JP2010125939A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】グローン音を低減すること。
【解決手段】ディスクブレーキ装置100は、ブレーキパッド191がディスクロータ110を両側から押し付けられる対向側のディスクブレーキ装置である。回転するディスクロータ110が溝部190に進入する側である入り口側に配置される第1ピストン141及び、ディスクロータ110の回転方向で入り口側の反対側である出口側に配置される第4ピストン144は、第1ピストン141及び第4ピストン144以外の各ピストンがブレーキパッド191をディスクロータ110に押圧する力よりも小さい力でブレーキパッド191をディスクロータ110に押圧する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、ディスクブレーキ装置に関する。
一般的なディスクブレーキ装置として、ディスクロータの両側に配置されて、ディスクロータを両側からブレーキパッドを介して挟みこむ複数のピストンを備える対向型のディスクブレーキ装置がある。ここで、ディスクブレーキ装置は、例えば、ブレーキの開始時に摩擦音が生じることがある。
例えば、特許文献1には、ディスクロータの回転方向の出口側で先にピストンを駆動し、その後にディスクロータの回転方向の入り口側でピストンを駆動することによって、前記摩擦音を低減する技術が開示されている。
特開2007−296982号公報
ここで、前記摩擦音には、「キー」という「ブレーキ鳴き」以外に、車両の速度が例えば時速1km以下で生じる「グー」というグローン音がある。特許文献1の技術は、「ブレーキ鳴き」を低減できても、前記グローン音を十分に低減できない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、グローン音を低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るディスクブレーキ装置は、回転するディスクロータが通過する溝部が形成されると共に、前記ディスクロータと対向するようにブレーキパッドを保持するキャリパーと、前記溝部から離れた位置に設けられて、前記キャリパーを支持する支持部と、前記溝部を境に前記支持部が設けられる側である支持部側に複数設けられて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する内側押圧手段と、前記溝部を境に前記支持部側とは反対側の反支持部側に複数設けられて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する外側押圧手段と、を含んで構成され、回転する前記ディスクロータが前記溝部に進入する側である入り口側に配置される前記内側押圧手段及び、前記ディスクロータの回転方向で前記入り口側の反対側である出口側に配置される前記外側押圧手段は、前記入り口側の前記内側押圧手段及び前記出口側の前記外側押圧手段以外の前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力よりも小さい力で前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧可能であることを特徴とする。
実際は、ディスクロータが所定の周速度以下で回転する際、ディスクロータは停止と回転とを繰り返して回転する。ブレーキパッドには、静摩擦係数と動摩擦係数との間に差があり、同じ力でブレーキパッドをディスクロータに押圧していても、ディスクロータが所定の周速度以下で回転する際は、ディスクロータが停止と回転とを繰り返すため、ディスクロータとブレーキパッドとの間の摩擦力が変動する。これにより、ディスクブレーキ装置は、グローン音が生じる。
なお、ディスクロータが停止と回転とを繰り返して回転する場合以外にも、ディスクロータとブレーキパッドとの間の摩擦力が変動する場合がある。例えば、サスペンションのブッシュでディスクブレーキ装置が振動すると、ディスクロータが回転していてもブレーキパッドとディスクロータとの相対速度が0になることがある。
この場合も、同じ力でブレーキパッドをディスクロータに押圧していても、静摩擦係数と動摩擦係数との間に差によってディスクロータとブレーキパッドとの間の摩擦力が変動する。これにより、ディスクブレーキ装置は、グローン音が生じる。
さらに、ブレーキパッドがディスクロータに押圧されると、キャリパーがディスクロータの回転力によって支持部を中心にたわむ。具体的には、キャリパーは、入り口側の内側押圧手段が設けられる部分及び出口側の外側押圧手段が設けられる部分が、ディスクロータに近づく方向にたわむ。これにより、ディスクブレーキ装置は、ブレーキパッドとディスクロータとの間の摩擦力が局所的に増加して、さらにグローン音が生じやすくなる。
しかしながら、本発明のディスクブレーキ装置は、上記構成により、入り口側の内側押圧手段及び出口側の外側押圧手段が、グローン音が生じる際に入り口側の内側押圧手段及び出口側の外側押圧手段以外の内側押圧手段及び外側押圧手段がブレーキパッドをディスクロータに押圧する力よりも小さい力で、ブレーキパッドをディスクロータに押圧できる。よって、ディスクブレーキ装置は、ブレーキパッドとディスクロータとの間の摩擦力が局所的に増加することを抑制できる。