JP2010125911A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転者に不快感を与えることなくアイドル状態での燃費を向上させつつ、触媒を早期に暖機する車両の制御装置を提供する。
【解決手段】ニュートラル制御を実行するニュートラル制御実行手段と、均質燃焼を実行する均質燃焼実行手段と、リタード成層燃焼を実行するリタード成層燃焼を実行手段と、シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時に前記均質燃焼実行手段により均質燃焼を行わせつつニュートラル制御に移行させるニュートラル制御移行手段と、前記均質燃焼からリタード成層燃焼への切換を許可するか否かを判定する判定手段と、この判定結果よりリタード成層燃焼への切換を許可する場合に、前記均質燃焼から前記リタード成層燃焼に移行させるリタード成層燃焼移行手段とをエンジンコントローラ(15)が備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の制御装置、特に直噴式火花点火エンジン(内燃機関)と、エンジンに連結される自動変速機とを備えるものに関する。
エンジンの排出ガス浄化用の触媒を早期に暖機するために点火時期を圧縮上死点後まで遅角させつつ成層燃焼を行わせるリタード成層燃焼が知られている。
また、排気通路に介装された触媒コンバータが未暖機状態にあるときには、点火時期を、最大トルクが得られる点火時期よりも遅角側の領域内で遅角させる点火時期制御手段が設けられ、エンジン出力軸が、トルクコンバータを備えた自動変速機に接続されているエンジンの制御装置において、上記点火時期制御手段が、低回転速度状態において上記自動変速機が走行レンジにあるときにはニュートラルレンジにあるときよりも点火時期の遅角量を大きくするものがある(特許文献1参照)。
特開平11−280629号公報
ところで、自動変速機のシフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時に所定の条件の成立によりニュートラル制御を行わせることが知られているが、上記リタード成層燃焼を行わせているときにもニュートラル制御を行わせることが考えられる。これらニュートラル制御とリタード成層燃焼との2つを同時に実行している状態からアクセルペダルが踏まれて車両走行状態に移ると、ニュートラル制御の実行とリタード成層燃焼の実行とが一旦解除されるが、車両が減速して再び車両停止状態に移るとニュートラル制御の実行とリタード成層燃焼の実行とを再開する必要がある。ここで、ニュートラル制御を実行するために、自動変速機内のフォワードワンウェイクラッチを開放するが、この開放には遅れがある。この遅れに起因して、ニュートラル制御の実行とリタード成層燃焼の実行とを同時に再開すると、しばらくの間、フォワードワンウェイクラッチが幾分か係合された状態でリタード成層燃焼が実行されることになるので、リタード成層燃焼による燃焼振動が車両側に伝達されやすくなり、運転者に不快感を与えてしまう。また、自動変速機からエンジンに作用する負荷もしばらくは残るので、空気量を増大させる必要があり、そうなるとブレーキブースタ用負圧の確保が難しくなる。
そこで本発明は、運転者に不快感を与えることなくアイドル状態での燃費を向上させつつ、触媒を早期に暖機させる車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、エンジンに連結される自動変速機と、シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時にニュートラル制御を実行するニュートラル制御実行手段と、均質燃焼を実行する均質燃焼実行手段と、リタード成層燃焼を実行するリタード成層燃焼実行手段とを備え、シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時に前記均質燃焼実行手段により均質燃焼を行わせつつニュートラル制御に移行させ、前記均質燃焼実行手段による均質燃焼からリタード成層燃焼への切換を許可するか否かを判定し、この判定結果よりリタード成層燃焼への切換を許可する場合に、前記均質燃焼から前記リタード成層燃焼に移行させるように構成する。
本発明によれば、エンジンに連結される自動変速機と、シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時にニュートラル制御を実行するニュートラル制御実行手段と、均質燃焼を実行する均質燃焼実行手段と、リタード成層燃焼を実行するリタード成層燃焼を実行手段とを備え、シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時に前記均質燃焼実行手段により均質燃焼を行わせつつニュートラル制御に移行させ、前記均質燃焼実行手段による均質燃焼からリタード成層燃焼への切換を許可するか否かを判定し、この判定結果よりリタード成層燃焼への切換を許可する場合に、前記均質燃焼から前記リタード成層燃焼に移行させるので、ニュートラル制御が機能し始める前、すなわち自動変速機のフォワードワンウェイクラッチが幾分でも係合された状態でリタード成層燃焼が実行されることがなくなる。このため、リタード成層燃焼による燃焼振動が車両側に伝達されて、運転者に不快感を与えることがなくなる。また、ニュートラル制御の移行後にはニュートラル制御の実行によって、ニュートラル制御を実行しない場合よりも自動変速機からエンジンに作用する負荷が減少するので、その分だけ空気量を増大させる必要がなくなりブレーキブースタ用負圧を確保できる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。図1はエンジンの制御装置の概略構成を、 図2は自動変速機31及びその制御装置の概略構成を示し、エンジン1と自動変速機31とは車両に搭載されている。
