JP2010133947A - 内臓脂肪増加抑制効果の評価方法及び評価用キット、並びに、物質のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被験物質を投与された内臓脂肪型肥満を発症している又は発症し得る動物の体液中における11種のマーカー物質の少なくとも1つの濃度を基準値と比較し、被験物質が有する内臓脂肪増加抑制効果を評価する。マーカー物質に対する親和性を有する物質を固定化した担体にマーカー物質を捕捉して、体液中のマーカー物質の濃度を算出する構成が推奨される。該評価方法を用いる物質のスクリーニング方法、該評価方法を簡便に行うことができるキットも提供される。
【選択図】図4
Description
(A01)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約4610のイオンピークを生じるタンパク質、
(A02)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約5500のイオンピークを生じるタンパク質、
(A03)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7050のイオンピークを生じるタンパク質、
(A04)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8330のイオンピークを生じるタンパク質、
(A05)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8840のイオンピークを生じるタンパク質、
(A06)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8930のイオンピークを生じるタンパク質、
(A07)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約9070のイオンピークを生じるタンパク質、
(A08)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約11600のイオンピークを生じるタンパク質、
(A09)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約13700のイオンピークを生じるタンパク質、
(A10)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約13900のイオンピークを生じるタンパク質、
(A11)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約21400のイオンピークを生じるタンパク質。
(a)マーカー物質(A03)はアポリポタンパク質C1又はその修飾体である、
(b)マーカー物質(A04)はアポリポタンパク質C2又はその修飾体である、
(c)マーカー物質(A05)はアポリポタンパク質A2又はその修飾体である、
(d)マーカー物質(A06)はアポリポタンパク質C3又はその修飾体である、
(e)マーカー物質(A07)は補体C3又はその修飾体である、
(f)マーカー物質(A08)はβ2−ミクログロブリン又はその修飾体である、
(g)マーカー物質(A09)はトランスサイレチン又はその修飾体である、
(h)マーカー物質(A10)はトランスサイレチン又はその修飾体である、
(i)マーカー物質(A11)はアポリポタンパク質M又はその修飾体である。
(B1)アポリポタンパク質C1又はその修飾体、
(B2)アポリポタンパク質C2又はその修飾体、
(B3)アポリポタンパク質A2又はその修飾体、
(B4)アポリポタンパク質C3又はその修飾体、
(B5)補体C3又はその修飾体、
(B6)β2−ミクログロブリン又はその修飾体、
(B7)トランスサイレチン又はその修飾体、
(B8)アポリポタンパク質M又はその修飾体。
(A01)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約4610のイオンピークを生じるタンパク質、
(A02)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約5500のイオンピークを生じるタンパク質、
(A03)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7050のイオンピークを生じるタンパク質、
(A04)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8330のイオンピークを生じるタンパク質、
(A05)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8840のイオンピークを生じるタンパク質、
(A06)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8930のイオンピークを生じるタンパク質、
(A07)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約9070のイオンピークを生じるタンパク質、
(A08)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約11600のイオンピークを生じるタンパク質、
(A09)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約13700のイオンピークを生じるタンパク質、
(A10)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約13900のイオンピークを生じるタンパク質、
(A11)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約21400のイオンピークを生じるタンパク質。
(a)マーカー物質(A03)はアポリポタンパク質C1又はその修飾体である、
(b)マーカー物質(A04)はアポリポタンパク質C2又はその修飾体である、
(c)マーカー物質(A05)はアポリポタンパク質A2又はその修飾体である、
(d)マーカー物質(A06)はアポリポタンパク質C3又はその修飾体である、
(e)マーカー物質(A07)は補体C3又はその修飾体である、
(f)マーカー物質(A08)はβ2−ミクログロブリン又はその修飾体である、
(g)マーカー物質(A09)はトランスサイレチン又はその修飾体である、
(h)マーカー物質(A10)はトランスサイレチン又はその修飾体である、
(i)マーカー物質(A11)はアポリポタンパク質M又はその修飾体である。
(B1)アポリポタンパク質C1又はその修飾体、
(B2)アポリポタンパク質C2又はその修飾体、
(B3)アポリポタンパク質A2又はその修飾体、
(B4)アポリポタンパク質C3又はその修飾体、
(B5)補体C3又はその修飾体、
(B6)β2−ミクログロブリン又はその修飾体、
(B7)トランスサイレチン又はその修飾体、
(B8)アポリポタンパク質M又はその修飾体。
(1)通常食を摂取(正常値)、
(2)低繊維高脂肪食を摂取(異常値)、
(3)被験物質と低繊維高脂肪食とを同時摂取、
