JP2002194584A - 多心一体型フェルール、並びにその製造方法および装置 - Google Patents

多心一体型フェルール、並びにその製造方法および装置

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JP2002194584A JP2000396565A JP2000396565A JP2002194584A JP 2002194584 A JP2002194584 A JP 2002194584A JP 2000396565 A JP2000396565 A JP 2000396565A JP 2000396565 A JP2000396565 A JP 2000396565A JP 2002194584 A JP2002194584 A JP 2002194584A
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electroforming
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Tetsuo Tanaka
鐵男 田中
Yoshinari Kono
与志成 河野
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 多心一体型フェルールの製造方法は、心
線の周囲に電鋳付着材を形成した第一次電鋳品を複数本
準備し、該複数本の第一次電鋳品を心棒の周囲に密着さ
せて束ね体を形成し、該束ね体に対して電鋳を行うこと
により第二次電鋳品を形成し、該第二次電鋳品から前記
心線を除去することを含む。 【効果】 高精度の多心フェルールを容易且つ安価に提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多心一体型フェル
ール、並びにその製造方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバは、電話による光通信のみな
らず、光デバイス、LAN用機器、各種光システムに広
範に使用されてきている。このような光通信システムに
おいて、光ファイバ同士を接続するには、融着やメカニ
カルスプライスによる永久接続法や、光ファイバコネク
タによる着脱自在な接続方法が知られている。
【0003】そして、光ファイバコネクタには、通常、
光ファイバを所定位置に高精度に保持し同軸状に固定す
るためのフェルールと、フェルールを突き合わせて保持
する整列スリーブとが使用されている。現在において
は、軸中心に一本の光ファイバを保持固定するようにし
た、いわゆる一心(単心)フェルールが一般的に使用さ
れている。
【0004】このような単心フェルールを製造するに
は、従来、ジルコニア粉末と樹脂の混合物を原料にし
て、射出成型用または押出成型用金型等を用いて円筒形
に成型し、焼成して得られた円筒状焼成体の貫通孔に、
線状のダイヤモンド研磨体を通して貫通孔の内径を微調
整した後、円筒体の外側を内孔を中心にして機械加工し
て真円となるように仕上げるようにしている。
【0005】このような従来のフェルールの製造方法で
は、高価な専用の成型機および金型、ダイヤモンド研磨
体等を必要とする等の理由のため、製造コストがどうし
ても高くなってしまい、また、寸法精度や生産性の点で
も問題があった。
【0006】このような問題を解決する試みとして、国
際公開番号WO00/31574号には、簡単で安価な
設備で、低エネルギーコストで寸法精度良くまた生産性
良くフェルールを製造する方法が提案されている。この
製造方法は、一本の線材の周囲に電鋳により金属を堆積
させて棒状の電鋳体を形成し、電鋳体から線材を除去す
ることにより、フェルールを製造するものである。
【0007】この電鋳によるフェルールの製造方法は、
単心フェルールを製造することに限れば、この電鋳によ
るフェルールの製造方法により、内径・外径の真円度・
同軸度などの寸法精度がよく、加工性のよい極細金属フ
ェルールを製造することが可能になり、従来技術の問題
点を解消することができ、相当の実績を上げることがで
きるものであることが確証されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
光ファイバを使用する通信事業は、総体的に、高速度通
信、大容量通信、大規模小規模形態やその複合、応用範
囲の飛躍的拡大に伴って、小型化、軽量化、工事内容の
簡易化、適応用途の柔軟性等を要求される時代に入って
いる。
【0009】このような時代背景の中で、光ファイバコ
ネクタに使用するフェルールも、現在主流である単心フ
ェルールから、多心フェルールへと移行していくことが
考えられる。ところが、従来、多心フェルールを形成す
る方法は、いろいろ試みられてきたのであるが、単心フ
ェルールの実績には遠くおよばないのが実情である。の
みならず、単心フェルールに主として使われているジル
コニアセラミックを多心一体型フェルールに採用した場
合には、技術的に不可能である。また、プラスチック多
心一体型の場合は、心数が20穴以下であり、寸法も一
穴当たり、0.25φ迄しか追求できないものである。
すなわち、多心一体型フェルールは、従来法では小型
化、高精度を追求できないのが実情であった。
【0010】本発明の目的は、このような従来技術の実
情に鑑み、特に単心フェルールの形成には実績を上げて
いる、前述したような電鋳を利用した製造方法を敷衍さ
せることにより、従来技術の問題点を解消した多心一体
型フェルール、並びにその製造方法および装置を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの観点によ
