JP2010129640A - 薄膜太陽電池の製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光吸収層と第1電極層との接合強度を向上できる薄膜太陽電池の製法を提供する。
【解決手段】 CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む単一前駆体が有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を、第1電極層2上に塗布して光吸収塗布膜を形成する光吸収塗布膜形成工程と、光吸収塗布膜を酸素濃度が20〜150ppmの不活性ガス雰囲気中で熱処理することにより単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解し、有機成分を除去する熱分解工程と、熱分解工程の熱処理温度よりも高い温度で熱処理することにより、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む光吸収層3を第1電極層2上に形成する光吸収層形成工程と、光吸収層3上に第2電極層5を形成する第2電極層形成工程とを具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一対の電極層間に光吸収層を有する薄膜太陽電池の製法に関する。
図1は、一般的な薄膜太陽電池の基本構造を示している。この薄膜太陽電池は、図1に示すように、例えば、ソーダライムガラスからなる基板1上に裏面電極となる、例えば、Moからなる第1電極層2が形成され、この第1電極層2上に化合物半導体薄膜からなる光吸収層3が形成され、その光吸収層3上にZnS、CdSなどからなるバッファ層4を介して、ZnOなどからなる透明の第2電極層5が形成されている。
化合物半導体からなる光吸収層3としては、高いエネルギー変換効率が得られるものとして、Cu(In,Ga)Seからなる化合物半導体薄膜が用いられている。
Cu(In,Ga)Seの製法としては、蒸着法やスパッタ法など真空プロセスを用いる製法と、固相または液相原料を塗布または電着によって成膜する非真空プロセスを用いる製法とに大別される。
このうち、非真空プロセスの原料を塗布するCu(In,Ga)Seの製法としては、Cu、In、Ga、Seの個別の金属塩を有機溶媒に溶解して塗布・乾燥して熱分解、焼成する製法と、Cu、In、Ga、Seの元素を含んだ有機化合物もしくは錯体を溶液化して塗布・熱分解、焼成する製法がある。
前者の個別の金属塩を使用する製法は、各金属塩によって溶解度が異なるために、乾燥時に組成分離して析出しやすく、薄膜全体の組成が不均一になりやすいという問題がある。一方、有機化合物もしくは錯体を用いる製法では、理想的な有機化合物を作製することができれば、乾燥時に組成分離することがなく、理論的には、均一組成のCu(In,Ga)Se薄膜を形成することが可能である。
例えば、従来、単一前駆体法(Single Source Precursor法)が知られており、この方法は、1つの有機化合物内にCuとSeとInまたはGaとを存在させ、その有機化合物を有機溶媒に溶解させて塗布、熱分解、焼成することによって、Cu(In,Ga)Se薄膜を形成する製法である(特許文献1参照)。
この特許文献1の製法を具体的に説明すると、Cu(CHCN)・PFなどの金属塩とP(Cなどのルイス塩基とを反応させて{P(CCu(CHCN) のような形の錯イオンを作製し、この錯イオンとInもしくはGaとSeとを含む錯イオンとを反応させることによって、CuとInまたはGaとSeとを含む単一前駆体を作製している。
米国特許第6992202号明細書
しかしながら、本発明者等の実験によれば、Cu(CHCN)・PFなどの金属塩とP(Cなどのルイス塩基とを反応させて{P(CCu(CHCN) のような形の錯イオンを作製し、この錯イオンとInもしくはGaとSeとを含む錯イオンとを反応させ、CuとInまたはGaとSeとを含む単一前駆体を作製し、この単一前駆体を有機溶媒に溶解させて基板の第1電極層に塗布し、不活性雰囲気中で熱分解、熱処理することによって、Cu(In,Ga)Se薄膜を形成した場合、Cu(In,Ga)Se薄膜と第1電極層との密着性が低く、取り扱い時に剥離し易いという問題があった。
本発明は、光吸収層と第1電極層との接合強度を向上できる薄膜太陽電池の製法を提供することを目的とする。
