JP2010132065A - 車体骨格材構造 - Google Patents
車体骨格材構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010132065A JP2010132065A JP2008308316A JP2008308316A JP2010132065A JP 2010132065 A JP2010132065 A JP 2010132065A JP 2008308316 A JP2008308316 A JP 2008308316A JP 2008308316 A JP2008308316 A JP 2008308316A JP 2010132065 A JP2010132065 A JP 2010132065A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- panel
- sill
- vehicle
- inner panel
- vehicle body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】上側インナパネル材111、下側インナパネル材112、上側アウタパネル材121、下側アウタパネル材122を結合させて中空柱状に形成されたサイドシル1の構造であって、各パネル材111,112,121,122に、高剛性方向が所定方向を向いた異方性材料が用いられ、各パネル材111,112,121,122の高剛性方向が、サイドシル1の長手方向である車両前後方向に対して上下方向に斜めに傾けて設定されているとともに、上側インナパネル材111および下側アウタパネル122の高剛性方向が、下側インナパネル材112および上側アウタパネル121の高剛性方向に対して交差方向に設定されていることを特徴とする構造とした。
【選択図】図1
Description
そこで、車体骨格材に補強部材を設けて、ねじり剛性を高める技術が、例えば、特許文献1などにより知られている。
この特許文献1には、サイドシルとセンタピラーとの交差部分に、サイドシルの断面を横断する閉塞断面形状の補強ビームを溶接して、ねじり剛性を高める技術が記載されている。
しかも、第1の金属パネル材の高剛性方向と第2の金属パネル材の高剛性方向とを交差方向に設定したため、前記長手方向を軸とするねじり方向の剛性を、正逆いずれのねじり方向にも向上させることができる。よって、車体骨格材のねじり剛性を、いっそう高くできる。
本発明の実施の形態の車体骨格材構造は、少なくとも第1および第2の金属パネル材を含む複数の金属パネル材(111,112,121,122)を結合させて中空柱状に形成された車体骨格材構造であって、前記複数の金属パネル材(111,112,121,122)に、高剛性方向が所定方向を向いた異方性材料が用いられ、前記第1の金属パネル材(111,122)の前記高剛性方向が、前記車体骨格部材の長手方向に沿う方向に対して斜めに傾けて設定されているとともに、前記第2の金属パネル材(112,121)の前記高剛性方向が、前記第1の金属パネル材(111,122)の前記高剛性方向に対して交差方向に設定されていることを特徴とする車体骨格材構造である。
このセンタピラー4の下部に、シートベルト装置5の巻取装置51が内蔵されている。この巻取装置51から引き出されたウエビング52は、センタピラー4の上部に設けられたリング部材53に挿通されて下方に折り返されて、サイドシル1に結合されたシートベルトアンカ(支持部材)54に連結されている。
また、ウエビング52には、タング55が設けられており、図3に示すように、タング55を、フロアパネル2から延びる別のウエビング56の先端のバックル57に係合させて、シートベルト装置5が、乗員MNを拘束した状態となる。
サイドシル1は、図4に示す断面略ハット状に形成された金属パネル材であるシルインナパネル11と、図5に示す断面略ハット状に形成された金属パネル材であるシルアウタパネル12とを、備えている。そして、サイドシル1は、このシルインナパネル11とシルアウタパネル12とを、上下両端の結合フランジ部11f,12fどうしでスポット溶接して形成されている。
同様に、シルアウタパネル12も、上側アウタパネル材(第2の金属パネル材)121の縦壁部121aの下端縁部と、下側アウタパネル材(第1の金属パネル材)122の縦壁部122aの上端縁部とを、レーザ溶接部LZ2(図5参照)においてレーザ溶接により結合させて形成されている。
この異方性鋼板は、所定方向だけに剛性および強度が高い性質を有した鋼板である。
図6は、この異方性鋼板の剛性および強度の強さの方向の説明図である。通常、鉄の原子aは、主に体心立方格子構造を有しているが、異方性鋼板では、図示のように、原子a,a間の距離が密な方向と疎な方向を有した原子配列となっている。
このため、原子a,a間の距離が密な矢印A方向が最も剛性および強度が高く、次に、矢印A方向に直交する矢印B方向、矢印A方向に斜めの矢印C方向の順で、剛性および強度が高くなる。
一方、下側インナパネル材112の縦壁部112aにおける高剛性方向が、矢印G12に示す方向、すなわち上側インナパネル材111の高剛性方向(G1)と略直角に交差する方向である車両前下方向に設定されている。
一方、下側アウタパネル材122の縦壁部122aにおける高剛性方向は、矢印G22に示す方向、すなわち上側アウタパネル材121および下側インナパネル材112の高剛性方向に略直角に交差する方向である車両前上向きに設定されている。
(製造時)
シルインナパネル11およびシルアウタパネル12と同様の図7(a)に示すような略ハット断面状のパネル材Pをプレス成形した場合、このパネル材Pには、図7(b)に示すように弾性変形で元の状態に戻ろうとするスプリングバックが生じる。
このスプリングバック量は、図8に示すように、ヤング率および強度に比例し、ヤング率および強度が高くなればなるほど大きくなる。
この場合、このような変形を考慮したプレス成形型が必要になり、型の製作に手間がかかる。
このため、プレス時に上下で開き量の差が生じるのを抑制し、高い寸法安定性が得られるとともに、型の製作も容易となる。
サイドシル1が、その長手方向である車両前後方向を軸としたねじり入力を受けたときには、長手方向に対して斜め方向に主応力が発生する。これに対し、実施例1のサイドシル1は、この斜め方向に各パネル材111,112,121,122の高剛性方向を設定しており、かつ、上下および内外で高剛性方向を逆方向に設定しているため、異方性鋼板を用いないものと比較して、このねじりの正逆いずれの方向にも剛性が向上する。
これにより、サイドシル1のねじり剛性を、異方性鋼板を用いないものと比較して、20%程度向上させることができた。
急ブレーキ作動時に、乗員MNがシートベルト装置5を装着している場合、サイドシル1では、図1に示すように、シートベルトアンカ54において、矢印Fで示す車両斜め前上方に荷重が加わる。
本実施例1では、このシートベルトアンカ54が結合されている上側インナパネル材111の高剛性方向が、この荷重入力方向に略一致して設定しているため、異方性鋼板を用いないものと比較して、シートベルトアンカ54の結合部における強度が向上する。
