JP2010136547A - インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム - Google Patents

インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム Download PDF

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Abstract

【課題】各相のPWM信号に周期的にパルスの生じない期間を設け、これによりスイッチング素子のスイッチング動作を周期的に停止させてスイッチングロスを低減することができるインバータ制御回路を提供する。
【解決手段】PWM信号により三相インバータ回路の出力を三相平衡出力に制御するインバータ制御回路において、1周期の波形が、1/3周期の期間でゼロとなり、続く1/3周期の期間で位相が0から2π/3の区間の正弦波の波形となり、残りの1/3周期の期間で正弦波の位相がπ/3からπの区間の波形となる第1の指令値信号と、この第1の指令値信号に対して、位相が2π/3だけ進んだ第2の指令値信号と、位相が2π/3だけ遅れた第3の指令値信号とを生成する指令値信号生成手段61と、指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段62とを設けた。
【選択図】図6

Description

本発明は、三相インバータ回路をPWM信号で制御するインバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム、このインバータ制御回路を実現するためのプログラム、及びこのプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、太陽電池などによって生成される直流電力を交流電力に変換して三相電力系統に供給する系統連系インバータシステムが開発されている。系統連系インバータシステムにおいては、一般に、フルブリッジ形三相インバータ回路が用いられている。フルブリッジ形三相インバータ回路は、2つのスイッチング素子の直列接続(以下、この直列接続を「アーム」という。)を3個並列に接続し、各アームのスイッチング素子同士の接続点からU相、V相、W相の各相に対応した3個の出力が取り出されるブリッジ回路を含む。そして、各相の出力制御目標である相電圧信号(互いに位相が2π/3ずつずれた正弦波電圧信号)をそれぞれPWM信号に変換し、各PWM信号を用いて三相インバータ回路の各アームのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御することにより、当該三相インバータ回路からU相、V相、W相の各相に出力する交流電圧信号を制御している。
図17は、従来のインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。
同図において、インバータシステムA'内のインバータ回路2はフルブリッジ形三相インバータ回路で構成されている。インバータ回路2内のブリッジ回路の各アームには直流電源1から入力される直流電圧が印加される一方、各アームに2個ずつ設けられた合計6個のスイッチング素子にはインバータ制御回路6'から入力される6個のPWM信号がそれぞれ入力されており、各スイッチング素子のオン・オフ動作がそれぞれPWM信号によって制御されることによりインバータ回路2からU相、V相、W相の各相に対応したパルス状の交流電圧信号が出力される。
なお、インバータ制御回路6'からインバータ回路2に入力される信号線には6本の斜線が付されているが、その斜線の数はその信号線の数を示している。従って、図17は、インバータ回路2にインバータ制御回路6'から6個のスイッチング素子に対応して6個のPWM信号が入力されていることを示している。
インバータ回路2から出力される3つのパルス状の交流電圧信号はそれぞれフィルタ回路3によってスイッチングノイズを含む高周波成分が除去され、正弦波状の交流電圧信号に変換される。そして、3つの正弦波状の交流電圧信号(U相、V相、W相の各相に対応した交流電圧信号)は変圧回路4で振幅が調整されて系統5の対応する相に出力される。インバータシステムA'では、変圧回路4から系統5に出力される3個の相電圧信号は、系統5の対応する相の交流電圧信号に連系しなければならない。そのため、インバータ制御回路6'は、基本的に系統5の各相の相電圧信号に基づいて、出力制御目標である各相の相電圧制御信号を生成し、図18に示すように、その相電圧制御信号を所定のキャリア信号(三角波信号)と比較してPWM信号を生成する構成となっている。
なお、図18は、U相の位相を基準とした場合、当該U相の相電圧制御信号Suとキャリア信号Scを比較してインバータ回路2のU相に対応するアームのスイッチング素子に対するPWM信号PSuを生成する原理を示したものである。インバータ回路2のU相に対応するアームに2つのスイッチング素子が直列に接続されているので、同図に示すPWM信号PSuが一方のスイッチング素子に対するPWM信号となり、当該PWM信号PSuのレベルを反転したPWM信号が他方のスイッチング素子に対するPWM信号となる。
また、V相の相電圧制御信号がU相の相電圧制御信号Suより位相が2π/3だけ進んでおり、W相の相電圧制御信号がU相の相電圧制御信号Suより位相が4π/3だけ進んでいるとすると、V相に対応するアームのスイッチング素子に対するPWM信号PSvのパターン波形は、PWM信号PSuの位相を2π/3だけ進ませたものとなり、W相に対応するアームのスイッチング素子に対するPWM信号PSwのパターン波形は、PWM信号PSuの位相を4π/3だけ進ませたものとなる。
図18は、いわゆる三角波比較方式によるPWM信号の生成原理を示すもので、キャリア信号Scのレベル範囲(振幅のピークトゥピーク値)Dcを相電圧制御信号Suのレベル範囲(振幅のピークトゥピーク値)Duより大きくし、キャリア信号Scと相電圧制御信号Suのレベルを比較することによって、パルス信号のデューティ比を相電圧制御信号Suの正負の振幅値に応じて変化させたPWM信号PSuに変換する方式である。
周知のように、ブリッジ形インバータ回路に対するPWM信号では各アームの一対のスイッチング素子が同時にオンにならないように(各アームが短絡しないように)デッドタイムを設ける必要上、キャリア信号Scのレベル範囲Dcに余裕を設ける必要がある。このため、キャリア信号Scのレベル範囲Dcに変調可能な範囲Dumが設けられ、相電圧制御信号Suはその変調可能な範囲Dum内で変化させるようにしなければならない。
相電圧制御信号に三次高調波を重畳すると、図19に示すように、その相電圧制御信号のピークトゥピーク値Pu0は、三次高調波を重畳しない場合(Pu)よりも小さくなる(図19では、波形Xuが三次高調波を重畳しない相電圧制御信号、波形Xu0が三次高調波を重畳した相電圧制御信号)。U相、V相及びW相の各相の相電圧信号が平衡している場合、各相電圧信号に三次高調波が含まれていてもその三次高調波はU−V、V−W及びW−Uの各線間の線間電圧信号(図19の波形Xuv参照)には含まれず、系統5に出力されることはない。従って、インバータ制御回路6'では、各相の出力制御目標として三次高調波を重畳した相電圧制御信号を用いることによって三角波比較方式によるPWM信号生成におけるキャリア信号Scの電圧利用率を高めるようにしている。
図17において、インバータ制御回路6'は、指令値信号生成回路61'およびPWM信号生成回路62'を備えているが、指令値信号生成回路61'は、上述した各相の三次高調波を重畳した相電圧制御信号を出力制御目標の信号(以下、「指令値信号」という。)として生成する回路であり、PWM信号生成回路62'は、指令値信号生成回路61'から入力される各相の指令値信号Xu0,Xv0,Xw0を用いて三角波比較方式により6個のPWM信号を生成する回路である。
また、指令値信号生成回路61'内の相電圧制御信号生成回路611'は、上述した各相の相電圧制御信号を生成する回路であり、三次高調波重畳回路612'は、相電圧制御信号生成回路611'から出力される各相の相電圧制御信号Xu,Xv,Xwのそれぞれ三次高調波を重畳して指令値信号Xu0,Xv0,Xw0を生成する回路である。なお、相電圧制御信号生成回路611'は、出力制御目標を系統5の実際の各相の相電圧信号とするために、直流電圧センサ7により検出される直流電源1の出力電圧(直流)と、電流センサ8により検出される系統5の各相に流れる相電流(交流)と、線間電圧センサ9により検出される系統5の線間電圧(交流)とを用いて各相の相電圧制御信号Xu,Xv,Xwを生成する。
