JP2010134415A - 光通信用多芯コネクタフェルール、その製造方法およびこれを用いた光ファイバピグテイル - Google Patents

光通信用多芯コネクタフェルール、その製造方法およびこれを用いた光ファイバピグテイル Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバを保持する各貫通孔相互の位置精度が高く、光ファイバの位置精度の確保が容易な光通信用多芯コネクタフェルールを提供する。
【解決手段】柱状体10aの両端面間に光ファイバ12がそれぞれ挿入される複数の貫通孔11を備えた光通信用多芯コネクタフェルール10であって、柱状体10aの一端面において貫通孔11の開口が一直線BB上に配置されるとともに、貫通孔11の各内周面の一直線BBが横切る位置に、切込み13が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信等に使用される多芯光ファイバが挿通保持され、多芯光ファイバ同士を光結合させる結合端面を有する光通信用多芯光コネクタフェルールおよびこれを用いた光ファイバピグテイルに関するものである。
従来、光通信等の光信号の伝送において、複数の光ファイバを多芯光コネクタフェルールに挿通保持し、これら多芯光コネクタフェルール同士を結合端面で接触させて光ファイバ同士を光結合させる多芯光コネクタフェルールが用いられている。このような多芯光コネクタフェルールが、光通信における光伝送路途上や、半導体レーザと光ファイバ等から構成される半導体レーザモジュール等に用いられている。
多芯光コネクタとしては、例えば図2に正面図で示すものがある。2本以上の貫通孔111を備えた多芯コネクタフェルール110のそれぞれの貫通孔111に、光ファイバ112を挿通して、保持するものであり、低コストに製造できることから一般に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
多芯コネクタフェルール110は量産性が高く、低コストに製造できるが、光ファイバ112を保持する貫通孔111の相互の位置精度を良くすることが困難であり、これによって接続損失の低減が困難であった。
これらの貫通孔111は、例えば射出成形等で柱状体に形成した下孔を、研磨加工することによって得られるが、射出成形では金型の振れなどによって、下孔間の位置精度を保つことに限界がある。また、研磨加工は下孔に倣った加工であるため、位置精度を改善することが容易でない。このため、貫通孔111同士の間の位置精度が悪くなり、多芯コネクタフェルール110同士を結合端面で接触させたときに、光ファイバ112同士が精密に接続されず、光信号の接続損失が悪くなってしまう。
これに対し、特許文献1に示される多芯コネクタフェルール110は、2つの貫通孔111の一方を光ファイバ112の径と略同径の基準穴111aとし、その他の貫通孔111を基準穴の径より大きい大径穴111bとして、光ファイバ112を大径穴111b内で位置調整を行なうことにより、光ファイバ112の位置精度を出して、フェルール同士を接合したときの接続損失を良くすることができるというものである。
特開2003−202454号公報
しかしながら、光ファイバ112を固定するのに用いる接着剤が硬化する際の収縮率の差によって、大径穴111b内での光ファイバ112の位置変動を生じやすい。その結果、フェルール同士を接合したときの接続損失を向上し難いという問題があった。また、光ファイバ112を挿通して固定する組立工程に手間を要してしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み為されたものであり、その目的は、光ファイバを保持する貫通孔の位置精度が高く、組立容易な光通信用多芯コネクタフェルールを提供することにある。
本発明の光通信用多芯コネクタフェルールは、柱状体の両端面間に光ファイバがそれぞれ挿入される複数の貫通孔を備えた光通信用多芯コネクタフェルールであって、前記柱状体の一端面において前記貫通孔の開口が一直線上に配置されるとともに、前記貫通孔の各内周面の前記一直線が横切る位置に、切込みが設けられていることを特徴とする。
本発明の光通信用多芯コネクタフェルールにおいて、前記切込みの幅Aが、前記貫通孔の径dに対して、d/4<A<dの範囲であることが好ましい。
また、前記切込みの表面粗さが、前記貫通孔の内周面の表面粗さより粗いのが好ましい。
さらに、前記柱状体は、ジルコニア質セラミックスまたはアルミナ質セラミックスから成るのが好ましい。
