側へ折れ曲がる一対の係止片を有し、この一対の係止片により磁石ケースを長手方向に把持することにより位置ずれ規制手段を構成することを特徴とする。
上記の構成によれば、磁石支持リングに設けられた一対の係止片により磁石ケースを長手方向に把持することで、磁石支持リングに対し永久磁石の長手方向の位置ずれを確実に防止できる。また、磁石支持リングを界磁鉄心に組み付ける際に、一対の係止片のうち、どちらか一方の係止片を予め先に折り曲げておき、その後、磁石ケースに保持された永久磁石を、磁石支持リングと爪状磁極の鍔部との間に挿入した後、他方の係止片を折り曲げる手順を取ることができる。この手順によれば、永久磁石を磁石支持リングと爪状磁極の鍔部との間に挿入する際に、磁石支持リングの係止片にストレスが加わらないため、永久磁石を長手方向に把持する一対の係止片の信頼性が向上する。
(請求項10の発明)
請求項7に記載した回転電機の回転子において、磁石ケースには、永久磁石の長手方向に沿って磁石支持リングに係合するスナップフィットが位置ずれ規制手段として設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、磁石ケースに設けたスナップフィットにより、磁石支持リングに対し容易に永久磁石の長手方向の位置ずれを規制できる。
(請求項11の発明)
請求項7〜10に記載した何れかの回転電機の回転子において、永久磁石は、径方向の内周面が磁石ケースを介して磁石支持リングに支持されると共に、その磁石支持リングの弾力を受けて、径方向の外周面の両肩部が鍔部の内周面に押圧された状態で組み付けられていることを特徴とする。
この場合、永久磁石と磁石ケースは、爪状磁極の鍔部と磁石支持リングとの間の径方向寸法に対し若干の締代を持って組み付けられる。これにより、永久磁石は、自身の内周側が磁石ケースを介して磁石支持リングに支持され、且つ、外周面の両肩部が爪状磁極の鍔部の内周面に押圧されるので、遠心力ストレスに対する永久磁石の固定がより確実となり、固定信頼性が向上する。
(請求項12の発明)
請求項7〜10に記載した何れかの回転電機の回転子において、磁石ケースは、永久磁石の全面を包囲する箱状に設けられて、永久磁石の内周面を保護する内周ケース面が支持リングに支持されると共に、その磁石支持リングの弾力を受けて、永久磁石の外周面を保護する外周ケース面の両肩部が鍔部の内周面に押圧された状態で組み付けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、永久磁石の全面が磁石ケースにより包囲されているので、永久磁石の組み付け時に永久磁石が直接爪状磁極や磁石支持リングに当たることはなく、永久磁石の破損を防止できる。また、磁石ケースは、外周ケース面の両肩部が鍔部の内周面に押圧された状態で組み付けられているので、遠心力ストレスに対する固定信頼性が向上すると共に、万が一、永久磁石が破損した場合でも、磁石ケースによって永久磁石の破片が飛散することを防止できる。
(請求項13の発明)
請求項7〜11に記載した何れかの回転電機の回転子において、永久磁石の周方向側面と爪状磁極の周方向側面との間に含浸材が充填されていることを特徴とする。
例えば、永久磁石の周方向の幅寸法を、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間の周方向寸法より若干小さく形成することで、周方向に隣合う爪状磁極同士の側面間に永久磁石を挿入する際に、永久磁石に無理な力が加わらないため、永久磁石の欠けや破損を防止できる。但し、この場合、永久磁石の側面と爪状磁極の側面との間に隙間が生じるため、その隙間を含浸材(例えばエポキシ樹脂)で埋めることにより、永久磁石をより安定した状態で保持できるので、永久磁石の固定信頼性が向上する。
(請求項14の発明)
請求項12に記載した回転電機の回転子において、磁石ケースの周方向ケース面と爪状磁極の周方向側面との間に含浸材が充填されていることを特徴とする。
