以下に、開示技術にかかるマトリックスコンバータの実施形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
図1は、実施形態にかかる電力変換システムの構成を示す図である。実施形態にかかる電力変換システムCSは、マトリックスコンバータ1を有する。実施形態は、電力変換システムCSにおいて、マトリックスコンバータ1の入力側の3相交流発電機を風力発電機とするが、風力発電機に限られず、3相交流発電機一般とすることができる。また、実施形態は、電力変換システムCSにおいて、マトリックスコンバータ1の出力側の負荷を電力系統とするが、電力系統に限られず、負荷一般とすることができる。
電力変換システムCSは、マトリックスコンバータ1、風力発電システムGSを有する。風力発電システムGSは、プロペラP、発電機G、位相差情報生成器100を有する。発電機Gには、その回転子にプロペラPが接続されている。発電機Gは、プロペラPが風力で回転することにより回転子が回転し、3相交流電力を発電する。発電機Gは、発電した3相交流電力を、マトリックスコンバータ1へ出力する。
発電機Gは、風速やプロペラPのピッチなどに応じて入力トルク(風速)が変化する。発電機Gが風力発電機などの誘導発電機である場合には、入力トルク(風速)に基づいて発電機Gの入力力率を算出できることから、例えば、位相差情報生成器100は、発電機Gの入力トルク(風速)に基づく発電機Gの入力力率をもとに、発電機Gの効率およびマトリックスコンバータ1の電圧利用率を最大にするような発電機Gの入力力率の制御を行う位相差θを算出する。そして、位相差情報生成器100は、所定のタイミングで算出した位相差θをマトリックスコンバータ1へ出力する。なお、所定のタイミングは、発電機Gの入力トルク(風速)の変化量が、位相差θを最後に算出したときから所定値以上となったタイミングであってもよいし、リアルタイムもしくは所定周期のタイミングであってもよい。
マトリックスコンバータ1は、発電機Gから、3相の電力線Lr,Ls,Ltを介して3相交流電力が入力される。マトリックスコンバータ1は、入力された3相交流電力を、直流電力に変換することなく、3相交流電力に直接変換して3相の電力線Lu,Lv,Lwを介して電力系統PSへ送出する。マトリックスコンバータ1へ入力された3相交流電力と、マトリックスコンバータ1から出力される3相交流電力とは、電圧および周波数が互いに異なる。入力された3相交流電力は、例えば、R相の交流電力、S相の交流電力、T相の交流電力を含む。出力される3相交流電力は、例えば、U相の交流電力、V相の交流電力、W相の交流電力を含む。
図1に示すように、マトリックスコンバータ1は、3相リアクトル40、入力コンデンサ50、減算器60、双方向スイッチ回路10、制御信号発生部30、制御部20を備える。
3相リアクトル40は、例えば、複数のリアクトル41〜43を有する。リアクトル41は、例えば、R相の電力線Lrに直列に挿入されている。リアクトル42は、例えば、S相の電力線Lsに直列に挿入されている。リアクトル43は、例えば、T相の電力線Ltに直列に挿入されている。3相リアクトル40は、例えば、3相の電力線Lr,Ls,Ltにおける電流および電圧のリップルを低減する。
入力コンデンサ50は、例えば、複数のコンデンサ51〜53を有する。コンデンサ51は、例えば、一端がR相の電力線Lrに接続され、他端がコンデンサ52,53に接続されている。コンデンサ52は、例えば、一端がS相の電力線Lsに接続され、他端がコンデンサ51,53に接続されている。コンデンサ53は、例えば、一端がT相の電力線Ltに接続され、他端がコンデンサ51,52に接続されている。入力コンデンサ50は、例えば、3相の電力線Lr,Ls,Ltにおける電流および電圧のリップルを低減する。
減算器60は、位相差情報生成器100から出力された位相差θの入力を受け付ける入力インターフェースを含む。減算器60は、例えば発電機Gから出力された3相交流電力に基づく3相交流電圧(例えば、R相の交流電圧)と同期する3相同期信号を生成し、3相同期信号に位相差θを減算することで3相同期信号の位相を調整した3相位相調整後信号(後述のR相位相差電圧、S相位相差電圧、T相位相差電圧)を制御部20へ出力する。なお、マトリックスコンバータ1は、減算器60に代えて、加算器を有してもよい。
ここで、発電機Gから出力されマトリックスコンバータ1へ入力されるR,S,Tの3相交流電力(以下「入力交流電力」という)の電圧は、下記(1.1)式〜(1.3)式でそれぞれ表されるように、電圧の最大振幅を単位振幅1とする規格化が行われたR相規格化電圧A、S相規格化電圧B、T相規格化電圧Cとする。R相規格化電圧A、S相規格化電圧B、T相規格化電圧Cそれぞれは、√(3/2)を乗ずることで線間電圧実効値へ換算できる。R相規格化電圧A、S相規格化電圧B、T相規格化電圧Cは、入力された3相交流電力に基づく3相交流電圧と同期する3相同期信号の一例である。
R相規格化電圧 A=sin(ωt+θ) ・・・(1.1)
S相規格化電圧 B=sin(ωt+θ+4π/3) ・・・(1.2)
T相規格化電圧 C=sin(ωt+θ+8π/3) ・・・(1.3)
また、3相交流電力のR相の規格化電圧に位相差θが減算されたR,S,Tの3相交流電力(以下「位相差交流電力」という)の電圧は、下記(2.1)式〜(2.3)式それぞれで表されるR相位相差電圧a、S相位相差電圧b、T相位相差電圧cとする。R相位相差電圧a、S相位相差電圧b、T相位相差電圧cは、3相同期信号の位相が調整された3相位相調整後信号の一例である。R相位相差電圧a、S相位相差電圧b、T相位相差電圧cは、R相規格化電圧A、S相規格化電圧B、T相規格化電圧Cと比較して、θが正の場合はそれぞれ位相がθだけ遅れており、θが負の場合はそれぞれ位相がθだけ進んでいる。θが0の場合は、R相位相差電圧aとR相規格化電圧A、S相位相差電圧bとS相規格化電圧B、T相位相差電圧cとT相規格化電圧Cのそれぞれが、同位相である。
R相位相差電圧 a=sin(ωt) ・・・(2.1)
S相位相差電圧 b=sin(ωt+4π/3) ・・・(2.2)
T相位相差電圧 c=sin(ωt+8π/3) ・・・(2.3)
双方向スイッチ回路10は、発電機Gから入力された3相交流電力を3相交流電力へ変換するように、入力された3相交流電力の電力系統PSへの供給をON/OFFする。例えば、双方向スイッチ回路10は、9つの双方向スイッチSRU,SSU,STU,SRV,SSV,STV,SRW,SSW,STWを有する。双方向スイッチ回路10は、制御部20による制御のもと、9つの双方向スイッチSRU〜STWがそれぞれ所定のタイミングでON/OFFすることで、入力された3相交流電力を3相交流電力へ変換する。
双方向スイッチSRUは、例えば、R相の交流電力からU相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSRUは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSRUを受けて、スイッチング信号φSRUに応じて、R相の電力線LrとU相の電力線Luとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSSUは、例えば、S相の交流電力からU相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSSUは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSSUを受けて、スイッチング信号φSSUに応じて、S相の電力線LsとU相の電力線Luとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSTUは、例えば、T相の交流電力からU相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSTUは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSTUを受けて、スイッチング信号φSTUに応じて、T相の電力線LtとU相の電力線Luとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSRU,SSU,STUは、U相の電力線Luに共通に接続されており、双方向スイッチSRU,SSU,STUから供給されたU相の交流電力の成分は、U相の電力線Lu上で合成されU相の交流電力として電力系統PSへ送出される。
双方向スイッチSRVは、例えば、R相の交流電力からV相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSRVは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSRVを受けて、スイッチング信号φSRVに応じて、R相の電力線LrとV相の電力線Lvとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSSVは、例えば、S相の交流電力からV相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSSVは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSSVを受けて、スイッチング信号φSSVに応じて、S相の電力線LsとV相の電力線Lvとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSTVは、例えば、T相の交流電力からV相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSTVは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSTVを受けて、スイッチング信号φSRVに応じて、T相の電力線LtとV相の電力線Lvとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSRV,SSV,STVは、V相の電力線Lvに共通に接続されており、双方向スイッチSRV,SSV,STVから供給されたV相の交流電力の成分は、V相の電力線Lv上で合成されV相の交流電力として電力系統PSへ送出される。
