JP2002212771A - 光ファイバー用多層金属結合子およびその製造方法 - Google Patents

光ファイバー用多層金属結合子およびその製造方法

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JP2002212771A JP2001001947A JP2001001947A JP2002212771A JP 2002212771 A JP2002212771 A JP 2002212771A JP 2001001947 A JP2001001947 A JP 2001001947A JP 2001001947 A JP2001001947 A JP 2001001947A JP 2002212771 A JP2002212771 A JP 2002212771A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバー用多層金属結合子の電鋳層を製
造中に芯線材を除去する作業を省くことにより、製造の
コストダウンを図るとともに、光ファイバー用多層金属
結合子の電鋳層を製造中に電鋳層内外径の同芯度、真円
度を測定しながら各種補正を行い電鋳層内外径の同芯
度、真円度の精度向上を図る。 【構成】 光ファイバー用多層金属結合子用電鋳層の製
造に際し電鋳槽の中で、電鋳により金属堆積させる芯線
を陽極とし、芯線を回転させ、芯線に堆積する金属の厚
さを測定しながら、陽極との距離、芯線の回転角速度、
あるいは電流値を変えることにより、芯線である陰極と
陽極との関係を最適な条件を保ちながら、電鋳法によ
り、光ファイバー用多層金属結合子を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光ファイバーの接
続に用いられる光ファイバー用多層金属結合子に関する
ものであり、特に、外径が小さく内径がさらに小さい中
空の円筒状物を形成する光ファイバー用多層金属結合
子、およびこの結合子を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電気信号を伝送するための導体を絶縁被
膜、保護体で覆ったケーブルにおいて、従来から、導体
の芯線として銅線が一般には多く用いられていたが、近
年は伝送中の損失が少なく、電磁ノイズにも強い素材と
して光ファイバーが銅線に取って代わりつつある。
【0003】光ファイバーは、石英ガラスを主成分とし
ており、その構造は、光パワーが集中するコア部と光パ
ワーを閉じ込める働きをするクラッド部とからなり、マ
ルチメディア時代の到来に伴い、光ファイバーが、電話
回線をはじめとして、光素子を用いる多種多様の分野で
多く用いられるようになっている。光ファイバーは通
常、用途に応じた適宜の長さに切断した後、終端をコネ
クタ仕上して用いられ、コネクタ仕上には、通常、光フ
ァイバー素線同士を同軸上に保持するための円筒状の部
品が用いられる。
【0004】上記コネクタ仕上用円筒状部品は、これま
でジルコニア粉末と樹脂との混合物を射出成型又は押出
成型により円筒状に形成し、500℃前後で焼成するこ
とによって樹脂を分解し、さらに、1,200℃前後で
焼成した後、焼成物の貫通孔をダイヤモンド研磨して孔
径を微調整するとともに、その貫通孔に対して、焼成物
の外周が真円になるように機械加工することによって製
造されていた。しかしながら、このような製造方法によ
る場合には、 (1)射出成型や押出成型に高価な成型機や金型を必要
とする上に、金型がジルコニア粉末により磨耗し易いた
め、絶えず保守したり、交換しなければならない。 (2)貫通孔のダイヤモンド研磨に手間と熟練を要し、
生産性を上げ難い。 (3)高温で焼成するので、多大のエネルギーコストが
かかる。 (4)ジルコニアなどのセラミックを原料とするもの
は、光ファイバー素線を挿通する貫通孔を複数設けるこ
とが実質的に不可能である。 (5)セラミックを原料とするものは、フィジカルコン
タクト接続(以下、「PC接続」と略記する。)に対応
して、端面を凸球面、斜め凸球面、フラット面、斜めフ
ラット面等に加工するのが難しい。 等の問題があった。
【0005】これらの問題を解決する手段として、PC
T/JP99/06570号公報(発明の名称「光ファ
イバーコネクタ及びそれに用いられるフェルール並びに
フェルールの製造方法」)において、電鋳により芯線材
の周囲に金属を堆積させて円筒状物を形成する工程と、
その円筒状物から芯線材を除去する工程とを含んでなる
フェルールの製造方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電鋳層の内外径の同芯
度、真円度を向上させるためには、芯線(陰極)と陽極
の距離を一定に保ち、芯線の真円度および円筒度及び表
面粗さが目標精度内であることと、芯線が、パイプ材の