系統連系インバータシステムでは、インバータ回路2のスイッチング素子をオン・オフ動作させて直流電力を交流電力に変換するので、スイッチング素子のオン・オフ動作のための電力消費が電力変換のロス(一般に「スイッチングロス」と呼ばれる。)となる。このため、従来、インバータ回路2における電力変換効率を上げるためには、例えば、PWM信号生成回路62’におけるキャリア信号の周波数を小さくする方法や、周波数を切り替える方法によってスイッチングロスを低減することが提案されている。
特開2007−228745号公報
従来の三角波比較方式によるPWM信号の生成方法は、図18に示すように、キャリア信号Scのレベル範囲Dcの変調可能な範囲Dum内で指令値信号Xu0,Xv0,Xw0を変化させるようにしているので、PWM信号は、各周期に必ずパルスを有することになる。特に、指令値信号Xu0,Xv0,Xw0として相電圧制御信号Xu,Xv,Xwに三次高調波を重畳させた場合は、系統5に出力されるU−V、V−W及びW−Uの各線間の線間電圧信号に三次高調波が含まれないようにするために、キャリア信号Scのレベル範囲Dcの両端に余裕をもうけ、当該レベル範囲Dcの中央部で指令値信号Xu0,Xv0,Xw0を変化させる必要があるので、PWM信号の各周期には必ずパルスが含まれることになる。
従って、従来は、キャリア信号の周波数を小さくすることによりPWM信号の周期を長くして、一定期間内におけるパルス数(スイッチング素子のスイッチング回数)を低減するとの考え方でスイッチングロスを低減するようにしている。
しかしながら、キャリア信号の周波数を全ての期間で小さくすると、インバータ回路2の出力電流値の変化量が大きい期間において、適切にPWM変調が行われず、出力電流値の安定性が低下するという不都合がある。また、キャリア信号の周波数を特定の期間で切り替えると、その切替えに応じてPWM信号の周波数が変化することになり、除去すべきスイッチングノイズの周波数帯域が変動することになるので、フィルタ回路3を、変動する周波数帯域の全範囲のスイッチングノイズを除去できるものに設計する必要があるという不都合が生じる。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、各相のPWM信号に周期的にパルスの生じない期間を設け、これによりスイッチング素子のスイッチング動作を周期的に停止させてスイッチングロスを低減することができるインバータ制御回路を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供されるインバータ制御回路は、PWM信号により三相インバータ回路内の複数のスイッチング手段の駆動を制御して前記三相インバータ回路の出力を三相平衡出力に制御するインバータ制御回路であって、1周期の波形が、1/3周期の期間でゼロとなり、続く1/3周期の期間で位相が0から2π/3の区間の正弦波の波形となり、残りの1/3周期の期間で前記正弦波の位相がπ/3からπの区間の波形となる第1の指令値信号と、この第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ進んだ第2の指令値信号と、前記第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ遅れた第3の指令値信号とを生成する指令値信号生成手段と、前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、を備えていることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1乃至第3の指令値信号の波形を形成する正弦波信号は、前記三相インバータ回路から出力すべき平衡した三相の線間電圧信号と同一の波形を有する線間電圧制御信号である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記指令値信号生成手段は、前記三相インバータ回路から出力される三相の出力電圧を制御するための3つの相電圧制御信号を生成する相電圧制御信号生成手段と、前記3つの相電圧制御信号を前記線間電圧制御信号に変換する制御信号変換手段と、前記線間電圧制御信号から前記三相インバータ回路の各相に対して前記第1乃至第3の指令値信号を生成する信号生成手段と、を備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記信号生成手段は、各相の前記指令値信号を、当該相の相電圧制御信号から当該相より相順が一つ前の相電圧制御信号と当該相の一つ後の相電圧制御信号をそれぞれ差し引いて得られる2つの線間電圧制御信号と常に値がゼロであるゼロ信号とから、これらの信号のうち最大値を取るように合成された信号として生成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記信号生成手段は、各相の前記指令値信号を、1/3周期の期間をゼロとし、続く1/3周期の期間を当該相の相電圧制御信号から当該相より相順が一つ前の相電圧制御信号を差し引いて得られる線間電圧制御信号とし、残りの1/3周期の期間を当該相の相電圧制御信号から当該相より相順が一つ後の相電圧制御信号を差し引いて得られる線間電圧制御信号として生成する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記指令値信号生成手段は、前記三相インバータ回路から出力される三相の出力電圧を制御するための3つの相電圧制御信号を生成する相電圧制御信号生成手段と、前記3つの相電圧制御信号から前記三相インバータ回路の各相に対して前記第1乃至第3の指令値信号を生成する信号生成手段とを備え、前記信号生成手段は、前記第1の指令値信号のゼロとなる期間においては、前記第1の指令値信号に対応する相の第1の相電圧制御信号から当該第1の相電圧制御信号を差し引いて前記第1の指令値信号とし、前記第2の指令値信号に対応する相の第2の相電圧制御信号から第1の相電圧制御信号を差し引いて前記第2の指令値信号とし、前記第3の指令値信号に対応する相の第3の相電圧制御信号から前記1の相電圧制御信号を差し引いて前記第3の指令値信号とし、当該ゼロ期間に続く1/3周期の期間においては、前記第1の相電圧制御信号から前記第3の相電圧制御信号を差し引いて前記第1の指令値信号とし、前記第2の相電圧制御信号から前記第3の相電圧制御信号を差し引いて前記第2の指令値信号とし、前記第3の相電圧制御信号から前記第3の相電圧制御信号を差し引いて前記第3の指令値信号とし、残りの1/3周期の期間においては、前記第1の相電圧制御信号から前記第2の相電圧制御信号を差し引いて前記第1の指令値信号とし、前記第2の相電圧制御信号から前記第2の相電圧制御信号を差し引いて前記第2の指令値信号とし、前記第3の相電圧制御信号から前記第2の相電圧制御信号を差し引いて前記第3の指令値信号とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記PWM信号生成手段は、前記3つの指令値信号をそれぞれ所定のキャリア信号と、各指令値信号のゼロレベルを前記キャリア信号の振幅の最小レベルに合わせるようにして比較することにより前記PWM信号を生成する。
本発明の第2の側面によって提供される系統連系インバータシステムは、本発明の第1の側面によって提供されるインバータ制御回路を備えている。
本発明の第3の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、PWM信号により三相インバータ回路内の複数のスイッチング手段の駆動を制御して前記三相インバータ回路の出力を三相平衡出力に制御するインバータ制御回路として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、1周期の波形が、1/3周期の期間でゼロとなり、続く1/3周期の期間で位相が0から2π/3の区間の正弦波の波形となり、残りの1/3周期の期間で前記正弦波の位相がπ/3からπの区間の波形となる第1の指令値信号と、この第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ進んだ第2の指令値信号と、前記第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ遅れた第3の指令値信号とを生成する指令値信号生成手段と、前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、して機能させる。
本発明の第4の側面によって提供される記録媒体は、本発明の第3の側面によって提供されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