双方向スイッチSRWは、例えば、R相の交流電力からW相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSRWは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSRWを受けて、スイッチング信号φSRWに応じて、R相の電力線LrとW相の電力線Lwとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSSWは、例えば、S相の交流電力からW相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSSWは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSSWを受けて、スイッチング信号φSSWに応じて、S相の電力線LsとW相の電力線Lwとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSTWは、例えば、T相の交流電力からW相の交流電力の成分を生成する。双方向スイッチSTWは、例えば、制御部20からスイッチング信号φSTWを受けて、スイッチング信号φSTWに応じて、T相の電力線LtとW相の電力線Lwとの接続をON/OFFする。
双方向スイッチSRW,SSW,STWは、W相の電力線Lwに共通に接続されており、双方向スイッチSRW,SSW,STWから供給されたW相の交流電力の成分は、W相の電力線Lw上で合成されW相の交流電力として電力系統PSへ送出される。
(双方向スイッチ)
図2は、実施形態における双方向スイッチの構成を示す図である。各双方向スイッチSRU〜STWは、例えば、図2(a)に示すスイッチSと等価である。図2(a)に示すスイッチSは、制御部20から制御端子CT経由でスイッチング信号を受け、ONして端子T1と端子T2とを接続したり、OFFして端子T1と端子T2とを遮断したりする。スイッチSは、端子T1と端子T2との間で双方向に電流が流れ得る。
図2(a)に示すスイッチSは、理想的なスイッチである。実際にスイッチを構成する素子は、スイッチング時間が存在するため、転流する時の開放モード、短絡モードを考慮して、例えば、図2(b)、または図2(c)に示すように接続されて構成されていてもよい。図2(b)に示す構成は、例えば、逆阻止機能を有する素子EL1,EL2を並列接続して実現された構成である。逆阻止機能を有する素子EL1,EL2は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))でもよい。端子T1’,T2’は、それぞれ、図2(a)に示す端子T1,T2に対応しており、制御端子CT1’,CT2’は、図2(a)に示す制御端子CTに対応している。
あるいは、図2(c)に示す構成は、例えば、逆阻止機能を有さない素子EL11,EL12を直列接続して実現された構成である。逆阻止機能を有さない素子EL11,EL12は、例えば、還流ダイオードが両端に接続された絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)でもよいし、または、電界効果トランジスタ(FET(Field Effect Transistor))でもよい。端子T1”は、図2(a)に示す端子T1に対応している。端子T2”は、図2(a)に示す端子T2に対応している。制御端子CT1”,CT2”は、図2(a)に示す制御端子CTに対応している。
説明を図1へ戻す。制御信号発生部30は、負荷側に出力する任意の3相交流電力に応じた制御信号(第2の制御信号)u,v,wを発生させて制御部20へ供給する。制御信号u,v,wは、本実施形態では、正弦波である。制御信号uは、電力系統PSへ供給すべきU相の交流電圧に応じた交流波形(例えば、本実施形態では正弦波)である。制御信号vは、電力系統PSへ供給すべきV相の交流電圧に応じた交流波形(例えば、本実施形態では正弦波)である。例えば、制御信号wは、電力系統PSへ供給すべきW相の交流電圧に応じた交流波形(例えば、本実施形態では正弦波)である。
制御部20は、双方向スイッチ回路10における各双方向スイッチSRU〜STWのスイッチングパターンを生成する。例えば、制御部20は、双方向スイッチ回路10が入力された3相交流電力に対して仮想AC/DC変換処理を行い、仮想AC/DC変換処理が行われた電力に対して仮想DC/AC変換処理を行うように、双方向スイッチ回路10のスイッチングパターン(すなわち、スイッチング信号のパターン)を生成する。以下において、「仮想AC/DC変換処理を行う」とは、AC/DC変換処理を仮想的に行うことを意味し、「仮想DC/AC変換処理を行う」とは、DC/AC変換処理を仮想的に行うことを意味する。
このとき、制御部20は、入力交流電力に対して、位相差交流電力における各相の電圧の大小関係に応じて区分された複数のモード(例えば、図3に示すモード1〜6)について互いに異なる仮想AC/DC変換処理を行うように、双方向スイッチ回路10のスイッチングパターンを生成する。
具体的には、制御部20は、位相差交流電力における電圧(例えば、R相の交流電圧)を検出し、検出された電圧から、位相差交流電力のゼロクロス点を検出する。制御部20は、検出されたゼロクロス点に基づいて(例えば、検出されたゼロクロス点を基準として入力側の各相の位相を推定することにより)、位相差交流電力の各相(R相、S相、T相)の交流電圧を第1の制御信号として推定するとともに、推定された各相の交流電圧の大小関係に応じてそのときのモードが複数のモードにおけるどのモードであるかを認識する。
このとき、制御部20は、入力交流電力に対して、複数のモードに対し異なる第1のキャリア波形パターン(例えば、図5に示す第1のキャリア波形パターンCW11〜CW13)を用いて仮想AC/DC変換処理を行うように双方向スイッチ回路10を制御する。すなわち、制御部20は、認識されたモードに応じて、仮想AC/DC変換処理に用いるべき第1のキャリア波形パターンを決定し、決定された第1のキャリア波形パターンと入力側の相に対応した第1の制御信号とを比較して、比較結果に応じて仮想的に各双方向スイッチSRU〜STWが直流電力を発生させるような仮想的な複数のスイッチング信号(R相パルス、S相パルス、T相パルス)を発生させる。それとともに、制御部20は、仮想的な複数のスイッチング信号(R相パルス、S相パルス、T相パルス)のレベル(High、Low)の組合せに応じた複数の線間電圧発生区間(例えば、図5(a)に示す区間e1,d1,f1)を求める。言い換えると、制御部20は、直流電力を発生させるような仮想的なスイッチング動作を各双方向スイッチSRU〜STWが行うように制御し、各双方向スイッチSRU〜STWに仮想的にAC/DC変換処理(仮想AC/DC変換処理)を行わせる。
なお、仮想的なスイッチング動作とは、実際に各双方向スイッチSRU〜STWが行うものとは異なるスイッチング動作であるが、仮想AC/DC変換→仮想DC/AC変換の途中段階における仮想的な直流電力を発生させることを考えるために各双方向スイッチSRU〜STWが仮想的に行っているものとみなすスイッチング動作である。途中段階における仮想的な直流電力を発生させる処理は、あくまで仮想的なものであって、実際にその処理自体が行われるわけではない。
また、制御部20は、仮想AC/DC変換処理が行われた電力に対して、複数のモード(例えば、図3に示すモード1〜6)について互いに異なる仮想DC/AC変換処理を行うように、双方向スイッチ回路10のスイッチングパターン(すなわち、スイッチング信号のパターン)を制御する。
具体的には、制御部20は、複数のモードに応じて異なる第2のキャリア波形パターン(例えば、図6に示す第2のキャリア波形パターンCW21〜CW26)を用いて仮想DC/AC変換処理を行うように双方向スイッチ回路10を制御する。すなわち、制御部20は、認識されたモードに応じて、仮想DC/AC変換処理に用いる複数の線間電圧発生区間に対応した第2のキャリア波形パターンを生成する。このとき、複数の線間電圧発生区間は、仮想的な複数のスイッチング信号のレベルの組合せに応じたものとなっている。つまり、制御部20は、認識されたモードと、仮想的に各双方向スイッチSRU〜STWが直流電力を発生させるような複数のスイッチング信号のレベルの組合せとに応じて、第2のキャリア波形パターンを生成する。
また、制御部20は、制御信号u,v,wを出力側の相に対応した(例えば、U相、V相、W相の電圧波形に応じた正弦波の振幅に対応して大きさが変化する)第2の制御信号として制御信号発生部30から受ける。制御部20は、生成された第2のキャリア波形パターンと出力側の相に対応した第2の制御信号u,v,wとを比較して、双方向スイッチ回路10における各双方向スイッチSRU〜STWのスイッチング信号φSRU〜φSTWを生成する。このとき、各第2の制御信号u,v,wは、電力系統PSへ供給すべき交流電力に応じた3相交流波形である。これにより、双方向スイッチ回路10から電力系統PSに、各第2の制御信号u,v,wに応じた3相交流の交流電力が出力されるように制御できる。言い換えると、制御部20は、各双方向スイッチSRU〜STWに仮想的にDC/AC変換処理(仮想DC/AC変換処理)を行わせる。
