JP2002048947A - 光ファイバ用接続部品、その製造方法と製造装置及び光ファイバ用接続部品を備えた製品 - Google Patents

光ファイバ用接続部品、その製造方法と製造装置及び光ファイバ用接続部品を備えた製品

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JP2002048947A
JP2002048947A JP2000174285A JP2000174285A JP2002048947A JP 2002048947 A JP2002048947 A JP 2002048947A JP 2000174285 A JP2000174285 A JP 2000174285A JP 2000174285 A JP2000174285 A JP 2000174285A JP 2002048947 A JP2002048947 A JP 2002048947A
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optical fiber
manufacturing
thin wire
conductor
wire
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Tokuji Oda
徳治 小田
Yutaka Ichikawa
裕 市川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微細孔を有する光ファイバ用接続部品およびそ
の製造方法と製造装置、光ファイバ用接続部品を備えた
製品を提供する。 【解決手段】光ファイバ用接続部品8は、導体部7に絶
縁性細線材6・・・を隣接して配置し、電鋳で析出され
る金属で上記導体部7と絶縁性細線材6・・・を覆い、
その後上記絶縁性細線材6・・・を除去して形成された
挿通孔80を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には微細孔
を有する部品、その製造方法と製造装置及び上記部品を
備えた製品に係り、具体的には光ファイバ用接続部品、
その製造方法と製造装置及び光ファイバ用接続部品を備
えた製品に関する。
【0002】
【従来技術】光ファイバの接続には、光コネクタを使用
して脱着可能に接続する方法と、永久的に接続する方法
とがある。更に、永久接続には、整列用部品で光ファイ
バの端部を整列させた後に、加熱融着する融着接続と、
接着または圧着するメカニカルスプライスとがある。
【0003】光コネクタの内部には、接続時において光
ファイバの端側を決められた位置でずれないように保持
するためのフェルールが備えてある。フェルールは、円
柱形状に形成してあるキャピラリと、キャピラリを支持
するフランジで構成されている。キャピラリの断面中心
部には、光ファイバを挿通する挿通孔が長さ方向に貫通
して穿設してある。光ファイバは、端部がキャピラリの
端面と略面一になるように挿通孔内に挿入して導入して
ある。
【0004】光コネクタの接続には、光ファイバを突き
合わせて保持するための整列アダプタが使用される。光
コネクタは、キャピラリを上記整列アダプタ内に両側か
ら差し込んで突き合わせることで接続される。
【0005】光ファイバには、内部に光(情報)が通る
外径が約0.010mmのコアが設けてある。光ファイ
バでは、コアの内部で光が反射しながら伝達されるの
で、コアを高精度に突き合わせた状態で接続しなければ
ならない。従って、キャピラリには正確な寸法精度が要
求されている。従来、キャピラリはジルコニアセラミッ
ク製のものが一般的である。
【0006】ジルコニアセラミック製のキャピラリは次
のようにしてつくられている。まず、金属製の細線材が
緊張してある金型内に原料となるジルコニア粉末を流し
込んで円筒体を成形する。次に、成形された円筒体を約
1200℃の高温で焼成する。そして、焼成された円筒
体の挿通孔にダイヤモンドペーストを流して内部を研磨
し、孔径が所定の寸法を有するように仕上げる。最後
に、挿通孔が断面の中心に位置するように、円筒体の外
周部を研磨して真円形に仕上げる。
【0007】永久接続のうち融着接続には融着接続器が
使用される。融着接続器には、光ファイバのコアを高精
度に突き合わせるためのセラミック製の整列用部品が設
けてある。整列用部品には、光ファイバを案内して位置
決めするためのV溝が形成してある。融着接続は、整列
用部品のV溝上に光ファイバを載せて、高精度にコアが
突き合うように案内し、この状態で接続部を加熱して光
ファイバを溶融することで接続される。
【0008】メカニカルスプライスは、光ファイバの端
部を整列用部品内に両側から差し込んで、この整列用部
品の内部でコアを互いに高精度に突き合わせる。そし
て、この状態で光ファイバを接着または圧着し、整列用
部品と共に固定することで接続される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した光コ
ネクタ用部品には、次のような課題があった。 −光コネクタの場合− (1)キャピラリがジルコニアセラミックでつくられて
いたので、キャピラリの製造に、ジルコニア粉末を成形
するための成形装置及び金型が必要であった。金型は専
用品として製作されるため一般的に高価である。
【0010】(2)成形された円筒体を焼成するための
焼成装置が必要であった。また、1200℃という高温
で焼成するために、この熱エネルギーを得るための資源
も必要である。更に、金型も高温で熱されるために、膨
張変形して長期間の使用には耐えられなかった。
【0011】(3)ジルコニアセラミック製の円筒体は
焼成により変形してしまうので、挿通孔をダイヤモンド
ペーストにより研磨して、孔径を所定の寸法に仕上げる
工程が必要である。この研磨作業は、作業者の高度な技
量が要求され、また、手作業で行われるので手間と時間
がかかるものであった。更に、ジルコニアセラミック
は、高い硬度を有するので、研磨中にひびやわれが生じ
てしまうことがあった。つまり、従来のキャピラリは量