本発明によれば、前記指令値信号が周期の3分の1の期間ゼロとなるので、前記指令値信号に基づいて生成されるPWM信号は、同期間ローレベルが継続する。したがって、前記三相インバータ回路のスイッチング手段は、当該期間においてスイッチングを行わない。これにより、スイッチング回数を低減することができ、前記三相インバータ回路の電力変換効率を向上することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
まず、三相インバータ回路のスイッチングロスを低減するための本願発明の基本的な考え方について説明する。
図17に示した従来のインバータシステムA'では、系統5に出力されるU−V、V−W及びW−Uの各線間の線間電圧信号が平衡になるように、指令値信号Xu0,Xv0,Xw0を設定している。具体的には、系統5のU相、V相及びW相の各相に出力すべき相電圧信号Vu,Vv,VwをそれぞれVu=A・sin(ωt)、Vv=A・sin(ωt+2π/3)、Vw=A・sin(ωt+4π/3)、とすると、それらの相電圧信号Vu,Vv,Vwに三次高調波を重畳した相電圧信号と同じ波形となる信号を指令値信号Xu0,Xv0,Xw0に設定している。そして、指令値信号Xu0,Xv0,Xw0を三角波のキャリア信号と比較してPWM信号を生成している。
上述したように、インバータシステムA'のPWM信号生成回路62’では、指令値信号Xu0,Xv0,Xw0のレベル範囲の中心と三角波のキャリア信号のレベル範囲の中心を合わせて両信号のレベルを比較しているので、PWM信号の各周期に必ずパルスが生じる。仮に、指令値信号Xu0,Xv0,Xw0のレベル範囲の最小値を三角波のキャリア信号のレベル範囲の最小値に合わせて両信号のレベルを比較したとしても、指令値信号Xu0,Xv0,Xw0は正弦波信号であるので、PWM信号にパルスのない周期は生じない。
本発明は、各相の指令値信号を正弦波信号のように0[v]を基準に正方向と負方向に対称的に変化する信号とせず、
(1)系統5に出力されるU−V、V−W及びW−Uの各線間の線間電圧信号が平衡信号となる
(2)0[v]を基準に正方向にだけ変化する非対称な周期的信号で、かつ、各周期の一部に0[v]の期間を含む
という条件を満たす信号に設定し、その指令値信号のレベル範囲の最小値(0[v])を三角波のキャリア信号のレベル範囲の最小値に合わせて両信号のレベルを比較することにより各相のPWM信号を生成することに特徴を有する。
上記の方法によれば、指令値信号Xu0,Xv0,Xw0の0[v]の期間ではPWM信号にパルスが生じないので、その期間は三相インバータ回路内のスイッチング素子のオン・オフ動作を停止させることができる。従って、三相インバータ回路内のスイッチング素子は周期的にオン・オフ動作を停止するので、その分、スイッチングロスを低減させることができる。
次に、上記の(1),(2)の条件を満たす信号について、説明する。
相電圧信号Vu,Vv,VwをそれぞれVu=A・sin(ωt)、Vv=A・sin(ωt+2π/3)、Vw=A・sin(ωt+4π/3)とした場合、線間電圧信号Vuv,Vvw,Vwuは、Vuv=Vu−Vv=√(3)・A・sin(ωt−π/6)、Vvw=Vv−Vw=√(3)・A・sin(ωt+3π/6)、wu=Vw−Vu=√(3)・A・sin(ωt+7π/6)となる。相電圧信号Vu,Vv,Vw及び線間電圧信号Vuv,Vvw,Vwuの関係を示すベクトル図は図1のようになる。
同図は、X軸を位相の基準(θ=0°)とし、U相の相電圧信号Vuに対応するベクトルPuがX軸に一致したときの状態を示している。ベクトルPu,Pv,Pwは、それぞれ相電圧信号Vu,Vv,Vwに対応するベクトルであり、ベクトルPuv,Pvw,Pwuは、それぞれ相電圧信号Vuv,Vvw,Vwuに対応するベクトルである。また、ベクトルPvu,Pwv,Puwは、それぞれベクトルPuv,Pvw,Pwuの向きを逆にしたものである。従って、ベクトルPvu,Pwv,Puwに対応する線間電圧信号Vvu,Vwv,Vuwは、それぞれ線間電圧信号Vuv,Vvw,Vwuの位相がπだけずれたものとなり、Vvu=−Vuv=√(3)・A・sin(ωt+5π/6)、Vwv=−Vvw=√(3)・A・sin(ωt+9π/6)、Vuw=−Vwu=√(3)・A・sin(ωt+π/6)となる。
上記(1)の条件は、図1において、ベクトルPu,Pv,Pwが相互に2π/3の位相差を保持して中性点Nを中心に反時計回りに角速度ωで回転している状態に相当する。一般に、中性点Nは0[v]の基準電圧に設定されるので、U相、V相及びW相の各相電圧信号Vu,Vv,VwはベクトルPu,Pv,PwのY軸上への正射影となり、上記のように互いに位相が2π/3だけずれた正弦波信号となっている。
上記(2)の条件について検討すると、相電圧信号Vu,Vv,Vwを0[v]を基準に正方向にだけ変化させる方法として、ベクトルPu,Pv,Pwの先端が周回する円Cの最下点d3(Y軸上の−Aの位置)を0[v]の基準電圧に設定する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、相電圧信号Vu,Vv,Vwが0[v]になるのは、ベクトルPu,Pv,Pwの先端が点d3を通過する瞬間だけであるから、単に0[v]基準の位置を変更しただけでは、相電圧信号Vu,Vv,Vwを周期的に一定期間だけ0[v]に保持することはできない。
従って、相電圧信号Vu,Vv,Vwを周期的に一定期間だけ0[v]に保持するには、円C上の一部の領域を0[v]の基準領域Rとし、ベクトルPu,Pv,Pwの先端がその基準領域Rを追加する期間に相電圧信号Vu,Vv,Vwが0[v]に保持されるようにしなればならない。
そして、相電圧信号Vu,Vv,Vwは正方向にだけ変化させるとの条件から、0[v]の基準領域Rは、図1において、3つのベクトルPu,Pv,Pwのいずれかが基準領域Rを通過しているときには、他の2つのベクトルはY方向でその基準領域Rよりも上側を通過するように設定しなければならない。また、基準領域Rを通過しているベクトルがその基準領域Rを抜ける瞬間に他のベクトルが基準領域Rに入り、3つのベクトルPu,Pv,Pwのいずれかが常に基準領域Rを移動するようにしなければならない。
そこで、円Cに対して当該円Cを横切るようにX軸と平行な0[v]の基準ラインLを設け、上記の条件を満たす基準ラインLの位置を求めると、図1に示すように、点d1と点d2を通る位置となる。点d1,d2は、同図において、円Cを反時計回りにπ/2だけ回転させたときのベクトルPvとベクトルPwの先端位置に相当する。ベクトルPuの回転位置で言えば、点d1はθ=7π/6まで回転させた位置であり、点d2はθ=11π/6まで回転させた位置である。従って、本発明では、0[v]の基準領域Rを円Cの点d1からd2までの領域に設定している。
上記(1)の条件は、図1に示すように、例えば、ベクトルPuが中性点Nを回転中心として回転する場合は、ベクトルPvは常にベクトルPuに対して開き角+2π/3の位置を保持するように移動し、ベクトルPwは常にベクトルPuに対して開き角−2π/3の位置を保持するように移動すること、すなわち、ベクトルPu,Pv,Pwの先端が常に正三角形Tを構成するように移動することである。
ベクトルPuの中性点Nに対する回転は相対的なものであるから、中性点NをベクトルPuの先端を中心に回転させた場合にベクトルPv,PwのベクトルPuに対する位置関係がベクトルPu,Pv,Pwの先端によって正三角形Tが形成される位置関係を保持する限り、上記(1)の条件は満たされる。従来のベクトルPu,Pv,Pwの回転は、正三角形Tを重心位置(中性点N)を中心にωtの速度で回転したときのベクトルPu,Pv,Pwの先端位置の回転として理解できるが、本発明に係るベクトルPu,Pv,Pwの回転は、図2に示すように、正三角形Tを基準ラインL上にωtの速度で回転させたときのベクトルPu,Pv,Pwの先端位置の回転として理解することができる。
図2は、正三角形Tをθ=−π/6の位置から1回転したときのベクトルPu,Pv,Pwの回転位置を示したもので、(a)〜(d)はそれぞれθ=−π/6、θ=3π/6、θ=7π/6、θ=11π/6の回転位置を示している。なお、θ=0の位置は、図1に示すように、ベクトルPuがX軸に一致している位置である。
同図に示すように、(a)から(b)の間は、正三角形TはベクトルPwの先端wを中心に回転し、(b)から(c)の間は、正三角形TはベクトルPvの先端vを中心に回転し、(c)から(d)の間は、正三角形TはベクトルPuの先端uを中心に回転する。図2では、正三角形Tは、円Cを転がすように滑らかには回転しないが、常に正三角形Tが保持され、しかも3つのベクトルPu,Pv,Pwは常に基準電圧0[v]以上の領域を移動するので、上記(1),(2)の条件は満たされる。従って、ベクトルPu,Pv,Pwを図2のように回転させることによって得られる相電圧信号(以下、「相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1」とする。)の波形を指令値信号に設定しても、系統5に平衡した線間電圧信号Vuv,Vvw,Vwuを出力することができる。
