JP2005206077A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Kimio Takahashi
公夫 高橋
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Abstract

【課題】 必要とする制動力の大きさ及びバランスを確保しつつ、制動時に発生する振動や騒音を抑えられる実用的な構造を実現する。
【解決手段】 キャリパ5aに複数のシリンダ6a、6bを設け、油圧制御器17からこれら各シリンダ6a、6bに、互いに異なる油圧を導入自在とする。振動センサ19が予め設定した閾値を越える振動を検知した場合に上記油圧制御器17は、一方のシリンダ6a内に導入する油圧を低くし、他方のシリンダ6b内に導入する油圧を高くする。そして、ライニングとロータとの摩擦部の面圧分布を変更して、上記振動を低減する。この場合でも、摩擦部全体に作用する摩擦力を低下させずに、制動力を確保する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、自動車の制動に使用するディスクブレーキの改良に関し、制動時に発生する、鳴きと呼ばれる、振動を伴う騒音の低減を図るものである。
自動車の制動を行なう為に、ディスクブレーキが広く使用されている。ディスクブレーキによる制動時には、車輪と共に回転するロータを挟む状態で設けた1対のパッドを、ピストンによりこのロータの両側面に押し付ける。この様なディスクブレーキとして従来から各種構造のものが知られているが、図9は、例えば特許文献1に記載されたものを示している。このディスクブレーキ1は、対向ピストン型と呼ばれるもので、ロータ2を挟む位置にアウタ側ボディ3及びインナ側ボディ4から成るキャリパ5を設け、これら各ボディ3、4内にアウタシリンダ及びインナシリンダを、それぞれの開口部を上記ロータ2を介して互いに対向させた状態で設けている。そして、これらアウタシリンダ及びインナシリンダ内にアウタピストン及びインナピストンを、液密に、且つ上記ロータ2の軸方向に関する変位自在に嵌装している。又、上記アウタ側ボディ3にはアウタパッドを、上記インナ側ボディ4にはインナパッドを、それぞれ上記ロータ2の軸方向に変位自在に支持している。制動時には、上記アウタシリンダ及びインナシリンダ内に圧油を送り込み、上記アウタピストン及びインナピストンにより、上記アウタパッド及びインナパッドを、上記ロータ2の内外両側面に押し付ける。
上述の様なディスクブレーキの場合、一般的には、図10に示す様に、互いに同径の(アウタ及びインナ)シリンダ6、6並びに(アウタ及びインナ)ピストン7、7を複数ずつ設け、これら各ピストン7、7により、それぞれ単一の(インナ側及びアウタ側)パッド8を押圧する様に構成している。従って、制動時に上記各ピストン7、7がこのパッド8を構成するライニング9をロータ2(図9参照)の側面に押し付ける力の大きさは、このロータ2の回入側(反アンカ側)も回出側(アンカ側)もほぼ同じとなる。これに対して特許文献2、3には、ロータの円周方向に配置した複数組のシリンダ及びピストンの直径を互いに異ならせる事で、ライニングとロータとの摩擦面の面圧を均一にし、このライニングの偏摩耗を抑えて、制動時の感触を良好にする構造が記載されている。
図10に示した一般的な構造の場合、制動の繰り返しに伴うライニング9の偏摩耗により、制動時に振動や異音が発生し易くなる。又、特許文献2、3に記載された構造の場合には、ライニングの偏摩耗を減少させる事はできるが、制動時に振動や騒音が発生する事を完全に防止する事はできない。特許文献4には、複数のシリンダ内に圧油を給排する為の経路を複数に分割する構造が記載されているが、この経路を加工する作業の容易性と圧油の流れの円滑化を図る事を意図しているのみであって、制動時に振動や騒音が発生する事を防止するものではない。
又、特許文献5には、制動時に何れかの車輪に関して振動や異音が発生する可能性が生じた場合に、当該車輪に付属のディスクブレーキの制動力を制御する構造が記載されている。この様な特許文献5に記載された構造では、何れかの車輪に関する制動力を制御する分だけ、車両全体としての制動力のバランスを良好に保つ事が難しくなる。従って、制動力のバランスを考慮すれば、上記振動や異音の発生防止効果は限られざるを得ないと考えられる。