場合は、内外径の真円度、円筒度、同芯度、表面粗さが
目標精度内でなければならない。しかしながら、同公報
の記載によると、この製造方法により得られる光ファイ
バー接続用コネクタ(以下フェルールと呼ぶ)は、外径
が2〜3mmと比較的太いことから、コネクタなどにお
ける光ファイバーの実装密度を上げ難い上に、円筒状物
の外周に研削加工をほどこす際に、偏心度を所定の範囲
に抑えるのが難しく、その結果として、フェルール製品
の歩留りが低下し易いという問題があった。さらに、フ
ェルールの基材となる円筒状物を得るのに略1日の通電
を要し、フェルールの製造に多大の時間とエネルギーコ
ストがかかるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、光ファイバー用多層金属
結合子を電鋳法により製造する際に、芯線材を除去する
作業を省くことにより、製造のコストダウンを図るとと
もに、光ファイバー用多層金属結合子の電鋳体を製造中
に電鋳体内外径の同芯度、真円度、電鋳堆積度の均一性
を確保するために、陰陽両極の鉛直軸を遠近移動し陰極
を回転させる方式、両極を水平にして陰極軸を回転させ
る方式、陰極を遮蔽膜で覆いながら回転させる方式、陽
極を絶縁体で遮蔽する方式などの手段を用いて補正しな
がら、電鋳層内外径の同芯度、真円度の精度向上を図
る。また、光ファイバー用多層金属結合子の円筒度の均
一性を確保するために、陰極陽極の両方の長さが等しく
なるように絶縁体で挟み両極に電流を交互に流す方式、
陰極電鋳層のテーパを対応するように陽極を上下振動さ
せる方式、陽極をコイル状にして電鋳層の金属堆積度の
大小により、コイルの粗密度を対応させる方式などの手
段を用いて電鋳層における円筒度の精度向上を図る。ま
た、芯線の初期気泡を除去し、表面の濡れ性を向上させ
ることにより、電鋳層の巣発生を防止し、光ファイバー
接続個所における光信号の減衰を最小にすることであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、光ファイバーの接続に用いられる接合子であって、
前記光ファイバーを挿通し得る内径の貫通孔を有する金
属製パイプからなる芯線と、この芯線の外周面上に堆積
された電鋳金属層とを備えていることを特徴とする。請
求項2に記載の発明は、少なくとも一方の端面がフラッ
ト、アリドームまたはアングル形状であることを特徴と
する。請求項3に記載の発明は、前記貫通孔の少なくと
も一方がバックテーパを有していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記芯線の内径が例えば、
0.05〜0.13mmであることを特徴とする。請求
項5に記載の発明は、電鋳槽内に収容された電鋳溶液内
に浸漬されて対向配置された陽極および陰極間に通電
し、前記陰極の表面上に前記陽極物質を堆積させる電鋳
法により光ファイバー結合用の金属結合子を製造する方
法において、前記陰極として、前記光ファイバーを挿通
し得る内径の貫通孔を有する金属製パイプからなる芯線
を使用し、この芯線の外周面上に電鋳層を形成すること
を特徴とする。請求項6に記載の発明は、前記芯線の軸
心を中心として、前記電鋳層の外周面を円筒状に切削す
る工程を含むことを特徴とする。請求項7に記載の発明
は 、前記芯線に電鋳層を形成する過程で、前記芯線お
よび前記電鋳層を、前記陽極との間の距離が増減するよ
うに移動させることにより前記電鋳層の真円度または同
芯度を向上させる工程を含むことを特徴とする。請求項
8に記載の発明は、前記芯線に電鋳層を形成する過程
で、前記芯線および前記電鋳層をその軸心を中心として
回転させることにより前記電鋳層の真円度または同芯度
を向上させる工程を含むことを特徴とする。請求項9に
記載の発明は、前記芯線に電鋳層を形成する過程で、前
記陽極を鉛直方向に、電鋳層の金属堆積が厚い部分では
高速で、薄い部分では低速で往復運動させることによ
り、前記電鋳層外周面のテーパの度合いを小さくする工
程を含むことを特徴とする。請求項10に記載の発明
は、前記陽極として、前記芯線の軸心と共通の軸心を有
し、かつ目標とする電鋳層の最大直径よりも大きい直径
を有し、かつ上端から下端に向けて順次にピッチが粗く
なっているコイルを使用し、前記電鋳層外周面のテーパ
の度合いを小さくする工程を含むことを特徴とする。請
求項11に記載の発明は、前記芯線として、複数のグル
ープに分けた複数の芯線を使用し、あらかじめ定めた順
序に従って各グループ毎に順次に通電する工程を含むこ
とを特徴とする。請求項12に記載の発明は、前記芯線
の初期気泡を除去することで、表面の濡れ性を向上させ
ることにより、電鋳層の巣発生を防止する工程を含むこ
とを特徴とする。具体的には、本発明の方法は、光ファ
イバーの直径に応じて、例えば内径が0.005〜0.