磁石ケースの周方向ケース面と爪状磁極の周方向側面との間に隙間が生じる場合、その隙間を含浸材(例えばエポキシ樹脂)で埋めることにより、磁石ケースに収容された永久磁石をより安定した状態で保持できるので、永久磁石の固定信頼性が向上する。
(請求項15の発明)
請求項7〜12に記載した何れかの回転電機の回転子において、磁石ケースと爪状磁極および磁石支持リングとの間に含浸材が充填されていることを特徴とする。
磁石ケースと爪状磁極および磁石支持リングとの間に隙間が生じる場合は、その隙間に含浸材(例えばエポキシ樹脂)を充填することで、磁石ケースを介して永久磁石をより安定した状態で保持できるので、永久磁石の固定信頼性が向上する。
(請求項16の発明)
請求項7〜12に記載した何れかの回転電機の回転子において、磁石ケースと永久磁石、爪状磁極、および磁石支持リングとの間に含浸材が充填されていることを特徴とする。 磁石ケースと永久磁石、爪状磁極、および磁石支持リングとの間に隙間が生じる場合は、その隙間に含浸材(例えばエポキシ樹脂)を充填することで、磁石ケースおよび永久磁石をより安定した状態で保持できるので、永久磁石の固定信頼性が向上する。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例1〜3により詳細に説明する。
実施例1では、本発明の回転電機の一例を車両用交流発電機に適用して説明する。
図1は、車両用交流発電機の界磁として働く回転子1の断面図である。
回転子1は、図示しないハウジングに軸受(図示せず)を介して回転自在に支持される回転軸2と、この回転軸2に固定される一対の界磁鉄心3(3A、3B)と、この一対の界磁鉄心3に巻装される界磁巻線4と、一対の界磁鉄心3の軸方向両端面に固定される冷却ファン5、6と、一対の界磁鉄心3に組み込まれる複数個(本実施例では16個)の永久磁石(以下、磁石7と略す)と、この磁石7を径方向の内周側から支持する磁石支持リング8等より構成される。
回転軸2は、軸方向の一方(図示左側)の端部にプーリ(図示せず)が取り付けられ、ベルト伝動によりエンジンの回転動力が伝達されて回転する。
一対の界磁鉄心3は、同一形状を有する一方の界磁鉄心3Aと、他方の界磁鉄心3Bとを軸方向に組み合わせて構成される。
一方の界磁鉄心3Aと他方の界磁鉄心3Bは、図2に示す様に、径方向の中央部に貫通孔3aを有するコアハブ3bと、このコアハブ3bの径方向外周部から軸方向に突き出る複数(本実施例では8個)の爪状磁極3cとが設けられている。
コアハブ3bには、軸方向の片側に突き出るボス部3b1 (図1参照)が一体に設けられ、このボス部3b1 と複数の爪状磁極3cとの間に、界磁巻線4を巻装するための巻線スペースが確保されている。
複数の爪状磁極3cは、コアハブ3bに対し周方向に等間隔に設けられ、コアハブ3bに連なる基端部から先端部へ向かって周方向の幅が次第に狭くなる略V字形状に設けられている。また、各爪状磁極3cには、図2に示す様に、周方向の両側面外周部から、それぞれ周方向へ突き出る一対の鍔部3c1 が設けられている。
界磁鉄心3Aと界磁鉄心3Bは、図1に示す様に、両者のボス部3b1 の端面同士を軸方向に突き合わせて、互いの爪状磁極3c同士が周方向に所定の間隔を有して交互に噛み合う様に組み合わされ、コアハブ3bの貫通孔3aに回転軸2を挿通して回転軸2に固定されている。
界磁巻線4は、図1に示す様に、界磁鉄心3A、3Bの両ボス部3b1 の外周に絶縁性を有するスプール9を介して巻回されている。界磁巻線4の巻き始めおよび巻き終わりの両端部は、それぞれリード線10、11に接続され、このリード線10、11を介して、回転軸2の他方の端部(反プーリ側の端部)に設けられる一組のスリップリング12に電気的に接続されている。この界磁巻線4には、スリップリング12の外周に配置されるブラシ(図示せず)を介してバッテリ(図示せず)から界磁電流が供給される。界磁巻線4に界磁電流が流れると、一方の界磁鉄心3Aに設けられた複数の爪状磁極3cが全てS極(またはN極)に磁化され、他方の界磁鉄心3Bに設けられた複数の爪状磁極3cが全てN極(またはS極)に磁化される。
