JP2010133613A - 蒸発器および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各熱交換部の流路列群の数を抑制しつつ、チューブ配列方向の熱交換部幅を拡大しても、吹出風の温度分布を向上することが可能な蒸発器および蒸発器を用いた冷凍サイクル装置を提供すること。
【解決手段】蒸発器100は、空気流れの方向から見て、風上側熱交換部15の高温となる流路列群である第2パス15Bと風下側熱交換部18の低温となる流路列群である第1パス18Aとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とがチューブ配列方向A1にずらして配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の熱交換部を有する蒸発器およびこの蒸発器を用いた冷凍サイクル装置に関する。
従来技術として、風上側の熱交換部と風下側の熱交換部とを有し、風上側熱交換部の冷媒蒸発温度が風下側熱交換部の冷媒蒸発温度より高い所謂2温度蒸発器がある。そして、各熱交換部は、冷媒が複数のチューブ内流路を同一方向に流れる流路列群であるパスをそれぞれ複数備えており、風上側熱交換部の冷媒流れ上流側領域のパスと風下側熱交換部の冷媒流れ下流側領域のパスとを重ね合わせるとともに、風上側熱交換部の冷媒流れ下流側領域のパスと風下側熱交換部の冷媒流れ上流側領域のパスとを重ね合わせて、各熱交換部の冷媒過熱度領域が互いにずれるように冷媒流路を構成し、吹出風の温度分布の向上を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−192465号公報(第13−15頁、第3図)
しかしながら、上記従来技術の蒸発器を、例えば大型車両に適用する場合などにおいて、各熱交換部のパス数を増大させずにチューブ配列方向の熱交換部幅を拡大した場合には、思いの外吹出風の温度分布の向上が図れないという問題がある。これは、熱交換部幅の拡大により各パスの幅も拡大するため、冷媒の流れ状態における慣性力等の影響により各パス内の冷媒流れに偏りが発生し易くなるためである。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、各熱交換部の流路列群の数を抑制しつつ、チューブ配列方向の熱交換部幅を拡大しても、吹出風の温度分布を向上することが可能な蒸発器および蒸発器を用いた冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の蒸発器では、
相互に間隔を空けて配列したチューブ(21)の内部を流れる冷媒とこれらのチューブの外部を流れる空気とを熱交換する第1熱交換部(15)と、
第1熱交換部に対し空気流れの風下側に配置され、相互に間隔を空けて配列したチューブ(21)の内部を流れる冷媒とこれらのチューブの外部を流れる空気とを熱交換する第2熱交換部(18)と、を備え、
第1熱交換部のチューブ配列方向(A1)と第2熱交換部のチューブ配列方向(A1)とが同一であり、
第1熱交換部および第2熱交換部は、それぞれ、冷媒が複数のチューブ内の流路を同一方向に流れる流路列群(15A、15B、18A、18B)を複数並べて、複数の流路列群を冷媒が順に流れるように構成されており、
第1熱交換部における平均冷媒蒸発温度が第2熱交換部における平均冷媒蒸発温度よりも高い蒸発器であって、
空気流れの方向から見て、第1熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域(15B)と第2熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域(18A)とが重なり合うように、第1熱交換部に対して第2熱交換部をチューブ配列方向(A1)にずらして配置したことを特徴としている。
これによると、第1熱交換部に対して第2熱交換部をチューブ配列方向(A1)にずらしているので、各熱交換部の流路列群の数を増大させなくてもチューブ配列方向の熱交換部幅を拡大することができる。このような蒸発器において、平均冷媒蒸発温度が第2熱交換部より高い第1熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域(15B)と、平均冷媒蒸発温度が第1熱交換部より低い第2熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域(18A)と、を重ね合わせている。すなわち、比較的高温の第1熱交換部(15)のうち比較的高温となり易い冷媒流れ下流側領域(15B)と、比較的低温の第2熱交換部(18)のうち比較的低温となり易い冷媒流れ上流側領域(18A)と、を重ね合わせている。したがって、第1熱交換部の冷媒流れ下流側領域(15B)で充分に冷却できない通過風を、第2熱交換部(18)の冷媒流れ上流側領域(18A)で確実に冷却することができる。このようにして、各熱交換部の流路列群の数を抑制しつつチューブ配列方向の熱交換部幅を拡大しても、吹出風の温度分布を向上することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明の蒸発器では、空気流れの方向から見て、第1熱交換部(15)の流路列群(15A、15B)のうち少なくとも冷媒流れ最下流側の流路列群(15B)が第2熱交換部(18)と重なり合い、第2熱交換部(18)の流路列群(18A、18B)のうち少なくとも冷媒流れ最上流側の流路列群(18A)が第1熱交換部(15)と重なり合っていることを特徴としている。
これによると、第1熱交換部(15)のうち最も高温となり易い冷媒流れ最下流側の流路列群(15B)を第2熱交換部(18)と重ね合わせるとともに、第2熱交換部(18)のうち最も低温となり易い冷媒流れ最上流側の流路列群(18A)を第1熱交換部(15)と重ね合わせることができる。したがって、吹出風の温度分布を確実に向上することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明の蒸発器では、第1熱交換部(15)と第2熱交換部(18)とは離れて設けられおり、第1熱交換部と第2熱交換部との間に、第1熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域(15B)を通過した空気が第2熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域(18A)を通過するように案内する案内部材(30)を備えることを特徴としている。