の3群を設定し、動物を飼育する。そして、各動物の体液中の上記マーカー物質を測定し、各測定値を比較する。このとき、(1)と(2)とで有意差があり、(3)と(2)とで有意差があり、かつ(3)が(2)に比べて正常側((1)に近い側)である場合(正常側に維持された場合)に、当該被験物質が内臓脂肪増加抑制効果を有すると評価することができる。
(4)上記既知物質と低繊維高脂肪食とを同時摂取させる群、
を設定し、動物を飼育する。このとき、(1)と(2)とで有意差があり、(3)と(2)とで有意差があり、かつ(3)が(2)に比べて正常側((1)及び(4)に近い側)である場合に、当該被験物質が内臓脂肪増加抑制効果を有すると評価することができる。すなわち、このような被験物質は、(4)で採用した上記既知物質と同様の挙動を示し、同様の作用を有する物質といえる。
(1)弱陽イオン交換基板:1枚
(2)強陰イオン交換基板:1枚
(3)基板洗浄用バッファーA(pH3.0):適量
(4)基板洗浄用バッファーB(pH9.0):適量
(5)各マーカー物質の標準品:各適量
各血漿試料20μLに、変性バッファー(9M 尿素、2% CHAPS、50mM Tris−HCl(pH9.0))30μLを加えて前処理を行い、タンパク質を変性させた。次に、前処理した各体液試料を強陰イオン交換樹脂カラム(Q−Sepharose、GEヘルスケア社)にアプライした。次いで、pH9.0の緩衝液(50mM Tris−HCl(pH9.0)、0.1%(w/v)1−o−N−オクチル−β−D−グルコピラノシド(以下、「OGP」と称する。))、pH5.0の緩衝液(100mM 酢酸ナトリウム(pH5.0)、0.1%(w/v)OGP)、pH3.0の緩衝液(50mM クエン酸ナトリウム(pH3.0)、0.1%(w/v)OGP)、及び有機溶媒(0.1%トリフルオロ酢酸、50.0%アセトニトリルからなる混合液)各200μLで順に溶出させ、画分1(pH9.0で溶出、素通り)、画分2(pH5.0で溶出)、画分3(pH3.0で溶出)、画分4(有機溶媒で溶出)の4つの粗分画画分を得た。
第1群と第2群との間でイオン強度に有意差がある(p<0.05)。
(2)上記既知物質の効果検証
第2群と第3群との間でイオン強度に有意差があり(p<0.05またはp<0.1)、かつ第3群の値の方が第2群の値よりも第1群の値に近い(第3群の値が第1群側に復帰している)。
(3)増減パターン解析
第2群のみが高値または低値を示し、第1群、第3群および第4群の間ではあまり差がない。なお、第3群と第4群との間に差があっても、第4群の値の方が第3群の値よりも第2群から離れている場合には本条件を満たすものとして取り扱う。
画分4(有機溶媒)を弱陽イオン交換チップCM10に接触させ、pH3.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:CHCA)を行なった場合に、質量/電荷比が4612(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図4に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。図中、髭の上端と下端はそれぞれ最大値と最小値、箱の上辺と下辺はそれぞれ第3四分位(75パーセンタイル)と第1四分位(25パーセンタイル)、箱の中の線は中央値である(図5以降も同じ)。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.750、p値(第1群vs第2群)は0.018、p値(第2群vs第3群)は0.014であった。
画分1(pH9.0)を弱陽イオン交換チップCM10に接触させ、pH3.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−H)を行なった場合に、質量/電荷比が5501(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で高値を示し、第2群で低値を示した。図5に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.833、p値(第1群vs第2群)は0.002、p値(第2群vs第3群)は0.004であった。
画分3(pH3.0)を弱陽イオン交換チップCM10に接触させ、pH3.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−L)を行なった場合に、質量/電荷比が7055(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図6に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.750、p値(第1群vs第2群)は0.029、p値(第2群vs第3群)は0.018であった。
画分4(有機溶媒)を弱陽イオン交換チップCM10に接触させ、pH3.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−H)を行なった場合に、質量/電荷比が8333(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図7に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.984、p値(第1群vs第2群)は0.00002、p値(第2群vs第3群)は0.060であった。
画分1(pH9.0)を強陰イオン交換チップQ10に接触させ、pH9.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−L)を行なった場合に、質量/電荷比が8337(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図8に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.802、p値(第1群vs第2群)は0.004、p値(第2群vs第3群)は0.090であった。
画分4(有機溶媒)を弱陽イオン交換チップCM10に接触させ、pH3.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−H)を行なった場合に、質量/電荷比が8931(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図9に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.984、p値(第1群vs第2群)は0.00001、p値(第2群vs第3群)は0.001であった。
画分1(pH9.0)を弱陽イオン交換チップCM10に接触させ、pH3.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:CHCA)を行なった場合に、質量/電荷比が9065(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で高値を示し、第2群で低値を示した。図10に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.714、p値(第1群vs第2群)は0.046、p値(第2群vs第3群)は0.018であった。