また本発明の光ファイバピグテイルは、上記本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの前記貫通孔に光ファイバが挿通され、前記切込みの内周面と前記光ファイバの外周面とが接着されていることを特徴とするものである。
本発明の光ファイバピグテイルにおいて、前記貫通孔の径dは、それに挿通される光ファイバの外径Dより1.0乃至2.0μm大きく形成されているのが好ましい。
さらに上記本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法は、柱状体の両端面間に光ファイバがそれぞれ挿入される複数の貫通孔を備えた光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法であって、前記柱状体の一端面において一直線上に長径方向を揃えて並べるように複数の長孔を形成するA工程と、この長孔の内周壁の一部を拡げて前記光ファイバを挿通する貫通孔を加工するB工程とを有することを特徴とする。
本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法において、前記A工程を押出成形で行なうのが好ましい。
また、前記B工程において、前記複数の貫通孔の加工には複数本のワイヤーが用いられ、これら複数本のワイヤーはそれぞれ張着されているのが好ましい。
さらに本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法において、前記B工程の後に、両端の前記貫通孔同士の中心を求め、この中心に対して中心が一致するように前記柱状体の外周を加工する工程をさらに有するのが好ましい。
本発明の光通信用多芯コネクタフェルールによれば、光ファイバがそれぞれ挿通される複数の貫通孔の開口が一直線上に配置されるとともに、貫通孔の各内周面の前記一直線が横切る一方側の位置に、切込みが設けられていることによって、切込みの周囲の貫通孔の内周壁に光ファイバの外周面を当接させて光ファイバの位置を調整することができ、光ファイバの位置精度を高くすることができる。
本発明の光ファイバピグテイルは、切込みの内周面と光ファイバの外周面とが接着されていることによって、接着剤が硬化する際に収縮して、光ファイバの側面が切込みの周囲の貫通孔の内周壁に当接されるため、光ファイバ相互の位置精度を高めることができ、多芯コネクタフェルール同士を接蝕させたときの接続損失が良好な光ファイバピグテイルとすることができる。
また本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法は、柱状体の一端面において一直線上に長径方向を揃えて並べるように複数の長孔を形成するA工程と、長孔の内周壁の一部を拡げて光ファイバを挿通する貫通孔を加工するB工程とを有しており、各長孔の最適な位置で、貫通孔の内周壁を拡げて貫通孔を設けることができる。このため、貫通孔相互の間の位置精度を高いものとすることができる。
(a)は本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの実施形態の一例を示す端面の正面図である。(b)は本発明の光ファイバピグテイルの実施形態の一例を示す端面の正面図である。 従来の光通信用多芯コネクタフェルールの例を示す端面の正面図である。 (a)〜(c)は本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法の各工程を説明する光通信用多芯コネクタフェルールの端面の正面図である。 (a)は本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの成形工程を説明する横断面図である。(b)は他の成形方法による光通信用多芯コネクタフェルールの例を説明する横断面図である。(c)は本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの押出成形金型の実施形態の一例を示す断面図である。 本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの一製造工程の例を説明する模式図である。 (a),(b)は、それぞれ本発明の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法の一例を説明する模式図である。
