JP2008228552A - 交流電源品質補償装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】需要家の交流電源電圧にインバータを正弦波電圧連系することにより、交流電圧波形を改善する交流電源品質補償装置は、需要家の非線形負荷により高調波電流に対する波形補償だけでなく、電源上位系統からの波形歪みを同時に補償できるが、報告されている制御システムでは、インバータの瞬時電流基準が得られないため平均値制御によっていたため、十分な波形補償ができないだけでなく直流電流を含むなどの課題があった。
【解決手段】インバータを正弦波電圧連系することにより、交流電圧波形を改善する交流電源品質補償装置において、インバータの瞬時電流基準をインバータの直流電圧制御ループからの出力と交流電源同期信号から得られる基準量に、PWM制御する信号量から電流基準補正部を付加することにより、適切な瞬時電流基準を得て、実電流と瞬時値比較制御することにより、直流電流が流れることなく安定に正弦波電圧連系させることを可能とした電流基準補正部を含むことを特徴とする交流電源品質補償装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電源に同期した正弦波PWM制御されたインバータ出力を交流電源に接続することにより受電端での交流電源電圧波形を改善する交流電源品質補償装置に関する。
交流電源ラインには、整流回路を主とする数多くの非線形負荷が接続されるために、高調波電流が流れ、受電端での交流電圧波形がひずむようになっており、この電圧歪みが同じ電源ラインに接続される機器に悪影響を及ぼす事例が報告されている。
受電端での交流電源電圧の波形歪みは、主として需要家が高調波電流負荷を接続することにより発生するものであるが、近年の非線形電力負荷の増大により配電系統の電圧波形がひずむようになっている。
このため、高調波電圧歪みが問題となるケースではアクティブフィルタが設置されるが、電流波形改善を行うのが主目的であるため、上位の系統からの波形歪みを補償することはできない。
そこで、需要家内の交流電源電圧波形を直接的に改善する手法として、交流電源に同期した正弦波電圧をインバータで発生させることにより、需要かの非線形負荷による波形歪みだけでなく、上位系統からの電圧波形歪みを補償する方法を提案報告している。
しかし、インバータを交流電源に接続する電流にsついては、平均的な制御だけで瞬時電流を直接的に制御する構成となっていなかったため、応答性が劣り十分な波形補償ができていなかった。
また、インバータは交流電圧源として接続するために、直流電流が流れるなどの問題も生じていた。
従来から報告されている正弦波電圧連系による交流電圧補償装置の問題は、インバータを受電の交流電源に接続することにより、交流電源波形を改善する交流電源品質保証装置において、これまでに報告されていた制御が、連系するインバータの電圧制御法として、平均的な交流電流で制御系を構成していたことに原因があった。
本発明は、インバータを受電の交流電源に接続することにより、交流電源波形を改善する交流電源品質保証装置において、連系するインバータの電圧制御法として、平均的な交流電流制御系で構成していた交流電圧制御手法を、電流基準補正部を含む瞬時電流制御系を含ませることにより問題点を解決する連系制御法を提供することを目的とする。
第1の観点では、本発明は、ラインインピーダンスを含む交流電源に、直流回路にコンデンサを含むインバータを接続構成した電力変換回路を用いて、インバータの交流出力平均電圧を電源電圧と同期した正弦波電圧に制御することにより、交流電源ラインの交流電圧波形を改善する補償装置において、インバータの直流電圧を適切な基準値と一致させる電圧調節器の出力から交流電源電圧に同期した電流基準を発生させ、この電流基準にインバータからの線路電流が一致するように電流調節器の出力からインバータをPWM制御する制御電圧を発生させPWM制御する制御システムにおいて、電流調節器の出力から基本波成分以外の成分を抽出してゲイン調節された出力で、基準電流を補正する電流基準補正部を含むことを特徴とする交流電源品質補償装置を提供する。
