JP2010123995A - 半導体光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い波長帯域にわたって低反射率を有する反射膜を備えた半導体光素子を提供する。
【解決手段】半導体光素子は、活性層と、前記活性層を挟む2枚のクラッド層とからなる導波層を含む積層構造体と、前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜とを備え、前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、前記多層反射膜は、反射率が前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として−1.5%から+1.0%の範囲内となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λが0.066以上である。
【選択図】図5
【解決手段】半導体光素子は、活性層と、前記活性層を挟む2枚のクラッド層とからなる導波層を含む積層構造体と、前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜とを備え、前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、前記多層反射膜は、反射率が前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として−1.5%から+1.0%の範囲内となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λが0.066以上である。
【選択図】図5
Description
本発明は、光情報処理用の光源、光通信の信号、及びファイバアンプの励起光源などとして用いられる半導体レーザ素子、及び光信号を増幅する半導体増幅器及び光信号を変調する光変調器等の半導体光素子に関する。
半導体レーザ素子や、光変調器等の半導体光素子の端面部の導波層には、通常、反射膜がコーティングされている。この半導体光素子の端面部に設けられた反射膜(コーティング膜:屈折率n1)の膜厚dをλ/(4n1)の奇数倍とすると、反射膜の反射率は極小値をとる。さらに、端面部に導波層を含む積層構造体の屈折率ncの平方根の屈折率を有するコーティング膜を形成することによって無反射膜が得られる。例えば、半導体レーザの端面の反射膜を無反射膜とした例(例えば、非特許文献1を参照)が知られている。
半導体光素子の端面部の導波層を含む積層構造体(実効屈折率nc=3.37)に膜厚を変えて形成された単層反射膜(屈折率n1=1.449)の反射率の波長依存性を考える。ここで、設定波長λ=980nmで反射率が最小値をとるように設定する。反射率が最小値をとる場合とは、λ/(4n1)の奇数倍の膜厚の場合である。そこで、膜厚λ/(4n1)の単層反射膜の場合と、膜厚5λ/(4n1)の単層反射膜のそれぞれの場合について検討すると、膜厚λ/(4n1)の単層反射膜のほうが膜厚5λ/(4n1)の単層反射膜より反射率の極小値近傍における平坦部分が広い。
具体的には以下の通りである。厚さd1=λ/(4n1)の場合は、波長980nmで極小反射率値4%となり、極小反射率値+2%の波長帯域は848nmから1161nmの313nmと広い。一方、厚さd1=5λ/(4n1)の場合は、波長980nmで極小反射率値4%は同じであるが、極小反射率値+2%の波長帯域は951nmから1011nmの60nmと極端に狭くなる。このとき、波長帯域を所定の波長で割った値は0.061となる。また、極小反射率値+2.5%の波長帯域は949nmから1013nmの64nmであり、この波長帯域を所定波長980nmで割った値は0.065となる。
I. Ladany, et al., "Scandium oxide antireflection coatings for superluminescent LEDs", Appl. Opt. Vol. 25, No. 4, pp.472-473, (1986)
上記のように半導体光素子の端面部の反射膜の膜厚dをλ/(4n1)の奇数倍で厚膜化した場合には、反射率の極小値近傍における低反射率領域の波長帯域が狭くなり、半導体レーザ特性が反射膜の反射率の波長依存性の影響を受けて大きく変化するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、極小反射率近傍の波長帯域が広い反射膜を備えた半導体光素子を提供することである。
本発明に係る半導体光素子は、活性層と、前記活性層を挟む2枚のクラッド層とからなる導波層を含む積層構造体と、
前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜と
を備え、
前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、
前記多層反射膜は、前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として、+2.0%以下となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλが、前記積層構造体の実効屈折率ncと前記波長λの場合の反射率R’(λ)とについて、下記の関係式、
R’(λ)=((nc−nf 2)/(nc+nf 2))2
を満たす屈折率nfの仮想単層反射膜を厚さ5λ/(4nf)だけ前記端面部に形成した場合の反射率R’を基準として、+2.0%以下となる前記波長λを含む連続した波長帯域幅Δ’λよりも広いことを特徴とする。
前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜と
を備え、
前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、
前記多層反射膜は、前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として、+2.0%以下となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλが、前記積層構造体の実効屈折率ncと前記波長λの場合の反射率R’(λ)とについて、下記の関係式、
R’(λ)=((nc−nf 2)/(nc+nf 2))2
を満たす屈折率nfの仮想単層反射膜を厚さ5λ/(4nf)だけ前記端面部に形成した場合の反射率R’を基準として、+2.0%以下となる前記波長λを含む連続した波長帯域幅Δ’λよりも広いことを特徴とする。
本発明に係る半導体光素子は、活性層と、前記活性層を挟む2枚のクラッド層とからなる導波層を含む積層構造体と、
前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜と
を備え、
前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、
前記多層反射膜は、反射率が前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として−1.0%から+2.0%の範囲内となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λが0.062以上であることを特徴とする。
前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜と
を備え、
前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、
前記多層反射膜は、反射率が前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として−1.0%から+2.0%の範囲内となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λが0.062以上であることを特徴とする。
本発明に係る半導体光素子は、活性層と、前記活性層を挟む2枚のクラッド層とからなる導波層を含む積層構造体と、
前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜と
を備え、
前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、
前記多層反射膜は、反射率が前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として−1.5%から+1.0%の範囲内となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λが0.066以上であることを特徴とする。
前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜と
を備え、
前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、
前記多層反射膜は、反射率が前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として−1.5%から+1.0%の範囲内となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λが0.066以上であることを特徴とする。
なお、Σnidiについて、好ましくはΣnidi>5λ/4の関係を満たすことである。これによりさらに厚い反射膜とすることができる。また、上記波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λは、好ましくは、0.070以上であり、さらに好ましくは0.090以上、またさらに好ましくは0.10以上である。低反射率の波長帯域幅Δλが広いと、反射率の波長依存性が小さいので、導波光の波長が変化した場合にも特性変化を抑制できる。
本発明に係る半導体光素子によれば、多層反射膜のそれぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、導波層を導波する光の所定波長、例えば980nmの1/4波長より大きい。さらに、この多層反射膜のΣnidiは、導波光のおよそ5/4波長よりも大きく、非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。また、多層反射膜は、波長の関数である反射率が、設定波長λにおける反射率−1%から+2%の範囲内となる連続する波長帯域幅Δλを、上記波長λで割った値Δλ/λが0.062以上である。または、多層反射膜は、波長の関数である反射率が、設定波長λにおける反射率−1.5%から+1.0%の範囲内となる連続する波長帯域幅Δλ’を、上記波長λで割った値Δλ’/λが0.066以上である。これにより、非常に厚い膜であるにもかかわらず、一定反射率の波長帯域Δλ(Δλ’)が広くなる。
本発明の実施の形態に係る半導体光素子について、添付図面を用いて説明する。なお、図面において、実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
まず、本発明の実施の形態に係る半導体光素子の端面部に形成された多層反射膜の反射率の算出について、図1から図5を用いて説明する。図1は、複素数表示された振幅反射率rを示す複素平面図である。図2は、半導体光素子の端面部の単層反射膜を示す概略断面図である。図3は、図2の単層反射膜に代えて2層反射膜を設けた場合の概略断面図である。図4は、図2の単層反射膜に代えて4層反射膜を設けた場合の概略断面図である。図5は、単層反射膜に代えて7層反射膜を設けた場合の概略断面図である。波長λの光についての複素数表示された振幅反射率rは、次式(1)で表され、図1の複素平面図上に表すことができる
r=rr(λ)+iri(λ) (1)
ここで、iは虚数単位(i=(−1)1/2)であり、rr(λ)は、実数部であり、ri(λ)は、虚数部である。通常用いられる反射率は、上記の振幅反射率の2乗であって、この反射率がゼロとなる場合とは、下記式(2a)、(2b)のように振幅反射率の実数部及び虚数部とが共にゼロとなる場合である。これらの関係式を解くことによって反射率がゼロとなる条件を得ることができる。
rr(λ)=0 (2a)
ri(λ)=0 (2b)
r=rr(λ)+iri(λ) (1)
ここで、iは虚数単位(i=(−1)1/2)であり、rr(λ)は、実数部であり、ri(λ)は、虚数部である。通常用いられる反射率は、上記の振幅反射率の2乗であって、この反射率がゼロとなる場合とは、下記式(2a)、(2b)のように振幅反射率の実数部及び虚数部とが共にゼロとなる場合である。これらの関係式を解くことによって反射率がゼロとなる条件を得ることができる。
rr(λ)=0 (2a)
ri(λ)=0 (2b)
一方、ゼロでない反射率を求めようとする場合には、図1の複素平面上で円周上の各点の振幅反射率が該当することとなるため、上記のような条件式が一義的には定まらない。そこで、導波する光の波長λについて所望の反射率が得られる仮想的な単層反射膜を考える。図2は、半導体光素子の導波層10の端面に単層反射膜1を設けた仮想単層反射膜の概略断面図である。反射膜1は大気等の自由空間5に面している。単層反射膜1の振幅反射率rを最小にする条件は、半導体光素子の導波層10を導波する光の波長λ、単層反射膜1の屈折率nf及び膜厚dfを用いて、下記式(3)で表される。
ここで、m=0、1、2、3等の負でない整数である。
なお、反射率Rは、振幅反射率rについて、|r|2で表される。つまり、R=((nc−nf 2)/(nc+nf 2))2で表される。従って、反射率R=4%を得ようとすると、半導体光素子の導波層の実効屈折率nc=3.37の場合には、上記式を解いて、単層反射膜1の屈折率nfとして、2.248又は1.499が得られる。しかし、通常、このような屈折率を有する単層膜は得られないことが多い。そこで、上記仮想単層反射膜を多層反射膜で置換することについて検討する。
上記の単層反射膜に代えて、2層反射膜を設けた場合の反射率について検討する。図3は、仮想単層反射膜に代えて、端面部に2層反射膜を用いた場合の概略断面図である。この2層反射膜の反射率の極小値を所定値に設定する条件について、本発明者らによる検討結果を説明する。2層反射膜を構成する第1層膜1及び第2層膜2の位相変化をそれぞれφ1、φ2とすると、下記式(5)及び(6)のように定義される。
また、電力反射率Rは、上記振幅反射率rを用いて|r|2で表される。この式(7)で表される振幅反射率が、式(4)で表される上記仮想単層反射膜の振幅反射率と等しくなるように厚さd1及びd2を決めればよい。
図4は、単層反射膜に代えて、端面部に4層反射膜を設ける場合の概略断面図である。この4層反射膜の反射率が設定波長で前記仮想単層膜の反射率と同一になる条件について検討する。4層反射膜の場合には、振幅反射率は下記式(9)で表される。
ここで、mij(i,jは1又は2)は下記式(10)で表される。
なお、A,Bは、第1層膜1の膜厚Ad1、第2層膜2の膜厚Ad2、第3層膜3の膜厚Bd1、第4層膜4の膜厚Bd2とした場合の、それぞれの2層膜(ペア)の寄与率を表すパラメータである。
図5は、単層反射膜に代えて、導波層10の端面部に7層反射膜20を設けた場合の概略断面図である。この7層反射膜20の反射率が前記仮想単層膜の反射率と同一になるように設定する条件について検討する。7層反射膜20の場合には、振幅反射率は、4層反射膜と同様に下記式(11)で表される。
ここで、mij(i,jは1又は2)は下記式(12)で表される。
なお、O,A,B,Cは、第1層膜11の膜厚Od2、第2層膜12の膜厚Ad1、第3層膜13の膜厚Ad2、第4層膜14の膜厚Bd1、第5層膜15の膜厚Bd2、第6層膜16の膜厚Cd1、第7層膜17の膜厚Cd2とした場合の、それぞれの2層膜(ペア)の寄与率を表すパラメータである。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る半導体光素子について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、単層反射膜に代えて7層反射膜を設けた場合の概略断面図である。この半導体光素子は、例えば、半導体レーザ素子、光変調器、光スイッチ等である。この半導体光素子は、光が導波する導波層の端面部に所定波長を中心とした広い波長帯域にわたって低反射率を有する多層反射膜を設けている。このように低反射率の多層反射膜を設けることにより、例えば、半導体レーザ素子の場合にはいわゆる戻り光によるノイズ等の発生を低減することができる。また、光変調器及び光スイッチの場合には、信号を低損失で透過させることができる。また、この多層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率を有するので、発振波長が変化した場合や、信号の中心波長が変化した場合にも反射特性の波長依存性を抑制できる。
本発明の実施の形態1に係る半導体光素子について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、単層反射膜に代えて7層反射膜を設けた場合の概略断面図である。この半導体光素子は、例えば、半導体レーザ素子、光変調器、光スイッチ等である。この半導体光素子は、光が導波する導波層の端面部に所定波長を中心とした広い波長帯域にわたって低反射率を有する多層反射膜を設けている。このように低反射率の多層反射膜を設けることにより、例えば、半導体レーザ素子の場合にはいわゆる戻り光によるノイズ等の発生を低減することができる。また、光変調器及び光スイッチの場合には、信号を低損失で透過させることができる。また、この多層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率を有するので、発振波長が変化した場合や、信号の中心波長が変化した場合にも反射特性の波長依存性を抑制できる。
以下、半導体光素子の端面部に設けた7層反射膜20について図5を用いて説明する。図5は、半導体光素子の端面部に設けた7層反射膜20の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子では、導波層10(等価屈折率nc=3.37)の端面部に、アルミナの第1層膜11(屈折率n2=1.62、膜厚Od2)、酸化タンタルの第2層膜12(屈折率n1=2.057、膜厚Ad1)、アルミナの第3層膜13(屈折率n2=1.62、膜厚Ad2)、酸化タンタルの第4層膜14(屈折率n1=2.057、膜厚Bd1)、アルミナの第5層膜15(屈折率n2=1.62、膜厚Bd2)、酸化タンタルの第6層膜16(屈折率n1=2.057、膜厚Cd1)、アルミナの第7層膜17(屈折率n2=1.62、膜厚Cd2)が順に積層されている。また、第7層膜17は大気等の自由空間5と接している。
この半導体光素子の端面部に設けられた7層反射膜20の反射特性について説明する。まず、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を2%とする。各パラメータを、O=0.2、A=2.2、B=2.0、C=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.45844、φ2=1.14932である場合に波長980nmで反射率2%が得られる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=22.13nm/76.47nm/243.44nm/69.52nm/221.31nm/69.52nm/221.31nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は923.7nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1590.57nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.49倍と非常に厚い。即ち、導波する光の所定波長980nmについて、その5/4波長よりも厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図6は、この7層反射膜20の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。ここで設定反射率のおよそ+1%が目標反射率である。この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって目標反射率の3%前後の平坦部分が得られている。即ち、波長968nmから1210nmにわたって反射率は極小値の1.3%から4.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は242nmである。この波長帯域幅を設定波長λ(=980nm)で割った値は約0.246である。
ここで、比較のために導波光の所定波長980nmについて5/4波長の厚さの仮想単層反射膜を仮定する。設定条件は、波長980nmで極小反射率4%をとるように、nc=3.37、n1=1.449である。この場合、極小反射率を基準として+2%、すなわち反射率4%〜6%の波長範囲は951nm〜1011nmであり、その波長帯域幅は60nmである。この波長帯域幅の広さの目安として、導波光の所定波長980nmで割ると0.061が得られる。
そこで、この実施の形態1に係る7層反射膜について、上記仮想単層反射膜と比較すると、導波光の波長での反射率+2%のとなる波長帯域幅をその波長で割った商は、0.246であり、仮想単層反射膜の0.061よりはるかに大きい。したがって、この7層反射膜は上述のように導波光の所定波長980nmについて5/4波長より厚い膜厚であるにもかかわらず、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図7を用いて説明する。図7は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層膜の構成において共通するが、設定波長λが879nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。各パラメータを、O=0.2、A=2.2、B=2.0、C=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.45844、φ2=1.14932である場合に波長879nmで反射率2%が得られる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=19.85nm/68.59nm/218.35nm/62.36nm/198.50nm/62.36nm/198.50nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は828.51nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1426.66nmであり、所定波長980nmについて1/4波長(=245nm)の約5.82倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態2に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図7を用いて説明する。図7は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層膜の構成において共通するが、設定波長λが879nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。各パラメータを、O=0.2、A=2.2、B=2.0、C=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.45844、φ2=1.14932である場合に波長879nmで反射率2%が得られる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=19.85nm/68.59nm/218.35nm/62.36nm/198.50nm/62.36nm/198.50nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は828.51nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1426.66nmであり、所定波長980nmについて1/4波長(=245nm)の約5.82倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図7は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長861nmから1098nmにわたって反射率は極小値の1.3%から4.0%の範囲内に収まっている。この場合、導波光の所定波長980nmを略中心として平坦部分が得られる。また、設定波長879nmの反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅Δλは237nmである。この波長帯域幅を設定波長879nmで割った値は約0.270であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、上述のように導波光の所定波長980nmについて5/4波長より厚い膜厚であるにもかかわらず、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。なお、ここで「所定波長」とは、導波層を導波する光の波長であって、この場合には980nmの光としている。一方、「設定波長」とは、上記所定波長を低反射率の平坦部の略中心となるように設定する波長である。
次に、極小反射率を基準として+2.0%となる波長帯域の広さについて、この7層反射膜と仮想単層反射膜とを比較検討する。この7層反射膜の極小反射率は1.3%である。そこで、極小反射率を基準として+2.0%となる波長範囲、つまり反射率3.3%以下の範囲は波長866nmから1089nmである。即ち、波長帯域幅としては223nmである。一方、仮想単層反射膜によって同一の極小反射率を実現しようとする場合、実効屈折率nc=3.37であるので、単層膜の屈折率nfは1.637又は2.058とすればよい。例えば、図8に屈折率nf=1.637であって、膜厚d=5λ/(4nf)の仮想単層反射膜の波長依存性を示す。この仮想単層反射膜の極小反射率1.3%を基準として極小反射率+2.0%以内となる範囲は、波長952nmから1009nmである。即ち、波長帯域幅としては57nmである。したがって、7層反射膜は、膜厚d=5λ/(4nf)の仮想単層反射膜に比べて低反射率の波長帯域が非常に広い。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図9を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.2、A=2.4、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.518834、φ2=0.789695とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=15.21nm/94.42nm/182.47nm/78.68nm/152.06nm/78.68nm/152.06nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は753.58nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1330.83nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.43倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態3に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図9を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.2、A=2.4、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.518834、φ2=0.789695とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=15.21nm/94.42nm/182.47nm/78.68nm/152.06nm/78.68nm/152.06nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は753.58nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1330.83nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.43倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図9は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長841nmから1014nmにわたって反射率は2.5%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は173nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.177であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図10を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態3に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1035nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.2、A=2.4、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.518834、φ2=0.789695とすることによって波長1035nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=16.06nm/99.72nm/192.72nm/83.10nm/160.60nm/83.10nm/160.60nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は795.9nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1405.57nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=258.75nm)の約5.43倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態4に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図10を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態3に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1035nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.2、A=2.4、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.518834、φ2=0.789695とすることによって波長1035nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=16.06nm/99.72nm/192.72nm/83.10nm/160.60nm/83.10nm/160.60nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は795.9nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1405.57nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=258.75nm)の約5.43倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図10は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長888nmから1071nmにわたって反射率は2.5%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1035nmの設定反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は183nmである。