これによると、平均冷媒蒸発温度が異なる第1熱交換部と第2熱交換部とが離れていても、第1熱交換部の冷媒流れ下流側領域(15B)で充分に冷却できない通過風を、第2熱交換部(18)の冷媒流れ上流側領域(18A)に確実に案内して冷却することができる。
また、請求項4に記載の発明では、
冷媒を減圧膨張させるノズル部(140)、ノズル部(140)から噴射する高速度冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(14b)、高速度冷媒流と冷媒吸引口(14b)からの吸引冷媒とを混合する混合部(14c)、および混合部(14c)で混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(14d)を有するエジェクタ(14)を備え、
昇圧部(14d)で昇圧された冷媒が第1熱交換部(15)に流入し、第2熱交換部(18)から流出した冷媒が冷媒吸引口(14b)から吸引されるように、エジェクタ(14)が接続されていることを特徴としている。
ノズル部、冷媒吸引口、混合部、昇圧部を有するエジェクタは、ノズル部(140)、混合部(14c)、昇圧部(14d)が並ぶ軸方向に比較的長い構造となり、昇圧部(14d)の出口と冷媒吸引口(14b)との距離が比較的長い。一方、蒸発器は第1熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域(15B)と第2熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域(18A)とが重なり合うように第1熱交換部に対して第2熱交換部をチューブ配列方向(A1)にずらして配置している。すなわち、第1熱交換部のうち冷媒流れおける上流側領域(15A)と第2熱交換部のうち冷媒流れにおける下流側領域(18B)との距離を比較的長くできる。このような蒸発器において、エジェクタの昇圧部(14d)で昇圧された冷媒が第1熱交換部(15)に流入し、第2熱交換部(18)から流出した冷媒がエジェクタの冷媒吸引口(14b)から吸引されるようにエジェクタを備えることは配置が容易である。
また、請求項5に記載の発明の冷凍サイクル装置では、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の蒸発器(100)と、この蒸発器の第1熱交換部(15)に流入する冷媒の圧力を調節する第1圧力調節手段(14)と、蒸発器の第2熱交換部(18)に流入する冷媒の圧力を調節する第2圧力調節手段(17)と、を備えることを特徴としている。
これによると、第1圧力調節手段(14)で圧力を調節された冷媒の第1熱交換部(15)における蒸発温度が、第2圧力調節手段(17)で圧力を調節された冷媒の第2熱交換部(18)における蒸発温度よりも高い蒸発器(100)を備え、蒸発器を、空気流れの方向から見て、第1熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域(15B)と第2熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域(18A)とが重なり合うように、第1熱交換部に対して第2熱交換部をチューブ配列方向(A1)にずらして配置したものとすることができる。したがって、蒸発器の各熱交換部の流路列群の数を抑制しつつチューブ配列方向の熱交換部幅を拡大しても、吹出風の温度分布を向上することが可能な冷凍サイクル装置とすることができる。
また、請求項6に記載の発明の冷凍サイクル装置では、
第1圧力調節手段(14)は、冷媒を減圧膨張させるノズル部(140)、ノズル部(140)から噴射する高速度冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(14b)、高速度冷媒流と前記冷媒吸引口(14b)からの吸引冷媒とを混合する混合部(14c)、および混合部(14c)で混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(14d)を有するエジェクタ(14)であり、
昇圧部(14d)で昇圧された冷媒が第1熱交換部(15)に流入し、第2熱交換部(18)から流出した冷媒が冷媒吸引口(14b)から吸引されることを特徴としている。
これによると、第1熱交換部のうち冷媒流れおける上流側領域(15A)と第2熱交換部のうち冷媒流れにおける下流側領域(18B)との距離が比較的長い蒸発器(100)に、昇圧部(14d)で昇圧された冷媒が第1熱交換部(15)に流入し第2熱交換部(18)から流出した冷媒がエジェクタの冷媒吸引口(14b)から吸引されるようにエジェクタ(14)を組み合わせることは、配置が容易である。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
まず 、本発明を適用した一実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態における蒸発器100の概略構造を示す斜視図であり、図2は、蒸発器100への通風状態を示す模式図である。また、図3は、蒸発器100を用いた蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置10の概略構成を示す模式図である。
図3に示す冷凍サイクル装置10は、本例では車両用冷凍サイクル装置に適用したものであって、冷媒としてHFC134aを用い高圧圧力が臨界圧力を超えない冷媒を用いるものとする。
本実施形態の冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入圧縮する圧縮機11は、電磁クラッチ11a、ベルト(図示略)等を介して車両走行用エンジン(図示略)により回転駆動される。