産に適しておらず生産性が低かった。
【0012】(4)ジルコニアセラミック製のキャピラ
リは、上記したように製造が簡単でないので、キャピラ
リとフランジとが一体になったジルコニアセラミック製
のフェルールというのは、製造が事実上不可能であっ
た。そのため、フェルールは、ジルコニアセラミック製
のキャピラリに金属製のフランジを取り付けて構成され
ていた。つまり、キャピラリの製造の他に、フランジを
機械加工により所定の形状に切削して製造する装置と手
間も必要であった。また、キャピラリとフランジとを組
み立てる手間も必要であった。
【0013】(5)従来からあるキャピラリは、光ファ
イバを挿通する挿通孔が一つしか形成されていないもの
が主流である。以下、このように挿通孔が一つしか形成
されていないものを「一芯式」、挿通孔が複数形成され
ているものを「多芯式」という。近年では情報量の増大
化に伴い、一芯式のもの以外に、二芯式またはそれ以上
の多芯式のキャピラリが要求されている。しかし、従来
のキャピラリでは、製造するのにより高度な技量が必要
となり、手間も多大にかかるようになるため、このよう
なキャピラリの製造は事実上困難である。そのため、こ
の場合では一芯式のキャピラリを備えた光コネクタを複
数個並設するのが一般的である。しかし、これではコネ
クタが大型化してしまうという課題があった。
【0014】−永久接続である融着接続やメカニカルス
プライスの場合− (6)高精度にコアを突き合わせるための整列用部品
が、簡単に製造できず生産性が低いものであるために高
価であるという課題があった。
【0015】そこで本発明者は、上記した課題を解決す
るための研究を進める課程において、電鋳(電気鋳造)
による金属の析出により、微細な直径を有する金属管が
つくれることに着目した。そして、これを利用すること
により上記したような光コネクタ等の光ファイバ用接続
部品も簡単につくれるようになるのではないかとの着想
を得た。そして、その着想を基に更に研究を重ね、本発
明を完成するに至った。
【0016】本発明の目的は、製造において高価な成形
装置や金型を必要とせず、かつ、大量のエネルギーも必
要としない光ファイバ用接続部品、その製造方法と製造
装置及び光ファイバ用接続部品を備えた製品を提供する
ことにある。
【0017】また、本発明の他の目的は、製造にあたっ
て作業者に高度な技量が求められず、製造にかかる手間
と時間も軽減でき、量産に適した生産性の高い光ファイ
バ用接続部品、その製造方法と製造装置及び光ファイバ
用接続部品を備えた製品を提供することにある。
【0018】更に、本発明の他の目的は、二芯式または
それ以上の多芯式のものを比較的簡単につくることがで
きる光ファイバ用接続部品、その製造方法と製造装置及
び光ファイバ用接続部品を備えた製品を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、電鋳で析出される金属で導体基材と一緒に
覆われた絶縁性細線材を除去して形成された挿通孔を有
することを特徴とする、光ファイバ用接続部品である。
【0020】第2の発明にあっては、導体基材に絶縁性
細線材を隣接または近接して配置し、電鋳で析出される
金属で上記導体基材と絶縁性細線材を覆い、その後上記
絶縁性細線材を除去して挿通孔を形成することを特徴と
する、光ファイバ用接続部品の製造方法である。
【0021】第3の発明にあっては、電解槽内に設けら
れている導体基材に、電鋳で析出される金属で上記導体
基材と一緒に覆われるように絶縁性細線材が隣接または
近接して配置してあることを特徴とする、光ファイバ用
接続部品の製造装置である。
【0022】第4の発明にあっては、第1の発明に係る
光ファイバ用接続部品または第2の発明に係る光ファイ
バ用接続部品の製造方法により製造された光ファイバ用
接続部品または第3の発明に係る光ファイバ用接続部品
の製造装置により製造された光ファイバ用接続部品を備
えたことを特徴とする、光ファイバ用接続部品を備えた
製品である。
【0023】本発明でいう「光ファイバ用接続部品」と
しては、具体的に例えば、キャピラリ、フェルール、光
ファイバの永久接続時に使用する整列用部品等を挙げる
ことができるが、これらに限定するものではない。ま
た、「光ファイバ用接続部品を備えた製品」としては、
具体的に例えば、上記光ファイバ用接続部品を使用した
光コネクタ等を挙げることができるが、これに限定する
ものではない。
【0024】本発明を構成する「導体基材」は、電気の
伝導率の良好な材料で形成されている。また、同じく本
発明を構成する「絶縁性細線材」は、通常は、常に電気
の伝導率の極めて小さい材料である不導体で形成され
る。また、温度によって導体にも不導体にもなる半導体
で形成することもできる。
【0025】上記した「絶縁性細線材」としては、例え
ば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エンジニアプラスチ
ック、化学繊維(合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無
機繊維)よりなるもの等を使用することができる。例え
ば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、架橋ポリエチ
レン、塩素化ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリロニトリル、モダクリル、ポリスチレン、ス
チレン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル
/ブタジエン/スチレン三元共重合体、アセテート、ト
リアセテート、フッ素樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポ
リアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンスル
フィド、ポリスルホン、全芳香族ポリイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリベンズウイミダゾール、ポリエステル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリアミド、ナイロン、ア
ラミド、ポリウレタン、スパンデックス、ポリアルキレ
ンパラオキシベンゾエート、ベンゾエート、ポリフルオ
ロエチレン、プロミックス、レーヨン、キュプラ、ガラ
ス繊維等を挙げることができる。
【0026】本発明で「隣接」は、隣り合って当接した
状態で設けてあることを意味する概念として使用してい
る。また「近接」は、当接はしていないが近くにあるこ
とを意味する概念として使用している。
【0027】絶縁性細線材の除去の方法としては、引き
抜き、押し出し、アルカリ溶液や酸性溶液等による溶解
を挙げることができる。
【0028】「絶縁性細線材」は、引っ張ったときに変
形可能な性質を有しているものを使用することもでき
る。
【0029】「絶縁性細線材」は、複数本設けることも
できる。
【0030】「絶縁性細線材」は、合成した高分子化合
物で形成してあるものを使用することもできる。
【0031】「絶縁性細線材」は、単一線材であるもの
を使用することもできる。「単一線材」は、撚り合わせ
たり紡いだりしていない、いわゆるフィラメントを表現
する用語として用いており、小さな直径で、かつ連続と
みなせる長い長さの単一要素を示すものである。なお、
絶縁性細線材は、単一線材でないものも含んでいる。
【0032】本発明でいう「光ファイバ用接続部品を備
えた製品」は、半製品をも含む概念である。
【0033】なお、本明細書で本発明は、「光ファイバ
用接続部品およびその製造方法と製造装置、光ファイバ
用接続部品を備えた製品」という名称を付けて説明して
いるが、本発明の技術思想はこれに限定するものではな
く、例えば、インクジェットプリンタの噴射ノズルや、
注射針等、一般的には微細孔を有する部品およびその製
造方法および製造装置、微細孔を有する部品を備える製
品に応用することができる。
【0034】(作 用)光ファイバ用接続部品は電鋳に
より次のようにして製造される。電解(電気分解)槽内
に導体基材を備える。当該導体基材に絶縁性細線材を隣
接または近接して配置する。電解槽内に電流を流して、
電鋳で析出される金属で上記導体基材と絶縁性細線材を
覆う。その後、上記絶縁性細線材を除去して挿通孔を形
成する。この挿通孔が形成された電鋳物が光ファイバ用
接続部品となる。
【0035】絶縁性細線材は、析出したニッケルで被覆
されるが、比較的弱い力でも簡単にしかも確実に引き抜
くことができる。これは、絶縁性細線材と析出した金属
との親和性及び接着性が弱いからではないかと思われ
る。特に、絶縁性細線材が、引っ張ったときに変形可能
な性質を有しているものでは、更に、簡単に抜くことが
できる。これは引っ張ったときに伸びて外径が細くな
り、形成された挿通孔との間に隙間が形成されるためで
あると思われる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明を図面に示した実施の形態
に基づき更に詳細に説明する。図1は本発明に係る光フ
ァイバ用接続部品の製造装置の一実施の形態を示す断面
説明図、図2は製造用治具に導体部と絶縁性細線材が取
り付けてある状態を示す拡大斜視説明図である。なお、
図2において製造用治具の各部材や導体部を支える部材
等は、図示を省略している。
【0037】符号Sは 光ファイバ用接続部品を製造す
る製造装置を示している。この製造装置Sは電解槽1を
備えている。電解槽1は、内部に槽部10を有し、上方
が開口した箱状に形成してある。電解槽1の上縁部に
は、外方に拡がる蓋載置部11が全周にわたり設けてあ
り、蓋載置部11には蓋体13が電解槽1の開口部を塞
ぐように被せられている。
【0038】槽部10の上方には、陽極部2を引っ掛け
て支えるための掛止部12が設けてある。掛止部12に
は陽極部2が取り付けてある。陽極部2は、収容体に多
数のニッケル球を詰めて形成してある。符号3は陰極部
を示している。陰極部3には、後述する導線70を接続
するための陰極線30が下方に垂らして設けてある。
【0039】槽部10の内部には治具固定用枠体4が収
容してある。治具固定用枠体4には、製造用治具5が五
段に積み重ねて設けてある。
【0040】電解槽1の槽部10には電解液Dが充填し
てある。電解液Dは、陽極部2及び治具固定用枠体4が
完全に浸かるように入れてある。本実施の形態で電解液
Dは、スルファミン酸ニッケルを主成分とするものを使
用している。
【0041】製造用治具5は、絶縁性細線材6の端部を
固定する線材固定部材50,50を備えている。線材固
定部材50,50は、製造用治具5の上側と下側の二箇
所に設けてある。線材固定部材50,50のやや内側に
は、絶縁性細線材6を所定の位置に案内する案内ブロッ
ク51,51がそれぞれ設けてある。各案内ブロック5
1には、絶縁性細線材6を通すV字状の収容溝510・
・・が、10箇所に等間隔で形成してある。この収容溝
510が形成された位置によって絶縁性細線材6の位置
が決まり、ひいては光ファイバ用接続部品における光フ
ァイバが挿入される挿通孔の位置が決まるので、収容溝
510の形状及び間隔は高精度に仕上げられている。
【0042】製造用治具5には、絶縁性細線材6が緊張
した状態で張設してある。各絶縁性細線材6は、線材固
定部材50,50に端部が固定されて、案内ブロック5
1,51の収容溝510,510に収容され所定の位置
に案内された状態で張設してある。本実施の形態におい
て絶縁性細線材6は、外径が約0.126mmのナイロ
ンで形成された伸長可能な単一の線材を使用している。
製造用治具5には10本の絶縁性細線材6が張設してあ
る。絶縁性細線材6は、収容溝510・・・によって約
0.25mm間隔で並設してある。なお、絶縁性細線材
6の外径、材質、並設間隔等は、これに限定されない。
この絶縁性細線材6の外形状によって上記した挿通孔の
内部形状が決められるので、絶縁性細線材6の外径、真