本発明者等は、単一前駆体が有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を塗布して形成された光吸収塗布膜を加熱することにより、単一前駆体を有機成分と金属成分とに熱分解し、有機成分を除去する熱分解工程において、酸素濃度が20〜150ppmの不活性ガス雰囲気中で熱処理して単一前駆体を熱分解することにより、光吸収層と第1電極層との接合強度を向上できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明の薄膜太陽電池の製法は、第1電極層と第2電極層との間に光吸収層を有する薄膜太陽電池の製法であって、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む単一前駆体が有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を、前記第1電極層上に塗布して光吸収塗布膜を形成する光吸収塗布膜形成工程と、前記光吸収塗布膜を酸素濃度が20〜150ppmの不活性ガス雰囲気中で熱処理することにより前記単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解し、前記有機成分を除去する熱分解工程と、前記金属成分を前記熱分解工程の熱処理温度よりも高い温度で熱処理することにより、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む光吸収層を前記第1電極層上に形成する光吸収層形成工程と、前記光吸収層上に前記第2電極層を形成する第2電極層形成工程とを具備することを特徴とする。
本発明の薄膜太陽電池の製法によれば、単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解する熱分解工程の酸素濃度を20〜150ppmにすることにより、理由は明確ではないが、光吸収層と第1電極層との接合強度を向上できる。
本発明者等は、上記理由について検討した結果、熱分解工程の不活性ガス雰囲気中の酸素濃度を20〜150ppmにすることにより、光吸収層と第1電極層との界面に酸素が入り、酸素を介して光吸収層と第一電極層が化学結合するため、光吸収層と第1電極層との密着性が向上し、接合強度を向上できると考えている。また、一方で、不活性ガス雰囲気中の酸素量が微量であるため、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む化合物が酸化することがなく、Seの酸化が抑制され、Se不足が発生することもないと考えている。
本発明の薄膜太陽電池の製法によれば、単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解する熱分解工程の酸素濃度を20〜150ppmにすることにより、光吸収層と第1電極層との接合強度を向上できる。
本発明の製法により作製された薄膜太陽電池は、一対の電極層間に光吸収層を有する薄膜太陽電池であり、例えば、図1に示したように、基板1上に裏面電極となる第1電極層2が形成され、この第1電極層2上に化合物半導体薄膜からなる光吸収層3が形成され、その光吸収層3上にバッファ層4を介して透明の第2電極層5が形成されている。
基板1としては、例えば、ソーダライムガラス基板、Mo、SUSなどの金属基板、ポリイミドなどの樹脂基板等を用いることができる。この基板1上には第1電極層2が形成され、この第1電極層2上に光吸収層3が形成されている。この光吸収層3上にバッファ層4を介して第2電極層5が形成され、光吸収層3は第1電極層2と第2電極層5により挟持されており、これにより、一対の第1、第2電極層2、5間に光吸収層3を有する薄膜太陽電池が構成されている。
尚、基板1、第1電極層2、光吸収層3、バッファ層4、第2電極層5を順次積層した例について説明したが、本発明では、一対の第1、第2電極層2、5間に光吸収層3を有する限り、上記層の間に種々の中間層を形成しても良い。また、本発明は基板1を有しないタイプ、言い換えれば、第1電極層2が基板として機能するタイプであっても良い。
化合物半導体からなる光吸収層3としては、高いエネルギー変換効率が得られるものとして、カルコパイライト構造からなる化合物半導体である、CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Se、CuInS、CuGaS、Cu(In,Ga)Sが用いられている。
本発明の薄膜太陽電池の製法について説明する。先ず、例えば、ソーダライムガラスからなる基板1を準備する。この基板1に第1電極層2を形成する。この第1電極層2は、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、ポリシリコン(SiO)、メタルシリサイド、またはアルミニウム(Al)等のうちいずれかの電極材料を用いることが望ましい。第1電極層2は、蒸着法、スパッタリング法、塗布法などで形成することができる。
次に、第1電極層2上に光吸収層3を形成する。先ず、光吸収層3を形成するための光吸収層溶液を作製する。この光吸収層溶液は、Cu、In、Ga、およびSeを含有する単一前駆体が溶解した溶液である。この単一前駆体は、第1錯イオン溶液作製工程で得られた第1錯イオンと、第2錯イオン溶液作製工程で得られた第2錯イオンとを反応させて作製することができる。
(第1錯イオン溶液作製工程)
まず、P(Cなどのルイス塩基Lと、Cu(CHCN)・PFなどのCuの有機金属塩とをアセトニトリルなどの有機溶媒中で反応させて{P(CCu(CHCN) のような形の第1錯イオンが存在する第1錯イオン溶液を作製する(第1錯イオン溶液作製工程)。