この圧縮機11としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチ11aの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを使用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
この圧縮機11の冷媒吐出側には凝縮器12(放熱用熱交換器)が配置されている。凝縮器12は圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン(図示略)により送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って高圧冷媒を冷却する。
凝縮器12の出口側には、受液器12aが設けられている。この受液器12aは縦長のタンク形状のものであり、冷媒の気液を分離してサイクル内の余剰液冷媒を溜める気液分離器を構成する。受液器12aは、タンク形状内部の下部側から液冷媒を導出するようになっている。なお、受液器12aは本例では凝縮器12と一体的に設けられている。
受液器12aの出口側には、温度式膨張弁13(感温式膨張弁)が配置されている。この温度式膨張弁13は受液器12aからの液冷媒を減圧する減圧手段であって、圧縮機11の吸入側通路に配置された感温部(図示略)を有している。
温度式膨張弁13は、圧縮機11の吸入側冷媒(後述の蒸発器出口側冷媒)の温度と圧力とに基づいて圧縮機吸入側冷媒の過熱度を検出し、圧縮機吸入側冷媒の過熱度が予め設定された所定値となるように弁開度(冷媒流量)を調整するものである。
温度式膨張弁13に代わる減圧手段として、電動可変式の膨張弁や絞り固定式の膨張弁を採用するものであってもよい。
温度式膨張弁13の出口側には、エジェクタ14(第1圧力調整手段に相当)が配置されている。このエジェクタ14は冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段(運動量輸送式ポンプ)でもある。
エジェクタ14には、温度式膨張弁13を通過後の冷媒(中間圧冷媒)の通路面積を小さく絞って、冷媒をさらに減圧膨張させるノズル140と、ノズル140の冷媒噴出口と同一空間に配置され、後述する風下側熱交換部18からの気相冷媒を吸引する冷媒吸引口14bが備えられている。
さらに、ノズル140および冷媒吸引口14bの冷媒流れ下流側部位には、ノズル140からの高速度の冷媒流と冷媒吸引口14bの吸引冷媒とを混合する混合部14cが設けられている。そして、混合部14cの冷媒流れ下流側に昇圧部をなすディフューザ部14dが配置されている。このディフューザ部14dは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。
なお、本実施形態のエジェクタ14では、混合部14cも冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、混合部14cも昇圧部の一部として機能するようになっている。
エジェクタ14のディフューザ部14dの出口側には、蒸発器100の風上側熱交換部15(第1熱交換部に相当)が接続され、この風上側熱交換部15の出口側は圧縮機11の吸入側に接続されている。
一方、圧縮機11、凝縮器12、温度式膨張弁13、エジェクタ14、風上側熱交換部15を環状に接続する冷媒循環配管20のエジェクタ14の入口側(温度式膨張弁13の出口側とエジェクタ14の入口側との間の中間部位=分岐点Z)から冷媒分岐配管16が分岐され、この冷媒分岐配管16の下流側はエジェクタ14の冷媒吸引口14bに接続されている。
この冷媒分岐配管16には、絞り機構17(第2圧力調整手段に相当)が配置され、この絞り機構17よりも冷媒流れ下流側には蒸発器100の風下側熱交換部18(第2熱交換部に相当)が配置されている。本例の絞り機構17には、固定絞りタイプが採用されているが、絞り量可変タイプを採用することも可能である。
さらに、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、蒸発器100の風上側熱交換部15の風流れ上流側に配置される電動送風機19を備え、この電動送風機19により空気を矢印の方向(図1において上から下)へ送風し、この送風空気を2つの熱交換部15、18で冷却するようになっている。
2つの熱交換部15、18で冷却された冷風を共通の冷却対象空間(図示略)に送り込み、これにより、2つの熱交換部15、18で共通の冷却対象空間を冷却するようになっている。ここで、蒸発器100の2つの熱交換部15、18のうち、エジェクタ14下流側の主流路に接続される風上側熱交換部15が空気流れの上流側(風上側)に配置される第1熱交換部に相当し、エジェクタ14の冷媒吸引口14bに接続される風下側熱交換部18が空気流れの下流側(風下側)に配置される第2熱交換部に相当する。
なお、本実施形態では、冷凍サイクル装置10を車両空調用冷凍サイクル装置に適用しているため、車室内空間が冷却対象空間となる。また、本実施形態の蒸気圧縮サイクル10を冷凍車用冷凍サイクル装置に適用する場合は冷凍車の冷凍冷蔵庫内空間が冷却対象空間となる。
図1に示すように、本実施形態の蒸発器100は、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とを一体化して構成している。風上側熱交換部15および風下側熱交換部18の基本的構成は同一であり、それぞれ上下方向に延び、相互に間隔を空けて積層配置される複数のチューブ21と、この複数のチューブ21相互間に配置されるフィン22とを有している。また、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とは、チューブ21の積層配列方向を同一としている。
チューブ21は冷媒通路を構成するもので、断面形状が空気流れ方向に沿って扁平な扁平チューブよりなる。フィン22は空気側伝熱面積を拡大して空気と冷媒との熱交換を促進するもので、薄板材を波状に曲げ成形したコルゲートフィンである。また、隣接するチューブ21とフィン22は図示左右方向に積層されて相互に接合されている。