以下、本発明の詳細について、図面を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の光通信用多芯コネクタフェルール10を示す正面図である。なお図1等で貫通孔11の数を2本としているが、これに限ることは無く、3本以上の複数個設けてもよい。また、貫通孔11は横一列に設けられているが、これに限ることは無く、横一列に設けられた貫通孔11の列をさらに上下複数列に設けてもよい。
各貫通孔11は、開口が一直線BB上に配置されるとともに、貫通孔11の各内周面の一直線BBが横切る両側の位置に、切込み13が設けられている。図1(a)においては、中心を横切る一点鎖線で示す一直線BB上に貫通孔11の開口が配置され、一直線BBが貫通孔11の内周面を横切る位置に切込13が設けられている。切込13は、図1(a)においては貫通孔11の両側に設けられているが、必ずしも両側である必要は無く、少なくとも一方側にあればよい。貫通孔11は、光ファイバ12の外周面が切込13の周囲の貫通孔11の内周壁に当接されるときに光ファイバ12間のピッチ精度が出る位置に設けられている。
このような切込13は、実際は、下穴となる長孔30の一部であって、この一部がその後に長孔30に重ねて加工された貫通孔11の外側に残っているものである。なお、長孔30とは、長方形の短辺部分が円弧上の曲面になっているような形状の孔を意味する。下孔は楕円形状でもよいが、長孔30の方が貫通孔11の加工が容易である。
各貫通孔11の位置は、例えば、投影機等で光を照射し、投影像において貫通孔11の規格中心に対するズレの方向と量を記録することによって計測される。ここでいう規格中心とは、フェルール同士を接合したときに、光ファイバ12同士が精密に接続できる値を指す。
図1(b)は、上記光通信用多芯コネクタフェルール10の貫通孔11に、光ファイバ12を挿通し、接着材によって光ファイバ12を固定した本発明の光ファイバピグテイルの端面の正面図を示す。光ファイバ12および接着剤14には分り易くするためハッチングを付した。
光ファイバ12の外周には、挿通前に塗布された接着剤の薄い層を設けておくとよい。そして、光ファイバ12の外周面と切込み13の内周面とを接着剤14によって接合する。接着は、事前に測定しておいた貫通孔11の位置がズレている方向と逆の方向の切込13に接着剤14を充填し、切込13の内周面と光ファイバ12の外周面との間に接着剤層14を形成することによって行なわれる。例えば、図1(b)においては、右の貫通孔11が右方向にずらして形成されており、これに対応するように左側の切込み13に接着剤が充填される様子を示す。そして、光ファイバ12が貫通孔11内に固定される。また、左の貫通孔11が左方向にずらして形成されており、反対側の右の切込み13に接着剤が充填されて光ファイバ12が固定されている。
光通信用多芯コネクタフェルール10の貫通孔11は、光ファイバ12の外周面を切込み13の周囲の貫通孔11の内周壁に当接させたときに、光ファイバ12間のピッチ精度が出る位置に並設されている。この切込み13の内側に接着剤14が充填されて光ファイバ12が固定されていることにより、接着剤14が固化する際の収縮によって光ファイバ12は、所定位置で固定されて保持される。このようにして光ファイバ12が所定位置に固定された光ファイバピグテイルとすることにより、多芯フェルール同士を接合したときの接続損失を良くすることができる。
このような構造の多芯コネクタフェルール10において、切込み13の幅Aは、貫通孔11の径dに対して、d/4<A<dの範囲とすることが好ましい。これは幅Aが径d以上であると、光ファイバ12が切込み13の中に落ち込んでしまい、また幅Aがd/4よりも小さいと、接着剤の収縮による光ファイバ12の位置補正効果が小さくなってしまうためである。
また貫通孔11の径dとそれに挿通する光ファイバ12の径Dのクリアランスは、1.0〜2.0μmの範囲であることが望ましい。すなわち貫通孔11の径dは、光ファイバ12の外径Dより1.0〜2.0μm大きく形成するのが望ましい。クリアランスが1.0μmより小さいと、光ファイバ12の位置調整をするとき調整量を大きくすることができない。また、貫通孔11の加工精度の点で困難が生ずる。また、クリアランスが2.0μmより大きいと、光ファイバ12の移動量が大きくなりすぎ、光ファイバ12の位置調整が困難になる。
切込み13部分の内周面の算術平均粗さRaは、1.0μm〜3.0μmの範囲であることが好ましい。切込み13の内周表面は、光ファイバ12の外周面と接着剤にて固定される部分ではあるが、光ファイバ12を貫通孔11に挿通する際に、光ファイバ12と接触する部分ではない。その上、切込み13の内周面を、粗くしておくことにより接着強度を高めることができる。
