以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、図1に示す中心軸Jの軸方向と平行な方向とする。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって図1の左右方向とする。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。また、中心軸Jを中心とする周方向は、θZ方向とする。θZ方向は、−Z側から+Z側に向かって視て時計回りを正の向きとし、−Z側から+Z側に向かって視て反時計回りを負の向きとする。
また、以下の説明においては、中心軸Jの延びる方向(Z軸方向)を上下方向とする。Z軸方向の正の側(+Z側)を「上側(軸方向上側)」と呼び、Z軸方向の負の側(−Z側)を「下側」と呼ぶ。なお、上下方向、上側および下側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向(θZ方向)、すなわち、中心軸Jの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。
また、θZ方向の正の向きに進む側(+θZ側,周方向一方側)を、「駆動側」と呼び、θZ方向の負の向きに進む側(−θZ側,周方向他方側)を、「反駆動側」と呼ぶ。なお、駆動側および反駆動側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の駆動方向を限定しない。
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向(Z軸方向)に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向(Z軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のモータ10を示す断面図である。本実施形態のモータ10は、図1に示すように、ハウジング20と、シャフト31を有するロータ30と、ステータ40と、下側ベアリング(軸受)51と、上側ベアリング(軸受)52と、バスバーユニット60と、を備える。
ハウジング20は、ロータ30と、ステータ40と、下側ベアリング51と、上側ベアリング52と、バスバーユニット60と、を収容する。ハウジング20は、下側ハウジング21と、上側ハウジング22と、を有する。下側ハウジング21は、軸方向両側(±Z側)に開口する筒状である。上側ハウジング22は、下側ハウジング21の上側(+Z側)の端部に固定されている。上側ハウジング22は、ロータ30およびステータ40の上側を覆う。
ステータ40は、下側ハウジング21の内側に保持されている。ステータ40は、ロータ30の径方向外側に位置する。ステータ40は、コアバック部41と、ティース部42と、コイル43と、ボビン44と、を有する。コアバック部41の形状は、例えば、中心軸Jと同心の円筒状である。コアバック部41の外側面は、下側ハウジング21の内側面に固定されている。
ティース部42は、コアバック部41の内側面からシャフト31に向かって延びている。図示は省略するが、ティース部42は、複数設けられ、周方向に均等な間隔で配置されている。ボビン44は、各ティース部42に装着されている。コイル43は、ボビン44を介して各ティース部42に巻き回されている。
バスバーユニット60は、ステータ40の上側(+Z側)に位置する。バスバーユニット60は、コネクタ部62を有する。コネクタ部62には、図示しない外部電源が接続される。バスバーユニット60は、ステータ40のコイル43と電気的に接続される配線部材を有する。配線部材は、一端がコネクタ部62を介してモータ10の外部に露出する。これにより、配線部材を介して、外部電源からコイル43に電源が供給される。バスバーユニット60は、ベアリング保持部61を有する。
下側ベアリング51および上側ベアリング52は、シャフト31を支持する。下側ベアリング51は、ステータ40よりも下側(−Z側)に位置する。下側ベアリング51は、下側ハウジング21に保持されている。上側ベアリング52は、ステータ40よりも上側(+Z側)に位置する。上側ベアリング52は、バスバーユニット60のベアリング保持部61に保持されている。
ロータ30は、シャフト31と、ロータ本体部32と、を有する。シャフト31は、上下方向(Z軸方向)に延びる中心軸Jを中心とする。ロータ本体部32は、シャフト31の径方向外側に位置する。本実施形態においてロータ本体部32は、シャフト31の外周面に固定されている。本実施形態においてロータ30は、例えば、上側(+Z側)から視て、中心軸Jを中心に反時計回り、すなわち、反駆動側(−θZ側)から駆動側(+θZ側)に回転する。
図2および図3は、ロータ30を示す斜視図である。図4は、ロータ30を示す図であって、図1におけるIV−IV断面図である。図5は、図4の部分拡大図である。図6は、ロータ30の部分を示す斜視図である。図6においては、永久磁石33Aの図示を省略している。
ロータ本体部32は、図2から図4に示すように、複数の永久磁石33A,33Bと、複数のコアピース部34N,34Sと、モールド樹脂部35と、を有する。すなわち、ロータ30は、複数の永久磁石33A,33Bと、複数のコアピース部34N,34Sと、モールド樹脂部35と、を有する。
永久磁石33A,33Bは、コアピース部34N,34Sを励磁する。図4に示すように、永久磁石33Aと永久磁石33Bとは、周方向に沿って交互に配置されている。永久磁石33A,33Bは、後述する磁石挿入穴部38に挿入されている。永久磁石33A,33Bは、周方向に沿って配置される2つの磁極を有する。永久磁石33Aは、例えば、駆動側(+θZ側)にN極を有し、反駆動側(−θZ側)にS極を有する。永久磁石33Bは、例えば、駆動側(+θZ側)にS極を有し、反駆動側(−θZ側)にN極を有する。これにより、周方向に隣り合う永久磁石33A,33Bの磁極は、周方向において互いに同極が向かい合う。