図1では、チューブ21とフィン22の積層構造の一部のみ図示しているが、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18の全域にチューブ21とフィン22の積層構造が構成され、この積層構造の空隙部を送風ファン19により送風された空気が通過するようになっている。なお、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18はフィン22を有することなく構成されていてもよい。
また、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18の上側にはそれぞれヘッダタンク15c、18cが配置され、下側にはそれぞれヘッダタンク15d、18dが配置されている。これらのヘッダダンク15c、15d、18c、18dはチューブ21の長手方向(図1の上下方向)端部に接続されて冷媒の集合・分配を行うものである。
具体的には、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18のそれぞれのヘッダタンク15c、15d、18c、18dは、チューブ21の上側端部または下側端部が挿入されて接合されるチューブ嵌合穴部(図示せず)を有しており、チューブ21の上側端部または下側端部がそれぞれのヘッダタンク15c、15d、18c、18dの内部空間に連通するようになっている。
また、風上側熱交換部15のチューブ21と風下側熱交換部18のチューブ21は互いに独立した冷媒通路を構成しており、風上側熱交換部15の上下両側のヘッダタンク15c、15dと、風下側熱交換部18の上下両側のヘッダタンク18c、18dは互いに独立した冷媒集合・分配用空間を構成している。
これにより、それぞれのヘッダタンク15c、15d、18c、18dは、それぞれ対応する風上側熱交換部15および風下側熱交換部18の複数のチューブ21への冷媒流れを分配し、複数のチューブ21からの冷媒流れを集合させる機能を果たす。
また、それぞれの上側のヘッダタンク15c、18cの内部には、セパレータが配置されている。セパレータは、ヘッダタンク15c、18cの内壁面に接合される部材であり、ヘッダタンク15c、18cの内部空間を仕切る役割を果たす。
具体的には、風上側熱交換部15上側のヘッダタンク15cにはセパレータ15eが配置されて、両側の内部空間C、Dが略同等となるようにヘッダタンク15cの内部空間を仕切っている。風下側熱交換部18上側のヘッダタンク18cにはセパレータ18eが配置されており、両側の内部空間E、Fが略同等となるようにヘッダタンク18cの内部空間を仕切っている。
本実施形態では、風上側熱交換部15上側のヘッダタンク15cの内部空間Cは、エジェクタ14のディフューザ部14dの出口側に接続しており、ヘッダタンク15cの内部空間Dは、圧縮機11の吸入側に接続している。一方、風下側熱交換部18上側のヘッダタンク18cの内部空間Eは、冷媒分岐配管16の絞り機構17に接続しており、ヘッダタンク18cの内部空間Fは、エジェクタ14の冷媒吸引口14bに接続している。
上述したように、ヘッダタンク15c内にセパレータ15eを配置することによって、風上側熱交換部15では、間隔を空けて配列した複数のチューブ21が、2つのチューブ列群(冷媒の流路列群、以下パスと呼ぶことがある)に分けられる(流路列群が複数並ぶ)。具体的には、風上側熱交換部15の複数のチューブ21は、図示左方側部でヘッダタンク15cの内部空間Cとヘッダタンク15dの内部空間とを繋ぐチューブ群からなり冷媒が同一方向(下方向)に流れる流路列群15A(以下第1パス15Aと呼ぶことがある)と、図示右方側部でヘッダタンク15dの内部空間とヘッダタンク15cの内部空間Dとを繋ぐチューブ群からなり冷媒が同一方向(上方向)に流れる流路列群15B(以下第2パス15Bと呼ぶことがある)とに分けられる。
また、ヘッダタンク18c内にセパレータ18eを配置することによって、風下側熱交換部18では、間隔を空けて配列した複数のチューブ21が、2つのチューブ列群に分けられる。具体的には、風下側熱交換部18の複数のチューブ21は、図示左方側部でヘッダタンク18cの内部空間Eとヘッダタンク18dの内部空間とを繋ぐチューブ群からなり冷媒が同一方向(下方向)に流れる流路列群18A(以下第1パス18Aと呼ぶことがある)と、図示右方側部でヘッダタンク18dの内部空間とヘッダタンク18cの内部空間Fとを繋ぐチューブ群からなり冷媒が同一方向(上方向)に流れる流路列群18B(以下第2パス18Bと呼ぶことがある)とに分けられる。
そして、図1に示すように、空気流れの方向から見て風上側熱交換部15の第2パス15Bと風下側熱交換部18の第1パス18Aとが重なり合うように、風上側熱交換部15に対して同一体格の風下側熱交換部18がチューブ21の積層配列方向(図示A1(図示左右)方向)にずらして配置されている。
なお、風上側熱交換部15、風下側熱交換部18およびそれぞれのヘッダタンク15c、15d、18c、18d等の蒸発器100の構成部品の材質は、熱伝導性やろう付け性に優れた金属である例えばアルミニウムを採用している。そして、これらの各構成部品はろう付けにより一体に接合されている。
また、本実施形態では、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18上側に配置される各ヘッダタンク15c、18cを2つの部材で構成しているが、ヘッダタンク15cとヘッダタンク18cは隣接してろう付け接合されるので、各ヘッダタンク15c、18cを一体に成形して1つの部材で構成してもよい。もちろん、各熱交換部15、18の下側に配置される各ヘッダタンク15d、18dについても同様である。
また、風上側熱交換部15の第2パス15Bに設けられたフィン22と風下側熱交換部18の第1パス18Aに設けられたフィン22とを一体の部材で構成してもよい。
上記構成に基づき蒸発器100内の冷媒の流れについて説明する。
まず、冷媒循環配管20を流れてエジェクタ14のノズル部140に流入して減圧され、エジェクタ14をノズル部14a、混合部14c、ディフューザ部14dの順に通過した、冷媒吸引口14bからの吸引冷媒より圧力が高い低圧冷媒は、風上側熱交換部15上側のヘッダタンク15cの内部空間Cに流入する。