図1においてエンジン1の吸気コレクタ7の上流には、吸入空気量を制御するスロットル弁5が設置されている。スロットル弁5は、エンジンコントローラ15からの信号により作動するステップモータ10(スロットル開度調整手段)によりその開度が制御される。
エンジン1の燃焼室8aには、点火プラグ24と共に燃料噴射弁13が設置されている。燃料噴射弁13は、エンジンコントローラ15からエンジン回転に同期して所定のタイミングに出力される燃料噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、燃料ポンプ12により吐出され所定圧力に調圧された燃料タンク11からの燃料を噴射するようになっている。
エンジン1の排気通路19には、排気浄化用の触媒22が設けられている。
エンジンコントローラ15には、アクセルペダルセンサ(図示しない)により検出されるアクセル開度、クランク角センサ16により検出されるエンジン回転速度、エアフローメータ3により検出される吸入空気流量、スロットルセンサ18により検出されるスロットル開度、水温センサ25により検出されるエンジン冷却水温が入力されている。
エンジンコントローラ15は、これらの入力信号より検出されるエンジン運転条件に基づいて、燃焼方式(均質燃焼、成層燃焼)を設定し、これに合わせて、スロットル弁5の開度、燃料噴射弁13の燃料噴射時期及び燃料噴射弁13からの燃料噴射量、点火プラグ24の点火時期を制御する。
エンジン1と連結される自動変速機31は内部にトルクコンバータを備え、エンジン1の駆動力をトルクコンバータを介して内部の変速機構に伝達することで変速を実行して駆動輪側に出力している。自動変速機用コントローラ61は、自動変速機31を、車両の走行状態、エンジン1の運転状態及び運転者によるシフト操作に応じて要求される変速比とするために、内部のクラッチ、ブレーキの係合・開放の組合せを油圧制御回路55を介して調整している。
図2において、自動変速機31は、トルクコンバータ31aと、前進5段後進1段のドライブ機構部31bとを備えている。トルクコンバータ31aは、ポンプインペラ41、タービンランナ42、ステータ43及びロックアップ機構44を備えたものであり、エンジン1のクランク軸2の出力をポンプインペラ41からタービンランナ42へ流動体を介して伝達する。
トルクコンバータ31aから駆動力がインプットシャフト32を介して伝達されるドライブ機構部31bは、サンギヤ51a、52a、53a、インターナルギヤ51b、52b、53b及びキャリヤ51c、52c、53cからなる3列の遊星歯車装置51、52、53を備えている。この3列の遊星歯車装置51、52、53の回転状態は、クラッチC1、C2、C3、ブレーキB1、B2、B3、B4及びワンウェイクラッチF1、F2、F3によって調整されている。
ドライブ機構部31bから駆動力はアウトプットシャフト33、図示しないドライブシャフト、作動歯車装置を介して駆動輪に伝達される。
変速に際しては自動変速機用コントローラ61が油圧制御回路55を介して、前記クラッチC1〜C3、ブレーキB1〜B4を係合・開放している。このうち、ワンウェイクラッチF2(フォーワードワンウェイクラッチ)は、エンジン1から駆動輪への動力伝達径路を断接するクラッチであり、自動変速機31が前進レンジ(Dレンジ)にシフトされているときに係合されて動力伝達経路を接続するクラッチである。そして、油圧制御回路55はワンウェイクラッチF2の油圧をコントロールバルブにより任意に調節することが可能であり、自動変速機用コントローラ61は後述するニュートラル制御を行うことが可能となっている。
自動変速機用エンジンコントローラ61には、運転者によるシフトレバーの位置を検出するシフトポジションスイッチ71、自動変速機31のアウトプットシャフト33の回転速度から車速を検出する車速センサ72、タービンランナの回転速度(=自動変速機のインプットシャフト33の回転速度)を検出するタービンセンサ73、フットブレーキによる制動状態を検出するブレーキスイッチ74などからの信号が入力されている。
自動変速機用コントローラ61では上述した各種センサからの検出内容に基づいて、予め設定されたスロットル開度と車速とをパラメータとする変速点マップに従って、油圧制御回路55内のソレノイドバルブ等を駆動している。このことにより前述したごとく各クラッチC1〜C3、ブレーキB1〜B4の係合の組合せを行って変速制御を行っている。
また、自動変速機用コントローラ61はエンジンコントローラ15との間で通信を行い、互いに必要な情報をやりとりしている。
さて、一層の燃費向上のためシフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態(以下単に「Dレンジアイドル状態」という。)での車両停止時にニュートラル制御を行うものがある。ここで、「ニュートラル制御」とは、Dレンジアイドル状態での車両停止時に、自動変速機内のフォワードワンウェイクラッチを開放するかまたはスリップ状態とすることで自動変速機をニュートラル状態やこれに近い状態とし、エンジンに作用する変速機負荷(エンジン負荷)を減らすようにするものである。アイドル時にエンジン回転速度を目標アイドル回転速度へと維持するフィードバック制御を行うにしても、エンジン負荷を減らせばその分燃料噴射量を少なくでき、これによって燃費を向上させることができるわけである。