画分1(pH9.0)を強陰イオン交換チップQ10に接触させ、pH9.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−H)を行なった場合に、質量/電荷比が11643(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で高値を示し、第2群で低値を示した。図11に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.729、p値(第1群vs第2群)は0.033、p値(第2群vs第3群)は0.090であった。
画分4(有機溶媒)を強陰イオン交換チップQ10に接触させ、pH9.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−L)を行なった場合に、質量/電荷比が13733(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図12に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.703、p値(第1群vs第2群)は0.046、p値(第2群vs第3群)は0.055であった。
画分2(pH5.0)を強陰イオン交換チップQ10に接触させ、pH9.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−H)を行なった場合に、質量/電荷比が13922(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図13に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.755、p値(第1群vs第2群)は0.020、p値(第2群vs第3群)は0.042であった。
画分4(有機溶媒)を強陰イオン交換チップQ10に接触させ、pH9.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−H)を行なった場合に、質量/電荷比が21384(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で低値を示し、第2群で高値を示した。図14に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。その結果、本ピークのROC面積(第1群vs第2群)は0.750、p値(第1群vs第2群)は0.011、p値(第2群vs第3群)は0.083であった。
強陰イオン交換樹脂Q-Sepharose HP(GEヘルスケア社)を充填したカラム(5mL)を平衡化バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。ラット標準血清(ケミコン社)1.5mLに対して変性バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,9M 尿素,2% CHAPS)を450μL加えて変性処理した後、平衡化した前記カラムに添加した。非吸着画分を回収した。回収した画分に対してSELDI−TOF−MS分析を行い、マーカー物質(A03)の質量/電荷比(平均値:7054)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
強陰イオン交換樹脂HiTrap Q HP (5mL)(GEヘルスケア社)を50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)にて平衡化した。ラット標準血清(ケミコン社)1mLを50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)で10倍に希釈した後、Millex0.45μLでろ過し、平衡化した前記カラムに添加した。5カラム体積(CV)の50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)、12CVの50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)/200mM NaCl、及び5CVの50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)でカラムを順次洗浄した後、50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH3.0)で溶出し、280nmの吸光度の高い画分を回収した(約1mL)。回収した画分に対してSELDI−TOF−MS分析を行い、マーカー物質(A04)の質量/電荷比(平均値:8333)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
実施例2で行ったカラム非吸着画分に対するSELDI−TOF−MS分析で、マーカー物質(A05)の質量/電荷比(平均値:8837)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
実施例3で行ったカラム非吸着画分に対するSELDI−TOF−MS分析で、マーカー物質(A06)の質量/電荷比(平均値:8931)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
強陰イオン交換樹脂Q-Sepharose HP(GEヘルスケア社)を充填したカラム(1mL)を平衡化バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。ラット標準血清(ケミコン社)500μLに対して変性バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,9M 尿素,2% CHAPS)を750μL加えて4℃で20分間変性処理した。変性処理したサンプルを12,000G、4℃で10分間遠心し、0.45μmのフィルターでろ過した後、平衡化した前記カラムに添加し、非吸着画分を回収した。回収した画分に対してSELDI−TOF−MS分析を行い、マーカー物質(A07)の質量/電荷比(平均値:9065)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
実施例2で行ったカラム非吸着画分に対するSELDI−TOF−MS分析で、マーカー物質(A08)の質量/電荷比(平均値:11642)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
強陰イオン交換樹脂Q-Sepharose HP(GEヘルスケア社)を充填したカラム(5mL)を平衡化バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。ラット標準血清(ケミコン社)1.5mLに対して変性バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,9M 尿素,2% CHAPS)を450μL加えて変性処理した後、平衡化した前記カラムに添加した。5CVの50mM Tris−HCl(pH9.0)、5CVの50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)、及び5CVの50mM クエン酸ナトリウムバッファー(pH3.0)で順次洗浄した後、33.3%イソプロパノール/16.7%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸で溶出し、溶出画分を回収した。