この内部空間Cの冷媒は風上側熱交換部15の図示左方側部の複数のチューブ21に分配されて第1パス15Aを下降して風上側熱交換部15下側のヘッダタンク15dの内部空間に集合する。このヘッダタンク15dの内部空間に集合した冷媒は図示右方側に移動して、風上側熱交換部15の図示右方部の複数のチューブ21に分配されて第2パス15Bを上昇して風上側熱交換部15上側のヘッダタンク15cの内部空間Dに集合する。
ヘッダタンク15cの内部空間Dに集合した冷媒はヘッダタンク15cから流出して圧縮機11吸入側へ流出する。すなわち、風上側熱交換部15では、図1において二点鎖線で示すように冷媒が流通する。
したがって、第1パス15A、第2パス15Bを順に流れて風上側熱交換部15を通過する冷媒は、風上側熱交換部15において流れ方向を1回変更して、風上側熱交換部15の第2パス15Bの上方部の過熱度領域で過熱度を有する気相状態になって流出する。
次に、冷媒分岐配管16を流れて絞り機構17で減圧された低圧冷媒は、風下側熱交換部18上側のヘッダタンク18cの内部空間Eに流入する。
この内部空間Eの冷媒は風下側熱交換部18の図示左方側部の複数のチューブ21に分配されて第1パス18Aを下降して風下側熱交換部18下側のヘッダタンク18dの内部空間に集合する。このヘッダタンク18dの内部空間に集合した冷媒は図示右方側に移動して、風下側熱交換部18の図示右方部の複数のチューブ21に分配されて第2パス18Bを上昇して風下側熱交換部18上側のヘッダタンク18cの内部空間Fに集合する。
ヘッダタンク18cの内部空間Fに集合した冷媒はヘッダタンク18cから流出してエジェクタ14の冷媒吸引口14cからエジェクタ14内部へ吸引される。すなわち、風下側熱交換部18では、図1において太い実線で示すように冷媒が流通する。
したがって、第1パス18A、第2パス18Bを順に流れて風下側熱交換部18を通過する冷媒は、風下側熱交換部18において流れ方向を1回変更して、風下側熱交換部18の第2パス18Bの上部の過熱度領域で過熱度を有する気相状態になって流出する。
その結果、図2に示すように、蒸発器100では、冷媒圧力が風下側熱交換部18より高いことにより平均冷媒蒸発温度が風下側熱交換部18より高い低圧冷媒が、風上側熱交換部15を第1パス15A、第2パス15Bの順に流れて蒸発する。したがって、第2パス15Bでは上方部において過熱度域が形成され、第1パス15Aよりも第2パス15Bの冷媒温度が高温となる。ここで、第1パス15Aの冷媒温度は風下側熱交換部18の流入冷媒温度よりも高いので、中温と示している。
一方、冷媒圧力が風上側熱交換部15より低いことにより平均冷媒蒸発温度が風上側熱交換部15より低い低圧冷媒が、風下側熱交換部18を第1パス18A、第2パス18Bの順に流れて蒸発する。したがって、第2パス18Bでは上方部において過熱度域が形成され、第1パス18Aよりも第2パス18Bの冷媒温度が高温となる。ここで、第2パス18Bの冷媒温度は風上側熱交換部15の流出冷媒温度よりも低いので、中温と示している。
そして、図2に示すように、平均冷媒蒸発温度が風下側熱交換部18より高い風上側熱交換部15の第2パス15Bと、平均冷媒蒸発温度が風上側熱交換部15より低い風下側熱交換部18の第1パス18Aとを重ね合わせている。すなわち、風上側熱交換部15の高温となる第2パス15Bと風下側熱交換部18の低温となる第1パス18Aとを重ね合わせ、風上側熱交換部15の中温となる第1パス15Aおよび風下側熱交換部18の中温となる第2パス18Bは、他の熱交換部とは重なり合わず、風上側熱交換部15第2パス15Bと風下側熱交換部18第1パス18Aとの重ね合わせ部分から幅方向(図示左右方向、A1方向)に張り出すように延びている。
これにより、風上側熱交換部15の過熱度域と風下側熱交換部18の過熱度域とは、空気流れ方向から見て、重なり合わず互いにずれるようになっている。
次に、上記した構成の冷凍サイクル装置10の作動を説明する。圧縮機11を車両エンジンにより駆動すると、圧縮機11で圧縮され吐出された高温高圧状態の冷媒は凝縮器12に流入する。凝縮器12では高温の冷媒が外気により冷却されて凝縮する。凝縮器12から流出した高圧冷媒は受液器12a内に流入し、この受液器12a内にて冷媒の気液が分離され、液冷媒が受液器12aから導出され膨張弁13を通過する。
この膨張弁13では、風上側熱交換部15の出口冷媒(圧縮機吸入冷媒)の過熱度が所定値となるように弁開度(冷媒流量)が調整され、高圧冷媒が減圧される。この膨張弁13通過後の冷媒(中間圧冷媒)は分岐点Zで分岐されて冷媒循環通路20と冷媒分岐通路16とに分流される。
冷媒循環配管20を介してエジェクタ14に流入した冷媒流れはノズル部140で減圧され膨張する。従って、ノズル部140で冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、このノズル部140の噴出口から冷媒は高速度冷媒流となって噴出する。この際の冷媒圧力低下により、冷媒吸引口14bから蒸発器100風下側熱交換部18通過後の冷媒(気相冷媒)を吸引する。
ノズル部140から噴射された冷媒と冷媒吸引口14bに吸引された冷媒とは、ノズル部140下流側の混合部14cで混合してディフューザ部14dに流入する。このディフューザ部14dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。
そして、エジェクタ14のディフューザ部14dから流出した流出冷媒は蒸発器100風上側熱交換部15を通過する。この間に、冷媒は送風ファン19より送風された送風空気(図示矢印)から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相冷媒は、圧縮機11に吸入され、再び圧縮される。
一方、冷媒分岐配管16に流入し、絞り機構17で低圧冷媒となった吸引口側冷媒は、蒸発器100風下側熱交換部18を通過する。この間に、冷媒は送風ファン19より送風されて風上側熱交換部15を通過した送風空気(図示矢印)から吸熱して蒸発する。蒸発後の気相冷媒は冷媒吸引口14bからエジェクタ14内に吸引される。
ここで、本実施形態の絞り機構17は、吸引口側冷媒の冷媒流量Geと、圧縮機11吐出冷媒流量Gとの流量比Ge/Gが所定値(例えば約0.4)になるように調整してある。