一方、エンジンの排出ガス浄化用の触媒を早期に暖機するために点火時期を圧縮上死点後まで遅角させつつ成層燃焼を行わせるリタード成層燃焼が知られている(特開2008−25535号公報参照)。このリタード成層燃焼について概説すると、触媒22が活性化していない場合に、点火時期を圧縮上死点後の例えば15〜30degに設定して点火を行う。また、燃料噴射時期(燃料噴射開始時期のこと。以下同じ。)を、圧縮上死点後でかつ点火時期の前、つまり膨張行程に設定して燃料噴射を行う。燃料噴射はさらに2回に分割し、2回目の燃料噴射を膨張行程での燃料噴射とし、これに先立つ1回目の燃料噴射として圧縮行程で燃料噴射を行う。また、燃料噴射による燃焼室内の空燃比(燃料噴射を2回に分割しているので2回の燃料噴射トータルによる燃焼室内の空燃比)は、理論空燃比から若干リーン側の空燃比(例えば16〜17)とする。このように2回目の燃料噴射に先立ち、1回目の燃料噴射として圧縮行程での燃料噴射を行うと、1回目の燃料噴射が吸気行程での燃料噴射である場合に比べて、圧縮行程での燃料噴射のほうがその燃料噴霧によるガス乱れの減衰が遅くなる分、1回目の燃料噴射によるガス乱れが燃焼室内に残るため、その状態で2回目の燃料噴射(膨張行程での燃料噴射)を行うことで、1回目の燃料噴射で生成したガス乱れを助長するようにガス乱れを強化でき、膨張行程においても燃焼室内ガス流動を十分に強化できることとなる。点火時期を圧縮上死点後に遅らせてのこうした燃焼も成層燃焼であるが、点火時期が圧縮上死点前にくる通常の成層燃焼と区別するため、点火時期を圧縮上死点後に遅らせているこのような燃焼形態を「リタード成層燃焼」と名付けている。
特開2008−25535号公報に記載のリタード成層燃焼はスプレーガイド方式といわれるものであるが、本実施形態で採用するリタード成層燃焼はこれに限らずウォールガイド方式のリタード成層燃焼でもかまわない。上記のスプレーガイド方式のリタード成層燃焼では、ピストン冠面は平面であるため、燃料噴射弁からの噴霧(特に2回目の燃料噴射による噴霧)を噴霧の貫徹力を利用して直接点火プラグ周りに到達させるようにしているが、ウォールガイド方式のリタード成層燃焼では、ピストン冠面にキャビティを形成し、燃料噴射弁からの噴霧(特に2回目の燃料噴射による噴霧)をこのキャビティに向かわせた後に、キャビティ内で反転させて点火プラグ周りに到達させるようにしている。このため、ウォールガイド方式のリタード成層燃焼では噴射時期がスプレーガイド方式のリタード成層燃焼と若干相違し、1回目の燃料噴射は圧縮行程前半での燃料噴射、2回目の燃料噴射は圧縮行程後半での燃料噴射となっている。
本実施形態は、これらリタード成層燃焼を2回の分割噴射により行うものに限定されるものでない。すなわち、リタード成層燃焼を1回のみの燃料噴射により行う場合(たとえば、リタード成層燃焼を2回の分割噴射により行うものにおいて1回目の燃料噴射を省略し、2回目の燃料噴射だけを行う場合)でもかまわない。
そして、このようなリタード成層燃焼を行わせているときにもニュートラル制御を行わせることが考えられるが、この状態からアクセルペダルが踏まれて車両走行状態に移ると、ニュートラル制御とリタード成層燃焼制御が一旦解除され、さらに車両が減速して再び車両停止状態に移るとニュートラル制御の実行とリタード成層燃焼の実行とを再開することになる。ここで、ニュートラル制御を実行するために、自動変速機内のフォワードワンウェイクラッチを開放させるが、この開放には遅れがある。この遅れに起因して、ニュートラル制御の実行とリタード成層燃焼の実行とを同時に再開すると、しばらくの間、フォワードワンウェイクラッチが幾分か係合された状態でリタード成層燃焼が実行されることになるので、リタード成層燃焼による燃焼振動が車両側に伝達されやすくなり、運転者に不快感を与えてしまう。また、自動変速機からエンジンに作用する負荷もしばらくは残るので、空気量を増大させる必要がありブレーキブースタ用負圧の確保が難しくなる。
そこで本発明は、ニュートラル制御の開始と同時にリタード成層燃焼を行わせるのではなく、先にニュートラル制御への移行を開始し、このニュートラル制御への移行中、もしくは移行後に均質燃焼からリタード成層燃焼への切換を許可するか否かの判定を行い、許可されたときに均質燃焼からリタード成層燃焼へと移行させることとする。
これを図3を参照してさらに説明する。図3はDレンジアイドルからニュートラル制御への移行時、及び均質燃焼よりリタード成層燃焼への移行時に目標アイドル回転速度、タービン回転速度、変速機負荷(エンジン負荷)、燃焼切換許可フラグ、燃焼切換実行フラグ、スロットル開度、シリンダ(燃焼室8a)に流入するシリンダ吸入空気量(以下単に「シリンダ吸入空気量」という。)、点火時期、燃焼形態がどのように変化するのかをモデルで示している。
シフトレバー位置をDレンジとしている状態での車両走行中にアクセルペダルから脚を離し、ブレーキペダルを踏み込んで車両を停止させたとすると、エンジンはアイドル状態となり、t1のタイミングでニュートラル制御開始条件が成立したとする。t1でニュートラル制御への移行を開始し自動変速機31をニュートラル状態とするためフォワードワンウェイクラッチF2を開放する。タービン回転速度Ntbnは車両の停止によってゼロとなっているが、t1でのフォワードワンウェイクラッチF2の開放によってエンジン1と変速機のドライブ機構部31bとがトルクコンバータ31aを介して接続された状態となる。つまり、タービンランナ42がポンプインペラ41により流体を介して駆動されるため、t1より少し遅れたタイミングから、タービン回転速度Ntbnがゼロを離れてゆっくりと上昇してゆき、t3のタイミングで目標アイドル回転速度NSET(例えば800rpm)より若干低い値である所定値Nt1に収束している。なお、フォワードワンウェイクラッチF2を開放する代わりに、フォワードワンウェイクラッチF2の係合圧を弱めてスリップ状態とするようにしてもかまわない。