次に、図1乃至図3を用いて、U相、V相及びW相の各相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1の波形について説明する。
U相、V相及びW相の各相の相電圧信号の波形は、それぞれベクトルPu,Pv,Pwの先端の位置によって決定される。図1の場合、中性点Nが基準電圧0[v]に固定され、ベクトルPu,Pv,Pwの先端はそれぞれ中性点Nを中心に回転するので、U相、V相及びW相の各相の相電圧信号Vu,Vv,Vwの波形は、それぞれベクトルPu,Pv,Pwの大きさAと位相θによってA・sin(θ)の式によって算出される。
図2の場合は、基準電圧0[v]が基準ラインLに設定され、正三角形Tの頂点(ベクトルPu,Pv,Pwの先端)が基準ラインLに接すると、その頂点を中心に正三角形Tが回転するので、正三角形Tが2π/3回転するごとに基準電圧0[v]の位置が変化する。このため、ベクトルPu,Pv,Pwの先端の移動軌跡を求める場合、正三角形Tが2π/3回転するごとに基準電圧0[v]の位置を変化させ、変化後の基準電圧0[v]の位置に対して移動軌跡を求める必要がある。
例えば、U相の相電圧信号Vu1の波形は、基準電圧0[v]の位置に対するベクトルPuの先端の位置によって決定されるが、図2によれば、(a)から(b)の期間(θが−π/6〜3π/6の期間)では、ベクトルPwの先端が基準電圧0[v]に設定されるから、U相の相電圧信号Vu1の波形は、w点からu点に向かうベクトルE1を(a)の位置から(b)の位置まで回転したときの当該ベクトルE1の先端の波形(図2の太線B1参照)となる。また、(b)から(c)の期間(θが3π/6〜7π/6の期間)では、ベクトルPvの先端が基準電圧0[v]に設定されるから、U相の相電圧信号Vu1の波形は、v点からu点に向かうベクトルE2を(b)の位置から(c)の位置まで回転したときの当該ベクトルE2の先端の波形(図2の一点鎖線B2参照)となる。また、(c)から(d)の期間(θが7π/6〜11π/6の期間)では、ベクトルPuの先端が基準電圧0[v]に設定されるから、U相の相電圧信号Vu1の波形は基準電圧0[v]に固定される。
図3は、図1のベクトル図を−π/6だけ回転し、図2(a)の状態にしたものである。図2の太線B1の波形は、ベクトルE1をベクトルPwの先端の周りに0〜2π/3まで回転させた波形であるが、この波形は、図3において、ベクトルE1と同一の位相(θ=0)を有するベクトルPuwが0から2π/3まで回転したときの波形と同一である。すなわち、線間電圧信号Vuwの−π/6〜3π/6における波形と同一になる。また、図2の一点鎖線B2の波形は、ベクトルE2を当該ベクトルPvの先端の周りにπ/3〜πまで回転させた波形であるが、この波形は、図3に示すベクトル図を反時計回りに2π/3だけ回転させた状態において、ベクトルE2と同一の位相(θ=π/3)を有するベクトル、すなわち、図3においてθ=−π/3のベクトルPuvがπ/3〜πまで回転したときの波形と同一である。すなわち、線間電圧信号Vuvの3π/6〜7π/6における波形と同一になる。
従って、U相の相電圧信号Vu1の1周期の波形は、線間電圧信号Vuw(−π/6〜3π/6)、線間電圧信号Vuv(3π/6〜7π/6)及び0[v](7π/6〜11π/6)の合成波として与えられる。
そして、V相,W相の相電圧信号Vv1,Vw1の1周期の波形も同様の方法で求めることができる。その詳細は省略するが、V相の相電圧信号Vv1の1周期の波形は、−π/6〜3π/6では線間電圧信号Vvw、3π/6〜7π/6では0[v]、7π/6〜11π/6では線間電圧信号Vvuの合成波として与えられる。また、W相の相電圧信号Vw1の1周期の波形は、−π/6〜3π/6では0[v]、3π/6〜7π/6では線間電圧信号Vwv、7π/6〜11π/6では線間電圧信号Vwuの合成波として与えられる。
以上を整理すると、U相、V相及びW相の各相の相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1の波形は、図4に示す表のようになり、具体的な波形は図5に示すようになる。なお、図5(a)は線間電圧信号Vuv,Vvw,Vwuの波形を示し、同図(b)は線間電圧信号Vvu(=−Vuv),Vwv(=−Vvw),Vuw(=−Vwu)を示し、(c)は、相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1の波形を示している。
図4,図5によれば、U相、V相及びW相にそれぞれ対応するベクトルPu,Pv,Pwが、図1に示すように、反時計回りにU、V、Wの相順に配置される場合、U相の相電圧信号Vu1の波形を形成するために利用される線間電圧信号は、U−Wの線間電圧信号VuwとU−Vの線間電圧信号Vuvである。これらの線間電圧信号は、U相の相電圧信号Vuから当該U相の一つ前のW相の相電圧信号Vwと当該U相の一つ後のV相の相電圧信号Vvをそれぞれ差し引いて得られる線間電圧信号である。
また、V相の相電圧信号Vv1の波形を形成するために利用される線間電圧信号は、V−Uの線間電圧信号VvuとV−Wの線間電圧信号Vvwである。これらの線間電圧信号は、V相の相電圧信号Vvから当該V相の一つ前のU相の相電圧信号Vuと当該V相の一つ後のW相の相電圧信号Vwをそれぞれ差し引いて得られる線間電圧信号である。また、W相の相電圧信号Vw1の波形を形成するために利用される線間電圧信号は、W−Vの線間電圧信号VwvとW−Uの線間電圧信号Vwuである。これらの線間電圧信号は、W相の相電圧信号Vwから当該W相の一つ前のV相の相電圧信号Vvと当該W相の一つ後のU相の相電圧信号Vuをそれぞれ差し引いて得られる線間電圧信号である。
すなわち、各相の相電圧信号の波形を形成するために利用される線間電圧信号は、その相の相電圧信号から当該相の一つ前の相電圧信号と当該相の一つ後の相電圧信号をそれぞれ差し引いて得られる2つの線間電圧信号ということができる。
図5(c)に示す相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1の波形を指令値信号に設定した場合、例えば、系統5に出力されるU−V間の線間電圧信号Vuvの波形は、Vuv=Vu1−Vv1より図5(c)の相電圧信号Vu1の波形と相電圧信号Vv1を反転した波形を加算することよって求められる。
3π/6〜7π/6の期間では、相電圧信号Vv1は0レベルであるから、線間電圧信号Vuvの波形は相電圧信号Vu1の波形と同一となる。すなわち、線間電圧信号Vuvの波形と同一となる。また、7π/6〜11π/6の期間では、相電圧信号Vu1は0レベルであるから、線間電圧信号Vuvの波形は相電圧信号Vv1の波形を反転した波形と同一となる。すなわち、線間電圧信号Vvuの波形を反転した波形(線間電圧信号Vuvの波形)と同一となる。図1によれば、線間電圧信号VuvはベクトルPuvのY軸への正射影であるから、√(3)・A・sin(ωt−π/6)で表されるから、3π/6〜11π/6の期間では、線間電圧信号Vuvの波形は√(3)・A・sin(ωt−π/6)となる。
一方、−π/6〜3π/6の期間では、線間電圧信号Vuvの波形は、Vuw−Vvwによって求められる。図1によれば、Vuw=√(3)・A・sin(ωt+π/6)、Vvw=√(3)・A・sin(ωt+3π/6)であるから、線間電圧信号Vuvの波形は、Vuw−Vvw=√(3)・A・{sin(ωt+π/6)−sin(ωt+3π/6)}となる。sin(ωt+π/6)−sin(ωt+3π/6)の部分は、ωt=θとすると、下記の(1)式のように変形される。
Figure 2010136547
従って、−π/6〜7π/6の期間でも線間電圧信号Vuvの波形は、3π/6〜11π/6の期間と同様に√(3)・A・sin(ωt−π/6)となり、−π/6〜11π/6の全期間で線間電圧信号Vuvの波形は、√(3)・A・sin(ωt−π/6)で与えられる。なお、線間電圧信号Vvw,Vwuの波形についても同様に求められ、線間電圧信号Vvw,Vwuに対応するベクトルはそれぞれベクトルPvwとベクトルPwuとなる。従って、線間電圧信号Vvwは√(3)・A・sin(ωt+π/2)となり、線間電圧信号Vwuは√(3)・A・sin(ωt+7π/6)となる。
上記のように、指令値信号として、図5(c)に示す相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1の波形を設定しても系統5に平衡した線間電圧信号Vuv,Vvw,Vwuを出力することができる。
次に、上述した指令値信号を生成して、これに基づくPWM信号をインバータ2に出力するインバータ制御装置について説明する。