上述の構成および作動によれば、蒸発器100は、空気流れの方向から見て、風上側熱交換部15の高温となる第2パス15Bと風下側熱交換部18の低温となる第1パス18Aとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とがチューブ配列方向A1にずらして配置されている。したがって、各熱交換部15、18の流路列群の数(パス数)を増大させなくても(例えばそれぞれ3パスにしなくても)チューブ配列方向A1の全熱交換部幅(総熱交換部幅)を拡大することができる。
また、風上側熱交換部15の高温の第2パス15Bで充分に冷却できない通過風を、風下側熱交換部18の低温の第1パス18Aで確実に冷却することができる。さらに、風上側熱交換部15第2パス15Bと風下側熱交換部18第1パス18Aとの重ね合わせ部の幅方向(チューブ配列方向A1)両側部分では、それぞれ中温の風上側熱交換部15第1パス15Aおよび風下側熱交換部18第2パス18Bで冷却することができる。これにより、各熱交換部15、18のパス数の増大を抑制しつつチューブ配列方向A1の全熱交換部幅を拡大しても、吹出風の温度分布を向上することができる。
図13に示す蒸発器800のように、風上側熱交換部815の第1パス815Aと風下側熱交換部818の第2パス818Bとを重ね合わせるとともに、風上側熱交換部815の第2パス815Bと風下側熱交換部818の第1パス818Aとを重ね合わせて、各熱交換部の冷媒過熱度域が互いにずれるように冷媒流路を構成した場合には、吹出風の温度分布の向上を図ることは可能である。
ところが、冷凍サイクル装置を例えば大型車両に適用する場合などにおいて、図14に示す蒸発器900のように、各熱交換部915、918のパス数を増大させずにチューブ配列方向の全熱交換部幅を拡大した場合には、吹出風の温度分布の向上が充分とは言えない。
これは、各パス915A、915B、918A、918Bのチューブ内に冷媒を分配する際に、冷媒が下降流となる両第1パス915A、918Aでは、ヘッダタンクへの冷媒流入方向手前側のチューブほど、重力により流入冷媒が液リッチとなる。また、冷媒が上昇流となる両第2パス915B、918Bでは、ヘッダタンクへの冷媒流入方向奥側のチューブほど、流入冷媒の慣性力により流入冷媒が液リッチとなる。
したがって、図14に示す蒸発器900では、幅方向両縁部の冷却性能は高いものの、幅方向中央部の冷却性能が低くなり、思いの外吹出風の温度分布の向上が図れない。これに対し、本実施形態の蒸発器100では、全熱交換部幅を拡大しても、両熱交換部15、18の各パス数を増大させないので、重力や慣性力の影響により冷媒流れが偏り難く、吹出風の温度分布を向上することができる。
また、本実施形態の蒸発器100によれば、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをずらして配置して全熱交換部の幅を拡大しており、各熱交換部15、18のパス数を増大させていない。したがって、風上側熱交換部と風下側熱交換部とを全て重ね合わせ各熱交換部のパス数を増大された場合(例えば、それぞれ3パスとした場合)に対し、冷媒の圧力損失を低減することができる。
また、上述した構成の説明において、蒸発器100とエジェクタ14との配置関係については説明しなかったが、蒸発器100がエジェクタ14を外部もしくは内部に備えるものとすることができる。例えば、図4に示すように、エジェクタ14を蒸発器100の上側のヘッダタンク(ここでは風下側熱交換部18ヘッダタンク18c)に外部装着もしくは内部装着するものとすることができる。
図4に示すように、エジェクタ14は、ノズル部140、混合部14c、昇圧部14dが並ぶ軸方向に比較的長い構造である。したがって、昇圧部14dの出口とノズル部140に併設される冷媒吸引口14bとの距離は比較的大きくなる。一方、蒸発器100は、昇圧部14dの出口からの冷媒が流入する風上側熱交換部15第1パス15Aと、冷媒吸引口14bに吸引される冷媒が流出する風下側熱交換部18第2パス18Bとの距離が比較的大きい。したがって、蒸発器100が長尺のエジェクタ14を一体的に備える構成は、極めて容易に形成することができる。すなわち、蒸発器100はエジェクタ14を備える蒸発器として好適であると言える。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記一実施形態では、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18をそれぞれ2パス構成とし、風上側熱交換部15の第2パス15Bと風下側熱交換部18の第1パス18Aとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置していたが、これに限定されるものではなく、各熱交換部のパス数や冷媒流通方向等は種々変形して実施することができる。
空気流れの方向から見て、風上側熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域と風下側熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域とが重なり合うように、風上側熱交換部に対して風下側熱交換部をチューブ配列方向にずらして配置するものであればよい。特に、風上側熱交換部のパスのうち冷媒流れ最下流側のパスが風下側熱交換部と重なり合い、風下側熱交換部のパスのうち冷媒流れ最上流側のパスが風上側熱交換部と重なり合っていることが好ましい。
例えば、図5に示す蒸発器200のように、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18をそれぞれ3パス構成とし、風上側熱交換部15の下流側の2パスと風下側熱交換部18の上流側の2パスとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置してもよい。