Dレンジアイドル状態での変速機負荷を所定値LOAD1とすると、t1でのフォワードワンウェイクラッチF2の開放によって変速機負荷は徐々に減少しt3のタイミングでニュートラル相当の負荷である所定値LOAD2に収束する。このようにして、ニュートラル制御への移行はt3のタイミングで完了する。
変速機負荷がt1より減少すれば、その分燃焼振動が車両側に伝達されにくくなる。そこで本発明では燃焼振動が車両側へ伝達されにくくなった状態で均質燃焼からリタード成層燃焼への燃焼形態の切換を行わせるため、目標アイドル回転速度NSETとタービン回転速度Ntbnとの差ΔN1(=NSET−Ntbn)を算出し、その回転速度差ΔN1が所定値(正の値)以下となるt2のタイミングで燃焼切換許可フラグをゼロから1へと切換える。すなわち、ニュートラル制御移行中はt1よりt3までの期間であるが、その期間の途中であるt2のタイミングで燃焼切換許可フラグをゼロから1へと切換えることにより、リタード成層燃焼への移行を開始させる。
t2からのリタード成層燃焼への移行に際しては、まずt2でスロットル開度をアイドル相当値TVOidlから所定値ΔTVO(正の値)だけステップ的に大きくした所定値TVO1(=TVOidl+ΔTVO)とする。スロットル開度をアイドル相当値TVOidlから所定値ΔTVOだけステップ的に大きくするのは、リタード成層燃焼における、均質燃焼時の点火時期からの大きな点火時期リタード(遅角)によってエンジン発生トルクが減少するので、そのエンジン発生トルクの減少分を、スロットル開度を所定値ΔTVOだけステップ的に大きくすることによって燃料噴射弁13からの燃料噴射量を増やしエンジン発生トルクを増加させることで、相殺させるためである。
シリンダ吸入空気量はt1の前には所定値Q1(Dレンジアイドル状態でのシリンダ吸入空気量)であったのが、t1のタイミングからの変速機負荷の減少に合わせてゆっくと減少している。シリンダ吸入空気量がt1のタイミングよりゆっくと減少するのはアイドル状態で実際のエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSET(=800rpm)と一致するようにスロットル開度のフィードバック制御を行っているためである。すなわち、Dレンジアイドル状態で実際のエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSETと一致するようにスロットル開度のフィードバック制御を行っている状態でt1より変速機負荷が減少すると、その分実際のエンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSETを超えて上昇する。この上昇した実際のエンジン回転速度Neを目標アイドル回転速度NSETに戻そうとスロットル開度が閉じ側に補正され、これに伴ってシリンダ吸入空気量が減少するためである。
そして、t2でのスロットル開度のステップ増加に応じ、シリンダ吸入空気量は所定値Q3からほぼ一次の応答で増加してt4のタイミングで所定値Q2に収束している。
一方、Dレンジアイドル状態での点火時期は所定値ADV0(MBTの得られる点火時期より若干リタード側の点火時期)となっている。燃焼切換許可フラグがゼロより1へと切換わるt2のタイミングよりリタード成層燃焼へと移行させるため、燃焼形態は均質燃焼に維持したまま点火時期だけを遅らせる。このときの所定値ADV0からの点火時期の遅角補正量RETはシリンダ吸入空気量の変化(増加)に合わせたものとする。その理由は、シリンダ吸入空気量が増加すればその分エンジン発生トルクが増加するので、その増加する分だけ点火時期を遅角補正すれば、エンジン発生トルクを一定に保ちつつ点火時期を遅角できるためである。この結果、点火時期の遅角補正量RETは一次遅れの波形で与えることとなる。
t2からt4までシリンダ吸入空気量が変化(増加)している途中で均質燃焼からリタード成層燃焼へと切換える場合と、シリンダ吸入空気量が収束した後に均質燃焼からリタード成層燃焼へと切換える場合とを比較すれば、シリンダ吸入空気量が収束した後に均質燃焼からリタード成層燃焼へと切換える場合のほうが、燃焼への影響が少なくて済む。一方、t2からの点火時期の遅角補正によって均質燃焼における燃焼が不安定となってゆくため、均質燃焼での点火時期の燃焼安定限界(これ以上燃焼が不安定となってはいけない遅角側限界の点火時期のこと)となるタイミングで均質燃焼からリタード成層燃焼へと切換える必要がある。この2つを勘案し、本実施形態では時期的に早いほう、つまりシリンダ吸入空気量が収束するt4のタイミングで燃焼切換実行フラグをゼロから1へと切換え、燃焼形態を均質燃焼からリタード成層燃焼へと切換える。このため、点火時期はt4のタイミングで所定値ADV3から所定値ADV1(リタード成層燃焼での点火時期の燃焼安定限界)へとステップ的に遅角させる。このようにして、リタード成層燃焼への移行はt4のタイミングで完了する。
このように、ニュートラル制御移行中はt1よりt3までの期間であり、このニュートラル制御移行中のt2のタイミングでリタード成層燃焼への移行を開始し、ニュートラル制御への移行が完了するt3のタイミングの後のt4でリタード成層燃焼への移行を完了している。
自動変速機用コントローラ61と協動しつつエンジンコントローラ15で実行されるこの制御を図4から図8までのフローチャートに基づいて詳述する。