上記第1の観点による交流電源品質補償装置の基本構成例を図1に示す。本発明の交流電源品質補償装置は、インバータの直流電圧が一定の基準値と一致するように電圧調節器を設けた電圧制御ループにより、連系する電流の大きさを決定し、インバータが接続される交流電源に同期した基準電流を生成し、連系する実電流と一致するように電流調節器を設けた電流制御ループを介して生成した制御信号を、電流基準補正部からの補正量により電流基準を補正するループを含めることにより瞬時電流波形を制御しながらインバータを制御し正弦波電圧連系することにより、交流電源品質の改善を行うことができる。
第2の観点では、本発明は、請求項1記載の交流電源品質補償装置において、交流電源は単相交流電源とし、電流基準補正部に、BEF(帯域除去フィルタ)部とゲイン調節部を含むことを特徴とする交流電源品質補償装置を提供する。
上記第2の観点による交流電源品質補償装置の基本構成例を図2に示す。上記第2の観点による交流電源品質補償装置では、インバータの直流電圧を基準値と一致させる電圧当節器の出力で基準電流の振幅値を決定し、交流電源電圧と同期した正弦波の電流基準を生成し、連系する実電流と一致するように電流調節器の出力から、BEF(帯域除去フィルタ)部とゲイン調節部からなる電流基準補正部の出力で基準電流を補正することにより、正弦は電圧連系統を容易にさせることができる。
第3の観点では、本発明は、請求項1記載の交流電源品質補償装置において、交流電源は三相交流電源とし、三相の交流電流を検出し、回転座標変換を行った二軸成分量が、インバータの直流電圧を適切な基準値と一致させる電圧調節器の出力で生成させた電流基準
Figure 2008228552
れた出力を、HPF(低域除去フィルタ)部とゲイン調節器で構成する電流基準補正部により、基準電流を補正することを特徴とする交流電源品質補償装置を提供する。
上記第3の観点による交流電源品質補償装置の基本構成例を図3に示す。上記第3の観点による交流電源品質補償装置では、三相システムとしての構成であり、連系する交流電流を回転座標変換し、二軸成分電流を検出し、インバータの直流電圧が一定の基準値と一
Figure 2008228552
をもとに、三相PWM制御することによりインバータを正弦波電圧連系するとき、電流調節器からの二軸成分電圧出力を、、HPF(低域除去フィルタ)部とゲイン調節器で構成する電流基準補正部により、基準電流を補正することことにより、正弦波電圧連係を容易にさせることができる。
単相システムにおいては、座標変換を用いないため、交流量を直接制御することになるが、三相システムにいては、制御系の構成が簡単となるため、回転座標変換を行った量で制御系を組むため、正弦波電圧連係制御が行われるときは、インバータのPWM制御信号は直流量となる。このため、基準電流補正部の構成が、単相システムではBEF(帯域除去フィルタ)部を用いて構成されるが、三相システムではHPF(低域除去フィルタ)部を用いた構成となっている。
第4の観点では、本発明は、前記第1〜3のいずれかの観点による交流電源品質補償装置において、電流基準補正部におけるゲイン調整により、制御システムを安定化させることを特徴とする交流電源品質補償装置を提供する。
上記第4の観点は、ある値以上のゲインを設定することにより電流基準補正部の出力で基準電流を補正することにより、交流電源品質補償装置を振動を伴うことなく安定に動作させることができる。
第5の観点では、本発明は、前記第1〜3のいずれかの観点による交流電源品質補償装置において、ゲイン調整により、連系する交流電圧を正弦波に近づけることにより、波形補償効果を高めることを特徴とする交流電源品質補償装置を提供する。
上記第5の観点は、ある値以上のゲインを設定することにより電流基準補正部の出力で基準電流を補正することにより、連系電圧をより正弦波に近づけることができ交流電源品質補償装置としての波形改善効果を高めることができる。
第6の観点では、本発明は、前記第1〜5のいずれかの観点による交流電源品質補償装置において、インバータの直流側に蓄電池、太陽電池や燃料電池等を接続することにより、交流系統と有効電力授受を行わせることができることを特徴とする交流電源品質補償装置を提供する。
上記第6の観点は、インバータの直流側に蓄電池、太陽電池や燃料電池等を接続することにより、インバータの直流回路と交流回路間で交流電源品質補償を行うながら有効電力授受を行うことができる。