結果として、ディスクブレーキ装置は、グローン音を低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記入り口側の内側押圧手段及び前記出口側の外側押圧手段は、所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている際に、前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力が、前記入り口側の前記内側押圧手段及び前記出口側の前記外側押圧手段以外の前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力よりも小さくなることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている際に、前記入り口側の内側押圧手段及び前記出口側の外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力は0であることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記入り口側の前記内側押圧手段及び前記出口側の前記外側押圧手段以外の前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段は、前記所定の周速度よりも速い速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合よりも、前記所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合の方が、より大きな力で前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧することが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する全体の力は、前記所定の周速度よりも速い速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合と、前記所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合とで同じであることが望ましい。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、グローン音を低減できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
(実施形態1)
図1は、シリンダーの中心軸を含む面でキャリパー及びディスクロータを切って示す断面図である。本実施形では、図1に示すディスクブレーキ装置100は、車両に搭載されるものとして説明する。図1に示すように、ディスクブレーキ装置100は、ディスクロータ110と、キャリパー120とを含んで構成される。
ディスクロータ110は、円形に形成された板状の部材である。ディスクロータ110は、回転体である車両の車軸に連結されて、前記回転体と共にディスクロータ110の面に直交する回転軸CLを軸に回転する。キャリパー120は、ディスクロータ110の両面を挟み込むように配置される。キャリパー120は、回転軸CLを軸に回転しないように、例えば、車両のフレームに固定される。つまり、キャリパー120は、ディスクロータ110に対して動かないようにフレームに固定される。
本実施形態のキャリパー120は、例えば、ディスクロータ110の両側にそれぞれ2つのピストンが配置されるいわゆる対向4ポット型のキャリパーである。
キャリパー120は、溝部190と、支持部SPと、第1シリンダー131と、第2シリンダー132と、第3シリンダー133と、第4シリンダー134とが形成される。
溝部190は、ディスクロータ110の一部が挿入される溝である。溝部190は、ディスクロータ110に沿って形成される。溝部190は、溝部190の壁面のうちの一方側がディスクロータ110の一方の面に対向し、溝部190の壁面のうちの他方側がディスクロータ110の他方の面に対向するように形成される。
支持部SPは、キャリパー120を支持する部分である。具体的には、キャリパー120は、支持部SPにボルトが挿入されて、前記ボルトがフレーム側で締め付けられることによってフレームに取り付けられる。なお、支持部SPは、例えば、ディスクロータ110の径方向に前記ボルトが挿入される。
支持部SPは、溝部190よりも車両側に配置される。以下の説明では、溝部190を境に支持部SPが配置される支持部側を内側といい、溝部190を境に内側とは反対側の反支持部側を外側という。
また、キャリパー120から見て車両が前進する際にディスクロータ110が溝部190に進入してくる側を入り口側といい、キャリパー120から見て車両が前進する際にディスクロータ110が溝部190から出て行く側を出口側という。出口側は、ディスクロータ110の回転方向で入り口側の反対側に位置する。
第1シリンダー131と、第2シリンダー132と、第3シリンダー133と、第4シリンダー134とは、設けられる場所が異なるが、すべて同様の形状に形成される。上記の各シリンダーは、一方が溝部190に開口し、他方がキャリパー120の内部で閉塞する穴に形成される。
各シリンダーは、例えば、円柱状の穴に形成される。各シリンダーの各中心軸SLは、溝部190内のディスクロータ110に対して、例えば、直交するように形成される。なお、ここでいう中心軸SLとは、各シリンダーをディスクロータ110と平行な面で無数に切った各断面の図芯をつないだ仮想の線である。
第1シリンダー131は、内側かつ入り口側に形成される。第2シリンダー132は、内側かつ出口側に形成される。第3シリンダー133は、外側かつ入り口側に形成される。第4シリンダー134は、外側かつ出口側に形成される。
キャリパー120は、各シリンダーが上記のように配置されることにより、第1シリンダー131と第3シリンダー133とが、溝部190を挟んで対角し、第2シリンダー132と第4シリンダー134とが、溝部190を挟んで対角する。なお、ここでの対角とは、キャリパー120を各シリンダーの中心軸を含む面で切った断面が四角形であると仮定した場合の対角のことである。
キャリパー120は、内側押圧手段としての第1ピストン141と、内側押圧手段としての第2ピストン142と、外側押圧手段としての第3ピストン143と、外側押圧手段としての第4ピストン144とを有する。上記の各ピストンは、各シリンダーの形状にあわせた形状に形成される。本実施形態では、各ピストンは、例えば、円柱状に形成される。各ピストンは、一方の端面が溝部190側に配置され、他方の端面が各シリンダーの閉塞側に配置される。
第1ピストン141は、第1シリンダー131の内部に中心軸SL方向に移動できるように支持される。第2ピストン142は、第2シリンダー132の内部に中心軸SL方向に移動できるように支持される。第3ピストン143は、第3シリンダー133の内部に中心軸SL方向に移動できるように支持される。第4ピストン144は、第4シリンダー134の内部に中心軸SL方向に移動できるように支持される。
