JP2010126714A - 難燃性に優れ、異物の少ないポリカーボネート樹脂フィルム - Google Patents

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Abstract

【構成】ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)0.005〜1重量部およびシリコーン系難燃剤(C)0〜4重量部からなる樹脂組成物を成形してなるフィルムであって、前記樹脂組成物中のパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)に含まれる鉄が60ppm以下であることを特徴とする、異物の少ない難燃性フィルム。
【効果】本発明の難燃性に優れ、異物の少ないポリカーボネート樹脂フィルムは、塩素、臭素もしくはリン系の難燃剤を使用することなく高い難燃性を有し、かつ黒点と呼ばれる異物が低減される。そのため、外観や環境対応型の難燃性能が要求される用途に極めて好適であり、工業的利用価値が高い材料である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂フィルムに関する。さらに詳しくは、ポリカーボネート樹脂に特定のパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩および所望によってはシリコーン系難燃剤を配合してなる難燃性に優れ、異物の少ないポリカーボネート樹脂フィルムに関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、ITE、機械、自動車などの分野で広く用いられている。ポリカーボネート樹脂は、自己消火性を備えた難燃性の高いプラスチック材料ではあるが、電機・電子・ITE分野では、難燃化の要望が強く、さらに安全上の要求を満たすため、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価において、UL94VTM−0やVTM−1相当の一層高い難燃性を有する材料が求められている。
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与させる手法として、パーフルオロアルカンスルホン酸カリウムを添加する方法(特許文献1)が提案されてきた。
特公昭47−40445号公報
一方、ポリカーボネート樹脂製のフィルムの用途においては、その厚みが100〜450μmという極めて薄い形状となるため難燃性能が低下する傾向にあり、より一層優れた難燃性を有する材料が求められていた。
難燃性を向上させるためパーフルオロアルカンスルホン酸カリウムをポリカーボネート樹脂に配合させた場合、その難燃性は向上するものの、これから成形して得られたフィルムにおいて黒点と呼ばれる異物が発生し、フィルムの商品価値が低下するという問題点があった。また、当該フィルムの用途によっては、さらに優れた難燃性能が求められ、かつ塩素、臭素もしくはリン系の難燃剤を用いない環境対応型の難燃性フィルムが嘱望されていた。
本発明者は、かかる課題に鑑み鋭意研究を行った結果、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩中の鉄含有量と前記黒点発生との間に相関関係があることを見出すと共に、さらにシリコーン系難燃剤を配合することで難燃性能を著しく向上させることも見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)0.005〜1重量部およびシリコーン系難燃剤(C)0〜4重量部からなる樹脂組成物を成形してなるフィルムであって、前記樹脂組成物中のパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)に含まれる鉄が60ppm以下であることを特徴とする、異物の少ない難燃性フィルムを提供するものである。
本発明の難燃性に優れ、異物の少ないポリカーボネート樹脂フィルムは、塩素、臭素もしくはリン系の難燃剤を使用することなく高い難燃性を有し、かつ黒点と呼ばれる異物が低減される。そのため、外観や環境対応型の難燃性能が要求される用途に極めて好適であり、工業的利用価値が高い材料である。
本発明において使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。
3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用されるパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)としては、パーフルオロブタンスルホン酸の金属塩、パーフルオロブタンジスルホン酸の金属塩等が挙げられる。金属の種類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。とりわけ、パーフルオロブタンスルホン酸のカリウム塩が好適に使用できる。
本発明においては、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)中の鉄含有量が60ppm以下であることを要件とする。鉄含有量が60ppmを超えると得られたフィルムに黒点と呼ばれる異物の発生が多くなることから、外観不良を起こすので好ましくない。更に、好ましくは鉄含有量として40ppm以下である。
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)の鉄含有量を60ppm以下にする方法としては、ポリカーボネート樹脂組成物を製造するに際し使用される押出機に該金属塩(B)を投入するための原料供給フィーダーの出口付近、あるいは押出機までの供給ライン等にメタルセパレーターを設置し、該金属塩(B)中の鉄を除去する方法が挙げられる。メタルセパレーターの磁力としては、好ましくは5000ガウス以上、さらに好ましくは9000ガウス以上である。