この波長帯域幅を設定波長1035nmで割った値は約0.177であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図11を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.52082、φ2=0.767337とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.08nm/98.73nm/184.70nm/78.98nm/147.76nm/78.98nm/147.76nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は747.99nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1323.92nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.40倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態5に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図11を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.52082、φ2=0.767337とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.08nm/98.73nm/184.70nm/78.98nm/147.76nm/78.98nm/147.76nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は747.99nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1323.92nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.40倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図11は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長834nmから10121nmにわたって反射率は3.5%から6.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は178nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.182であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図12を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態5に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1040nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.52082、φ2=0.767337とすることによって波長1040nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.76nm/104.77nm/196.00nm/83.82nm/156.80nm/83.82nm/156.80nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は793.77nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1404.95nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態6に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図12を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態5に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1040nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.52082、φ2=0.767337とすることによって波長1040nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.76nm/104.77nm/196.00nm/83.82nm/156.80nm/83.82nm/156.80nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は793.77nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1404.95nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図12は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長885nmから1074nmにわたって反射率は3.5%から6.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1040nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は189nmである。この波長帯域幅を設定波長1040nmで割った値は約0.182であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態7.
本発明の実施の形態7に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図13を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長980nmで目標反射率5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.541022、φ2=0.741397とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=10.71nm/102.56nm/178.45nm/82.05nm/142.76nm/82.05nm/142.76nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は741.34nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1391.41nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態7に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図13を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長980nmで目標反射率5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.541022、φ2=0.741397とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=10.71nm/102.56nm/178.45nm/82.05nm/142.76nm/82.05nm/142.76nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は741.34nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1391.41nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図13は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長843nmから1013nmにわたって反射率は4.6%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は170nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.173であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態8.
本発明の実施の形態8に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図14を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態7に係る半導体光素子と比較すると、設定波長1035nmで設定反射率5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.541022、φ2=0.741397とすることによって波長1035nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.31nm/108.31nm/188.47nm/86.65nm/150.77nm/86.65nm/150.77nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は782.93nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1391.41nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.68倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態8に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図14を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態7に係る半導体光素子と比較すると、設定波長1035nmで設定反射率5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=2.5、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.541022、φ2=0.741397とすることによって波長1035nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.31nm/108.31nm/188.47nm/86.65nm/150.77nm/86.65nm/150.77nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は782.93nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1391.41nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.68倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図14は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長890nmから1070nmにわたって反射率は4.6%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1035nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は170nmである。この波長帯域幅を設定波長1035nmで割った値は約0.164であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態9.
本発明の実施の形態9に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図15及び図16を用いて説明する。図15は、この半導体光素子の端面部の反射膜として、第1層膜に酸化タンタル膜を用いた7層反射膜30を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、7層反射膜30が導波層10側から酸化タンタル21/アルミナ22/酸化タンタル23/アルミナ24/酸化タンタル25/アルミナ26/酸化タンタル27の順に積層されており、導波層10側の第1層膜21が酸化タンタルである点で相違する。具体的には、7層反射膜30は、導波層10側から順に、酸化タンタルの第1層膜21(屈折率n2=2.037、膜厚Od2)、アルミナの第2層膜22(屈折率n1=1.62、膜厚Ad1)、酸化タンタルの第3層膜23(屈折率n2=2.037、膜厚Ad2)、アルミナの第4層膜24(屈折率n1=1.62、膜厚Bd1)、酸化タンタルの第5層膜25(屈折率n2=2.037、膜厚Bd2)、アルミナの第6層膜26(屈折率n1=1.62、膜厚Cd1)、酸化タンタルの第7層膜27(屈折率n2=2.037、膜厚Cd2)とが積層されている。なお、アルミナと酸化タンタルとが交互に積層されている点で実施の形態1に係る半導体光素子と共通する。
本発明の実施の形態9に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図15及び図16を用いて説明する。図15は、この半導体光素子の端面部の反射膜として、第1層膜に酸化タンタル膜を用いた7層反射膜30を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、7層反射膜30が導波層10側から酸化タンタル21/アルミナ22/酸化タンタル23/アルミナ24/酸化タンタル25/アルミナ26/酸化タンタル27の順に積層されており、導波層10側の第1層膜21が酸化タンタルである点で相違する。具体的には、7層反射膜30は、導波層10側から順に、酸化タンタルの第1層膜21(屈折率n2=2.037、膜厚Od2)、アルミナの第2層膜22(屈折率n1=1.62、膜厚Ad1)、酸化タンタルの第3層膜23(屈折率n2=2.037、膜厚Ad2)、アルミナの第4層膜24(屈折率n1=1.62、膜厚Bd1)、酸化タンタルの第5層膜25(屈折率n2=2.037、膜厚Bd2)、アルミナの第6層膜26(屈折率n1=1.62、膜厚Cd1)、酸化タンタルの第7層膜27(屈折率n2=2.037、膜厚Cd2)とが積層されている。なお、アルミナと酸化タンタルとが交互に積層されている点で実施の形態1に係る半導体光素子と共通する。
この半導体光素子の端面部の7層反射膜30において、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を2.0%とする。この場合、各パラメータをO=1.15、A=1.82、B=1.97、C=2.06とすると、アルミナ及び酸化タンタルの位相変化φ1及びφ2がそれぞれφ1=0.645821、φ2=1.452041の場合に波長980nmで反射率を2%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=126.62nm/113.17nm/200.38nm/122.49nm/216.90nm/128.09nm/226.81nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1134.46nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2174.63nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.88倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図16は、この7層反射膜30の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長996nmから1119nmにわたって反射率は1.5%から4.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は157nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.160であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態10.
本発明の実施の形態10に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図17を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=908nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.15、A=1.82、B=1.97,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.645821、φ2=1.452041とすることによって波長908nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=117.31nm/104.85nm/185.66nm/113.49nm/200.96nm/118.68nm/210.14nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1051.09nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2014.81nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.22倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態10に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図17を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=908nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.15、A=1.82、B=1.97,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.645821、φ2=1.452041とすることによって波長908nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=117.31nm/104.85nm/185.66nm/113.49nm/200.96nm/118.68nm/210.14nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1051.09nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2014.81nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.22倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図17は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長924nmから1037nmにわたって反射率は1.5%から4.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長908nmの設定反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は145nmである。この波長帯域幅を設定波長908nmで割った値は約0.160であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態11.
本発明の実施の形態11に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図18を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜の構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.15、A=1.82、B=1.97,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.893399、φ2=1.26984とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=110.73nm/156.55nm/175.24nm/169.45nm/189.68nm/177.19nm/198.35nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1177.19nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2201.59nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.99倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態11に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図18を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜の構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.15、A=1.82、B=1.97,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.893399、φ2=1.26984とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=110.73nm/156.55nm/175.24nm/169.45nm/189.68nm/177.19nm/198.35nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1177.19nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2201.59nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.99倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図18は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長962nmから1053nmにわたって反射率は2.6%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は91nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.093であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態12.
本発明の実施の形態12に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図19を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態11に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=953nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.15、A=1.82、B=1.97,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.893399、φ2=1.26984とすることによって波長953nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=103.16nm/145.85nm/163.26nm/157.87nm/176.72nm/165.08nm/184.79nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1096.73nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2140.93nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態12に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図19を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態11に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=953nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.15、A=1.82、B=1.97,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.893399、φ2=1.26984とすることによって波長953nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=103.16nm/145.85nm/163.26nm/157.87nm/176.72nm/165.08nm/184.79nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1096.73nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2140.93nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図19は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長962nmから1053nmにわたって反射率は2.6%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長953nmの設定反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は89nmである。この波長帯域幅を設定波長953nmで割った値は約0.093であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態13.
本発明の実施の形態13に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図20を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.09、A=1.80、B=1.98,C=2.05としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2は、φ1=0.922613、φ2=1.26872とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=104.86nm/159.89nm/173.16nm/175.88nm/190.48nm/182.99nm/198.17nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1185.43nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2211.73nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約9.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制することができる。
本発明の実施の形態13に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図20を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.09、A=1.80、B=1.98,C=2.05としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2は、φ1=0.922613、φ2=1.26872とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=104.86nm/159.89nm/173.16nm/175.88nm/190.48nm/182.99nm/198.17nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1185.43nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2211.73nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約9.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制することができる。
図20は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、反射率は3.7%から6.0%の範囲内に収まっている。また、波長980nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は190nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.093であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態14.
本発明の実施の形態14に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図21を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態13に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=912nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.09、A=1.80、B=1.98,C=2.05としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.922613、φ2=1.26872とすることによって波長912nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=97.58nm/148.80nm/161.15nm/163.68nm/177.26nm/170.29nm/184.42nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1103.18nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2059.26nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.41倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態14に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図21を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態13に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=912nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.09、A=1.80、B=1.98,C=2.05としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.922613、φ2=1.26872とすることによって波長912nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=97.58nm/148.80nm/161.15nm/163.68nm/177.26nm/170.29nm/184.42nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1103.18nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2059.26nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.41倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図21は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長891nmから1069nmにわたって反射率は3.7%から6.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長912nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は178nmである。この波長帯域幅を設定波長912nmで割った値は約0.195であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態15.