冷却ファン5、6は、一方の界磁鉄心3Aのコアハブ3bの端面に抵抗溶接等により固定されるフロント側の冷却ファン5と、他方の界磁鉄心3Bのコアハブ3bの端面に抵抗溶接等により固定されるリヤ側の冷却ファン6とを有する。
磁石7は、爪状磁極3cに設けられた鍔部3c1 と、爪状磁極3cの内周側に配置される磁石支持リング8との間の径方向寸法と、周方向に隣合う爪状磁極3c同士の側面間の周方向寸法とで規定される磁石挿入スペースに挿入され、爪状磁極3cの側面と対向する磁石側面が、その爪状磁極3cと同極となる様に着磁される。つまり、磁石7を挟んで隣合う爪状磁極3c間の漏洩磁束を減少させる向きに着磁される。この磁石7は、例えば、希土類磁石やフェライト焼結磁石等を使用することができ、その全体形状が略直方体に形成されている(図3、図4参照)。
磁石支持リング8は、非磁性体であるステンレスあるいは樹脂等により形成され、図4に示す様に、複数個の磁石7を個々に支持する複数(本実施例では16個)の磁石支持部8aと、この複数の磁石支持部8aを環状に連結する連結部8bとを有している。
磁石支持部8aは、磁石7を支持する面、つまり、磁石7との当接面が平坦面であり、且つ、磁石7の長手方向に相当する方向の長さが、連結部8bの幅(磁石支持リング8の周方向と直交する方向の寸法)より長く設けられている。なお、磁石支持部8aの長さを、磁石7の長さより長くしても良いが、不必要に長くしても材料が無駄になるだけであるため、必ずしも、磁石7の長さより長くする必要はない。つまり、磁石7を安定的に支持できるのであれば、磁石7の長さより短くしても良い。磁石支持部8aの一例として、磁石支持部8aによって支持される磁石7の内周面の形状および面積と略等しい形状および面積を有することもできる。
この磁石支持部8aは、図4に示す様に、連結部8bに対し周方向に所定の傾きを有して配置され、且つ、隣合う磁石支持部8a同士が互いに逆方向に傾いている。つまり、複数の磁石支持部8aは、磁石7の組み付け方向に対応して、一つ置きに同方向に傾斜している。
また、磁石支持部8aは、磁石7の長手方向に相当する方向の両端部に、それぞれガイド部8cが設けられている。このガイド部8cは、上記の磁石挿入スペースへ磁石7を挿入する際に、磁石7の角部が爪状磁極3cや磁石支持部8aの端部に当たらない様に、磁石支持リング8の径方向内側へ折り曲げられている。すなわち、ガイド部8cは、磁石7を磁石挿入スペースへ挿入し易くするために設けられている。なお、ガイド部8cは、必ずしも磁石支持部8aの両端部に設ける必要はなく、磁石7の挿入方向が一方向に特定されていれば、その方向に合わせて、どちらか一方の端部だけに設けても良い。
連結部8bは、爪状磁極3cの内周面に沿って円弧状に配置され、且つ、図1に示す様に、一方の爪状磁極3cの内周面に形成された段差と、他方の爪状磁極3cの内周面に形成された段差との間に配置されて、両段差により軸方向(図1の左右方向)の移動が規制されている。但し、界磁鉄心3Aと界磁鉄心3Bとを組み合わせた時に、両者のボス部3b1 同士の端面間に隙間(エアギャップ)が生じることがない様に、両段差の間で連結部8bが軸方向に少し移動できる様に構成されている。
つまり、連結部8bは、図4に示す様に、幅方向の一辺側(図示上側辺)に凹み8b1 が形成されている部分と、凹み8b1 の無い部分とが磁石支持部8aを挟んで交互に設けられ、凹み8b1 を有する部分の幅が、凹み8b1 の無い部分より若干小さく形成されている。従って、連結部8bの幅方向の他辺側を爪状磁極3cの一方の段差に当接させた時に、凹み8b1 を有する一辺側と爪状磁極3cの他方の段差との間に若干隙間が確保される。これにより、連結部8bの幅によって一対の界磁鉄心3の軸方向位置が影響を受けることはなく、界磁鉄心3Aのボス部3b1 と界磁鉄心3Bのボス部3b1 とを軸方向に確実に当接させて、両ボス部3b1 の間にエアギャップの無い磁気回路を形成できる。
次に、磁石7の組み付け方法について説明する。