これに対して、特許文献6、7には、制動時に振動や異音が発生した場合に、この振動や異音が発生した車輪に付属のディスクブレーキの制動力を低減すると共に、残りの車輪に付属のディスクブレーキの制動力を増大させる構造が記載されている。この様な特許文献6、7に記載された構造では、全車輪の制動力の合計は同じであるにしても、車両全体としての制動力のバランスを最適に維持する事が難しく、走行上危険である。従って、必要とする制動力のバランスを考慮すれば、上記振動や異音の発生防止効果は限られるものと考えられる。又、特許文献8には、何れかの車輪にフェードのおそれがあるか、車両が旋回中であるか、路面の摩擦係数が低い時には、各輪の制動力配分の変化を禁止するとあり、やはり異音の発生防止効果は限定されてしまう。
更に、特許文献9には各車輪毎に複数組の制動装置を組み付け、これら各制動装置の作動状況を適宜制御する事で、必要とする制動力を確保しつつ制動時に振動や異音が発生する事を防止する構造が記載されている。この様な特許文献9に記載された構造の場合、各車輪に複数組の制動装置を組み付ける必要があるが、各車輪の周囲に存在する、制動装置を設置可能な空間は限られており、各車輪毎に複数組の制動装置を組み付ける事は、現実的には難しい。又、仮に実施できたとしてもコスト並びに重量が嵩む事が避けられないものと考えられる。
更に、特許文献10には、制動時に振動や異音が発生した場合にパッドのライニングを加熱して、このライニング中の有機系材料を変性させ、この有機系材料がロータの表面に付着しない様にして、上記振動や騒音の低減を図る構造が記載されている。この様な特許文献10に記載された構造は、効果を得られるライニングの材料が限られるだけでなく、このライニングを加熱してから振動及び騒音が低減されるまでに時間を要するものと考えられる。又、このライニングを加熱する事自体、フェードやベーパロック等、制動力が低下する事態の発生を防止する事を考慮した場合、好ましくない。
実開平5−27364号公報 特公昭48−9875号公報 実公平5−47295号公報 実開平5−40630号公報 特開2000−142342号公報 特開2000−177552号公報 特開平9−221013号公報 特開平10−305768号公報 特公平6−24908号公報 特開平7−27154号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、必要とする制動力の大きさ及びバランスを確保しつつ、制動時に発生する振動や騒音を抑えられる実用的な構造を実現すべく発明したものである。
本発明のディスクブレーキは、車輪と共に回転するロータと、このロータの軸方向両側に配置される1対のパッドと、このパッドを押し付ける複数のアクチュエータと、これらのアクチュエータによりこのパッドを上記ロータに押し付けた際に発生する振動若しくは異音を検知する検知手段とを備える。
そして、この検知手段が予め設定した閾値を越える振動若しくは異音を検知した場合に、上記アクチュエータのうちの一部のアクチュエータが上記パッドを押圧する力を増大又は減少させる。
尚、上記検知手段としては、振動を検知する為の振動センサ(加速度センサ)、或は異音を検知する為のマイクロフォン等が使用可能である。但し、マイクロフォンを使用する場合には、ディスクブレーキ以外の部分で生じる音を拾わない様に、指向性の強いものを使用する必要がある。振動センサは、ディスクブレーキを構成するサポート或はキャリパに設置すれば、制動時に発生する騒音を伴う振動を効果的に検出できるので、マイクロフォンに比べて精度の高い検知を行なえる。
又、上記閾値の値は、制動時に発生する振動や騒音を、乗員や周囲にいる歩行者等に現時点又は将来的に不快感を与えない程度に抑えられる様に、実験的に求めて、ディスクブレーキの制御器にインストールするソフトウェア中に組み込んでおく。