また、例えば、図6に示す蒸発器300のように、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18をそれぞれ3パス構成とし、風上側熱交換部15の下流側の1パスと風下側熱交換部18の上流側の1パスとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置してもよい。
また、例えば、図7に示す蒸発器400のように、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18をそれぞれ2パス構成とし、風下側熱交換部18の第1パスを冷媒上昇流とし第2パスを冷媒下降流となるように構成して、風上側熱交換部15の第2パスと風下側熱交換部18の第1パスとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置してもよい。
また、例えば、図8に示す蒸発器500のように、風上側熱交換部15を2パス構成とし、風下側熱交換部18を4パス構成とし、風上側熱交換部15の下流側の1パスと風下側熱交換部18の上流側の2パスとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置してもよい。
また、例えば、図9に示す蒸発器600のように、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18をそれぞれ2パス構成とし、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とを離して配置するとともに、風上側熱交換部15の第2パスと風下側熱交換部18の第1パスとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置してもよい。このとき、図9に示すように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18との間に、風上側熱交換部15の第2パス15Bを通過した空気が風下側熱交換部18の第1パス18Aを通過するように案内する案内部材であるガイド30を備えることが好ましい。
これによると、平均冷媒蒸発温度が異なる風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とを離して両熱交換部間の温度差を確実に確保できるとともに、風上側熱交換部15の第2パス15Bで充分に冷却できない通過風を、風下側熱交換部18の第1パス18Aに確実に案内して冷却することができ、吹出風の温度分布の向上を図ることができる。
また、例えば、図10に示す蒸発器100Aのように、風上側熱交換部15および風下側熱交換部18をそれぞれ2パス構成とし、風上側熱交換部15の第2パス15Bと風下側熱交換部18の第1パス18Aとを重ね合わせるように、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置した蒸発器100と同様の構成を、チューブ配列方向A1が上下方向となるように設置するものであってもよい。
また、例えば、図11に示す蒸発器700のように、風上側熱交換部15を3パス構成とし、風下側熱交換部18を2パス構成とし、風上側熱交換部15の下流側の2パスと風下側熱交換部18の2パスとを重ね合わせるように配置してもよい。すなわち、風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置した構成から、一方の熱交換部を他方の熱交換部からはみ出さない領域内で延設して重ね合わせ部を増大させてもよい。図11に示す蒸発器700の例では、上記一実施形態の蒸発器100のように風上側熱交換部15と風下側熱交換部18とをチューブ配列方向A1にずらして配置した構成から、風上側熱交換部15を下流側に1パス分延したものとしている。なお、蒸発器700の例では、風下側熱交換部18が過熱度域を持たないことが好ましい。
また、上記一実施形態では、各熱交換部は扁平タイプのチューブとコルゲートタイプのフィンとを交互に積層して構成されていたが、熱交換部の構成はこれに限定されるものではなく、例えば円筒タイプのチューブとプレートタイプのフィンとを組み合わせて構成されるものであってもよい。また、熱交換部の上下のヘッダタンクは、必ずしも備えるものでなくてもよい。
また、上記一実施形態では、本発明を適用した冷凍サイクル装置を、図3に示すエジェクタ上流側の高圧配管から冷媒分岐配管が分岐する冷凍サイクル装置10に用いた場合について説明したが、冷凍サイクル装置はこれに限定するものではない。例えば、低圧配管から冷媒分岐配管が分岐する構成の冷凍サイクル装置を採用することができる。また、図3に示す冷凍サイクル装置10から膨張弁13を排した構成の冷凍サイクル装置であってもかまわない。
また、上記一実施形態では、第1圧力調節手段としてエジェクタ14を、第2圧力調節手段として絞り機構17を採用していたが、これに限定されるものではなく、例えば図12に示す冷凍サイクル装置110のように、第1、第2圧力調節手段として膨張弁や固定絞りを採用するものであってもかまわない。
また、上記一実施形態では、受液器(レシーバ)冷凍サイクル装置を例示しているが、レシーバを備えた冷凍サイクル、アキュムレータを備えた冷凍サイクル、両者とも備えない冷凍サイクルのいずれであっても採用することが可能である。また、受液器の下流に過冷却器を設けた所謂サブクールコンデンサを用いてもよい。
また、上記一実施形態では、車両に搭載する冷凍サイクル装置について説明したが、これに限定されず、定置式の冷凍サイクル装置であってもかまわない。
また、上記一実施形態では、冷媒としてHFC−134aを用いた場合について説明していたが、冷媒はこれに限定されるものではない。フロン系冷媒や炭化水素系冷媒、二酸化炭素冷媒等を広く採用することができる。例えば、HFC404A、HFC407C、HFC410A、イソブタン等を採用することも可能である。また、冷媒の高圧側圧力も臨界圧を超えないサイクルに限定されず、高圧側圧力が臨界圧を超える、所謂超臨界冷凍サイクルを採用することが可能である。