磁石7は、磁石支持リング8に予め固着されている訳ではなく、磁石支持リング8とは別に組み付けられる。すなわち、磁石支持リング8は、磁石7を組み付ける前に、一対の界磁鉄心3を組み合わせた状態で、予め爪状磁極3cの内周側に配置される。その後、図3に示す様に、磁石7を自身の長手方向から磁石挿入スペースに挿入して組み付ける。この時、磁石7は、磁石支持リング8に対し、本発明に係る位置ずれ規制手段によって長手方向(磁石7の挿入方向)の移動が規制される。
位置ずれ規制手段は、図5に示す様に、磁石支持リング8の磁石支持部8aに形成された孔部8dと、磁石7に設けられた凸部7aとの凹凸嵌合によって構成される。あるいは、図6に示す様に、磁石7に凹部7bを設け、この凹部7bに嵌合する凸部8eを磁石支持部8aに設けても良い。
また、磁石7は、爪状磁極3cの鍔部3c1 と磁石支持リング8の磁石支持部8aとの間の径方向寸法に対し若干の締代を持って挿入される。すなわち、磁石7は、図7に示す様に、径方向の内周面が磁石支持部8aに当接して支持された状態で、外周面の両肩部が、爪状磁極3cに設けられた鍔部3c1 の内面に押圧されて遠心方向(径方向外側)への移動が規制される。
さらに、磁石7は、磁石挿入スペースへ無理なく挿入できる様に、磁石7の周方向寸法が、周方向に隣合う爪状磁極3c同士の側面間の周方向寸法より若干小さく形成されている。このため、図7に示した様に、磁石7の周方向側面と、爪状磁極3cの周方向側面との間に隙間Sを生じるが、この隙間Sは、図8に示す様に、エポキシ樹脂等の含浸材13を充填して埋めることも出来る。
(実施例1の効果)
磁石7が挿入される磁石挿入スペースの寸法および位置は、界磁鉄心3に設けられる爪状磁極3cの加工精度や組み付け精度に大きく影響される。言い換えると、爪状磁極3cの加工精度や組み付け精度にばらつきが生じると、複数箇所の磁石挿入スペースがそれぞれ異なった寸法にばらつきを生じる恐れがある。これに対し、本実施例の回転子1は、複数の磁石7が磁石支持リング8に予め固着されている訳ではないので、磁石支持リング8を爪状磁極3cの内周側に配置した状態で、その後、複数の磁石7を個々に磁石挿入スペースに挿入して組み付けることができる。このため、爪状磁極3cの加工精度や組み付け精度にばらつきがあっても、各磁石挿入スペースの寸法および位置に応じて、複数の磁石7を個々に磁石挿入スペースに挿入して組み付けることができる。
上記の構成によれば、磁石7に無理な力が加わらないため、組み付け時や使用中等に磁石7が破損することを防止できる。その結果、複数の磁石7が予め磁石支持リング8に固着されている従来技術(特許文献1)と比較した場合に、本実施例では磁石アセンブリを構成する必要がないので、複数の磁石7と磁石支持リング8との位置関係を精度良く位置決めする必要はなく、且つ、界磁鉄心3側の部品精度及び組み付け精度を高くする必要もないので、その分、コストを低く抑えることができる。
また、本実施例の磁石7は、本発明の位置ずれ規制手段によって、磁石支持部8aに対する長手方向(磁石7の組み付け方向)の位置ずれを防止できる。つまり、図5に示した様に、磁石7に設けられた凸部7aを、磁石支持部8aに形成された孔部8dに嵌め合わせることで、磁石支持部8aに対し磁石7を長手方向に位置決めできるので、エンジン振動等による磁石7の移動を確実に防止できる。
さらに、磁石7は、爪状磁極3cの鍔部3c1 と磁石支持リング8の磁石支持部8aとの間の径方向寸法に対し若干の締代を持って挿入される。すなわち、磁石7は、内周側が磁石支持部8aにより支持されると共に、磁石支持リング8の弾力を受けて、径方向の外周面の両肩部が爪状磁極3cの鍔部3c1 の内周面に押圧された状態で組み付けられる。これにより、遠心力ストレスに対する磁石7の固定信頼性が向上する。
また、磁石7は、周方向に隣合う爪状磁極3c間に多少の隙間S(図7参照)を有して挿入されるが、磁石7の側面と爪状磁極3cの側面との間に生じる隙間Sに含浸材13(図8参照)を充填することにより、回転方向への移動を防止できる。