本発明の実施の形態15に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図22を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.13、A=1.76、B=1.98,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0252、φ2=1.18958とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=101.93nm/173.72nm/158.75nm/195.44nm/178.60nm/203.33nm/185.81nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1103.18nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2213.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約9.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態15に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図22を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態9に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.13、A=1.76、B=1.98,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0252、φ2=1.18958とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=101.93nm/173.72nm/158.75nm/195.44nm/178.60nm/203.33nm/185.81nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1103.18nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2213.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約9.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図22は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、反射率は4.7%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は190nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.194であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態16.
本発明の実施の形態16に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図23を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態15に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=910nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.13、A=1.76、B=1.98,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0252、φ2=1.18958とすることによって波長910nmで反射率5.0%とすることができる。それに伴って、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=94.65nm/161.31nm/147.41nm/181.48nm/165.84nm/188.81nm/172.54nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1112.04nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2055.16nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態16に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図23を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態15に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=910nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=1.13、A=1.76、B=1.98,C=2.06としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0252、φ2=1.18958とすることによって波長910nmで反射率5.0%とすることができる。それに伴って、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=94.65nm/161.31nm/147.41nm/181.48nm/165.84nm/188.81nm/172.54nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1112.04nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2055.16nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約8.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図23は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長891nmから1068nmにわたって反射率は4.7%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長910nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は177nmである。この波長帯域幅を設定波長910nmで割った値は約0.195であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態1から実施の形態16に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表1に示した。表1には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.0〜+2.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態17.
本発明の実施の形態17に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について図24及び図25を用いて説明する。図24は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて6層反射膜40を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が6層反射膜40で構成されている点で相違する。この6層反射膜40の反射率が所定波長で前記仮想単層膜の反射率と同一に設定する条件について検討する。6層反射膜40の場合にも上記7層反射膜と同様に、振幅反射率は下記式(13)で表される。
本発明の実施の形態17に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について図24及び図25を用いて説明する。図24は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて6層反射膜40を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が6層反射膜40で構成されている点で相違する。この6層反射膜40の反射率が所定波長で前記仮想単層膜の反射率と同一に設定する条件について検討する。6層反射膜40の場合にも上記7層反射膜と同様に、振幅反射率は下記式(13)で表される。
ここで、mij(i,jは1又は2)は下記式(14)で表される。
なお、A,B,Cは、第1層膜31の膜厚Ad1、第2層膜32の膜厚Ad2、第3層膜33の膜厚Bd1、第4層膜34の膜厚Bd2、第5層膜35の膜厚Cd1、第6層膜36の膜厚Cd2とした場合の、それぞれの2層膜(ペア)の寄与率を表すパラメータである。
以下、半導体光素子の端面部に6層反射膜40を設けた場合について説明する。図24は、端面部に設けた6層反射膜40の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子では、導波層10(等価屈折率nc=3.37)の端面部に順に、酸化タンタルの第1層膜31(屈折率n1=2.057、膜厚Ad1)、アルミナの第2層膜32(屈折率n2=1.62、膜厚Ad2)、酸化タンタルの第3層膜33(屈折率n1=2.057、膜厚Bd1)、アルミナの第4層膜34(屈折率n2=1.62、膜厚Bd2)、酸化タンタルの第5層膜35(屈折率n1=2.057、膜厚Cd1)、アルミナの第6層膜36(屈折率n2=1.62、膜厚Cd2)が積層されている。さらに、この6層反射膜40は、空気等の自由空間5に接している。
この半導体光素子の端面部の6層反射膜40の反射特性について説明する。まず、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を2%とする。各パラメータを、A=2.0、B=2.0、C=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.792828、φ2=0.715471である場合に反射率2%が得られる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚は、Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=120.23nm/137.77nm/120.23nm/137.77nm/120.23nm/137.77nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は774.0nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1411.50nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.76倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図25は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長877nmから1017nmにわたって反射率は極小値の1.4%から4.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長980nmの反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は140nmである。この波長帯域幅を所定波長980nmで割った値は約0.143であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態18.
本発明の実施の形態18に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図26を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1014nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=2.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.792828、φ2=0.715471とすることによって波長1014nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=124.40nm/142.55nm/124.40nm/142.55nm/124.40nm/142.55nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は800.85nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1460.47nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.96倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態18に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図26を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1014nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=2.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.792828、φ2=0.715471とすることによって波長1014nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=124.40nm/142.55nm/124.40nm/142.55nm/124.40nm/142.55nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は800.85nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1460.47nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.96倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図26は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の約3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長907nmから1053nmにわたって反射率は1.4%から4.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1014nmの設定反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は146nmである。この波長帯域幅を設定波長1014nmで割った値は約0.144であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この6層反射膜40は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態19.
本発明の実施の形態19に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図27を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.948585、φ2=0.476939とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=139.54nm/89.08nm/136.66nm/87.25nm/158.24nm/101.02nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は711.79nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1342.95nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.48倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態19に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図27を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.948585、φ2=0.476939とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=139.54nm/89.08nm/136.66nm/87.25nm/158.24nm/101.02nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は711.79nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1342.95nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.48倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図27は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の約4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長806nmから1009nmにわたって反射率は2.3%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は203nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.207であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この6層反射膜40は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態20.
本発明の実施の形態20に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図28を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態19に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1052nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.948585、φ2=0.476939とすることによって波長1052nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=150.64nm/96.17nm/147.54nm/94.19nm/170.83nm/109.06nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は768.43nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1449.81nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.92倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態20に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図28を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態19に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1052nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.948585、φ2=0.476939とすることによって波長1052nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=150.64nm/96.17nm/147.54nm/94.19nm/170.83nm/109.06nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は768.43nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1449.81nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.92倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図28は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の約4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、反射率は2.3%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1052nmの設定反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は218nmである。この波長帯域幅を設定波長1052nmで割った値は約0.207であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この6層反射膜40は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態21.
本発明の実施の形態21に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図29を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.98561、φ2=0.417545とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=144.98nm/77.99nm/141.99nm/76.38nm/164.41nm/188.44nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は794.19nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1483.84nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.06倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態21に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図29を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.98561、φ2=0.417545とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=144.98nm/77.99nm/141.99nm/76.38nm/164.41nm/188.44nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は794.19nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1483.84nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.06倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図29は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の約5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長791nmから1020nmにわたって反射率は3.3%から6.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は229nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.234であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この6層反射膜40は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態22.
本発明の実施の形態22に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図30を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態21に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1075nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.98561、φ2=0.417545とすることによって波長1075nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=159.04nm/85.55nm/155.76nm/83.79nm/180.35nm/97.02nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は761.51nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1450.03nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.92倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態22に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図30を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態21に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1075nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.94、B=1.90、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.98561、φ2=0.417545とすることによって波長1075nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=159.04nm/85.55nm/155.76nm/83.79nm/180.35nm/97.02nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は761.51nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1450.03nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.92倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図30は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の約5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長854nmから1105nmにわたって反射率は3.3%から6.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1075nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は251nmである。この波長帯域幅を設定波長1075nmで割った値は約0.233であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この6層反射膜40は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態23.
本発明の実施の形態23に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図31を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=2.04、B=1.92、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.93793、φ2=0.433879とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=145.08nm/85.22nm/136.55nm/80.21nm/156.46nm/91.90nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は695.42nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1318.03nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態23に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図31を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=2.04、B=1.92、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.93793、φ2=0.433879とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=145.08nm/85.22nm/136.55nm/80.21nm/156.46nm/91.90nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は695.42nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1318.03nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図31は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の約6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長787nmから1009nmにわたって反射率は4.6%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は222nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.227であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この6層反射膜40は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態24.
本発明の実施の形態24に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図32を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態23に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1069nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=2.04、B=1.92、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.93793、φ2=0.433879とすることによって波長1069nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=158.26nm/92.96nm/148.95nm/87.49nm/170.67nm/100.25nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は758.58nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1437.73nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.87倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態24に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図32を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態23に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1069nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=2.04、B=1.92、C=2.2としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.93793、φ2=0.433879とすることによって波長1069nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=158.26nm/92.96nm/148.95nm/87.49nm/170.67nm/100.25nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は758.58nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1437.73nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.87倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図32は、この6層反射膜40の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、目標反射率の約6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長858nmから1101nmにわたって反射率は4.6%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1069nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は243nmである。この波長帯域幅を設定波長1069nmで割った値は約0.227であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この6層反射膜40は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態17から実施の形態24に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表2に示した。表2には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.0〜+2.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態25.
本発明の実施の形態25に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について図33及び図34を用いて説明する。図33は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて3種類の膜からなる7層反射膜50を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が3種類の膜からなる7層反射膜50で構成されている点で相違する。さらに詳細には、導波層10に接する第1層膜が窒化アルミニウム膜41である点で相違する。なお、第2層膜から第7層膜にかけては酸化タンタル及びアルミナが交互に積層されている点で共通する。
本発明の実施の形態25に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について図33及び図34を用いて説明する。図33は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて3種類の膜からなる7層反射膜50を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が3種類の膜からなる7層反射膜50で構成されている点で相違する。さらに詳細には、導波層10に接する第1層膜が窒化アルミニウム膜41である点で相違する。なお、第2層膜から第7層膜にかけては酸化タンタル及びアルミナが交互に積層されている点で共通する。
この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率が所定波長で上記仮想単層膜の反射率と同一に設定する条件について検討する。ここでは、導波層10に接する第1層膜に第3の種類の膜を用いた場合について検討する。この第3の膜の位相変化φ3は、下記式(15)で表される。
ここで、mij(i,jは1又は2)は下記式(17)で表される。
なお、A,B,Cは、第2層膜42の膜厚Ad1、第3層膜43の膜厚Ad2、第4層膜44の膜厚Bd1、第5層膜45の膜厚Bd2、第6層膜46の膜厚Cd1、第7層膜47の膜厚Cd2とした場合の、それぞれの2層膜(ペア)の寄与率を表すパラメータである。
以下、半導体光素子の端面部に3種類の膜を含む7層反射膜50を設けた場合について説明する。図33は、端面部に設けた3種類の膜を含む7層反射膜の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子では、導波層10(等価屈折率nc=3.37)の端面部に順に、窒化アルミニウム(AlN)の第1層膜41(屈折率n3=2.072、膜厚d3=50nm)、酸化タンタルの第2層膜42(屈折率n1=2.057、膜厚Ad1)、アルミナの第3層膜43(屈折率n2=1.62、膜厚Ad2)、酸化タンタルの第4層膜44(屈折率n1=2.057、膜厚Bd1)、アルミナの第5層膜45(屈折率n2=1.62、膜厚Bd2)、酸化タンタルの第6層膜46(屈折率n1=2.057、膜厚Cd1)、アルミナの第7層膜47(屈折率n2=1.62、膜厚Cd2)が積層されている。さらに、この7層反射膜50は、空気等の自由空間5に接している。
まず、窒化アルミニウム、酸化タンタル、アルミナの3種類の膜を含む7層反射膜の熱特性について説明する。この3種類の膜の熱伝導率は、順に、約1.8W/(cm・K)、約0.1W/(cm・K)、約0.2W/(cm・K)なので、窒化アルミニウムが最も熱伝導率が高い。このため導波層10の熱を迅速に外部に放熱させることができる。
次に、この半導体光素子の端面部の3種類の膜を含む7層反射膜50の反射特性について説明する。まず、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を2.0%とする。各パラメータを、A=1.0、B=2.0、C=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=1.23574、φ2=0.727856である場合に波長980nmで反射率2%が得られる。なお、窒化アルミニウムの第1層膜41の厚みd3は予め50nmとして、φ3は既知の定数として用い、変数にはφ1及びφ2のみを用いた。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/93.7nm/70.08nm/187.40nm/140.15nm/187.40nm/140.15nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は868.88nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1634.92nmであり、λ/4(=245nm)の約6.67倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図34は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長952nmから1194nmにわたって反射率は極小値の1.6%から4.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長980nmの反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は242nmである。この波長帯域幅を所定波長980nmで割った値は約0.247であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態26.
本発明の実施の形態26に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図35を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=897nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.23574、φ2=0.727856とすることによって波長897nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/83.26nm/65.10nm/166.52nm/130.20nm/166.52nm/130.20nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は791.8nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1487.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.07倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態26に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図35を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=897nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.23574、φ2=0.727856とすることによって波長897nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/83.26nm/65.10nm/166.52nm/130.20nm/166.52nm/130.20nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は791.8nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1487.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.07倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図35は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長872nmから1086nmにわたって反射率は1.5%から4.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長897nmの設定反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は214nmである。この波長帯域幅を設定波長897nmで割った値は約0.239であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜50は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態27.
本発明の実施の形態27に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図36を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.20275、φ2=0.765599とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/91.20nm/73.71nm/182.40nm/147.42nm/182.40nm/147.42nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は874.55nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1638.64nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.69倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態27に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図36を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.20275、φ2=0.765599とすることによって波長980nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/91.20nm/73.71nm/182.40nm/147.42nm/182.40nm/147.42nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は874.55nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1638.64nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.69倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図36は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長953nmから1195nmにわたって反射率は2.6%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は242nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.247であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜50は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態28.
本発明の実施の形態28に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図37を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態27と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=896nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.23574、φ2=0.727856とすることによって波長896nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/81.08nm/68.15nm/162.16nm/136.31nm/162.16nm/136.31nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は796.17nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1489.56nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.08倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態28に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図37を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態27と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=896nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.23574、φ2=0.727856とすることによって波長896nmで反射率3.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/81.08nm/68.15nm/162.16nm/136.31nm/162.16nm/136.31nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は796.17nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1489.56nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.08倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図37は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長872nmから1089nmにわたって反射率は2.5%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長896nmの設定反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は217nmである。この波長帯域幅を設定波長896nmで割った値は約0.242であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜50は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態29.