一方、貫通孔11の内周面の算術平均粗さRaは、0.01μm〜0.5μmの範囲であることが好ましい。貫通孔11の内周面は、光ファイバ12と接触するため、光ファイバ12の位置精度を維持する上で、表面粗さは切込み13の内周面の表面粗さよりも細かくするのがよい。これによって、光ファイバ12と切込み13とを接着剤で固着することによって、光ファイバ12の位置精度を保って強力に接着することができる。
ここで切込み13の算術平均粗さRa=1.0μm〜3.0μmの範囲としたのは、算術平均粗さRaが1.0μmよりも小さいと、接着強度が十分に得られないためであり、また算術平均粗さRaが3.0μmよりも大きいと、切込み13の表面から材料が剥離しやすくなって、発生した剥離片が光ファイバ12の外周面を傷つけたりする虞があるためである。切込み13の表面粗さRaを1.0〜3.0μmの範囲とするには、例えば、長孔30を押出成形などによって形成する際に、使用するピン41の表面粗さを同様に粗くすることによって行うが、焼成後の磁器においてサンドブラスト加工などにより、長孔30部の表面粗さを調整することもできる。
なお、貫通孔11の内周面および切込み13の内周面の算術平均粗さRaは、まず、多芯コネクタフェルール10を一直線BB付近まで平面研削し、貫通孔11の内周面および切込み13の内周面を露出させた後、各々の内周表面を表面粗さ計の触針でトレースして計測すればよい。
多芯コネクタフェルール10の材質は、精密な位置精度が求められるので、加工精度に優れたセラミックスが望ましく、ジルコニア質セラミックスまたはアルミナ質セラミックスを用いるのがよい。ジルコニア質セラミックスは、安定化ジルコニア質セラミックス,部分安定化ジルコニア質セラミックスが用いられる。また、アルミナ質セラミックスとしてジルコニア微粒子を添加したアルミナ質セラミックスを用いてもよい。ここで通常の単芯フェルールの場合には、接合したときの特性を良くするよう、端面を凸曲面とし、端面同士を突合せて接合するようにしているため、弾性の高いジルコニアが用いられるが、多芯フェルールの場合はそのような曲面を設ける必要がないので、より安価で熱劣化変形の生じないアルミナでも良い。
次に本発明の光通信用多芯コネクタフェルール10の製造方法の一実施形態について説明する。
本発明の光通信用多芯コネクタフェルール10は、まず始めに長孔30をセラミックス等から成る柱状体10aの軸方向に設ける加工を行なう。長孔30は柱状体10aの一端面において一直線上に長径方向を揃えるように並べて形成される。
図3(a)は、この工程によって形成された複数の長孔30を示す柱状体10aの一端面の正面図である。この長孔30は、例えば、このような柱状体10aの断面と略同一形状の金型を用いて押出し成形することによって形成される。
次にこのようにして得た成形体を焼成して磁器とし、長孔30の内周壁の一部を、長孔30の長径方向と直交する方向に拡げるようにして光ファイバ12を挿通する貫通孔11を加工する。
図3(b),図3(c)は、この工程によって複数の貫通孔11を形成する方法を説明する端面の正面図である。貫通孔11は、ダイヤモンドスラリーを塗布したワイヤー31を、各長孔30の所定位置に通して張り、所定の貫通孔11の径になるまで上下方向に往復させて加工される。このときのワイヤー31は、酸エッチング等によって緩やかなテーパー状としておくとよい。そして、始めに図3(b)に示すように、ワイヤー31の径の細い部分を長孔30に通し、ワイヤー31の位置を、各貫通孔11の所定位置にセットする。次に図3(c)に示すように、ワイヤー31の径の太い部分が長孔30の内側にくるようにセットしてから上下方向に往復させることにより、所定位置に貫通孔11を形成することができる。
また、図6(a)は、長孔31が設けられた柱状体10aに貫通孔11を加工する装置を模式的に示す正面図である。
複数本のワイヤー31を各長孔30の所定位置に張力を加えて通し、貫通孔11を加工するには、先ず、各々のワイヤー31同士が所定のピッチで固定された貫通孔加工治具60を準備する。この貫通孔加工治具60をスピンドル61に固定し、光通信用多芯コネクタフェルールとなる柱状体10aの各長孔30に各ワイヤー31を通す。ワイヤー31は酸エッチング等によって先端が細い緩やかなテーパー状となっているので、径の細い部分を各長孔30に容易に通すことができる。