太陽光発電や燃料電池などの直流電力を交流電力に変換して交流電源系統に給電する交直連系電力変換装置の導入は今後急増するものと考えられ、インバータの系統連系指針としてシステム全体が改善できるものが求められる。本発明の交直連系電力変換装置は装置容量を増大させることなく、一般の制御システムの交流電圧波形制御ループを付加するだけで配電系統システム、電力系統システム全体の電源品質改善が可能である。今後、系統連系ガイドラインの見直しにより、標準的な連系制御手法になると予想され、配電系統システム、電力系統システム全体の電源品質改善に貢献できるものと期待できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係わるブロック図を図4に示す。図4は図2に示す制御ブロックを具現化したものである。図2において、インバータ1の直流側のコンデンサ2の両端の電
Figure 2008228552
圧Edに一致するようにそれらの差分を電圧調節器7に導き、この出力で電流基準の大き
Figure 2008228552
正弦波sinθ出力を乗算することにより、得られた電流基準に電流基準補正部51からの出力で補正した量を電流基準値とし、実電流と一致するように電流調節器13によりΠΩM制御信号εσγを得る。電流基準補正部51は、BEF(帯域除去フィルタ)部とゲイン調節部で構成される。インバータは電流補正された基準値と実電流が一致する用に制御することにより、ほぼ正弦波の制御信号esgを発生させることにより、極めて安定に交流電源品質保証装置を働かせる構成となっている。図4は、シミュレーション回路で制御システムの動作を確認するブロック図である。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係わるブロック図を図7に示す。図7は図3に示す制御ブロックを具現化したものである。図3において、インバータ1の直流側のコンデンサ2の両端の電
Figure 2008228552
圧Edに一致するようにそれらの差分を電圧調節器7に導き、この出力で二軸成分電流の
Figure 2008228552
補正部53,54からの出力で補正した量を二軸電流基準値とし、電流検出器4で検出した実電流を回転座標変換部10で座標変換した量と対応させて基準電電流調節器25,26により電流比較制御をおこない、この二軸電圧量Vδ、Vγをもとに三相PWM制御信号を発生させインバータ1を制御する構成を取っている。ここで、電流基準補正部は、回転座標変換量を扱うため、HPF(低域除去フィルタ)部21,22およびゲイン調節器23,24で構成している。図7は、図3の制御ブロックを具現化した実験システムの回路構成ブロックである。図7の実験回路では、インバータの直流回路に太陽電池を模擬実験するため、直流電圧源を抵抗を介して接続している。
以下、本発明の実施例を説明する。
前記第1の実施の形態の図4に示す交流電源品質補償装置において、最大振幅120Vの交流電源電圧Es=100V,周波数f=60Hz,電源インダクタンスLs=2mH,連系インバータの直流コンデンサCd=2000μF、直流基準電圧Edr=150V,連系インダクタンスLb=1H、交流端子に接続する抵抗・コンデンサCf=10uF,Rf=0.1オームの回路定数のもとで、交流負荷としてダイオードブリッジの整流回路(平滑コンデンサC0=2200uF,、負荷抵抗Ro=50オーム、接続インダクタンスLo=2mH)が接続されているときの動作波形を図5に示す。図6は、本発明の補償装置を接続していない場合の動作波形である。
上位系統の電圧振幅が120Vにクランプされた歪波電圧と非線系負荷としてコンデンサインプット形整流回路が接続されているが、本発明の制御により交流負荷端子電圧eoの波形歪みは無制御の場合に比べて大幅に低減できており、波形改善に有効であることが確認できる。
前記第2の実施の形態の図7に示す交流電源品質補償装置において、三相交流電源電圧Es=200V,周波数f=60Hz,電源インダクタンスLs=4mH,連系インバータの直流コンデンサCd=3000μF、直流基準電圧Edr=300V,連系インダクタンスLb=1.6mH、交流端子に接続する抵抗・コンデンサCf=30uF,Rf=5オームの回路定数のもとで、交流負荷としてダイオードブリッジの整流回路(平滑コンデンサC0=1800uF,、負荷抵抗Ro=70オーム、接続インダクタンスレLo=1mH)とインバータの直流回路にEds=315V,Rs=2.5オームの模擬太陽電池が接続されているときの動作波形を図8に示す。図9は、本発明の補償装置を接続していない場合の動作波形である。