まず、図4はニュートラル制御開始フラグを設定するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ1〜6では
〈1〉Dレンジであること、
〈2〉アイドル状態であること(アクセルペダルが踏み込まれていないこと)、
〈3〉ブレーキスイッチ74がONであること、
〈4〉車速がゼロまたは所定値以下であること、
〈5〉冷却水温が所定範囲にあること、
〈6〉変速機の油温が所定範囲にあること
の各条件が成立するか否かをみて、いずれか一つでも成立しないときにはステップ9に進んでニュートラル制御開始フラグ=0とする。これに対して上記〈1〉〜〈6〉の全ての条件が成立するときにはニュートラル制御条件が成立したと判断しステップ7に進んでニュートラル制御開始フラグ=1とすると共に、ステップ8で自動変速機をニュートラル状態とするためフォワードワンウェイクラッチF2を開放することを自動変速機用コントローラ61に送信する。自動変速機用コントローラ61ではこの送信を受けてフォワードワンウェイクラッチF2を開放する。
ここで、上記〈1〉のDレンジであるか否かはシフトポジションスイッチ71により検出される。上記〈2〉のアイドル状態であるか否かはアクセルペダルセンサ(図示しない)により検出される。上記〈4〉の車速がゼロまたは所定値以下であるか否かは車速センサ72により検出される。上記〈5〉の冷却水温が所定範囲にあるか否かは水温センサ25により検出される。上記〈6〉の変速機の油温が所定範囲にあるか否かは図示しない油温センサにより検出される。
図5は燃焼切換許可フラグを設定するためのもので、図4のフローに続けて一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ11ではニュートラル制御開始フラグ(図4により設定済み)をみてニュートラル制御開始フラグ=0であるときにはステップ15に進んで燃焼切換許可フラグ=0とする。これに対してステップ11でニュートラル制御開始フラグ=1であるときにはステップ12に進み、タービンセンサ73により検出されるタービン回転速度tbnの目標アイドル回転速度NSETからの偏差を、つまり、
ΔN1=NSET−Ntbn …(1)
ただし、NSET;目標アイドル回転速度、
Ntbn;タービン回転速度、
の式により回転速度偏差ΔN1を算出し、ステップ13でこの回転速度偏差ΔN1と所定値を比較する。所定値は均質燃焼からリタード成層燃焼への移行を開始させるか否かの判定値で、予め定めておく。回転速度偏差ΔN1が所定値を超えているときにはステップ15に進んで燃焼切換許可フラグ=0とする。なお、ステップ12では、目標アイドル回転速度にNSETに代えて、実エンジン回転速度Neで判定してもよい。
ステップ13で回転速度偏差ΔN1が所定値以下となったときには均質燃焼からリタード成層燃焼への移行を開始させるためステップ14に進み燃焼切換許可フラグ=1とする。
図6はDレンジアイドル状態での目標スロットル開度を算出するためのもので、図5のフローに続けて一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ21ではDレンジアイドル状態であるか否かをみる。Dレンジアイドル状態であるときにはテップ22、23に進み今回と前回の燃焼切換許可フラグ(図5により設定済み)をみる。今回に燃焼切換許可フラグ=0であるときにはステップ24に進みスロットル開度基本値TVObにアイドル相当値TVOidl(Dレンジアイドル状態でのスロットル開度)を入れる。ステップ22、23で今回に燃焼切換許可フラグ=1でありかつ前回に燃焼切換許可フラグ=0であったとき、つまり今回に燃焼切換許可フラグがゼロから1に切換わったときにはステップ25に進み、均質燃焼からリタード成層燃焼に移行するに際してアイドル相当値TVOidlに所定値ΔTVOを加算した値(図3でいう所定値TVO1)をスロットル開度基本値TVObに入れる。これに対してステップ22、23で今回に燃焼切換許可フラグ=1でありかつ前回に燃焼切換許可フラグ=1であったとき、つまり燃焼切換許可フラグ=1が継続しているときにはステップ26に進み、スロットル開度基本値TVObを維持、つまり前回のスロットル開度基本値をそのまま今回のロットル開度基本値TVObに移す。
ステップ27〜33は実エンジン回転速度が目標アイドル回転速度と一致するようにスロットル開度のフィードバック制御を行う部分である。ステップ27では、目標アイドル回転速度NSETと実エンジン回転速度Neの偏差を、つまり
ΔN2=NSET−Ne …(2)
ただし、NSET;目標アイドル回転速度、
Ne;実エンジン回転速度、
の式により回転速度偏差ΔN2を算出し、ステップ28でこの回転速度偏差ΔN2の絶対値|ΔN2|と許容値を比較する。許容値はアイドル状態で実エンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSETの付近に収まっているか否かを判定するための値で、例えば25rpmである。回転速度偏差絶対値|ΔN2|が許容値を超えているときには実エンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSETの付近に収まっていないと判断しステップ29に進んで回転速度偏差ΔN2とゼロとを比較する。回転速度偏差ΔN2が正、つまり実エンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSET−許容値を下回っているときには実回転速度Neを高くして目標アイドル回転速度NSETの付近に戻すためステップ30で前回のフィードバック量に所定値ZOUを加算した値を今回のフィードバック量として、つまり、
FB=FB(前回)+ZOU …(3)