ここで、第1ピストン141の端部の端面であって溝部190とは反対側の端面と、第1シリンダー131とで囲まれる空間を第1油圧室151とする。第2ピストン142の端面であって溝部190とは反対側の端面と、第2シリンダー132とで囲まれる空間を第2油圧室152とする。第3ピストン143の端面であって190とは反対側の端面と、第3シリンダー133とで囲まれる空間を第3油圧室153とする。第4ピストン144の端面であって190とは反対側の端面と、第4シリンダー134とで囲まれる空間を第4油圧室154とする。
キャリパー120は、第1フルード供給孔161と、第2フルード供給孔162と、第3フルード供給孔163と、第4フルード供給孔164とが形成される。第1フルード供給孔161は、一方の端部が第1油圧室151に開口し、他方の端部がキャリパー120の外部に開口する。キャリパー120は、第1フルード供給孔161を介して第1油圧室151にブレーキフルードが供給される。第2フルード供給孔162は、一方の端部が第2油圧室152に開口し、他方の端部がキャリパー120の外部に開口する。キャリパー120は、第2フルード供給孔162を介して第2油圧室152にブレーキフルードが供給される。
第3フルード供給孔163は、一方の端部が第3油圧室153に開口し、他方の端部がキャリパー120の外部に開口する。キャリパー120は、第3フルード供給孔163を介して第3油圧室153にブレーキフルードが供給される。第4フルード供給孔164は、一方の端部が第4油圧室154に開口し、他方の端部がキャリパー120の外部に開口する。キャリパー120は、第4フルード供給孔164を介して第4油圧室154にブレーキフルードが供給される。
キャリパー120は、各ピストンと溝部190に配置されるディスクロータ110との間にブレーキパッド191を保持する。ブレーキパッド191は、板状の部材であり、ディスクロータ110と平行に配置される。ブレーキパッド191は、ディスクロータ110の両面にそれぞれ一枚ずつ、合計二枚配置される。
以上が、ディスクブレーキ装置100の基本的な構成である。ディスクブレーキ装置100は、各油圧室にブレーキフルードが供給されると、各ピストンがブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける。これにより、ディスクロータ110は、二枚のブレーキパッド191に両側から挟みこまれる。
よって、ディスクブレーキ装置100は、ディスクロータ110とブレーキパッド191との間に摩擦力が生じる。この摩擦力によって、ディスクロータ110は、回転速度が低減される。結果として、ディスクブレーキ装置100は、ディスクブレーキ装置100を搭載する車両を制動できる。
ここで、従来のディスクブレーキ装置の場合、車両の速度が例えば時速1km以下である場合に車両を制動する際に、グローン音が生じることがある。グローン音は、ブレーキパッドの静摩擦係数と、動摩擦係数との差が大きくなるほど生じやすい。以下にその理由を説明する。
車両が走行中、車軸に連結されるディスクロータは連続して回転するように見える。しかしながら、例えば、車両の速度が時速1km以下の場合、ディスクロータは、実際は回転と停止とを繰り返しながら回転する。よって、車両の速度が例えば時速1km以下の場合に、ブレーキパッドがディスクロータに押し付けられると、ディスクブレーキ装置は、回転と停止とを繰り返すディスクロータにブレーキパッドが押し付けられることになる。
ブレーキパッドの静摩擦係数と動摩擦係数との差が大きくなるほど、ディスクブレーキ装置は、ディスクロータが停止状態から回転し始める際の摩擦力と、ディスクロータが回転する最中の摩擦力との差が大きくなる。このような摩擦力の変化が繰り返されることにより、ディスクブレーキ装置はグローン音が生じる。
以下に、グローン音が生じやすい場合の一例を説明する。例えば、オートマチックトランスミッションを搭載する車両では、停止状態から発進する際に運転者が徐々にブレーキを解除する。この際に、ディスクブレーキ装置は、グローン音が生じやすい。
また、マニュアルトランスミッションを搭載する車両でも、例えば、運転者がブレーキペダルを踏みつつ、車両が下り坂を徐々に下る場合に、ディスクブレーキ装置はグローン音が生じやすい。また、例えば、車両が駐車場や車庫に入れられる際も、ディスクブレーキ装置はグローン音が生じやすい。また、例えば、車両が走行中から停止する直前も、ディスクブレーキ装置グローン音が生じやすい。
なお、車両が走行中から停止する直前に生じるグローン音は、運転者が気づきにくいが、車両が停止状態から徐々に発進する際に生じるグローン音や、車両が下り坂を徐々に下る際に生じるグローン音や、車両が駐車場や車庫に入れられる際に生じるグローン音は、運転者が気づきやすい。
ここで、ピストンがディスクロータを挟んで対向して配置されるキャリパーを備えるディスクブレーキ装置は、特にグローン音が生じやすい。これは、このような、ディスクブレーキ装置は、比較的高い制動力を要求される車両に搭載される傾向にあり、平均的な摩擦係数が比較的大きいブレーキパッドを備える傾向があるためである。
一般的に、ブレーキパッドは、ブレーキパッドの平均的な摩擦係数が大きくなるほど、ブレーキパッドの静摩擦係数と動摩擦係数との差が大きくなる傾向がある。よって、対向4ポット型のキャリパーを含んで構成されるディスクブレーキ装置は、特にグローン音が生じやすい。
そこで、本実施形態のディスクブレーキ装置100は、このようなグローン音を低減するために、グローン音が生じると予想される際に、キャリパー120の特定の油圧室に供給するブレーキフルードの圧力を、他の油圧室に供給するブレーキフルードの圧力よりも小さくする。以下に、グローン音を低減するためのディスクブレーキ装置100の具体的な構成と、グローン音を低減できる原理を説明する。
図2は、ディスクブレーキ装置の全体を示す構成図である。図2に示すように、ディスクブレーキ装置100は、制御装置180と、調圧装置181と、フルード通路170と、オンオフバルブ182とを含んで構成される。