ここで、Cuの有機金属塩としては、CuCl、CuCl、CuBr、CuIなどのハロゲン化物を用いても良く、ルイス塩基Lとしては、NもしくはAsを含んだもの、例えば、As(CやN(Cであっても良い。また、ルイス塩基LとCuの有機金属塩とを溶解する有機溶媒としては、アセトニトリルの他に、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどを用いることができる。
第1錯イオン溶液は、ルイス塩基LとCuの有機金属塩とを、モル比(Cu/L)が1/3以下となるように配合し、これらのルイス塩基LとCuの有機金属塩とを混合して、この混合物を有機溶媒中に溶解させることが望ましい。特に、反応収率を向上させるという点から、モル比(Cu/L)は0.1以上であることが望ましい。
(第2錯イオン溶液作製工程)
SまたはSeを含む有機化合物とInまたはGaのハロゲン化物とを含む第2錯イオンを作製する。
例えば、NaOCHと有機セレン化合物または有機イオウ化合物とが反応した有機化合物と、InClまたはGaClとをメタノールからなる溶媒中で反応させて、In{SeR} またはGa{SeR} のような形の第2錯イオンを形成する。ここで、Rはアクリル、アリル、アルキル、ビニル、パーフルオロ、カルバメートから選ばれる一種である。
有機セレン化合物としては、例えば、HSeCなどが、有機イオウ化合物としては、HSCなどが用いられる。また、メタノールの代わりに、エタノールやプロパノール等の溶媒を用いることができる。尚、第1錯イオンの作製と第2錯イオンの作製の順序はどちらが先でも構わない。
(単一前駆体作製工程)
次に、第1錯イオンと第2錯イオンとを反応させて、Cuと、SまたはSeと、InまたはGaと、ルイス塩基Lとを含む単一前駆体を作製する。すなわち、Cuを含む第1錯イオン溶液と、InまたはGaと、Seとを含む第2錯イオン溶液とを混合して、第1錯イオンと第2錯イオンとを反応させることにより、CuとSまたはSeとInまたはGaとルイス塩基Lとを含む沈殿物と、この沈殿物の上方の溶液とに分離し、溶液部分を排出し、乾燥することにより、単一前駆体を作製できる。
第1錯イオンと第2錯イオンとを反応させる時の温度は0〜30℃が望ましく、反応時間は1〜5時間が望ましい。反応して沈殿した部分は、NaやClなどの不純物を取り除くために、遠心分離もしくは濾過などの手法を用いて洗浄することが望ましい。
(光吸収塗布膜形成工程)
単一前駆体が有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を、第1電極層上に塗布して光吸収塗布膜を形成する。
すなわち、上記単一前駆体をトルエン、ピリジン、キシレン、アセトンなどの有機溶媒に溶解することにより、光吸収層溶液を作製する。そして、この光吸収層溶液を、上記した基板1の第1電極2上に塗布することにより光吸収塗布膜を形成する。
第1電極層2上への光吸収層溶液の塗布は、スピンコータ、スクリーン印刷、ディッピング、スプレー、ダイコータなどを用いることが望ましい。光吸収塗布膜は、乾燥させる。乾燥は、酸素濃度が20〜150ppmの不活性雰囲気下で行うことが望ましい。特には、窒素雰囲気が望ましい。乾燥時の温度は100〜150℃で5〜20分保持することが望ましい。尚、光吸収層溶液の塗布、乾燥を複数回繰り返して、乾燥後の光吸収塗布膜を形成しても良い。
(熱分解工程)
乾燥工程に連続して、光吸収塗布膜を酸素濃度が20〜150ppmの不活性ガス雰囲気中で熱処理する。これにより単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解し、有機成分を除去する。
すなわち、一般に、光吸収塗布膜を窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気中(酸素濃度は10ppm程度)で200〜500℃で熱処理し、単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解し、有機成分を除去させるが、本発明では、このような熱分解工程における不活性ガス雰囲気中の酸素濃度を20〜150ppmに制御する。
このように、熱分解工程における不活性ガス雰囲気中の酸素濃度を20〜150ppmとしたのは、不活性ガス雰囲気中の酸素濃度が20ppmよりも低いと光吸収層と第1電極層との接合強度を向上できず、一方、酸素濃度が150ppmよりも高いと、著しく光吸収層の酸化が進んでSe組成が変動し、発電効率を落としてしまうからである。特には、酸素濃度は、50〜100ppmであることが望ましい。
単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解する温度は、200〜500℃の範囲であり、特に熱分解が進行する温度で酸素濃度を20〜150ppmとすることが望ましい。この200〜500℃で2〜30分程度保持し、室温まで自然冷却する。