図6は、本発明に係るインバータ制御装置の第1実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。
系統連系インバータシステムA1は、直流電源1、インバータ回路2、フィルタ回路3、変圧回路4、商用電力系統5、インバータ制御回路6、直流電圧センサ7、電流センサ8、線間電圧センサ9を備えている。直流電源1は、インバータ回路2と接続している。インバータ回路2は三相インバータであり、インバータ回路2、フィルタ回路3、変圧回路4、及び、商用電力系統5は、この順で、U相、V相、W相の出力電圧の出力ラインにより、直列に接続されている。インバータ回路2にはインバータ制御回路6が接続されている。系統連系インバータシステムA1は、直流電源1により生成された直流電力を、インバータ回路2で交流電力に変換し、商用電力系統5に供給するものである。
直流電源1は、直流電力を生成するものであり、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池を備えている。
インバータ回路2は、フルブリッジ形三相インバータであり、インバータ制御回路6から入力されるPWM信号に基づいて有するスイッチング素子をオン・オフ動作させることにより、直流電源1から入力される直流電力を交流電力に変換する。
図7は、インバータ回路2を説明するための図である。
インバータ回路2は、6個のスイッチング素子Tr1〜Tr6がブリッジ接続されたものである。各スイッチング素子Tr1,Tr2,Tr3,Tr4,Tr5,Tr6にはそれぞれ帰還ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6が並列に接続されている。スイッチング素子としては、例えば、バイポーラトランジスタ、電界効果形トランジスタ、サイリスタなどの半導体スイッチング素子が用いられ、図7は、トランジスタを用いた例を示している。
スイッチング素子Tr1とスイッチング素子Tr2の直列接続(以下、「第1アーム」という。)、スイッチング素子Tr3とスイッチング素子Tr4の直列接続(以下、「第2アーム」という。)及びスイッチング素子Tr5とスイッチング素子Tr6の直列接続(以下、「第3アーム」という。)の両端に直流電源1から出力される直流電圧Vdcが供給され第1アーム、第2アーム及び第3アームの各接続点a,b,cからU相、V相、W相の相電圧信号が出力されるようになっている。
6個のスイッチング素子Tr1〜Tr6は、インバータ制御回路6から出力されるPWM信号によってそれぞれオン・オフ動作が制御される。具体的には、インバータ制御回路6からは相互に位相が反転した2つのPWM信号を1組として、パルス幅の異なる3組のPWM信号が出力される。各組のPWM信号を(PS11,PS12)、(PS21,PS22)、(PS31,PS32)とすると、PWM信号PS11,PS12はそれぞれスイッチング素子Tr1とスイッチング素子Tr2の制御端子(図7では、トランジスタのベース)に入力され、PWM信号PS21,PS22はそれぞれスイッチング素子Tr3とスイッチング素子Tr4の制御端子に入力され、PWM信号PS31,PS32はそれぞれスイッチング素子Tr5とスイッチング素子Tr6の制御端子に入力される。
フィルタ回路3は、リアクトルとキャパシタとを備えたローパスフィルタである。フィルタ回路3は、インバータ回路2から出力される交流電圧に含まれるスイッチングノイズを除去する。変圧回路4は、フィルタ回路3から出力される交流電圧を商用電力系統5の電圧(以下、「系統電圧」という。)とほぼ同一のレベルに昇圧または降圧する。
直流電圧センサ7は、直流電源1から出力される直流電圧を検出するものである。検出された直流電圧信号は、インバータ制御回路6に入力される。電流センサ8は、変圧回路4から出力される各相の電流を検出するものである。検出された電流信号は、インバータ制御回路6に入力される。線間電圧センサ9は、商用電力系統5の各相の線間電圧信号を検出するものである。検出された線間電圧信号は、インバータ制御回路6に入力される。
インバータ制御回路6は、インバータ回路2のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するPWM信号を生成するものである。インバータ制御回路6は、直流電圧センサ7から直流電圧信号を、電流センサ8から電流信号を、線間電圧センサ9から線間電圧信号を入力され、インバータ回路2にPWM信号を出力する。
インバータ制御回路6は、指令値信号生成回路61およびPWM信号生成回路62を備えている。指令値信号生成回路61は、先述した指令値信号を生成して、PWM信号生成回路62に出力するものである。本実施形態において指令値信号生成回路61で生成される指令値信号をXu1,Xv1,Xw1とする。
指令値信号生成回路61は、相電圧制御信号生成回路611、制御信号変換回路612、および信号生成回路613を備えている。
相電圧制御信号生成回路611は、直流電圧センサ7から入力される直流電圧信号、電流センサ8から入力される電流信号、線間電圧センサ9から入力される線間電圧信号、および、予め設定されている目標直流電圧と目標無効分電流に基づいて、各相の相電圧を制御するための相電圧制御信号Xu,Xv,Xwを生成して、制御信号変換回路612に出力する。
相電圧制御信号生成回路611は、位相検出回路611a、PI制御回路611b、三相/二相変換回路611c、静止座標変換回路611d、PI制御回路611e、回転座標変換回路611f、および二相/三相変換回路611gを備えている。
位相検出回路611aは、線間電圧センサ9から入力される線間電圧信号から系統電圧の位相を検出し、静止座標変換回路611d、回転座標変換回路611f、および信号生成回路613に出力する。PI制御回路611bは、PI制御を行ない、直流電圧センサ7から入力される直流電圧信号と目標直流電圧との差分の補正値信号Xdを出力する。三相/二相変換回路611cは、電流センサ8から入力される三相の電流信号を、二相の電流信号に変換して出力する。静止座標変換回路611dは、三相/二相変換回路611cから二相の電流信号を入力され、位相検出回路611aから系統電圧の位相を入力される。静止座標変換回路611dは、二相の電流信号を系統電圧の位相に対する位相差成分と同相成分とに変換して出力する。三相を二相に変換する、いわゆるαβ変換、および、回転座標を静止座標に変換する、いわゆるdq変換は周知であるので、その詳細説明については省略する。
PI制御回路611eは、PI制御を行ない、静止座標変換回路611dから出力される位相差成分である無効分電流信号と目標無効分電流との差分の補正値信号Xqを出力する。回転座標変換回路611fは、PI制御回路611bが出力する補正値信号Xdを同相成分として入力され、PI制御回路611eが出力する補正値信号Xqを位相差成分として入力され、位相検出回路611aから系統電圧の位相を入力される。回転座標変換回路611fは、補正値信号Xdおよび補正値信号Xqを二相の制御信号XαおよびXβに変換して出力する。二相/三相変換回路611gは、回転座標変換回路611fから入力される制御信号Xα,Xβを三相の相電圧制御信号Xu,Xv,Xwに変換して出力する。二相を三相に変換する、いわゆる逆αβ変換、および、静止座標を回転座標に変換する、いわゆる逆dq変換も周知であるので、その詳細説明については省略する。
なお、相電圧制御信号生成回路611の構成はこれに限定されず、相電圧制御信号Xu,Xv,Xwを生成する構成であればよい。たとえば、静止座標変換を行うことなく、二相の電流信号を制御するように相電圧制御信号を生成するようにしてもよいし、三相を二相に変換することなく三相の電流信号のまま制御するように相電圧制御信号を生成するようにしてもよい。
制御信号変換回路612は、相電圧制御信号生成回路611から入力される相電圧制御信号Xu,Xv,Xwを線間電圧制御信号Xuv,Xvw,Xwuに変換して、信号生成回路613に出力する。制御信号変換回路612は、XuとXvの差分信号をXuvとし、XvとXwの差分信号をXvwとし、XwとXuの差分信号をXwuとして生成することで制御信号の変換を行っている。
なお、線間電圧制御信号を生成するために、必ずしも相電圧制御信号を生成する必要はない。相電圧制御信号生成回路611と制御信号変換回路612に代えて、線間電圧制御信号を直接生成する回路を設けて、直接、線間電圧制御信号を生成するようにしてもよい。
信号生成回路613は、制御信号変換回路612から入力される線間電圧制御信号Xuv,Xvw,Xwuと、これらの極性を反転させた信号Xvu,Xwv,Xuwとから、指令値信号Xu1,Xv1,Xw1を生成して出力する。なお、制御信号変換回路612が線間電圧制御信号Xvu,Xwv,Xuwも生成して出力し、信号生成回路613が6つの線間電圧制御信号Xuv,Xvw,Xwu,Xvu,Xwv,Xuwを入力されるようにしてもよい。