13mmである金属製パイプからなる芯線の周囲に、電
鋳により金属を堆積させて、外径1mm以下の円筒状物
を形成する工程を含んでいる。また、この円筒状物の外
径を1mm以下の真円に加工する工程とを含んでいる。
電鋳による光ファイバー用多層金属結合子の製造には、
導電性の芯線材が用いられ、芯線材の材質形状として
は、ステンレス合金(例えば、SUS304)のパイプが
用いられる。このような芯線材は、ダイスを用いて押し
出す方法、伸線による方法を用いて製造された、直径1
25.0±0.5μm程度の精度を有するものが容易に
入手することができる。この発明においては、円筒状物
の外形を1mm以下とすることによって芯線材の周囲に
堆積する金属の厚みを必要最小限に止めたことから、円
筒状物の周囲を研削加工して偏心度(光ファイバー用多
層金属結合子の外周を真円に見立てた場合の円の中心
と、貫通孔の中心とのずれ)を所定の範囲に、詳細に
は、±0.5μm以内に抑えるのが極めて容易となり、
製品としての光ファイバー用多層金属結合子の歩留まり
も良くなる。次に、この発明の光ファイバー用多層金属
結合子の使用方法について説明する。この発明の光ファ
イバー用多層金属結合子は、光ファイバー同士を一時的
または永久的に接続するための部品として、光素子を用
いる多種多様の用途において極めて有利に用いることが
できる。この発明の光ファイバー用多層金属結合子は、
従来のフェルールと比較して外径が著しく小さいことか
ら、例えば、プラグ型コネクタ、ジャック型コネクタ、
アダプタ、レセプタクルをはじめとする多種多様のコネ
クタにおける光ファイバーの実装密度を有意に改善する
ことができるとともに、偏心度が極めて小さいことか
ら、光ファイバーをより高精度に接続し、接続に伴う光
信号の損失を有意に小さくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】光ファイバー用多層金属接合子の
製造方法について、図を用いて説明する。図1に示すの
が電鋳法により円筒状物を製造するための装置であり、
図中、図1に示すのが電鋳により円筒状物を製造するた
めの装置であり、図中、9は電鋳槽であって、その内部
は隔膜15により、陽極室16と陰極側とに分離されて
いる。陽極室16には、陽極2が電鋳槽9の内壁に沿っ
て、隔膜15の内側に互いに対向して設けられている。
陽極2の材質は芯線材の周囲に堆積させようとする金属
に応じて適宜選択され、通常、ニッケル、鉄、銅、コバ
ルトなどが用いられる。17は濾過器であって、通常、
濾過精度0.1〜2μm程度のものが用いられ、ポンプ
18により電鋳液を高速濾過する。なお、12はバルブ
である。5は電鋳溶液であり、通常、水を溶剤とし、こ
れに芯線材の周囲に堆積させようとする金属の種類に応
じた、適宜の金属成分を含むものが用いられる。電鋳に
より堆積させる金属の種類にもよるが、個々の金属成分
としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、コバルト、タン
グステン及びそれらの合金が挙げられ、従って、電鋳溶
液5としては、水溶液又は浮遊液の状態においてこのよ
うな金属成分を保持する、例えば、スルフアミン酸ニッ
ケル、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、スルフアミン酸第
一鉄、硼弗化第一鉄、ピロリン酸銅、硼弗化銅、珪弗化
銅、チタン弗化銅、アルカノールスルホン酸銅、硫酸コ
バルト、タングステン酸ナトリウムなどの水溶液か、あ
るいは、水に炭化珪素、炭化タングステン、炭化硼素、
酸化ジルコニウム、窒化珪素、アルミナ、ダイヤモンド
の微粉末を分散させてなる浮遊液が用いられる。これら
のうち、スルフアミン酸塩を含有する水溶液は、電鋳が
容易であること、化学的に安定であること、溶解し易い
ことなどから、電鋳溶液5として極めて有用である。な
お、電鋳溶液5の金属成分は、そのままこの発明の光フ
ァイバー用多層金属結合子を構成する金属材料となるこ
とから、PC接続に用いる光ファイバー用多層金属結合