れば、多心一体型フェルールの製造方法において、心線
の周囲に電鋳付着材を形成した極細の第一次電鋳品を複
数本準備し、該複数本の第一次電鋳品を心棒の周囲に密
着させて束ね体を形成し、該束ね体に対して電鋳を行う
ことにより第二次電鋳品を形成し、該第二次電鋳品から
前記心線を除去することを含むことを特徴とする製造方
法が提供される。
【0012】本発明の別の観点によれば、多心一体型フ
ェルールの製造方法において、心線の周囲に電鋳付着材
を形成した第一次電鋳品を複数本準備し、該複数本のう
ちの所定数の第一次電鋳品を心棒の周囲に密着させて第
一の束ね体を形成し、該第一の束ね体に対して電鋳を行
うことにより第二次電鋳品を形成し、該第二次電鋳品の
周囲に前記複数本の第一次電鋳品のうちの残りの第一次
電鋳品を密着させて第二の束ね体を形成し、該第二の束
ね体に対して電鋳を行うことにより第三次電鋳品を形成
し、該第三次電鋳品から前記心線を除去することを含む
ことを特徴とする製造方法が提供される。
【0013】本発明のさらに別の観点によれば、多心一
体型フェルールの製造方法において、(a)心線の周囲
に電鋳付着材を形成した第一次電鋳品を複数本準備し、
(b)該複数本のうちの所定数の第一次電鋳品を心棒の
周囲に密着させて第一の束ね体を形成し、(c)該第一
の束ね体に対して電鋳を行うことにより第二次電鋳品を
形成し、(d)該第二次電鋳品の周囲に前記複数本の第
一次電鋳品のうちの残りの第一次電鋳品を密着させて第
二の束ね体を形成し、(e)該第二の束ね体に対して電
鋳を行うことにより第三次電鋳品を形成し、以下前記
(d)の段階から前記(e)の段階を繰り返すことによ
り最終電鋳品を形成し、該最終電鋳品から前記心線を除
去することを含むことを特徴とする製造方法が提供され
る。
【0014】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
第一次電鋳品は、主としてイオン溶液噴射による電鋳に
よって形成される。
【0015】本発明の別の実施の形態によれば、前記第
一次電鋳品は、自然泳動による電鋳によって形成され
る。
【0016】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記第二次電鋳品以降の電鋳品は、主としてイオン溶液
噴射による電鋳によって形成される。
【0017】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記第一次電鋳品から第n次電鋳品は、その外周を仕上
げ加工されている。
【0018】本発明のさらに別の観点によれば、平型多
心一体型フェルールの製造方法において、複数本の心線
を所定の間隔に並置し、該複数本の心線に対してイオン
溶液噴射による電鋳を行って電鋳品を形成し、該電鋳品
の平型外周を整形し、前記電鋳品から前記心線を除去す
ることを含むことを特徴とする製造方法が提供される。
【0019】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
複数本の心線は、1本の線状体を緊張状態にて蛇行させ
ることにより与えられる。
【0020】本発明のさらに別の観点によれば、前述し
たような製造方法によって製造された多心一体型フェル
ールが提供される。
【0021】本発明のさらに別の観点によれば、多心一
体型フェルールの製造装置において、電鋳液を満たす電
鋳槽と、該電鋳槽内に配置される陽極と、前記電鋳槽内
に心線を保持するための心線保持機構と、該心線保持機
構によって保持された心線に対してイオン溶液を噴射す
るためのイオン溶液噴射ノズルと、前記心線保持機構に
保持された心線を自転させるための心線駆動機構と、前
記イオン溶液噴射ノズルを前記心線保持機構に保持され
た心線の延長方向にそって移動させるためのイオン溶液
噴射ノズル駆動機構と、前記心線保持機構に保持された
心線と前記陽極との間に直流電流を供給するための直流
電源装置とを備えることを特徴とする製造装置が提供さ
れる。
【0022】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
電鋳槽は、陰極を隔膜で包み込み金属イオンを付着させ
ないようにした構造をもつ陰極板を浸漬する陰極室と陽
極を浸漬する陽極室からなる高濃度イオン溶液生成槽を
備える。
【0023】本発明の別の実施の形態によれば、前記心
線保持機構は、前記心線に代えて、心線の周囲に電鋳付
着材を形成した第一次電鋳品の複数本を心棒の外周に密
着して束ねた束ね体も保持できるものとされている。
【0024】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記心線保持機構に保持された心線または束ね体に付着
される電鋳付着材の外径を測定して測定信号を発生する
測定手段を備えている。
【0025】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記測定手段からの測定信号に応じて前記直流電源装置
を制御して前記電鋳付着材の外径が均一となるようにす
るための制御手段を備える。
【0026】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記測定手段からの測定信号に応じて前記イオン溶液噴
射ノズルから噴射されるイオン量を制御して前記電鋳付
着材の外径が均一となるようにするための制御手段を備
える。
【0027】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記測定手段からの測定信号に応じて前記イオン溶液噴
射ノズル駆動機構を制御して前記電鋳付着材の外径が均