(複数のモードについて)
次に、制御部20により認識される複数のモードについて図3を用いて説明する。図3は、実施形態における複数のモードを示す図である。制御部20は、推定された各相(R相、S相、T相)の交流電圧の大小関係に応じて、例えば図3に示すような6つのモード1〜6を認識する。
モード1では、R相が最大電圧相であり、T相が最小電圧相であり、S相が中間電圧相である。例えば、制御部20は、R相が最大電圧相であり、T相が最小電圧相であり、S相が中間電圧相であることを認識した場合、現在のモードがモード1であると認識する。
モード2では、S相が最大電圧相であり、T相が最小電圧相であり、R相が中間電圧相である。例えば、制御部20は、S相が最大電圧相であり、T相が最小電圧相であり、R相が中間電圧相であることを認識した場合、現在のモードがモード2であると認識する。
モード3では、S相が最大電圧相であり、R相が最小電圧相であり、T相が中間電圧相である。例えば、制御部20は、S相が最大電圧相であり、R相が最小電圧相であり、T相が中間電圧相であることを認識した場合、現在のモードがモード3であると認識する。
モード4では、T相が最大電圧相であり、R相が最小電圧相であり、S相が中間電圧相である。例えば、制御部20は、T相が最大電圧相であり、R相が最小電圧相であり、S相が中間電圧相であることを認識した場合、現在のモードがモード4であると認識する。
モード5では、T相が最大電圧相であり、S相が最小電圧相であり、R相が中間電圧相である。例えば、制御部20は、T相が最大電圧相であり、S相が最小電圧相であり、R相が中間電圧相であることを認識した場合、現在のモードがモード5であると認識する。
モード6では、R相が最大電圧相であり、S相が最小電圧相であり、T相が中間電圧相である。例えば、制御部20は、R相が最大電圧相であり、S相が最小電圧相であり、T相が中間電圧相であることを認識した場合、現在のモードがモード6であると認識する。
(各モードにおける仮想AC/DC変換処理および仮想DC/AC変換処理)
以下、図4〜図6を参照し、モード1〜モード6それぞれについて、仮想AC/DC変換処理および仮想DC/AC変換処理を説明する。図4は、実施形態の仮想AC/DC変換処理における選択2相、区間、区間幅、電圧方向、線間電圧を示す図である。図5は、実施形態における仮想AC/DC変換処理を示す図である。図6は、実施形態における仮想DC/AC変換処理を示す図である。なお、モード2〜モード6について、モード1と同様の場合の説明を省略する場合がある。
以下では、第2の制御信号(U相制御信号,V相制御信号,W相制御信号)をそれぞれu,v,w、マトリックスコンバータ1の出力電圧(U相出力電圧,V相出力電圧,W相出力電圧)をそれぞれVu,Vv,Vwとする。この時、負荷により発生するマトリックスコンバータ1の3相の出力電流(U相出力電流,V相出力電流,W相出力電流)をそれぞれIu,Iv,Iwとし、出力電流を流すマトリックスコンバータ1の3相の入力電流(U相入力電流,V相入力電流,W相入力電流)をそれぞれIa,Ib,Icとする。
図4において、「選択2相」とは、後述の仮想DC/AC変換処理において、R,S,Tの3相から選択される2相をいう。図4は、例えば、“モード1(i=1)”のとき、「選択2相」“S−T選択”の「区間」“di=d1”の「区間幅」が“1−|a|=1−a”であり、「線間電圧」“X=B−C”の「電圧方向」が“T→S”であることを示す。また、図4では、“モード1(i=1)”のとき、「選択2相」“T−R選択”の「区間」“ei=e1”の「区間幅」が“|a|+|c|−1=a+c−1”であり、「線間電圧」“Y=A−C”の「電圧方向」が“T→R”であることを示す。また、図4では、“モード1(i=1)”のとき、「選択2相」“R−S選択”の「区間」“fi=f1”の「区間幅」が“1−|c|=1+c”であり、「線間電圧」“Z=A−B”の「電圧方向」が“S→R”であることを示す。“モード2(i=2)”〜“モード6(i=6)”についても同様である。
また、図5(a)〜(f)は、それぞれ、複数のモード1〜6における仮想AC/DC変換処理を示す。以下では、説明の簡略化のため、直流電圧設定値(変換目標となる仮想的な直流電圧)に応じて決定した直流電圧設定ゲインが1である場合について例示的に説明する。
また、図6(a)〜(f)は、それぞれ、複数のモード1〜6における仮想DC/AC変換処理を示す。なお、図6における各区間d1〜f6は、図5における区間d1〜f6にそれぞれ対応している(すなわち、区間の長さが等しい)が、図示の便宜上、各区間の長さを図5から変えてある。以下では、第2の制御信号がU相制御信号uである場合について例示的に説明するが、第2の制御信号がV相制御信号vまたはW相制御信号wである場合についても同様である。
(モード1における仮想AC/DC変換処理)
モード1では、制御部20が、図5(a)に示すように、仮想AC/DC変換処理に用いるべき第1のキャリア波形パターンとして、立ち下がりの鋸歯状波1と立ち上がりの鋸歯状波2とを有する第1のキャリア波形パターンCW11を決定する。以下では、「立ち下がりの鋸歯状波」とは、時間の経過に応じて振幅が直線的に減少していく負の傾きを持った鋸歯状波を指し、「立ち上がりの鋸歯状波」とは、時間の経過に応じて振幅が直線的に増加していく正の傾きを持った鋸歯状波を指すものとする。
そして、制御部20は、例えば、上述のように検出されたゼロクロス点に応じて、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cを推定する。例えば、制御部20は、検出されたゼロクロス点を基準として、あるタイミングでのR相、S相、T相の位相を推定し、推定されたR相、S相、T相の位相に応じて、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cを推定する。R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cは、それぞれ、相電圧を「−1」と「1」の間に規格化したものである。このとき、図5(a)に示す区間(線間電圧発生区間)d1,e1,f1の直流電圧は、図4に示すように、それぞれ、ST間電圧=B−C、RT間電圧=A−C、RS間電圧=B−Aとなる。
モード1における各相のパルスについて説明する。モード1では、R相が最大電圧相、T相が最小電圧相、S相が中間電圧相となる。最大電圧相と最小電圧相では、パルスはそれぞれの電位に比例する時間ONとなる。ここで、R相パルスがONとなるタイミング(区間d1が終わるタイミング)は、R相位相差電圧|a|と鋸歯状波1との交点から求められる。これにより、R相パルスが得られる。T相パルスがOFFとなるタイミング(区間d1+区間e2が終わるタイミング)は、T相位相差電圧|c|と鋸歯状波2との交点から求められる。これにより、T相パルスが得られる。中間相パルスは、最大電圧相または最小電圧相のパルスのどちらかがOFFのときにONする。従って、S相パルスは、R相位相差電圧|a|と鋸歯状波1との交点、およびT相位相差電圧|c|と鋸歯状波2との交点から求められる。
また、仮想AC/DC変換処理により、仮想的な直流電圧を生成するための、区間d1、e1、f1に対応した幅をそれぞれ有する仮想的な複数のスイッチング信号(R相パルス、S相パルス、T相パルス)が生成される。スイッチング周期Tの直流電圧の平均Vdcは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。以下では、スイッチング周期Tを「1」と規格化した場合を示す。なお、以下では、オイラーの公式ejα=exp(jα)=sinα+jcosαならびにオイラーの公式から導かれるsinα={exp(jα)-exp(-jα)}/(2j)およびcosα={exp(jα)+exp(-jα)}/2の関係式を用いている。
Vdc
=d1・X+e1・Y+f1・Z
=(B-C)(1-a)+(A-C)(a-c-1)+(A-B)(1+c)
=B-C-Ba+Ca+Aa-Ca-Ac+Cc-A+C+A-B+Ac-Bc
=Aa+Cc+B(-a-c)
=Aa+Cc+Bb
=(3/2)cosθ
ここで上記最後の計算は下記のように計算できる。
Aa+Bb+Cc
=sin(ωt)sin(ωt+θ)+sin(ωt+4π/3)sin(ωt+θ+4π/3)+sin(ωt+8π/3)sin(ωt+θ+8π/3)
={exp(jωt)-exp(-jωt)}/(2j)・{exp(j(ωt+θ))-exp(-j(ωt+θ))}/(2j)
+{exp(j(ωt+4π/3))-exp(-j(ωt+4π/3))}/(2j)・{exp(j(ωt+θ+4π/3))-exp(-j(ωt+θ+4π/3))}/(2j)
+{exp(j(ωt+8π/3))-exp(-j(ωt+8π/3))}/(2j)・{exp(j(ωt+8π/3+θ))-exp(-j(ωt+8π/3+θ))}/(2j)
={exp(j(2ωt+θ))+exp(-j(2ωt+θ))-exp(jθ)-exp(-jθ)}/(-4)
+{exp(j(2ωt+8π/3+θ))+exp(-j(2ωt+8π/3+θ))-exp(jθ)-exp(-jθ)}/(-4)