ただし、FB(前回):前回のFB、
ZOU:所定値、
の式によりスロットル開度のフィードバック量FBを更新する。これに対して、ステップ29で回転速度偏差ΔN2が負、つまり実エンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSET+許容値を上回っているときには実回転速度Neを低くして目標アイドル回転速度NSETの付近に戻すためステップ31に進み前回のフィードバック量から所定値GENを減算した値を今回のフィードバック量として、つまり、
FB=FB(前回)−GEN …(4)
ただし、FB(前回):前回のFB、
GEN:所定値、
の式によりスロットル開度のフィードバック量FBを更新する。一方、ステップ28で回転速度偏差ΔN2の絶対値|ΔN2|が許容値以下であるときには実エンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSETの付近に収まっていると判断しステップ32に進み、スロットル開度のフィードバック量を維持、つまり前回のフィードバック量を今回のフィードバック量に移す。
ステップ33では、このようにして得たスロットル開度のフィードバック量FBをスロットル開度基本値TVObに加算して、つまり
TVOm=TVOb+FB …(5)
の式によりDレンジアイドル状態での目標スロットル開度TVOmを算出する。
このようにして算出した目標スロットル開度TVOmは、図示しないフローにおいてステップモータ10へのステップ数に変換され、このステップ数がステップモータ10に出力される。これによりDレンジアイドル状態で実エンジン回転速度Neが目標アイドル回転速度NSETと一致するようにスロットル開度のフィードバック制御が行われる。
図7は燃焼切換実行フラグを設定するためのもので、図5、図6のフローに続けて一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ41では燃焼切換許可フラグ(図5により設定済み)をみて燃焼切換許可フラグ=0であるときにはステップ45に進んで燃焼切換実行フラグ=0とする。これに対してステップ41で燃焼切換許可フラグ=1であるときにはステップ42に進み、アイドル相当値TVOidlに一定値ΔTVOを加算した値がスロットル開度基本値TVObに入っているか否かをみる。アイドル相当値TVOidlに一定値ΔTVOを加算した値がスロットルバルブ開度基本値TVObに入っていなければステップ45に進んで燃焼切換実行フラグ=0とする。
ステップ42でアイドル相当値TVOidlに所定値ΔTVOを加算した値がスロットルバルブ開度基本値TVObに入っていればステップ43に進んでシリンダ吸入空気量Qcylが収束したか否かをみる。これは、例えばシリンダ吸入空気量Qcylの所定時間当たりの変化量ΔQcylを算出し、その変化量ΔQcylが所定値以下になればシリンダ吸入空気量Qcylが収束したと、またその変化量ΔQcylが所定値以下になければシリンダ吸入空気量Qcylは収束していないと判定すればよい。シリンダ吸入空気量Qcylの算出方法は特開2001−50091号公報により公知である。シリンダ吸入空気量Qcylが収束していなければステップ45に進んで燃焼切換実行フラグ=0とする。
ステップ42でシリンダ吸入空気量Qcylが収束したときには燃焼形態を均質燃焼からリタード成層燃焼へ切換えるためステップ44に進み燃焼切換実行フラグ=1とする。
図8はDレンジアイドル状態での点火時期を算出すると共に燃焼形態に応じた噴射開始時期を設定するためのもので、図7のフローに続けて一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ここで、均質燃焼での点火時期は圧縮上死点前にあり、リタード成層燃焼での点火時期は圧縮上死点後にある。このため、圧縮上死点を起点として進角側に計測するクランク角[degBTDC]を採用すると、リタード成層燃焼での点火時期は負の値となって扱いにくい。そこで、本実施形態では、例えば吸気下死点(BDC)を起点として遅角側に計測するクランク角[degABDC]を採用している。このように点火時期の起点を取り直すことで、均質燃焼時、リタード成層燃焼時のいずれも点火時期を正の値で扱うことができる。
ステップ51ではDレンジアイドル状態であるか否かをみる。Dレンジアイドル状態であるときにはテップ52、53に進んで燃焼切換許可フラグ、燃焼切換実行フラグをみる。燃焼切換実行フラグ=0かつ燃焼切換許可フラグ=0であるときにはステップ54に進み、点火時期ADV[degABDC]に所定値ADV0[degABDC]を入れる。所定値ADV0はDレンジアイドル状態での最適な点火時期、つまりMBTより若干遅角側の点火時期である。
燃焼切換実行フラグ=0かつ燃焼切換許可フラグ=1であるときにはステップ56に進み、シリンダ吸入空気量Qcylから図9を内容とするテーブルを検索することにより点火時期の遅角補正量RTD[deg]を算出し、ステップ57で所定値ADV0にこの点火時期の遅角補正量RTDを加算した値を点火時期ADVとして、つまり、
ADV=ADV0+RTD …(6)
の式により点火時期ADVを算出する。上記のように点火時期には吸気下死点(BDC)を起点として遅角側に計測するクランク角[degABDC]を採用しているので、(6)式において点火時期の遅角補正量RTDを加算することは、点火時期を遅角側に補正することを意味する。
上記図9に示したように、点火時期の遅角補正量RTDはシリンダ吸入空気量Qcylが増えるほど大きくなる値である。ここで、図9横軸の所定値Q3は、図3に示したt2のタイミングでのシリンダ吸入空気量で、このとき点火時期の遅角補正量RTDはゼロである。また、シリンダ吸入空気量Qcylが所定値Q2のとき、点火時期の遅角補正量RTDは最大値RTDmxをとる。