(光吸収層形成工程)
そして、室温から熱分解工程の加熱温度よりも高い温度まで昇温し、熱処理することにより、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む光吸収層を形成する。この光吸収層3の厚みは、例えば、1.0〜2.5μmとされている。
熱処理は、還元雰囲気下で行うことが望ましい。特には、窒素雰囲気、フォーミングガス雰囲気および水素雰囲気のうちいずれかであることが望ましい。このような還元雰囲気での酸素濃度は、光吸収層における粒子の粒成長を促進するという点から、1ppm以下であることが望ましい。
熱処理時の還元雰囲気は、吸湿剤を通して水分除去した還元雰囲気であることが望ましい。吸収剤は、水を除去できるものであれば特に制限はないが、モレキュラーシーブ(商品名)などが好適に用いられる。焼成温度は、例えば、500℃〜600℃とされている。
光吸収層3の形成後に、表面のCuSeなどからなる高抵抗層をKCN水溶液でエッチングし、除去することが望ましい。
(バッファ層、第2電極層形成工程)
この後、光吸収層3の上にヘテロ接合のためのn型のバッファ層4を形成する。バンドギャップが小さくて、短波長側の光を透過しにくい、CdS、ZnS、ZnSe、ZnMgO、ZnS/ZnMgO、ZnO、InS、InSe、In(OH)、ZnInSe、ZnInS、ZnSSe、CuI、Mg(OH)などの材料が用いられる。これらは、浸漬塗布法、CBD法(溶液成長法)等により光吸収層まで形成した基板を水溶液に浸して微粒子を堆積させるようにして形成することができる。
次に、バッファ層4上にITOまたはZnOからなる透明の第2電極層5を形成する。スパッタ、スプレー、コーティングにより、形成することができる。バッファ層4の厚みは、例えば、10〜200nmとされ、第2電極層5の厚みは、例えば、0.5〜3.0μmとされている。
本発明の薄膜太陽電池の製法では、単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解する熱分解工程の酸素濃度を20〜150ppmにすることにより、熱分解工程の不活性ガス雰囲気中の酸素濃度を20〜150ppmにすることにより、光吸収層と第1電極層との界面に酸素が入り、酸素を介して光吸収層と第一電極層が化学結合するため、光吸収層と第1電極層との密着性が向上し、接合強度を向上できるとともに、不活性ガス雰囲気中の酸素量が微量であるため、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む化合物が酸化することがなく、Seの酸化が抑制され、Se不足が発生することもない。
また、光吸収層溶液の原料となる単一前駆体を製造する際に、CHClのような毒性物質を用いた抽出工程を経ることなく、ほぼ純粋な単一前駆体を得ることができ、Cu/In/Ga/Seのような組成比を制御することが可能となる。
すなわち、ルイス塩基LとCuの有機金属塩を有機溶媒中に溶解させ、Cuとルイス塩基Lとを含む第1錯イオンが存在する溶液を作製する際に、ルイス塩基LとCuの有機塩とを、モル比(Cu/L)が1/3以下となるように配合し、通常よりもルイス塩基Lを多く配合して有機溶媒中に溶解させることにより、CuとSeとの化合物のような副生成物の生成を抑制し、{P(CCu(CHCN) のような第1錯イオンを容易にかつ大量に作製することができ、これによりInまたはGaの錯イオン化を抑制し、CuとSまたはSeとInまたはGaとルイス塩基Lとを含む錯イオンの生成を促進でき、単一前駆体中におけるCuと(In+Ga)の比を1:1に近づける組成制御を行うことができる。
従って、第1錯イオンと第2錯イオンとを反応させて沈殿させ、該沈殿物を乾燥させ、単一前駆体を作製し、この単一前駆体を有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を熱分解・焼成して光吸収層を形成すると、CuSeのような導電率の低い化合物の生成を抑制して、Cu(In,Ga)Seの生成を促進でき、エネルギー変換効率を向上できる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の薄膜太陽電池の製法を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
銅の有機金属塩としてCu(CHCN)・PFを1mmol、ルイス塩基LとしてP(Cを10mmol、3mmol、および2mmolを、それぞれ10mlのアセトニトリルに溶解し、Cu(CHCN)・PF/P(Cのモル比(Cu/L)が、表1に示すように、1/10、1/3、1/2の溶液を準備した。これらの溶液が均一に溶解したのを確認した後、マグネチックスターラーにて室温で5時間攪拌させ、第1錯イオンを含有する第1錯イオン溶液を作製した(第1錯イオン溶液作製工程)。