調圧装置181は、キャリパー120の各油圧室に供給するブレーキフルードの圧力を調節する装置である。制御装置180は、調圧装置181と、オンオフバルブ182とを制御する。制御装置180は、例えば、車両の各部を制御する電子制御ユニットに含まれて構成される。
フルード通路170は、第1系統通路171と第2系統通路172とを含んで構成される。第1系統通路171と第2系統通路172とは、調圧装置181に別々に接続される。第1系統通路171は、第1系統第1分岐通路171aと第1系統第2分岐通路171bとを含んで構成される。第1系統第1分岐通路171a及び第1系統第2分岐通路171bは、第1系統通路171から分岐する通路である。
第1系統第1分岐通路171aは、端部が第1フルード供給孔161に接続される。これにより、第1系統第1分岐通路171aを流れるブレーキフルードは、第1フルード供給孔161を介して第1油圧室151に供給される。ブレーキフルードが第1油圧室151に供給されると、ディスクブレーキ装置100は、第1ピストン141が、ブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける。
第1系統第2分岐通路171bは、端部が第4フルード供給孔164に接続される。これにより、第1系統第2分岐通路171bを流れるブレーキフルードは、第4フルード供給孔164を介して第4油圧室154に供給される。ブレーキフルードが第4油圧室154に供給されると、ディスクブレーキ装置100は、第4ピストン144、ブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける。
第2系統通路172は、第2系統第1分岐通路172aと第2系統第2分岐通路172bとを含んで構成される。第2系統第1分岐通路172a及び第2系統第2分岐通路172bは、第2系統通路172から分岐する通路である。
第2系統第1分岐通路172aは、端部が第2フルード供給孔162に接続される。これにより、第2系統第1分岐通路172aを流れるブレーキフルードは、第2フルード供給孔162を介して第2油圧室152に供給される。ブレーキフルードが第2油圧室152に供給されると、ディスクブレーキ装置100は、第2ピストン142が、ブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける。
第2系統第2分岐通路172bは、端部が第3フルード供給孔163に接続される。これにより、第2系統第2分岐通路172bを流れるブレーキフルードは、第3フルード供給孔163を介して第3油圧室153に供給される。ブレーキフルードが第3油圧室153に供給されると、ディスクブレーキ装置100は、第3ピストン143が、ブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける。
オンオフバルブ182は、制御装置180に電気的に接続される。これにより、制御装置180は、オンオフバルブ182を通過するブレーキフルードを遮断できる。オンオフバルブ182は、第1系統通路171が第1系統第1分岐通路171aと第2系統第2分岐通路172bとに分岐するよりも、ブレーキフルードの流れの上流側の第1系統通路171に設けられる。
オンオフバルブ182は、開度が0になった場合に、第1系統第1分岐通路171aに供給するブレーキフルード及び第1系統第2分岐通路171bに供給するブレーキフルードの両方を遮断する。
ここで、オートマチックトランスミッションを搭載する車両の中には、ブレーキホールド機能を有する車両がある。ブレーキホールド機能とは、車両が停止中に運転者がブレーキペダルを踏むことなく自動で車両の停止状態が保持される機能である。このような車両では、車両を発進させる際に運転者がアクセルペダルを踏むと「発進操作あり」という発進信号が電子制御ユニットに入力される。
制御装置180は、前記発進信号を取得できるように構成される。具体的には、上述のように、制御装置180は電子制御ユニットに組み込まれて構成されるため、制御装置180は、アクセルペダル183に設けられるセンサーから電子制御ユニットに入力される発進信号を取得する。
また、制御装置180は、車両の速度Vを取得できるように構成される。具体的には、制御装置180は、例えば、車両の車軸に設けられる車速センサー184と電気的に接続されて、車速センサー184から速度Vを取得する。
次に、グローン音を抑制するために、制御装置180が実行する手順の一例を説明する。
図3は、制御装置が実行する手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、制御装置180は、ステップST101で発進信号が入力されているか否かを判定する。発進信号が入力されている場合(ステップST101、Yes)、制御装置180は、ステップST102で、車速センサー184から取得した速度Vが所定速度α以下であるか否かを判定する。
ここで、所定速度αは、グローン音が生じる車両の速度の範囲の中での上限である。所定速度αは、車両やブレーキパッドの種類などによって変化するため、試験によって算出される。所定速度αは、例えば、時速800mから時速1000mの間の速度である。
なお、正確には、グローン音は、所定の周速度以下で回転するディスクロータ110にブレーキパッド191が押し付けられる際に生じる。しかしながら、ディスクロータ110の回転周速度は、車両の速度と同様に変化する。よって、本実施形態では、ディスクロータ110の回転周速度に替えて、車両の速度が所定速度α以下の際にグローン音が生じるものとして説明する。
速度Vが所定速度α以下である場合(ステップST102、Yes)、制御装置180は、ステップST103で図2に示すオンオフバルブ182を閉弁させる。これにより、ディスクブレーキ装置100は、第1油圧室151及び第3油圧室153へのブレーキフルードの供給が遮断される。第1油圧室151及び第3油圧室153へのブレーキフルードの供給が遮断されると、グローン音は低減される。以下にその原理を説明する。