上述の様に構成する本発明のディスクブレーキの場合、閾値を越える振動が発生した場合に一部のアクチュエータがパッドを押圧する力を増大又は減少させる事に伴い、このパッドのライニングとロータとの摺動部の面圧分布が変化する。例えば、1つのアイデアとして、この摺動部に作用する摩擦力に基づくモーメントにより回入側の面圧が高く、回出側の面圧が低くなっている状態では、回入側のアクチュエータによる押圧力を低くする。この結果、この摺動部の回転方向の面圧分布が改善され(回入側と回出側とで均等に近くなり)、上記振動が低減され易い。この様な面圧分布の変化は、各車輪に組み付けたディスクブレーキ毎に、互いに独立して行なえるので、必要とする制動力の大きさ及びバランスを確保しつつ、制動時に発生する振動や騒音を抑えられる。但し、本発明の目的は、振動や騒音を減らす事にあり、面圧分布の改善は、アイデアの一手段に過ぎない。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、一部のアクチュエータがパッドを押圧する力を増減するのに合わせて、残りのアクチュエータがこのパッドを押圧する力を増減させる。そして、各アクチュエータがこのパッドを押圧する力の総和を、これらの増減を行う前の場合に対して変化させない。
この様に構成すれば、上記一部のアクチュエータを組み込んだディスクブレーキが発生する制動力を一定に保てる。
又、本発明を実施するディスクブレーキとしては、油圧式のアクチュエータを組み込んだ構造と、電動式のアクチュエータを組み込んだ構造との何れでも良い。
このうちの油圧式のアクチュエータを組み込んだディスクブレーキで本発明を実施する場合には、請求項3に記載した様に、上記各アクチュエータを油圧シリンダとする。そして、上記一部のアクチュエータが上記パッドを押圧する力を増減させる際に、この一部のアクチュエータに導入する油圧を変化させる。
これに対して、電動式のアクチュエータを組み込んだディスクブレーキで本発明を実施する場合には、請求項4に記載した様に、上記各アクチュエータを、電動モータを動力源とする電動式のアクチュエータとする。そして、上記一部のアクチュエータが上記パッドを押圧する力を増減させる際に、この一部のアクチュエータへの通電量(電圧と電流との一方又は双方)を変化させる。
図1〜3は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施例1を示している。本実施例は、本発明を、2ポット型の油圧式のフローティングキャリパ型ディスクブレーキで実施する場合に就いて示している。ロータ2を跨ぐ状態で懸架装置に固定されるサポート10に、このロータ2をサンドイッチ状に挟む状態で、インナ側(図1の右側、図2の手前側)とアウタ側(図1の左側、図2の奥側)との2枚のパッド8a、8bを、このロータ2の軸方向(図1の左右方向、図2の表裏方向)の変位自在に支持している。
又、上記サポート10にキャリパ5aを、このサポート10の回入側と回出側との両端部に設けた1対のガイドピン11、11により、ロータ2の軸方向の変位自在に支持している。上記キャリパ5aのインナ側には1対のシリンダ6a、6bを、回入側と回出側とにずらせて、互いに並列に設けている。そして、これら各シリンダ6a、6b内に液密に嵌装したピストン7aの先端面を、上記インナ側のパッド8aを構成する裏板12aに突き当てている。これに対して、上記アウタ側のパッド8bを構成する裏板12bには、上記キャリパ5aのアウタ側端部に設けた爪部13の側面を突き当てている。上記各シリンダ6a、6bには、それぞれ独立した給排ポート14a、14bを通じて、互いに独立した油圧を導入自在としている。
そして、ブレーキペダル15の踏み込みに伴ってマスタシリンダ16から吐出された圧油を、油圧制御器17と1対の給油配管18a、18bとを通じて、上記給排ポート14a、14bより、上記各シリンダ6a、6b内に送り込む様にしている。又、上記キャリパ5a(又はサポート10)には、このキャリパ5a(又はサポート10)の振動を検出する為の検知手段である振動センサ19を装着し、この振動センサ19の検出信号を、上記油圧制御器17に送り込んでいる。そして、この油圧制御器17は、この検出信号に基づき、上記各シリンダ6a、6b内に送り込む油圧を制御する様にしている。尚、上記振動センサ19の設置位置は、振動を検知できる限り任意であるが、例えば上記キャリパ5aの爪部13付近に組み付ける事が、小さな振動も検知し易くできる事から一般的である。
