JP2003043306A - 多芯光ファイバー用コネクタ部品及びその製造方法 - Google Patents

多芯光ファイバー用コネクタ部品及びその製造方法

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JP2003043306A
JP2003043306A JP2001232798A JP2001232798A JP2003043306A JP 2003043306 A JP2003043306 A JP 2003043306A JP 2001232798 A JP2001232798 A JP 2001232798A JP 2001232798 A JP2001232798 A JP 2001232798A JP 2003043306 A JP2003043306 A JP 2003043306A
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ferrules
connector component
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田 隆 彦 向
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続性能に優れ、チャンネル数の多い光シス
テムを構築することの可能な多芯光ファイバー用コネク
タ部品を提供する。 【解決手段】 多芯光ファイバーケーブルを構成する各
々の光ファイバーが挿通される複数の円筒状のフェルー
ルを、該フェルールの孔を基準にして所定の位置関係で
保持しつつ樹脂等で一体に被覆し成形し、更に該構造物
を積層する方法で多芯光ファイバー用コネクタ部品を製
造する。また、光ファイバーを挿通し得る内径の貫通孔
を有する各々の芯線の貫通孔の中心軸を互いに平行かつ
所定位置に配置し固定したものを陰極とし、通電するこ
とにより前記芯線の外周面上に電着層を1体に形成し、
多芯光ファイバー用コネクタ部品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多芯光ファイバー
の接続に用いられる多芯光ファイバー用コネクタ部品に
関するものであり、より詳細には、結合される光ファイ
バーの接続端面が2次元的に配列される多芯光ファイバ
ー用コネクタ部品及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、多様化した大量の情報を一度に送
受信する方法として光ファイバーケーブルを用いた通信
手段が発達し、光通信システムや光応用計測システムに
おいて機器や装置間及び種々の光回路部品をファイバー
接続するために不可欠な光コネクタの需要が伸びてい
る。
【0003】光ファイバーは、石英ガラスを主成分とし
ており、その構造は、光パワーが集中するコア部と光パ
ワーを閉じ込める働きをするクラッド部とからなり、マ
ルチメディア時代の到来に伴い、光ファイバーが、電話
回線をはじめとして、光素子を用いる多種多様の分野で
多く用いられるようになっている。光ファイバーは通
常、用途に応じた適宜の長さに切断した後、終端をコネ
クタ仕上して用いられ、コネクタ仕上には、通常、光フ
ァイバー素線同士を同軸上に保持するための円筒状のフ
ェルール、又はV字溝を施した樹脂成形物のV字溝に光
ファイバーを設置し、その上から樹脂成形物で直接に被
覆する多芯フェルール等が用いられている。従来、光フ
ァイバーの接続に関しては、個々のファイバーごとにコ
ネクタで接続を行なっていたが、近年では更に大容量の
データ伝送を行なうために、光ファイバーケーブルの多
芯化、高密度化が進み、これらの光ファイバーを一括し
て接続するための多芯光コネクタの開発が行なわれてき
ている。
【0004】多芯コネクタは、複数の光ファイバーを同
時に接続するためのコネクタであるが、接続方式や基本
構成は単心用光コネクタと同様であり、ファイバーの位
置出し及び及び整列方式によって次の2つのタイプに大
別することができる。 (1)独立フェルール型多芯光コネクタ:このタイプ
は、多芯ファイバーの各心ごとに単心用フェルールを使
用し、単心型の集合体として光コネクタを構成するもの
である。 (2)一括整列型光コネクタ:このタイプは、V字型の
溝を施した基板となる部材の表面に複数の光ファイバー
を保持し固定させて接続を行なうもので、角型のフェル
ールに複数の光ファイバー挿入孔を設けて多芯用のフェ
ルールとし、ガイドピンにより光ファイバーの端面同士
の接合を容易にするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
独立フェルール型多芯光コネクタでは、各光ファイバー
の接続の基本構成が単心コネクタの場合と同様であるか
ら接続性能も単心コネクタの場合と同様に良い結果が得
られるものの、光ファイバーの心数が増えるに従ってフ
ェルールを円周方向又は列方向に増やして配列しなけれ
ばならず、ハウジングを構成するためには外形を大きく
しなければならなかった。そのため、実用面では10心
以下の比較的に少ない心数のものにしか適用できなかっ
た。また、前記の一括整列型光コネクタでは、高密度に
多数の光ファイバーを接続することができるという利点
はあるものの、コネクタを構成する各部材の寸法制度を
厳しく管理しないと各ファイバーの端面が位置ずれを起
こし、接続性能に大きなばらつきがあった。そのため、
前記タイプの光コネクターを用い、例えば1000チャ
ンネルにも及ぶ光伝送路を備えたシステムを構築するに