またその他の方法としては、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)を、ベルト式、ドラム式あるいはロータリー式などのメタルセパレーターを用いて鉄を除去した後、前記押出機の原料供給フィーダーへ投入することも可能である。
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)中の鉄含有量の測定方法としては、あらかじめ濃度既知の鉄を濃塩酸に溶解し、純水、アセテート/アンモニア溶液およびFerrozine試薬を加え、該溶液を、紫外・可視分光光度計を用いて波長測定を行い、鉄濃度に対する566nmの吸収値を求め、検量線を作成する。次いで、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)を純水に溶解し、濃塩酸、アセテート/アンモニア溶液およびFerrozine試薬を加え、該溶液を、紫外・可視分光光度計を用いて波長測定を行い、得られた吸収値と検量線を比較することにより求められる。
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜1重量部である。0.005重量部未満では難燃性が低下するので好ましくない。また、1重量部を超えると、異物が増加することからフィルムの表面外観が悪化するので好ましくない。好ましくは0.02〜0.7重量部、より好ましくは0.04〜0.5重量部である。
本発明にて使用されるシリコーン系難燃剤(C)は、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなり、下記一般式(1)にて示される。
一般式(1)
Figure 2010126714
ここで、R1、R2およびR3は主鎖の有機官能基を、Xは末端の官能基を表わす。
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1.5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(C)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
シリコーン系難燃剤(C)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
シリコーン系難燃剤(C)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜500000であり、更に好ましくは5000〜270000である。3000未満であるとシリコーン系難燃剤(C)自体の耐熱性が低下して十分な難燃性効果が得られず、さらに溶融粘度が低すぎて成形体表面にシリコーン系難燃剤(C)がブリードアウトして外観を損ねる場合があり、一方、500000を超えると溶融粘度が増加してポリカーボネート樹脂中の均一な分散ができず、難燃性および成形性が低下するため好ましくない。さらに好ましくは10000〜270000である。この範囲では溶融粘度が最適となるため、一層良好な難燃性と成形性を達成することができる。
シリコーン系難燃剤(C)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0〜4重量部である。配合量が4重量部を超えると充分な難燃効果が得られないので好ましくない。より好ましくは0.1〜1重量部の範囲である。
本発明の各種配合成分(A)および(B)、さらに所望によっては(C)の配合方法および溶融混練方法には特に制限はなく、任意の混合機、例えばタンブラー、リボンブレンダー、高速ミキサー等によりこれらを混合し、通常の一軸または二軸押出機等で溶融混練することができる。また、これら配合成分の配合順序や一括混合、分割混合を採用することについても特に制限はない。
また、混合時、必要に応じて他の公知の添加剤、例えば離型剤、紫外線吸収剤、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、リン系熱安定剤、染顔料、展着剤(エポキシ化大豆油、流動パラフィン等)等を配合することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂フィルムの製造方法としては、特に制限はなく、公知のTダイ押出成形法、カレンダー成形法等が用いられる。Tダイ押出成形法の場合、シリンダーやTダイの設定温度は250〜300℃の範囲が好ましい。
また、当該ポリカーボネート樹脂フィルムの厚みは100〜450μmである。厚み100μm未満のフィルムでは難燃性が著しく低下する場合がある。また、厚み450μmを超えるフィルムの場合には切削や折り曲げ加工等の二次加工において不具合が生じる場合がある。より好ましくは、150〜350μmの範囲である。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。なお、部や%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
使用した配合成分の詳細は、以下のとおりである。
直鎖状ポリカーボネート樹脂:
住友ダウ社製 カリバー200−3(粘度平均分子量:28000)
(以下、PC−1と略記)
分岐状ポリカーボネート樹脂:
ダウ・ケミカル社製 カリバー600−3(粘度平均分子量:24000)
(以下、PC−2と略記)
パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩:
MPI社製のパーフルオロブタンスルホン酸カリウム(商品名:PPBS、以下、金属塩−Aと略記)1gを3N塩酸5mlに溶解し、純水、アンモニア/アセテート溶液およびFerrozine試薬をそれぞれ、5ml、4ml、1ml加え、紫外・可視分光光度計(島津製作所製UV−2200A)を用いて566nmの吸収波長を測定した。該566nmの吸収波長と、既知濃度において作成した検量線との比較から鉄含有量を求めた。その結果、金属塩−A中の鉄含有量は167ppmであった。