具体的には、上記油圧制御器17は、上記振動センサ19から送り込まれる信号に基づいて、閾値を越える振動が発生していると判断される場合に、制動力を確保しつつ、この振動の低減を図る。この際の本実施例の作用に就いて、図3を参照しつつ説明する。ブレーキペダルが踏み込まれた状態(ブレーキONの状態)で、先ず、ステップ1で、ブレーキの操作量Sを検出する。この操作量Sは、例えば上記ブレーキペダル15に加えられた踏力、或はこのブレーキペダルのストローク量として検出する。この様にして上記ブレーキの操作量Sを検出したならば、次のステップ2で、目標油圧P0 を設定する。この目標油圧P0 は、例えば図4に示す様に、上記操作量Sに比例させて設定する。
この様に目標油圧P0 を設定したならば、次のステップ3で、上記各シリンダ6a、6b内に導入する油圧Pa 、Pb の平均値(Pa +Pb )/2が、上記目標油圧P0 に一致しているか否かを判定する。これら平均値(Pa +Pb )/2と目標油圧P0 とが一致している{(Pa +Pb )/2=P0 である}場合には、直ちに次のステップ4に移る。これに対して、上記平均値(Pa +Pb )/2と目標油圧P0 とが不一致{(Pa +Pb )/2≠P0 }である場合には、ステップ5で上記各シリンダ6a、6b内に導入する油圧Pa 、Pb を上記目標油圧P0 に変更してから、上記ステップ4に移る。
このステップ4では、上記振動センサ19からの信号に基づいて、閾値を越える様な振動(騒音)が発生しているか否かを判定する。例えば、単に振動の大きさで判定するだけではなく、振動の高周波成分を高速フーリエ変換(FFT)で解析し、2〜20kHzの周波数域で、一部の周波数の振動が他の周波数の振動に比べて突出して大きい場合に、不快な振動(ノイズ)が発生していると判定している。そして、不快な振動が発生している、又は将来そうなり得ると判定した場合には、続くステップ6、7で、上記各シリンダ6a、6b内に導入する油圧Pa 、Pb を設定し直す(上記目標油圧P0 から、互いにプラスマイナス逆方向にずらせる)。この場合、ステップ6で、先ず、上記各シリンダ6a、6b内に導入する油圧Pa 、Pb の、上記目標油圧P0 に対する偏差△P0 を算出する。この偏差△P0 は、油圧Pa 又はPb に係数Kを掛け合せる事で求める。この係数Kは、例えば図5(A)〜(C)の何れかに記載したものを使用する。このうちの(A)は上記目標油圧P0 の大きさに関係なく一定の、(B)はこの目標油圧P0 の大きさに比例して大きくなる、(C)はこの目標油圧P0 が小さい場合にはこの目標油圧P0 に比例し、この目標油圧P0 が大きい場合には一定になる、それぞれ係数Kを示している。何れの係数Kを採用するかは、車両の大きさやディスクブレーキの構造等に応じて設計的に定める。
上記ステップ6では、上述の様な係数Kを使用して上記偏差△P0 を求めてから、上記各シリンダ6a、6b内に導入する油圧Pa 、Pb を算出する。具体的には、一方のシリンダ6a内に導入する油圧Pa を、上記目標油圧P0 から上記偏差△P0 を減じた低い値とし、他方のシリンダ6b内に導入する油圧Pb を、上記目標油圧P0 に上記偏差△P0 を加えた高い値とする。この様にして上記各シリンダ6a、6b内に導入する油圧Pa 、Pb を算出したならば、次のステップ7で、この油圧Pa 、Pb を上記各シリンダ6a、6b内に導入する。そして、ステップ8でブレーキ操作が停止されたと判断するまで、上述した制御を継続する。
上述の様に、上記各シリンダ6a、6b内に導入する油圧Pa 、Pb を異ならせ、これら各シリンダ6a、6b内に液密に嵌装した前記各ピストン7aが前記インナ側のパッド8aを構成する裏板12aを押圧する力を一方と他方とで、前記偏差△P0 の2倍分(2△P0 )異ならせる事により、各パッド8a、8bのライニング9、9と前記ロータ2との摺動部の面圧分布が変化する。例えば、この摺動部に作用する摩擦力に基づくモーメントにより回入側の面圧が高く、回出側の面圧が低くなっている場合は、1つのアイデアとして、回入側のシリンダ6a内に導入する油圧を低くし、このシリンダ6a内に嵌装したピストン7aと前記爪部13のうちの回入側部分とが、1対のパッド8a、8bを上記ロータ2に向けて押し付ける力を低くする。同時に、回出側のシリンダ6b内に導入する油圧を高くし、このシリンダ6b内に嵌装したピストンと、上記爪部13の回出側部分とが、1対のパッド8a、8bを上記ロータ2に向けて押し付ける力を高くする。この場合、この摺動部の回転方向の面圧分布が改善され(回入側と回出側とで均等に近くなり)、上記振動の低減に繋る。但し、パッド偏摩耗後の状態や、キャリパの仕様によっては、必ずしも回入側の面圧が高いとは言えない。又、本発明の目的は、振動や騒音を減らす事であって、面圧分布改善はそのアイデアの一手段に過ぎない。