本発明の実施の形態29に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図38を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.17459、φ2=0.798874とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/89.06nm/76.91nm/178.13nm/153.83nm/178.13nm/153.83nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は879.89nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1642.63nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.70倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態29に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図38を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.17459、φ2=0.798874とすることによって波長980nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/89.06nm/76.91nm/178.13nm/153.83nm/178.13nm/153.83nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は879.89nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1642.63nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.70倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図38は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長953nmから1198nmにわたって反射率は3.6%から6.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は245nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.250であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜50は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態30.
本発明の実施の形態30に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図39を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態29に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=893nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.14262、φ2=0.805876とすることによって波長893nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/78.95nm/70.70nm/157.90nm/141.40nm/157.90nm/141.40nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は798.25nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1488.27nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.07倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態30に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図39を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態29に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=893nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.14262、φ2=0.805876とすることによって波長893nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/78.95nm/70.70nm/157.90nm/141.40nm/157.90nm/141.40nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は798.25nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1488.27nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.07倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図39は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長870nmから1090nmにわたって反射率は3.4%から6.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長893nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は220nmである。この波長帯域幅を設定波長893nmで割った値は約0.246であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜50は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態31.
本発明の実施の形態31に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図40を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.14888、φ2=0.829916とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/87.11nm/79.90nm/174.23nm/159.81nm/174.23nm/159.81nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は885.09nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1646.79nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.72倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態31に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図40を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.14888、φ2=0.829916とすることによって波長980nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/87.11nm/79.90nm/174.23nm/159.81nm/174.23nm/159.81nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は885.09nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1646.79nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.72倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図40は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長952nmから1201nmにわたって反射率は4.6%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は249nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.254であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜50は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態32.
本発明の実施の形態32に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図41を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態31と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=890nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.11792、φ2=0.835299とすることによって波長890nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/76.98nm/73.04nm/153.96nm/146.07nm/153.96nm/146.07nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は800.08nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1486.93nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.07倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態32に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図41を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態31と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=890nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.0、B=2.0、C=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.11792、φ2=0.835299とすることによって波長890nmで反射率5.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50/76.98nm/73.04nm/153.96nm/146.07nm/153.96nm/146.07nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は800.08nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1486.93nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.07倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図41は、この3種類の膜を含む7層反射膜50の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の約6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長867nmから1093nmにわたって反射率は4.4%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長890nmの設定反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は226nmである。この波長帯域幅を設定波長890nmで割った値は約0.254であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この7層反射膜50は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態25から実施の形態32に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表3に示した。表3には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.0〜+2.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態33.
本発明の実施の形態33に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について図42及び43を用いて説明する。図42は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて9層反射膜60を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が9層反射膜60で構成されている点で相違する。この9層反射膜60の反射率が所定波長で前記仮想単層膜の反射率と同一にする条件について検討する。9層反射膜60の振幅反射率は、上記4層反射膜及び7層反射膜と同様に下記式(18)で表される。
本発明の実施の形態33に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について図42及び43を用いて説明する。図42は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて9層反射膜60を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が9層反射膜60で構成されている点で相違する。この9層反射膜60の反射率が所定波長で前記仮想単層膜の反射率と同一にする条件について検討する。9層反射膜60の振幅反射率は、上記4層反射膜及び7層反射膜と同様に下記式(18)で表される。
ここで、mij(i,jは1又は2)は下記式(19)で表される。
なお、O,A,B,C,Dは、第1層膜51の膜厚Od2、第2層膜52の膜厚Ad1、第3層膜63の膜厚Ad2、第4層膜54の膜厚Bd1、第5層膜55の膜厚Bd2、第6層膜56の膜厚Cd1、第7層膜57の膜厚Cd2、第8層膜58の膜厚Dd1、第9層膜59の膜厚Dd2において、第1層膜31を除き、それぞれの2層膜(ペア)の寄与率を表すパラメータである。
以下、半導体光素子の端面部に9層反射膜60を設けた場合について説明する。図42は、端面部に設けた9層反射膜の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子では、導波層10(等価屈折率nc=3.37)の端面部に順に、アルミナの第1層膜51(屈折率n2=1.62、膜厚Od2)、酸化タンタルの第2層膜52(屈折率n1=2.057、膜厚Ad1)、アルミナの第3層膜53(屈折率n2=1.62、膜厚Ad2)、酸化タンタルの第4層膜54(屈折率n1=2.057、膜厚Bd1)、アルミナの第5層膜55(屈折率n2=1.62、膜厚Bd2)、酸化タンタルの第6層膜56(屈折率n1=2.057、膜厚Cd1)、アルミナの第7層膜57(屈折率n2=1.62、膜厚Cd2)、酸化タンタルの第6層膜56(屈折率n1=2.057、膜厚Cd1)、アルミナの第7層膜57(屈折率n2=1.62、膜厚Cd2)、酸化タンタルの第8層膜58(屈折率n1=2.057、膜厚Cd1)、アルミナの第9層膜59(屈折率n2=1.62、膜厚Cd2)が積層されている。さらに、この9層反射膜60は、空気等の自由空間5に接している。
この半導体光素子の端面部の9層反射膜60の反射特性について説明する。まず、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を2%とする。各パラメータを、O=0.2、A=2.7、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.35769、φ2=0.958077である場合に波長980nmで反射率2%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=18.45nm/73.23nm/249.06nm/54.24nm/184.49nm/54.24nm/184.49nm/54.24nm/184.49nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1056.93nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1815.34nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.41倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図43は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長877nmから1007nmにわたって反射率は極小値の1.6%から4.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長980nmの反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は130nmである。この波長帯域幅を所定波長980nmで割った値は約0.133であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜60は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態34.
本発明の実施の形態34に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図44を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1020nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.2,A=2.7、B=2.0、C=2.0、D=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.35769、φ2=0.958077とすることによって波長1020nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=19.20nm/76.22nm/259.22nm/56.46nm/192.02nm/56.46nm/192.02nm/56.46nm/192.02nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1100.08nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1889.46nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.71倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態34に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図44を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1020nmで設定反射率R(λ)を2.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.2,A=2.7、B=2.0、C=2.0、D=2.0としている。さらに、アルミナ及び酸化タンタルのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.35769、φ2=0.958077とすることによって波長1020nmで反射率2.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=19.20nm/76.22nm/259.22nm/56.46nm/192.02nm/56.46nm/192.02nm/56.46nm/192.02nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1100.08nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1889.46nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.71倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図44は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の約3%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長912nmから1048nmにわたって反射率は1.6%から4.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1020nmの設定反射率2.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、1.0%〜4.0%の範囲の連続した波長帯域幅は136nmである。この波長帯域幅を設定波長1020nmで割った値は約0.133であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜60は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態35.
本発明の実施の形態35に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図45を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.2、A=2.7、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.377348、φ2=0.935416である場合に波長980nmで反射率3%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=18.01nm/77.25nm/243.16nm/57.22nm/180.12nm/57.22nm/180.12nm/57.22nm/180.12nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1050.44nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.49nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.49倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態35に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図45を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.2、A=2.7、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.377348、φ2=0.935416である場合に波長980nmで反射率3%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=18.01nm/77.25nm/243.16nm/57.22nm/180.12nm/57.22nm/180.12nm/57.22nm/180.12nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1050.44nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.49nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.49倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図45は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長882nmから1007nmにわたって反射率は極小値の2.6%から5.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長980nmの反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は125nmである。この波長帯域幅を所定波長980nmで割った値は約0.128であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜60は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態36.
本発明の実施の形態36に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図46を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態35に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1017nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.2、A=2.7、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.377348、φ2=0.935416である場合に波長1017nmで反射率3%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=18.69nm/80.17nm/252.35nm/59.39nm/186.92nm/59.39nm/186.92nm/59.39nm/186.92nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1090.14nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1878.92nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.67倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態36に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図46を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態35に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1017nmで設定反射率R(λ)を3.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.2、A=2.7、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.377348、φ2=0.935416である場合に波長1017nmで反射率3%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=18.69nm/80.17nm/252.35nm/59.39nm/186.92nm/59.39nm/186.92nm/59.39nm/186.92nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1090.14nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1878.92nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.67倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図46は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の4%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長915nmから1045nmにわたって反射率は極小値の2.6%から5.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長1017nmの反射率3.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、2.0%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は130nmである。この波長帯域幅を所定波長1017nmで割った値は約0.128であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜60は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態37.
本発明の実施の形態37に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図47を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.15、A=2.8、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.38725、φ2=0.911369である場合に波長980nmで反射率4%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=13.16nm/82.22nm/245.69nm/58.73nm/175.49nm/58.73nm/175.49nm/58.73nm/175.49nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1043.73nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1803.77nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.36倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態37に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図47を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.15、A=2.8、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.38725、φ2=0.911369である場合に波長980nmで反射率4%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=13.16nm/82.22nm/245.69nm/58.73nm/175.49nm/58.73nm/175.49nm/58.73nm/175.49nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1043.73nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1803.77nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.36倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図47は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長883nmから1006nmにわたって反射率は極小値の3.6%から6.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長980nmの反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は123nmである。この波長帯域幅を所定波長980nmで割った値は約0.126であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態38.
本発明の実施の形態38に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図48を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態37に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1017nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.15、A=2.8、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.38725、φ2=0.911369である場合に波長1017nmで反射率4%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=13.66nm/85.32nm/245.96nm/60.94nm/182.12nm/60.94nm/182.12nm/60.94nm/182.12nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1083.12nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1871.83nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.64倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態38に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図48を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態37に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1017nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.15、A=2.8、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.38725、φ2=0.911369である場合に波長1017nmで反射率4%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=13.66nm/85.32nm/245.96nm/60.94nm/182.12nm/60.94nm/182.12nm/60.94nm/182.12nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1083.12nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1871.83nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.64倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図48は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の5%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長916nmから1044nmにわたって反射率は極小値の3.6%から6.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長1017nmの反射率4.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、3.0%〜6.0%の範囲の連続した波長帯域幅は128nmである。この波長帯域幅を所定波長1017nmで割った値は約0.126であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態39.
本発明の実施の形態39に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図49を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.10、A=2.9、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.397519、φ2=0.886992である場合に波長980nmで反射率5%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.54nm/87.41nm/247.66nm/60.28nm/170.80nm/60.28nm/170.80nm/60.28nm/170.80nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1036.85nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1801.04nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.35倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態39に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図49を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.10、A=2.9、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.397519、φ2=0.886992である場合に波長980nmで反射率5%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.54nm/87.41nm/247.66nm/60.28nm/170.80nm/60.28nm/170.80nm/60.28nm/170.80nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1036.85nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1801.04nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.35倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図49は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の約6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長890nmから1006nmにわたって反射率は極小値の4.6%から7.0%の範囲内に収まっている。また、所定波長980nmの反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は116nmである。この波長帯域幅を所定波長980nmで割った値は約0.118であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態40.
本発明の実施の形態40に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図50を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態39に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1013nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.10、A=2.9、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.397519、φ2=0.886992である場合に波長1013nmで反射率5%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.83nm/90.35nm/256.00nm/62.31nm/176.55nm/62.31nm/176.55nm/62.31nm/176.55nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1071.76nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1857.42nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.58倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態40に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図50を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態39に係る半導体光素子と比較すると、その構成において共通するが、設定波長λ=1013nmで設定反射率R(λ)を5.0%としている点で相違する。また、各パラメータを、O=0.10、A=2.9、B=2.0、C=2.0、D=2.0とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.397519、φ2=0.886992である場合に波長1013nmで反射率5%が得られる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚は、Od2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.83nm/90.35nm/256.00nm/62.31nm/176.55nm/62.31nm/176.55nm/62.31nm/176.55nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1071.76nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1857.42nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.58倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図50は、この9層反射膜60の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、目標反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長920nmから1040nmにわたって反射率は極小値の4.6%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1013nmの反射率5.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、4.0%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅Δλは120nmである。この波長帯域幅を設定波長λ=1013nmで割った値は約0.118であり、仮想単層反射膜の場合の0.061より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態33から実施の形態40に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表4に示した。表4には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.0〜+2.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態41.
本発明の実施の形態3に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図51を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=1.95、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.845348、φ2=0.578286とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.35nm/124.99nm/108.57nm/128.20nm/111.35nm/128.20nm/111.35nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は721.01nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1334.70nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.45倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態3に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図51を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=1.95、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.845348、φ2=0.578286とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.35nm/124.99nm/108.57nm/128.20nm/111.35nm/128.20nm/111.35nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は721.01nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1334.70nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.45倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図51は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長828nmから1009nmにわたって反射率は5.4%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率6.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、5.0%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は181nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.185であり、仮想単層反射膜の場合の0.062より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態42.
本発明の実施の形態42に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図52を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態41に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1045nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=1.95、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.541022、φ2=0.741397とすることによって波長1045nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.91nm/133.28nm/115.77nm/136.70nm/118.74nm/136.70nm/118.74nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は768.84nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1423.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.81倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態42に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図52を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態41に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1045nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.15、A=1.95、B=2.0,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.541022、φ2=0.741397とすることによって波長1045nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.91nm/133.28nm/115.77nm/136.70nm/118.74nm/136.70nm/118.74nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は768.84nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1423.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.81倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図52は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長883nmから1076nmにわたって反射率は5.4%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1045nmの設定反射率6.0%を基準として、−1.0%から+2.0%の範囲、即ち、反射率5.0%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は193nmである。この波長帯域幅を設定波長1045nmで割った値は約0.185であり、仮想単層反射膜の場合の0.062より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態41と実施の形態42とに係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表5に示した。表5には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.0〜+2.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態43.