子を所望する場合には、研削が容易な、例えば、ニッケ
ルか、あるいは、ニッケル/コバルト合金などのニッケ
ル合金とするのが望ましい。
【0010】この発明の製造方法は、既述のとおり、芯
線材の周囲に金属を堆積させて外径約1mm以下の円筒
状物を形成する工程と、円筒状物の外径を1mm以下の
真円に加工する工程とを含んでいる。
【0011】電鋳などによって芯線材の周囲に堆積する
金属の厚みは、例えば、電鋳槽や陽極の構造などによっ
て、芯線材におけるすべての部位において必ずしも一定
ではないので、円筒状物の外径が大きくなればなるほ
ど、貫通孔が偏心する度合が大きくなる。ところがこの
発明においては、円筒状物の外径を約1mm以下とする
ことによって芯線材の周囲に堆積する金属の厚みを必要
最少限に止めたことから、円筒状物の周囲を研削加工し
て偏心度(光ファイバー用多層金属結合子の外周を真円
に見立てたときの円の中心と、貫通孔の中心とのずれ)
を所定の範囲に、詳細には、±0.5μm以内に抑える
のが極めて容易となり、製品としての光ファイバー用多
層金属結合子の歩留りも良くなる。
【0012】芯線材は光ファイバー用多層金属結合子の
内径、すなわち、光ファイバー素線を挿入する貫通孔の
孔径を決定するものであることから、太さの均一性、真
円度(芯線材における所期の直径と実際の直径との近似
度)及び直線性のすべてに高精度が要求される。
【0013】このような芯線材は、上記のごとき金属
を、例えば、ダイスを用いて押し出す方法、伸線による
方法、さらには、センタレス加工などの方法により得る
ことができ、ステンレス合金の場合であれば、直径12
5.0±0.5μm程度の精度を有する芯線材が容易に
入手できる。
【0014】なお、貫通孔の形状として、円形以外の形
状を所望する場合には、前述の金属材料をダイスを用い
て押出成形する。
【0015】電鋳は、電鋳槽9内に上述のような電鋳溶
液5を満たした状態で、陰極側に芯線1を浸漬し、必要
に応じて、芯線1をその長手方向の軸心の周りに回転さ
せながら、陽極2及び芯線1に各々正及び負の直流を印
加し、4〜20A/dm程度の電流密度になるように
通電する。このとき、電鋳溶液5を酸性側のpH、望ま
しくは、pH3〜6、さらに望ましくは、pH4〜5に
維持した場合には、通電開始から12時間以内、通常、
3〜8時間以内に金属を所定の厚さまで芯線1の周囲に
堆積し得る。また、電鋳液5は、例えば、活性炭などを
用いて定期的に有機性不純物を除去したり、また、電鋳
に先立って、例えば、ニッケル鍍金した鉄製波板及び炭
素をそれぞれ陰極及び陽極にし、両極間に0.2A/d
前後の低電流密度で通電することによって、電鋳液
から鋼などの無機不純物を除去してもよい。
【0016】電鋳層3は、用途に応じた所定の長さに切
断した後、そのまま光ファイバー用多層金属結合子とし
て用いることもできるけれども、通常、NC機械加工な
どにより外周をサブミクロンの精度(±0.5μm以
内)で真円に研削加工する。この発明においては、芯線
材の周囲に堆積される金属の厚みを円筒状物の外径にし
て約1mm以下としたことから、製品としての光ファイ
バー用多層金属結合子における偏心度を容易に±0.5
μm以内とすることができる。
【0017】電鋳層の内外径の同芯度、真円度を目標精
度内に収めるには、図1(a)に示すように、陰極であ
る芯線1の回転に伴い、陽極2側のトラバースを利用し
て,陰陽両極の距離を変えたり、芯線1の回転角速度を
変えたりして、芯線1の回転に伴い、電流値を変えるこ
とにより、電鋳層の内外径の同芯度、真円度を目標精度
内に収める。
【0018】電鋳層の形成時には、図2(a)、(b)
に示すように、電鋳溶液を電鋳層の補正したい部分のみ
過不足を調整しつつ浸たり、図3(a)、(b)に示す
ように電鋳層に遮蔽膜を掛けて、電鋳層の補正したい部
分のみを電鋳液に浸たりすることにより、電鋳層の金属
堆積度を均一化する。
【0019】図4に示すように、陽極幅を電鋳層直径に
比べ小さめに設定し、陽極の両幅方向側面に絶縁体を設
定することにより、陰極側電鋳層の金属堆積度を均一化