+{exp(j(2ωt+16π/3+θ))+exp(-j(2ωt+16π/3+θ))-exp(jθ)-exp(-jθ)}/(-4)
={exp(jθ)+exp(-jθ))・3/4
=2・cosθ・3/4
=(3/2)cosθ ・・・(3)
上記(3)式によれば、スイッチング周期Tの直流電圧の平均Vdcは、電圧位相と選択2相の三相交流との位相差θのみに依存し、位相差θが変化しなければ一定となることが分かる。
(モード1における仮想DC/AC変換処理)
図6に示すように、第2のキャリア波形パターンは、複数の線間電圧発生区間のうち連続する2つの区間に跨って山型にレベルが変化するパターンを有するように決定される。また、第2のキャリア波形パターンは、複数の線間電圧発生区間のそれぞれにおける2つの電圧相のうち電圧値の大きい電圧相を+側相とし電圧値の小さい電圧相を−側相とするとき、モードが切り換わる際に+側相および−側相に共通する相がある場合、切り換わる2つのモードに跨って山型にレベルが連続するパターンを有し、モードが切り換わる際に+側相および−側相で反転する相がある場合、切り換わる2つのモードの境界で鋸歯状にレベルが変化するパターンを有するように決定される。
図6(a)に示すように、モード1では、制御部20が、仮想DC/AC変換処理に用いるべき第2のキャリア波形パターンとして、区間d1,e1,f1に順に立ち上がりの鋸歯状波、立ち下がりの鋸歯状波、立ち上がりの鋸歯状波を有する第2のキャリア波形パターンCW21を決定する。そして、制御部20は、例えば、U相制御信号uを制御信号発生部30から受ける。なお、図6(a)に示す区間d1,e1,f1は、図5(a)に示す区間d1,e1,f1に対応している(すなわち、区間の長さが等しい)が、図示の便宜上、各区間の長さを図5(a)から変えてある。
このとき、仮想AC/DC変換処理における区間(線間電圧発生区間)d1,e1,f1の直流電圧は、それぞれ、ST間電圧=B−C、RT間電圧=A−C、RS間電圧=A−Bとなる。線間電圧における2つの電圧相のうちレベルの大きい電圧相を+側相としレベルの小さい電圧相を−側相とすると、区間(線間電圧発生区間)d1,e1,f1において、それぞれ、S相,R相,R相が+側相であり、T相,T相,S相が−側相である。
制御部20は、第2のキャリア波形パターンCW21とU相制御信号uとを比較する。区間(線間電圧発生区間)d1において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW21より上側にある場合(例えば、区間d1の前半の場合)、+側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW21より下側にある場合(例えば、区間d1の後半の場合)、−側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)e1において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW21より下側にある場合(例えば、区間e1の前半の場合)、−側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW21より上側にある場合(例えば、区間e1の後半の場合)、+側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)f1において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW21より上側にある場合(例えば、区間f1の前半の場合)、+側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW21より下側にある場合(例えば、区間f1の後半の場合)、−側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。
モード1における各相の選択信号すなわちスイッチング信号について説明する。各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUは、択一的にONしているので、各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUのパルス幅の期間では、それぞれ、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cが発生する。また、スイッチング周期Tにおける3相の出力電圧Vu,Vv,Vwは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。
Vu
=X/2・{(1+u)/2-(1-u)/2)}・d1+Y/2・{(1+u)/2-(1-u)/2)}・e1+Z/2・{(1+u)/2-(1-u)/2)}・f1
=(d1/2)uX+(e1/2)uY+(f1/2)uZ
=(u/2)(d1・X+e1・Y+f1・Z)
=(u/2)(3/2)cosθ
=(3/4cosθ)・u=(Vdc/2)u ・・・(4.1)
同様に、
Vv=(3/4cosθ)・v=(Vdc/2)v ・・・(4.2)
Vw=(3/4cosθ)・w=(Vdc/2)w ・・・(4.3)
上記(4.1)式〜(4.3)式によれば、出力電圧Vu,Vv,Vwは、直流電圧の平均Vdcが一定であれば制御信号u,v,wに比例することが分かる。すなわち、U相制御信号uは、電力系統PSに供給すべきU相の交流電圧に応じた交流波形(例えば、本実施形態では正弦波)であり、所定のキャリア波形パターンでこの交流波形(例えば、正弦波)を変調して双方向スイッチ回路10のスイッチングパターンを生成することで、双方向スイッチ回路10から電力系統PSへ、U相制御信号uに応じた(例えば、正弦波状の)交流電圧が出力されるように制御できる。V相およびW相についても同様である。
また、上記(4.1)式〜(4.3)式を式変形すると、下記(5.1)式〜(5.3)式が得られる。下記(5.1)式〜(5.3)式は、後述の(6.1)式〜(6.3)式の式変形の際に用いられる。
u=2Vu/Vdc ・・・(5.1)
v=2Vv/Vdc ・・・(5.2)
w=2Vw/Vdc ・・・(5.3)
(モード1における入力電流)
モード1における入力電流について説明する。モード1における入力電流Ia,Ib,Icは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。なお、以下では、出力電力P=uIu+vIv+wIwであり、a+b+c=0である。
Ia
=((1+u)/2・e1+(1+u)/2・f1)Iu+((1+v)/2・e1+(1+v)/2・f1)Iv+((1+w)/2・e1+(1+w)/2・f1)Iw
=((1+u)/2・Iu+(1+v)/2・Iv+(1+w)/2・Iw)e1+((1+u)/2)Iu+(1+v)/2・Iv+(1+w)/2・Iw)f1
=((Iu+Iv+Iw)/2+(uIu+vIv+wIw)/2)e1+((Iu+Iv+Iw)/2+(uIu+vIv+wIw)/2)f1
=(0+(VuIu+VvIv+VwIw)/Vdc)e1+(0+(VuIu+VvIv+VwIw)/Vdc)f1
=P/Vdc・(e1+f1)
=P/Vdc・(a-c-1+1+c)
=P/Vdc・a ・・・(6.1)
同様に、
Ib
=((1+u)/2・d1+(1+u)/2(-f1))Iu+((1+v)/2・d+(1+v)/2(-f1))Iv+((1+w)/2・d1+(1+w)/2(-f1))Iw
=((1+u)/2・Iu+(1+v)/2・Iv+(1+w)/2・Iw)e1+((1+u)/2)Iu+(1+v)/2・Iv+(1+w)/2・Iw)(-f1)
=((Iu+Iv+Iw)/2+(uIu+vIv+wIw)/2)e1+((Iu+Iv+Iw)/2+(uIu+vIv+wIw)/2)(-f1)
=(0+(VuIu+VvIv+VwIw)/Vdc)d1+(0+(VuIu+VvIv+VwIw)/Vdc)(-f1)
=P/Vdc(d1-f1)
=P/Vdc(1-a-(1+c))
=P/Vdc・b ・・・(6.2)
同様に、
Ic
=((1+u)/2(-d1)+(1+u)/2(-e1))Iu+((1+v)/2(-d1)+(1+v)/2(-e1))Iv+((1+w)/2(-d1)+(1+w)/2(-e1))Iw
=((1+u)/2・Iu+(1+v)/2・Iv+(1+w)/2・Iw)(-d1)+((1+u)/2)Iu+(1+v)/2・Iv+(1+w)/2・Iw)(-e1)
=((Iu+Iv+Iw)/2+(uIu+vIv+wIw)/2)(-d1)+((Iu+Iv+Iw)/2+(uIu+vIv+wIw)/2)(-e1)
=(0+(VuIu+VvIv+VwIw)/Vdc)(-d1)+(0+(VuIu+VvIv+VwIw)/Vdc)(-e1)
=P/Vdc(-d1-e1)
=P/Vdc(-(1-a)-(a-c-1))
=P/Vdc・c ・・・(6.3)
上記(6.1)式〜(6.3)式によれば、モード1における入力電流Ia,Ib,Icは、P/Vdcが一定であれば、それぞれ、R相位相差電圧a,S相位相差電圧b,T相位相差電圧cと同位相の正弦波となることが分かる。
(モード2における仮想AC/DC変換処理)
モード2では、制御部20が、図5(b)に示すように、仮想AC/DC変換処理に用いるべき第1のキャリア波形パターンとして、立ち上がりの鋸歯状波2を有する第1のキャリア波形パターンCW12を決定する。そして、制御部20は、例えば、上記のように検出されたゼロクロス点に応じて、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cを推定する。R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cは、それぞれ、相電圧を「−1」と「1」の間に規格化したものである。このとき、図5(b)に示す区間(線間電圧発生区間)d2、e2、f2の直流電圧は、図4に示すように、それぞれ、ST間電圧=B−C、RT間電圧=A−C、RS間電圧=B−Aとなる。