一となるようにするための制御手段を備える。
【0028】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記測定手段からの測定信号に応じて前記心線駆動機構
を制御して前記電鋳付着材の外径が均一となるようにす
るための制御手段を備える。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態および実施例について本発明をより詳細
に説明する。
【0030】図1は、本発明による一実施例としての多
心一体型金属フェルールを製造するための装置の構成を
概略的に示す図である。実機においては、図1の構成要
素が複数列配置され、時間差をもって順次式に自動稼動
されて、生産効率を向上させるものになっている。図2
以降は各部の機能をわかりやすく説明するための図であ
る。図2は、図1の装置の構成における高濃度イオン溶
解液生成槽の構造を図式的に示す側面図であり、図3
は、その平面図である。図1に示すように、この実施例
の多心一体型金属フェルールの製造装置は、例えば、ス
ルファミン酸Ni溶液の如き電鋳液1を満たし且つ高濃
度イオン溶液貯槽11に連通した電鋳槽10と、この電
鋳槽10の電鋳液1中に電鋳の母材、すなわち心線を保
持する心線保持機構21およびイオン溶液噴射ノズル2
2を昇降可能に支持するための昇降機構23からなるホ
ルダー20と、高濃度イオン溶液貯槽11からサーボバ
ルブ30を介してイオン溶液噴射ノズル22へとイオン
溶液を圧送するための圧送ポンプ31と、電鋳槽10の
電鋳液に浸漬された心線保持機構21に保持された心線
と陽極40との間に直流電流を供給するための直流電源
装置50と、この直流電源装置50によって供給される
電流値を測定するための積算電流計60と、この積算電
流計60の測定値をA/D変換するA/D変換器70
と、CPUからなる演算部80と、この演算部80から
のレベル指示値に基づいて直流電源装置50およびサー
ボバルブ30の動作を制御する信号を発するレベル判定
器90とを備える。
【0031】図2および図3に模式的に示す高濃度イオ
ン溶解液生成槽は、図1における高濃度イオン溶液貯槽
11の部分に相当するものである。図2は本装置が生成
稼動する前準備として、高濃度Niイオン溶液を生成す
る様子を示しており、図3は電鋳作業に入ったときの様
子を示している。この高濃度イオン溶解液生成槽は、槽
中に、陰極を隔膜で包み込み陰極板にNiを付着させな
いようにした構造をもつ陰極板を浸漬する陽極室と、陽
極を浸漬する陽極室が形成されている。これらの室は電
鋳液で満たされている。陰極室の陰極は、例えば、カー
ボン片であり、陽極は、例えば、チタンで網篭状ケース
を作製して、このケース内にニッケル片を入れて、これ
ら陰極と陽極とを直流電源に接続する。
【0032】図2では、+−の電極に電源電圧が印加さ
れた状態で入口から出口Aに向かって溶液が流通する。
このとき出口Bは閉じている。次第に陽極槽内のイオン
濃度は増大する。また、電鋳作業中も陰極室を通る液量
が多いため高濃度を維持する。図3では、出口Bは開い
ており、噴射ノズルと接続されている。出口Aも開いて
いるが調節されている。出口Aの開口径が小さいと出口
Bの流量は増し、出口Aの開口径を大きくすると出口B
の流量は減少する。従って、ニッケルイオンの濃度は高
濃度で維持される。
【0033】次に、ホルダー20の構成および動作につ
いて説明する。図4は、図1におけるホルダー20の構
成を詳細に示す正面図であり、図5は、その側面図であ
る。これら図4および図5によく示されるように、ホル
ダー20は、上部電極端子21Aおよび下部電極端子2
1Bを支持する支柱21Cからなる心線保持機構21を
備えている。上部電極端子21Aと下部電極端子21B
との間には、後述するような電鋳の母材である、例え
ば、SUS125μmであるような心線2が接続されう
るようになっている。この実施例では、下部電極端子2
1Bに、偏移スプリング21Dが施されていて、そこに
接続された心線2が上下方向に引張られた状態で保持で
きるようにしている。また、図4および5には図示して
いないが、これら上部電極端子21Aおよび下部電極端
子21Bは、円柱状とされていて、駆動モータ24(図
1参照)により、例えば、ゴムベルトを介して一方向に
同期して回転させられる構造とされている。したがっ
て、これら上部電極端子21Aおよび下部電極端子21
Bの間に接続された心線2も自転させられることにな
る。さらにまた、上部電極端子21Aおよび下部電極端
子21Bは、直流電源装置50(図1参照)の負電圧側
に接続され、心線2に上下から電流を供給できるように
されている。この実施例では、上部電極端子21Aと下
部電極端子21Bとの間に接続される心線2の有効長
は、200mmとなるようにしている。
【0034】また、ホルダー20は、イオン溶液噴射ノ
ズル22を昇降可能に支持するための昇降機構23を備
えており、この実施例では、この昇降機構23は、イオ
ン溶液噴射ノズル22を取り付けた昇降ヘッド23A
と、この昇降ヘッド23Aの上下移動を案内するため支
柱21Cの反対端に固定された昇降ガイド23Bと、昇
降ヘッド23Aに連結され駆動モータ25(図1参照)
によって駆動される昇降チェーン23Cとからなる。こ
のような昇降機構23によれば、駆動モータ25によっ
て昇降チェーン23が駆動されると、昇降ヘッド23A
が昇降ガイド23Bにそって案内されて上下動させられ
ることにより、イオン溶液噴射ノズル22が心線保持機
構21に保持された心線2にそうようにして上下移動さ
せられるのである。
【0035】なお、前述の説明では、図示および説明を
