JP2010131962A - 押出機および押出成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂を溶融可塑化して押出成形するための、シリンダーにスクリューが挿通され少なくともフィード部23,24、コンプレッション部26を有する押出機において、フィード部23,24はスクリューのフライトが2〜4条で、シリンダー内壁に溝を有し、コンプレッション部26はシリンダー内壁に溝を有さず、コンプレッション部26のシリンダー内側面とコンプレッション部のスクリューフライトの外周先端部との距離が10〜250μmであることを特徴とする押出機。同押出機を用いることを特徴とする押出成形品の製造方法。
【選択図】図1
Description
このため少ないエネルギーで大量の押出しをすることができる。特に高速スクリュー駆動に適するため、ダイレクトドライブモーターと組み合わせ高速駆動することで一層少ないエネルギーで大量の押出しをすることができる。
ダイレクトドライブモーターと組み合わせれば騒音が小さくなるため製造現場の低騒音化にも効果がある。
第1フィードゾーン内のシリンダー内壁面の溝は、樹脂の大量供給のために必要である。一方コンプレッション部は急速に樹脂を融解するために高温に加温されている。このため押出機のスクリューを停止した場合にコンプレッション部の溶融樹脂が逆流して、シリンダー内壁面の溝に入り込み固化して詰まるおそれがある。シリンダー内壁に溝を有さない第2フィードゾーン部を設けることにより、内壁に溝を有する第1フィードゾーン部と、コンプレッション部を隔離し、溝内に樹脂がはいりこみ固化するのを防ぐ効果がある。第2フィードゾーン部はコンプレッション部への助走区間ともいえる。
以下、実施例に基づいて説明する。
第1フィードゾーン部分のシリンダー323の溝本数は特に限定されないが約40mmのシリンダーにおいては6本〜16本が好ましい。5本以下では樹脂を送り込む効率が上がりにくく、17本以上では溝間の距離が小さくなりすぎるためである。
スクリュー径が変わる場合には、溝本数に限らず、一般的に用いられるスケールアップ則に基づき拡大又は縮小して適用される。
このため、シリンダー326内径とスクリュー外径(フライト243の外周先端部径)との差は、20〜500μmが好ましく、30〜200μmがより好ましく、さらに好ましくは50〜150μmである。
同様にシリンダー3の、スクリュー225に相当する部分も、シリンダーにおけるフィード部とコンプレッション部の間の熱伝導を防ぐため断熱材料でできていることが好ましい。
更に積極的にフィード部のスクリュー223、224に冷却媒体を循環して冷却することが好ましい。
樹脂は低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社「ノバテック(登録商標)LF405M」)を用いた。
温度:コンプレッション部のC1、以下下流に向けてC2、C3、C4、Hの各ゾーン位置の設定温度は表1の様に180℃とした。温度の実測値を表1に示す。
押出条件は表1の1〜8の条件とした。
押出条件1、3、5、7は絞り弁として固定形状のオリフィスをつけて行った。
押出条件2、4、6、8は絞り弁部で20MPaになるように弁の開度を調整して行った。いずれも絞り弁部での樹脂圧力を測定した。
スクリュー回転数を、50、100、200、292rpmにて行った。
更にスクリューの根元から410mmの位置でフィード部の樹脂の圧力を測定した。
実験結果を表1に示す。
押出条件2、4、6、8における絞り弁部の樹脂圧力は回転数が増えるにつれ増加したが、19.35〜19.75MPaであった。
本願発明の押出機はフィード部の構造による樹脂の大量供給、コンプレッション部の構造による高速可塑化が、フィード部による樹脂供給量とコンプレッション部の樹脂可塑溶融化量とが一致するようにバランスよく適切に組み合わされたため上記効果を生じたものである。
樹脂は低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社「ノバテック(登録商標)LF405M」)を用いた。
押出実験はスクリュー回転数の各水準毎に絞り弁部で20MPaになるように弁の開度を調整して行った。いずれも絞り弁部での樹脂圧力を測定した。スクリュー回転数を、50、100、200、291rpmにて行った。各スクリュー回転数に安定後、10分の間隔をおいて2度測定した。
10分間の運転の間のヒーター472、473の使用電力とギヤポンプ(回転エネルギーと温調エネルギーの和)の使用エネルギーを積算電力計により求め算定した。ダイレクトドライブモーターの使用電力量は、使用電流から次の式により求めた。
使用電力量(kwh)=スクリュー回転数(rpm)*モーター電流(A)*15.6/(976*9.81)
使用エネルギーはヒーター電力量とギヤポンプ電力量とダイレクトドライブモーターの使用電力量を和して求めた。比エネルギーは、使用エネルギーを押出量で除して求めた。
実験結果を表2に示す。
2、402 スクリュー
3、403 シリンダー
9、409 ギヤポンプ
10、410 アダプター
11、411 T字ダイ
12、412 シリンダーに開けられた樹脂を通すための貫通孔
13、413 ホッパー
23、423 第1フィードゾーン部分
24、424 第2フィードゾーン部分
25、スクリュー断熱部
26、426 コンプレッション部
27、427 第1混練部
28、428 第2混練部
71、471 冷却ジャケット
72、73、472、473 ヒーター
221、421 外部からの回転力伝達部(スクリュー)
223、423S 第1フィードゾーン部分(スクリュー)
224、424S 第2フィードゾーン部分(スクリュー)
225 スクリュー断熱部
226、426S コンプレッション部(スクリュー)
227、427S 第1混練部(スクリュー)
228、428S 第2混練部(スクリュー)
243、443 フライト(第1フィードゾーン部分)
244、444 フライト(第2フィードゾーン部分)
246、446 フライト(コンプレッション部)
247、447 フライト(第1混練部)
248、448 ミキシング(第2混練部)
323、423C 第1フィードゾーン部分(シリンダー)
324、424C 第2フィードゾーン部分(シリンダー)
326、426C コンプレッション部(シリンダー)
327、427C 第1混練部(シリンダー)
328、428C 第2混練部(シリンダー)
Claims (7)
- 樹脂を溶融可塑化して押出成形するための、シリンダーにスクリューが挿通され少なくともフィード部、コンプレッション部を有する押出機において、フィード部はスクリューのフライトが2〜4条で、シリンダー内壁に溝を有し、コンプレッション部はシリンダー内壁に溝を有さず、コンプレッション部のシリンダー内側面とコンプレッション部のスクリューフライトの外周先端部との距離が10〜250μmであることを特徴とする押出機。
- 請求項1記載の押出機において、フィード部はシリンダー内壁に溝を有しスクリューのフライトが2〜4条である第1フィードゾーン部と、引き続きその下流に、シリンダー内壁に溝を有さない第2フィードゾーン部とを有することを特徴とする押出機。
- 請求項2記載の押出機において、第1フィードゾーンに、シリンダー外部から冷却を行う冷却設備が付設されていることを特徴とする押出機。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の押出機において、コンプレッション部の終端からスクリュー先端までの部分の長さのL/Dが5以下であることを特徴とする押出機。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の押出機において、押出機の樹脂流路先端に、ギヤポンプが付設されていることを特徴とする押出機。
- 樹脂を溶融可塑化して押出成形品を製造する押出成形品の製造方法において、請求項1乃至5のいずれかに記載の押出機を用いて製造することを特徴とする押出成形品の製造方法。
- 請求項6記載の押出成形品の製造方法においてスクリュー回転数が100rpmよりも大きい速度で押出を行うことを特徴とする押出成形品の製造方法。
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