モード2における各相のパルスについて説明する。モード2では、S相が最大電圧相、T相が最小電圧相、R相が中間電圧相となる。R,S,T相のパルスのON,OFF順序を変えずに、最大電圧相と最小電圧相でそれぞれの電位に比例する時間をONとするため、モード2では、変調波形3、2Bと鋸歯状波2を用いて、図5(b)に示す各相パルスのON,OFFタイミングを得る。
また、仮想AC/DC変換処理により、仮想的な直流電圧を生成するための、区間d2、e2、f2に対応した幅をそれぞれ有する仮想的な複数のスイッチング信号(R相パルス、S相パルス、T相パルス)が生成される。スイッチング周期Tの直流電圧の平均Vdcは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。
Vdc
=d2・X+e2・Y+f2・Z
=(B-C)(b-c-1)+(A-C)(1-b)+(B-A)(1+c)
=Bb-Cb-Bc+Cc-B+C+A-C-Ab+Cb+B-A+Bc-Ac
=Bb+Cc+A(-b-c)
=Bb+Cc+Aa
=(3/2)cosθ ・・・(7)
すなわち、モード1と同じ結果となる。
(モード2における仮想DC/AC変換処理)
図6(b)に示すように、モード2では、制御部20が、仮想DC/AC変換処理に用いるべき第2のキャリア波形パターンとして、区間d2,e2,f2に順に立ち上がりの鋸歯状波、立ち下がりの鋸歯状波、立ち下がりの鋸歯状波を有する第2のキャリア波形パターンCW22を決定する。そして、制御部20は、例えば、U相制御信号uを制御信号発生部30から受ける。なお、図6(b)に示す区間d2,e2,f2は、図5(b)に示す区間d2,e2,f2に対応している(すなわち、区間の長さが等しい)が、図示の便宜上、各区間の長さを図5(b)から変えてある。
このとき、仮想AC/DC変換処理における区間(線間電圧発生区間)d2,e2,f2の直流電圧は、それぞれ、ST間電圧=b−c、RT間電圧=a−c、SR間電圧=b−aとなる。線間電圧における2つの電圧相のうちレベルの大きい電圧相を+側相としレベルの小さい電圧相を−側相とすると、区間(線間電圧発生区間)d2,e2,f2において、それぞれ、S相,R相,S相が+側相であり、T相,T相,R相が−側相である。
制御部20は、第2のキャリア波形パターンCW22とU相制御信号uとを比較する。区間(線間電圧発生区間)d2において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW22より上側にある場合(例えば、区間d2の前半の場合)、+側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW22より下側にある場合(例えば、区間d2の後半の場合)、−側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)e2において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW22より下側にある場合(例えば、区間e2の前半の場合)、−側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW22より上側にある場合(例えば、区間e2の後半の場合)、+側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)f2において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW22より下側にある場合(例えば、区間f2の前半の場合)、−側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW22より上側にある場合(例えば、区間f2の後半の場合)、+側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。
モード2における各相の選択信号すなわちスイッチング信号について説明する。各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUは、択一的にONしているので、各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUのパルス幅の期間では、それぞれ、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cが発生する。また、スイッチング周期Tにおける3相の出力電圧Vu,Vv,Vwは、図4から、モード1と同様に算出することができる。
Vu=(3/4cosθ)・u=(Vdc/2)u ・・・(8.1)
Vv=(3/4cosθ)・v=(Vdc/2)v ・・・(8.2)
Vw=(3/4cosθ)・w=(Vdc/2)w ・・・(8.3)
すなわち、モード1と同じ結果となる。
上記(8.1)式〜(8.3)式によれば、出力電圧Vu,Vv,Vwは、直流電圧の平均Vdcが一定であれば制御信号u,v,wに比例することが分かる。すなわち、U相制御信号uは、電力系統PSに供給すべきU相の交流電圧に応じた交流波形(例えば、本実施形態では正弦波)であり、所定のキャリア波形パターンでこの交流波形(例えば、正弦波)を変調して双方向スイッチ回路10のスイッチングパターンを生成することで、双方向スイッチ回路10から電力系統PSへ、U相制御信号uに応じた(例えば、正弦波状の)交流電圧が出力されるように制御できる。V相およびW相についても同様である。
(モード2における入力電流)
モード2における入力電流について説明する。モード2における入力電流Ia,Ib,Icは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。
Ia
=P/Vdc(e2-f2)
=P/Vdc((1-b)-(1+c))
=P/Vdc・a ・・・(9.1)
同様に、
Ib
=P/Vdc(d2+f2)
=P/Vdc((b-c-1)+(1+c))
=P/Vdc・b ・・・(9.2)
同様に、
Ic
=P/Vdc(-d2-e2)
=P/Vdc(-(b-c-1)-(1-b))
=P/Vdc・c ・・・(9.3)
すなわち、モード1と同じ結果となる。
(モード3における仮想AC/DC変換処理)
モード3では、制御部20が、図5(c)に示すように、仮想AC/DC変換処理に用いるべき第1のキャリア波形パターンとして、立ち下がりの鋸歯状波1を有する第1のキャリア波形パターンCW13を決定する。そして、制御部20は、例えば、上記のように検出されたゼロクロス点に応じて、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cを推定する。R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cは、それぞれ、相電圧を「−1」と「1」の間に規格化したものである。このとき、図5(c)に示す区間(線間電圧発生区間)区間d3、e3、f3の直流電圧は、図4に示すように、それぞれ、ST間電圧=B−C、RT間電圧=C−A、RS間電圧=B−Aとなる。
モード3における各相のパルスについて説明する。モード3では、S相が最大電圧相、R相が最小電圧相、T相が中間電圧相となる。R,S,T相のパルスのON、OFF順序を変えずに、最大電圧相と最小電圧相でそれぞれの電位に比例する時間ONとするため、モード3では、変調波形1,2Aと鋸歯状波1を用いて、図5(c)に示す各パルスのON,OFFタイミングを得る。
また、仮想AC/DC変換処理により、仮想的な直流電圧を生成するための、区間d3、e3、f3に対応した幅をそれぞれ有する仮想的な複数のスイッチング信号(R相パルス、S相パルス、T相パルス)が生成される。スイッチング周期Tの直流電圧の平均Vdcは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。
Vdc
=d3・X+e3・Y+f3・Z
=(B-C)(1+a)+(C-A)(1-b)+(B-A)(-a+b-1)
=B-C+Ba-Ca+C-A-Cb+Ab-Ba+Aa+Bb-Ab-B+A
=Bb+Aa+C(-b-a)
=Bb+Aa+Cc
=(3/2)cosθ ・・・(10)
すなわち、モード1およびモード2と同じ結果となる。
(モード3における仮想DC/AC変換処理)
図6(c)に示すように、モード3では、制御部20が、仮想DC/AC変換処理に用いるべき第2のキャリア波形パターンとして、区間d3,e3,f3に順に立ち上がりの鋸歯状波、立ち上がりの鋸歯状波、立ち下がりの鋸歯状波を有する第2のキャリア波形パターンCW23を決定する。そして、制御部20は、例えば、U相制御信号uを制御信号発生部30から受ける。なお、図6(c)における各区間d3,e3,f3は、図5(c)における各区間d3,e3,f3に対応している(すなわち、区間の長さが等しい)が、図示の便宜上、各区間の長さを図5(c)から変えてある。
このとき、仮想AC/DC変換処理における区間(線間電圧発生区間)d3,e3,f3の直流電圧は、それぞれ、ST間電圧=B−C、TR間電圧=C−A、SR間電圧=B−Aとなる。線間電圧における2つの電圧相のうちレベルの大きい電圧相を+側相としレベルの小さい電圧相を−側相とすると、区間(線間電圧発生区間)d3,e3,f3において、それぞれ、S相,T相,S相が+側相であり、T相,R相,R相が−側相である。