次いで、金属塩−A 100gを日本エリーズマグネティック社製メタルセパレーターに投入して鉄成分の除去を行なった。前記の鉄含有量の測定方法に基づき鉄含有量を測定したところ、24ppmであった(以下、金属塩−Bと略記)。
また、金属塩−Aおよび金属塩−Bを任意の割合で乾式混合し、鉄含有量を変化させた金属塩−C〜Fを作成した。これら金属塩の鉄含有量を前記測定方法に従い測定したところ、以下のとおりであった。
金属塩−C:90ppm
金属塩−D:59ppm
金属塩−E:40ppm
金属塩−F:30ppm
シリコーン系難燃剤(以下Si難燃剤と略記):
シリコーン系難燃剤は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン系難燃剤の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率:40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*):60モル%
・末端基:メチル基のみ
・重量平均分子量(**):15000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
(黒点異物の評価)
表2〜表4に示す配合成分および配合比率に基づき得られた各種樹脂組成物のペレットをTダイ押出機(田辺プラスチック製単軸40mm押出機)で、溶融温度280℃の条件下にてフィルム(幅300mm、長さ200mm、厚み0.25mm)を作成した。得られたフィルムの黒点異物数を異物検査機(大塚Manufacturing社製モデルS.K.K−CL)にて目視でカウントした。尚、黒点異物数は5枚の外観評価用フィルムの平均値(小数点は四捨五入)とし、以下の基準に従い黒点異物の評価を行い、○および△を合格とした。結果を表2〜表4に示す。
平均黒点異物数:10点以下(○)
平均黒点異物数:11点以上15点以下(△)
平均黒点異物数:16点以上(×)
(難燃性評価)
得られた各種樹脂組成物のペレットをTダイ押出機(田辺プラスチック製単軸40mm押出機)で、溶融温度280℃の条件下にてフィルム(幅300mm、厚み0.25mm)を作成した。得られた試験片を用いて温度23℃、湿度50%の恒温室の中で72時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行い、VTM−0またはVTM−1を合格とした。結果を表2〜表4に示す。なお、UL94の難燃性クラスは表1のとおり。
Figure 2010126714
残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が、有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。
(外観評価)
作成したフィルムの外観を目視にて判定した。判定基準は以下のとおりである
良好:◎・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークの無いフィルム
普通:○・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークがほんの少しあるフィルム
劣る:×・・・・表面に発泡、ダイライン、筋状のマークが劣るフィルム
普通から良好を合格とした。
Figure 2010126714
Figure 2010126714
Figure 2010126714
樹脂組成物が本発明の構成要件を満足する場合(実施例1〜12)にあっては、全ての評価項目にわたり良好な結果を示した。
一方、樹脂組成物が本発明の構成要件を満足しない場合においては、いずれの場合も何らかの欠点を有していた。
比較例1、2および5は、金属塩(B)の鉄含有量が本発明の定める範囲よりも多い場合であり、平均黒点異物数およびフィルムの表面外観に劣っていた。
比較例3は、金属塩(B)の配合比率が本発明の定める範囲よりも少ない場合であり、難燃性に劣っていた。
比較例4は、金属塩(B)の配合比率が本発明の定める範囲よりも多い場合であり、フィルムの表面外観に劣っていた。
比較例6は、シリコーン系難燃剤(C)の配合比率が本発明の範囲よりも多い場合であり、難燃性に劣っていた。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100重量部、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)0.005〜1重量部およびシリコーン系難燃剤(C)0〜4重量部からなる樹脂組成物を成形してなるフィルムであって、前記樹脂組成物中のパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)に含まれる鉄が60ppm以下であることを特徴とする、異物の少ない難燃性フィルム。
  2. パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)中に含まれる鉄が、40ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性フィルム。
  3. パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩(B)が、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の難燃性フィルム。
  4. シリコーン系難燃剤(C)が、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)からなる化合物である請求項1記載の難燃性フィルム。
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