図1に示すように、各ピストンがブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付けると、キャリパー120は、支持部SPを軸にディスクロータ110の進行方向に回転する力を受ける。これにより、車両が前進する場合、キャリパー120は、第1シリンダー131が形成される部分及び第4シリンダー134が形成される部分がディスクロータ110に近づく方向にたわむ。
これにより、第1ピストン141がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第4ピストン144がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力が、第2ピストン142がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第3ピストン143がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力よりも大きくなる。よって、ディスクブレーキ装置100は、ブレーキパッド191とディスクロータ110との間の摩擦力が局所的に大きくなって、グローン音がより発生しやすくなる。
しかしながら、ディスクブレーキ装置100は、図3に示す手順を制御装置180が実行することによって、グローン音が生じやすい時期、つまり車両が発進しはじめる際であって、速度Vが所定速度α以下でブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられている際に、第1油圧室151及び第4油圧室154に供給するブレーキフルードを遮断する。
よって、ディスクブレーキ装置100は、グローン音が生じやすい場合に、第1ピストン141がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第4ピストン144がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力が、第2ピストン142がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第3ピストン143がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力よりも大きくなることを抑制できる。結果として、ディスクブレーキ装置100は、グローン音を抑制できる。
ここで、制御装置180が実行する手順の説明に戻る。ディスクブレーキ装置100は、図3に示すステップST103で第1油圧室151及び第4油圧室154に供給されるブレーキフルードが遮断されるため、ブレーキパッド191とディスクロータ110との間の摩擦力が低下する。
そこで、本実施形態では、制御装置180は、ステップST103でオンオフバルブ182を閉弁すると共に、図2に示す調圧装置181を制御して第2系統通路172に供給するブレーキフルードの圧力を、オンオフバルブ182を閉弁する以前の圧力よりも増加させる。
具体的には、ブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられる力が、オンオフバルブ182の閉弁前と閉弁後とで同じになるように、制御装置180は、第2系統通路172に供給するブレーキフルードの圧力を調節する。ブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられる力は、各油圧室の圧力と、各ピストンの受圧面積との積の総和である。
オンオフバルブ182が閉弁すると、第1油圧室151及び第4油圧室154の圧力が減少するため、その分、制御装置180は、第2油圧室152及び第3油圧室153に供給するブレーキフルードの圧力を増加させる。これにより、ディスクブレーキ装置100は、オンオフバルブ182の閉弁前とオンオフバルブ182の開弁前とで、静動力の差を低減できる。
なお、第2油圧室152及び第3油圧室153に供給するブレーキフルードの圧力が急激に増加すると、ディスクブレーキ装置100は、ショックを生じる場合がある。よって、ディスクブレーキ装置100は、第2系統通路172にオリフィスが設置されると好ましい。これにより、ディスクブレーキ装置100は、第2油圧室152及び第3油圧室153に供給されるブレーキフルードの圧力の急激な増加を抑制して前記ショックを低減できる。
図3に示すステップST101で発進信号が入力されていないと判定される場合(ステップST101、No)、または、速度Vが所定速度αを超えると判定される場合(ステップST102、No)、制御装置180は、ステップST104でオンオフバルブ182を開弁させる。
これにより、ディスクブレーキ装置100は、車両が停止中でグローン音が生じない時期、または、車両が所定速度αを超えて走行中であってグローン音が生じにくい時期には、第1油圧室151及び第4油圧室154にブレーキフルードを供給可能とする。
上記構成により、ディスクブレーキ装置100は、グローン音が生じやすい場合には、入り口側かつ内側に配置される油圧室内の圧力及び出口側かつ外側に配置される油圧室の圧力を、他の油圧室内の圧力よりも低下させることによって、グローン音を低減できる。
なお、車両がブレーキホールド機能を備えない場合、制御装置180は、車両に設けられる車速センサー184と電気的に接続されて車速センサー184から車両の速度を取得してもよい。この場合、制御装置180は、車両の速度が0から0ではなくなった場合に、発進信号が入力されたと判定する。この場合、制御装置180は、車速センサー184の精度が高いほど、車両が発進してから発進信号が入力されたと判定するまでに必要な時間が低減されるため好ましい。
また、本実施形態では、オンオフバルブ182は、開弁時にブレーキフルードを通過させ、閉弁時にブレーキフルードを遮断する2つの状態のみが切り替わる弁であるが、ディスクブレーキ装置100は、開度が開弁と閉弁との間で微調節されることによって通過させるブレーキフルードの流量を調節できる可変バルブであってもよい。
但し、ディスクブレーキ装置100は、第1油圧室151及び第4油圧室154に供給されるブレーキフルードを遮断する場合の方が、第1油圧室151及び第4油圧室154に供給されるブレーキフルードの流量を低減する場合よりも好適にグローン音を低減できることが実験によって明らかになっている。