制御部20は、第2のキャリア波形パターンCW23とU相制御信号uとを比較する。区間(線間電圧発生区間)d3において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW23より上側にある場合(例えば、区間d3の前半の場合)、+側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW23より下側にある場合(例えば、区間d3の後半の場合)、−側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)e3において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW23より上側にある場合(例えば、区間e3の前半の場合)、+側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW23より下側にある場合(例えば、区間e3の後半の場合)、−側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)f3において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW23より下側にある場合(例えば、区間f3の前半の場合)、−側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW23より上側にある場合(例えば、区間f3の後半の場合)、+側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。
モード3における各相の選択信号すなわちスイッチング信号について説明する。各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUは、択一的にONしているので、各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUのパルス幅の期間では、それぞれ、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cが発生する。また、スイッチング周期Tにおける3相の出力電圧Vu,Vv,Vwは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。
Vu=(3/4cosθ)・u=(Vdc/2)u ・・・(11.1)
Vv=(3/4cosθ)・v=(Vdc/2)v ・・・(11.2)
Vw=(3/4cosθ)・w=(Vdc/2)w ・・・(11.3)
すなわち、モード1およびモード2と同じ結果となる。
(モード3における入力電流)
モード3における入力電流について説明する。モード3における入力電流Ia,Ib,Icは、図4から、下記に示す計算により算出することができる。
Ia
=P/Vdc(-e3-f3)
=P/Vdc((1-b)-(-a+b-))
=P/Vdc・a ・・・(12.1)
同様に、
Ib
=P/Vdc(d3+f3)
=P/Vdc((1+a)+(-a+b-1))
=P/Vdc・b ・・・(12.2)
同様に、
Ic
=P/Vdc(-d3+e3)
=P/Vdc(-(1+a)+(1-b))
=P/Vdc・c ・・・(12.3)
すなわち、モード1およびモード2と同じ結果となる。
(モード4における仮想AC/DC変換処理)
モード4における仮想AC/DC変換処理は、図5(d)に示すように、モード1における仮想AC/DC変換処理(図5(a)参照)と同様である。区間(線間電圧発生区間)d4,e4,f4も、モード1と同様にして求められる。スイッチング周期Tの直流電圧の平均Vdcも、モード1と同様に、図4から、下記に示す計算により算出することができる。
Vdc
=d4・X+e4・Y+f4・Z
=(C-B)(1+a)+(C-A)(-a+c-1)+(A-B)(1-c)
=B-C-Ba+Ca+Aa-Ca-Ac+Cc-A+C+A-B+Ac-Bc
=Aa+Cc+B(-a-c)
=Aa+Cc+Bb
=(3/2)cosθ ・・・(13)
すなわち、モード1と同じ結果となる。
(モード4における仮想DC/AC変換処理)
図6(d)に示すように、モード4では、制御部20が、仮想DC/AC変換処理に用いるべき第2のキャリア波形パターンとして、区間d4,e4,f4に順に立ち下がりの鋸歯状波、立ち上がりの鋸歯状波、立ち下がりの鋸歯状波を有する第2のキャリア波形パターンCW24を決定する。そして、制御部20は、例えば、U相制御信号uを制御信号発生部30から受ける。なお、図6(d)における各区間d4,e4,f4は、図5(d)における各区間d4,e4,f4に対応している(すなわち、区間の長さが等しい)が、図示の便宜上、各区間の長さを図5(d)から変えてある。
このとき、仮想AC/DC変換処理における区間(線間電圧発生区間)d4,e4,f4の直流電圧は、それぞれ、TS間電圧=C−B、TR間電圧=C−A、SR間電圧=B−Aとなる。線間電圧における2つの電圧相のうちレベルの大きい電圧相を+側相としレベルの小さい電圧相を−側相とすると、区間(線間電圧発生区間)d4,e4,f4において、それぞれ、T相,T相,S相が+側相であり、S相,R相,R相が−側相である。
制御部20は、第2のキャリア波形パターンCW24とU相制御信号uとを比較する。区間(線間電圧発生区間)d4において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW24より下側にある場合(例えば、区間d4の前半の場合)、−側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW24より上側にある場合(例えば、区間d4の後半の場合)、+側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)e4において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW24より上側にある場合(例えば、区間e4の前半の場合)、+側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW24より下側にある場合(例えば、区間e4の後半の場合)、−側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)f4において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW24より下側にある場合(例えば、区間f4の前半の場合)、−側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW24より上側にある場合(例えば、区間f4の後半の場合)、+側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。
モード4における各相の選択信号すなわちスイッチング信号について説明する。各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUは、択一的にONしているので、各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUのパルス幅の期間では、それぞれ、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cが発生する。また、スイッチング周期Tにおける3相の出力電圧Vu,Vv,Vwは、モード1と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Vu=(3/4cosθ)・u=(Vdc/2)u ・・・(14.1)
Vv=(3/4cosθ)・v=(Vdc/2)v ・・・(14.2)
Vw=(3/4cosθ)・w=(Vdc/2)w ・・・(14.3)
すなわち、モード2と同じ結果となる。
(モード4における入力電流)
モード4における入力電流Ia,Ib,Icは、モード1と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Ia
=P/Vdc(-e4-f4)
=P/Vdc(-(-a+c-1)-(1-c))
=P/Vdc・a ・・・(15.1)
同様に、
Ib
=P/Vdc(-d4+f4)
=P/Vdc(-(1+a)+(1-c))
=P/Vdc・b ・・・(15.2)
同様に、
Ic
=P/Vdc(d4+e4)
=P/Vdc((1+a)+(-a+c-1))
=P/Vdc・c ・・・(15.3)
すなわち、モード1と同じ結果となる。
(モード5における仮想AC/DC変換処理)
モード5における仮想AC/DC変換処理は、図5(e)に示すように、モード2における仮想AC/DC変換処理(図5(b)参照)と同様である。区間(線間電圧発生区間)d5,e5,f5も、モード2と同様にして求められる。スイッチング周期Tの直流電圧の平均Vdcは、モード2と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Vdc
=d5・X+e5・Y+f5・Z
=(C-B)(-b+c-1)+(C-A)(1+b)+(A-B)(1-c)
=-Cb+Bb+Cc-Bc-C+B+C-A+Cb-Ab+A-B-Ac+Bc
=Bb+Cc+A(-b-c)
=Bb+Cc+Aa
=(3/2)cosθ ・・・(16)