は無理があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、複数の光ファイバーの端末を保持する多芯光ファ
イバー用コネクタ部品であって樹脂又は金属のいずれか
の素材の溶射物又は電着層からなるコネクタ部品本体
と、前記複数の光ファイバーを1芯ごとに挿通するため
の複数の円筒状フェルールとを有し、当該フェルールが
貫通孔内径の中心軸が互いに平行でかつ所定の位置関係
で保持された状態で、前記素材の溶射物又は電着層で一
体に被覆成形されることを特徴とする多芯光ファイバー
用コネクタ部品である。
【0007】請求項2の発明は、複数の光ファイバーの
端末を保持する多芯光ファイバー用コネクタ部品であっ
て樹脂又は金属のいずれかの素材の溶射物又は電着層か
らなるコネクタ部品本体と、前記複数の光ファイバーを
1芯ごとに挿通するための複数の円筒状フェルールとを
有し、当該フェルールが貫通孔内径の中心軸が互いに平
行でかつ所定の位置関係で保持された状態で、前記素材
の溶射物で一体に被覆成形し、さらに該成形された構造
物の表面に樹脂又は金属のいずれかの素材からなる少な
くとも1層以上の溶射層で被覆成形されることを特徴と
する多芯光ファイバー用コネクタ部品である。
【0008】請求項3の発明は、請求項1記載コネクタ
部品を所定形状に成形した構造物を積層(少なくとも二
層以上の所定の層数で)し、該双方のコネクタ部品の各
フェルール貫通孔内径の中心軸を一致させ、所定の位置
関係を保持した状態で樹脂又は金属からなる素材のいず
れかからなる少なくとも1層以上の溶射層で一体に被覆
成形されていることを特徴とする多芯光ファイバー用コ
ネクタ部品である。
【0009】請求項4の発明は、複数からなる円筒状フ
ェルールを、該フェルールの貫通孔の中心軸を互いに平
行でかつ所定の位置関係で保持し、樹脂又は金属のいず
れかの素材を用いて溶射又は電鋳のいずれかを行ない、
前記複数のフェルールを一体に被覆成形することを特徴
とする多芯光ファイバー用コネクタ部品の製造方法であ
る。請求項5の発明は、請求項4記載の方法で製造され
たコネクタ部品を所定形状に成形し、該コネクタ部品の
の両端面を除く側面に、樹脂又は金属からなる素材のい
ずれかを用い、少なくとも1層以上で溶射を行なって被
膜層を形成することを特徴とする多芯光ファイバー用コ
ネクタ部品の製造方法である。
【0010】請求項6の発明は、請求項4記載の方法で
製造されたコネクタ部品を所定の形状で積層(少なくと
も2層以上の所定の層数で)し、双方の前記コネクタに
固着されてなるフェルールの貫通孔の中心軸を、互いに
平行でかつ所定の位置関係で保持し、該積層されたコネ
クタ部品の両端面を除く側面に樹脂又は金属からなる素
材のいずれかを用い、少なくとも1層以上で溶射を行な
い、被膜層を形成することを特徴とする多芯光ファイバ
ー用コネクタ部品の製造方法である。
【0011】請求項7の発明は、複数のフェルールを所
定の位置に固定する手段が、前記フェルール貫通孔の両
端に嵌合する突起を備えた移動位置決め部材と静止位置
決め部材とからなり、前記両位置決め部材の突起が各フ
ェルールの両端孔に嵌入され、前記各フェルールを挟持
することにより、各フェルールの位置決めがなされるこ
とを特徴とする請求項4乃至6記載の多芯光ファイバー
用コネクタ部品の製造方法である。
【0012】請求項8の発明は、溶射がフレーム溶射ま
たはアーク溶射で行なわれることを特徴とする請求項4
乃至6記載の多芯光ファイバー用コネクタ部品の製造方
法である。請求項9の発明は、電鋳法により製造される
光コネクタ部品が、光ファイバーを挿通し得る内径の貫
通孔を有する各々の芯線の貫通孔の中心軸を互いに平行
かつ所定位置に配置し固定したものを陰極とし、通電す
ることにより前記芯線の外周面上に電着層で1体に形成
されてなることを特徴とする請求項4記載の多芯光ファ
イバー用コネクタ部品の製造方法である。
【0013】請求項10の発明は、貫通孔の中心軸を互
いに平行かつ複数段で所定位置に配置し固定した各々の
芯線への通電を、まず前記所定位置の中央部に位置する
芯線より行なって電着層を形成し、順次外側に隣接する
芯線に通電を行なって電着層を形成することを特徴とす
る請求項9記載の多芯光ファイバー用コネクタ部品の製
造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら説明する。本発明に述べる多芯光ファイバ
ー用コネクタ部品とは、多芯光ファイバー用コネクタの
ハウジング部分を除いたモールド部分のことをさすもの
である。図1及び図2は、本発明に係る多芯光ファイバ
ー用コネクタ部品の1例を示すものであり、図1は複数
の円筒状フェルールを少なくとも1列以上(図では2
列)で配置し、樹脂又は金属(サーメットも含む)から
なる素材のいずれかをを溶射または電鋳で一括被覆成形
した多芯光ファイバー用コネクタ部品の正面図、図2は
図1で得られた成形体構造物を所定形状に成形して積層
し、前記の樹脂又は金属からなる素材のいずれかを溶射
で被覆した多芯光ファイバー用コネクタ部品の正面図で
ある。図1は複数のフェルール(本例では8本)を樹脂
又は金属からなる素材のいずれかを用い、溶射または電
鋳により2段にて一括被覆し成形した多芯光ファイバー
用コネクタ部品を表したものであり、同図において、1
は多芯光ファイバー用のコネクタ部品、2は光ファイバ
ーを挿通するためのフェルール、3はフェルール1を所
定の位置関係で被覆固定した樹脂または金属からなる素
材のいずれかを溶射または電鋳のうちのいずれかの方法
で覆った被覆層である。前記フェルール2としては、被