図9は本発明に係る位置ずれ規制手段の構成を示す斜視図である。
本実施例の磁石支持リング8は、図9に示す様に、磁石7の長手方向に沿った磁石支持部8aの両端から磁石7の長手方向の端面側へ折れ曲がる一対の係止片8fを有し、この一対の係止片8fにより、本発明の位置ずれ規制手段が構成される。
一対の係止片8fは、図10に示す様に、どちらか一方の係止片8fを予め先に折り曲げておき、磁石挿入スペースへ磁石7を挿入して組み付けた後、他方の係止片8fを折り曲げることにより、磁石7を長手方向に把持することができる。この組み付け手順によれば、磁石7を磁石挿入スペースへ挿入する際に、係止片8fにストレスが加わらないため、一対の係止片8fにより磁石7を把持する機能が低下することはなく、係止片8fの信頼性が向上する。
図11は磁石支持リング8と、磁石7を内部に収容する磁石ケース14の斜視図である。本実施例は、図11に示す様に、磁石7を保護するための磁石ケース14を有し、この磁石ケース14に設けられる凸部14aと、磁石支持リング8の磁石支持部8aに形成される孔部8dとで本発明の位置ずれ規制手段を構成している。
磁石ケース14は、例えば、ステンレス、樹脂等の非磁性材料によって箱状に形成され、その内部に磁石7を収容することで磁石7の全面を覆っている。この磁石ケース14は、図12に示す様に、磁石支持部8aに形成された孔部8dに、磁石ケース14に設けられた凸部14aが嵌合することにより、磁石支持部8aに対し磁石ケース14を位置決めでき、結果的に、磁石支持部8aに対する磁石7の長手方向の位置ずれを規制できる。
なお、磁石ケース14は、爪状磁極3cの鍔部3c1 と磁石支持リング8の磁石支持部8aとの間の径方向寸法に対し若干の締代を持って挿入される。すなわち、磁石ケース14は、図13に示す様に、磁石7の内周面を保護する内周ケース面が磁石支持リング8の磁石支持部8aに支持されると共に、磁石支持リング8の弾力を受けて、磁石7の外周面を保護する外周ケース面の両肩部が爪状磁極3cに設けられる鍔部3c1の内周面に押圧された状態で組み付けられる。
また、磁石ケース14は、磁石挿入スペースへ無理なく挿入できる様に、磁石ケース14の周方向寸法が、周方向に隣合う爪状磁極3c同士の側面間の周方向寸法より若干小さく形成されている。このため、図13に示した様に、磁石ケース14の周方向側面と、爪状磁極3cの周方向側面との間に隙間Sを生じるが、この隙間Sは、図14に示す様に、エポキシ樹脂等の含浸材13を充填して埋めることも出来る。
本実施例の磁石7は、箱状に形成された磁石ケース14の内部に収容されるので、遠心力ストレスに対する強度が増すと共に、万が一、磁石7が破損した場合でも、磁石7の破片が飛散することを防止できる。
さらに、本実施例では、磁石ケース14に設けた凸部14aを、磁石支持部8aに形成された孔部8dに嵌め込む構成であるので、磁石7自体に凸部や凹部等の加工を行う必要はない。また、実施例1に記載した様に、磁石7に凸部7aまたは凹部7bを設けて、磁石支持部8aに形成された孔部8dまたは凸部8eと嵌合させる方法では、両者の凹凸嵌合の際に、磁石7の凸部7aや凹部7bにストレスが加わるため、磁石7の一部(特に、凸部7aや凹部7bの角部等)が破損する恐れもあるが、本実施例では、その心配はなく、組み付け時に磁石7が破損することはない。
図15は磁石支持リング8と、磁石7を内部に収容する磁石ケース14の斜視図である。本実施例は、本発明の位置ずれ規制手段として、図15に示す様に、磁石ケース14にスナップフィット14bを設けた一例である。スナップフィット14bは、弾性を利用した周知の締結手段であり、図16に示す様に、磁石支持部8aの長手方向(図示左右方向)に沿って磁石支持部8aに係合することで、磁石支持部8aに対する磁石7の長手方向の位置ずれを規制できる。
本実施例の構成おいても、実施例3の場合と同様に、磁石7自体に凸部7aや凹部7b等の加工を行う必要がないので、組み付け時に磁石7の一部(特に、凸部7aや凹部7bの角部等)が破損する恐れはない。