ステップ55では均質燃焼での噴射開始時期を設定する。均質燃焼での噴射開始時期は吸気行程前半にある。
一方、ステップ52で燃焼切換実行フラグ=1であるときにはステップ58に進み点火時期ADVに所定値ADV1[degABDC]を入れる。所定値ADV1はリタード成層燃焼での点火時期の遅角側燃焼安定限界である。
ステップ59ではリタード成層燃焼での噴射開始時期を設定する。リタード成層燃焼での噴射開始時期はウォールガイド方式の場合、1回目は圧縮行程前半、2回目は圧縮行程後半にある。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、エンジンに連結される自動変速機31と、シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時にニュートラル制御を実行するニュートラル制御実行手段と、均質燃焼を実行する均質燃焼実行手段と、リタード成層燃焼を実行するリタード成層燃焼実行手段とを備え、Dレンジアイドル状態での車両停止時に前記均質燃焼実行手段により均質燃焼を行わせつつニュートラル制御に移行させ(図4のステップ1〜6、7、8、図8のステップ51、52、53、54、55参照)、均質燃焼実行手段による均質燃焼からリタード成層燃焼への切換を許可するか否かを判定し(図5のステップ11〜15参照)、この判定結果よりリタード成層燃焼への切換を許可する場合に、均質燃焼からリタード成層燃焼に移行させる(図8のステップ51〜59参照)ので、ニュートラル制御が機能し始める前、すなわち自動変速機31のフォワードワンウェイクラッチF2が幾分でも係合された状態でリタード成層燃焼が実行されることがなくなり、リタード成層燃焼による燃焼振動が車両側に伝達されて、運転者に不快感を与えることがなくなる。また、ニュートラル制御の移行後にはニュートラル制御の実行によって、ニュートラル制御を実行しない場合よりも自動変速機31からエンジンに作用する負荷が減少するので、その分だけシリンダ空気量を増大させる必要がなくなってブレーキブースタ用負圧を確保できる。
本実施形態(請求項2に記載の発明)によれば、自動変速機31はポンプインペラ41と、タービンランナ42とを有するトルクコンバータ31aを備え、リタード成層燃焼への切換を許可するか否かの判定を、エンジン回転速度とタービン回転速度(タービンランナ42の回転速度)Ntbnとの差ΔN1に基づいて行うので(図5のステップ11、12、13参照)、ニュートラル制御への移行中であるか否かの判定を容易に行うことができる。また、ニュートラル制御に完全に移行(t3)する前に、リタード成層燃焼への移行を開始できるので、早期にリタード成層燃焼の実行を再開できて触媒の早期暖機が可能になる。
リタード成層燃焼では、アイドル状態での点火時期(ADV0)より圧縮上死点後の点火時期(ADV1)へと大きく遅角されるので、その点火時期の遅角分(=ADV1−ADV0)だけアイドル状態でのエンジン発生トルクが低下し、アイドル安定性が悪くなることが考えられるのであるが、本実施形態(請求項3に記載の発明)によれば、リタード成層燃焼移行手段は、均質燃焼からリタード成層燃焼に移行させるに際し、ステップモータ10(スロットル開度調整手段)を用いてスロットル開度をアイドル状態でのスロットル開度TVOidlより所定値ΔTVO増大させるので(図6のステップ22、23、25、22、23、26参照)、もともと燃焼の不安定なアイドル状態で点火時期を単に遅角することによるエンジン発生トルクの低下を防止できる。
シリンダ吸入空気量Qcylが収束するのを待って、MBTより若干リタード側にあるアイドル状態での点火時期(ADV0)からリタード成層燃焼での点火時期の燃料安定限界(ADV1)へと点火時期を一気に切換えたのでは、エンジン発生トルクが変動し運転性が悪くなってしまうのであるが、本実施形態(請求項4に記載の発明)によれば、スロットル開度を所定値ΔTVO増大させた後にシリンダ吸入空気量Qcylが収束するまでの間、点火時期をアイドル状態での点火時期(ADV0)から徐々に遅角補正するので(図8のステップ51、52、53、56、57参照)、シリンダ吸入空気量Qcylが収束したタイミングでの点火時期(ADV3)は相当程度遅角側に移動しており、従ってシリンダ吸入空気量Qcylが収束したタイミングでの点火時期(ADV3)からリタード成層燃焼での点火時期の燃料安定限界(ADV1)への変化量(=ADV1−ADV3)は小さなものとなっている。このため、シリンダ吸入空気量Qcylが収束したタイミングでリタード成層燃焼での点火時期の燃料安定限界(ADV1)へと点火時期をステップ的に切換えてもそのステップ変化量(=ADV1−ADV3)は小さなものであり、従ってエンジン発生トルクがそれほど変動することがなく、運転性の悪化を防止できる。
スロットル開度を所定値ΔTVO増大させたときシリンダ吸入空気量Qcylは一次遅れで増加するため、このシリンダ吸入空気量Qcylの変化に関係なく点火時期の遅角補正量RTDを与えたのではアイドル状態でのエンジン発生トルクが変動してしまうのであるが、本実施形態(請求項5に記載の発明)によれば、点火時期の遅角補正量RTDをシリンダ吸入空気量Qcylに応じて算出するので(図8のステップ56、図9参照)、アイドル状態でのエンジン発生トルクを一定に維持しつつ点火時期を遅らせることができる。
本実施形態(請求項6に記載の発明)によれば、リタード成層燃焼移行手段は、スロットル開度を所定値ΔTVO増大させた後にシリンダ吸入空気量Qcylが収束したタイミングで均質燃焼の噴射開始時期からリタード成層燃焼の噴射開始時期に切換えるので(図7のステップ41、42、43、44、図8のステップ52、59参照)、シリンダ吸入空気量Qcylが収束していく途中のタイミングでリタード成層燃焼の噴射開始時期に切換える場合と比べて燃焼への影響が少なくて済む。
実施形態では、車両走行後のDレンジアイドル状態での車両停止時の場合で説明したが、この場合に限らず、シフトレバー位置をNレンジからDレンジヘ変更した後のアイドル状態での車両停止時に、均質燃焼実行手段により均質燃焼を行わせつつニュートラル制御に移行させ、均質燃焼からリタード成層燃焼への切換を許可するか否かを判定し、この判定結果よりリタード成層燃焼への切換を許可する場合に、均質燃焼からリタード成層燃焼に移行させるようにしてもかまわない。
請求項1においてニュートラル制御移行手段の機能は図4のステップ1〜6、7、8、図8のステップ51、52、53、54、55により、判定手段の機能は図5のステップ11〜15により、リタード成層燃焼移行手段の機能は図8のステップ51〜59により果たされている。
本発明の第1実施形態のエンジンの制御装置の概略構成図。 本発明の第1実施形態の自動変速機及びその制御装置の概略構成図。 Dレンジアイドルからニュートラル制御への移行時、及び均質燃焼よりリタード成層燃焼への移行時の目標アイドル回転速度、タービン回転速度、変速機負荷、燃焼切換許可フラグ、燃焼切換実行フラグ、スロットル開度、シリンダ吸入空気量、点火時期、燃焼形態の変化を示すタイミングチャート。 ニュートラル制御開始フラグの設定を説明するためのフローチャート。 燃焼切換許可フラグの設定を説明するためのフローチャート。 目標スロットル開度の算出を説明するためのフローチャート。 燃焼切換実行フラグの設定を説明するためのフローチャート。 点火時期の算出と燃料噴射時期の設定を説明するためのフローチャート。 点火時期遅角量の特性図。
符号の説明
8a 燃焼室
10 ステップモータ(スロットル開度調整手段)
13 燃料噴射弁
15 エンジンコントローラ
22 触媒
24 点火プラグ

Claims (8)

  1. エンジンに連結される自動変速機と、
    シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時にニュートラル制御を実行するニュートラル制御実行手段と、
    均質燃焼を実行する均質燃焼実行手段と、
    リタード成層燃焼を実行するリタード成層燃焼実行手段と、
    シフトレバー位置がDレンジにあるアイドル状態での車両停止時に前記均質燃焼実行手段により均質燃焼を行わせつつニュートラル制御に移行させるニュートラル制御移行手段と、
    前記均質燃焼実行手段による均質燃焼からリタード成層燃焼への切換を許可するか否かを判定する判定手段と、
    この判定結果よりリタード成層燃焼への切換を許可する場合に、前記均質燃焼から前記リタード成層燃焼に移行させるリタード成層燃焼移行手段と
    を備えることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記自動変速機はポンプインペラと、タービンランナとを有するトルクコンバータを備え、
    前記リタード成層燃焼への切換を許可するか否かの判定を、エンジン回転速度と前記タービンランナの回転速度との差に基づいて行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記リタード成層燃焼移行手段は、リタード成層燃焼に移行させるに際し、スロットル開度調整手段を用いてスロットル開度をアイドル状態でのスロットル開度より所定値増大させることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  4. 前記スロットル開度を所定値増大させた後にシリンダ吸入空気量が収束するまでの間、点火時期を前記アイドル状態での点火時期から徐々に遅角補正することを特徴とする請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記点火時期の遅角補正量を前記シリンダ吸入空気量に応じて算出することを特徴とする請求項4に記載の車両の制御装置。
  6. 前記リタード成層燃焼移行手段は、前記スロットル開度を所定値増大させた後にシリンダ吸入空気量が収束したタイミングで前記均質燃焼の噴射開始時期から前記リタード成層燃焼の噴射開始時期に切換えることを特徴とする請求項4に記載の車両の制御装置。
  7. 前記自動変速機はトルクコンバータとドライブ機構部とフォワードワンウェイクラッチとを有し、
    前記ニュートラル制御は、前記フォワードワンウェイクラッチを開放するかまたはスリップ状態とすることにより前記ドライブ機構部が前記エンジンによりトルクコンバータを介して駆動されるニュートラル状態とすることであることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  8. エンジンの燃焼室に臨んでいる点火プラグと、
    エンジンの燃焼室に直接的に燃料を噴射し得る燃料噴射弁と
    を備え、
    前記リタード成層燃焼は、前記点火プラグにより圧縮上死点後に設定した点火時期で火花点火を行わせかつ前記燃料噴射弁によりこの点火時期の前に設定した燃料噴射時期に燃料噴射を行わせることにより成層燃焼を実現することであることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
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