信号生成回路613は、位相検出回路611aから入力される系統電圧のU相の相電圧信号の位相に応じて、下記(2)式を用いて、Xu1,Xv1,Xw1を算出する。
Figure 2010136547
図8は、信号生成回路613が出力する指令値信号Xu1の波形を説明するための図である。波形Xuは、相電圧制御信号Xuの波形であり、系統電圧のU相の目標とする相電圧信号の波形と一致する。波形Xuvは線間電圧制御信号Xuvの波形を示しており、波形Xuwは線間電圧制御信号Xwuの極性を反転した信号Xuwの波形を示している。
同図に示すように、指令値信号Xu1は、系統電圧のU相の相電圧信号の位相をθとすると、−π/6≦θ≦3π/6の期間は信号X ̄wuとなり、3π/6≦θ≦7π/6の期間は線間電圧制御信号Xuvとなり、7π/6≦θ≦11π/6の期間はゼロとなっている。すなわち、同図に示す波形Xu1は、図5(c)に示すVuの波形と同一の波形となっている。同様に、指令値信号Xv1は、−π/6≦θ≦3π/6の期間は線間電圧制御信号Xvwとなり、3π/6≦θ≦7π/6の期間はゼロとなり、7π/6≦θ≦11π/6の期間は線間電圧制御信号Xuvの極性を反転した信号Xvuとなっている。また、指令値信号Xu1は、−π/6≦θ≦3π/6の期間はゼロとなり、3π/6≦θ≦7π/6の期間は線間電圧制御信号Xvwの極性を反転した信号Xwvとなり、7π/6≦θ≦11π/6の期間は線間電圧制御信号Xwuとなっている。
二相/三相変換回路611gは、下記(3)式を用いて、制御信号Xα,Xβから相電圧制御信号Xu,Xv,Xwを算出する。また、制御信号変換回路612は、下記(4)式を用いて、相電圧制御信号Xu,Xv,Xwから線間電圧制御信号Xuv,Xvw,Xwuを算出する。下記(3)式と下記(4)式とから下記(5)式が算出される。
Figure 2010136547
上記(5)式と上記(2)式とから下記(6)式が算出される。したがって、二相/三相変換回路611g、制御信号変換回路612、および信号生成回路613を一つにして、下記(6)式を用いて、制御信号Xα,Xβから指令値信号Xu1,Xv1,Xw1を直接算出して出力するようにしてもよい。
Figure 2010136547
図6に戻って、PWM信号生成回路62は、その内部で生成されたキャリア信号と、指令値信号生成回路61から入力される各相の指令値信号Xu1,Xv1,Xw1とからそれぞれ各相のPWM信号を生成して、インバータ回路2に出力する。
図9(a)は、指令値信号とキャリア信号からPWM信号を生成する方法を説明するための図である。同図(a)においては、指令値信号を波形F、キャリア信号を波形C、PWM信号を波形Pで示している。PWM信号生成回路62は、指令値信号がキャリア信号より大きい期間にハイレベルとなり、指令値信号がキャリア信号以下となる期間にローレベルとなるパルス信号をPWM信号として生成する。したがって、同図(a)において、波形Fが波形Cより大きい期間に波形Pがハイレベルとなっており、波形Fが波形C以下となる期間に波形Pがローレベルとなっている。
本実施形態においては、指令値信号の最小値がキャリア信号の最小値に一致するように、キャリア信号は、指令値信号の0レベル以上の範囲で変化するように生成されている。
インバータ回路2のU相、V相、W相のスイッチング素子は、それぞれU相、V相、W相のPWM信号に基づいてオン・オフ動作する。なお、PWM信号生成回路62は、U相、V相、W相のパルス信号を反転したパルス信号も生成し、逆相のPWM信号としてインバータ回路2に出力する。インバータ回路2のU相、V相、W相の各スイッチング素子に直列接続されているスイッチング素子は、それぞれ逆相のPWM信号に基づいて、U相、V相、W相の各スイッチング素子とは反対にオン・オフ動作する。
なお、PWM信号は、指令値信号とキャリア信号との比較による方法以外の方法で生成するようにしてもよい。例えば、PWMホールド法を用いて線間電圧制御信号からパルス幅を算出し、算出された線間電圧に対するパルス幅から変換された相電圧に対するパルス幅に基づいてPWM信号を生成することもできる。
次に、インバータ制御回路6の作用について説明する。
本実施形態において、指令値信号生成回路61は図5(c)に示す波形となる指令値信号Xu1,Xv1,Xw1を出力し、PWM信号生成回路62は当該指令値信号に基づいてPWM信号を生成してインバータ回路2に出力する。インバータ回路2が出力する相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1は図5(c)に示す波形となるが、相電圧信号Vu1,Vv1,Vw1の差分信号である線間電圧信号は、図5(a)に示す系統5に平衡した線間電圧信号Vuv,Vvw,Vwuとなるので、系統電圧と同期することができる。したがって、インバータ回路2から出力される交流電力は、フィルタ回路3でスイッチングノイズが除去され、変圧回路4で昇圧されて、商業電力系統5に供給される。
また、本実施形態において、指令値信号は周期の3分の1の期間がゼロとなっている。この期間においては、指令値信号がキャリア信号以下の状態なので、PWM信号はローレベルが継続している。したがって、このPWM信号を入力されたインバータ回路2のスイッチング素子は、当該期間においてスイッチングを行わない。これにより、インバータ回路2のスイッチング素子のスイッチング回数を低減することができ、スイッチングロスを低減してインバータ回路2の電力変換効率を向上することができる。また、キャリア信号の周波数が変更されないので、フィルタ回路3を当該周波数のスイッチングノイズが除去できるものとして設計すればよい。
本実施形態のインバータ制御回路6は、相電圧制御信号生成回路611およびPWM信号生成回路62が従来のインバータ制御回路6’のものと共通するので、従来のインバータ制御回路6’において三次高調波重畳回路612'を制御信号変換回路612および信号生成回路613に置き換えるだけで実現することができる。
図9(b)は、同図(a)と比較するためのものであり、従来のインバータ制御回路6'のPWM信号生成回路62'に入力される指令値信号(相電圧制御信号に三次高調波を重畳したものである。図19における波形Xu0参照)の波形F'、キャリア信号の波形C、および、PWM信号の波形P’を示している。
同図(a)および(b)において、左端の矢印Lは、その長さがキャリア信号Cの振幅であり、PWM信号のハイレベル期間の長さの設定可能範囲を表している。しかし、ハイレベル期間が長すぎる場合および短すぎる場合には、PWM信号生成時に付加するデッドタイムにより、ハイレベル期間の長さの精度が保てなくなる。したがって、これら精度が保てなくなる範囲を利用不可能範囲とするために裕度が設けられている。同図(a)および(b)における右端の実線矢印M1,M2が裕度のための範囲を表している。同図(a)に示すように、本実施形態においては、指令値信号がゼロの期間にキャリア信号を上回らないようにするために、ハイレベル期間が短い場合の裕度(矢印M2の領域)を設けていない。このようにしても、デッドタイムによる精度の劣化は問題とならないレベルとなる。
同図(a)および(b)における右端の点線矢印Nは、ハイレベル期間の長さの設定可能範囲から裕度のための範囲を除外した範囲である利用可能範囲を表している。すなわち、この範囲で、PWM信号のハイレベル期間の長さを設定することができる。同図に示すように、(a)における矢印Nの範囲は、(b)における矢印Nの範囲より矢印M2の範囲の分広くなっている。したがって、本実施形態においては、従来のものより電圧利用率が向上している。
また、従来のインバータ制御回路6’を用いた場合、インバータ回路2の三相全てがスイッチングされるため、三相の各電位を合算したコモン電位が直流電源1の出力電圧(以下、「DC電圧」という。)の3倍の電圧範囲で変動するが、本実施形態においては、常に1つの相の電位がゼロとなるので、コモン電位はDC電圧の2倍の電圧範囲でのみの変動となる。したがって、本実施形態においては、コモン電位に比例して発生するEMIによるノイズが従来のものより小さくなる。
上記実施形態ではデジタル信号処理を行う場合について説明したが、本発明はアナログ信号処理を行う場合にも適用することができる。
図10は、本発明に係るインバータ制御装置の第2実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
系統連系インバータシステムA2においては、直流電圧センサ7、電流センサ8、および線間電圧センサ9はアナログセンサであって、計測されたアナログ信号がそのまま指令値信号生成回路61に入力される。指令値信号生成回路61は、アナログ処理装置である相電圧制御信号生成回路611、制御信号変換回路612、および信号生成回路613を備えており、アナログ信号である指令値信号Xu2,Xv2,Xw2を生成して、PWM信号生成回路62に出力する。PWM信号生成回路62は、指令値信号Xu2,Xv2,Xw2に基づいてPWM信号を生成して、インバータ回路2に出力する。