覆層との密着性を向上させるため、被覆処理を行なう前
に、その外周面にブラスト処理や切削加工により凹凸状
の溝を施したものが好ましい。
【0015】本発明の多芯ファイバー用のコネクタ部品
1は、1列にN個(Nは2以上の整数を表し、本図の場
合にはN=4である)でK段(Kは1以上の整数)設置
されている。前記フェルール2は、その貫通孔の軸心方
向が互いに同一で、かつ各々のフェルール2が所定のピ
ッチで配置で配列するように前記両端孔を後述する位置
決め部材で固定し、この位置関係を保持したまま溶剤、
硬化材等を配合したエポキシ系樹脂の噴射でブラスト効
果をもたせ、樹脂又は金属からなる素材のいずれかをフ
レーム溶射、アーク溶射、電鋳等の方法により一体に被
覆成形し、表面を所定の寸法に研磨したものである。
【0016】前記の各フェルール2は、加工性の良いセ
ラミックス(アルミナ、ジルコニア、結晶化ガラス
等)、NiあるいはNi合金等の金属素材、プラスチッ
ク等を円筒状に加工したものであり、その中心孔は、そ
の中に挿入される光ファイバーの外径と正確に等しい真
円度、同心度、真円筒度を形成するように高度に精密加
工され、その外径、孔径、孔偏心等もサブミクロンオー
ダーの公差で精密加工されている。標準的なフェルール
の外径は、2.5mm、1.25mmのものが主流であ
るが、本願発明においてはフェルールをその両端孔で保
持できればよく、外形が変形している規格外のものでも
本願発明を実施可能である。
【0017】また、本発明における被覆層3を形成する
のに適した樹脂としては、比較的低い温度で流動化し、
耐熱性および耐腐食性が良好であり、かつ熱膨張率の小
さい熱可塑性樹脂からなる素材を選択することが望まし
い。例えば腺膨張率が1〜2×10−5/℃のポリプラ
スティック株式会社製のフォートロン(R)、出光石油
株式会社製の出光PPS等のポリフェニレンサルファイ
ド系樹脂を例示できるが上記の物性を満たす熱可塑性樹
脂であれば、本願発明を実施することができる。また、
溶射を行なう前に、熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂と溶
剤、及び硬化剤からなる溶射用粗面形成材(サブナー
ル:アークテクノ株式会社製)をフェルールにスプレー
して前記フェルールの表層に粗面を形成しておくと、溶
射層との密着性が良い。また、熱硬化性樹脂であるエポ
キシ樹脂と硬化材を配合し、架橋反応をある程度進行さ
せた後、粉砕した塗料を溶射時の加熱により更に硬化反
応を進める溶射材が実用化されており、これを用いてフ
レーム溶射を行うことができる。
【0018】また、本発明における金属からなる素材を
使った溶射方法としては、被覆するフェルールへの熱的
影響や溶射速度による影響の少ないアーク溶射を用いる
ことができ、金属又は樹脂からなる素材を使った溶射方
法としてはフレーム溶射等を利用できる。アーク溶射
は、溶射ガンの2本のノズルを通して、連続的に送給さ
れる2本の溶射素材の先端の間にアークを発生させ、そ
れによって生じた溶融部を、ノズルの中間にあるノズル
から噴出する空気ジェットで、微粒子として基材表面へ
吹き付け、皮膜とする。溶射素材の線形には、0.8〜
5.0mmが用いられるが、アークの温度測定は、困難
である。アークの温度は、アーク雰囲気、電極素材の種
類、電流などによって変わるが、一例として鉄電極間の
電流280Aのアーク温度は、分光学的に6,100〜
±200Kと測定されている。アーク溶射法において
は、このような温度下で溶滴が生成されているものと考
えられる。溶融した金属素材は、圧縮空気ジェットで溶
射粒子として噴射され、温度を低下しつつ、基材面に向
かって空気中を飛行することになる。尚、本発明におい
ては、フェルールに対する熱的影響を考慮し、噴射面の
温度が40℃程度でも金属の溶射を可能にしたアークボ
ーイPC120(又は250)iDEX低温金属溶射シ
ステム(アークテクノ株式会社)を用いるのが好まし
い。
【0019】アーク溶射法の利点としては、皮膜の基材
への密着強さおよび皮膜そのものの強さが、フレーム溶
射によるものよりも強く、運転経費が低廉である。さら
に溶射素材として、2本の異種素材の線を用いて、溶射
の過程でそれらを合金させた皮膜を作成できる。一方、
欠点として、溶射素材は導電性のものに限られること、
溶射素材の送給速度が出力に対して低すぎると、溶射素
材の過熱および酸化が生じること、更に、溶射素材の合
金元素の損失を生じ、皮膜の化学組成が大きく変化する
こと、などが挙げられる。
【0020】また、本発明に述べるフレーム溶射には、
酸素−燃料のフレームを熱源とする溶射法で、溶線式、
溶棒式、粉末式の3方式がある。
【0021】本発明における樹脂又は金属からなる素材
のうちの何れかを用いるフレーム溶射は、溶射ガンの中
心孔から、空気流に載せて溶射素材粉末を吹出し、その
周囲に同心円状に空気ジェットを噴出させ、更に、その
外円周でプロパン−酸素、またはプロパン−空気等を燃
焼させて、溶射を行うものである。溶射に当たっては、
溶射素材粉末が基材表面に衝突するときに、適切に溶融
あるいは硬化反応するように、フレームおよび空気ジェ
ットの状態を調節する。尚、本発明に使用する熱可塑性
樹脂(ポリフェニレンサルファイド系樹脂)は、好まし
い被覆状態を得るため、溶融温度300〜330℃の範
囲で使用するのが好ましい。本願発明においては、溶射
法を行なうことにより、フェルールへの熱的影響(変
形、屈曲等)を除くことができ、更には均質な溶射層を
得ることができる。
【0022】図2は、図1で得られた成形体構造物(多