よって、ディスクブレーキ装置100は、前記可変バルブを備えずとも、オンオフバルブ182を備えれば、十分にグローン音を低減できる。
(変形例1)
図4は、変形例1の制御装置が実行する手順の一例を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、オートマチックトランスミッションを搭載する車両が例えばブレーキホールド機能を備える場合に制御装置180が実行する手順の一例であったが、図4に示すフローチャートは、マニュアルトランスミッションを搭載する車両に備えられる制御装置180が実行する手順の一例である。なお、図4に示すステップST103及びステップST104は、図4に示すステップST103及びステップST104と同一の内容である。
図4に示すように、制御装置180は、ステップST201で制動信号が入力されているか否かを判定する。制動信号とは、運転者によってブレーキペダルが踏み込まれている場合に生じる信号である。例えば、運転者がブレーキペダルを踏み込んでいる間前記ブレーキランプが点灯する車両では、制御装置180は、前記ブレーキランプに電気を供給する部分、例えば前記ブレーキランプに接続される配線から制動信号を取得できる。
制動信号が入力されていると判定されると(ステップST201、Yes)、制御装置180は、ステップST202で速度Vが0より大きくかつ、所定速度α以下であるか否かを判定する。ここで、速度Vが0より大きくかつ、所定速度α以下である場合(ステップST202、Yes)、車両は、ブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられている状態で所定速度α以下の速度で走行中である。つまり、この時、ディスクブレーキ装置100はグローン音が生じやすい状態である。
よって、制御装置180は、ステップST103でオンオフバルブ182を閉弁する。これにより、ディスクブレーキ装置100は、グローン音が生じやすい場合に、第1ピストン141がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第4ピストン144がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力が、第2ピストン142がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第3ピストン143がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力よりも大きくなることを抑制できる。結果として、ディスクブレーキ装置100は、グローン音を抑制できる。
図4に示すステップST201で制動信号が入力されていないと判定される場合(ステップST201、No)、または、速度Vが0であるかまたは所定速度αを超えると判定される場合(ステップST202、No)、制御装置180は、ステップST104でオンオフバルブ182を開弁させる。
これにより、ディスクブレーキ装置100は、ブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられていない状態であってグローン音が生じない時期、または、速度Vが所定速度αを超えておりグローン音が生じにくい時期には、第1油圧室151及び第4油圧室154にブレーキフルードを供給可能とする。なお、速度Vが0の際は、車両が停止状態であるため、グローン音は生じない。
(変形例2)
図5は、変形例2のディスクブレーキ装置の全体を示す構成図である。変形例2のディスクブレーキ装置200は、後退時に生じるグローン音も低減できる点に特徴がある。ディスクブレーキ装置200は、図5に示すように、第1系統バルブ281と、第2系統バルブ282とを含んで構成される。
第1系統バルブ281は、制御装置280に電気的に接続される。これにより、制御装置280は、第1系統バルブ281を通過するブレーキフルードを遮断できる。第1系統バルブ281は、第1系統通路171が第1系統第1分岐通路171aと第1系統第2分岐通路171bとに分岐するよりも、ブレーキフルードの流れの上流側の第1系統通路171に設けられる。つまり、第1系統バルブ281は、開度が0になった場合に、第1系統第1分岐通路171aに供給するブレーキフルード及び第1系統第2分岐通路171bに供給するブレーキフルードの両方を遮断する。
第2系統バルブ282は、制御装置280に電気的に接続される。これにより、制御装置280は、第2系統バルブ282を通過するブレーキフルードを遮断できる。第2系統バルブ282は、第2系統通路172が第2系統第1分岐通路172aと第2系統第2分岐通路172bとに分岐するよりも、ブレーキフルードの流れの上流側の第2系統通路172に設けられる。つまり、第2系統バルブ282は、開度が0になった場合に、第2系統第1分岐通路172aに供給するブレーキフルード及び第2系統第2分岐通路172bに供給するブレーキフルードの両方を遮断する。
制御装置280は、車両が備えるシフト装置283と電気的に接続される。シフト装置283は、運転者によって操作される装置であって、車両が前進する場合と車両が後進する場合とで、シフトノブの位置が異なる。制御装置280は、シフトノブの位置から、車両が前進するか、後進するかを判定できる。
図6は、変形例2の第1系統バルブ及び第2系統バルブの状態を示す図表である。ここで、グローン音発生予想時期とは、図4に示すステップST101で制御装置180が発進信号が入力されていると判定し(ステップST101、Yes)、かつ、ステップST102で速度Vが所定速度α以下である(ステップST102、Yes)と判定した時である。
また、グローン音発生予想時期とは、図4に示すステップST201で制御装置180が制動信号が入力されていると判定し(ステップST201、Yes)、かつ、ステップST102で速度Vが0より大きく所定速度α以下である(ステップST202、Yes)と判定した時である。また、通常時とは、グローン音発生予想時期以外の時である。