信号生成回路613は、入力される線間電圧制御信号Xuv,Xvw,Xwuと、これらの反転信号Xvu,Xwv,Xuwと、値が常にゼロであるゼロ信号とを用いて、指令値信号Xu2,Xv2,Xw2を生成する。例えば、Xu2は、XuvとXuwとゼロ信号とをコンパレータに入力して最大となる信号を抽出することで生成される。生成された指令値信号Xu2は、図5(c)に示す波形Vuと同じ波形となる。同様に、Xv2は、XvwとXvuとゼロ信号とから生成され、Xw2は、XwuとXwvとゼロ信号とから生成される。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、線間電圧制御信号Xuv,Xvw,Xwuの全波整流信号Xuv',Xvw',Xwu'を用いて指令値信号Xu2,Xv2,Xw2を生成するようにしてもよい。
図11は、全波整流信号Xuv',Xvw',Xwu'を用いて指令値信号Xu2,Xv2,Xw2を生成する方法を説明するための図である。図12は、この方法を用いるための信号生成回路613の構成を説明するための図である。
図12に示すように、信号生成回路613は、全波整流回路613aと信号選択回路613bを備えている。全波整流回路613aは、入力される線間電圧制御信号Xuv,Xvw,Xwuを全波整流して、全波整流信号Xuv',Xvw',Xwu'を出力する。図11(a)において、破線は線間電圧制御信号Xuvを示し、実線は線間電圧制御信号Xuvを全波整流した全波整流信号Xuv'を示している。また、図11(b)において、破線は線間電圧制御信号Xwuを示し、実線は線間電圧制御信号Xwuを全波整流した全波整流信号Xwu'を示している。
信号選択回路613bは、全波整流回路613aから入力される全波整流信号Xuv',Xvw',Xwu'から指令値信号Xu2,Xv2,Xw2を生成し出力する。信号選択回路613bは、系統電圧の位相に応じて、出力する信号を切り替えることで、指令値信号を出力する。図11(c)は、信号選択回路613bが出力する指令値信号Xu2を示している。系統電圧のU相の位相を基準位相とすると、基準位相が−π/6からπ/2の間は全波整流信号Xwu'が出力され、基準位相がπ/2から7π/6の間は全波整流信号Xuv'が出力され、基準位相が7π/6から11π/6の間はゼロ信号が出力される。このように出力された信号が指令値信号Xu2となる。同様に、指令値信号Xv2は全波整流信号Xvw'とXuv'とゼロ信号とを切り替えて出力することで出力され、指令値信号Xw2は全波整流信号Xwu'とXvw'とゼロ信号とを切り替えて出力することで出力される。
上記第1および第2実施形態においては、線間電圧制御信号を用いて指令値信号を生成しているが、これに限定されない。例えば、各相の相電圧が3分の1周期毎に直流電源1の負極側の電位(以下、「DC負極電位」という。)と一致するようにしてもよい。
図13は、各相の相電圧が3分の1周期毎に直流電源1のDC負極電位と一致するように制御するための制御方法を説明するためのフローチャートである。
この制御方法では、あらかじめ、基準位相を基にDC負極電位に固定する相を決定しておく。例えば、基準位相が−π/3(=−60°)からπ/3(=60°)の間はU相をDC負極電位に固定し、基準位相がπ/3(=60°)からπ(=180°)の間はW相をDC負極電位に固定し、基準位相がπ(=180°)から5π/3(=300°)の間はV相をDC負極電位に固定すると決めておく。
まず、各相の相電圧を決定し(S1)、基準位相を基にDC負極電位に設定する相を決定する(S2)。次に、当該相をDC負極電位に設定するための電圧量Vnを算出し(S3)、他の二相にVnを加算する(S4)。算出された各相の相電圧を出力する(S5)。
U相、V相、W相の各相電圧をそれぞれVu,Vv,Vwとし、変更後の各相電圧をそれぞれVu’、Vv’、Vw’とする。基準位相が−60°から60°の間は、U相をDC負極電位に固定するので、Vn=−Vuとなる。したがって、Vu’=0、Vv’=Vv−Vu、Vw’=Vw−Vuとなる。基準位相が60°から180°の間は、W相をDC負極電位に固定するので、Vn=−Vwとなる。したがって、Vu’=Vu−Vw、Vv’=Vv−Vw、Vw’=0となる。基準位相が180°から300°の間は、V相をDC負極電位に固定するので、Vn=−Vvとなる。したがって、Vu’=Vu−Vv、Vv’=0、Vw’=Vw−Vvとなる。
U相、V相、W相の各線間電圧をそれぞれVuv,Vvw,Vwuとすると、Vuv=Vu’−Vv’、Vvw=Vv’−Vw’、Vwu=Vw’−Vu’となる。基準位相が−60°から60°の間はVuv=Vu’−Vv’=0−(Vv−Vu)=Vu−Vvとなり、基準位相が60°から180°の間はVuv=Vu’−Vv’=(Vu−Vw)−(Vv−Vw)=Vu−Vvとなり、基準位相が180°から300°の間はVuv=Vu’−Vv’=(Vu−Vv)−0=Vu−Vvとなる。すなわち、全期間でVuv=Vu−Vvとなる。同様に、Vvw=Vv−Vw、Vwu=Vw−Vuとなり、変更後の各相電圧の差分である各線間電圧は、元の各相電圧の差分と一致する。したがって、インバータ回路2から出力される各線間電圧は系統電圧と同期することができる。
図14は、当該制御方法をベクトル遷移図で表したものである。基準位相が−60°から60°の間は、U相の相電圧を示すベクトル(同図における太線矢印)の先端がDC負極電位に固定されており、基準位相が60°から180°の間は、W相の相電圧を示すベクトル(同図における細線矢印)の先端がDC負極電位に固定されており、基準位相が180°から300°の間は、V相の相電圧を示すベクトル(同図における点線矢印)の先端がDC負極電位に固定されている。
当該制御方法を実現するためのインバータ制御装置について、以下に説明する。
図15は、本発明に係るインバータ制御装置の第3実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
系統連系インバータシステムA3のインバータ制御回路6は、制御信号変換回路612と信号生成回路613に換えて信号生成回路614を備えている点で、第1実施形態のものと異なる。
信号生成回路614は、入力される相電圧制御信号Xu,Xv,Xwを用いて、指令値信号Xu3,Xv3,Xw3を生成する。信号生成回路614は、指令値信号Xu3,Xw3,Xv3を、この順に3分の1周期毎にゼロに設定し、ゼロに設定される相の相電圧制御信号を各相の相電圧制御信号から減じた信号を指令値信号とすることにより、図13に示す制御方法を実現する。
図16は、信号生成回路614で行われる処理を説明するためのフローチャートである。
まず、基準位相θが初期化される(S11)。次に、各相の相電圧制御信号が入力され(S12)、基準位相が判別される(S13)。−π/3≦θ<π/3の場合、指令値信号Xu3がゼロとされ、相電圧制御信号XvからXuを減じて指令値信号Xv3とされ、相電圧制御信号XwからXuを減じて指令値信号Xw3とされる(S14)。π/3≦θ<πの場合、Xw3がゼロとされ、XuからXwを減じてXu3とされ、XvからXwを減じてXv3とされる(S15)。π≦θ<5π/3の場合、Xv3がゼロとされ、XuからXvを減じてXu3とされ、XwからXvを減じてXw3とされる(S16)。各指令値信号がPWM信号生成回路62に出力され(S17)、基準位相θが増加され(S18)、ステップS12に戻る。
なお、本実施形態を実装する場合には、高調波制御に伴う位相の変化を考慮する必要がある。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、上記実施形態では、系統連系インバータシステムに本発明のインバータ制御回路を用いた場合について説明したが、これに限られない。従来のインバータ制御回路に上述した方法でPWM信号を生成するプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したROMなどの記録媒体からコンピュータに読み込んで、そのプログラムを実行させることにより、本発明のインバータ制御回路を実現してもよい。
本発明に係るインバータ制御回路は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るインバータ制御回路の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