芯光ファイバー用コネクタ部品)を所定形状に切削して
積層し、樹脂又は金属からなる素材のいずれかををフレ
ーム溶射、アーク溶射等の方法により被覆した多芯光フ
ァイバー用コネクタ部品1aを表したものであり、図1
記載の多芯光ファイバー用コネクタ部品1を積層し、該
積層された各多芯光ファイバー用コネクタ部品1間のフ
ェルール孔の位置合わせを行ったものを、後述する挟持
具で固定し、挟持面を除いた面に前記の樹脂、金属から
なるいずれかの被覆素材をフレーム溶射、アーク溶射等
の方法で、外部被覆層4を設けたものである。
【0023】また、本発明の多芯光ファイバー用コネク
タ部品には図3及び図4に示すような、フェルール孔を
有する端面を除いた面に金属層5を形成し、金属層の上
に金属膜を施した形態の多芯光ファイバー用コネクタ部
品1cと2層の構造物を被覆した樹脂上に金属膜を施し
た形態の多芯光ファイバー用コネクタ部品1dも存在す
る。前記金属層5は、フェルール孔を有する端面を除い
た面に所定の金属をアーク溶射、フレーム溶射等を行な
うことによって形成され、前記の多芯光ファイバー用コ
ネクタ部品1,1aを補強するのに効果がある。また最
終的にフェルールの全体的な位置ずれが生じた際に壁面
を切削することにより位置調整可能とするためのもので
ある。
【0024】つぎに本発明に係る多芯光ファイバー用コ
ネクタ部品の製造方法を説明する。本発明の多芯光ファ
イバーコネクタ部品を製造するに当たっては、先ず光フ
ァイバーを挿通させるフェルールを所定の配置に位置決
めを行なうことから開始される。図5は、本発明の実施
の形態におけるフェルールを所定の位置で固定するため
のの位置決め部材の概略上面図ある。
【0025】図5にて、6はフェルール2を所定の位置
で固定するための位置決め部材であり、鉄、ニッケル、
クロム等の金属素材からなる合金からなっている。前記
位置決め部材6は突起8を持つ移動位置決め部材9及び
静止位置決め部材7からなり、前記両位置決め部材が各
フェルールを挟持することにより、各フェルールの位置
決めがなされる。前記の突起8は、前記フェルールの内
径よりも大きい直径を有する円錐、角錐等の錐状、針
状、半球状、又は、この組合せからなる形状のものが好
ましいが、各フェルール貫通孔の位置を精確に固定でき
る形状のものであればその他の形状のもので良い。
【0026】また、前記移動位置決め部材9は、突起部
8を備えたプレート8aが収容され、複数のプレート8
aが独立して摺動する構造にてなり、フェルール2をセ
ッティングする際には、上段のプレート8aから静止位
置決め部材7に向って摺動される。該各々のプレート8
aの先端には、突起8が静止位置決め部材7の突起7a
の配列に対峙して所定の位置関係で設けられている。前
記の突起7a,8は、ミクロンオーダの精度で形成され
ており、両突起7a,8が各々のフェルール2を挾持す
る際には、フェルールの貫通孔の中心軸が互いに同一方
向ととなる。また、前記位置決め部材6の空間部下方に
は複数のフェルール2を支持するためのV字溝を施され
た昇降可能なリフト10が設置されており、V字溝上に
載置されたフェルール2を順次、次の稼動を行なうプレ
ートの高さまで移動させる。
【0027】以上の構成態様にて、フェルール2は、設
置する本数に応じてフェルールフィーダー(図示せず)
から列単位で供給され、リフト10のV字溝に載置され
る。フェルール2がリフト10上に載置されると、リフ
ト10は移動位置決め部材9の最上段のプレートまで上
昇し、次に移動位置決め部材9が前進してプレート8a
が静止位置決め部材7のU字状の両端壁に嵌合され、更
に前進して突起7a、8が各フェルール孔に挿入され、
フェルール両端の位置決めがなされる。残りの各フェル
ールに関しても同様の操作を行ない、フェルールのセッ
ティングを終了する。この状態で位置決め部材6の周囲
を固定部材(図示せず)で固定し、フェルールの位置ず
れが起こらないようにして樹脂被覆等を行なう。
【0028】図6は、前記の位置決め部材6に所定の配
置で固定されたフェルール2に樹脂で被覆を施す状況を
説明する概略図である。図6にて、11は前記の位置決
め部材6を載置するためのトレー、12は剥離材、13
は被覆樹脂を射出するノズル、14は被覆された樹脂層
である。
【0029】前記の複数のフェルール2の設置が終了し
た位置決め部材6は、トレー11に移される。この際、
溶射される被覆樹脂14がトレー11に密着するのを防
止するために剥離材12を溶射部の下に敷設しておくと
よい。次にポリフェニレンサルファイド系樹脂を原料と
し、フェルール2付近の温度が150〜200℃の範囲
となるようにしてフレーム溶射法で、ノズル13より噴
射を行ない、一括被覆する。また、エポキシ系樹脂、溶
剤、硬化材からなるサブナール(アークテクノ株式会社
製)をフェルールにスプレー噴射して溶射用の粗面を形
成し、フェルールを前記ポリフェニレンサルファイド系
樹脂で被覆しても良い。被覆終了後、常温に戻し、各フ
ェルール孔と被覆層の側面との間隔が所定の値となるよ
うに被覆層の研磨を行ない、図1に示す多芯光ファイバ
ー用コネクタ部品1がえられた。
【0030】また上記の多芯光ファイバー用コネクタ部
品1を積層し、該積層された各多芯光ファイバー用コネ
クタ部品1間のフェルール孔の位置合わせを行なったも
のを図示しない挟持具で固定し、前記の積層された各多
芯光ファイバー用コネクタ部品1のフェルール孔を有す
る端面を除いた面に前記の樹脂又は金属の素材を同様の
条件でフレーム溶射またはアーク溶射のうちの何れかの
方法で、外部被覆層4を形成することにより、図2に示