する。
【0020】図5に示す実施の形態では、電鋳層のテー
パを生じずに円筒状を形成するために、電着させたい芯
線部分長さと陽極長さを等しくし、芯線端点と陽極端点
の高さを揃え、両極を平行に設置し、例えば、絶縁体で
囲うなどして、回り込んで電着することを防止しなが
ら、陰陽両極に流す電流の方向を交互に向きを変えつつ
電鋳層を形成させることにより、陰極側電鋳層の金属堆
積度を均一化する。
【0021】図6に示す実施の形態は、電鋳層のテーパ
形状を補正する手段を示すもので、陽極もしくは陰極
(芯線)、あるいは、その両極ともを、平行を保ったま
ま、上下運動をさせるものである。テーパの度合いによ
り、電鋳層の金属堆積が厚い所は高速に、薄い所は低速
に陰陽両極が相互に同期を取りながら、オシレートさ
せ、陰極側電鋳層の金属堆積度を均一化する。
【0022】図7に示す実施の形態は、陰極の電鋳層が
テーパ形状の場合、陽極をコイル状にし、電鋳層の金属
堆積度が薄い所はコイルの巻き方を密に、厚い所はコイ
ルの巻き方を粗にして、両極に通電して、電鋳層のテー
パを補正する手段を備える。
【0023】図8に示す実施の形態は、多芯(多穴)光
ファイバー用多層金属結合子を製造する際に、芯線に流
す電流の順序を丸数字・・・の順に設定することに
より、3列以上の多芯型光ファイバー用多層金属結合子
を製造する。
【0024】芯線の初期気泡を除去させ、濡れ性を向上
させるためには、液温を管理しながら、 (1)芯線を溶液から数回出入りさせる。 (2)芯線の下方から大き目の気泡を出させる。 (3)芯線を溶液内でオシレートさせる。 (4)芯線を高速回転させる。 等の手段を用いることができる。
【0025】光ファイバー用多層金属結合子1の外径
は、コネクタ等への装着性、機械強度等を勘案しなが
ら、好ましくは1mm以下、望ましくは、0.50〜
0.75mmの範囲の直径とするのが好ましい。
【0026】光ファイバー用多層金属結合子の長さは、
コネクタの構造などに応じて適宜のものとする。なお、
この発明の光ファイバー用多層金属結合子においては、
用途に応じて、例えば、図9に示すように、光ファイバ
ー用多層金属結合子13における端面の一方若しくは両
方を、例えば、フラット、アリドーム、アングル等の形
状に加工したり、貫通孔14に光フアイパ素線を挿入し
易くする目的で、貫通孔14における光ファイバー素線
の挿入口の一方、もしくは両方に適宜角度のバックテー
パを設けてもよい。
【0027】なお、光ファイバー用多層金属結合子1の
外周は、必要に応じて、例えば、NC機械加工等によ
り、貫通孔14の中心に対してサブミクロンの精度、詳
細には、±0.5μm以内の真円に研削加工される。
【0028】次に、この発明の光ファイバー用多層金属
結合子の使用方法について説明すると、この発明の光フ
ァイバー用多層金属結合子は、光ファイバー同士を一時
的又は永久的に接続するための部品として、光素子を用
いる多種多様の用途において極めて有利に用いることが
できる。この発明の光ファイバー用多層金属結合子は、
従来のフェルールと比較して外径が著しく小さいことか
ら、例えば、プラグ型コネクタ、ジャック型コネクタ、
アダプタ、レセプタクルをはじめとする多種多様のコネ
クタにおける光ファイバーの実装密度を有意に改善する
ことができるとともに、偏心度が極めて小さいことか
ら、光ファイバーをより高精度に接続し、接続に伴う光
信号の損失を有意に小さくすることができる。
【0029】図9、図10に例示したごときこの発明の
光ファイバー用多層金属結合子を用い、光ファイバー同
士をPC接続するコネクタの例を図11に示す。手順と
しては、まず、光ファイバー用多層金属結合子13、1
3’の貫通孔14に光ファイバー素線20、20’を挿
入し、この状態で光ファイバー用多層金属結合子13、
13’の端面をそれぞれ凸球面仕上する。次に、コネク
タ21の貫通孔内に、終端に光ファイバー用多層金属結
合子13、13’を取り付けた光ファイバー素線20、
20’を先端同士が接触するまで反対方向から挿入す
る。このようにして得られる光ファイバーコネクタは、