永久磁石33Aと永久磁石33Bとは、周方向における磁極の配置が異なる点を除いて同様の構成である。そのため、以下の説明においては、代表して永久磁石33Aについてのみ説明する場合がある。
図5に示すように、永久磁石33Aは、後述する磁石挿入穴部38の反駆動側(−θZ側)に位置するコアピース部34Sと直接的に接触する。そのため、永久磁石33Aがコアピース部34Sに強固に貼り付き、永久磁石33Aを磁石挿入穴部38内に安定して保持できる。本実施形態において永久磁石33Aは、磁石挿入穴部38の反駆動側の面と径方向外側の面とに接触する。永久磁石33Aは、径方向に延びる。永久磁石33Aの軸方向(Z軸方向)と直交する断面の形状は、例えば、矩形状である。
なお、本明細書において、矩形状とは、略矩形状を含む。略矩形状とは、例えば、矩形の角部が面取りされている状態を含む。図5の例では、永久磁石33Aの径方向外側の角部のうち駆動側(+θZ側)の角部である磁石角部(角部)33Aaは、面取りされている。
また、本明細書において、面取り、とは、角部が切り欠かれていることを含む。切り欠かれ方は特に限定されず、角面取りであってもよいし、丸面取りであってもよい。
本実施形態においては、永久磁石33Aは、例えば、7つ設けられている。永久磁石33Bは、例えば、7つ設けられている。
コアピース部34N,34Sは、図4に示すように、シャフト31の径方向外側に周方向に沿って配置されている。コアピース部34Nとコアピース部34Sとは、周方向に沿って交互に配置される。コアピース部34Nは、永久磁石33AのN極と永久磁石33BのN極との間に位置する。これにより、コアピース部34Nは、N極に励磁されている。コアピース部34Sは、永久磁石33AのS極と永久磁石33BのS極との間に位置する。これにより、コアピース部34Sは、S極に励磁されている。
本実施形態においてコアピース部34N,34Sは、モールド樹脂部35によってのみ互いに連結されている。すなわち、本実施形態においてはコアピース部34N,34Sを互いに連結するモールド樹脂部35以外の部分がなく、コアピース部34N,34Sは、互いに分離されている。そのため、例えば、モールド樹脂部35を樹脂モールドによって成形する場合、樹脂がコアピース部34N,34Sの間に流れやすい。また、コアピース部34N,34S内の磁束が、コアピース部34N,34Sの径方向内側に漏洩することを抑制できる。
コアピース部34Nとコアピース部34Sとは、励磁される磁極が異なる点を除いて同様の構成である。そのため、以下の説明においては、代表してコアピース部34Nについてのみ説明する場合がある。
図5に示すように、コアピース部34Nの径方向外側の角部のうち反駆動側(−θZ側)の角部であるコアピース角部(角部)34cは、面取りされている。本実施形態においては、図4に示すように、コアピース部34Nの径方向外側の角部は、例えば、周方向両側とも面取りされている。コアピース部34Nの径方向内側の端部は、永久磁石33Aの径方向内側の端部よりも径方向外側に位置する。
本実施形態においては、コアピース部34Nは、例えば、7つ設けられている。コアピース部34Sは、例えば、7つ設けられている。
モールド樹脂部35は、複数のコアピース部34N,34Sの間に位置する。モールド樹脂部35は、樹脂製である。本実施形態においてモールド樹脂部35は、複数のコアピース部34N,34Sを保持する。後述する蓋部35dを除いたモールド樹脂部35の部分は、例えば、単一の部材である。モールド樹脂部35は、例えば、金型にコアピース部34N,34Sを配置して樹脂を流し込む樹脂モールドによって成形される。
なお、本明細書において、モールド樹脂部が複数のコアピース部の間に位置する、とは、複数のコアピース部のうちのいずれか2つのコアピース部を結んだ線上に、モールド樹脂部の少なくとも一部が位置することを含む。複数のコアピース部のうちのいずれか2つのコアピース部とは、特に限定されず、周方向に隣り合う2つのコアピース部であってもよいし、シャフト31を介して、径方向に対向する2つのコアピース部であってもよい。
モールド樹脂部35は、図2に示すように、例えば、略円筒状である。モールド樹脂部35は、外側樹脂部35aと、上側カバー部(カバー部)35bと、下側カバー部35cと、蓋部35dと、を有する。また、図4に示すように、モールド樹脂部35は、内側樹脂部35eを有する。
外側樹脂部35aは、永久磁石33A,33Bの径方向外側に位置する。外側樹脂部35aは、永久磁石33A,33Bごとに複数設けられている。図5に示すように、本実施形態において外側樹脂部35aの一部は、コアピース部34Nの面取りされた部分に位置する。すなわち、本実施形態によれば、コアピース部34Nのコアピース角部34cが面取りされていることで、コアピース角部34cが面取りされていない場合に比べて、外側樹脂部35aの体積を大きくでき、外側樹脂部35aの厚みを大きくしやすい。したがって、本実施形態によれば、例えば、外側樹脂部35aに後述する外側第1ガイド部36bを設けることで、外側第1ガイド部36bを安定して作りやすい。
図4に示すように、内側樹脂部35eは、永久磁石33A,33Bおよびコアピース部34N,34Sの径方向内側に位置する部分である。内側樹脂部35eは、シャフト31の外周面に固定されている。図5に示すように、内側樹脂部35eの一部は、永久磁石33Aと径方向に重なる。
本実施形態によれば、コアピース部34Nの径方向内側の端部は、永久磁石33Aの径方向内側の端部よりも径方向外側に位置する。そのため、内側樹脂部35eにおける永久磁石33Aと径方向に重なる部分を厚くしやすい。これにより、後述する内側第1ガイド部36aを、内側樹脂部35eにおける永久磁石33Aと径方向に重なる部分に設けることで、内側第1ガイド部36aを安定して作りやすい。