す多芯光ファイバー用コネクタ部品1aが得られた。
【0031】また、複数の円筒状金属フェルールを電鋳
することによって多芯光ファイバー用コネクタ部品を製
造することができ、この方法により得られたコネクタ部
品は、複数の芯線を電鋳で一体成形後に芯線を引き抜い
てえられたコネクタ部品よりも貫通孔の位置ずれが少な
い。以下、電鋳法によって多芯光ファイバー用コネクタ
部品を製造する方法について、図を用いて説明する。
【0032】図7は電鋳法により多芯光ファイバー用多
芯フェルールを製造するための装置の概略図であり、同
図において、20は電鋳槽であって、その内部は隔膜2
1により、陽極室22と陰極側とに分離されている。陽
極室22には、陽極23が電鋳槽20の内壁に沿って、
隔膜21の内側に互いに対向して設けられている。陽極
23の材質は芯線材(円筒状フェルール)の周囲に電着
させようとする金属に応じて適宜選択され、通常、ニッ
ケル、鉄、銅、コバルトなどが用いられる。また、芯線
として、セラミックス、プラスティック、ガラス等の非
導電性の素材からなるフェルールを使用する場合には、
該フェルールの表層に導電性金属による無電解メッキを
施したものを用いることができる。24は濾過器であっ
て、通常、濾過精度0.1〜2μm程度のものが用いら
れ、ポンプ25により電鋳液を高速濾過する。なお、2
6はバルブである。27は電鋳溶液であり、通常、水を
溶剤とし、これに芯線28の周囲に電着させようとする
金属の種類に応じた、適宜の金属成分を含むものが用い
られる。
【0033】電鋳により電着させる金属の種類にもよる
が、個々の金属成分としては、例えば、ニッケル、鉄、
銅、コバルト、タングステン及びそれらの合金が挙げら
れ、従って、電鋳溶液27としては、水溶液又は浮遊液
の状態においてこのような金属成分を保持する、例え
ば、スルフアミン酸ニッケル、塩化ニッケル、硫酸ニッ
ケル、スルフアミン酸第一鉄、硼弗化第一鉄、ピロリン
酸銅、硼弗化銅、珪弗化銅、チタン弗化銅、アルカノー
ルスルホン酸銅、硫酸コバルト、タングステン酸ナトリ
ウムなどの水溶液か、あるいは、水に炭化珪素、炭化タ
ングステン、炭化硼素、酸化ジルコニウム、窒化珪素、
アルミナ、ダイヤモンドの微粉末を分散させてなる浮遊
液が用いられる。これらのうち、スルフアミン酸塩を含
有する水溶液は、電鋳が容易であること、化学的に安定
であること、溶解し易いことなどから、電鋳溶液27と
して極めて有用である。
【0034】また、陰極は複数の芯線(円筒状フェルー
ル)28を、サブミクロンオーダーの誤差で相対峙し、
突起部31を有する上部固定部材29と下部固定部材3
0とで挟持してなるものであり、導電性金属からなる突
起部31が芯線28の両端孔に嵌入されることにより前
記複数の芯線貫通孔の中心軸が互いに平行かつ所定の配
置で固定される。前記突起部31の形状としては錘状、
針状、両形状の組み合わさったもの等、挾持する際に前
記貫通孔の位置ずれが少ない形状のものが好ましい。前
記突起部31を備えた上部固定部材29及び下部固定部
材30は、絶縁物質からなり、上部固定部材29に設け
られている各々の突起部31はそれぞれ独立してマイナ
ス側の導線29aに接続されている為、複数の芯線28
への通電を選択的に行うことができる。
【0035】電鋳によって芯線材の周囲に電着する金属
の厚みは、例えば、電鋳槽や陽極、陰極の構造などによ
って、芯線材におけるすべての部位において必ずしも一
定ではないので、多芯光ファイバー用多芯フェルールを
製造するに際しては、先ず所定位置に配置された複数芯
線の中央部付近に位置する芯線より通電を行なって電着
層を形成し、順次隣接する芯線に通電を行ない電着層を
形成することによって、空隙のない密な電着層を一体形
成できる。
【0036】図8は、前記の通電を行なう際の芯線に通
電を行なう順序を示した説明図で、同図に記載されてい
るからの順序で通電を行なうものである。尚、この
場合は25芯フェルールの例であり、所定配置の中心部
にあるの芯線に先ず通電して電着させ、その後、外側
に隣接するの芯線に通電して電着させ、その後にの
芯線に通電して電着させることにより、前記複数の芯線
(この場合は25本)を膜厚の過不足のない電着層で1
体に被覆するものである。また、中央部の芯線が電着層
の形成時には、電鋳溶液を電着層の補正したい部分のみ
過不足を調整しつつ浸したり、電着層に遮蔽膜を掛け
て、電着層の補正したい部分のみを電鋳液に浸したりす
ることにより、電着層の厚さを調整する。
【0037】電鋳は、電鋳槽20内に上述のような電鋳
溶液27を満たした状態で、陰極側に芯線28を浸漬
し、陽極23及び芯線28に通電し、4〜20A/dm
程度の電流密度になるように通電する。このとき、電
鋳溶液27を酸性側のpHとしては、pH3〜6、望ま
しくは、pH4〜5に維持した場合には、通電開始から
12時間程度で金属を所定の厚さまで複数の芯線28の
周囲に電着することができる。また、電鋳液27は、例
えば、活性炭などを用いて定期的に有機性不純物を除去
したり、また、電鋳に先立って、例えば、ニッケル鍍金
した鉄製波板及び炭素をそれぞれ陰極及び陽極にし、両
極間に0.2A/dm前後の低電流密度で通電するこ
とによって、電鋳液から鋼などの無機不純物を除去して
もよい。
【0038】電鋳を行なうことにより、複数の円筒状フ
ェルールを電着層で一体に被覆した構造物は、前記複数
の円筒状フェルールの両端孔と電着層側面からのずれを
サブミクロンオーダーの精度で研磨して修正することに
より、多芯光ファイバー用多芯フェルールとして使用す
ることができる。なお、本発明の光ファイバー用多芯フ