円度及び直線性は高精度のものが使用されている。
【0043】案内ブロック51,51の間には、所要の
厚みを有する板状の導体部7が設けてある。導体部7は
導体基材を構成し、ステンレスで形成されている。導体
部7は、絶縁性細線材6・・・と隣接して当接させた状
態で設けてある。導体部7の所要位置には、一端が上記
した陰極線30と接続してある導線70の他端が接続し
てある。
【0044】(作 用)図3は図2で示す製造用治具に
おいて、導体部と絶縁性細線材とが被覆されるように金
属を析出させた状態を示す断面説明図である。図1ない
し図3を参照しながら、上記製造装置Sにより光ファイ
バ用接続部品を製造する方法及び作用を説明する。
【0045】まず、図1に示す状態にある電解槽1内に
所要の電流を流す。電解槽1内に電流が流されることに
より電解液Dが電気分解される。そして、製造用治具5
に設けた導体部7の周りに、次第に金属(本実施の形態
においては、ニッケル)が析出される。なお、ニッケル
は、導体部7が略中央に位置するように、ほぼ均等な厚
さに析出する。そして、更に電鋳を続けることにより、
導体部7の周りに析出するニッケルの量を増加させるこ
とができる。これにより導体部7と隣接して当接してい
る絶縁性細線材6・・・も、導体部7と共に析出したニ
ッケルで被覆される(図3参照)。
【0046】図3で示すようにニッケルが析出されたら
電鋳を止めて、製造用治具5を電解槽1より取り出す。
そして、製造用治具5から、表面がニッケルに覆われて
絶縁性細線材6と導体部7を内包する板状体を取り外
し、絶縁性細線材6をこの板状体から引き抜く。絶縁性
細線材6が抜けて除去されることにより、10箇所に挿
通孔80が形成された光ファイバ用接続部品8が形成さ
れる。絶縁性細線材6を除去してできた挿通孔80に
は、必要に応じてホーニングや超音波等により内径研磨
が施されて、寸法が仕上げられる。
【0047】製造装置Sで製造される光ファイバ用接続
部品8は、例えば、キャピラリ、フェルール、光ファイ
バの永久接続時に使用する整列用部品に使用される。な
お、図3は絶縁性細線材6が未だ抜かれていないが、説
明の便宜上、光ファイバ用接続部品の符号8を付して示
している。また、本実施の形態において導体部7は、い
わゆる埋め殺しであり、ニッケルと一体化したままであ
る。そして、製造されたキャピラリ8には、機械加工等
が施されて形状が整えられる。
【0048】絶縁性細線材6は、析出したニッケルで被
覆されるが、比較的弱い力でも簡単にしかも確実に引き
抜くことができる。これは、絶縁性細線材6と析出した
金属との親和性及び接着性が弱く、しかも、絶縁性細線
材6がナイロン製であるので引っ張ったときに伸びて外
径が細くなり、形成された挿通孔80との間に隙間が形
成されるためであると思われる。
【0049】なお、実験において、挿通孔80を形成す
るのに絶縁性細線材6でなく、導体の細線材を使用して
引き抜きの容易性を調べると、細線材が析出した金属と
強固にくっついてしまい、容易には引き抜くことができ
なかった。導体の細線材が析出した金属と強固にくっつ
いてしまう理由は定かではないけれども、無理に強い力
で引っ張ると、抜ける前に細線材自体が切れてしまうお
それがある。切れてしまうと抜くことが出来なくなるの
で、この場合は不良品となる。つまり、細線材を導体に
した場合では、挿通孔80が形成しにくく、しかも不良
品ができる可能性が高いために歩留まりが悪くなると思
われる。従って、導体の細線材は、挿通孔80を形成す
るのに好ましいとはいえない。しかし、導体の細線材で
挿通孔80を形成することを否定するものではない。ま
た、後述するように絶縁性細線材6と導体の細線材7a
の両方を使用して電鋳した場合には、絶縁性細線材6と
共に導体の細線材7aを引き抜いて挿通孔80を形成す
ることもできる。
【0050】本実施の形態で示す製造装置Sによれば、
上記したようにして電鋳により光ファイバ用接続部品8
を製造するので、製造において高価な成形装置や金型を
必要としない。また、焼成工程もないので、大量のエネ
ルギーも必要としない。
【0051】また、光ファイバ用接続部品8の製造にあ
たって作業者に高度な技量が求められず、製造にかかる
手間と時間が軽減できる。このようして光ファイバ用接
続部品8を量産に適した生産性の高いものにすることが
できる。
【0052】本実施の形態において電解液Dは、スルフ
ァミン酸ニッケルを主成分とするものを使用したが、電
解液Dはこれに限定するものではなく、析出させる金属
の種類に応じて選択される。析出金属としては、例えば
ニッケル又はその合金、鉄又はその合金、銅又はその合
金、コバルト又はその合金、タングステン合金、微粒子
分散金属等の金属をあげることができる。また、上記金
属を析出させる電解液としては、例えば塩化ニッケル、
硫酸ニッケル、スルファミン酸第一鉄、ホウフッ化第一
鉄、ピロリン酸銅、硫酸銅、ホウフッ化銅、ケイフッ化
銅、チタンフッ化銅、アルカノールスルフォン酸銅、硫
酸コバルト、タングステン酸ナトリウムなどの水溶液を
主成分とする液、または、これらの液に炭化ケイ素、炭
化タングステン、炭化ホウ素、酸化ジルコニウム、チッ
化ケイ素、アルミナ、ダイヤモンドなどの微粉末を分散
させた液が使用される。
【0053】陽極部2に使用する金属も、本実施の形態
においてはニッケル球を使用したが、これに限定するも
のではなく、析出させる金属の種類に応じて選択され
る。例えば、ニッケル、鉄、銅、コバルトなどを使用す
ることができる。また、形状や構造も特に限定するもの
ではない。
【0054】電解槽1内には電解液Dを攪拌するための
攪拌手段を設けることもできる。攪拌手段としては、例
えば、空気の噴き出しによるもの、電解液を吸い込み、
再び電解槽内に吐き出すもの、回転可能な攪拌羽根(プ
ロペラ)、超音波、振動等を使用することができる。し
かし、攪拌手段はこれらに限定するものではない。
【0055】上記した光ファイバ用接続部品8は、製造
装置S以外の装置で製造することもでき、製造装置Sで
製造することを限定するものではない。