そのままで用いるか、あるいは、必要に応じて、例え
ば、汎用のジャケットホルダ、ゴムホルダ、アウタ−カ
ラーなどを装着して用いる。なお、この場合、光ファイ
バー素線20、20’の先端を光ファイバー用多層金属
結合子13、13’の端面と同時に、例えば、凸球面又
は斜め球面に研削したり、フラット面又は斜めフラット
面に研削してもよい。芯線の初期気泡を除去して、その
表面の濡れ性を向上させるためには、液温を管理しなが
ら、芯線を溶液から数回出入りさせ。芯線の下方から大
き目の気泡を出させ、芯線を溶液内で上下に振動させた
り、あるいは、芯線を高速回転させる等の手段を適用す
ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による光
ファイバー用多層金属結合子は、光ファイバーを挿通し
得る内径を有する安価な金属パイプの導電材を用いるこ
とで、これまでの非電導体で高価なセラミック製品や導
電材でも電鋳層内にある芯線を引き抜く付帯作業を必要
とする製品とは異なり、安価な材料費と省力化で大幅な
コストダウンを図ることができる。また、本発明の光フ
ァイバー用多層金属結合子における外径の軸心と光ファ
イバーを挿通する内径の軸心との誤差が生じないよう
に、製造過程において各種補正方法を取り入れているた
め、光接続による光信号の損失が極めて少い光ファイバ
ー用多層金属結合子の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態において光ファイバー用
多層金属結合子を電鋳法により製造する装置を概略的に
示す縦断面図である。
【図2】電鋳層の内径と外径の同芯度、真円度を補正す
るために、両極を水平にして陰極側を回転する方法を示
す図である。
【図3】電鋳層の内径と外径の同芯度、真円度を補正す
るために、両極を水平にして陰極側に遮蔽膜を掛け回転
する方法を示す図である。
【図4】電鋳層の内径と外径の同芯度、真円度を補正す
るために、陽極の両側を絶縁体で遮蔽する方法を示す図
である。
【図5】電鋳層のテーパ形状を補正するために、陰陽両
極の長さを等しくするために両極の上下を絶縁体で遮蔽
し、平行に対峙させて両極に電流を交互に流す方法を示
す図である。
【図6】電鋳層のテーパ形状を補正するために、陽極を
テーパに合わせて上下振動させる方法を示す図である。
【図7】電鋳層のテーパ形状を補正するために、陽極を
コイル状にして、電鋳層の金属堆積度の厚薄により、コ
イルの粗密度を対応させる方法を示す図である。
【図8】多芯(多穴)結合子製造時に芯線に流す電流の
順序を、丸数字の昇順で示す図である。
【図9】本発明による光ファイバー用多層金属結合子の
縦断面図である。
【図10】本発明による光ファイバー用多層金属結合子
の横断面図である。
【図11】本発明による光ファイバー用多層金属結合子
のコネクタ接続図である。
【符号の説明】
1、1’ 芯線(陰極) 2 陽極 3 電鋳層 4 電鋳溶液面 5 電鋳溶液 6 遮蔽膜 7 絶縁体 8 コイル形状陽極 9 電鋳槽 10 Oリング 11 モータ 12 トラバース 13、13’ 光ファイバー用多層金属結合子 14 貫通孔 15 隔膜 16 陽極室 17 濾過器 18 ポンプ 19 バルブ 20、20’ 光ファイバー素線 21 コネクタ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバーの接続に用いられる結合子
    であって、前記光ファイバーを挿通し得る内径の貫通孔
    を有する金属製パイプからなる芯線と、この芯線の外周
    面上に堆積された電鋳金属層とを備えていることを特徴
    とする光ファイバー用多層金属結合子。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の端面がフラット、アリ
    ドームまたはアングル形状である請求項1に記載の光フ
    ァイバー用多層金属結合子。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔の少なくとも一方がバックテ