簡単化するため、電鋳槽10内に設けられるホルダー2
0は、電鋳すべき心線(電鋳ワーク)の1本のみを保持
するものとしているのであるが、実用的には、複数本、
例えば、40本の電鋳ワークを同時に電鋳しうるような
ものとされ、したがって、その動作制御系も複数本の電
鋳ワークの各々に対する電鋳動作を個々に制御しうるよ
うなものとされる。
【0036】次に、前述したような構成を有する多心一
体型金属フェルールの製造装置において、フェルールを
形成する手順および動作について順を追って説明する。
【0037】先ず、電鋳槽10内にスルファミン酸Ni
溶液等の適当な電鋳液1を満たし、ホルダー20の心線
保持機構21に、例えば、SUS125μmφ等の電鋳
すべき心線をセットする。次いで、直流電源装置50を
付勢すると共に、駆動モータ24および25並びに圧送
ポンプ31を作動させる。
【0038】心線保持機構21に保持された心線2は、
自転させられていて、直流電源装置50によって、陰極
としての心線2と陽極40との間に直流電流が流れる。
この状態において、自然泳動により電鋳液1中のニッケ
ルイオンが心線2の周囲に付着させられていく。これと
並行して、高濃度イオン溶液槽11から圧送ポンプ31
によってサーボバルブ30を通して高濃度イオン溶液
が、イオン溶液噴射ノズル22から心線2の周囲へと噴
射させられる。このとき、イオン溶液噴射ノズル22
は、昇降機構23の作動により上下方向に移動させられ
ているので、イオン溶液噴射ノズル22から噴射させら
れるイオン溶液は、心線2の上下の延長方向にそって順
次心線2の周囲に吹き付けられて、心線2の全長に亘っ
て、前述の自然泳動によりニッケルイオンの付着に加え
て、イオン溶液噴射ノズル22からの噴射によるニッケ
ルイオンの付着が行われていく。こうして、心線2の周
囲にニッケルが付着されていき、付着ニッケルを含めた
心線2の外径が、例えば、0.250φとなるまで、こ
の電鋳動作を継続する。
【0039】ここで、心線の有効長を約200mmとし
て、この上下に延びる心線の有効長200mmの上、
中、下部分における付着ニッケルの厚さを均一化するこ
とは、後工程における外径の精密機械加工を容易とする
観点から重要である。そこで、この実施例では、付着ニ
ッケルの厚さを均一化するため、直流電源装置50から
心線2と陽極40との間に供給される電流の数値をアナ
ログ変化させること、イオン溶液噴射ノズル22の上下
方向の移動ストローク、移動速度、イオン溶液の噴射
量、イオン溶液の濃度を変化させること、陽極40と心
線2との間に印加する電圧を変化させる等の制御方法を
とっている。
【0040】図6は、このような制御を行うための一つ
の具体例を略示している。図6の具体例においては、心
線2の周囲に付着されていくニッケル2Aの外径を、レ
ーザービーム外径測定装置26で測定する。このレーザ
ービーム外径測定装置26は、図1の全体構成図には示
されていないが、図1の装置内の適所に配置されうる。
この場合において、レーザービーム外径測定装置26
は、心線2の上下方向にそって移動し、例えば、参照符
号AからEで示すような部分の付着ニッケル2Aの外径
寸法を計測する。そして、この計測値は、例えば、レベ
ル判定器90(図1参照)に戻されて、電流値の制御基
準として使われる。
【0041】直流電源装置50から心線2と陽極40と
の間に供給される電流の数値のアナログ値の制御部の構
成としては、種々考えられるが、図1の構成例では、積
算電流計60、A/D変換器70、CPU80およびレ
ベル判定器90からなるものとしている。この制御部の
構成例では、直流電源装置50によって流されている直
流電流を積算電流計60にてリアルタイムにて計測し、
この計測値をA/D変換器70およびCPU80にて処
理してレベル判定器90に加え、レベル判定器90の基
準レベルと比較することにより、DC制御線を介して直
流電源装置50を制御するものとしている。例えば、レ
ーザービーム外径測定装置26の外径測定値が所望値よ
り小さい場合には、レベル判定器90の基準レベルが低
くなるので、レベル判定器90は、直流電源装置50に
対して流す電流を大きくするような指示を出すことにな
る。これにより、付着ニッケル2Aの外径が所望値より
小さい部分に、より多くのニッケルが付着させられるこ
とになり、心線2の全長に亘るより均一なニッケルの付
着が達成できるのである。
【0042】また、レベル判定器90は、出力制御線を
介してサーボバルブ30を制御することにより、イオン
溶液噴射ノズル22から心線2Aに対して噴射されるイ
オン溶液の噴射量を制御することにより、心線2の全長
に亘って付着ニッケルの厚さをより均一なものとするよ
うな制御も行う。同様に、レベル判定器90は、駆動モ
ータ25を制御して、イオン溶液噴射ノズル22の上下
方向の移動ストローク、移動速度等を制御したり、図2
および図3に関して説明したような高濃度イオン溶解液
生成槽の制御を行うことにより、イオン溶液の濃度を変
化させたり、圧送ポンプ31の制御を行うことにより、
イオン溶液噴射ノズル22からのイオン溶液の噴射量を
変化させたりすることにより、付着ニッケルの均一化を
行うようにすることもできる。さらにまた、レベル判定
器90は、駆動モータ24を制御して、心線2の自転速
度を変化させたりすることにより、付着ニッケルの均一
化を行うようにすることもできる。
【0043】図7は、イオン溶液噴射ノズル22から噴
射されるイオン溶液中のニッケルイオンの量を制御する
ための別の構成例を略示している。この構成例では、圧
送ポンプ31とイオン溶液噴射ノズル22との間のイオ
ン溶液の流路の周りに複数個のイオン加速コイル32、