図2に示すように、上側カバー部35bは、コアピース部34N,34Sの軸方向上側(+Z側)に位置する。上側カバー部35bは、例えば、円板状である。上側カバー部35bには、外側樹脂部35aの上側の端部が一体に接続されている。これにより、上側カバー部35bは、複数の外側樹脂部35aを連結する。
上側カバー部35bは、上側カバー部35bを軸方向(Z軸方向)に貫通するカバー部貫通孔35fを有する。カバー部貫通孔35fは、周方向に沿って複数設けられている。カバー部貫通孔35fは、後述する磁石挿入穴部38、および永久磁石33Aまたは永久磁石33Bと軸方向に重なる。そのため、磁石挿入穴部38に永久磁石33A,33Bが適切に挿入されていることを、カバー部貫通孔35fを介して確認できる。
下側カバー部35cは、コアピース部34N,34Sの軸方向下側(−Z側)に位置する。下側カバー部35cは、例えば、円板状である。下側カバー部35cには、外側樹脂部35aの下側の端部が一体に接続されている。これにより、下側カバー部35cは、複数の外側樹脂部35aを連結する。
図6に示すように、下側カバー部35cには、磁石挿入穴部38が設けられている。磁石挿入穴部38は、永久磁石33Aが挿入される穴である。図5に示すように、磁石挿入穴部38は、周方向に隣り合うコアピース部34N,34Sの間に位置する。すなわち、隣り合うコアピース部34N,34Sの周方向の間には、磁石挿入穴部38が設けられている。磁石挿入穴部38は、周方向に隣り合うコアピース部34N,34Sと隣接する。すなわち、磁石挿入穴部38の内側面の一部は、コアピース部34N,34Sの周方向の面である。
図6に示すように、磁石挿入穴部38は、軸方向(Z軸方向)に延びている。本実施形態においては、磁石挿入穴部38は、下側カバー部35cの下面から、上側カバー部35bの下面まで延びている。すなわち、磁石挿入穴部38の底面は、上側カバー部35bの下面である。磁石挿入穴部38の底面には、上述したカバー部貫通孔35fが設けられている。図5に示すように、磁石挿入穴部38の軸方向と直交する断面の形状は、例えば、径方向に延びる長方形状である。
本明細書において磁石挿入穴部とは、隣り合うコアピース部の対向する面同士の間隙を含む。また、本明細書において磁石挿入穴部とは、隣り合うコアピース部の対向する面同士の間隙を径方向に延長した穴を含む。また、本明細書において磁石挿入穴部とは、隣り合うコアピース部の対向する面同士の間隙を軸方向に延長した穴を含む。
例えば、図5の例では、磁石挿入穴部38は、コアピース部34Nの反駆動側(−θZ側)の反駆動側面34bとコアピース部34Sの駆動側(+θZ側)の駆動側面34aとの間隙全体を含む。また、磁石挿入穴部38は、駆動側面34aと反駆動側面34bとの間の間隙を径方向に延長した穴を含む。
図示は省略するが、図4に示す内側樹脂部35eの上側(+Z側)の端部は、上側カバー部35bに一体に接続されている。内側樹脂部35eの下側(−Z側)の端部は、下側カバー部35cに一体に接続されている。これにより、上側カバー部35bおよび下側カバー部35cを介して、内側樹脂部35eと外側樹脂部35aとが連結されている。
図3に示すように、蓋部35dは、下側カバー部35cの下側(−Z側)に取り付けられている。蓋部35dは、磁石挿入穴部38を閉塞する。
図5に示すように、モールド樹脂部35は、内側第1ガイド部(第1ガイド部)36aと、外側第1ガイド部(第1ガイド部)36bと、第2ガイド部37と、を有する。内側第1ガイド部36a、外側第1ガイド部36b、および第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38内に設けられている。すなわち、本実施形態において第1ガイド部は、磁石挿入穴部38内に少なくとも2つ設けられている。本実施形態において第2ガイド部は、磁石挿入穴部38内に少なくとも1つ設けられている。
本実施形態においては、内側第1ガイド部36a、外側第1ガイド部36b、および第2ガイド部37をモールド樹脂部35が有する。そのため、例えば、モールド樹脂部35を樹脂モールドによって成形する際に、内側第1ガイド部36a、外側第1ガイド部36b、および第2ガイド部37を同時に作ることができる。したがって、本実施形態によれば、内側第1ガイド部36a、外側第1ガイド部36b、および第2ガイド部37を設けることが容易であり、モータ10の生産性を向上できる。
内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bは、周方向において、隣り合うコアピース部34N,34Sの間の中心CL1よりも駆動側(+θZ側)に位置する。本実施形態においては、すべての磁石挿入穴部38内において、内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bは、中心CL1よりも駆動側に位置する。すなわち、すべての内側第1ガイド部36aおよびすべての外側第1ガイド部36bは、設けられる磁石挿入穴部38における中心CL1に対して、周方向の同じ側に位置する。
内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bは、磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)の面の一部を覆う。本実施形態において内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bは、磁石挿入穴部38の駆動側の面に設けられている。
内側第1ガイド部36aは、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向内側に位置する。外側第1ガイド部36bは、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向外側に位置する。すなわち、本実施形態において第1ガイド部は、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向内側と、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向外側と、に少なくとも1つずつ設けられている。