【0056】本実施の形態では、板状の導体部7に絶縁
性細線材6を隣接させた状態で、電鋳した場合を例に挙
げて説明したが、光ファイバ用接続部品となる電鋳物の
製造方法は、これに限定するものではない。
【0057】以下に、製造することのできる光ファイバ
用接続部品となる電鋳物の他の例を挙げる。図4ないし
図17は、本発明によって製造することのできる光ファ
イバ用接続部品となる電鋳物の他の例を示す断面説明図
である。なお、図4ないし図17において、上記した図
1ないし図3で示したものと同一または同等箇所には同
一の符号を付して示している。
【0058】図4に示すものは、板状の導体部7に絶縁
性細線材6を隣接させておき、導体部7の裏側には金属
が析出されないようにするマスキング材Mを設けた状態
で、電鋳したものである。なお、想像線で示す部分がマ
スキング材Mである。マスキング材Mは、金属が析出し
た後に取り外される。
【0059】図5に示すものは、板状の導体部7の表側
と裏側の両側に絶縁性細線材6を隣接させた状態で、電
鋳したものである。
【0060】図6に示すものは、板状の導体部7の表側
と裏側の両側に絶縁性細線材6を、隣接させずに導体部
7から若干離して近接させた状態で、電鋳したものであ
る。
【0061】図7及び図8に示すものは、板状の導体部
7の片側に絶縁性細線材6を近接させた状態で電鋳し、
当該図において導体部7を含む下部側を機械加工により
除去したものである。なお、想像線で示す部分が、機械
加工で除去された部分である。
【0062】図9及び図10に示すものは、一本の絶縁
性細線材6の両側に、この絶縁性細線材6と略同じ外径
を有する二本の導体基材である導体細線材7a,7aを
隣接させた状態で電鋳し、析出した金属が真円形になる
ように機械加工を施したものである。なお、想像線で示
す部分が、機械加工で除去された部分である。
【0063】図11に示すものは、導体細線材7aの両
側に二本の絶縁性細線材6,6を隣接させた状態で、電
鋳したものである。
【0064】図12に示すものは、導体細線材7aの周
縁部の三箇所に三本の絶縁性細線材6・・・を隣接させ
た状態で、電鋳したものである。
【0065】図13に示すものは、導体細線材7aの周
縁部の四箇所に四本の絶縁性細線材6・・・を隣接させ
た状態で、電鋳したものである。
【0066】図14に示すものは、導体細線材7aの周
りに8本の絶縁性細線材6・・・を近接させた状態で電
鋳したものである。なお、図14で示す導体細線材7a
は、絶縁性細線材6・・・よりも外径が大きいものを使
用している。導体細線材7aの外径を大きくすることに
より、小さいものより電鋳時間を短縮することができ
る。
【0067】図15に示すものは、多数の絶縁性細線材
6・・・を導体細線材7aの周りにほぼ均等に配置した
状態で電鋳したものである。図15で示す導体細線材7
aも、外径が絶縁性細線材6・・・より大きいものを使
用している。
【0068】図16は、導体細線材7aと絶縁性細線材
6とを交互に隣接させて並べた状態で、電鋳したもので
ある。なお、図16では、両端に導体細線材7a,7a
が配されているが、これは限定するものではなく、例え
ば、絶縁性細線材6が両端に配されるようにすることも
できるし、導体細線材7aと絶縁性細線材6がそれぞれ
両端に配されるようにすることもできる。なお、配列は
特に限定しないが、導体細線材7aと絶縁性細線材6を
交互に設けると、全体にほぼ均等な金属の析出ができる
ので、より好ましい。
【0069】図17は、導体細線材7aと絶縁性細線材
6とを交互に近接させて並べた状態で、電鋳したもので
ある。なお、図17では、上記した図16と同じよう
に、両端に導体細線材7a,7aが配されているが、こ
れも限定するものではない。
【0070】このように絶縁性細線材6の数及び配置す
る位置等は限定するものではなく、製造時において絶縁
性細線材6を増減するだけで、一芯式はもとより、二芯
式またはそれ以上の多芯式(例えば、百芯式)のものを
簡単につくることができる。また、相互の間隔を狭くす
れば、多芯式のものでもコネクタが大型化しないように
つくることができる。なお、図4ないし図17の各図で
示したように電鋳するには、それぞれ対応した製造用治
具が使用される。各図においてこの製造用治具の説明は
省略した。
【0071】電鋳時の電圧、電流量、金属の析出時間、
電解液の温度等は、製造しようとする電鋳物の種類によ
って、適宜調節される。
【0072】図18は本発明に係る光ファイバ用接続部
品を備えた製品の一実施の形態を示す説明図である。符
号C1及びC2は、光ファイバ用接続部品を備えた製品
である光コネクタを示している。光コネクタC1,C2
は、上記実施の形態で示す製造装置S及び製造方法によ
ってつくられた、光ファイバ用接続部品であるキャピラ
リ8a,8bを備えている。本実施の形態において光コ
ネクタC1,C2には、10芯式のキャピラリ8a,8
bを備えたが、光コネクタに使用されるキャピラリは、
これに限定されない。
【0073】光コネクタC1,C2に備えられたキャピ
ラリ8a,8bは、光ファイバ用接続部品を機械加工に
より直方体形状に形成し、更にこれを略中央で挿通孔と
直交する方向に切断してつくられたものが対として使用
されている。
【0074】また、キャピラリ8a,8bには、接続す
る方向を間違えないようにするための目印R1が付され
ている。本実施の形態において目印R1は着色部を設け
ることで示したが、目印R1はこれに限定するものでは
ない。また、目印は、キャピラリ8a,8b以外に設け
ることもできる。
【0075】光ファイバは、端部がキャピラリ8a,8
bの端面と略面一になるように挿通孔内に挿入して導入
してある。
【0076】符号A1は光ファイバを突き合わせて保持
するための整列アダプタを示している。光コネクタC
1,C2は、それぞれキャピラリ8a,8bを上記整列
アダプタA1内に、目印R1,R1が合うようにして両
側から差し込み、この整列アダプタA1の内部でコアを
互いに高精度に突き合わせることで接続される。
