JP2010131937A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステルフィルムの一方の面の塗布層の絶対反射率が、波長450〜750nmの範囲で極小値を有し、当該極小値における絶対反射率が4.0%以上であり、もう一方の面の塗布層がポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂を含有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径とした。
ウレタン樹脂の溶液もしくは水分散液を、乾燥後の膜厚が500μmになるように、テフロン(登録商標)製のシャーレ内で乾燥させ皮膜を得る。乾燥条件は、室温で1週間乾燥させた後、120℃で10分間さらに乾燥させる。得られた皮膜を幅5mmに切り出し、アイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置(DVA−200型)にチャック間20mmとなるように測定装置にセットし、−100℃から200℃まで、10℃/分の速度で昇温させながら、周波数10Hzで測定する。E’’が最大となる点をTgとした。
ハードコート層用塗布液として、第2塗布面上に、アクリル系紫外線硬化型樹脂(大日精化工業製 セイカビーム PET−HC15)80重量部、酸化チタン粒子(テイカ製 760T)20重量部を使用し、塗布・乾燥・硬化して厚さ5μmのハードコート層を形成した。さらに、プリズム層形成のために、ピッチ50μm、頂角65°のプリズム列が多数並列している型部材に、フェノキシエチルアクリレート 50重量部、ビスフェノールA−ジエポキシ−アクリレート 50重量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン 1.5重量部で構成される活性エネルギー線硬化性組成物を配置し、その上から塗布層Bが活性エネルギー線硬化性樹脂と接触する向きに積層ポリエステルフィルムを重ね、ローラーにより活性エネルギー線硬化性組成物を均一に引き伸ばし、紫外線照射装置から紫外線を照射し、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた。次いで、フィルムを型部材から剥がし、プリズム層が形成されたフィルムを得た。当該フィルムの層構成は、プリズム層/塗布層B/ポリエステルフィルム/塗布層A/ハードコート層となっている。その後、恒温恒湿槽中で、60℃、90%RHの環境下で500時間放置した後、プリズム層(塗布層B)、ハードコート層(塗布層A)各々に対して、10×10のクロスカットを入れ、その上に18mm幅のテープ(ニチバン株式会社製セロテープ(登録商標)CT−18)を貼り付け、180度の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、剥離面積が0%ならば◎、0%を超え5%以下なら○、5%を超え20%以下ならば△、20%を超えるならば×とした。
あらかじめ、ポリエステルフィルムの塗布層B側に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(日本分光株式会社製 紫外可視分光光度計 V−570 および自動絶対反射率測定装置 AM−500N)を使用して同期モード、入射角5°、N偏光、レスポンス Fast、データ取区間隔1.0nm、バンド幅10nm、走査速度1000m/minで、塗布層A表面を波長範囲300〜800nmの絶対反射率を測定し、その最小値における波長(ボトム波長)と絶対反射率を評価した。
(4)密着性の評価方法と同様な方法によりハードコート層を形成し、その上に、テトラエトキシシラン 208重量部にメタノール 356重量部を加え、さらに水 18重量部および0.01Nの塩酸水溶液 18重量部を加え、これをディスパーで混合し、混合液を得、この混合液を25℃恒温槽中で2時間攪拌して重量平均分子量を850に調整したシリコーンレジンと中空シリカイソプロパノール分散ゾル(触媒化成工業製 スルーリア CS−60IPA、固形分20重量%)を縮合固形物換算で60:40の体積比となるように配合し、膜厚が0.1μmになるように塗布・乾燥して反射防止層を形成した。さらに塗布層B側に(4)密着性の評価方法と同様な方法によりプリズム層を形成した。すなわち、両面加工品である、プリズム層/塗布層B/ポリエステルフィルム/塗布層A/ハードコート層/反射防止層を形成した。プリズム層側に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り付け、反射防止層側から3波長光域型蛍光灯下で目視にて、干渉ムラを観察し、干渉ムラが確認できないものを◎、色が不明瞭な干渉ムラが確認されるものを○、色を判別できる干渉ムラが確認されるものを△、色を判別できる強い干渉ムラが確認され、白色蛍光灯下においても干渉ムラ確認されるものを×として評価した。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた後、4時間重縮合反応を行った。
すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.63のポリエステル(A)を得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩を加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、正リン酸を添加した後、二酸化ゲルマニウム加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.65に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、極限粘度0.65のポリエステル(B)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチレングリコールに分散させた平均粒子径2.0μmのシリカ粒子を0.2部を加えて、極限粘度0.66に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いて、極限粘度0.66のポリエステル(C)を得た。
(化合物例)
・ポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂:(IA)
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオールを400部、ネオペンチルグリコールを10.4部、イソホロンジイソシアネート58.4部、ジメチロールブタン酸が74.3部からなるプレポリマーをトリエチルアミンで中和し、イソホロンジアミンで鎖延長して得られる、Tgが−30℃のウレタン樹脂の水分散体
カルボキシル基を有する、Tgが−20℃の水分散型ポリカーボネートポリウレタン樹脂である、RU−40−350(スタール社製)
カルボン酸水分散型のTgが3℃であるビニル基含有ポリカーボネートポリウレタン樹脂である、SPX−039(ADEKA社製)
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=84/13/3//80/20(mol%)
・水溶性チタン化合物:(IIC)チタントリエタノールアミネート
・水溶性チタン化合物:(IID)チタンラクテート
エチルアクリレート/n−ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/N−メチロールアクリルアミド/アクリル酸=65/21/10/2/2(重量%)の乳化重合体(乳化剤:アニオン系界面活性剤)
カルボン酸水分散型ポリエステルポリウレタン樹脂である、ハイドランAP−40(大日本インキ化学工業社製)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(mol%)
オキサゾリン基がアクリル系樹脂にブランチされたポリマー型架橋剤である、エポクロスWS−500(日本触媒社製)。オキサゾリン基量=4.5mmol/g
・エポキシ化合物:(VIB)
ポリグリセロールポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−521(ナガセケムテックス製)。エポキシ基量=5.5mmol/g
粒子:(VII)平均粒径65nmのシリカゾル
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ85%、5%、10%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ95%、5%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々290℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す塗布液A1を塗布し、反対側の面に塗布液B1を塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.0倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗布量(乾燥後)が表2に示すような塗布層を有する厚さ188μm(表層9μm、中間層170μm)のポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を表2に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおりであった。
実施例1において、塗布剤組成を下記表3に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がった積層ポリエステルフィルムを評価したところ、表3に示すとおりであり、密着性が弱い場合や、干渉ムラのレベルが良くない場合が見られた。
Claims (1)
- ポリエステルフィルムの一方の面の塗布層の絶対反射率が、波長450〜750nmの範囲で極小値を有し、当該極小値における絶対反射率が4.0%以上であり、もう一方の面の塗布層がポリカーボネート構造を有するウレタン樹脂を含有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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