本発明の実施の形態43に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図53を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=1.97、B=2.35,C=2.10としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.79703、φ2=0.528684とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=10.18nm/119.06nm/100.28nm/145.02nm/119.62nm/126.91nm/106.89nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は727.96nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1350.16nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.51倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態43に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図53を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=1.97、B=2.35,C=2.10としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.79703、φ2=0.528684とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=10.18nm/119.06nm/100.28nm/145.02nm/119.62nm/126.91nm/106.89nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は727.96nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1350.16nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.51倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図53は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長813nmから994nmにわたって反射率は5.0%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は181nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.185である。
ここで、比較のために導波光の所定波長980nmについて5/4波長の厚さの仮想単層反射膜を仮定する。設定条件は、波長980nmで極小反射率4%をとるように、nc=3.37、n1=1.449である。この場合、極小反射率を基準として+2.5%、すなわち反射率4%〜6.5%の波長範囲は949nm〜1013nmであり、その波長帯域幅は64nmである。この波長帯域幅の広さの目安として、導波光の所定波長980nmで割ると0.065が得られる。
そこで、この実施の形態43に係る7層反射膜について、上記仮想単層反射膜と比較すると、導波光の波長での反射率+2.5%となる波長帯域幅をその波長で割った商は、0.185であり、仮想単層反射膜の0.065よりはるかに大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって平坦部を有していることがわかる。
実施の形態44.
本発明の実施の形態44に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図54を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態43に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1063nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=1.97、B=2.35,C=2.10としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.79703、φ2=0.528684とすることによって波長1063nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.04nm/129.14nm/108.77nm/154.05nm/129.75nm/137.66nm/115.95nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は786.36nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1457.82nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.95倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態44に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図54を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態43に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1063nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=1.97、B=2.35,C=2.10としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.79703、φ2=0.528684とすることによって波長1063nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.04nm/129.14nm/108.77nm/154.05nm/129.75nm/137.66nm/115.95nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は786.36nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1457.82nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.95倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図54は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、目標反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長882nmから1078nmにわたって反射率は5.0%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1063nmの設定反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は196nmである。この波長帯域幅を設定波長1063nmで割った値は約0.184であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって平坦部を有していることがわかる。
実施の形態45.
本発明の実施の形態45に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図55を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.17、A=1.97、B=2.35,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.80763、φ2=0.525803とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.61nm/120.64nm/99.73nm/143.91nm/118.97nm/125.54nm/103.78nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は721.18nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1338.78nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.46倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態45に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図55を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.17、A=1.97、B=2.35,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.80763、φ2=0.525803とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.61nm/120.64nm/99.73nm/143.91nm/118.97nm/125.54nm/103.78nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は721.18nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1338.78nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.46倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図55は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長797nmから993nmにわたって反射率は5.9%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は196nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.200であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態46.
本発明の実施の形態46に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図56を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態45に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1073nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.80763、φ2=0.525803とすることによって波長1073nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=9.42nm/132.09nm/109.19nm/157.57nm/130.26nm/137.45nm/113.63nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は789.61nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1465.82nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.98倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態46に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図56を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態45に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1073nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.80763、φ2=0.525803とすることによって波長1073nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=9.42nm/132.09nm/109.19nm/157.57nm/130.26nm/137.45nm/113.63nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は789.61nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1465.82nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.98倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図56は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長872nmから1088nmにわたって反射率は5.9%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1073nmの設定反射率7.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は196nmである。この波長帯域幅を設定波長1073nmで割った値は約0.183であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態47.
本発明の実施の形態47に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図57を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.17、A=1.97、B=2.35,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.806965、φ2=0.531203とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.69nm/120.54nm/100.75nm/143.79nm/120.19nm/122.38nm/102.29nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は718.63nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1333.17nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.44倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態47に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図57を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.17、A=1.97、B=2.35,C=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.806965、φ2=0.531203とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=8.69nm/120.54nm/100.75nm/143.79nm/120.19nm/122.38nm/102.29nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は718.63nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1333.17nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.44倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図57は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長786nmから994nmにわたって反射率は7.0%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は208nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.212であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態48.
本発明の実施の形態48に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図58を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態47に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1079nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.806965、φ2=0.531203とすることによって波長1079nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=9.57nm/132.72nm/110.93nm/158.32nm/132.33nm/134.74nm/112.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は791.23nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1467.86nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.99倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態48に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図58を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態47に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1079nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.806965、φ2=0.531203とすることによって波長1079nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=9.57nm/132.72nm/110.93nm/158.32nm/132.33nm/134.74nm/112.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は791.23nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1467.86nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.99倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図58は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長866nmから1094nmにわたって反射率は7.0%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1079nmの設定反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は228nmである。この波長帯域幅を設定波長1079nmで割った値は約0.211であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたって平坦部を有していることがわかる。
実施の形態49.
本発明の実施の形態49に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図59を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=2.05、B=2.40,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.734549、φ2=0.580342とすることによって波長980nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.17nm/114.18nm/114.54nm/133.67nm/134.10nm/108.61nm/108.96nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は725.23nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1330.65nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.43倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態49に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図59を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=2.05、B=2.40,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.734549、φ2=0.580342とすることによって波長980nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.17nm/114.18nm/114.54nm/133.67nm/134.10nm/108.61nm/108.96nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は725.23nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1330.65nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.43倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図59は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長793nmから994nmにわたって反射率は8.1%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は202nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.206であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態50.
本発明の実施の形態50に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図60を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態49に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1075nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.734549、φ2=0.580342とすることによって波長1075nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=12.26nm/125.25nm/125.65nm/146.63nm/147.10nm/119.14nm/119.52nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は795.55nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1459.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.96倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態50に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図60を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態49に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1075nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.734549、φ2=0.580342とすることによって波長1075nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=12.26nm/125.25nm/125.65nm/146.63nm/147.10nm/119.14nm/119.52nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は795.55nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1459.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.96倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図60は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長870nmから1090nmにわたって反射率は8.1%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1075nmの設定反射率9.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は220nmである。この波長帯域幅を設定波長1075nmで割った値は約0.205であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたって平坦部を有していることがわかる。
実施の形態51.
本発明の実施の形態51に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図61を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.17、A=2.10、B=2.45,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.729549、φ2=0.564265とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=9.24nm/116.17nm/114.09nm/135.53nm/133.10nm/107.87nm/105.94nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は721.94nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1326.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.41倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態51に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図61を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.17、A=2.10、B=2.45,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.729549、φ2=0.564265とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=9.24nm/116.17nm/114.09nm/135.53nm/133.10nm/107.87nm/105.94nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は721.94nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1326.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.41倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図61は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の10%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長773nmから994nmにわたって反射率は9.0%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率10.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は221nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.226であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態52.
本発明の実施の形態52に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図62を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態51に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1087nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.729549、φ2=0.564265とすることによって波長1087nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=10.24nm/128.85nm/126.54nm/150.33nm/147.63nm/119.65nm/117.50nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は800.74nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.49nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態52に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図62を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態51に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1087nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.729549、φ2=0.564265とすることによって波長1087nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=10.24nm/128.85nm/126.54nm/150.33nm/147.63nm/119.65nm/117.50nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は800.74nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.49nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図62は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の10%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長857nmから1102nmにわたって反射率は9.0%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1087nmの設定反射率10.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は245nmである。この波長帯域幅を設定波長1087nmで割った値は約0.225であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態53.
本発明の実施の形態53に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図63を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=2.20、B=2.55,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.674425、φ2=0.572301とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.02nm/112.50nm/121.22nm/130.40nm/140.51nm/99.72nm/107.45nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は722.82nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1320.69nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態53に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図63を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=2.20、B=2.55,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.674425、φ2=0.572301とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.02nm/112.50nm/121.22nm/130.40nm/140.51nm/99.72nm/107.45nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は722.82nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1320.69nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図63は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長764nmから994nmにわたって反射率は10.2%から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は230nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.235であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態54.
本発明の実施の形態54に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図64を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態53に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1092nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.674425、φ2=0.572301とすることによって波長1092nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=12.28nm/125.36nm/135.08nm/145.31nm/156.56nm/111.12nm/119.73nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は805.44nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.66nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態54に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図64を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態53に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1092nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.674425、φ2=0.572301とすることによって波長1092nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=12.28nm/125.36nm/135.08nm/145.31nm/156.56nm/111.12nm/119.73nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は805.44nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.66nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図64は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長851nmから1108nmにわたって反射率は10.2%から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1092nmの設定反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は257nmである。この波長帯域幅を設定波長1092nmで割った値は約0.235であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態55.
本発明の実施の形態55に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図65を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=2.35、B=2.65,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.614143、φ2=0.581984とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.21nm/109.43nm/131.68nm/123.40nm/148.49nm/90.81nm/109.26nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は724.28nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1314.76nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.37倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態55に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図65を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.20、A=2.35、B=2.65,C=1.95としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.614143、φ2=0.581984とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=11.21nm/109.43nm/131.68nm/123.40nm/148.49nm/90.81nm/109.26nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は724.28nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1314.76nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.37倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図65は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長751nmから995nmにわたって反射率は10.9%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は244nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.249であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態56.
本発明の実施の形態56に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図66を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態47に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1100nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.614143、φ2=0.581984とすることによって波長1100nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=12.58nm/122.83nm/147.80nm/138.51nm/166.67nm/101.93nm/122.64nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は812.96nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1475.74nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.02倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態56に係る7層反射膜を備えた半導体光素子について、図66を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態47に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1100nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.614143、φ2=0.581984とすることによって波長1100nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=12.58nm/122.83nm/147.80nm/138.51nm/166.67nm/101.93nm/122.64nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は812.96nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1475.74nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.02倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図66は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長842nmから1117nmにわたって反射率は10.9%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1100nmの設定反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は275nmである。この波長帯域幅を設定波長1100nmで割った値は約0.250であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態43から実施の形態56に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表6に示した。表6には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.5〜+1.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態57.
本発明の実施の形態57に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図67を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としており、パラメータはA=1.50、B=1.92,C=2.2としている点で相違する。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.16473、φ2=0.715823とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=132.47nm/103.38nm/169.57nm/132.32nm/194.30nm/151.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は883.66nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1648.43nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態57に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図67を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としており、パラメータはA=1.50、B=1.92,C=2.2としている点で相違する。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.16473、φ2=0.715823とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=132.47nm/103.38nm/169.57nm/132.32nm/194.30nm/151.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は883.66nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1648.43nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図67は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長966nmから1219nmにわたって反射率は5.0%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は253nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.258であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態58.
本発明の実施の形態58に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図68を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態57に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=879nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.16473、φ2=0.715823とすることによって波長879nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=118.82nm/92.72nm/152.09nm/118.69nm/174.27nm/136.00nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は792.59nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1478.54nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態58に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図68を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態57に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=879nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.16473、φ2=0.715823とすることによって波長879nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=118.82nm/92.72nm/152.09nm/118.69nm/174.27nm/136.00nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は792.59nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1478.54nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図68は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長866nmから1093nmにわたって反射率は5.0%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長879nmの設定反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は227nmである。この波長帯域幅を設定波長879nmで割った値は約0.258であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態59.
本発明の実施の形態59に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図69を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.50、B=1.95,C=2.20としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.13181、φ2=0.744018とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=128.73nm/107.45nm/167.35nm/139.69nm/188.80nm/157.59nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は889.61nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1653.06nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態59に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図69を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.50、B=1.95,C=2.20としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.13181、φ2=0.744018とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=128.73nm/107.45nm/167.35nm/139.69nm/188.80nm/157.59nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は889.61nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1653.06nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図69は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長964nmから1219nmにわたって反射率は6.4%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率7.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は255nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.260であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態60.
本発明の実施の形態60に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図70を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態59に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=880nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.13181、φ2=0.744018とすることによって波長880nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=115.59nm/96.49nm/150.27nm/125.43nm/169.54nm/141.51nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は798.83nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1484.37nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.06倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態60に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図70を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態59に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=880nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.13181、φ2=0.744018とすることによって波長880nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=115.59nm/96.49nm/150.27nm/125.43nm/169.54nm/141.51nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は798.83nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1484.37nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.06倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図70は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長866nmから1094nmにわたって反射率は6.4%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長880nmの設定反射率7.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は228nmである。この波長帯域幅を設定波長880nmで割った値は約0.259であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態61.
本発明の実施の形態61に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図71を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.52、B=1.95,C=2.20としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.09941、φ2=0.769346とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=126.71nm/112.59nm/162.56nm/144.44nm/183.40nm/162.96nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は892.66nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1652.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態61に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図71を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.52、B=1.95,C=2.20としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.09941、φ2=0.769346とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=126.71nm/112.59nm/162.56nm/144.44nm/183.40nm/162.96nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は892.66nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1652.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図71は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長964nmから1223nmにわたって反射率は7.4%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は259nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.264であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態62.
本発明の実施の形態62に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図72を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態61に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=878nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.09941、φ2=0.769346とすることによって波長878nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=113.52nm/100.87nm/145.64nm/129.41nm/164.31nm/146.00nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は799.75nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1480.65nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.04倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態62に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図72を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態61に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=878nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.09941、φ2=0.769346とすることによって波長878nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=113.52nm/100.87nm/145.64nm/129.41nm/164.31nm/146.00nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は799.75nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1480.65nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.04倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図72は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長864nmから1096nmにわたって反射率は7.4%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長878nmの設定反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は232nmである。この波長帯域幅を設定波長878nmで割った値は約0.264であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態63.
本発明の実施の形態63に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図73を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.55、B=1.97,C=2.25としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0677、φ2=0.772496とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=125.49nm/115.28nm/159.49nm/146.52nm/182.16nm/167.34nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は896.28nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1656.11nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.76倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態63に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図73を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.55、B=1.97,C=2.25としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0677、φ2=0.772496とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=125.49nm/115.28nm/159.49nm/146.52nm/182.16nm/167.34nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は896.28nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1656.11nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.76倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図73は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長963nmから1235nmにわたって反射率は8.4%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率9.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は272nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.278であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態64.
本発明の実施の形態64に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図74を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態73に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=874nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0677、φ2=0.772496とすることによって波長874nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=111.91nm/102.81nm/142.24nm/130.67nm/162.45nm/149.24nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は799.32nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1476.95nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態64に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図74を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態73に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=874nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0677、φ2=0.772496とすることによって波長874nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=111.91nm/102.81nm/142.24nm/130.67nm/162.45nm/149.24nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は799.32nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1476.95nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.03倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図74は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長859nmから1101nmにわたって反射率は8.4%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長874nmの設定反射率9.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は242nmである。この波長帯域幅を設定波長874nmで割った値は約0.244であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態65.