【0077】(作 用)このようにもともと一体に形成
されていた光ファイバ用接続部品を分割して、更に切断
してできたキャピラリ8a,8bの端面が互いに対とな
るように突き合わせて接続するようになるので、多芯式
のものであっても高精度にコアを突き合わせることがで
きる。
【0078】上記したキャピラリ8a,8bは、製造装
置S以外の装置で製造することもでき、製造装置Sで製
造することを限定するものではない。
【0079】図19ないし図28は、特殊な形状に形成
してあるキャピラリを備えた光コネクタを示す説明図で
ある。これらの図面のうち図20,図22,図24,図
26,図28は、光コネクタをキャピラリの突き合わせ
端面側から見た説明図である。なお、図19ないし図2
8において、上記した図18で示したものと同一または
同等箇所には同一の符号を付して示している。また、以
下の説明において構造について上記図18で示した箇所
と重複する説明は省略する。
【0080】図19ないし図28で示すキャピラリは、
上記実施の形態で示す製造装置S及び製造方法によって
つくられた、10芯式の光ファイバ用接続部品を略中央
で挿通孔と直交する方向に切断してつくられたものが対
として使用されている。しかし、光ファイバ用接続部品
は、10芯式のものに限定されない。
【0081】図19及び図20に示すキャピラリ8c,
8dは、幅方向の一端側が半円状に形成されている。
【0082】図21及び図22に示すキャピラリ8e,
8fは、幅方向の一端側の上角部が一部斜めに切除され
た形状に形成されている。
【0083】図23及び図24に示すキャピラリ8g,
8hは、幅方向の一端側が下り傾斜した平面状に形成さ
れている。
【0084】図25及び図26に示すキャピラリ8i,
8jは、幅方向の一端側の上角部と下角部が斜めに切除
されて、この切除面によって角部を有する形状に形成さ
れている。
【0085】図27及び図28に示すキャピラリ8k,
8lには、上面の略中央部に、挿通孔と略平行なV溝が
形成されている。
【0086】キャピラリ8c,8d,8e,8f,8
g,8h,8i,8jの幅方向の一端側と、キャピラリ
8k,8lの上面に形成された特殊な形状は、接続する
方向を間違えないようにするための目印である。図19
ないし図28に示す光コネクタC1,C2は、それぞれ
キャピラリ8c,8d,8e,8f,8g,8h,8
i,8j,8k,8lを整列アダプタA1内に、目印が
合うようにして両側から差し込んで高精度に突き合わせ
ることで接続される。
【0087】キャピラリ8c,8d,8e,8f,8
g,8h,8i,8j,8k,8lに形成された特殊な
形状を有する部分は、整列アダプタA1の内部がキャピ
ラリ8c,8d,8e,8f,8g,8h,8i,8
j,8k,8lと略同じ形状に形成してあり、挿入した
ときに実質的に隙間なく差し込まれるようにすれば、キ
ャピラリ8c,8d,8e,8f,8g,8h,8i,
8j,8k,8lを整列アダプタA1内の所定の位置に
案内するための案内部としても作用する。
【0088】上記したキャピラリ8c,8d,8e,8
f,8g,8h,8i,8j,8k,8lは、製造装置
S以外の装置で製造することもでき、製造装置Sで製造
することを限定するものではない。
【0089】図19ないし図28に示す光コネクタの作
用は、上記図18で示すものと略同一なので、説明は省
略する。
【0090】図29は本発明に係る光ファイバ用接続部
品の他の実施の形態を示す使用状態説明図である。符号
9a,9bは融着接続器に内蔵してある光ファイバ用接
続部品である整列用部品を示している。整列用部品9
a,9bは、上記実施の形態で示す製造装置S及び製造
方法によってつくられたものである。本実施の形態にお
いて整列用部品9a,9bは、図29で一部を省略して
示しているが、それぞれ10個の挿通孔90a・・・、
90b・・・が形成されたものを使用している。しか
し、整列用部品として使用される光ファイバ用接続部品
は、10個の挿通孔が設けてあるものに限定されない。
符号Tは融着熱を発する電極を示している。
【0091】整列用部品9a,9bは、電鋳によりつく
られたものを機械加工により直方体形状に形成し、更に
これを略中央で挿通孔と直交する方向に切断してつくら
れたものが使用されている。それぞれの整列用部品9
a,9bは、前記切断によりできた側の端面が、接続時
に突き合うように向けられて、対として使用することが
できるように取り付けてある。
【0092】融着接続器では、整列用部品9a,9bの
両外側から挿通孔90a・・・、90b・・・に光ファ
イバB・・・の端側が差し込まれ、挿通孔90a・・
・、90b・・・を抜けたところでコアを互いに高精度
に突き合わせた状態で、電極Tから熱が発せられて光フ
ァイバB・・・が溶融して接続される。
【0093】(作 用)このようにもともと一体に形成
されていた光ファイバ用接続部品を分割して対とし、切
断してできた整列用部品9a,9bの端面を突き合わせ
て接続するので、多芯式のものであっても高精度にコア
を突き合わせることができる。
【0094】また、整列用部品9a,9bは、簡単に製
造できるので安価にすることができる。
【0095】上記した整列用部品9a,9bは、製造装
置S以外の装置で製造することもでき、製造装置Sで製
造することを限定するものではない。
【0096】図30は本発明に係る光ファイバ用接続部
品の他の実施の形態を示す使用状態説明図である。な
お、光ファイバBは通常、被覆部で覆われて被覆してあ
るが、図30では被覆部の図示を省略している。
【0097】符号9c,9dは光ファイバ用接続部品で
あるメカニカルスプライス用の整列用部品を示してい
る。整列用部品9c,9dは、上記実施の形態で示す製
造装置S及び製造方法によってつくられた10芯式のも
のである。しかし、整列用部品として使用される光ファ
イバ用接続部品は、10芯式のものに限定されない。
【0098】整列用部品9c,9dは、電鋳によりつく
られたものを機械加工により直方体形状に形成し、更に
これを略中央で挿通孔と直交する方向に切断してつくら