ェルールにおいては、切断前又は切断後の円筒状フェル
ールを使用して製造することができる。また、用途に応
じて、光ファイバー用多芯フェルールの端面の一方若し
くは両方を、例えば、フラット、アリドーム、アングル
等の形状に加工したり、貫通孔に光フアイパ素線を挿入
し易くする目的で、貫通孔における光ファイバー素線の
挿入口の一方、もしくは両方に適宜角度のバックテーパ
を設けることも可能である。
【0039】次に、この発明の光ファイバー用多芯フェ
ルールの使用方法について説明すると、この発明の光フ
ァイバー用多芯フェルールは、光ファイバー同士を接続
するための部品として、光素子を用いる多種多様の用途
において極めて有利に用いることができる。この発明の
光ファイバー用多芯フェルールは、多種多様の多芯コネ
クタにおける光ファイバーの実装密度を有意に改善する
ことができるとともに、各々の芯線貫通孔の中心軸が平
行かつ所定の位置に調整されているため、光ファイバー
をより高精度に接続し、接続に伴う光信号の損失を有意
に小さくすることができる。
【0040】
【実施例】(実施例1)前記の実施の形態で示した方法
で位置決め部材に固定したフェルールに、エポキシ樹脂
と溶剤、及び硬化剤からなる溶射用粗面形成材(サブナ
ール:アークテクノ株式会社製)をスプレーしてフェル
ールの表層に粗面を形成し、フェルール孔を有する端面
を除いた面に、ポリフェニレンサルファイド系熱可塑性
樹脂[ポリプラスティック株式会社製のフォートロン
(R)]を用い、フレーム溶射で一体に被覆し、所定の
形状に成形してフェルールが1段配置にてなる8心光フ
ァイバー用コネクタ部品を20個作製した。この時のノ
ズル温度は300〜330℃とし、フェルール付近の温
度は150〜200℃で維持できるように調整した。得
られた8心光ファイバー用コネクタ部品について各フェ
ルール孔間の偏心誤差を測定した結果、その誤差範囲は
±0.05〜0.5μmであった。
【0041】(実施例2)前記の実施の形態で示した方
法で位置決め部材に固定したフェルールに、エポキシ樹
脂と溶剤、及び硬化剤からなる溶射用粗面形成材(サブ
ナール:アークテクノ株式会社製)をスプレーしてフェ
ルールの表層に粗面を形成し、フェルール孔を有する端
面を除いた面に、亜鉛線材及びアルミニウム線材を用
い、アーク溶射(アークボーイPC120i低温金属溶
射システム;アークテクノ株式会社)で一体に被覆し、
所定の形状に成形してフェルールが2段配置にてなる8
心光ファイバー用コネクタ部品を20個作製した。溶射
時のフェルール付近の温度は40〜50℃で維持できる
ように調整した。得られた8心光ファイバー用コネクタ
部品について各フェルール孔間の偏心誤差を測定した結
果、その誤差範囲は±0.05〜0.5μmであった。
【0042】(実施例3)実施例2の方法で作製した光
ファイバー用コネクタ部品を所定の形状に切削加工して
各フェルール貫通孔と壁面の位置を調整した構造物を積
層し、フェルール孔を有する端面を除いた面に出光PP
Sを用いフレーム溶射で一体に被覆し、所定の形状に成
形してフェルールが4段配置にてなる16心光ファイバ
ー用コネクタ部品を10個作製した。この時のノズル温
度は300〜330℃とし、フェルール付近の温度は1
50〜200℃で維持できるように調整した。得られた
16心光ファイバー用コネクタ部品について各フェルー
ル孔間の偏心誤差を測定した結果、その誤差範囲は±
0.05〜0.5μmであった。
【0043】(実施例4)実施例1、3の方法で得られ
た光ファイバー用コネクタ部品のフェルール孔を有する
端面を除いた面に、アルミニウム、亜鉛の溶射線材を溶
射素材としてアーク溶射(アークボーイPC120i低
温金属溶射システム;アークテクノ株式会社)で低温金
属溶射を行なった。 出力電圧:7〜10V ワイヤー供給速度:3.5m/min(φ=1.3m
m) 噴射エアー5.5kg/cm 得られた光ファイバー用コネクタ部品について、所定の
形状に成形したのち、各フェルール孔間の偏心誤差を測
定した結果、その誤差範囲は±0.05〜0.5μmで
あった。その誤差範囲が±0.05〜0.5μmであ
り、本願発明の多芯光ファイバー用コネクタ部品が光フ
ァイバー間の軸ずれを防止するのに適したものであるこ
とが確認された。
【0044】(実施例5)50本の円筒状金属フェルー
ルを10列×5段で実施の形態に記載した方法でニッケ
ルによる電鋳を行なった。得られた構造物を所定形状に
研磨し、このフェルールの貫通孔のある両端面を除く表
面上にエポキシ樹脂と溶剤、及び硬化剤からなる溶射用
粗面形成材(サブナール:アークテクノ株式会社製)を
スプレーして粗面を形成し、ポリフェニレンサルファイ
ド系熱可塑性樹脂[出光石油株式会社製の出光PPS]
を用いフレーム溶射をおこなった。フレーム溶射温度
は、噴射ノズル付近の温度300〜330℃付近になる
ように調整し、前記構造物の表面温度が150℃前後と
なるように調整を行なった。得られた多光ファイバー用
コネクタ部品について、所定の形状に成形したのち、各
フェルール孔間の偏心誤差を測定した結果、その誤差範
囲は±0.05〜0.5μmであった。
【0045】(実施例6)50本の円筒状金属フェルー
ルを10列×5段で実施の形態に記載した方法で電鋳を
行なった。得られた構造物を所定形状に研磨し、このフ
ェルールの貫通孔のある両端面を除く表面上にエポキシ
樹脂と溶剤、及び硬化剤からなる溶射用粗面形成材(サ
ブナール:アークテクノ株式会社製)をスプレーし、ア
ルミニウム、亜鉛の溶射線材を溶射素材としてアーク溶
射(アークボーイPC120i低温金属溶射システム;