33、34および35を配置し、これらイオン加速コイ
ルに印加する電圧をレベル判定器90からの指令により
制御するようにしている。この場合において、圧送ポン
プ31とイオン溶液噴射ノズル22との間に流れるイオ
ン溶液の流速は、圧送ポンプ31の圧送力に比例してい
るが、ニッケルイオンの速度は、イオン加速コイルに印
加する電圧(V、V+x、V+2x、V+3x)に比例
するので、イオン加速コイルに印加する電圧を制御する
ことにより、イオン溶液噴射ノズル22から噴射される
ニッケルイオンの量を変化させることができ、したがっ
て、心線2に対するニッケルの付着厚さを調整できるこ
とになる。
【0044】心線付着ニッケル2Aの外径が、0.25
0φとなったときに、この電鋳動作を終了させる。こう
して、電鋳動作を終了した後、ニッケルが周囲に電鋳さ
れた心線2をホルダー20の心線保持機構21から取り
外す。前述したような厚さ制御動作により、付着ニッケ
ル外径は、公差5μm以内とすることが容易である。次
いで、取り外した心線の付着ニッケルの外径を、例え
ば、センターレス機械等を用いて、公差が0.2μm以
内となるように整形して、第一次電鋳仕上げ品とする。
図8は、このような第一次電鋳仕上げ品の一本を斜視図
にて例示している。
【0045】次に、多心一体型金属フェルールを製造す
るため、図8に例示したような第一次電鋳仕上げ品3の
複数本を、ダミーの心棒を中心として束ねる。図9は、
ダミーの心棒の周りに8本の第一次電鋳仕上げ品3を束
ねたものを斜視図にて例示している。この例では、ダミ
ーの心棒4は、ニッケル材で円柱状に形成されたもの
で、この心棒4の周りに、上キャップ5および下キャッ
プ6を用いて8本の第一次電鋳仕上げ品3が束ねられて
いる。心棒4の径は、外周に巻き付ける第一次電鋳品3
がすべて互いに密着するような寸法とされている。この
ような寸法の計算は、第一次電鋳仕上げ品3の外径およ
びその公差(例えば、0.2μm)等を考慮してコンピ
ュータ等を使用することにより容易に行うことができ
る。
【0046】このような第一次電鋳仕上げ品の束ね体
を、第一次電鋳品を形成したときと同様にして、図1の
電鋳槽10内のホルダー20の心線保持機構21にセッ
トして、直流電源装置50、圧送ポンプ31、駆動モー
タ24および駆動モータ25等を付勢して、束ね体に対
するニッケルの電鋳、すなわち、第二次電鋳動作を開始
する。このとき、束ね体(上キャップ5および下キャッ
プ6によって束ねられた第一次電鋳品3および心棒4)
は、心棒4の上端および下端がそれぞれ上キャップ5お
よび下キャップ6を介して上部電極端子21Aおよび下
部電極端子21Bに電気的に接続された状態で、且つ心
棒4を中心として回転(自転)させられる。したがっ
て、前述した第一次電鋳動作と同様の制御動作により、
束ね体の周囲に対する電鋳が行われる。この電鋳を第二
次電鋳と称する。束ね体の外周に電鋳されていく付着ニ
ッケルの外径が所望値に達したときに、この第二次電鋳
を終了させて、その束ね体をホルダー20の心線保持機
構21から取り外す。
【0047】図10は、第二次電鋳を完了した束ね体の
一例を斜視図にて示している。図10において、参照符
号3Aは、心棒4および8本の第一次電鋳仕上げ品3の
隙間および周囲に付着形成されたニッケル被覆を示して
いる。図11は、図10に例示した第二次電鋳を完了し
た束ね体の横断面を示している。最後に、第二次電鋳を
終了した束ね体の外径加工を行う。この外径加工は、図
11において斜線を付して示すような付着ニッケル3A
の部分を取り除き、外径を所望値とし且つ公差を所望
値、例えば、1μm以内とするために行うものである。
また、この外径加工は、前述したような第一次電鋳仕上
げ品を形成するときに使用したようなセンターレス機械
等による機械加工とすることができるが、その他の任意
の適当な加工方法によることもできる。図12は、この
ような仕上げ加工をした後の第二次電鋳仕上げ品の横断
面を例示している。
【0048】こうして形成した第二次電鋳仕上げ品か
ら、第一電鋳仕上げ品3の中心にある心線2をすべて除
去し、その後、第二次電鋳仕上げ品を所望の長さにスラ
イスすることにより、多心一体型金属フェルールを作り
出すことができる。心線2の除去の方法としては、種々
な方法が考えられるが、心線2を機械的に引き抜くと
か、心線2を溶かし去る等の化学的方法が考えられる。
この除去方法は、使用した心線2の材質により適当な方
法を選択するのが好ましい。また、心線を除去する前に
スライスを行い、その後に心線を除去する方が好ましい
場合もある。
【0049】このような多心一体型金属フェルールの製
造方法によると、このフェルールを光ファイバコネクタ
等のコネクタに組み込む時の突合せキーの加工も容易に
できる。図13は、このように突合せキーを形成した多
心一体型金属フェルールの端面を例示している。図13
に示されるように、この多心一体型金属フェルールの端
面には、加工中心穴7を基準としてコネクタキー溝8が
形成されている。
【0050】また、前述した第二次電鋳と同様に、第三
次電鋳、第四次電鋳というようにして、電鋳次元を上げ
ていくことにより、心数の多い多心一体型金属フェルー
ルを容易に製造していくことができる。図14は、第三
次電鋳まで行うことによって形成された多心一体型フェ
ルールの端面を例示しており、図15は、第四次電鋳ま
で行うことによって形成された多心一体型金属フェルー
ルの端面を例示している。図14の多心一体型金属フェ
ルールは、2層多心であり、第二次電鋳により付与され
た付着ニッケル3Aの周囲にさらに第一次電鋳仕上げ品
3が多数巻き付けられて、その周囲に第三次電鋳による