本実施形態において内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bは、永久磁石33Aと接触している。より詳細には、内側第1ガイド部36aは、永久磁石33Aの駆動側(+θZ側)の面と接触している。外側第1ガイド部36bは、永久磁石33Aの面取りされた磁石角部33Aaと接触している。そのため、磁力による貼り付きに加え、内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bによって永久磁石33Aをコアピース部34Sに固定できる。これにより、磁石挿入穴部38内において、永久磁石33Aを安定して保持できる。
図6に示すように、内側第1ガイド部36aは、磁石挿入穴部38内に突出するリブである。そのため、本実施形態のように内側第1ガイド部36aと永久磁石33Aとが接触する場合に、接触面積を小さくできる。これにより、例えば、永久磁石33Aの表面に設けられたメッキおよび永久磁石33Aに付着している鉄粉等が、永久磁石33Aから剥離することを抑制できる。したがって、磁石挿入穴部38内にコンタミネーションが生じることを抑制できる。
図5に示すように、本実施形態において内側第1ガイド部36aは、磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)の面から反駆動側(−θZ側)に突出している。本実施形態において内側第1ガイド部36aは、内側樹脂部35eに設けられている。すなわち、内側第1ガイド部36aは、モールド樹脂部35の比較的厚みが大きい部分に設けられている。そのため、リブである内側第1ガイド部36aを安定して作りやすい。また、内側第1ガイド部36aの剛性を向上できる。
内側第1ガイド部36aは、コアピース部34Nの磁石挿入穴部38と隣接する反駆動側面34bよりも径方向内側に位置する。そのため、リブである内側第1ガイド部36aをモールド樹脂部35の比較的厚みが大きい部分、すなわち、本実施形態では内側樹脂部35eに設けやすい。
図7および図8は、内側第1ガイド部36a、外側第1ガイド部36bおよび第2ガイド部37を示す断面図である。図7は、図5に示す磁石挿入穴部38内を−X側から視た図である。図8は、図5に示す磁石挿入穴部38内を−Y側から視た図である。図7および図8においては、永久磁石33Aの図示を省略している。
図7および図8に示すように、内側第1ガイド部36aは、軸方向(Z軸方向)に延びている。より詳細には、内側第1ガイド部36aは、上側カバー部35bから下側(−Z側)に延びている。すなわち、内側第1ガイド部36aは、上側カバー部35bと接続されている。そのため、リブである内側第1ガイド部36aの剛性を向上できる。
図7に示すように、内側第1ガイド部36aが突出する方向(X軸方向)と軸方向(Z軸方向)とに直交する方向(Y軸方向)において、内側第1ガイド部36aの寸法L4は、上側(+Z側)に向かうに従って大きくなる。そのため、例えば、樹脂モールドによってモールド樹脂部35および磁石挿入穴部38を成形する際に、金型を下側(−Z側)に抜きやすい。
図8に示すように、内側第1ガイド部36aが突出する方向(X軸方向)において、内側第1ガイド部36aの寸法L5は、上側(+Z側)に向かうに従って大きくなる。そのため、例えば、樹脂モールドによってモールド樹脂部35および磁石挿入穴部38を成形する際に、金型をより下側(−Z側)に抜きやすい。
図5に示すように、内側第1ガイド部36aの延びる方向(Z軸方向)と直交する断面の形状は、半円状である。そのため、内側第1ガイド部36aの断面の形状が尖った形状である場合に比べて、モールド樹脂部35を作る金型が作りやすい。また、内側第1ガイド部36aにバリが生じにくい。
また、内側第1ガイド部36aと永久磁石33Aが接触する場合、内側第1ガイド部36aに永久磁石33Aが押し付けられる場合がある。この場合において、例えば、内側第1ガイド部36aが尖った形状である等により内側第1ガイド部36aと永久磁石33Aとの接触面積が小さすぎると、内側第1ガイド部36aから永久磁石33Aに加えられる単位面積あたりの荷重が大きくなる。そのため、永久磁石33Aを挿入する際に、内側第1ガイド部36aから加えられる荷重によって永久磁石33Aの表面に設けられたメッキおよび永久磁石33Aに付着している鉄粉等が、永久磁石33Aから剥離する虞が大きくなる。
これに対して本実施形態によれば、内側第1ガイド部36aの断面形状が半円形状である。そのため、内側第1ガイド部36aに永久磁石33Aが押し付けられた場合に、内側第1ガイド部36aが弾性変形することで、永久磁石33Aと第1ガイド部36aとの接触面積をある程度確保しやすい。これにより、永久磁石33Aに加えられる単位面積あたりの荷重が大きくなることを抑制できる。したがって、永久磁石33Aの表面に設けられたメッキおよび永久磁石33Aに付着している鉄粉等が、永久磁石33Aから剥離することを抑制できる。したがって、磁石挿入穴部38内にコンタミネーションが生じることをより抑制できる。
なお、本明細書において、半円状とは、例えば、半楕円状も含む。また、本明細書において、半円状とは、円の中心を通る線に沿って円を半分にした形状と、円の中心からずれた位置を通る線に沿って円を切断した部分の形状と、を含む。
外側第1ガイド部36bは、磁石挿入穴部38の径方向外側の角部のうち駆動側(+θZ側)の角部に位置する。ここで、本実施形態においては、上述したように永久磁石33Aの磁石角部33Aaは、面取りされている。そのため、本実施形態のように外側第1ガイド部36bが磁石挿入穴部38の角部に設けられる場合であっても、永久磁石33Aを外側第1ガイド部36bに接触させつつ、磁石挿入穴部38の径方向外側の面に接触させやすい。したがって、永久磁石33Aを磁石挿入穴部38内において安定して保持しやすい。