a) サイドシル1を形成する各パネル材111,112,121,122として、異方性鋼材を用い、その高剛性方向を、サイドシル1が長手方向を軸としたねじり入力を受けたときに生じる主応力の方向である上下方向に対し斜め方向に設定した。
したがって、サイドシル1に異方性鋼板を用いないものと比較して、補強部材を設けることなく、ねじり入力に対する剛性を向上させることができた。
しかも、各パネル材111,112,121,122の高剛性方向を上下および内外で高剛性方向を逆方向の交差方向に設定しているため、このねじりの正逆いずれの方向にも剛性が向上する。
よって、補強部材を用いてねじり剛性を向上させたものと比較して、部品点数を少なくでき、重量、コスト上有利であり、設計自由度も高くなる。
したがって、シートベルトアンカ54からの荷重に対する強度を、補強部材を設けることなく向上でき、補強部材を用いるものと比較して、重量、コスト上有利である。
したがって、プレス成形の際のスプリングバックによる開き量を、上下で差が生じるのを抑制し、高い寸法安定性が得られる。また、型の製作も容易となる。
以下に、他の実施例について説明するが、これら他の実施例は、実施例1の変形例であるため、その相違点についてのみ説明し、実施例1あるいは他の実施例と共通する構成については共通する符号を付けることで説明を省略する。
実施例2は、実施例1と同様にサイドシル1に適用した例であって、実施例2では、シルインナパネル201とシルアウタパネル202とを、それぞれ、1枚の金属パネル材で形成した例である。
さらに、シートベルトアンカ54からの荷重に対する強度を、補強部材を設けることなく向上できる。
5 シートベルト装置
11 シルインナパネル
12 シルアウタパネル
52 ウエビング
54 シートベルトアンカ(支持部材)
111 上側インナパネル材(第1の金属パネル材)
112 下側インナパネル材(第2の金属パネル材)
121 上側アウタパネル材(第2の金属パネル材)
122 下側アウタパネル材(第1の金属パネル材)
201 シルインナパネル(第1の金属パネル材)
202 シルアウタパネル(第2の金属パネル材)
BD 車体
Claims (4)
- 少なくとも第1および第2の金属パネル材を含む複数の金属パネル材を結合させて中空柱状に形成された車体骨格材構造であって、
前記複数の金属パネル材に、高剛性方向が所定方向を向いた異方性材料が用いられ、
前記第1の金属パネル材の前記高剛性方向が、前記車体骨格部材の長手方向に沿う方向に対して斜めに傾けて設定されているとともに、前記第2の金属パネル材の前記高剛性方向が、前記第1の金属パネル材の前記高剛性方向に対して交差方向に設定されていることを特徴とする車体骨格材構造。 - 前記車体骨格部材が、車体フロアの車幅方向両端部に沿って車両前後方向に延在されたサイドシルであり、
前記サイドシルは、車内側に配置された前記第1の金属パネル材としてのシルインナパネルと、車外側に配置された前記第2の金属パネル材としてのシルアウタパネルとを備え、
前記シルインナパネルと前記シルアウタパネルとの一方の高剛性方向が、車両前上方に傾けられ、もう一方の高剛性方向が、車両後下方へ傾けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体骨格材構造。 - 前記シルインナパネルおよびシルアウタパネルは、それぞれ、上下に接合用フランジを有した略ハット断面形状に形成され、
前記シルインナパネルが、前記第1の金属パネル材としての上側インナパネルと前記第2の金属パネル材としての下側インナパネルとに上下分割され、
前記シルアウタパネルが、前記第2の金属パネル材としての上側アウタパネルと前記第1の金属パネル材としての下側アウタパネルとに上下分割され、
前記上側インナパネルおよび前記下側アウタパネルの前記高剛性方向が、車両前上方と車両後下方とのいずれかに傾けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体骨格材構造。 - 前記シルインナパネルに、シートベルト装置のウエビングからの荷重を受け止める支持部材が設けられ、
前記シルインナパネルにおいて前記支持部材が設置された部分の前記高剛性方向が、前記ウエビングからの荷重入力方向に向けて設定されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車体骨格材構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008308316A JP5206376B2 (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 車体骨格材構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008308316A JP5206376B2 (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 車体骨格材構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010132065A true JP2010132065A (ja) | 2010-06-17 |
JP5206376B2 JP5206376B2 (ja) | 2013-06-12 |
Family
ID=42343849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008308316A Expired - Fee Related JP5206376B2 (ja) | 2008-12-03 | 2008-12-03 | 車体骨格材構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5206376B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101305197B1 (ko) | 2011-11-23 | 2013-09-12 | 기아자동차주식회사 | 차량용 프레임 보강유닛 |
JP2018161677A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼板接合構造 |
WO2019003764A1 (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-03 | 株式会社神戸製鋼所 | 部材の接合方法および接合体 |
JP2019005807A (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-17 | 株式会社神戸製鋼所 | 部材の接合方法および接合体 |