この様な面圧分布の変更は、各車輪に組み付けたディスクブレーキ毎に、互いに独立して行なえるので、必要とする制動力の大きさ及びバランスを確保しつつ、制動時に発生する振動や騒音を抑え易い。又、1対のパッド8a、8bを上記ロータ2に向けて押し付ける力は、上記偏差△P0 分の調節を行なう前後で変わらない。一方、前記ステップ4で、閾値を越える様な振動(騒音)が発生していないと判定した場合には、上記ステップ5、6を省略し、そのまま上記各シリンダ6a、6b内に上記油圧Pa 、Pb を導入し続ける。従って、振動(騒音)の発生有無に拘らず、上記各車輪に組み付けたディスクブレーキが発生する制動力を一定に保てる。
図6〜7は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合、キャリパ5bに、それぞれが電動モータ20a、20bを動力源とする、1対の電動式のアクチュエータ21a、21bを組み付けている。これら各アクチュエータ21a、21bは、上記キャリパ5bの外面に支持固定した上記各電動モータ20a、20bの回転を、減速歯車列22を介してナット筒23に伝達する。このナット筒23の中心に設けたねじ孔24には、上記キャリパ5b内に軸方向の変位のみ自在に(回転を阻止した状態で)支持された送りねじ杆25が螺合している。そして、この送りねじ杆25は軸方向にロータ2に近づく側に変位する。ねじ杆25はナット筒23との螺合部の摩擦力が大きくなるとナット筒23と共に回転し、ボールランプ機構のボール27を転動させ、ピストン体28に当該軸方向の変位を伝達し、このピストン体28により、インナ側のパッド8aをディスク2に向けて押圧する様にしている。
この様な、電動式のアクチュエータ21a、21bを組み込んだディスクブレーキにより、制動時に発生する騒音を伴う振動を抑えるべく、一方のアクチュエータ21aが上記パッド8aを押圧する力を低減させる際には、この一方のアクチュエータ21aを構成する上記電動モータ20aを押圧する力を減少させる方向に回転させると同時に、他方のアクチュエータ21bを構成する上記電動モータ20bを上記電動モータ20aとは反対方向に回転させる。即ち、電動モータ20bを、押圧する力を増大させる方向に回転させる。ディスクブレーキの基本構成、並びに振動の発生を抑える為の機能に就いては、上記インナ側のパッド8aをロータ2に向けて押圧する為のアクチュエータが油圧式から電動式に変化した以外、図1〜2に示した実施例1とほぼ同様である。
本発明は、図示の様な、パッドを押圧する為のシリンダ6a、6b或はアクチュエータ21a、21bが1対設けられた、所謂2ポット型のディスクブレーキに限らず、3ポット型、4ポット型のディスクブレーキにも適用できる。2ポット型のディスクブレーキの場合には、アクチュエータ(油圧シリンダ又は電動式のアクチュエータ)の押圧力の調整は図8(A)(a)に示す様に1通りのみである。これに対して、3ポット型のディスクブレーキの場合には、アクチュエータの押圧力の調整は図8(B)(a)〜(d)に示す様に、4通り考えられる。即ち、(B)(a)に示す様に総てのアクチュエータの押圧力を互いに異ならせる様に制御する他、(B)(b)〜(d)に示す様に、2個のアクチュエータを組み合わせ、この2個のアクチュエータの押圧力と残り1個のアクチュエータの押圧力とが互いに異なる様に制御する事もできる。更に、4ポット型のディスクブレーキの場合には、アクチュエータの押圧力の調整は図8(C)(a)〜(n)に示す様に、14通り考えられる。即ち、(C)(a)に示す様に総てのアクチュエータの押圧力を互いに異ならせる様に制御する他、例えば(C)(b)〜(g)に示す様に、2個のアクチュエータを組み合わせ、この2個のアクチュエータの押圧力と残り2個のアクチュエータとの、3系統の押圧力とが互いに異なる様に制御する事もできる。又は、(C)(h)〜(j)に示す様に、2個ずつのアクチュエータを組み合わせ、2系統の押圧力が互いに異なる様に制御する事もできる。更には、(C)(k)〜(n)に示す様に、3個のアクチュエータを組み合わせ、この3個のアクチュエータの押圧力と残り1個のアクチュエータとの、2系統の押圧力とが互いに異なる様に制御する事もできる。
又、図示の実施例は、フローティングキャリパ型のディスクブレーキに本発明を実施する場合に就いて示しているが、本発明は、前述の図9に示す様な、対向ピストン型のディスクブレーキで実施する事もできる。対向ピストン型のディスクブレーキで実施する場合には、図11に示す様に、互いに対向する1対のアクチュエータの押圧力は互いに一致させる事が望ましい。
更には、大型自動車用のディスクブレーキの様に、設置スペースに余裕がある構造の場合には、アクチュエータをディスクブレーキの回転方向にずらせて複数配置するのに変えて、或は回転方向にずらせて複数配置するのに加えて、径方向にもずらせて複数配置する事もできる。この場合に、径方向にずらせて配置したアクチュエータによる押圧力を変える事で摺接部の径方向の面圧分布が変更され、制動時に発生する、騒音に結び付く様な振動の低減を図る事ができる。
本発明の実施例1を示す断面図。 図1の右方から見た図。 実施例1の作用を示すフローチャート。 ブレーキの操作量と目標油圧との関係を示す線図。 目標油圧に対する偏差を求める場合の、係数とこの目標油圧との関係の3例を示す線図。 本発明の実施例2を示す断面図。 図6の右方から見た部分透視図。 アクチュエータの押圧力を変える場合の組み合わせを示す略図。 従来から知られている対向ピストン型のディスクブレーキの1例を示す斜視図。 同じく部分略断面図。 対向ピストン型のディスクブレーキのアクチュエータの押圧力を変える場合の組み合わせを示す略図。
符号の説明
1 ディスクブレーキ
2 ロータ
3 アウタ側ボディ
4 インナ側ボディ
5、5a、5b キャリパ
6、6a、6b シリンダ
7、7a ピストン
8、8a、8b パッド
9 ライニング
10 サポート
11 ガイドピン
12a、12b 裏板
13 爪部
14a、14b 給排ポート
15 ブレーキペダル
16 マスタシリンダ
17 油圧制御器
18a、18b 給油配管
19 振動センサ
20a、20b 電動モータ
21a、21b アクチュエータ
22 減速歯車列
23 ナット筒
24 ねじ孔
25 送りねじ杆
27 ボール
28 ピストン体

Claims (4)

  1. 車輪と共に回転するロータと、このロータの軸方向両側に配置される1対のパッドと、このパッドを押し付ける複数のアクチュエータと、これらのアクチュエータによりこのパッドを上記ロータに押し付けた際に発生する振動若しくは異音を検知する検知手段とを備え、この検知手段が予め設定した閾値を越える振動若しくは異音を検知した場合に、上記アクチュエータのうちの一部のアクチュエータが上記パッドを押圧する力を増減させる事を特徴とするディスクブレーキ。
  2. 上記一部のアクチュエータが上記パッドを押圧する力を増減するのに合わせて、残りのアクチュエータがこのパッドを押圧する力を増減させて、各アクチュエータがこのパッドを押圧する力の総和をこれらの増減を行う前の場合に対して変化させない、請求項1に記載したディスクブレーキ。
  3. 上記各アクチュエータが油圧シリンダであり、上記一部のアクチュエータが上記パッドを押圧する力を増減させる際に、この一部のアクチュエータに導入する油圧を変化させる、請求項1〜2の何れかに記載したディスクブレーキ。
  4. 上記各アクチュエータが電動モータを動力源とする電動式のアクチュエータであり、上記一部のアクチュエータが上記パッドを押圧する力を増減させる際に、この一部のアクチュエータへの通電量を変化させる、請求項1〜2の何れかに記載したディスクブレーキ。
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