すなわち、モード2と同じ結果となる。
(モード5における仮想DC/AC変換処理)
図6(e)に示すように、モード5では、制御部20が、仮想DC/AC変換処理に用いるべき第2のキャリア波形パターンとして、区間d5,e5,f5に順に立ち下がりの鋸歯状波、立ち上がりの鋸歯状波、立ち上がりの鋸歯状波を有する第2のキャリア波形パターンCW25を決定する。そして、制御部20は、例えば、U相制御信号uを制御信号発生部30から受ける。なお、図6(e)における各区間d5,e5,f5は、図5(e)における各区間d5,e5,f5に対応している(すなわち、区間の長さが等しい)が、図示の便宜上、各区間の長さを図5(e)から変えてある。
このとき、仮想AC/DC変換処理における区間(線間電圧発生区間)d5,e5,f5の直流電圧は、それぞれ、TS間電圧=C−B、TR間電圧=C−A、RS間電圧=A−Bとなる。線間電圧における2つの電圧相のうちレベルの大きい電圧相を+側相としレベルの小さい電圧相を−側相とすると、区間(線間電圧発生区間)d5,e5,f5において、それぞれ、T相,T相,R相が+側相であり、S相,R相,S相が−側相である。
制御部20は、第2のキャリア波形パターンCW25とU相制御信号uとを比較する。区間(線間電圧発生区間)d5において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW25より下側にある場合(例えば、区間d5の前半の場合)、−側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW25より上側にある場合(例えば、区間d5の後半の場合)、+側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)e5において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW25より上側にある場合(例えば、区間e5の前半の場合)、+側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW25より下側にある場合(例えば、区間e5の後半の場合)、−側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)f5において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW25より上側にある場合(例えば、区間f5の前半の場合)、+側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW25より下側にある場合(例えば、区間f5の後半の場合)、−側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。
モード5における各相の選択信号すなわちスイッチング信号について説明する。各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUは、択一的にONしているので、各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUのパルス幅の期間では、それぞれ、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cが発生する。また、スイッチング周期Tにおける3相の出力電圧Vu,Vv,Vwは、モード2と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Vu=(3/4cosθ)・u=(Vdc/2)u ・・・(17.1)
Vv=(3/4cosθ)・v=(Vdc/2)v ・・・(17.2)
Vw=(3/4cosθ)・w=(Vdc/2)w ・・・(17.3)
すなわち、モード2と同じ結果となる。
(モード5における入力電流)
モード5における入力電流Ia,Ib,Icは、モード2と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Ia
=P/Vdc(-e5+f5)
=P/Vdc(-(1+b)+(1-c))
=P/Vdc・a ・・・(18.1)
同様に、
Ib
=P/Vdc(-d5-f5)
=P/Vdc(-(-b+c-1)-(1-c))
=P/Vdc・b ・・・(18.2)
同様に、
Ic
=P/Vdc(d5+e5)
=P/Vdc((-b+c-1)+(1+b))
=P/Vdc・c ・・・(18.3)
すなわち、モード2と同じ結果となる。
(モード6における仮想AC/DC変換処理)
モード6における仮想AC/DC変換処理は、図5(f)に示すように、モード3における仮想AC/DC変換処理(図5(c)参照)と同様である。区間(線間電圧発生区間)d6,e6,f6も、モード3と同様にして求められる。スイッチング周期Tの直流電圧の平均Vdcは、モード3と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Vdc
=d6・X+e6・Y+f6・Z
=(C-B)(1-a)+(A-C)(1+b)+(A-B)(a-b-1)
=C-B-Ca+Ba+A-C+Ab-Cb+Aa-Ba-Ab+Bb-A+B
=Bb+Aa+C(-b-a)
=Bb+Aa+Cc
=(3/2)cosθ ・・・(19)
すなわち、モード3と同じ結果となる。
(モード6における仮想DC/AC変換処理)
図6(f)に示すように、モード6では、制御部20が、仮想DC/AC変換処理に用いるべき第2のキャリア波形パターンとして、区間d6,e6,f6に順に立ち下がりの鋸歯状波、立ち下がりの鋸歯状波、立ち上がりの鋸歯状波を有する第2のキャリア波形パターンCW26を決定する。そして、制御部20は、例えば、U相制御信号uを制御信号発生部30から受ける。なお、図6(f)における各区間d6,e6,f6は、図5(f)における各区間d6,e6,f6に対応している(すなわち、区間の長さが等しい)が、図示の便宜上、各区間の長さを図5(f)から変えてある。
このとき、仮想AC/DC変換処理における区間(線間電圧発生区間)d6,e6,f6の直流電圧は、それぞれ、TS間電圧=C−B、RT間電圧=A−C、RS間電圧=A−Bとなる。線間電圧における2つの電圧相のうちレベルの大きい電圧相を+側相としレベルの小さい電圧相を−側相とすると、区間(線間電圧発生区間)d6,e6,f6において、それぞれ、T相,R相,R相が+側相であり、S相,T相,S相が−側相である。
制御部20は、第2のキャリア波形パターンCW26とU相制御信号uとを比較する。区間(線間電圧発生区間)d6において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW26より下側にある場合(例えば、区間d6の前半の場合)、−側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW26より上側にある場合(例えば、区間d6の後半の場合)、+側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)e6において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW26より下側にある場合(例えば、区間e6の前半の場合)、−側相すなわちT相を選択し、T相選択信号としてスイッチング信号φSTUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSSUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW26より上側にある場合(例えば、区間e6の後半の場合)、+側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。
区間(線間電圧発生区間)f6において、制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW26より上側にある場合(例えば、区間f6の前半の場合)、+側相すなわちR相を選択し、R相選択信号としてスイッチング信号φSRUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSSU,φSTUをOFFレベルにする。制御部20は、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンCW26より下側にある場合(例えば、区間f6の後半の場合)、−側相すなわちS相を選択し、S相選択信号としてスイッチング信号φSSUをONレベルにするとともに他のスイッチング信号φSRU,φSTUをOFFレベルにする。
モード6における各相の選択信号すなわちスイッチング信号について説明する。各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUは、択一的にONしているので、各スイッチング信号φSRU,φSSU,φSTUのパルス幅の期間では、それぞれ、R相電圧a、S相電圧b、T相電圧cが発生する。また、スイッチング周期Tにおける3相の出力電圧Vu,Vv,Vwは、モード3と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Vu=(3/4cosθ)・u=(Vdc/2)u ・・・(20.1)
Vv=(3/4cosθ)・v=(Vdc/2)v ・・・(20.2)
Vw=(3/4cosθ)・w=(Vdc/2)w ・・・(20.3)
すなわち、モード3と同じ結果となる。
(モード6における入力電流)