まずは、車両が前進する場合を説明する。制御装置280は、グローン音発生予想時期に第1系統バルブ281を閉弁させ、第2系統バルブ282を開弁させる。これにより、制御装置280は、第1油圧室151及び第4油圧室154に供給するブレーキフルードを遮断する。
よって、ディスクブレーキ装置200は、グローン音が生じやすい場合に、第1ピストン141がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第4ピストン144がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力が、第2ピストン142がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第3ピストン143がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力よりも大きくなることを抑制できる。結果として、ディスクブレーキ装置200は、グローン音を抑制できる。
また、制御装置280は、通常時には第1系統バルブ281及び第2系統バルブ282を開弁させる。これにより、制御装置280は、第1油圧室151から第4油圧室154の全ての油圧室にブレーキフルードを供給可能とする。
次に、車両が後進する場合を説明する。制御装置280は、グローン音発生予想時期に第1系統バルブ281を開弁させ、第2系統バルブ282を閉弁させる。これにより、制御装置280は、第2油圧室152及び第3油圧室153に供給するブレーキフルードを遮断する。
ここで、図3に示すように、車両が前進する場合、ディスクロータ110は、第1シリンダー131及び第3シリンダー133側から第2シリンダー132及び第4シリンダー134側に向かって回転する。よって、車両が前進する際にブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられると、キャリパー120は、第1シリンダー131が形成される部分及び第4シリンダー134が形成される部分がディスクロータ110に近づく方向にたわむ。
しかしながら、車両が後進する場合、ディスクロータ110は、第2シリンダー132及び第4シリンダー134側から第1シリンダー131及び第3シリンダー133側に向かって回転する。つまり、キャリパー120は、車両が後進する場合、入り口側と出口側とが車両が前進する場合に対して逆転する。
よって、車両が後進する際にブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられると、キャリパー120は、第2シリンダー132が形成される部分及び第3シリンダー133が形成される部分がディスクロータ110に近づく方向にたわむ。
そこで、制御装置280は、車両が後進する際には、グローン音が生じやすい場合に、第2油圧室152及び第3油圧室153に供給するブレーキフルードを遮断する。これによって、ディスクブレーキ装置200は、第2ピストン142がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第3ピストン143がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力が、第1ピストン141がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力及び第4ピストン144がブレーキパッド191をディスクロータ110に押し付ける力よりも大きくなることを抑制できる。結果として、ディスクブレーキ装置200は、グローン音を抑制できる。
また、制御装置280は、通常時には第1系統バルブ281及び第2系統バルブ282を開弁させる。これにより、制御装置280は、第1油圧室151から第4油圧室154の全ての油圧室にブレーキフルードを供給可能とする。
上記構成により、ディスクブレーキ装置200は、グローン音が生じやすい場合には、入り口側かつ内側に配置される油圧室内の圧力及び出口側かつ外側に配置される油圧室の圧力を、他の油圧室内の圧力よりも低下させることによって、グローン音を低減できる。
(変形例3)
図7は、変形例3のシリンダーの中心軸を含む面でキャリパー及びディスクロータを切って示す断面図である。以下に、対向6ポット型のキャリパー320でグローン音を抑制する場合を説明する。
図7に示すように、ディスクブレーキ装置300のキャリパー320は、押圧手段として6つのピストンを有し、前記6つのピストンをディスクロータ110側に押すブレーキフルードが供給される油圧室を6つ形成される。
具体的には、キャリパー320は、内側に入り口側から出口側に向かって順に、第1油圧室351と、第2油圧室352と、第3油圧室353とが形成される。また、キャリパー320は、外側に入り口側から出口側に向かって順に、第4油圧室354と、第5油圧室355と、第6油圧室356とが形成される。
ディスクロータ110が回転中にブレーキパッド191がディスクロータ110に押し付けられると、キャリパー320は、支持部SPを軸に第1油圧室351が形成される部分及び第6油圧室356が形成される部分がディスクロータ110に近づくようにたわむ。
そこで、ディスクブレーキ装置300は、グローン音発生予想時期に、第1油圧室351及び第6油圧室356に供給されるブレーキフルードを遮断する。これにより、ディスクブレーキ装置300は、ブレーキパッド191とディスクロータ110との間の摩擦力が局所的に増加することを抑制できる。結果として、ディスクブレーキ装置300は、グローン音を低減できる。
なお、ディスクブレーキ装置は、キャリパーのピストンを油圧室内のオイルによって駆動させる、いわゆる油圧式のディスクブレーキ装置に限定されない。ディスクブレーキ装置は、例えば、モーターとボールネジとを含んで構成され、制御装置がモーターの回転を調節することによってブレーキパッドとディスクロータとの間の摩擦力を調節するディスクブレーキであってもよい。
また、ディスクブレーキ装置は、例えば、ピエゾ式アクチュエータを含んで構成され、制御装置がピエゾ式アクチュエータを電気的に制御することによって、ブレーキパッドとディスクロータとの間の摩擦力を調節するディスクブレーキであってもよい。