本発明の実施の形態65に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図75を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.60、B=2.02,C=2.25としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.00317、φ2=0.803388とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=121.70nm/123.76nm/153.64nm/156.25nm/171.14nm/174.04nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は900.53nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1653.97nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態65に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図75を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.60、B=2.02,C=2.25としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.00317、φ2=0.803388とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=121.70nm/123.76nm/153.64nm/156.25nm/171.14nm/174.04nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は900.53nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1653.97nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図75は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の10%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長963nmから1233nmにわたって反射率は9.5%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は270nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.276であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態66.
本発明の実施の形態66に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図76を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態65に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=874nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0031、φ2=0.803388とすることによって波長874nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=108.53nm/110.37nm/137.02nm/139.35nm/152.63nm/155.21nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は803.11nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1475.04nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.02倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態66に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図76を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態65に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=874nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.0031、φ2=0.803388とすることによって波長874nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=108.53nm/110.37nm/137.02nm/139.35nm/152.63nm/155.21nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は803.11nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1475.04nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.02倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図76は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の10%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長859nmから1100nmにわたって反射率は9.5%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長874nmの設定反射率10.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は241nmである。この波長帯域幅を設定波長874nmで割った値は約0.276であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態67.
本発明の実施の形態67に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図77を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.65、B=2.05,C=2.20としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.931121、φ2=0.862397とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=116.49nm/137.00nm/144.73nm/170.21nm/155.33nm/182.67nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は906.43nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1650.45nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態67に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図77を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.65、B=2.05,C=2.20としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.931121、φ2=0.862397とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=116.49nm/137.00nm/144.73nm/170.21nm/155.33nm/182.67nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は906.43nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1650.45nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図77は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長963nmから1233nmにわたって反射率は10.4%から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は270nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.276であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態68.
本発明の実施の形態68に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図78を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態67に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=875nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.931121、φ2=0.862397とすることによって波長875nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=104.01nm/122.32nm/129.23nm/151.98nm/138.68nm/163.10nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は809.32nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1473.63nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態68に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図78を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態67に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=875nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.931121、φ2=0.862397とすることによって波長875nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=104.01nm/122.32nm/129.23nm/151.98nm/138.68nm/163.10nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は809.32nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1473.63nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図78は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長859nmから1100nmにわたって反射率は10.4%から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長875nmの設定反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は241nmである。この波長帯域幅を設定波長875nmで割った値は約0.275であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態69.
本発明の実施の形態69に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図79を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.70、B=2.07,C=2.15としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.853386、φ2=0.935812とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=110.00nm/153.17nm/133.95nm/186.51nm/139.12nm/193.71nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は916.46nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1652.07nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態69に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図79を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態17に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.70、B=2.07,C=2.15としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.853386、φ2=0.935812とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=110.00nm/153.17nm/133.95nm/186.51nm/139.12nm/193.71nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は916.46nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1652.07nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図79は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長961nmから1240nmにわたって反射率は11.5%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は279nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.285であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態70.
本発明の実施の形態70に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図80を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態69に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=873nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.853386、φ2=0.935812とすることによって波長873nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=97.99nm/136.45nm/119.32nm/166.14nm/123.93nm/172.56nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は816.56nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態70に係る6層反射膜を備えた半導体光素子について、図80を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態69に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=873nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.853386、φ2=0.935812とすることによって波長873nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、6層反射膜のそれぞれの膜厚はAd1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=97.99nm/136.45nm/119.32nm/166.14nm/123.93nm/172.56nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は816.56nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.67nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図80は、この6層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この6層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長856nmから1103nmにわたって反射率は11.5%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長873nmの設定反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は247nmである。この波長帯域幅を設定波長873nmで割った値は約0.283であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この6層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態57から実施の形態70に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表7に示した。表7には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.5〜+1.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態71.
本発明の実施の形態71に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図81を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.05、B=2.00,C=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.09082、φ2=0.85958とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/86.85nm/86.90nm/165.42nm/165.52nm/165.42nm/165.52nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は885.63nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1639.85nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.69倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態71に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図81を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.05、B=2.00,C=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.09082、φ2=0.85958とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/86.85nm/86.90nm/165.42nm/165.52nm/165.42nm/165.52nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は885.63nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1639.85nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.69倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図81は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長965nmから1186nmにわたって反射率は5.4%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は221nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.226であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態72.
本発明の実施の形態72に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図82を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態71に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=889nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.05881、φ2=0.866436とすることによって波長889nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/76.47nm/79.46nm/145.66nm/151.35nm/145.66nm/151.35nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は799.95nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1479.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.04倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態72に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図82を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態71に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=889nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.05881、φ2=0.866436とすることによって波長889nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/76.47nm/79.46nm/145.66nm/151.35nm/145.66nm/151.35nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は799.95nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1479.24nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.04倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図82は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長877nmから1081nmにわたって反射率は5.2%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長889nmの設定反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は204nmである。この波長帯域幅を設定波長889nmで割った値は約0.229であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態73.
本発明の実施の形態73に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図83を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.10、B=2.05,C=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.01208、φ2=0.896867とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/84.41nm/94.98nm/157.32nm/177.02nm/143.48nm/172.70nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は879.91nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1636.96nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.68倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態73に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図83を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.10、B=2.05,C=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=1.01208、φ2=0.896867とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/84.41nm/94.98nm/157.32nm/177.02nm/143.48nm/172.70nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は879.91nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1636.96nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.68倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図83は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長965nmから1194nmにわたって反射率は6.4%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率7.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は229nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.234であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態74.
本発明の実施の形態74に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図84を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態73に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=886nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.97974、φ2=0.904319とすることによって波長886nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/73.88nm/86.59nm/137.68nm/161.37nm/134.33nm/157.43nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は801.28nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.83nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態74に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図84を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態73に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=886nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.97974、φ2=0.904319とすることによって波長886nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/73.88nm/86.59nm/137.68nm/161.37nm/134.33nm/157.43nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は801.28nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1471.83nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.01倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図84は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長874nmから1085nmにわたって反射率は6.0%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長886nmの設定反射率7.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は211nmである。この波長帯域幅を設定波長886nmで割った値は約0.238であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態75.
本発明の実施の形態75に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図85を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.10、B=2.05,C=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.991775、φ2=0.923736とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/82.72nm/97.83nm/154.16nm/182.32nm/150.40nm/177.87nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は895.3nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1642.23nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.70倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態75に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図85を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.10、B=2.05,C=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.991775、φ2=0.923736とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/82.72nm/97.83nm/154.16nm/182.32nm/150.40nm/177.87nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は895.3nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1642.23nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.70倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図85は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長964nmから1204nmにわたって反射率は7.5%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は240nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.245であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態76.
本発明の実施の形態76に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図86を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態75に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=881nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.958992、φ2=0.930306とすることによって波長881nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/71.91nm/88.57nm/134.01nm/165.07nm/130.74nm/161.04nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は801.34nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1467.89nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.99倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態76に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図86を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態75に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=881nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.958992、φ2=0.930306とすることによって波長881nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/71.91nm/88.57nm/134.01nm/165.07nm/130.74nm/161.04nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は801.34nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1467.89nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.99倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図86は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長869nmから1090nmにわたって反射率は7.1%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長881nmの設定反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は221nmである。この波長帯域幅を設定波長881nmで割った値は約0.251であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態77.
本発明の実施の形態77に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図87を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.15、B=2.10,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.934834、φ2=0.927699とすることによって波長980nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/81.52nm/102.72nm/148.86nm/187.57nm/145.31nm/183.10nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は899.08nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1643.29nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.71倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態77に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図87を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.15、B=2.10,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.934834、φ2=0.927699とすることによって波長980nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/81.52nm/102.72nm/148.86nm/187.57nm/145.31nm/183.10nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は899.08nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1643.29nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.71倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図87は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長965nmから1220nmにわたって反射率は8.4%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率9.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は255nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.260であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態78.
本発明の実施の形態78に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図88を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態77に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=874nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.900337、φ2=0.935222とすることによって波長874nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/70.02nm/92.35nm/127.86nm/168.64nm/124.81nm/164.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は798.3nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1456.86nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.95倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態78に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図88を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態77に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=874nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.900337、φ2=0.935222とすることによって波長874nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/70.02nm/92.35nm/127.86nm/168.64nm/124.81nm/164.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は798.3nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1456.86nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.95倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図88は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長863nmから1096nmにわたって反射率は7.9%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長874nmの設定反射率9.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は233nmである。この波長帯域幅を設定波長874nmで割った値は約0.267であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態79.
本発明の実施の形態79に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図89を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.15、B=2.10,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.914148、φ2=0.95535とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/79.71nm/105.78nm/145.56nm/193.16nm/142.10nm/188.56nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は904.87nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1649.03nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態79に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図89を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.15、B=2.10,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.914148、φ2=0.95535とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/79.71nm/105.78nm/145.56nm/193.16nm/142.10nm/188.56nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は904.87nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1649.03nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図89は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の10%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長963nmから1235nmにわたって反射率は9.6%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率10.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は272nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.278であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態80.
本発明の実施の形態80に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図90を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態79に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=868nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.879123、φ2=0.96166とすることによって波長868nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/67.90nm/94.31nm/123.99nm/172.21nm/121.03nm/168.11nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は797.55nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1451.38nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.92倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態80に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図90を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態79に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=868nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.879123、φ2=0.96166とすることによって波長868nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/67.90nm/94.31nm/123.99nm/172.21nm/121.03nm/168.11nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は797.55nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1451.38nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.92倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図90は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長856nmから1102nmにわたって反射率は8.7%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長868nmの設定反射率10.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は246nmである。この波長帯域幅を設定波長868nmで割った値は約0.283であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態81.
本発明の実施の形態81に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図91を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.17、B=2.10,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.881444、φ2=0.983957とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/78.20nm/110.84nm/140.35nm/198.94nm/137.01nm/194.21nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は909.55nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1651.45nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態81に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図91を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.17、B=2.10,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.881444、φ2=0.983957とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/78.20nm/110.84nm/140.35nm/198.94nm/137.01nm/194.21nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は909.55nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1651.45nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.74倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図91は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長963nmから1254nmにわたって反射率は10.4%から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は291nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.297であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態82.
本発明の実施の形態82に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図92を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態91に係る半導体光素子と比較すると、パラメータA=1.15、B=2.10、C=2.05とし、設定波長λ=862nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.856738、φ2=0.989623とすることによって波長862nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/65.71nm/96.38nm/119.99nm/176.00nm/117.14nm/171.81nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は797.03nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1446.13nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.90倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態82に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図92を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態91に係る半導体光素子と比較すると、パラメータA=1.15、B=2.10、C=2.05とし、設定波長λ=862nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.856738、φ2=0.989623とすることによって波長862nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/65.71nm/96.38nm/119.99nm/176.00nm/117.14nm/171.81nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は797.03nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1446.13nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.90倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図92は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長850nmから1110nmにわたって反射率は9.5から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長862nmの設定反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は260nmである。この波長帯域幅を設定波長862nmで割った値は約0.302であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態83.
本発明の実施の形態83に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図93を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.22、B=2.13,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.815005、φ2=1.02518とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/75.39nm/120.42nm/131.63nm/210.24nm/126.69nm/202.34nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は916.71nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1653.50nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態83に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図93を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態25に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=1.22、B=2.13,C=2.05としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.815005、φ2=1.02518とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/75.39nm/120.42nm/131.63nm/210.24nm/126.69nm/202.34nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は916.71nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1653.50nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約6.75倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図93は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長962nmから1275nmにわたって反射率は10.7%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は313nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.319であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態84.
本発明の実施の形態84に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図94を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態83に係る半導体光素子と比較すると、パラメータはA=1.13、B=2.10、C=2.05とし、設定波長λ=853nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.842465、φ2=1.02038とすることによって波長853nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/62.83nm/96.63nm/116.76nm/179.57nm/113.98nm/175.30nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は795.07nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1438.90nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.87倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態84に係る3種類の膜を含む7層反射膜を備えた半導体光素子について、図94を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態83に係る半導体光素子と比較すると、パラメータはA=1.13、B=2.10、C=2.05とし、設定波長λ=853nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.842465、φ2=1.02038とすることによって波長853nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、7層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2=50nm/62.83nm/96.63nm/116.76nm/179.57nm/113.98nm/175.30nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は795.07nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1438.90nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約5.87倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図94は、この7層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この7層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長838nmから1116nmにわたって反射率は10.6%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長853nmの設定反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は278nmである。この波長帯域幅を設定波長853nmで割った値は約0.326であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この7層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態71から実施の形態84に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表8に示した。表8には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.5〜+1.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態85.
本発明の実施の形態85に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図95を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.7、B=2.1,C=2.0、D=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.429458、φ2=0.889116とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.56nm/87.92nm/231.13nm/68.38nm/179.77nm/65.13nm/171.21nm/65.13nm/171.21nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1048.44nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1823.70nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.44倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態85に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図95を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.7、B=2.1,C=2.0、D=2.0としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.429458、φ2=0.889116とすることによって波長980nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.56nm/87.92nm/231.13nm/68.38nm/179.77nm/65.13nm/171.21nm/65.13nm/171.21nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1048.44nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1823.70nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.44倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図95は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長893nmから993nmにわたって反射率は5.1%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は100nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.102であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態86.
本発明の実施の形態86に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図96を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態85に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1018nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.429458、φ2=0.889116とすることによって波長1018nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.89nm/91.33nm/240.09nm/71.04nm/186.74nm/67.65nm/177.85nm/67.65nm/177.85nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1089.09nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1857.42nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態86に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図96を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態85に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1018nmで設定反射率R(λ)を6.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.429458、φ2=0.889116とすることによって波長1018nmで反射率6.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.89nm/91.33nm/240.09nm/71.04nm/186.74nm/67.65nm/177.85nm/67.65nm/177.85nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1089.09nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1857.42nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.73倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図96は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の6%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長928nmから1031nmにわたって反射率は5.1%から7.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1018nmの設定反射率6.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率4.5%〜7.0%の範囲の連続した波長帯域幅は103nmである。この波長帯域幅を設定波長1018nmで割った値は約0.101であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態87.
本発明の実施の形態87に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図97を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.7、B=2.15,C=1.9、D=1.9としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.413831、φ2=0.91752とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.83nm/84.72nm/238.51nm/65.90nm/185.51nm/59.62nm/167.84nm/59.62nm/167.84nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1038.39nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1800.12nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.35倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態87に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図97を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.7、B=2.15,C=1.9、D=1.9としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.413831、φ2=0.91752とすることによって波長980nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.83nm/84.72nm/238.51nm/65.90nm/185.51nm/59.62nm/167.84nm/59.62nm/167.84nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1038.39nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1800.12nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.35倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図97は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長898nmから993nmにわたって反射率は6.3%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率7.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は95nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.097であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態88.
本発明の実施の形態88に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図98を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態87に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1016nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.413831、φ2=0.91752とすることによって波長1016nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.16nm/87.83nm/247.27nm/68.32nm/192.32nm/61.81nm/174.01nm/61.81nm/174.01nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1076.54nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1866.25nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.62倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態88に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図98を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態87に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1016nmで設定反射率R(λ)を7.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.413831、φ2=0.91752とすることによって波長1016nmで反射率7.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.16nm/87.83nm/247.27nm/68.32nm/192.32nm/61.81nm/174.01nm/61.81nm/174.01nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1076.54nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1866.25nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.62倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図98は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の7%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長931nmから1029nmにわたって反射率は6.3%から8.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1016nmの設定反射率7.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率5.5%〜8.0%の範囲の連続した波長帯域幅は98nmである。この波長帯域幅を設定波長1016nmで割った値は約0.096であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態89.
本発明の実施の形態89に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図99を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.70、B=2.10,C=2.05、D=1.80としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395103、φ2=0.933593とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.99nm/80.89nm/242.69nm/62.91nm/188.76nm/61.42nm/184.27nm/53.93nm/161.79nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1045.65nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1807.20nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態89に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図99を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.70、B=2.10,C=2.05、D=1.80としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395103、φ2=0.933593とすることによって波長980nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.99nm/80.89nm/242.69nm/62.91nm/188.76nm/61.42nm/184.27nm/53.93nm/161.79nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1045.65nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1807.20nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図99は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長886nmから991nmにわたって反射率は7.0%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は105nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.107であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態90.
本発明の実施の形態90に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図100を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態89に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1023nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395103、φ2=0.933593とすることによって波長1023nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.38nm/84.44nm/253.34nm/65.67nm/197.04nm/64.11nm/192.35nm/56.29nm/168.89nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1091.51nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1886.46nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.70倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態90に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図100を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態89に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1023nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395103、φ2=0.933593とすることによって波長1023nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.38nm/84.44nm/253.34nm/65.67nm/197.04nm/64.11nm/192.35nm/56.29nm/168.89nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1091.51nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1886.46nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.70倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図100は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の8%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長925nmから1034nmにわたって反射率は7.0%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1023nmの設定反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は109nmである。この波長帯域幅を設定波長1023nmで割った値は約0.107であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態91.
本発明の実施の形態91に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図101を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.70、B=2.10,C=2.15、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.392646、φ2=0.930741とすることによって波長980nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.96nm/80.39nm/241.95nm/62.52nm/188.16nm/64.01nm/192.66nm/52.10nm/156.82nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1047.59nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.29nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態91に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図101を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.70、B=2.10,C=2.15、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.392646、φ2=0.930741とすることによって波長980nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.96nm/80.39nm/241.95nm/62.52nm/188.16nm/64.01nm/192.66nm/52.10nm/156.82nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1047.59nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.29nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図101は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長872nmから990nmにわたって反射率は7.8%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率9.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は118nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.120であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態92.
本発明の実施の形態92に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図102を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態91に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1031nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.392646、φ2=0.930741とすることによって波長1031nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.43nm/84.57nm/254.54nm/65.78nm/197.98nm/67.34nm/202.69nm/54.81nm/164.98nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1102.12nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1904.52nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.77倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態92に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図102を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態91に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1031nmで設定反射率R(λ)を9.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.392646、φ2=0.930741とすることによって波長1031nmで反射率9.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.43nm/84.57nm/254.54nm/65.78nm/197.98nm/67.34nm/202.69nm/54.81nm/164.98nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1102.12nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1904.52nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.77倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図102は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長918nmから1041nmにわたって反射率は7.8%から10.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1031nmの設定反射率9.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率7.5%〜10.0%の範囲の連続した波長帯域幅は123nmである。この波長帯域幅を設定波長1031nmで割った値は約0.119であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態93.
本発明の実施の形態93に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図103を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.75、B=2.10,C=2.25、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.394052、φ2=0.907302とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.74nm/82.17nm/240.22nm/62.75nm/183.44nm/67.33nm/196.55nm/52.29nm/152.87nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1046.36nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.50nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態93に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図103を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態33に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.75、B=2.10,C=2.25、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.394052、φ2=0.907302とすることによって波長980nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.74nm/82.17nm/240.22nm/62.75nm/183.44nm/67.33nm/196.55nm/52.29nm/152.87nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1046.36nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.50nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図103は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の9%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長866nmから990nmにわたって反射率は8.7%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率10.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は124nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.127であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態94.
本発明の実施の形態94に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図104を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態93に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1035nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.394052、φ2=0.907302とすることによって波長1035nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.23nm/86.78nm/253.71nm/66.27nm/193.74nm/71.00nm/207.58nm/55.22nm/161.45nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1104.98nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1912.11nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.80倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態94に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図104を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態93に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1035nmで設定反射率R(λ)を10.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.394052、φ2=0.907302とすることによって波長1035nmで反射率10.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.23nm/86.78nm/253.71nm/66.27nm/193.74nm/71.00nm/207.58nm/55.22nm/161.45nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1104.98nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1912.11nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.80倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図104は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の10%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長914nmから1045nmにわたって反射率は8.7%から11.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1035nmの設定反射率10.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率8.5%〜11.0%の範囲の連続した波長帯域幅は131nmである。この波長帯域幅を設定波長1035nmで割った値は約0.127であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態95.
本発明の実施の形態95に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図105を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.80、B=2.10,C=2.35、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395641、φ2=0.88414とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.51nm/84.00nm/238.35nm/63.00nm/178.76nm/70.50nm/200.04nm/52.50nm/148.97nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1044.63nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.29nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態95に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図105を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.80、B=2.10,C=2.35、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395641、φ2=0.88414とすることによって波長980nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.51nm/84.00nm/238.35nm/63.00nm/178.76nm/70.50nm/200.04nm/52.50nm/148.97nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1044.63nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1810.29nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.39倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図105は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長856nmから990nmにわたって反射率は9.7%から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は134nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.137であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態96.
本発明の実施の形態96に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図106を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態95に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1040nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395641、φ2=0.88414とすることによって波長1040nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.03nm/89.14nm/252.94nm/66.86nm/189.71nm/74.81nm/212.29nm/55.71nm/158.09nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1108.58nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1921.11nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.84倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態96に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図106を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態95に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1040nmで設定反射率R(λ)を11.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.395641、φ2=0.88414とすることによって波長1040nmで反射率11.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=9.03nm/89.14nm/252.94nm/66.86nm/189.71nm/74.81nm/212.29nm/55.71nm/158.09nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1108.58nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1921.11nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.84倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図106は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の11%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長909nmから1050nmにわたって反射率は9.7%から12.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1040nmの設定反射率11.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率9.5%〜12.0%の範囲の連続した波長帯域幅は141nmである。この波長帯域幅を設定波長1040nmで割った値は約0.136であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態97.
本発明の実施の形態97に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図107を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.85、B=2.10,C=2.42、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.39697、φ2=0.864124とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.32nm/85.79nm/237.11nm/63.21nm/174.71nm/72.84nm/201.34nm/52.68nm/145.60nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1041.60nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1807.36nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態97に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図107を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=980nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはO=0.10、A=2.85、B=2.10,C=2.42、D=1.75としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.39697、φ2=0.864124とすることによって波長980nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.32nm/85.79nm/237.11nm/63.21nm/174.71nm/72.84nm/201.34nm/52.68nm/145.60nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1041.60nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1807.36nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.38倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図107は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長852nmから990nmにわたって反射率は10.8%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長980nmの反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は138nmである。この波長帯域幅を設定波長980nmで割った値は約0.141であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態98.
本発明の実施の形態98に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図108を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態97に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1043nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.39697、φ2=0.864124とすることによって波長1043nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.85nm/91.30nm/252.35nm/67.27nm/185.95nm/77.53nm/214.28nm/56.06nm/154.95nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1108.54nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1923.51nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.85倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態98に係る9層反射膜を備えた半導体光素子について、図108を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態97に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=1043nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.39697、φ2=0.864124とすることによって波長1043nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、9層反射膜のそれぞれの膜厚はOd2/Ad1/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=8.85nm/91.30nm/252.35nm/67.27nm/185.95nm/77.53nm/214.28nm/56.06nm/154.95nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は1108.54nmである。それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1923.51nmであり、所定波長980nmの1/4波長(=245nm)の約7.85倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図108は、この9層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この9層反射膜は、設定反射率の12%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長907nmから1053nmにわたって反射率は10.8%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長1043nmの設定反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、反射率10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は146nmである。この波長帯域幅を設定波長1043nmで割った値は約0.140であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この9層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態85から実施の形態98に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表9に示した。表9には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長980nmの1/4波長(245nm)との対比、R(λ)の−1.5〜+1.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
実施の形態99.
本発明の実施の形態99に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について図109及び図110を用いて説明する。図109は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて3種類の膜からなる8層反射膜70を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が3種類の膜からなる8層反射膜70で構成されている点で相違する。さらに詳細には、導波層10に接する第1層膜及び第2層膜がそれぞれアルミナ及び石英と、半導体レーザの等価屈折率より小さい屈折率である点で相違する。なお、第3層膜から第8層膜にかけては酸化タンタル及び石英が交互に積層されている。
本発明の実施の形態99に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について図109及び図110を用いて説明する。図109は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて3種類の膜からなる8層反射膜70を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態1に係る半導体光素子と比較すると、多層反射膜が3種類の膜からなる8層反射膜70で構成されている点で相違する。さらに詳細には、導波層10に接する第1層膜及び第2層膜がそれぞれアルミナ及び石英と、半導体レーザの等価屈折率より小さい屈折率である点で相違する。なお、第3層膜から第8層膜にかけては酸化タンタル及び石英が交互に積層されている。
この3種類の膜を含む8層反射膜70の反射率が所定波長で前記仮想単層膜の反射率と同一に設定する条件について検討する。ここでは、導波層10に接する第1層膜に第3の種類の膜を用いた場合について検討する。この第3の膜の位相変化φ3は、下記式(20)で表される。
なお、A,B,C,Dは、第2層膜72の膜厚Ad2、第3層膜73の膜厚Bd1、第4層膜74の膜厚Bd2、第5層膜75の膜厚Cd1、第6層膜76の膜厚Cd2、第7層膜77の膜厚Dd1、第8層膜78の膜厚Dd2とした場合の、それぞれの2層膜(ペア)の寄与率を表すパラメータである。ただし、Aは第2層膜の寄与率のみを表す。
以下、半導体光素子の端面部に3種類の膜を含む8層反射膜70を設けた場合について説明する。図109は、端面部に設けた3種類の膜を含む8層反射膜70の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子では、導波層10(等価屈折率nc=3.37)の端面部に順に、アルミナの第1層膜71(屈折率n3=1.636、膜厚d3=10nm)、石英の第2層膜72(屈折率n2=1.457、膜厚Ad2)、酸化タンタルの第3層膜73(屈折率n1=2.072、膜厚Bd1)、石英の第4層膜74(屈折率n2=1.457、膜厚Bd2)、酸化タンタルの第5層膜75(屈折率n1=2.072、膜厚Cd1)、石英の第6層膜76(屈折率n2=1.457、膜厚Cd2)、酸化タンタルの第7層膜77(屈折率n1=2.072、膜厚Dd1)、石英の第8層膜78(屈折率n2=1.457、膜厚Dd2)が積層されている。さらに、この8層反射膜70は、空気等の自由空間5に接している。
この半導体光素子の端面部の8層反射膜70の反射特性について説明する。まず、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を4.0%とする。各パラメータを、A=0.32、B=1.96、C=1.85、D=2.00とした場合、酸化タンタル及び石英の位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.356684、φ2=1.26875である場合に波長808nmで反射率4.0%が得られる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/35.83nm/43.39nm/219.49nm/40.95nm/207.17nm/44.27nm/223.96nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は825.06nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2108.54nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約10.44倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図110は、この8層反射膜70の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の4.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長802nmから941nmにわたって反射率は2.6%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長808nmの反射率4.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、2.5%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は139nmである。この波長帯域幅を設定波長808nmで割った値は約0.172であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態100.
本発明の実施の形態100に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図111を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=744nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはB=1.95としている点で相違する。また、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.361744、φ2=1.26093とすることによって波長744nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/32.79nm/40.31nm/199.83nm/38.25nm/189.58nm/41.35nm/204.95nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は757.06nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1949.67nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約9.65倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態100に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図111を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=744nmで設定反射率R(λ)を4.0%としている点で相違する。また、パラメータはB=1.95としている点で相違する。また、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.361744、φ2=1.26093とすることによって波長744nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/32.79nm/40.31nm/199.83nm/38.25nm/189.58nm/41.35nm/204.95nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は757.06nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、1949.67nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約9.65倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図111は、この8層反射膜70の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の4.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長738nmから869nmにわたって反射率は2.5%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長744nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、2.5%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は131nmである。この波長帯域幅を設定波長744nmで割った値は約0.176であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜70は、広い波長帯域にわたって低反射率の平坦部を有していることがわかる。
実施の形態101.
本発明の実施の形態101に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図112を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.20、B=2.00、C=2.00、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.374385、φ2=1.26121とすることによって波長808nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/22.26nm/46.47nm/222.63nm/46.47nm/222.63nm/46.47nm/222.63nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は839.56nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2177.34nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約10.78倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態101に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図112を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.20、B=2.00、C=2.00、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.374385、φ2=1.26121とすることによって波長808nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/22.26nm/46.47nm/222.63nm/46.47nm/222.63nm/46.47nm/222.63nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は839.56nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2177.34nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約10.78倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図112は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の8.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長801nmから946nmにわたって反射率は6.6%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長808nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は145nmである。この波長帯域幅を設定波長808nmで割った値は約0.179であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態102.