付着ニッケル層9Aが形成されている。同様に、図15
の多心一体型金属フェルールは、3層多心であり、第三
次電鋳により付与された付着ニッケル9Aの周りにさら
に第一次電鋳仕上げ品3が多数巻き付けられて、その周
囲に第四次電鋳による付着ニッケル層9Bが形成されて
いる。
【0051】次に、本発明の別の実施例としての平型の
多心一体型金属フェルールの製造方法について説明す
る。図16は、この平型のフェルールの製造に使用する
心線保持機構の一例を示す概略平面図であり、図17
は、その概略側面図である。この心線保持機構は、枠体
100の上下ヨーク部に配置した下板101および10
2を有しており、これら下板101および102には、
所望の間隔(例えば、フェルールに形成すべき光ファイ
バ心線穴のピッチ間隔)にV溝103が形成されてい
る。また、上ヨーク部には、複数本、この実施例では、
5本のピン104が立設され、下ヨーク部にも、同数の
ピン105が立設されている。上ヨーク部のピン104
のうち図16において最も下に位置したピン104に
は、調整ネジ106が関連付けられており、下ヨーク部
のピン105のうち図16において最も上に位置するピ
ン105には、調整ネジ107が関連付けられている。
このような構造の心線保持機構には、前述の第一電鋳仕
上げ品を形成するときに使用したのと同様の心線、例え
ば、SUS125μmの心線2が図16によく示される
ような仕方で保持される。すなわち、心線2は、上ヨー
ク部の最も下に位置するピン104からスタートして下
板101および102に形成された対応するV溝103
にはまり込むようにして下ヨーク部の最も上に位置する
ピン105まで蛇行して引き渡される。心線2のこのよ
うな引き渡しは、調整ネジ106および107を調整す
ることにより引張り状態で緊張した状態に保たれる。こ
の実施例では、心線の引き渡しは、往復で5本としてい
るのであるが、この本数は、任意に選定でき、例えば、
11本となるようにすることもできる。また、図17に
示す心線の有効長Lも、100mmから250mmまで
というように任意に選定できるものである。
【0052】このようにして心線2を保持した心線保持
機構を、図1の装置におけるホルダー20の心線保持機
構21に代えて、図1の装置にセットして、図1の装置
を前述したように作動させることにより、心線保持機構
に蛇行して引き渡された心線2に対する電鋳を行う。こ
の電鋳により往復5本の心線2の周囲に所望の外形にニ
ッケル層が付着された時点で、電鋳動作を終了させて、
枠体100を取り出して、電鋳品を枠体100から取り
外す。そして、取り外した電鋳品の全体の外形形状を箱
型に整えて、必要寸法に切断し、仕上げる。心線2の除
去は、切断の前でも後でもよい。これにより、平型の多
心一体型金属フェルールが作り出される。
【0053】図18は、断面方形の中間金属片の両側に
前述したようにして形成された第一次電鋳品を複数本並
べて第二次電鋳したままの平型の多心一体型金属フェル
ールの斜視図であり、図19は図18のものを機械加工
して整形したものの斜視図である。
【0054】図20は、前述したような多心一体型フェ
ルールを形成するのに使用される第一次電鋳品を形成す
るための別の装置の一例の構成を略示している。前述し
た第一次電鋳品は、自然泳動による電鋳とイオン溶液噴
射ノズルによる電鋳との協動作用によって形成されてい
たのであるが、図20の装置は、第一次電鋳品を自然泳
動による電鋳のみによって形成するものである。図20
に略示するように、この自然泳動電鋳装置は、スルファ
ミン酸Ni溶液の如き電鋳液を満たした主槽110と、
この主層110に高濃度イオン溶液を補充供給するため
の補助槽120とを備えている。主槽110には、SU
S125μm等の心線2を保持する機構111と、心線
2を取り巻くようにするチタン等で形成された円筒網状
体からなる陽極112とが配設されている。補助槽12
0は、図2および図3に関して説明したような高濃度イ
オン溶解液生成槽と同様のものでよい。
【0055】心線2と陽極112との間に電圧を印加す
ることにより、自然泳動によりNiイオンが心線2の周
囲に付着し、心線2の周囲にニッケル被覆が形成されて
いく。陰極としての心線2と陽極としての円筒網状体1
12との距離Dを調整すること、また、心線2と陽極1
12との間の電圧を調整すること等の方法により、心線
2の周囲に付着されるニッケルの厚さを調整できる。
【0056】図20の装置にて形成された第一次電鋳仕
上げ品もまた、前述したような多心一体型金属フェルー
ルを形成するための第二次電鋳、第三次電鋳、第四次電
鋳等において心棒の周りに束ねるものとして、使用でき
る。しかし、前述したような第二次電鋳、第三次電鋳、
第四次電鋳等においては、心棒と周囲に束ねた第一次電
鋳仕上げ品との間の隙間、第一次電鋳仕上げ品相互の間
の凹凸等にもニッケルイオンを侵入させる必要があるの
で、図20の装置の如き自然泳動のみによる電鋳では十
分ではない。したがって、第二次電鋳以降の電鋳には、
図1に関して説明したようなイオン溶液噴射ノズルを使
用した電鋳装置を使用するのが好ましい。
【0057】前述の実施例では、電鋳液としてスルファ
ミン酸Ni溶液を使用したのであるが、本発明は、これ
に限定されることなく、心線の周囲に電鋳しようとする
金属の材質に応じて任意に選定しうるものである。例え
ば、鉄又はその合金、銅またはその合金、コバルト又は
その合金、タングステン合金、微粒子分散合金等の電鋳
用金属を用いることができ、塩化ニッケル、硫酸ニッケ
ル、スルフォン酸第一鉄、ホウフッ化第一鉄、ピロリン
酸銅、硫酸銅、ホウフッ化銅、ケイフッ化銅、チタンフ
ッ化銅、アルカノールスルフォン酸銅、硫酸コバルト、