以上のように、本発明に係るディスクブレーキ装置は、ピストンがディスクロータの両側に対向して配置される対向型のキャリパーを備えるディスクブレーキ装置に適しており、特に、グローン音を低減することを目的としたディスクブレーキ装置に適している。
シリンダーの中心軸を含む面でキャリパー及びディスクロータを切って示す断面図である。 ディスクブレーキ装置の全体を示す構成図である。 制御装置が実行する手順の一例を示すフローチャートである。 変形例1の制御装置が実行する手順の一例を示すフローチャートである。 変形例2のディスクブレーキ装置の全体を示す構成図である。 変形例2の第1系統バルブ及び第2系統バルブの状態を示す図表である。 変形例3のシリンダーの中心軸を含む面でキャリパー及びディスクロータを切って示す断面図である。
符号の説明
100 ディスクブレーキ装置
110 ディスクロータ
120 キャリパー
131 第1シリンダー
132 第2シリンダー
133 第3シリンダー
134 第4シリンダー
141 第1ピストン(内側押圧手段)
142 第2ピストン(内側押圧手段)
143 第3ピストン(外側押圧手段)
144 第4ピストン(外側押圧手段)
151 第1油圧室
152 第2油圧室
153 第3油圧室
154 第4油圧室
161 第1フルード供給孔
162 第2フルード供給孔
163 第3フルード供給孔
164 第4フルード供給孔
170 フルード通路
171 第1系統通路
171a 第1系統第1分岐通路
171b 第1系統第2分岐通路
172 第2系統通路
172a 第2系統第1分岐通路
172b 第2系統第2分岐通路
180 制御装置
181 調圧装置
182 オンオフバルブ
183 アクセルペダル
184 車速センサー
190 溝部
191 ブレーキパッド
200 ディスクブレーキ装置
280 制御装置
281 第1系統バルブ
282 第2系統バルブ
283 シフト装置
300 ディスクブレーキ装置
320 キャリパー
351 第1油圧室
352 第2油圧室
353 第3油圧室
354 第4油圧室
355 第5油圧室
356 第6油圧室
CL 回転軸
SL 中心軸
SP 支持部
V 速度
α 所定速度

Claims (5)

  1. 回転するディスクロータが通過する溝部が形成されると共に、前記ディスクロータと対向するようにブレーキパッドを保持するキャリパーと、
    前記溝部から離れた位置に設けられて、前記キャリパーを支持する支持部と、
    前記溝部を境に前記支持部が設けられる側である支持部側に複数設けられて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する内側押圧手段と、
    前記溝部を境に前記支持部側とは反対側の反支持部側に複数設けられて前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する外側押圧手段と、
    を含んで構成され、
    回転する前記ディスクロータが前記溝部に進入する側である入り口側に配置される前記内側押圧手段及び、前記ディスクロータの回転方向で前記入り口側の反対側である出口側に配置される前記外側押圧手段は、
    前記入り口側の前記内側押圧手段及び前記出口側の前記外側押圧手段以外の前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力よりも小さい力で前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧可能であることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記入り口側の内側押圧手段及び前記出口側の外側押圧手段は、
    所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている際に、
    前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力が、
    前記入り口側の前記内側押圧手段及び前記出口側の前記外側押圧手段以外の前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力よりも小さくなることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている際に、
    前記入り口側の内側押圧手段及び前記出口側の外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する力は0であることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記入り口側の前記内側押圧手段及び前記出口側の前記外側押圧手段以外の前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段は、
    前記所定の周速度よりも速い速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合よりも、前記所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合の方が、より大きな力で前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のディスクブレーキ装置。
  5. 前記内側押圧手段及び前記外側押圧手段が前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに押圧する全体の力は、
    前記所定の周速度よりも速い速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合と、前記所定の周速度以下の速度で回転する前記ディスクロータに前記ブレーキパッドが押圧されている場合とで同じであることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
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