アークテクノ株式会社)で低温金属溶射を行なった。 出力電圧:7〜10V ワイヤー供給速度:3.5m/min(φ=1.3m
m) 噴射エアー5.5kg/cm 得られた多光ファイバー用コネクタ部品について、所定
の形状に成形したのち、各フェルール孔間の偏心誤差を
測定した結果、その誤差範囲は±0.05〜0.5μm
であった。
【0046】(実施例7)前記の実施の形態で示した方
法で位置決め部材に固定したフェルールに、エポキシ樹
脂と溶剤、及び硬化剤からなる溶射用粗面形成材(サブ
ナール:アークテクノ株式会社製)をスプレーしてフェ
ルールの表層に粗面を形成し、フェルール孔を有する端
面を除いた面に、ポリフェニレンサルファイド系熱可塑
性樹脂[ポリプラスティック株式会社製のフォートロン
(R)]を用い、フレーム溶射で一体に被覆し、所定の
形状に成形してフェルールが3段配置にてなる24心光
ファイバー用コネクタ部品を作製し、更にこの構造物の
周囲を所定の形状に切削加工して各フェルール貫通孔と
壁面の位置を調整した構造物を3層に積層し、更に前記
フォートロン(R)を用い、フレーム溶射で被覆し、7
2芯の多芯光ファイバー用コネクタ部品を10個作製し
た。この時のノズル温度は300〜330℃とし、フェ
ルール付近の温度は150〜200℃で維持できるよう
に調整した。得られた72芯光ファイバー用コネクタ部
品について各フェルール孔間の偏心誤差を測定した結
果、その誤差範囲は±0.05〜0.5μmであった。
以上のように、本発明の多光ファイバー用コネクタ部品
においてはその誤差範囲が±0.05〜0.5μmであ
り、本願発明の多芯光ファイバー用コネクタ部品が光フ
ァイバー間の軸ずれを防止するのに適したものであるこ
とが確認された。
【0047】(実施例8)50本の円筒状金属フェルー
ルを10列×5段で実施の形態に記載した方法でニッケ
ルによる電鋳を行なった。得られた構造物を所定形状に
研磨し、所定の形状に成形して、フェルールとニッケル
電着層からなる50芯光ファイバー用コネクタ部品を製
造した。各フェルール孔間の偏心誤差を測定した結果、
その誤差範囲は±0.05〜0.5μmであった。
【0048】(実施例9)前記の実施の形態で示した方
法で位置決め部材に固定したフェルールに、エポキシ樹
脂と溶剤、及び硬化剤からなる溶射用粗面形成材(サブ
ナール:アークテクノ株式会社製)をスプレーしてフェ
ルールの表層に粗面を形成し、フェルール孔を有する端
面を除いた面に、エポキシ樹脂と硬化剤からなる溶射材
料を用い、フレーム溶射で一体に被覆し、所定の形状に
成形してフェルールが1段配置にてなる8心光ファイバ
ー用コネクタ部品を20個作製した。この時のノズル付
近の温度は150℃とし、フェルール付近の温度は15
0〜200℃で維持できるように調整した。得られた8
心光ファイバー用コネクタ部品について各フェルール孔
間の偏心誤差を測定した結果、その誤差範囲は±0.0
5〜0.5μmであった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る多芯
光ファイバー用コネクタ部品は、精密に調整された位置
決め部材を用いて複数個の円筒状フェルール両端孔を基
準にして位置合わせを行ない、この位置関係を保持した
ままで各々の円筒状フェルールを一括して樹脂又は金属
からなる素材のいずれかを用いて溶射または電鋳のいず
れかを行なって被覆し成形した構造物、及び該構造物の
表面に樹脂または金属からなる素材のいずれかを用い、
少なくとも2層以上で積層し溶射層を形成した構造物で
ある。このため、本発明の多芯光ファイバー用コネクタ
部品は光ファイバー間の軸ずれや、光ファイバー間の折
曲がなく、光ファイバーの位置決めの不完全性による接
続損失をなくすことができる。
【0050】また、軸心のずれたフェルールであって
も、フェルール孔の真円度に変形なければ、本願を実施
する上で差し支えがない。更に、フェルールの配列を多
積層にすれば極めてチャンネル数の多い光システムを容
易に構築することが可能になる。また、本発明による多
芯光ファイバー用金属コネクタ部品は、光ファイバーを
挿通し得る内径を有する安価な金属パイプの導電材を用
い、これまでの非電導体で高価なセラミック製品や導電
材でも電着層内にある芯線を引き抜く付帯作業を必要と
する製品とは異なり、安価な素材費と省力化で大幅なコ
ストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、複数のフェルールを樹脂で多段にて
一括被覆成形した多芯光ファイバー用コネクタ部品の正
面図である。
【図2】本発明の、図1で得られた成形体構造物を積層
し、前記の樹脂で被覆した多芯光ファイバー用コネクタ
部品の正面図である。
【図3】本発明の、金属層の上に金属膜を施した多芯光
ファイバー用コネクタ部品1cの説明図である。
【図4】本発明の、2層の構造物を被覆した樹脂上に金
属膜を施した多芯光ファイバー用コネクタ部品1dの説
明図である。
【図5】本発明の実施の形態における位置決め部材の概
略上面図ある。
【図6】本発明の実施の形態における位置決め部材6に
固定されたフェルールに樹脂で被覆を施す状況を説明す
る概略図である。
【図7】本発明の実施の形態において光ファイバー用多
芯フェルールを電鋳法により製造する装置の概略図であ
る。
【図8】多芯光ファイバー用多芯フェルール製造時に芯
線に流す電流の順序を表した説明図である。
【符号の説明】