外側第1ガイド部36bは、コアピース部34Nの反駆動側面34bよりも径方向外側に位置する。外側第1ガイド部36bは、外側樹脂部35aに設けられている。図6および図7に示すように、外側第1ガイド部36bは、例えば、磁石挿入穴部38の軸方向(Z軸方向)の全体に亘って延びる三角柱状である。
第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向内側に位置する。第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38の径方向内方側の面の一部を覆う。本実施形態において第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38の径方向内側の面に設けられている。
本実施形態によれば、第2ガイド部37が設けられることで、磁石挿入穴部38内において永久磁石33Aを径方向の第2ガイド部37と逆側に寄せて配置できる。そのため、永久磁石33A,33Bの径方向位置を揃えやすく、周方向および径方向において、ロータ30を通る磁束のバランス、および重心バランスを安定させやすい。
また、本実施形態においては、第2ガイド部37は磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向内側に位置するため、磁石挿入穴部38内において永久磁石33Aを径方向外側に寄せて配置できる。これにより、永久磁石33Aをロータ30の径方向外側に位置するステータ40により近づけることができる。したがって、本実施形態によれば、永久磁石33Aとステータ40との間に働く磁力を大きくできる。その結果、モータ10の回転トルクを向上できる。
本実施形態において第2ガイド部37は、永久磁石33Aと接触している。より詳細には、第2ガイド部37は、永久磁石33Aの径方向内側の面と接触している。そのため、永久磁石33Aを安定して径方向外側に寄せて配置できる。
本実施形態において第2ガイド部37は、例えば、隣り合うコアピース部34N,34Sの周方向の中心に位置する。すなわち、本実施形態において第2ガイド部37の周方向の中心は、隣り合うコアピース部34N,34Sの周方向の間の中心CL1と周方向において一致する。そのため、第2ガイド部37は、永久磁石33Aの径方向内側の面における周方向の中心近傍と接触する。これにより、本実施形態によれば、永久磁石33Aを径方向内側から安定して支持しやすい。
図6に示すように、第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38内に突出するリブである。図5に示すように、本実施形態において第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38の径方向内側の面から径方向外側に突出している。第2ガイド部37は、内側樹脂部35eに設けられている。第2ガイド部37は、コアピース部34Nの磁石挿入穴部38と隣接する反駆動側面34bよりも径方向内側に位置する。
図7および図8に示すように、第2ガイド部37は、軸方向(Z軸方向)に延びている。より詳細には、第2ガイド部37は、上側カバー部35bから下側(−Z側)に延びている。図8に示すように、第2ガイド部37が突出する方向(Y軸方向)と軸方向とに直交する方向(X軸方向)において、第2ガイド部37の寸法L6は、上側(+Z側)に向かうに従って大きくなる。図7に示すように、第2ガイド部37が突出する方向(Y軸方向)において、第2ガイド部37の寸法L7は、上側に向かうに従って大きくなる。図5に示すように、第2ガイド部37の延びる方向(Z軸方向)と直交する断面の形状は、半円状である。
上述したように、第2ガイド部37は、内側第1ガイド部36aと同様にリブであるため、内側第1ガイド部36aがリブであることによって奏する効果と同様の効果を奏する。
図5に示すように、本実施形態においては、内側第1ガイド部36aの反駆動側(−θZ側)の端部と磁石挿入穴部38の反駆動側に位置するコアピース部34Sとの周方向の距離をL1とする。本実施形態においては、永久磁石33Aの周方向の寸法をL2とする。本実施形態においては、内側第1ガイド部36aの反駆動側の端部と磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)に位置するコアピース部34Nとの周方向の距離をL3とする。このとき、本実施形態のモータ10は、L1−L2<L3を満たす。外側第1ガイド部36bの反駆動側の端部とコアピース部34Nとの周方向の距離をL3とした場合についても同様である。
そのため、永久磁石33Aの周方向位置によらず、永久磁石33Aの反駆動側(−θZ側)の面とコアピース部34Sとの周方向の距離が、永久磁石33Aの駆動側(+θZ側)の面とコアピース部34Nとの周方向の距離よりも小さくなる。これにより、永久磁石33Aの周方向位置によらず、コアピース部34Nと永久磁石33Aとの間の磁力よりも、コアピース部34Sと永久磁石33Bとの間の磁力の方が大きくなる。したがって、磁石挿入穴部38に挿入された永久磁石33Aは、磁力によってコアピース部34Sに貼り付く。
このようにして、本実施形態によれば、内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bが設けられていない側(−θZ側)のコアピース部34Sに、永久磁石33Aを貼り付かせることができる。その結果、永久磁石33A,33Bを周方向の同じ側に位置するコアピース部34N,34Sに貼り付かせやすい。したがって、ロータ30を通る磁束が周方向においてばらつくことを抑制でき、かつ、ロータ30の周方向の重心バランスが悪くなることを抑制できる。その結果、本実施形態によれば、ロータ30の回転による振動および騒音を抑制できる構造を有するモータ10が得られる。