れたものが使用されている。
【0099】また、整列用部品9c,9dには、接続す
る方向を間違えないようにするための目印R2が付され
ている。本実施の形態において目印R2は着色部を設け
ることで示したが、目印R2はこれに限定するものでは
ない。また、目印は、整列用部品9c,9d以外に設け
ることもできる。
【0100】光ファイバB・・・は、端部が整列用部品
9c,9dの端面と略面一になるように挿通孔内に挿入
して導入してある。
【0101】符号A2は光ファイバを突き合わせて保持
するための整列レセクタプルを示している。本実施の形
態において整列レセクタプルA2は金属製のものを使用
しているが、例えば、ジルコニアセラミック製、合成樹
脂製のものなどを使用することもできる。
【0102】接続される光ファイバB・・・,B・・・
は、それぞれ整列用部品9c,9dを上記整列レセクタ
プルA2内に、目印R2,R2が合うようにして両側か
ら差し込み、この整列レセクタプルA2の内部でコアを
互いに高精度に突き合わせることで接続される。突き合
わせた後には、整列用部品9c,9dが整列レセクタプ
ルA2から外れないように、整列用部品9c,9dと整
列レセクタプルA2とは溶接等により固着される。
【0103】なお、メカニカルスプライス用の整列用部
品は、図19ないし図28で示す光コネクタで使用した
キャピラリのように側面や上面を特殊な形状に形成する
こともできる。この場合、整列レセクタプルA2の内部
も略同じ形状に形成してあり、挿入したときに実質的に
隙間なく差し込まれるようにすれば、特殊な形状に形成
された部分は、整列用部品を整列レセクタプルA2内の
所定の位置に案内するための案内部として作用する。
【0104】上記した整列用部品9c,9dは、製造装
置S以外の装置で製造することもでき、製造装置Sで製
造することを限定するものではない。
【0105】(作 用)このようにもともと一体に形成
されていた光ファイバ用接続部品を分割して、更に切断
してできた整列用部品9c,9dの端面が互いに対とな
るように突き合わせて接続するようになるので、多芯式
のものであっても高精度にコアを突き合わせることがで
きる。
【0106】図31は本発明に係る光ファイバ用接続部
品の他の実施の形態を示す使用状態説明図である。な
お、光ファイバBは通常、被覆部で覆われて被覆してあ
るが、図31では図示を省略している。
【0107】符号9e,9fは光ファイバ用接続部品で
あるメカニカルスプライス用の整列用部品を示してい
る。整列用部品9e,9fは、上記実施の形態で示す製
造装置S及び製造方法によってつくられた10芯式のも
のである。しかし、整列用部品として使用される光ファ
イバ用接続部品は、10芯式のものに限定されない。
【0108】整列用部品9e,9fは、電鋳によりつく
られたものを機械加工により直方体形状に形成し、両端
側に挿通孔と略平行に直線状に延びたガイド孔91e,
91fを形成して、更にこれを略中央で挿通孔と直交す
る方向に切断してつくられたものが使用されている。
【0109】符号Pはガイド孔91e,91fに差し込
まれるガイドピンを示している。ガイドピンPの両端に
はネジ溝(図示省略)が形成してあり、ナットN,Nが
螺合される。ガイドピンPは、ガイド孔91e,91f
よりやや小さい外径を有し、ガイド孔91e,91fに
挿入したときに実質的に隙間なく嵌め合うようにしてあ
るものが使用される。整列用部品9e,9fには、接続
する方向を間違えないようにするための目印R3が付さ
れている。目印は、整列用部品9e,9f以外に設ける
こともできる。
【0110】光ファイバB・・・は、端部が整列用部品
9e,9fの端面と略面一になるように挿通孔内に挿入
して導入してある。
【0111】接続される光ファイバB・・・,B・・・
は、整列用部品9e,9fに設けてあるガイド孔91
e,91fにガイドピンP,Pを差し込み、ガイド孔9
1e,91fから突出したガイドピンPの両端にナット
N,Nを螺合させて締付け、整列用部品9e,9fを密
着させてコアを互いに高精度に突き合わせることで接続
される。突き合わせた後には、端面に溶接等を施して整
列用部品9e,9fが外れないように固着することもで
きる。
【0112】また、この整列用部品も、図19ないし図
28で示す光コネクタで使用したキャピラリのように側
面や上面を特殊な形状に形成することもできる。
【0113】図31に示す整列用部品の作用は、上記図
30で示すものと略同一なので、説明は省略する。
【0114】光ファイバ用接続部品は、上記したものの
他にフェルールに使用することもできる。フェルール
は、金属を多く析出させて機械加工を行うことにより、
キャピラリ部とフランジ部とが一体になったものをつく
ることもできる。このようなフェルールでは、キャピラ
リをフランジに取り付ける工程がなくなるので、製造す
る際の手間を軽減することができる。
【0115】本明細書で使用している用語と表現は、あ
くまでも説明上のものであって、なんら限定的なもので
はなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等
価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の
技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるとい
うことは言うまでもない。
【0116】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。本発明に係る光ファイバ用接続部品およびその製
造方法と製造装置は、電鋳を使用して光ファイバ用接続
部品を製造するので、高価な成形装置や金型を必要とし
ない。また、焼成工程もないので、大量のエネルギーも
必要としない。
【0117】本発明に係る光ファイバ用接続部品および
その製造方法と製造装置は、製造にあたって作業者に高
度な技量が求められず、製造にかかる手間と時間が軽減
できる。このようして光ファイバ用接続部品を量産に適