なお、図15では、磁石ケース14にスナップフィット14bを設けているが、磁石支持リング8の磁石支持部8aにスナップフィットを設け、そのスナップフィットに嵌合する嵌合孔を磁石ケース14に設ける等により位置ずれを規制することもできる。
図17は位置ずれ規制手段の構成を示す断面図である。
本実施例の位置ずれ規制手段は、実施例2の場合と同様に、磁石支持部8aの両端に一対の係止片8fを設けて、この一対の係止片8fを磁石ケース14の端面14c(本発明の端板部)側へ折り曲げて、磁石ケース14を長手方向に把持する構成である。
上記の実施例2では、磁石ケース14を有していない場合、つまり、磁石7が裸の状態で一対の係止片8fに把持される構成を説明したが、図17に示す様に、磁石ケース14の内部に磁石7が収容される構成でも、実施例2に記載した一対の係止片8fによる位置ずれ規制手段を適用することが出来る。
図18は位置ずれ規制手段の構成を示す断面図である。
実施例3〜5に記載した磁石ケース14は、磁石7の全面を包囲する箱状に形成されているが、磁石ケース14に位置ずれ規制手段の機能を持たせるためには、例えば、少なくとも磁石7の内周面を保護する略板状の磁石ケース14であっても良い。但し、磁石ケース14が略板状の場合は、その磁石ケース14に磁石7を接着剤などにより固定する必要はある。
本実施例の位置ずれ規制手段としては、図18に示す様に、磁石ケース14に設けた凸部14aを磁石支持部8aに形成された孔部8dに嵌合させる方法(実施例3に記載した方法)、または、磁石ケース14に弾力を利用したスナップフィットを設けて、そのスナップフィットを磁石支持部8aに係合させる方法(実施例4に記載した方法)を用いることができる。
(変形例)
実施例1では、磁石支持リング8を爪状磁極3cの内周側に予め配置してから、その後、磁石7を自身の長手方向から磁石挿入スペースに挿入して組み付ける手順を説明したが、磁石支持部8aに対する磁石7の長手方向の位置ずれを規制した状態で、磁石支持リング8と磁石7とを一体に界磁鉄心3へ組み付けることもできる。これは、実施例2の場合でも同じである。つまり、磁石支持リング8を爪状磁極3cの内周側に配置する前に、磁石支持部8aに磁石7をセットし、一対の係止片8fをそれぞれ折り曲げて磁石7を把持した状態で、その両者を一体に界磁鉄心3に組み付けることができる。
また、磁石ケース14を有する場合でも、上記と同様に、磁石支持部8aに対し磁石ケース14を長手方向に位置決めした状態で、磁石支持リング8と磁石ケース14とを一体に界磁鉄心3へ組み付けることもできる。
実施例1では、磁石支持リング8の磁石支持部8aを平坦面として説明したが、連結部8bと同じ曲率を有する円弧状に形成することもできる。この場合、磁石7あるいは磁石ケース14と磁石支持部8aとの間に生じる隙間は、エポキシ樹脂等の含浸材13を充填して埋めることで、磁石7あるいは磁石ケース14をより安定した状態で保持できる。
回転電機の回転子の断面図である。 回転子の斜視図である。 回転子の側面図である。 磁石支持リングと磁石の斜視図である(実施例1)。 位置決め規制手段の構成を示す断面図である(実施例1)。 位置決め規制手段の構成を示す断面図である(実施例1)。 爪状磁極と磁石および磁石支持リングの断面図である(実施例1)。 爪状磁極と磁石および磁石支持リングの断面図である(実施例1)。 位置決め規制手段の構成を示す斜視図である(実施例2)。 位置決め規制手段の構成を示す断面図である(実施例2)。 磁石支持リングと磁石ケースの斜視図である(実施例3)。 位置決め規制手段の構成を示す断面図である(実施例3)。 爪状磁極と磁石ケースに収容された磁石および磁石支持リングの断面図である(実施例3)。 爪状磁極と磁石ケースに収容された磁石および磁石支持リングの断面図である(実施例3)。 磁石支持リングと磁石ケースの斜視図である(実施例4)。 位置決め規制手段の構成を示す断面図である(実施例4)。 位置決め規制手段の構成を示す断面図である(実施例5)。 位置決め規制手段の構成を示す断面図である(実施例6)。