相電圧信号Vu,Vv,Vw及び線間電圧信号Vwu,Vuv,Vvwの関係を示すベクトル図である。 相電圧信号Vu,Vv,Vwにそれぞれ対応するベクトルPu,Pv,Pwによって形成される正三角形を基準ライン上で回転させることによって基準電圧の位置が変化する様子を示す図である。 図1に示すベクトル図を時計回りにπ/6だけ回転させた図である。 本発明に係るU相、V相及びW相の各相の相電圧信号と線間電圧信号との関係を示す図である。 線間電圧信号Vwu,Vuv,Vvw,Vuw,Vvu,Vwvと本発明に係るU相、V相及びW相の各相の相電圧信号Vu1、Vv1、Vw1の波形を示す図である。 本発明に係るインバータ制御装置の第1実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。 フルブリッジ形の三相インバータ回路の一例を示す図である。 信号生成回路が出力する指令値信号Xu1の波形を説明するための図である。 指令値信号とキャリア信号からPWM信号を生成する方法を説明するための図である。 本発明に係るインバータ制御装置の第2実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。 全波整流信号を用いて指令値信号を生成する方法を説明するための図である。 全波整流信号を用いて指令値信号を生成する方法を用いるための信号生成回路の構成を説明するための図である。 各相の相電圧が3分の1周期毎に直流電源のDC負極電位と一致するように制御するための制御方法を説明するためのフローチャートである。 図13に示す制御方法をベクトル遷移図で表したものである。 本発明に係るインバータ制御装置の第3実施形態を備えた系統連系インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。 信号生成回路で行われる処理を説明するためのフローチャートである。 、従来のインバータ制御回路を備えた系統連系三相インバータシステムの一例を説明するためのブロック図である。 三角波比較方式によるPWM信号の生成原理を示す図である。 相電圧制御信号の波形と、これに三次高調波を重畳した指令値信号の波形を示す図である。
符号の説明
A1,A2,A3 系統連系インバータシステム
1 直流電源
2 インバータ回路
3 フィルタ回路
4 変圧回路
5 商用電力系統
6 インバータ制御回路
61 指令値信号生成回路
611相電圧制御信号生成回路
611a 位相検出回路
611b PI制御回路
611c 三相/二相変換回路
611d 静止座標変換回路
611e PI制御回路
611f 回転座標変換回路
611g 二相/三相変換回路
612 制御信号変換回路
613,614 信号生成回路
62 PWM信号生成回路
7 直流電圧センサ
8 電流センサ
9 線間電圧センサ

Claims (10)

  1. PWM信号により三相インバータ回路内の複数のスイッチング手段の駆動を制御して前記三相インバータ回路の出力を三相平衡出力に制御するインバータ制御回路であって、
    1周期の波形が、1/3周期の期間でゼロとなり、続く1/3周期の期間で位相が0から2π/3の区間の正弦波の波形となり、残りの1/3周期の期間で前記正弦波の位相がπ/3からπの区間の波形となる第1の指令値信号と、この第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ進んだ第2の指令値信号と、前記第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ遅れた第3の指令値信号とを生成する指令値信号生成手段と、
    前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    を備えていることを特徴とするインバータ制御回路。
  2. 前記第1乃至第3の指令値信号の波形を形成する正弦波信号は、前記三相インバータ回路から出力すべき平衡した三相の線間電圧信号と同一の波形を有する線間電圧制御信号である、請求項1に記載のインバータ制御回路。
  3. 前記指令値信号生成手段は、
    前記三相インバータ回路から出力される三相の出力電圧を制御するための3つの相電圧制御信号を生成する相電圧制御信号生成手段と、
    前記3つの相電圧制御信号を前記線間電圧制御信号に変換する制御信号変換手段と、
    前記線間電圧制御信号から前記三相インバータ回路の各相に対して前記第1乃至第3の指令値信号を生成する信号生成手段と、
    を備えている、請求項2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記信号生成手段は、各相の前記指令値信号を、当該相の相電圧制御信号から当該相より相順が一つ前の相電圧制御信号と当該相の一つ後の相電圧制御信号をそれぞれ差し引いて得られる2つの線間電圧制御信号と常に値がゼロであるゼロ信号とから、これらの信号のうち最大値を取るように合成された信号として生成する、請求項3に記載のインバータ制御回路。
  5. 前記信号生成手段は、各相の前記指令値信号を、1/3周期の期間をゼロとし、続く1/3周期の期間を当該相の相電圧制御信号から当該相より相順が一つ前の相電圧制御信号を差し引いて得られる線間電圧制御信号とし、残りの1/3周期の期間を当該相の相電圧制御信号から当該相より相順が一つ後の相電圧制御信号を差し引いて得られる線間電圧制御信号として生成する、請求項3に記載のインバータ制御回路。
  6. 前記指令値信号生成手段は、
    前記三相インバータ回路から出力される三相の出力電圧を制御するための3つの相電圧制御信号を生成する相電圧制御信号生成手段と、
    前記3つの相電圧制御信号から前記三相インバータ回路の各相に対して前記第1乃至第3の指令値信号を生成する信号生成手段とを備え、
    前記信号生成手段は、
    前記第1の指令値信号のゼロとなる期間においては、
    前記第1の指令値信号に対応する相の第1の相電圧制御信号から当該第1の相電圧制御信号を差し引いて前記第1の指令値信号とし、
    前記第2の指令値信号に対応する相の第2の相電圧制御信号から第1の相電圧制御信号を差し引いて前記第2の指令値信号とし、
    前記第3の指令値信号に対応する相の第3の相電圧制御信号から前記1の相電圧制御信号を差し引いて前記第3の指令値信号とし、
    当該ゼロ期間に続く1/3周期の期間においては、
    前記第1の相電圧制御信号から前記第3の相電圧制御信号を差し引いて前記第1の指令値信号とし、
    前記第2の相電圧制御信号から前記第3の相電圧制御信号を差し引いて前記第2の指令値信号とし、
    前記第3の相電圧制御信号から前記第3の相電圧制御信号を差し引いて前記第3の指令値信号とし、
    残りの1/3周期の期間においては、
    前記第1の相電圧制御信号から前記第2の相電圧制御信号を差し引いて前記第1の指令値信号とし、
    前記第2の相電圧制御信号から前記第2の相電圧制御信号を差し引いて前記第2の指令値信号とし、
    前記第3の相電圧制御信号から前記第2の相電圧制御信号を差し引いて前記第3の指令値信号とする、
    請求項1に記載のインバータ制御回路。
  7. 前記PWM信号生成手段は、前記3つの指令値信号をそれぞれ所定のキャリア信号と、各指令値信号のゼロレベルを前記キャリア信号の振幅の最小レベルに合わせるようにして比較することにより前記PWM信号を生成する、請求項1ないし6のいずれかに記載のインバータ制御回路。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載のインバータ制御回路を備えている系統連系インバータシステム。
  9. コンピュータを、
    PWM信号により三相インバータ回路内の複数のスイッチング手段の駆動を制御して前記三相インバータ回路の出力を三相平衡出力に制御するインバータ制御回路として機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    1周期の波形が、1/3周期の期間でゼロとなり、続く1/3周期の期間で位相が0から2π/3の区間の正弦波の波形となり、残りの1/3周期の期間で前記正弦波の位相がπ/3からπの区間の波形となる第1の指令値信号と、この第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ進んだ第2の指令値信号と、前記第1の指令値信号に対して位相が2π/3だけ遅れた第3の指令値信号とを生成する指令値信号生成手段と、
    前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    して機能させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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