また、その結果として、本実施形態によれば、コアピース部34N,34Sを樹脂モールドにより一体成形した後に、永久磁石33A,33Bをコアピース部34N,34Sの周方向の間に配置する方法を採用できる。これにより、樹脂モールドにより一体成形する際に、樹脂の熱で永久磁石33A,33Bが減磁することを防止できる。
なお、本実施形態においては、永久磁石33Aは、内側第1ガイド部36aおよび外側第1ガイド部36bとコアピース部34Sとに直接的に接触している。そのため、距離L1と寸法L2とは同じである。
また、本明細書において、周方向の寸法とは、対象となる物体の周方向のある一点を通る径方向線と軸方向とに直交する方向における対象となる物体の寸法を含む。例えば、永久磁石33Aの周方向の寸法L2とは、永久磁石33Aの周方向の中心を通る径方向線と軸方向とに直交する方向における永久磁石33Aの寸法を含む。周方向の距離についても同様である。
また、永久磁石33Aを意図する側のコアピース部34N,34Sに貼り付かせる構成としては、永久磁石33Aの駆動側(+θZ側)に、例えばバネ等のコアピース部34N,34Sに力を加える別部材を配置する構成も考えられる。この構成では、永久磁石33Aがコアピース部34Nに貼り付いた場合に、例えばバネ力によって永久磁石33Aがコアピース部34S側に引きはがされる。しかし、この構成においては、永久磁石33Aをコアピース部34Nから引きはがす際に、永久磁石33Aの表面のメッキがはがれる等、永久磁石33Aが損傷する虞がある。
これに対して、本実施形態によれば、永久磁石33Aを磁石挿入穴部38内に挿入する際に、永久磁石33Aが意図しない側のコアピース部34Nに貼り付くことを抑制できる。したがって、永久磁石33Aが損傷することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、すべての内側第1ガイド部36aおよびすべての外側第1ガイド部36bは、中心CL1に対して、周方向の同じ側に位置する。そのため、すべての永久磁石33A,33Bを周方向の同じ側に位置するコアピース部34N,34Sに貼り付かせることができる。したがって、ロータ30の回転による振動および騒音をより抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1ガイド部は、内側第1ガイド部36aと外側第1ガイド部36bとの2つが設けられている。そのため、永久磁石33Aが周方向に傾くことを抑制し、永久磁石33Aをバランスよく第1ガイド部と逆側のコアピース部34Sに貼り付かせることができる。また、第1ガイド部が永久磁石33Aと接触する場合、永久磁石33Aをより安定して磁石挿入穴部38内に保持できる。
また、本実施形態によれば、内側第1ガイド部36aは、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向内側に位置する。外側第1ガイド部36bは、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向外側に位置する。そのため、径方向の両側において、永久磁石33Aをコアピース部34S側(−θZ側)に、よりバランスよくガイドしやすい。これにより、本実施形態によれば、永久磁石33Aをより確実に第1ガイド部と逆側のコアピース部34Sに貼り付かせることができる。また、第1ガイド部が永久磁石33Aと接触する場合、永久磁石33Aをより安定して磁石挿入穴部38内に保持できる。
また、本実施形態によれば、永久磁石33Aの軸方向と直交する断面の形状は、矩形状である。そのため、磁石挿入穴部38の径方向の中心を基準として径方向両側に第1ガイド部が設けられることで、永久磁石33Aをより安定して磁石挿入穴部38内に保持できる。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記説明と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
本実施形態においては、モールド樹脂部35が、磁石挿入穴部38内に少なくとも1つ設けられる第1ガイド部を有する構成を採用できる。すなわち、本実施形態においては、第1ガイド部は、1つのみ設けられていてもよいし、3つ以上設けられていてもよい。
また、本実施形態においては、永久磁石33Aは、磁石挿入穴部38の反駆動側(−θZ側)に位置するコアピース部34Sと直接的、または樹脂を介して間接的に接触する構成を採用できる。すなわち、本実施形態においては、図9に示すような永久磁石33Aがコアピース部34Sと樹脂を介して間接的に接触する構成としてもよい。
図9は、本実施形態の他の一例であるロータ130の部分を示す断面図である。図9に示すように、ロータ130は、ロータ本体部132を有する。ロータ本体部132は、永久磁石133A,133Bと、コアピース部34N,34Sと、モールド樹脂部135と、を有する。永久磁石133A,133Bは、周方向の寸法L2がやや小さい点を除いて、図5等に示す永久磁石33A,33Bと同様である。
モールド樹脂部135は、介在樹脂部(樹脂)135gを有する。介在樹脂部135gは、磁石挿入穴部38内に設けられている。介在樹脂部135gは、磁石挿入穴部38の反駆動側(−θZ側)の面に接触する。すなわち、介在樹脂部135gは、コアピース部34Sの駆動側面34aと接触する。介在樹脂部135gは、磁石挿入穴部38の反駆動側の面の全体を覆う壁状である。介在樹脂部135gは、外側樹脂部35aと内側樹脂部35eとに接続されている。図示は省略するが、介在樹脂部135gは、上側カバー部35bおよび下側カバー部35cに接続されている。