    ーパを有している請求項1に記載の光ファイバー用多層
    金属結合子。
  4. 【請求項4】 前記芯線の内径が0.05〜0.13m
    mである請求項1に記載の光ファイバー用多層金属結合
    子。
  5. 【請求項5】 電鋳槽内に収容された電鋳溶液内に浸漬
    されて対向配置された陽極および陰極間に通電し、前記
    陰極の表面上に前記陽極物質を堆積させる電鋳法により
    光ファイバー結合用の金属結合子を製造する方法におい
    て、前記陰極として、前記光ファイバーを挿通し得る内
    径の貫通孔を有する金属製パイプからなる芯線を使用
    し、この芯線の外周面上に電鋳層を形成することを特徴
    とする光ファイバー用多層金属結合子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記芯線の軸心を中心として、前記電鋳
    層の外周面を円筒状に切削する工程を含む請求項5に記
    載の光ファイバー用多層金属結合子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記芯線に電鋳層を形成する過程で、前
    記芯線および前記電鋳層を、前記陽極との間の距離が増
    減するように移動させることにより前記電鋳層の真円度
    または同芯度を向上させる工程を含む請求項5に記載の
    光ファイバー用多層金属結合子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記芯線に電鋳層を形成する過程で、前
    記芯線および前記電鋳層をその軸心を中心として回転さ
    せることにより前記電鋳層の真円度または同芯度を向上
    させる工程を含む請求項5に記載の光ファイバー用多層
    金属結合子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記芯線に電鋳層を形成する過程で、前
    記陽極を鉛直方向に、電鋳層の金属堆積が厚い部分では
    高速で、薄い部分では低速で往復運動させることによ
    り、前記電鋳層外周面のテーパの度合いを小さくする工
    程を含む請求項5に記載の光ファイバー用多層金属結合
    子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記陽極として、前記芯線の軸心と共
    通の軸心を有し、かつ目標とする電鋳層の最大直径より
    も大きい直径を有し、かつ上端から下端に向けて順次に
    ピッチが粗くなっているコイルを使用し、前記電鋳層外
    周面のテーパの度合いを小さくする請求項5に記載の光
    ファイバー用多層金属結合子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記芯線として、複数のグループに分
    けた複数の芯線を使用し、あらかじめ定めた順序に従っ
    て各グループ毎に順次に通電する請求項5に記載の光フ
    ァイバー用多層金属結合子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記芯線の初期気泡を除去すること
    で、表面の濡れ性を向上させることにより、電鋳層の巣
    発生を防止する請求項5に記載の光ファイバー用多層金
    属結合子の製造方法。
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US20110048497A1 (en) * 2008-01-17 2011-03-03 Chikao Okamoto Concentrating solar power generation unit and method for manufacturing a concentrating solar power generation unit

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