1,1a 多芯光ファイバー用コネクタ部品 2 フェルール 3 被覆層 4 外部被覆層 5 金属層 6 位置決め部材 7 静止位置決め部材 7a,8 突起 8a プレート 9 移動位置決め部材 10 リフト 11 トレー 12 剥離材 13 ノズル 14 樹脂層 20 電着層 21 隔膜 22 陽極室 23 陽極 24 濾過器 25 ポンプ 26 バルブ 27 電鋳溶液 28 芯線 29 上部固定部材 29a 導線 30 下部固定部材 31 突起部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光ファイバーの端末を保持する多
    芯光ファイバー用コネクタ部品であって樹脂又は金属の
    いずれかの素材の溶射物又は電着層からなるコネクタ部
    品本体と、前記複数の光ファイバーを1芯ごとに挿通す
    るための複数の円筒状フェルールとを有し、当該フェル
    ールが貫通孔内径の中心軸が互いに平行でかつ所定の位
    置関係で保持された状態で、前記素材の溶射物又は電着
    層で一体に被覆成形されることを特徴とする多芯光ファ
    イバー用コネクタ部品。
  2. 【請求項2】 複数の光ファイバーの端末を保持する多
    芯光ファイバー用コネクタ部品であって樹脂又は金属の
    いずれかの素材の溶射物又は電着層からなるコネクタ部
    品本体と、前記複数の光ファイバーを1芯ごとに挿通す
    るための複数の円筒状フェルールとを有し、当該フェル
    ールが貫通孔内径の中心軸が互いに平行でかつ所定の位
    置関係で保持された状態で、前記素材の溶射物で一体に
    被覆成形し、さらに該成形物の表面に樹脂又は金属のい
    ずれかの素材からなる少なくとも1層以上の溶射層で被
    覆成形されることを特徴とする多芯光ファイバー用コネ
    クタ部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載コネクタ部品を所定形状に
    成形した構造物を積層し、該双方のコネクタ部品の各フ
    ェルール貫通孔内径の中心軸を一致させ、所定の位置関
    係を保持した状態で樹脂又は金属からなる素材のいずれ
    かからなる少なくとも1層以上の溶射層で一体に被覆成
    形されていることを特徴とする多芯光ファイバー用コネ
    クタ部品。
  4. 【請求項4】 複数からなる円筒状フェルールを、該フ
    ェルールの貫通孔の中心軸を互いに平行でかつ所定の位
    置関係で保持し、樹脂又は金属からなる素材のいずれか
    を用いて溶射又は電鋳のいずれかの方法で前記複数のフ
    ェルールを一体に被覆成形することを特徴とする多芯光
    ファイバー用コネクタ部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法で製造されたコネク
    タ部品を所定形状に成形し、該コネクタ部品のの両端面
    を除く側面に、樹脂又は金属からなる素材のいずれかを
    用い、少なくとも1層以上で溶射を行なって被膜層を形
    成することを特徴とする多芯光ファイバー用コネクタ部
    品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の方法で製造されたコネク
    タ部品を所定の形状で積層し、双方の前記コネクタに固
    着されてなるフェルールの貫通孔の中心軸を、互いに平
    行でかつ所定の位置関係で保持し、該積層されたコネク
    タ部品の両端面を除く側面に樹脂又は金属からなる素材
    のいずれかを用い、少なくとも1層以上で溶射を行な
    い、被膜層を形成することを特徴とする多芯光ファイバ
    ー用コネクタ部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 フェルールを所定の位置に固定する手段
    が、前記フェルール貫通孔の両端に嵌合する突起を備え
    た移動位置決め部材と静止位置決め部材とからなり、前
    記両位置決め部材の突起が各フェルールの両端孔に嵌入
    され、前記各フェルールを挟持することにより、各フェ
    ルールの位置決めがなされることを特徴とする請求項4
    乃至6記載の多芯光ファイバー用コネクタ部品の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 溶射がフレーム溶射またはアーク溶射で
    行なわれることを特徴とする請求項4乃至6記載の多芯
    光ファイバー用コネクタ部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 電鋳法により製造される光コネクタ部品
    が、光ファイバーを挿通し得る内径の貫通孔を有する各
    々の芯線の貫通孔の中心軸を互いに平行かつ所定位置に
    配置し固定したものを陰極とし、通電することにより前
    記芯線の外周面上に電着層で1体に形成されてなること
    を特徴とする請求項4記載の多芯光ファイバー用コネク
    タ部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 貫通孔の中心軸を互いに平行かつ複数
    段で所定位置に配置し固定した各々の芯線への通電を、
    まず前記所定位置の中央部に位置する芯線より行なって
    電着層を形成し、順次外側に隣接する芯線に通電を行な
    って電着層を形成することを特徴とする請求項9記載の
    多芯光ファイバー用コネクタ部品の製造方法。
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