符号の説明
1 回転子
2 回転軸
3 界磁鉄心
3A 一方の界磁鉄心
3B 他方の界磁鉄心
3c 爪状磁極
3c1 爪状磁極の鍔部
4 界磁巻線
7 磁石(永久磁石)
7a 磁石に設けられた凸部(位置ずれ規制手段)
8 磁石支持リング
8a 磁石支持リングの磁石支持部
8b 磁石支持リングの連結部
8d 磁石支持部に形成された孔部(位置ずれ規制手段)
8e 磁石支持部に設けられた凸部(位置ずれ規制手段)
8f 磁石支持部に設けられた一対の係止片(位置ずれ規制手段)
13 含浸材
14 磁石ケース
14a 磁石ケースに設けられた凸部(位置ずれ規制手段)
14b 磁石ケースに設けられたスナップフィット(位置ずれ規制手段)
14c 磁石ケースの端面(端板部)

Claims (16)

  1. 互いに複数の爪状磁極を有し、その互いの爪状磁極同士が周方向に所定の間隔を有して交互に噛み合う様に組み合わされる一対の界磁鉄心と、
    この一対の界磁鉄心に巻装される界磁巻線と、
    周方向に隣合う前記爪状磁極同士の側面間に配設され、その隣合う前記爪状磁極間の漏洩磁束を減少させる向きに着磁される複数の永久磁石と、
    この複数の永久磁石の内周側に配置される非磁性体の環状体であって、前記永久磁石を内周側から支持する磁石支持リングとを備え、
    前記爪状磁極には、周方向の側面外周部から周方向へ突き出る鍔部が設けられ、この鍔部により、前記永久磁石の遠心方向への移動が規制される回転電機の回転子であって、
    前記磁石支持リングに対し、前記爪状磁極の側面に沿った前記永久磁石の長手方向の位置ずれを規制する位置ずれ規制手段を有することを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 請求項1に記載した回転電機の回転子において、
    前記位置ずれ規制手段は、前記磁石支持リングと前記永久磁石のどちらか一方に設けられた凹部あるいは孔部と、他方に設けられた凸部との凹凸嵌合によって構成されることを特徴とする回転電機の回転子。
  3. 請求項1に記載した回転電機の回転子において、
    前記磁石支持リングは、前記永久磁石の長手方向に沿った両端から前記永久磁石の長手方向の端面側へ折れ曲がる一対の係止片を有し、この一対の係止片により前記永久磁石を長手方向に把持することにより前記位置ずれ規制手段を構成することを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 請求項1〜3に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記永久磁石は、径方向の内周面が前記磁石支持リングに支持されると共に、その磁石支持リングの弾力を受けて、径方向の外周面の両肩部が前記鍔部の内周面に押圧された状態で組み付けられることを特徴とする回転電機の回転子。
  5. 請求項1〜4に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記永久磁石の周方向側面と前記爪状磁極の周方向側面との間に含浸材が充填されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  6. 請求項1〜4に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記永久磁石と前記爪状磁極および前記磁石支持リングとの間に含浸材が充填されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  7. 互いに複数の爪状磁極を有し、その互いの爪状磁極同士が周方向に所定の間隔を有して交互に噛み合う様に組み合わされる一対の界磁鉄心と、
    この一対の界磁鉄心に巻装される界磁巻線と、
    周方向に隣合う前記爪状磁極同士の側面間に配設され、その隣合う前記爪状磁極間の漏洩磁束を減少させる向きに着磁される複数の永久磁石と、