この構成において、永久磁石133Aは、磁石挿入穴部38の反駆動側(−θZ側)に位置するコアピース部34Sと介在樹脂部135gを介して間接的に接触している。この構成においても、上述したL1−L2<L3の関係は満たされる。ここで、距離L1から寸法L2を減じた値とは、介在樹脂部135gの周方向の寸法L8である。すなわち、介在樹脂部135gの周方向の寸法L8は、内側第1ガイド部36aの反駆動側の端部と磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)に位置するコアピース部34Nとの周方向の距離L3よりも小さい。
そのため、図1から図8において示した構成と同様に、永久磁石133Aを意図する側のコアピース部34Sに貼り付かせることができる。これにより、ロータ130の回転による振動および騒音を抑制できる。
また、この構成によれば、永久磁石133Aが直接的にコアピース部34Sに接触しないため、例えば、永久磁石133Aを一度剥がす必要が生じた際に永久磁石133Aを剥がしやすい。また、その際に、永久磁石133Aの表面が損傷することを抑制できる。
また、本実施形態においては、第1ガイド部が磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)の面の少なくとも一部を覆う構成を採用できる。すなわち、本実施形態においては、図10に示すような第1ガイド部が磁石挿入穴部38の駆動側の面の全体を覆う構成としてもよい。
図10は、本実施形態の他の一例であるロータ230の部分を示す断面図である。図10に示すように、ロータ230は、ロータ本体部232を有する。ロータ本体部232は、永久磁石233A,233Bと、コアピース部34N,34Sと、モールド樹脂部235と、を有する。永久磁石233A,233Bは、角部が面取りされていない点を除いて図5等に示す永久磁石33A,33Bと同様である。
モールド樹脂部235は、第1ガイド部236と、第2ガイド部37と、を有する。第1ガイド部236は、磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)の面の全体を覆う壁状である。第1ガイド部236は、コアピース部34Nの反駆動側面34bと接触している。第1ガイド部236は、外側樹脂部35aと内側樹脂部35eとに接続されている。図示は省略するが、第1ガイド部236は、上側カバー部35bおよび下側カバー部35cに接続されている。
この構成において、永久磁石233Aの駆動側(+θZ側)の面は、全体が第1ガイド部236と接触する。これにより、永久磁石233Aをより安定して磁石挿入穴部38内に保持できる。
また、本実施形態においては、図11に示すような第1ガイド部が磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)の面から離れた構成としてもよい。
図11は、本実施形態の他の一例であるロータ330の部分を示す断面図である。図11に示すように、ロータ330は、ロータ本体部332を有する。ロータ本体部332は、永久磁石333A,333Bと、コアピース部34N,34Sと、モールド樹脂部335と、を有する。永久磁石333A,333Bは、周方向の寸法がやや小さい点を除いて図10に示す永久磁石233A,233Bと同様である。
モールド樹脂部335は、内側第1ガイド部336aと、外側第1ガイド部336bと、第2ガイド部37と、を有する。内側第1ガイド部336aおよび外側第1ガイド部336bは、磁石挿入穴部38内に設けられている。内側第1ガイド部336aおよび外側第1ガイド部336bは、磁石挿入穴部38の駆動側(+θZ側)から反駆動側(−θZ側)に離れている。
内側第1ガイド部336aは、磁石挿入穴部38の径方向外側の面から径方向内側に突出している。内側第1ガイド部336aは、外側樹脂部35aと接続されている。内側第1ガイド部336aの軸方向と直交する断面の形状は、例えば、矩形状である。図示は省略するが、内側第1ガイド部336aは、例えば、磁石挿入穴部38の軸方向(Z軸方向)の一部に設けられている。内側第1ガイド部336aの反駆動側(−θZ側)の面は、永久磁石333Aと接触している。
外側第1ガイド部336bは、磁石挿入穴部38の径方向外側の面から径方向内側に突出している。外側第1ガイド部336bは、内側樹脂部35eと接続されている。外側第1ガイド部336bのその他の構成は、内側第1ガイド部336aの構成と同様である。
また、本実施形態においては、すべての第1ガイド部が磁石挿入穴部38における周方向の同じ側に設けられていなくてもよい。また、本実施形態においては、一部の磁石挿入穴部38においては、第1ガイド部が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においては、第1ガイド部の少なくとも一部が磁石挿入穴部38内に突出するリブである構成を採用してもよい。すなわち、本実施形態においては、第1ガイド部が複数設けられる場合に、すべての第1ガイド部がリブであってもよい。
また、本実施形態においては、第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38の径方向内側の面の少なくとも一部を覆う構成を採用できる。すなわち、本実施形態においては、第2ガイド部37が磁石挿入穴部38の径方向内側の面の全体を覆う構成としてもよい。
また、本実施形態においては、第2ガイド部37は、磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向一方側に位置し、かつ、磁石挿入穴部の径方向一方側の面の少なくとも一部を覆う構成を採用できる。すなわち、本実施形態においては、第2ガイド部37が磁石挿入穴部38の径方向の中心よりも径方向外側に位置し、かつ、磁石挿入穴部の径方向外側の面の少なくとも一部を覆う構成としてもよい。
また、本実施形態においては、第2ガイド部37が磁石挿入穴部38の径方向内側の面から離れた構成としてもよい。