次に、通したワイヤー31の先端をチャック62で保持し、もう一つのスピンドル61に固定する。このときに、ワイヤー31に十分にテンションがかかるように取り付ける。また2つのスピンドルのセンターを正確に合わせ、各ワイヤー31と各長孔30とを平行にする。それから柱状体10aの側面を固定具63にて固定し、貫通孔11が形成できるようにワイヤー31上の所定の位置に移動して保持する。この状態でワイヤー31に研磨砥粒を塗布し、ワイヤー31径の太い部分が長孔30の内側にくるようにセットしてからリニアガイドに連結した固定具63を上下方向に往復させることにより所定位置に貫通孔11を形成することができる。
従来の多芯コネクタフェルール110は、図2に示すように、下孔が真円のため、ワイヤー加工して貫通孔111とする加工を行なっても、下孔に倣って下孔の径を拡げる加工となるため、各貫通孔111の位置精度が下孔の位置精度に大きく影響されてしまう。これに対し、本発明のように下孔を長孔30とすることで、長孔30の長径方向の任意の位置に貫通孔11を加工して各貫通孔11の位置精度を調整することが容易である。
次にこのようにして形成した複数の貫通孔11同士の中心位置は、柱状体10aの外周に対して偏心している場合があるため、これを補正する加工を行なうのが好ましい。これは貫通孔11のうち、両端に配置される貫通孔11に図5に示されるセンター50の先端51を挿入し、このセンター50を回転させて、柱状体10aの外周を研削加工することで行える。このときのセンター50は、貫通孔11の個数分の先端51を有し、各先端51の位置が所定の貫通孔11の位置と同じになるように配置され、かつ各先端51がセンター50の中心に対称に配置された構造のものであってもよい。
また、上記貫通孔11の加工に用いた貫通孔加工治具60を利用して、複数の貫通孔11の中心位置に対する外周面の補正加工をすることもできる。図6(b)はこのような加工装置を模式的に示す正面図である。まず図6(a)に示す装置によって、貫通孔11の加工が終了したあと、固定具63を外す。次に図6(b)に示すように、柱状体10aの側面に砥石64及び、調整車65をセットし、スピンドル60を回転させて柱状体10aの外周面の加工を行う。この方法は、複数の貫通孔11の中心位置を基準に外周の加工を行うので、貫通孔11同士の中心と外周面の中心との間の偏心を容易に補正することができ、また前記センター50を使用することなく、貫通孔11の加工に連続して偏心補正の外周加工を行うことができる。
このようにして作製された本発明の光通信用多芯コネクタフェルール10の貫通孔11に光ファイバ12を挿通し、光ファイバ12の位置精度を保てる側の切込み13の内側に注射器等によって接着剤14を注入したり、真空引きによって接着剤14を吸入させたりし、接着剤14を充填した後に、高温乾燥等によって接着剤14を硬化させることによって、本発明の光ファイバピグテイルが得られる。
なお、柱状体10aの成形は、押出成形で行なうことが望ましい。図4(a)は押出成形によって形成された長孔30の状態を示す柱状体10aの軸方向の断面を示す模式図であり、図4(b)は射出成形等によって形成された長孔30の状態を示す柱状体10aの軸方向の断面を示す模式図である。押出成形の場合は、長孔30同士が比較的平行に形成できるのに対し、射出成形等は、長孔30同士が曲がったように形成される場合がある。これは射出成形等で用いる金型には、成形加圧中に長孔30を形成するピンの先端を保持するピンキャッチャーが備えられているが、このピンキャッチャーに原材料が入り込んだりしてピンが座屈する場合があるためである。このように長孔30同士が柱状体10aの長手方向に平行に形成されていないと、後工程で端面を削ったときに、長孔30相互のピッチが変化するという問題が発生する。一方、押出成形は、このような問題が起こらず、長孔30を長手方向に平行に形成しやすく、長孔30同士のピッチを高い位置精度とすることができる。
図4(c)は押出成形の金型を示す正面の断面図であり、金型は柱状体10aの外周を形成するダイス40と長孔30を形成するピン41から成る。原材料は、例えば、この図の紙面奥側から手前に向かって流れてくるが、この時、Y1部とY2部の原材料の流量は同一であるため、ピン41がY方向(図4(c)の上下方向)に変動しにくい。したがって、長孔30のY方向の位置精度は保ち易い。これに対してX方向(図4(c)の左右方向)においては、X2部よりもX1部の方が断面積が広くなるため、原材料の流量が多くなり、ピン41がそれぞれ内側に倒れやすくなる。この倒れ度合いが原材料の状態によって変化するため、X方向に関しては長孔30相互の位置精度をコントロールし難く、成形品の位置精度が悪くなる傾向がある。