モード6における入力電流Ia,Ib,Icは、モード3と同様に、図4から、下記に示すように算出することができる。
Ia
=P/Vdc(e6+f6)
=P/Vdc((1+b)+(a-b-1))
=P/Vdc・a ・・・(21.1)
同様に、
Ib
=P/Vdc(-d6-f6)
=P/Vdc(-(1-a)-(a-b-1))
=P/Vdc・b ・・・(21.2)
同様に、
Ic
=P/Vdc(d6-e6)
=P/Vdc((1-a)-(1+b))
=P/Vdc・c ・・・(21.3)
すなわち、モード3と同じ結果となる。
このようにして、図6に示すように、双方向スイッチ回路10における各双方向スイッチSRU〜STUのスイッチング信号φSRU〜φSTUが生成される。図6に示されるように、各スイッチング信号φSRU〜φSTUが整然とつながるようにU相制御信号uが所定のキャリア波形パターンで変調されるとともに、パルス幅がスイッチング素子のスイッチング時間より長く確保されているため、転流の失敗を抑制できる。なお、図6では、スイッチング信号φSRU〜φSTUについて説明しているが、他の双方向スイッチSRV〜STV,SRW〜STWの各スイッチング信号φSRV〜φSTV,φSRW〜φSTWについても同様である。
例えば、スイッチング素子(例えば、図2(b),(c)に示す素子EL1,EL2,EL11,EL12)のスイッチング時間に比べて十分大きなパルス幅のスイッチングパターンを有するスイッチング信号φSRU〜φSTWでスイッチングされる。
(制御信号発生部および制御部の構成例)
図7は、実施形態における制御信号発生部および制御部の構成例を示す図である。図8は、実施形態における制御部の構成例を示す図である。図7に例示する制御部20において、第2のキャリア波形パターンを予め生成し、第2のキャリア波形パターンと第2の制御信号(U相制御信号u、V相制御信号v、W相制御信号w)とをコンパレートし、コンパレート結果φUH〜φWLおよび現在どの区間であるかを示すデータφP1〜φP18を図8に示す回路へ出力し、図8に示す回路で各双方向スイッチSRU〜STWのスイッチング信号φSRU〜φSTWを生成する。
具体的には、制御部20において、入力電圧をゼロクロス検出器21により検出し、カウンタ23を初期化しスタートする。カウンタ23は、キャリア用クロック発生器22で発生されたキャリアクロックに同期して、ゼロクロス点をカウントする。ROM24は、入力電圧の1スイッチング周期Tの第2のキャリア波形パターンごとのデータを格納している。コンパレータ25〜27および位相データ発生器28は、カウンタ23のデータ(第1のキャリア波形パターン)に応じて、キャリアクロック単位のキャリアデータROM24からキャリアデータを読み出すことによって図6(a)〜(f)の1スイッチング周期Tごとのキャリアデータ(第2のキャリア波形パターン)がコンパレータ25〜27および位相データ発生器28へ出力される。
一方、制御信号発生部30において、電圧振幅・位相演算器31は、目的に応じて生成されるべき出力電圧、すなわち負荷LDへ出力すべきU相、V相、W相の電圧を演算し、演算結果を3相波形発生器32へ出力する。3相波形発生器32は、演算結果に応じて、U相、V相、W相の制御信号(第2の制御信号)を発生させてコンパレータ25〜27へ出力する。
制御部20において、コンパレータ25〜27は、それぞれ、U相、V相、W相の制御信号と第2のキャリア波形パターンとをコンパレートし、コンパレート結果φUH,φVH,φWHを図8に示す回路へ出力する。コンパレート結果φUHは、例えば、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンより上側にあれば、アクティブレベル(例えば、「1」)であり、U相制御信号uが第2のキャリア波形パターンより下側にあれば、ノンアクティブレベル(例えば、「0」)である。コンパレート結果φVHは、例えば、V相制御信号vが第2のキャリア波形パターンより上側にあれば、アクティブレベル(例えば、「1」)であり、V相制御信号vが第2のキャリア波形パターンより下側にあれば、ノンアクティブレベル(例えば、「0」)である。コンパレート結果φWHは、例えば、W相制御信号wが第2のキャリア波形パターンより上側にあれば、アクティブレベル(例えば、「1」)であり、W相制御信号wが第2のキャリア波形パターンより下側にあれば、ノンアクティブレベル(例えば、「0」)である。
また、インバータINV1〜INV3は、それぞれ、コンパレート結果φUH,φVH,φWHを論理反転させたコンパレート結果φUL,φVL,φWLを生成し図8に示す回路へ出力する。
位相データ発生器28は、第2のキャリア波形パターンを受けて、第2のキャリア波形パターンに応じて現在の区間がどの区間であるのかを示すデータφP1〜φP18を発生させて図8に示す回路へ出力する。例えば、位相データ発生器28は、現在の区間が区間d1であると認識した場合、区間d1用データφP1をアクティブレベル(例えば、「1」)にし、他のデータφP2〜φP18をノンアクティブレベル(例えば、「0」)にして、図8に示す回路へ出力する。
図8に示す回路は、例えば、コンパレート結果φUH〜φWLと、現在どの区間であるかを示すデータφP1〜φP18とを用いて論理演算を行い、各双方向スイッチSRU〜STWのスイッチング信号φSRU〜φSTWを生成する。
例えば、双方向スイッチURPは、R相とU相とを接続する双方向スイッチである。図6(a)〜(f)の中で、R相を正側として選択するのは、区間e1,f1,e2,f5,e6,f6である。図8に示す回路では、この区間e1,f1,e2,f5,e6,f6用のデータφP2,φP3,φP5,φP15,φP17,φP18をORゲートOR1〜OR3でOR演算し、そのOR演算の結果とコンパレート結果φUHとをANDゲートAND1でAND演算する。
また、図6(a)〜(f)の中で、R相を負側として選択するのは、区間f2,e3,f3,e4,f4,e5である。図8に示す回路では、この区間f2,e3,f3,e4,f4,e5用のデータφP6,φP8,φP9,φP11,φP12,φP14をORゲートOR4〜OR6でOR演算し、そのOR演算の結果とコンパレート結果φULとをANDゲートAND2でAND演算する。
そして、ANDゲートAND1の出力とANDゲートAND2の出力とをORゲートOR7でOR演算してその演算結果がスイッチング信号φURPとして双方向スイッチURPへ出力される。
このような演算について、OR演算を+で表し、AND演算を*で表すと、スイッチング信号φURPは、下記(22.1)式〜(22.9)式で表される。
φURP=φUH*(φP2+φP3+φP5+φP15+φP17+φP18)+φUL*(φP6+φP8+φP9+φP11+φP12+φP14) ・・・(22.1)
φVRP=φVH*(φP2+φP3+φP5+φP15+φP17+φP18)+φVL*(φP6+φP8+φP9+φP11+φP12+φP14) ・・・(22.2)
φWRP=φWH*(φP2+φP3+φP5+φP15+φP17+φP18)+φWL*(φP6+φP8+φP9+φP11+φP12+φP14) ・・・(22.3)
φUSP=φUH*(φP1+φP4+φP6+φP7+φP9+φP12)+φUL*(φP3+φP10+φP13+φP15+φP16+φP18) ・・・(22.4)
φVSP=φVH*(φP1+φP4+φP6+φP7+φP9+φP12)+φVL*(φP3+φP10+φP13+φP15+φP16+φP18) ・・・(22.5)
φWSP=φWH*(φP1+φP4+φP6+φP7+φP9+φP12)+φWL*(φP3+φP10+φP13+φP15+φP16+φP18) ・・・(22.6)
φUTP=φUH*(φP8+φP10+φP11+φP13+φP14+φP16)+φUL*(φP1+φP2+φP4+φP5+φP7+φP17)・・・(22.7)
φVTP=φVH*(φP8+φP10+φP11+φP13+φP14+φP16)+φVL*(φP1+φP2+φP4+φP5+φP7+φP17) ・・・(22.8)
φWTP=φWH*(φP8+φP10+φP11+φP13+φP14+φP16)+φWL*(φP1+φP2+φP4+φP5+φP7+φP17)・・・(22.9)
上記(22.1)式〜(22.9)式は、図8に示す回路の構成を示す式であるとみなすこともできる。
第1の内部構成例では、図7によって、ゼロクロスを起点として1スイッチング周期の第2のキャリア波形パターンがROMから読み出され、コンパレート結果、および、18個の区間信号が出力される。この信号が、図8に示す回路よって合成され、図1の双方向スイッチをON・OFFさせる。これにより、入力電流が正弦波となり、出力電圧が正弦波となる。
以上の実施形態によれば、2相選択の電圧の平均はモードに関わらずVdc=(3/2)cosθで一定となる。また、制御信号に対する出力電圧はVu=(Vdc/2)u、Vv=(Vdc/2)v、Vw=(Vdc/2)wとなり、制御信号に比例する。また、入力電流はIa=P/Vdc・a、Ib=P/Vdc・b、Ic=P/Vdc・cとなり、2相変調を行った3相波形に比例する。よって、実施形態によれば、2相選択を行うための3相交流は入力電流位相を与えることから、2相選択する3相波形に、入力電圧との間に位相差θをもうけることで、複雑な演算を行うことなく簡易な処理で交流電力を交流電力に直接変換する際に、入力力率の制御を行うことができる。また、実施形態によれば、入力電圧位相と入力電流位相を容易に制御できる。実施形態によれば、例えば、発電機が入力側に接続される場合に、発電機の効率を高めることができる。