本発明の実施の形態102に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図113を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態101に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=753nmで設定反射率R(λ)を8.0%として、パラメータはA=0.19としている点で相違する。また、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.370822、φ2=1.26896とすることによって波長753nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/19.83nm/42.90nm/208.75nm/42.90nm/208.75nm/42.90nm/208.75nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は784.78nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2024.36nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約10.02倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態102に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図113を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態101に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=753nmで設定反射率R(λ)を8.0%として、パラメータはA=0.19としている点で相違する。また、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.370822、φ2=1.26896とすることによって波長753nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/19.83nm/42.90nm/208.75nm/42.90nm/208.75nm/42.90nm/208.75nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は784.78nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2024.36nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約10.02倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図113は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の8.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長746nmから870nmにわたって反射率は6.7%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長753nmの設定反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は124nmである。この波長帯域幅を設定波長753nmで割った値は約0.165であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態103.
本発明の実施の形態103に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図114を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.14、B=1.95、C=1.80、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.403695、φ2=1.34024とすることによって波長808nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/16.56nm/48.86nm/230.67nm/45.10nm/212.93nm/50.11nm/236.58nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は850.81nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2264.47nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約11.21倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態103に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図114を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.14、B=1.95、C=1.80、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.403695、φ2=1.34024とすることによって波長808nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/16.56nm/48.86nm/230.67nm/45.10nm/212.93nm/50.11nm/236.58nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は850.81nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2264.47nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約11.21倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図113は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の12.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長801nmから1037nmにわたって反射率は10.7%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長808nmの反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は236nmである。この波長帯域幅を設定波長808nmで割った値は約0.292であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態104.
本発明の実施の形態104に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図115を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態103に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=706nmで設定反射率R(λ)を12.0%として、パラメータはB=1.93としている点で相違する。また、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.412469、φ2=1.3303とすることによって波長706nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/14.43nm/43.49nm/198.96nm/40.56nm/185.56nm/45.06nm/206.18nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は744.24nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2005.83nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約9.93倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態104に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図115を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態103に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=706nmで設定反射率R(λ)を12.0%として、パラメータはB=1.93としている点で相違する。また、酸化タンタル及び石英のそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.412469、φ2=1.3303とすることによって波長706nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=10nm/14.43nm/43.49nm/198.96nm/40.56nm/185.56nm/45.06nm/206.18nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は744.24nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2005.83nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約9.93倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図115は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の12.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長707nmから908nmにわたって反射率は10.9%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長706nmの設定反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は201nmである。この波長帯域幅を設定波長706nmで割った値は約0.285であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態105.
本発明の実施の形態105に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図116及び図117を用いて説明する。図116は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて3種類の膜からなる8層反射膜80を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、導波層10に接する第1層膜及び第2層膜がそれぞれ石英及びアルミナであり、第3層膜から第8層膜にかけて酸化タンタルおよびアルミナが積層されている点で相違する。
本発明の実施の形態105に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図116及び図117を用いて説明する。図116は、半導体光素子の端面部の反射膜として、単層反射膜に代えて3種類の膜からなる8層反射膜80を設けた場合の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子は、実施の形態99に係る半導体光素子と比較すると、導波層10に接する第1層膜及び第2層膜がそれぞれ石英及びアルミナであり、第3層膜から第8層膜にかけて酸化タンタルおよびアルミナが積層されている点で相違する。
以下、半導体光素子の端面部に3種類の膜を含む8層反射膜80を設けた場合について説明する。図116は、端面部に設けた3種類の膜を含む8層反射膜の構成を示す概略断面図である。この半導体光素子では、導波層10(等価屈折率nc=3.37)の端面部に順に、石英の第1層膜81(屈折率n3=1.457、膜厚d3=5nm)、アルミナの第2層膜82(屈折率n2=1.636、膜厚Ad2)、酸化タンタルの第3層膜83(屈折率n1=2.072、膜厚Bd1)、アルミナの第4層膜84(屈折率n2=1.636、膜厚Bd2)、酸化タンタルの第5層膜85(屈折率n1=2.072、膜厚Cd1)、アルミナの第6層膜86(屈折率n2=1.636、膜厚Cd2)、酸化タンタルの第7層膜87(屈折率n1=2.072、膜厚Dd1)、アルミナの第8層膜88(屈折率n2=1.636、膜厚Dd2)が積層されている。さらに、この8層膜80は、空気等の自由空間5に接している。
この半導体光素子の端面部の8層反射膜80の反射特性について説明する。まず、ここでは設定波長808nmで設定反射率R(λ)を4.0%にする。各パラメータを、A=0.22、B=2.00、C=2.16、D=2.00とした場合、酸化タンタル及びアルミナの位相変化φ1及びφ2が、それぞれφ1=0.44218、φ2=1.18776である場合に、波長808nmで反射率4.0%が得られる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/20.54nm/54.89nm/186.73nm/59.28nm/201.67nm/54.89nm/186.73nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は769.73nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2355.68nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約11.66倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図117は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の4.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長800nmから1032nmにわたって反射率は2.7%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長808nmの反射率4.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、2.5%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は232nmである。この波長帯域幅を設定波長808nmで割った値は約0.287であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態106.
本発明の実施の形態106に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図118を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態105に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=716nmで設定反射率R(λ)を4.0%として、パラメータをA=0.17、B=2.03、C=2.24、としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.455795、φ2=1.15938とすることによって波長716nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/13.73nm/50.89nm/163.94nm/56.15nm/180.89nm/50.01nm/161.11nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は681.72nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2115.46nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約10.47倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態106に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図118を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態105に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=716nmで設定反射率R(λ)を4.0%として、パラメータをA=0.17、B=2.03、C=2.24、としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.455795、φ2=1.15938とすることによって波長716nmで反射率4.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/13.73nm/50.89nm/163.94nm/56.15nm/180.89nm/50.01nm/161.11nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は681.72nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2115.46nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約10.47倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図118は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の4.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長709nmから906nmにわたって反射率は3.0%から5.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長716nmの設定反射率4.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、2.5%〜5.0%の範囲の連続した波長帯域幅は197nmである。この波長帯域幅を設定波長716nmで割った値は約0.275であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態107.
本発明の実施の形態107に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図119を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態105に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.20、B=2.00、C=2.60、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.703895、φ2=0.563728とすることによって波長808nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/8.86nm/87.37nm/88.62nm/113.59nm/115.21nm/87.37nm/88.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は594.64nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2726.92nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約13.50倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態107に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図119を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態105に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.20、B=2.00、C=2.60、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.703895、φ2=0.563728とすることによって波長808nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/8.86nm/87.37nm/88.62nm/113.59nm/115.21nm/87.37nm/88.62nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は594.64nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2726.92nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約13.50倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図119は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の8.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長647nmから819nmにわたって反射率は7.1%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長808nmの反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は172nmである。この波長帯域幅を設定波長808nmで割った値は約0.213であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態108.
本発明の実施の形態108に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図120を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態107に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=891nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.707082、φ2=0.56214とすることによって波長891nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/9.75nm/96.79nm/97.45nm/125.82nm/126.69nm/96.79nm/97.45nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は655.74nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、3016.09nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約14.93倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態108に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図120を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態107に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=891nmで設定反射率R(λ)を8.0%としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.707082、φ2=0.56214とすることによって波長891nmで反射率8.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/9.75nm/96.79nm/97.45nm/125.82nm/126.69nm/96.79nm/97.45nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は655.74nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、3016.09nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約14.93倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図120は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の8.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長712nmから903nmにわたって反射率は7.0%から9.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長891nmの設定反射率8.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、6.5%〜9.0%の範囲の連続した波長帯域幅は191nmである。この波長帯域幅を設定波長891nmで割った値は約0.214であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態109.
本発明の実施の形態109に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図121を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態105に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.10、B=2.53、C=2.75、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.549712、φ2=0.58774とすることによって波長808nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/4.62nm/86.32nm/116.88nm/93.82nm/127.05nm/68.24nm/92.40nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は594.33nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2352.26nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約11.64倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態109に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図121を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態105に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=808nmで設定反射率R(λ)を12.0%としている点で相違する。また、パラメータはA=0.10、B=2.53、C=2.75、D=2.00としている。さらに、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.549712、φ2=0.58774とすることによって波長808nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚は、d3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/4.62nm/86.32nm/116.88nm/93.82nm/127.05nm/68.24nm/92.40nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は594.33nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2352.26nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約11.64倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図121は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の12.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長617nmから821nmにわたって反射率は10.6%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長808nmの反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は204nmである。この波長帯域幅を設定波長808nmで割った値は約0.252であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
実施の形態110.
本発明の実施の形態110に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図122を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態109に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=909nmで設定反射率R(λ)を12.0%として、パラメータB=2.57としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.53932、φ2=0.592482とすることによって波長909nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/5.24nm/96.78nm/134.65nm/103.56nm/144.08nm/75.31nm/104.79nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は669.41nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2618.82nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約12.96倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態110に係る8層反射膜を備えた半導体光素子について、図122を用いて説明する。この半導体光素子は、実施の形態109に係る半導体光素子と比較すると、設定波長λ=909nmで設定反射率R(λ)を12.0%として、パラメータB=2.57としている点で相違する。また、酸化タンタル及びアルミナのそれぞれの位相変化φ1及びφ2を、φ1=0.53932、φ2=0.592482とすることによって波長909nmで反射率12.0%とすることができる。この場合、8層反射膜のそれぞれの膜厚はd3/Ad2/Bd1/Bd2/Cd1/Cd2/Dd1/Dd2=5nm/5.24nm/96.78nm/134.65nm/103.56nm/144.08nm/75.31nm/104.79nmである。全体の膜厚(dtotal=Σdi)は669.41nmである。また、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiは、2618.82nmであり、所定波長808nmの1/4波長(=202nm)の約12.96倍と非常に厚い。このため、端面における放熱特性が良くなり、端面温度の上昇を抑制できる。
図122は、この8層反射膜の反射率の波長依存性を示すグラフである。グラフの横軸は波長であり、縦軸は反射率である。この8層反射膜は、所定反射率の12.0%前後の平坦部分が広い波長帯域にわたって得られている。即ち、波長693nmから923nmにわたって反射率は10.5%から13.0%の範囲内に収まっている。また、設定波長909nmの設定反射率12.0%を基準として、−1.5%から+1.0%の範囲、即ち、10.5%〜13.0%の範囲の連続した波長帯域幅は230nmである。この波長帯域幅を設定波長909nmで割った値は約0.253であり、仮想単層反射膜の場合の0.065より大きい。そこで、この8層反射膜は、反射率が広い波長帯域にわたる平坦部を有していることがわかる。
以下に、実施の形態85から実施の形態98に係る半導体光素子の多層反射膜の特性について、表10に示した。表10には、多層反射膜の特性として、多層反射膜の構成、設定波長λ及び設定反射率R(λ)、極小反射率、Σnidi及び所定波長808nmの1/4波長(202nm)との対比、R(λ)の−1.5〜+1.0%の範囲となる波長帯域幅Δλ、Δλ/λについて示した。
以上、本発明を説明する実施の形態において、7層反射膜、6層反射膜、9層反射膜及び8層反射膜をその一例として挙げて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。多層反射膜はこれ以外の複数層であってもよい。3種類の材料を用いる場合を示したが、4種類以上の材料の場合も予め位相条件を与えることで同様に取り扱える。なお、3種類の材料の一例として窒化アルミニウム(AlN)を厚さ50nm、とした例、アルミナ(Al2O3)を10nm、あるいは石英(SiO2)を5nm設けた場合をそれぞれ示したが材料及び膜厚はこれに限るものではない。また、一対のアルミナ及び酸化タンタルの2層膜、酸化タンタル及び石英の2層膜等の寄与を示すO,A,B,C,D等のパラメータの値は上記実施の形態に示した値に限定されるものではない。さらに、半導体光素子として半導体レーザ素子の場合を例に挙げたが、これに限られず、本発明は半導体光増幅器、スーパールミネセント・ダイオード、光変調器、光スイッチ等の光デバイスにも適用することができる。また、波長として980nm近傍及び808nm近傍に限定されるものではなく、可視光領域、遠赤外領域、赤外領域においても適用できる。さらに、反射率として約2〜12%の反射率の場合について説明したがその他の反射率でも適用できる。
1 第1層膜、2 第2層膜、3 第3層膜、4 第4層膜、5 自由空間(空気)、10 導波層、11、21、31、41、51 第1層膜、12、22、32、42、52 第2層膜、13、23、33、43、53 第3層膜、14、24、34、44、54 第4層膜、15、25、35、45、55 第5層膜、16、26、36、46、56 第6層膜、17、27、47、57 第7層膜、20 、7層反射膜(第1層膜:アルミナ)、30 7層反射膜(第1層膜:酸化タンタル)、40 6層反射膜、50 7層反射膜(窒化アルミニウム膜を含む)、58 第8層膜、59 第9層膜、60 9層反射膜、70、80 8層反射膜、71、81 第1層膜、72、82 第2層膜、73、83 第3層膜、74、84 第4層膜、75、85 第5層膜、76、86 第6層膜、77、87 第7層膜、78、88 第8層膜、100 導波層、101 反射膜、103 単層反射膜(膜厚d=λ/(4n1))、104 単層反射膜(膜厚d=5λ/(4n1))
Claims (1)
- 活性層と、前記活性層を挟む2枚のクラッド層とからなる導波層を含む積層構造体と、
前記積層構造体の一対の相対する端面部のうち少なくとも一方の端面部に形成された多層反射膜と
を備え、
前記多層反射膜は、それぞれの膜の屈折率niと膜厚diとの積nidiの総和Σnidiが、前記導波層を導波する光の波長λについて、Σnidi>λ/4の関係を満足すると共に、
前記多層反射膜は、反射率が前記波長λの場合の反射率R(λ)を基準として−1.5%から+1.0%の範囲内となる前記波長λを含む連続する波長帯域幅Δλを、前記波長λで割った値Δλ/λが0.066以上であることを特徴とする半導体光素子。
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