タングステン酸ナトリウム等の水溶液を主成分とする
液、またはこれらの液に炭化ケイ素、炭化タングステ
ン、炭化ホウ素、酸化ジルコニウム、チッ化ケイ素、ア
ルミナ、ダイヤモンド等の微粉末を分散させた液が使用
されうる。しかし、前述の実施例で使用したスルファミ
ン酸ニッケルを主成分とする浴が、電鋳の容易さ、電鋳
物の応力が小さいこと、化学的安定性、溶接の容易性等
の面で適している。
【0058】また、心線の材質は、前述した実施例では
SUSとしたのであるが、本発明はこれに限定されるこ
となく、例えば、鉄またはその合金、アルミニウムまた
はその合金、銅またはその合金等の金属線、およびこの
金属線の上に薄いハンダメッキをしたもの、およびナイ
ロン、ポリエステル、テフロン(登録商標)等のプラス
チック線から適宜選択しようされうる。
【0059】さらにまた、心棒の材質についても、前述
したような種々の金属の中から適宜選択して使用できる
ものである。
【0060】
【発明の効果】高精度の多心フェルールを容易且つ安価
に提供することができる。
【0061】多心の心数設定を自由に行え、丸型、平型
各種のコネクタに対応しうるフェルールを提供すること
ができる。又、用途もコネクタに限らず、モジュール用
としての応用範囲が広い。
【0062】多心の心間距離の精度、心間距離の変更、
心間の直線性、外周の精度を上げることが容易にでき
る。
【0063】コネクタに組み込み時の突合せキーの加工
も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例としての多心一体型金属
フェルールを製造するための装置の構成を概略的に示す
図である。
【図2】図1の装置の構成における高濃度イオン溶解液
生成槽の構造を図式的に示す側面図である。
【図3】図2の高濃度イオン溶解液生成槽の平面図であ
る。
【図4】図1の装置におけるホルダーの構成を詳細に示
す正面図である。
【図5】図4のホルダーの側面図である。
【図6】図1の装置において付着ニッケルの厚さを均一
に制御するための一つの具体例を略示する図である。
【図7】図1の装置においてイオン溶液噴射ノズルから
噴射されるイオン溶液中のニッケルイオンの量を制御す
るための別の構成例を略示する図である。
【図8】図1の装置によって形成された第一次電鋳仕上
げ品の一本を例示する斜視図である。
【図9】ダミーの心棒の周りに8本の第一次電鋳仕上げ
品を束ねたものを例示する斜視図である。
【図10】第二次電鋳を完了した束ね体の一例を示す斜
視図である。
【図11】図10の第二次電鋳を完了した束ね体の横断
面を示す図である。
【図12】仕上げ加工をした後の第二次電鋳仕上げ品の
横断面を例示する図である。
【図13】コネクタキー溝を形成した多心一体型金属フ
ェルールの端面を例示する図である。
【図14】第三次電鋳まで行うことによって形成された
多心一体型フェルールの端面を例示する図である。
【図15】第四次電鋳まで行うことによって形成された
多心一体型金属フェルールの端面を例示する図である。
【図16】平型のフェルールの製造に使用する心線保持
機構の一例を示す概略平面図である。
【図17】図16の心線保持機構の概略側面図である。
【図18】電鋳したままの平型の多心一体型金属フェル
ールの一例を示す斜視図である。
【図19】図18の電鋳したままの平型の一体型金属フ
ェルールを機械加工したものの一例を示す斜視図であ
る。
【図20】多心一体型フェルールを形成するのに使用さ
れる第一次電鋳品を形成するための別の装置の一例の構
成を略示する図である。
【符号の説明】
1 電鋳液 2 心線 2A 付着ニッケル 3 第一次電鋳仕上げ品 3A 第二次電鋳による付着ニッケル 4 心棒 5 上キャップ 6 下キャップ 9A 第三次電鋳による付着ニッケル 9B 第四次電鋳による付着ニッケル 10 電鋳槽 11 高濃度イオン溶液貯槽 20 ホルダー 21 心線保持機構 21A 上部電極端子 21B 下部電極端子 22 イオン溶液噴射ノズル 23 昇降機構 23A 昇降ヘッド 23B 昇降ガイド 23C 昇降チェーン 24 駆動モータ(回転用) 25 駆動モータ(昇降用) 26 レーザービーム外径測定装置 30 サーボバルブ 31 圧送ポンプ 40 陽極 50 直流電源装置 60 積算電流計 70 A/D変換器 80 演算部 90 レベル判定器 100 心線保持機構 110 主槽 111 心線保持機構 112 陽極 120 補助槽

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多心一体型フェルールの製造方法におい
    て、心線の周囲に電鋳付着材を形成した第一次電鋳品を
    複数本準備し、該複数本の第一次電鋳品を心棒の周囲に
    密着させて束ね体を形成し、該束ね体に対して電鋳を行
    うことにより第二次電鋳品を形成し、該第二次電鋳品か
    ら前記心線を除去することを含むことを特徴とする製造
    方法。
  2. 【請求項2】 多心一体型フェルールの製造方法におい
    て、心線の周囲に電鋳付着材を形成した第一次電鋳品を
    複数本準備し、該複数本のうちの所定数の第一次電鋳品
    を心棒の周囲に密着させて第一の束ね体を形成し、該第
    一の束ね体に対して電鋳を行うことにより第二次電鋳品
    を形成し、該第二次電鋳品の周囲に前記複数本の第一次
    電鋳品のうちの残りの第一次電鋳品を密着させて第二の
    束ね体を形成し、該第二の束ね体に対して電鋳を行うこ
    とにより第三次電鋳品を形成し、該第三次電鋳品から前
    記心線を除去することを含むことを特徴とする製造方
    法。