一方、NaOCHを4mmol、HSeCを4mmolを30mlのメタノールに溶解させた後、InClおよび/またはGaClを合計1mmolになるように溶解させた。完全に溶解したのを確認した後、マグネチックスターラーにて室温で5時間攪拌させ、第2錯イオンを含有する第2錯イオン溶液を作製した(第2錯イオン溶液作製工程)。表1に、Cu、Se、In、Gaの仕込組成を記載した。
次に、第1錯イオン溶液に第2錯イオン溶液を1分間に10mlの速度で滴下した。これにより、滴下中に白い析出物が生成することが確認された。滴下終了後、マグネチックスターラーにて室温で1時間攪拌させたところ、析出物が沈殿していた。
この析出物のみを取り出すために、遠心分離機にて溶媒を分離し、メタノール50mlに分散させて遠心分離をかけるという操作を2回繰り返した。
析出物を真空中において室温で乾燥させて溶媒を取り除いて、単一前駆体を作製した。
単一前駆体の組成分析を発光分光分析(ICP)で行い、表1中に記載した。
この単一前駆体にピリジンを添加して単一前駆体が全量中50質量%の光吸収層溶液を作製した。この光吸収層溶液をドクターブレード法にて、ソーダライムガラス基板のMoからなる第1電極層上に薄膜形成した。薄膜は、グローブボックス内で、キャリアガスとして窒素ガスを用いて光吸収層溶液を塗布し、第1電極層への塗布を行い、光吸収塗布膜を形成した(光吸収塗布膜形成工程)。
光吸収塗布膜形成後、ソーダライムガラス基板を、酸素濃度100ppmの窒素雰囲気においてホットプレートで110℃に加熱しながら、5分間乾燥させた。
乾燥後、連続して(酸素濃度100ppmの窒素雰囲気)、200〜400℃まで90℃/minの昇温速度で昇温し、400℃で5分保持を行い、単一前駆体を熱分解した後自然冷却した(熱分解工程)。その後焼成工程として、水素雰囲気中(酸素濃度1ppm以下)にて室温から530℃まで250℃/hrの昇温速度で昇温し530℃で1時間保持を行った後、自然冷却し、厚み1.5μmの化合物半導体薄膜からなる光吸収層を形成した(光吸収層形成工程)。
この後、光吸収層と第1電極層との密着性(接合強度)をSAICAS法にて評価した。すなわち、刃幅0.3mmのバイトを光吸収層上に刃先を接触させ、垂直速度25nm/sec、250nm/secにてこのバイトに荷重をかけて引っかき、膜が剥離する荷重を接合強度とし、表2に記載した。
この後、酢酸カドミウム、チオ尿素をアンモニアに溶解し、これに基板を浸漬し、化合物半導体薄膜上に厚み0.05μmのCdSからなるバッファ層を形成した。さらに、バッファ層の上に、スパッタリング法にてAlドープ酸化亜鉛膜(第2電極層)を形成した。最後に蒸着にてアルミ電極(取出電極)を形成して、薄膜太陽電池セルを作製した。
また、本発明者等は、乾燥工程と熱分解工程の酸素濃度を1、20、50、150、300ppmに変更する以外は、上記と同様にして薄膜太陽電池を作製した場合について、接合強度を評価し、表2中に記載した。
Figure 2010129640
Figure 2010129640
表1、2から、熱分解工程において、窒素からなる不活性ガスの酸素濃度が20〜150ppmである本発明の試料では、光吸収層と第1電極層との接合強度が高いことがわかる。一方、熱分解工程の窒素からなる不活性ガスの酸素濃度が1ppmである比較例の試料No.13では、光吸収層と第1電極層との接合強度が低いことがわかる。また、不活性ガスの酸素濃度が300ppmである比較例の試料No.14では、光吸収層が酸化され、光吸収層中のSeが1.55モルとなり、エネルギー変換効率が低いことがわかる。
また、第1錯イオン作製工程で、Cu(CHCN)・PF/P(Cのモル比(Cu/L)が1/3以下の場合には、仕込組成に近い組成の単一前駆体が得られており、熱処理後においても、Cu(In,Ga)Seの生成を促進することができ、エネルギー変換効率を向上できることがわかる。
薄膜太陽電池の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・基板
2・・・第1電極層
3・・・光吸収層
4・・・バッファ層
5・・・第2電極層

Claims (1)

  1. 第1電極層と第2電極層との間に光吸収層を有する薄膜太陽電池の製法であって、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む単一前駆体が有機溶媒に溶解した光吸収層溶液を、前記第1電極層上に塗布して光吸収塗布膜を形成する光吸収塗布膜形成工程と、前記光吸収塗布膜を酸素濃度が20〜150ppmの不活性ガス雰囲気中で熱処理することにより前記単一前駆体を有機成分と金属成分に熱分解し、前記有機成分を除去する熱分解工程と、前記金属成分を前記熱分解工程の熱処理温度よりも高い温度で熱処理することにより、CuとSおよびSeのうち少なくとも1種とInおよびGaのうち少なくとも1種とを含む光吸収層を前記第1電極層上に形成する光吸収層形成工程と、前記光吸収層上に前記第2電極層を形成する第2電極層形成工程とを具備することを特徴とする薄膜太陽電池の製法。
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