本発明の光通信用多芯コネクタフェルール10は、貫通孔11が並置される方向に長孔30の長径方向を揃えて形成される。このため、押出成形を用いた場合、貫通孔11が並置される方向(X方向)の貫通孔11の位置精度もこれと直交するY方向の位置精度も高いものとすることができる。
以上のように各貫通孔11の位置精度の良い多芯コネクタフェルール10を提供することができ、これに加えて、光ファイバ12の位置精度の調整が容易な光通信用多芯コネクタフェルールの提供を可能とする。そして、多芯光ファイバ12の位置精度が向上するので、フェルール同士を接合したときの接続損失を良くすることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。また、上記実施の形態の説明において上下左右という用語は、単に図面上の位置関係を説明するために用いたものであり、実際の使用時における位置関係を意味するものではない。
10:光通信用多芯コネクタフェルール
10a:柱状体
11:貫通孔
12:光ファイバ
13:切込み
14:接着剤層
30:長孔
31:ワイヤー
40:金型ダイス
41:金型コアピン
50:センター
51:センター先端
60:貫通孔加工治具
61:スピンドル
62:チャック
63:固定具
64:砥石
65:調整車

Claims (10)

  1. 柱状体の両端面間に光ファイバがそれぞれ挿入される複数の貫通孔を備えた光通信用多芯コネクタフェルールであって、前記柱状体の一端面において前記貫通孔の開口が一直線上に配置されるとともに、前記貫通孔の各内周面の前記一直線が横切る位置に、切込みが設けられていることを特徴とする光通信用多芯コネクタフェルール。
  2. 前記切込みの幅Aが、前記貫通孔の径dに対して、d/4<A<dの範囲であることを特徴とする請求項1記載の光通信用多芯コネクタフェルール。
  3. 前記切込みの表面粗さが、前記貫通孔の内周面の表面粗さより粗いことを特徴とする請求項1または2記載の光通信用多芯コネクタフェルール。
  4. 前記柱状体は、ジルコニア質セラミックスまたはアルミナ質セラミックスから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光通信用多芯コネクタフェルール。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光通信用多芯コネクタフェルールの前記貫通孔に光ファイバが挿通され、前記切込みの内周面と前記光ファイバの外周面とが接着されていることを特徴とする光ファイバピグテイル。
  6. 前記貫通孔の径dは、それに挿通される光ファイバの外径Dより1.0乃至2.0μm大きく形成されていることを特徴とする請求項5記載の光ファイバピグテイル。
  7. 柱状体の両端面間に光ファイバがそれぞれ挿入される複数の貫通孔を備えた光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法であって、前記柱状体の一端面において一直線上に長径方向を揃えて並べるように複数の長孔を形成するA工程と、該長孔の内周壁の一部を拡げて前記光ファイバを挿通する貫通孔を加工するB工程とを有することを特徴とする光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法。
  8. 前記A工程を押出成形で行なうことを特徴とする請求項7記載の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法。
  9. 前記B工程において、前記複数の貫通孔の加工には複数本のワイヤーが用いられ、該複数本のワイヤーはそれぞれ張着されていることを特徴とする請求項7または8記載の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法。
  10. 前記B工程の後に、両端の前記貫通孔同士の中心を求め、該中心に対して中心が一致するように前記柱状体の外周を加工する工程をさらに有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の光通信用多芯コネクタフェルールの製造方法。
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