上位系統の交流電源電圧が歪波電圧であり、非線形負荷としてコンデンサインプット形整流回路が接続されてても、本発明の制御により交流負荷端子電圧eoの波形歪みは、無制御の場合に比べて大幅に低減できており、波形改善に有効であることが確認できる。
本発明の第1の観点による交流電源品質補償装置。 本発明の第2の観点による交流電源品質補償装置。 本発明の第3の観点による交流電源品質補償装置。 本発明の第1の実施の形態に係る交流電源品質補償装置のブロック図 本発明の第2の実施の形態に係る交流電源品質補償装置のブロック図 本発明の実施例1に係るシミュレーション波形 本発明の実施例1に係るシミュレーション波形 本発明の実施例1に係る実験結果 本発明の実施例1に係る実験結果
符号の説明
1…インバータ
2…コンデンサ
3…交流電源
4…電流検出器
5…電圧検出器
6…基準電圧設定部
7…電圧調節器
8…正弦波発生部
9…乗算器
10…回転座標変換部
11…ゲイン調節部
12…BEF(帯域除去フィルタ)部
13…電流調節器部
14…基準電流補正部
15…PWM制御信号発生部
16…PWM制御信号発生部(三相)
11…ゲイン調節部
21…HPF(低域除去フィルタ)部
22…ゲイン調節部
23…HPF(低域除去フィルタ)部
24…ゲイン調節部
25…電流調節部
26…電流調節部
30…交流電源
50…基準電流発生部
51…基準電流補正部
53…基準電流補正部
54…基準電流補正部
100…インバータ制御部

Claims (6)

  1. ラインインピーダンスを含む交流電源に、直流回路にコンデンサを含むインバータを接続構成した電力変換回路を用いて、インバータの交流出力平均電圧を電源電圧と同期した正弦波電圧に制御することにより、交流電源ラインの交流電圧波形を改善する補償装置において、インバータの直流電圧を適切な基準値と一致させる電圧調節器の出力から交流電源電圧に同期した電流基準を発生させ、この電流基準にインバータからの線路電流が一致するように電流調節器の出力からインバータをPWM制御する制御電圧を発生させPWM制御する制御システムにおいて、電流調節器の出力から基本波成分以外の成分を抽出してゲイン調節された出力で、基準電流を補正する電流基準補正部を含むことを特徴とする交流電源品質補償装置。
  2. 請求項1記載の交流電源品質補償装置において、交流電源は単相交流電源とし、電流基準補正部に、BEF(帯域除去フィルタ)部とゲイン調節部を含むことを特徴とする交流電源品質補償装置。
  3. 請求項1記載の交流電源品質補償装置において、交流電源は三相交流電源とし、三相の交流電流を検出し、回転座標変換を行った二軸成分量が、インバータの直流電圧を適切な
    Figure 2008228552
    フィルタ)部とゲイン調節器で構成する電流基準補正部により、基準電流を補正することを特徴とする交流電源品質補償装置。
  4. 上記記載の請求項1〜3において、電流基準補正部におけるゲイン調整により、制御システムを安定化させることを特徴とする交流電源品質補償装置。
  5. 上記記載の請求項1〜3において、電流基準補正部におけるゲイン調整により、連系する交流電圧を正弦波に近づけることにより、波形補償効果を高めることを特徴とする交流電源品質補償装置。
  6. 上記記載の請求項1〜5において、インバータの直流側に蓄電池、太陽電池や燃料電池等を接続することにより、交流系統と有効電力授受を行わせることができることを特徴とする交流電源品質補償装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010136547A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Daihen Corp インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム
KR101699174B1 (ko) * 2015-09-09 2017-01-23 한국전력공사 마이크로그리드용 인버터 장치 및 이를 제어하는 방법

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