また、本実施形態においては、一部の磁石挿入穴部38において第2ガイド部37が設けられていなくてもよいし、すべての磁石挿入穴部38において第2ガイド部37は設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においては、磁石挿入穴部38は、ロータ30を軸方向(Z軸方向)に貫通していてもよい。
また、本実施形態においては、ロータ本体部32が別部材を介してシャフト31に固定されていてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、コアピース部が連結されている点において異なる。なお、第1実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等によって説明を省略する場合がある。
図12は、本実施形態のロータ430を示す断面図である。図13は、図12の部分拡大図である。図12に示すように、ロータ430は、シャフト31と、ロータ本体部432と、を有する。また、ロータ430は、磁石挿入穴部438を有する。磁石挿入穴部438は、第1実施形態の磁石挿入穴部38と同様である。
ロータ本体部432は、複数の永久磁石33A,33Bと、コア円環部434dと、コアピース連結部434eと、複数のコアピース部434N,434Sと、モールド樹脂部435と、を有する。
コア円環部434dは、円環状の部分である。コア円環部434dは、例えば、シャフト31の外周面に嵌め合わされて固定されている。コアピース連結部434eは、コア円環部434dから径方向外側に延びている。コアピース連結部434eは、複数設けられている。複数のコアピース連結部434eは、例えば、周方向に均等に設けられている。
コアピース連結部434eの径方向外側端部は、それぞれコアピース部434N,434Sに接続されている。これにより、コアピース部434N,434Sは、コアピース連結部434eおよびコア円環部434dを介して、互いに連結されている。そのため、コアピース部434N,434S同士の相対位置精度を向上できる。
本実施形態においてコアピース部434Nは、例えば、4つ設けられている。コアピース部434Sは、例えば、4つ設けられている。これに伴って、永久磁石33Aは、例えば、4つ設けられている。永久磁石33Bは、例えば、4つ設けられている。
コアピース部434N,434Sのその他の構成は、形状がやや異なる点を除いて、第1実施形態のコアピース部34N,34Sの構成と同様である。
モールド樹脂部435の一部は、周方向に隣り合うコアピース連結部434e同士の周方向の間に位置する。モールド樹脂部435の一部は、コアピース部434N,434Sとコアピース連結部434eとコア円環部434dとを連結する。モールド樹脂部435の一部は、周方向に隣り合うコアピース連結部434e同士を周方向に連結する。そのため、モールド樹脂部435によってコアピース連結部434eを補強できる。これにより、コア円環部434dとコアピース部434N,434Sとの連結を強固にできる。
モールド樹脂部435は、図13に示すように、内側第1ガイド部(第1ガイド部)436aと、外側第1ガイド部(第1ガイド部)436b,436cと、第2ガイド部437a,437bと、を有する。
内側第1ガイド部436aは、第1実施形態の内側第1ガイド部36aと同様である。外側第1ガイド部436bは、外側第1ガイド部436cを介して永久磁石33Aと接触している点を除いて、第1実施形態の外側第1ガイド部36bと同様である。
外側第1ガイド部436cは、外側第1ガイド部436cの永久磁石33Aと対向する面に設けられている。外側第1ガイド部436cは、磁石挿入穴部438内に突出するリブである。外側第1ガイド部436cは、コアピース部434Nの磁石挿入穴部438と隣接する反駆動側面434bよりも径方向外側に位置する。すなわち、本実施形態において、リブである内側第1ガイド部436aおよび外側第1ガイド部436cは、コアピース部434Nの磁石挿入穴部438と隣接する反駆動側面434bよりも径方向内側、または径方向外側に位置する。そのため、リブである第1ガイド部をモールド樹脂部435の比較的厚みが大きい箇所に設けやすい。
外側第1ガイド部436cは、永久磁石33Aの磁石角部33Aaと接触している。リブである外側第1ガイド部436cの形状は、例えば、第1実施形態におけるリブである内側第1ガイド部36aの形状と同様である。
第2ガイド部437a,437bは、磁石挿入穴部438内に設けられている。すなわち、第2ガイド部は、磁石挿入穴部438内に少なくとも2つ設けられている。そのため、永久磁石33Aを径方向外側により寄せやすい。
第2ガイド部437aは、磁石挿入穴部438の周方向の中心よりも駆動側(+θZ側)に位置する。第2ガイド部437bは、磁石挿入穴部438の周方向の中心よりも反駆動側(−θZ側)に位置する。すなわち、本実施形態において第2ガイド部は、磁石挿入穴部438の周方向の中心よりも駆動側と、磁石挿入穴部438の周方向の中心よりも反駆動側と、に少なくとも1つずつ設けられている。そのため、永久磁石33Aを径方向内側からより安定して支持できる。
第2ガイド部437a,437bは、リブである。第2ガイド部437a,437bのその他の構成は、第1実施形態の第2ガイド部37の構成と同様である。ロータ430のその他の構成は、第1実施形態のロータ30の構成と同様である。
なお、本実施形態置いては、第2ガイド部437a,437bの少なくとも一部は、磁石挿入穴部438内に突出するリブである構成を採用できる。すなわち、本実施形態においては、例えば、第2ガイド部437a,437bのいずれか一方のみがリブである構成としてもよい。
なお、本発明を適用したモータの用途は、特に限定されない。本発明を適用したモータは、例えば、車両に搭載されるモータとして用いられる。
また、上記説明した第1実施形態および第2実施形態の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。