  3. 【請求項3】 多心一体型フェルールの製造方法におい
    て、(a)心線の周囲に電鋳付着材を形成した第一次電
    鋳品を複数本準備し、(b)該複数本のうちの所定数の
    第一次電鋳品を心棒の周囲に密着させて第一の束ね体を
    形成し、(c)該第一の束ね体に対して電鋳を行うこと
    により第二次電鋳品を形成し、(d)該第二次電鋳品の
    周囲に前記複数本の第一次電鋳品のうちの残りの第一次
    電鋳品を密着させて第二の束ね体を形成し、(e)該第
    二の束ね体に対して電鋳を行うことにより第三次電鋳品
    を形成し、以下前記(d)の段階から前記(e)の段階
    を繰り返すことにより最終電鋳品を形成し、該最終電鋳
    品から前記心線を除去することを含むことを特徴とする
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第一次電鋳品は、主としてイオン溶
    液噴射による電鋳によって形成される請求項1または2
    または3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第一次電鋳品は、自然泳動による電
    鋳によって形成される請求項1または2または3に記載
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第二次電鋳品以降の電鋳品は、主と
    してイオン溶液噴射による電鋳によって形成される請求
    項1または2または3または4または5に記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第一次電鋳品から第n次電鋳品は、
    その外周を仕上げ加工されている請求項1から6のうち
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のうちのいずれか1項に
    記載の製造方法によって製造された多心一体型フェルー
    ル。
  9. 【請求項9】 平型多心一体型フェルールの製造方法に
    おいて、複数本の心線を所定の間隔に並置し、該複数本
    の心線に対してイオン溶液噴射による電鋳を行って電鋳
    品を形成し、該電鋳品の平型外周を整形し、前記電鋳品
    から前記心線を除去することを含むことを特徴とする製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記複数本の心線は、1本の線状体を
    緊張状態にて蛇行させることにより与えられる請求項9
    に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載の製造方法
    によって製造された平型多心一体型フェルール。
  12. 【請求項12】 多心一体型フェルールの製造装置にお
    いて、電鋳液を満たす電鋳槽と、該電鋳槽内に配置され
    る陽極と、前記電鋳槽内に心線を保持するための心線保
    持機構と、該心線保持機構によって保持された心線に対
    してイオン溶液を噴射するためのイオン溶液噴射ノズル
    と、前記心線保持機構に保持された心線を自転させるた
    めの心線駆動機構と、前記イオン溶液噴射ノズルを前記
    心線保持機構に保持された心線の延長方向にそって移動
    させるためのイオン溶液噴射ノズル駆動機構と、前記心
    線保持機構に保持された心線と前記陽極との間に直流電
    流を供給するための直流電源装置とを備えることを特徴
    とする製造装置。
  13. 【請求項13】 前記電鋳槽は、槽中に、陰極を隔膜で
    包み込み金属イオンを付着させないようにした構造をも
    つ陰極板を浸漬する陰極室と陽極を浸漬する陽極からな
    る高濃度イオン溶解液生成槽を備える請求項12に記載
    の製造装置。
  14. 【請求項14】 前記心線保持機構は、前記心線に代え
    て、心線の周囲に電鋳付着材を形成した第一次電鋳品の
    複数本を心棒の外周に密着して束ねた束ね体も保持でき
    るものとされている請求項12または13に記載の製造
    装置。
  15. 【請求項15】 前記心線保持機構に保持された心線ま
    たは束ね体に付着される電鋳付着材の外径を測定して測
    定信号を発生する測定手段を備えている請求項12また
    は13または14に記載の製造装置。
  16. 【請求項16】 前記測定手段からの測定信号に応じて
    前記直流電源装置を制御して前記電鋳付着材の外径が均
    一となるようにするための制御手段を備える請求項15
    に記載の製造装置。
  17. 【請求項17】 前記測定手段からの測定信号に応じて
    前記イオン溶液噴射ノズルから噴射されるイオン量を制
    御して前記電鋳付着材の外径が均一となるようにするた
    めの制御手段を備える請求項15または16に記載の製
    造装置。
  18. 【請求項18】 前記測定手段からの測定信号に応じて
    前記イオン溶液噴射ノズル駆動機構を制御して前記電鋳
    付着材の外径が均一となるようにするための制御手段を
    備える請求項15または16または17に記載の製造装
    置。
  19. 【請求項19】 前記測定手段からの測定信号に応じて
    前記心線駆動機構を制御して前記電鋳付着材の外径が均
    一となるようにするための制御手段を備える請求項15
    または16または17または18に記載の製造装置。
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