実施例8で行ったカラム非吸着画分に対するSELDI−TOF−MS分析で、マーカー物質(A11)の質量/電荷比(平均値:21383)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
Claims (13)
- 被験物質を投与された内臓脂肪型肥満を発症している又は発症し得る動物の体液中における下記マーカー物質(A01)〜(A11)の少なくとも1つの濃度を基準値と比較し、被験物質が有する内臓脂肪増加抑制効果を評価することを特徴とする内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
(A01)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約4610のイオンピークを生じるタンパク質、
(A02)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約5500のイオンピークを生じるタンパク質、
(A03)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7050のイオンピークを生じるタンパク質、
(A04)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8330のイオンピークを生じるタンパク質、
(A05)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8840のイオンピークを生じるタンパク質、
(A06)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8930のイオンピークを生じるタンパク質、
(A07)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約9070のイオンピークを生じるタンパク質、
(A08)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約11600のイオンピークを生じるタンパク質、
(A09)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約13700のイオンピークを生じるタンパク質、
(A10)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約13900のイオンピークを生じるタンパク質、
(A11)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約21400のイオンピークを生じるタンパク質。 - 下記(a)〜(i)の少なくとも1つを満たすことを特徴とする請求項1に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
(a)マーカー物質(A03)はアポリポタンパク質C1又はその修飾体である、
(b)マーカー物質(A04)はアポリポタンパク質C2又はその修飾体である、
(c)マーカー物質(A05)はアポリポタンパク質A2又はその修飾体である、
(d)マーカー物質(A06)はアポリポタンパク質C3又はその修飾体である、
(e)マーカー物質(A07)は補体C3又はその修飾体である、
(f)マーカー物質(A08)はβ2−ミクログロブリン又はその修飾体である、
(g)マーカー物質(A09)はトランスサイレチン又はその修飾体である、
(h)マーカー物質(A10)はトランスサイレチン又はその修飾体である、
(i)マーカー物質(A11)はアポリポタンパク質M又はその修飾体である。 - 被験物質を投与された内臓脂肪型肥満を発症している又は発症し得る動物の体液中における下記(B1)〜(B8)のいずれかに属するマーカー物質の少なくとも1つの濃度を基準値と比較し、被験物質が有する内臓脂肪増加抑制効果を評価することを特徴とする内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
(B1)アポリポタンパク質C1又はその修飾体、
(B2)アポリポタンパク質C2又はその修飾体、
(B3)アポリポタンパク質A2又はその修飾体、
(B4)アポリポタンパク質C3又はその修飾体、
(B5)補体C3又はその修飾体、
(B6)β2−ミクログロブリン又はその修飾体、
(B7)トランスサイレチン又はその修飾体、
(B8)アポリポタンパク質M又はその修飾体。 - 前記動物は、被験物質を摂取させると共に低繊維高脂肪食を摂取させた動物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
- 前記体液は、血液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
- 前記被験物質は、食品素材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
- 前記体液又は体液成分を、前記マーカー物質に対する親和性を有する物質を固定化した担体に接触させて、体液中の前記マーカー物質を担体上に捕捉し、捕捉された前記マーカー物質の量に基づいて体液中の前記マーカー物質の濃度を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
- 前記担体は平面部分を有し、前記マーカー物質に対する親和性を有する物質は、該平面部分の一部に固定化されていることを特徴とする請求項7に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
- 前記マーカー物質に対する親和性を有する物質は、イオン交換体又は抗体であることを特徴とする請求項7又は8に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法によって被験物質を評価し、所望の内臓脂肪増加抑制効果を有する物質をスクリーニングすることを特徴とする物質のスクリーニング方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価方法に用いるためのキットであって、前記マーカー物質に対する親和性を有する物質を固定化した担体を含むことを特徴とする内臓脂肪増加抑制効果の評価用キット。
- 前記マーカー物質に対する親和性を有する物質は、イオン交換体であることを特徴とする請求項11に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価用キット。
- 所望の内臓脂肪増加抑制効果を有する物質をスクリーニングするために使用されることを特徴とする請求項11又は12に記載の内臓脂肪増加抑制効果の評価用キット。
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