した生産性の高いものにすることができる。
【0118】絶縁性細線材は、析出した金属で被覆され
るが、比較的弱い力でも簡単にしかも確実に引き抜くこ
とができる。これは絶縁性細線材と析出した金属との親
和性及び接着性が弱いからではないかと思われる。特
に、絶縁性細線材が、引っ張ったときに変形可能な性質
を有しているものでは、更に、簡単に抜くことができ
る。これは引っ張ったときに伸びて外径が細くなり、形
成された挿通孔との間に隙間が形成されるためであると
思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ用接続部品の製造装置
の一実施の形態を示す断面説明図。
【図2】製造用治具に導体部と絶縁性細線材が取り付け
てある状態を示す拡大斜視説明図。
【図3】図2で示す製造用治具において、導体部と絶縁
性細線材とが被覆されるように金属を析出させた状態を
示す断面説明図。
【図4】本発明によって製造することのできる電鋳物の
他の例を示す断面説明図。
【図5】本発明によって製造することのできる電鋳物の
他の例を示す断面説明図。
【図6】本発明によって製造することのできる電鋳物の
他の例を示す断面説明図。
【図7】本発明によって製造することのできる電鋳物の
他の例を示す断面説明図。
【図8】本発明によって製造することのできる電鋳物の
他の例を示す断面説明図。
【図9】本発明によって製造することのできる電鋳物の
他の例を示す断面説明図。
【図10】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図11】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図12】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図13】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図14】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図15】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図16】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図17】本発明によって製造することのできる電鋳物
の他の例を示す断面説明図。
【図18】本発明に係る光ファイバ用接続部品を備えた
製品の一実施の形態を示す説明図。
【図19】特殊な形状に形成してあるキャピラリを備え
た光コネクタを示す説明図。
【図20】図19に示す光コネクタをキャピラリの突き
合わせ端面側から見た説明図。
【図21】特殊な形状に形成してあるキャピラリを備え
た光コネクタを示す説明図。
【図22】図21に示す光コネクタをキャピラリの突き
合わせ端面側から見た説明図。
【図23】特殊な形状に形成してあるキャピラリを備え
た光コネクタを示す説明図。
【図24】図23に示す光コネクタをキャピラリの突き
合わせ端面側から見た説明図。
【図25】特殊な形状に形成してあるキャピラリを備え
た光コネクタを示す説明図。
【図26】図25に示す光コネクタをキャピラリの突き
合わせ端面側から見た説明図。
【図27】特殊な形状に形成してあるキャピラリを備え
た光コネクタを示す説明図。
【図28】図27に示す光コネクタをキャピラリの突き
合わせ端面側から見た説明図。
【図29】本発明に係る光ファイバ用接続部品の他の実
施の形態を示す使用状態説明図。
【図30】本発明に係る光ファイバ用接続部品の他の実
施の形態を示す使用状態説明図。
【図31】本発明に係る光ファイバ用接続部品の他の実
施の形態を示す使用状態説明図。
【符号の説明】
S キャピラリの製造装置 C1、C2 光コネクタ A1 整列アダプタ A2 整列レセクタプル D 電解液 M マスキング材 R1,R2,R3 目印 P ガイドピン N ナット T 電極 B 光ファイバ 1 電解槽 10 槽部 11 蓋載置部 12 掛止部 13 蓋体 2 陽極部 3 陰極部 30 陰極線 4 治具固定用枠体 5 製造用治具 50 線材固定部材 51 案内ブロック 510 収容溝 6 絶縁性細線材 7 導体部 70 導線 7a 導体細線材 8 光ファイバ用接続部品 8a,8b,8c,8d,8e,8f,8g,8h,8
i,8j,8k,8lキャピラリ 80 挿通孔 9a,9b,9c,9d,9e,9f 整列用部品 90a、90b 挿通孔 91e,91f ガイド孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電鋳で析出される金属で導体基材と一緒
    に覆われた絶縁性細線材を除去して形成された挿通孔を
    有することを特徴とする、 光ファイバ用接続部品。
  2. 【請求項2】 導体基材に絶縁性細線材を隣接または近
    接して配置し、電鋳で析出される金属で上記導体基材と
    絶縁性細線材を覆い、その後上記絶縁性細線材を除去し
    て挿通孔を形成することを特徴とする、 光ファイバ用接続部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 電解槽内に設けられている導体基材に、
    電鋳で析出される金属で上記導体基材と一緒に覆われる
    ように絶縁性細線材が隣接または近接して配置してある
    ことを特徴とする、 光ファイバ用接続部品の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光ファイバ用接続部品ま
    たは請求項2記載の光ファイバ用接続部品の製造方法に
    より製造された光ファイバ用接続部品または請求項3記
    載の光ファイバ用接続部品の製造装置により製造された
    光ファイバ用接続部品を備えたことを特徴とする、 光ファイバ用接続部品を備えた製品。
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