本発明を適用した一実施形態における蒸発器100の概略構造を示す斜視図である。 蒸発器100への通風状態を示す模式図である。 蒸発器100を用いた冷凍サイクル装置10の概略構成を示す模式図である。 蒸発器100へのエジェクタ14の装着位置関係を示す模式図である。 他の実施形態における蒸発器200の概略構造を示す斜視図である。 他の実施形態における蒸発器300の概略構造を示す斜視図である。 他の実施形態における蒸発器400の概略構造を示す斜視図である。 他の実施形態における蒸発器500の概略構造を示す斜視図である。 他の実施形態における蒸発器600の概略構造を示す模式図である。 他の実施形態における蒸発器100Aの概略構造を示す斜視図である。 他の実施形態における蒸発器700の概略構造を示す斜視図である。 他の実施形態における冷凍サイクル装置110の概略構成を示す模式図である。 比較例の蒸発器800の概略構造を示す模式図である。 比較例の蒸発器900の概略構造を示す模式図である。
符号の説明
10、110 冷凍サイクル装置
14 エジェクタ(第1圧力調節手段)
14b 冷媒吸引口
14c 混合部
14d ディフューザ部(昇圧部)
15 風上側熱交換部(第1熱交換部)
15A 第1パス(流路列群)
15B 第2パス(流路列群、第1熱交換部冷媒流れ最下流側流路列群、第1熱交換器冷媒流れ下流側領域)
17 絞り機構(第2圧力調節手段)
18 風下側熱交換部(第2熱交換部)
18A 第1パス(流路列群、第2熱交換部冷媒流れ最上流側流路列群、第2熱交換部冷媒流れ上流側領域)
18B 第2パス(流路列群)
21 チューブ
30 ガイド(案内部材)
100、100A、200、300、400、500、600、700 蒸発器
140 ノズル
A1 チューブ配列方向

Claims (6)

  1. 相互に間隔を空けて配列したチューブ(21)の内部を流れる冷媒とこれらのチューブの外部を流れる空気とを熱交換する第1熱交換部(15)と、
    前記第1熱交換部に対し空気流れの風下側に配置され、相互に間隔を空けて配列したチューブ(21)の内部を流れる冷媒とこれらのチューブの外部を流れる空気とを熱交換する第2熱交換部(18)と、を備え、
    前記第1熱交換部のチューブ配列方向(A1)と前記第2熱交換部のチューブ配列方向(A1)とが同一であり、
    前記第1熱交換部および前記第2熱交換部は、それぞれ、冷媒が複数の前記チューブ内の流路を同一方向に流れる流路列群(15A、15B、18A、18B)を複数並べて、複数の前記流路列群を冷媒が順に流れるように構成されており、
    前記第1熱交換部における平均冷媒蒸発温度が前記第2熱交換部における平均冷媒蒸発温度よりも高い蒸発器であって、
    前記空気流れの方向から見て、前記第1熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域(15B)と前記第2熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域(18A)とが重なり合うように、前記第1熱交換部に対して前記第2熱交換部を前記チューブ配列方向(A1)にずらして配置したことを特徴とする蒸発器。
  2. 前記空気流れの方向から見て、前記第1熱交換部(15)の前記流路列群(15A、15B)のうち少なくとも冷媒流れ最下流側の流路列群(15B)が前記第2熱交換部(18)と重なり合い、前記第2熱交換部(18)の前記流路列群(18A、18B)のうち少なくとも冷媒流れ最上流側の流路列群(18A)が前記第1熱交換部(15)と重なり合っていることを特徴とする請求項1に記載の蒸発器。
  3. 前記第1熱交換部(15)と前記第2熱交換部(18)とは離れて設けられおり、
    前記第1熱交換部と前記第2熱交換部との間に、前記第1熱交換部のうち冷媒流れおける下流側領域(15B)を通過した空気が前記第2熱交換部のうち冷媒流れにおける上流側領域(18A)を通過するように案内する案内部材(30)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸発器。
  4. 冷媒を減圧膨張させるノズル部(140)、前記ノズル部(140)から噴射する高速度冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(14b)、前記高速度冷媒流と前記冷媒吸引口(14b)からの吸引冷媒とを混合する混合部(14c)、および前記混合部(14c)で混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(14d)を有するエジェクタ(14)を備え、
    前記昇圧部(14d)で昇圧された冷媒が前記第1熱交換部(15)に流入し、前記第2熱交換部(18)から流出した冷媒が前記冷媒吸引口(14b)から吸引されるように、前記エジェクタ(14)が接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の蒸発器。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の蒸発器(100)と、
    前記第1熱交換部(15)に流入する冷媒の圧力を調節する第1圧力調節手段(14)と、
    前記第2熱交換部(18)に流入する冷媒の圧力を調節する第2圧力調節手段(17)と、を備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  6. 前記第1圧力調節手段(14)は、冷媒を減圧膨張させるノズル部(140)、前記ノズル部(140)から噴射する高速度冷媒流により冷媒が内部に吸引される冷媒吸引口(14b)、前記高速度冷媒流と前記冷媒吸引口(14b)からの吸引冷媒とを混合する混合部(14c)、および前記混合部(14c)で混合した冷媒流の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する昇圧部(14d)を有するエジェクタ(14)であり、
    前記昇圧部(14d)で昇圧された冷媒が前記第1熱交換部(15)に流入し、前記第2熱交換部(18)から流出した冷媒が前記冷媒吸引口(14b)から吸引されることを特徴とする請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
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