    この永久磁石の少なくとも内周面を保護すると共に、前記永久磁石を長手方向に保持する非磁性部材からなる磁石ケースと、
    この磁石ケースの内周側に配置される非磁性体の環状体であって、前記磁石ケースを介して前記永久磁石を内周側から支持する磁石支持リングとを備え、
    前記爪状磁極には、周方向の側面外周部から周方向へ突き出る鍔部が設けられ、この鍔部により、前記永久磁石の遠心方向への移動が規制される回転電機の回転子であって、
    前記磁石支持リングに対し、前記磁石ケースを介して、前記爪状磁極の側面に沿った前記永久磁石の長手方向の位置ずれを規制する位置ずれ規制手段を有することを特徴とする回転電機の回転子。
  8. 請求項7に記載した回転電機の回転子において、
    前記位置ずれ規制手段は、前記磁石支持リングに設けられた凹部あるいは孔部と、前記磁石ケースに設けられた凸部との凹凸嵌合によって構成されることを特徴とする回転電機の回転子。
  9. 請求項7に記載した回転電機の回転子において、
    前記磁石ケースは、前記永久磁石の長手方向の両端面を保護する一対の端板部を有し、 前記磁石支持リングは、前記永久磁石の長手方向に沿った両端から前記磁石ケースの端板部側へ折れ曲がる一対の係止片を有し、この一対の係止片により前記磁石ケースを長手方向に把持することにより前記位置ずれ規制手段を構成することを特徴とする回転電機の回転子。
  10. 請求項7に記載した回転電機の回転子において、
    前記磁石ケースには、前記永久磁石の長手方向に沿って前記磁石支持リングに係合するスナップフィットが前記位置ずれ規制手段として設けられていることを特徴とする回転電機の回転子。
  11. 請求項7〜10に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記永久磁石は、径方向の内周面が前記磁石ケースを介して前記磁石支持リングに支持されると共に、その磁石支持リングの弾力を受けて、径方向の外周面の両肩部が前記鍔部の内周面に押圧された状態で組み付けられていることを特徴とする回転電機の回転子。
  12. 請求項7〜10に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記磁石ケースは、前記永久磁石の全面を包囲する箱状に設けられて、前記永久磁石の内周面を保護する内周ケース面が前記支持リングに支持されると共に、その磁石支持リングの弾力を受けて、前記永久磁石の外周面を保護する外周ケース面の両肩部が前記鍔部の内周面に押圧された状態で組み付けられていることを特徴とする回転電機の回転子。
  13. 請求項7〜11に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記永久磁石の周方向側面と前記爪状磁極の周方向側面との間に含浸材が充填されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  14. 請求項12に記載した回転電機の回転子において、
    前記磁石ケースの周方向ケース面と前記爪状磁極の周方向側面との間に含浸材が充填されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  15. 請求項7〜12に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記磁石ケースと前記爪状磁極および前記磁石支持リングとの間に含浸材が充填されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  16. 請求項7〜12に記載した何れかの回転電機の回転子において、
    前記磁石ケースと前記永久磁石、前記爪状磁極、および前記磁石支持リングとの間に含浸材が充填されていることを特徴とする回転電機の回転子。
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