JP2020111231A (ja) * | 2019-01-15 | 2020-07-27 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板部材重ね合わせ構造、車体構造 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05263191A (ja) * | 1992-01-24 | 1993-10-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 板幅方向のヤング率の高い熱延鋼板およびその製造方法 |
JPH06270749A (ja) * | 1993-03-17 | 1994-09-27 | Nippon Steel Corp | 自動車バンパー補強材 |
JP2007092130A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Jfe Steel Kk | 剛性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 |
JP2008230410A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Honda Motor Co Ltd | 車体側部構造 |
JP2009274571A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Nippon Steel Corp | 自動車フレーム部材 |
-
2008
- 2008-12-03 JP JP2008308316A patent/JP5206376B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05263191A (ja) * | 1992-01-24 | 1993-10-12 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 板幅方向のヤング率の高い熱延鋼板およびその製造方法 |
JPH06270749A (ja) * | 1993-03-17 | 1994-09-27 | Nippon Steel Corp | 自動車バンパー補強材 |
JP2007092130A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Jfe Steel Kk | 剛性に優れた高強度薄鋼板およびその製造方法 |
JP2008230410A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Honda Motor Co Ltd | 車体側部構造 |
JP2009274571A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Nippon Steel Corp | 自動車フレーム部材 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101305197B1 (ko) | 2011-11-23 | 2013-09-12 | 기아자동차주식회사 | 차량용 프레임 보강유닛 |
JP2018161677A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼板接合構造 |
WO2019003764A1 (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-03 | 株式会社神戸製鋼所 | 部材の接合方法および接合体 |
JP2019005807A (ja) * | 2017-06-27 | 2019-01-17 | 株式会社神戸製鋼所 | 部材の接合方法および接合体 |
JP7118645B2 (ja) | 2017-06-27 | 2022-08-16 | 株式会社神戸製鋼所 | 部材の接合方法および接合体 |
JP2020111231A (ja) * | 2019-01-15 | 2020-07-27 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板部材重ね合わせ構造、車体構造 |
JP7238412B2 (ja) | 2019-01-15 | 2023-03-14 | 日本製鉄株式会社 | 鋼板部材重ね合わせ構造、車体構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5206376B2 (ja) | 2013-06-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4272626B2 (ja) | 車体下側部構造 | |
JP6172695B2 (ja) | 自動車の車体構造 | |
JP4384206B2 (ja) | 自動車の車体構造 | |
JP2008207619A (ja) | 車両骨格構造 | |
JP2018062204A (ja) | フロアパネル | |
JP2017159896A (ja) | 車両用構造部材 | |
JP5206376B2 (ja) | 車体骨格材構造 | |
JP2017144955A (ja) | 車体構造 | |
US8820819B2 (en) | Vehicle floor frame structure | |
JP2017159895A (ja) | 車両用構造部材 | |
JP2009113766A (ja) | 車体側部構造 | |
US9809253B2 (en) | Vehicle body lower portion structure | |
JP5857921B2 (ja) | フロントピラー構造 | |
JP5686586B2 (ja) | 自動車用車体骨格における補強構造 | |
JP6161038B2 (ja) | 自動車の車体構造 | |
JP2014083881A (ja) | 車両のフロントピラー構造 | |
US10336374B2 (en) | Vehicle rear portion structure | |
JP5233721B2 (ja) | 車両のロッカ構造 | |
JP6232987B2 (ja) | 車体樹脂パネル構造 | |
JP2020040593A (ja) | 車両前部構造 | |
JP2020152153A (ja) | 車両下部構造 | |
JP7310458B2 (ja) | 車両の前部車体構造 | |
JP2018176889A (ja) | バンパリインフォースメント | |
JP6862940B2 (ja) | バンパビーム構造 | |
JP2008184105A (ja) | 車両骨格部材の結合部構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111028 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130115 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130204 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5206376 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |