JPH0769494B2 - 光導波路 - Google Patents

光導波路

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JPH0769494B2
JPH0769494B2 JP63226562A JP22656288A JPH0769494B2 JP H0769494 B2 JPH0769494 B2 JP H0769494B2 JP 63226562 A JP63226562 A JP 63226562A JP 22656288 A JP22656288 A JP 22656288A JP H0769494 B2 JPH0769494 B2 JP H0769494B2
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泰雄 國分
智春 坂元
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横浜国立大学長
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、誘導体平板基板上にクラッド層により囲繞し
たコア層よりなる誘導体導波膜を被着して形成し、光回
路を構成する光導波路に関し、特に、その光導波路がな
す全光路長の温度係数がほぼ零もしくは負となるように
構成し、周囲温度の変化に対して安定な特性を有する導
波路型光回路を実現し得るようにしたものである。
(従来の技術) 誘電体媒質中に光を閉じ込めて伝搬させるこの種光導波
路においては、従来とも、誘電体媒質の入力端と出力端
との間における屈折率と距離との積によって決まる光路
長が周囲温度の上昇に従って一般に増大する。その理由
は、光導波路を構成する誘電体材料の線膨張係数αが一
般にはほぼ全ての誘電体材料について正であり、しか
も、屈折率nの温度係数dn/dTも正であるためである。
(発明が解決しようとする課題) したがって、かかる光導波路を用いて構成した従来の導
波路型光回路においては、周囲温度の変化によって諸特
性が大幅に変化する、という問題があり、この問題の解
決が従来のこの種光導波路に対する課題であった。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、上述した従来の課題を解決し、光路長
が周囲温度によって変化せず、したがって、周囲温度が
変化しても安定な特性の導波路型光回路を構成し得る光
導波路を提供することにある。
本発明は、誘電体又は半導体より成る平板基板上にクラ
ッド層により囲繞したコア層よりなる少なくとも2つの
誘導体導波膜を被着した光導波路において、 (A) 前記誘導体導波膜の少なくとも一部を屈折率n
の温度係数dn/dTが負の誘導体材料によって構成するこ
と、 (B) 前記誘導体又は半導体平板基板の線膨張係数α
が前述の負の屈折率の温度係数をもつ層の中でその絶
対値が最も大きな屈折率温度係数に比較して、 の条件を満たす誘導体材料により構成すること、及び (C) 当該光導波路の伝搬光の伝搬定数を真空中の光
の伝搬定数で規格化した等価屈折率neqの温度変化率をd
neq/dTとして により定義される光路長の温度変化率が零または負とな
るように前記コア層とクラッド層の屈折率および膜厚、
幅を選択したことを特徴とする光導波路にある。
(作 用) したがって、本発明光導波路においては、光路長が周囲
温度の変化によって余り変化せず、周囲温度の変化に対
して安定な特性の導波路型光回路を構成することができ
る。
(実施例) 以下に図面を参照して実施例につき本発明を詳細に説明
する。
一般に、誘電体媒質中の光伝搬において、第1図に示す
ように、誘電体媒質1の入射端と出射端との間の光路
長、すなわち、両端間の距離Lと屈折率nとの積が、通
常の誘電体材料については、温度上昇に伴って増大す
る。かかる光路長の温度変化特性は、誘電体材料の線膨
張係数αが、一般にはほぼ全ての誘電体材料について正
であり、しかも、屈折率nの温度係数dn/dTも正の誘電
体材料が多いことに基づいている。
すなわち、誘電体媒質中の光路長Sはつぎの(1)式 S=nL (1) で表わされ、したがって、光路長Sの温度変化率dS/dT
はつぎの(2)式で表わされる。
なお、光路長Sの温度変化率dS/dTとしては、通例、上
式(2)をさらに距離Lについて正規化し、 なる形態で表わす場合が多い。
ところで、例えばレンズの焦点距離などの光学素子の特
性は、一般には、温度変化に対して安定であることが望
ましい。そこで、例えばレンズの焦点距離が温度変化に
対して安定であり、ほとんど変化しないための条件とし
て、上述したのとは異なる光路長S′をつぎの(3)式
で表わし、 S′=(n−1)L (3) この光路長S′の温度変化率dS′/dTをつぎの(4)式
で表わし、 さらに、上式(4)を距離Lについて正規化して、 なる形態で表わし、この温度変化率dS′/dTをほぼ零に
するようなガラス材料、すなわち、つぎの第1表に示す
ようないわゆるアサーマルガラスが開発されている。
かかるアサーマルガラスが得られる原理は、dn/dT<0
なる特性をもたらすガラス組成成分を用いて(n−1)
αの項を打消すことにあるが、厳密な意味での光路長
S、すなわち、(1)式で表わした光路長の(2)式で
表わした温度変化率dS/dT、もしくは、(2′)式で表
わした温度変化率 を零にするガラス材料は、現在までのところ見つかって
いない。
本発明は、誘導体平板基板上に形成した光導波路を基本
とする光回路、すなわち、導波路型光回路において上式
(2)もしくは(2′)で表わした光路長温度変化率dS
/dTもしくは を零もしくは負にすることを目的としたものである。
しかして、導波路型光回路においても、光路長の温度依
存変化が零であることが望ましい。例えば、半導体レー
ザの発振波長が温度によって変化するのも、その原因
は、共振器を構成する半導体導波路の等価屈折率、すな
わち、伝伝搬数βを真空の伝搬定数kで割った値が温度
によって変化することにある。いま、簡単化したモデル
として、第2図に示すように、屈折率nの誘電体媒質1
の両端面に反射鏡2a,2bを形成し、距離Lをもって対向
させたファブリ・ペロー共振器を考え、簡単のために、
光は、導波路内伝搬光ではなく、一様媒質中を伝搬する
ビーム波であるとする。なお、導波路内伝搬波とする場
合には、屈折率nを等価屈折率neq(=β/k)に置き換
えればよい。
かして、かかる場合の共振条件は、Nを整数として、つ
ぎの(5)式によって与えられる。
2nkL=2πN(N:整数) (5) ここに、k=2π/λであり、λは光の波長である。
かかる構成のレーザ共振器における発振波長の温度依存
変化率はつぎの(6)式となる。
しかして、一般に、α>0,dn/dT>0であるからdλ/dT
>0となる。したがって、温度が上昇すると、発振波長
も長波長側にシフトする。また、(2)式で表わした光
路長温度変化率dS/dTを零にする媒質材料は存在しない
のであるから、(6)式で表わしたレーザ発振波長温度
変化率dλ/dTを零にすることも単独の光学材料では困
難である。
そこで、2種類の光学材料の組合わせによりそれぞれの
光路長の温度依存変化を相殺して総合の光路長恩度変化
率を零にする場合について考察する。
第3図に示すように、屈折率n1,両端間距離L1の誘導体
媒質1−1と屈折率n2,両端間距離L2の誘電体媒質1−
2のそれぞれの一端を接合してそれぞれの他端間をビー
ム光が伝搬する場合の総合光路長Stはつぎの(7)式で
与えられる。
St=n1L1+n2L2 (7) したがって、かかる接合誘導体媒質における総合光路長
Stの温度変化率dSt/dTはつぎの(8)式で与えられる。
いま、誘電体媒質1−1の屈折率n1、距離L1の温度依存
変化を誘電体媒質1−2の屈折率n2、距離L2の温度依存
変化で相殺して補償し、(8)式で表わした温度変化率
dSt/dTの値を零にするには、つぎの(9)式の条件が成
立する必要がある。
しかしながら、一般にはつぎの(10)式が成立する。
したがって、(9)式の条件を満たす光学材料の組合わ
せは従来の技術では実現し得ないことになる。
そこで、本発明においては、誘電体平板基板上に形成し
た光導波路を用いた光回路、すなわち、導波路型光回路
において等価的な屈折率neqを考え、その等価屈折率neq
についてつぎの(11)式の条件が満されるようにし、 さらには、(9)式の条件も満たす温度係数補償も可能
とする。
すなわち、いま、第4図に示すように、両端間距離L、
厚さtsの誘電体平板基板3上にクラッド層4a、コア層5
およびクラッド層4bを順次に被着して厚さtwに積層した
光導波路について考察する。なお、コア層5の上下に位
置するクラッド層4aと4bとは、簡単のため、同一光学材
料からなるものとし、コア層5の屈折率および線膨張係
数をそれぞれn1およびαとし、クラッド層4a,4bの屈
折率および線膨張係数をそれぞれn2およびαとし、さ
らに、平板基板3の線膨張係数をαとする。
かかる光導波路の両端面間の光路長Swはつぎの(12)式
で与えられる。
Sw=βL (12) ここに、βは導波モードの伝搬定数であるが、簡単のた
めに、単一モード導波路を考えて基本モードの伝搬定数
であるとする。かかる光路長Swの温度変化率dSw/dTはつ
ぎの(13)式となる。
ここで、等価屈折率neq(=β/k)を用いると、上式(1
3)はつぎの(14)式のように表わすことができる。
さて、第4図示の光導波路における両端間距離Lの温度
変化係数 は、厳密には、平板基板4、クラッド層4a,4bおよびコ
ア層5をなすそれぞれの光学材料の線膨張係数、ヤング
率などによって決まるが、通常の平板基板上単一モード
光導波路においては、平板基板4の厚さtsは導波路の厚
さtwに比して極めて大きく、例えば、導波路の厚さtw
数μmから精々10数μmであるのに対して、平板基板4
の厚さtsは、通例、100μmを超える。したがって、図
示の光導波路における両端間距離Lの温度依存変化は、
近似的にはほぼ平板基板4の線膨張係数αによって決
まるものと見做すことができる。
そこで、上式(14)における の項を基板材料の線膨張係数αによって近似すると、
(14)式はつぎの(15)式となる。
さらに、等価屈折率neqはコア層5の屈折率n1とクラッ
ド層4a,4bの屈折率n2とによって決まるが、主としてコ
ア層5の屈折率n1により決まるので、これも近似して、 neqn1 (16) とすると、上式(15)はつぎの(17)式となる。
この(17)式と前述した光路長温度変化率dS/dTの
(2)式もしくはレーザ発振波長温度変化率dλ/dTの
(6)式とを比較すると、(2)式もしくは(6)式に
おける線膨張係数αが光導波媒質の線膨張係数であるの
に対し、(17)式における線膨張係数αは光導波を行
なわない基板材料の線膨脹係数である。したがって、
(17)式においては、屈折率n1の温度係数dn1/dTと基板
材料の線膨張係数αとをそれぞれ独立に選定すること
ができ、つぎの(18)式とすることが可能になる。
式(16)の近似値を用いないと の式が成立する。
本発明では、光導波路の伝搬光の伝搬定数を真空中の光
の伝搬定数で規格化した等価屈折率neqの温度変化率をd
neq/dTとして により定義される光路長の温度変化率が零又は負となる
ようにコア層とクラッド層の屈折率および膜、幅を選択
することが必要の条件である。
上述したところにつき具体的に例を示すために、線膨張
係数αを横軸にとり、屈折率温度変化率 を縦軸にとり、各種誘電体光学材料が呈するそれらの値
を対応する縦・横線の交点によって示すと第5図のよう
になる。図中、○印は(4)式もしくは(4′)式によ
って表わす光路長SもしくはS′の温度変化率すなわち
温度係数をほぼ零とする誘電体材料、すなわち、いわゆ
るアサーマルガラスに属するものである。また、図中、
実線で示す斜線は、 の条件を満たす直線であるが、従来周知の誘電体光学材
料はすべてこの条件を示す斜線より上側に位置するの
で、バルク型の光学媒質における光路長の温度係数はす
べて正の値となる。
しかしながら、第4図に示したように平板基板上に形成
した光導波路においては、例えば、図中一点鎖線で示す
シリコンSiにより平板基板を構成すると、図中○印で示
した各種のアサーマルガラスの位置は、導波路の線膨張
係数がすべてシリコン基板の線膨張係数で決まるので、
図中、一点鎖線上の☆印まで移動したのと等価になり、
その結果、上述の(18)式の条件を実現し得ることにな
る。
なお、コア層5中を伝搬する光の電磁界のクラッド層4
a,4bへの滲み出しをも考慮する場合には、等価屈折率n
eqをコア層5の屈折率n1で近似した(16)式の代わりに
つぎの(20)式を適用する。
neq=n1b+n2(1−b) (20) ここに、bは正規化伝搬定数であり、つぎの(21)式で
与えらる。
なお、導波モードに対しては0≦b<1が成立する。
したがって、温度変化に対する正規化伝搬係数bの変化
が十分に小さい、として係数bの温度依存変化を無視す
ると、第4図示の光導波路における光路長Sの温度変化
率を表わす(17)式はつぎの(22)式となる。
したがって、この(22)式を用いれば、光導波路におけ
る光路長の温度依存変化を零にするための厳密な設計が
可能となる。
上述のようにして前述した(18)式の状態を実現し得た
とすると、第6図に示すように、同一誘電体平板基板上
に2種類の誘電体光導波路#1,#2を互いに連接して形
成し、一方の光導波路#1の光路長の温度依存変化を、
他方の光導波路#2の誘電体材料を適切に選定するとと
もに、その両端間距離L2をL1に対して最適値に設定して
得られるその光路長の温度依存変化により相殺し、総合
光路長の温度変化率を零にすることができる。すなわ
ち、第6図示の複合光導波路において、光導波路#1の
両端間距離L1,コア層5−1の屈折率n11,クラッド層4a
−1,4b−1の屈折率n21、並びに、光導波路#2の両端
間距離L2,コア層5−2の屈折率n12、クラッド層4a−2,
4b−2の屈折率n22に対し、つぎの(23)式の条件が成
立するように光導波路#2の各誘電体材料によって決ま
る屈折率n12,n22および両端間距離L2を適切に設定すれ
ばよいことになる。
なお、上式(23)におけるb1,b2はそれぞれ(21)式で
定義される光導波路#1,#2の正規化伝搬定数である。
以上のようにして、温度変化に対し諸特性が変化せずに
安定した導波路型光回路が得られるが、かかる本発明光
導波路の具体的構成の諸例を第7図乃至第9図につき以
下に説明する。
まず、半導体レーザの発振波長を温度変化に対し安定化
した場合における本発明光導波路の構成例を第7図に示
す。図示の構成例においては、インジウム燐(InP)平
板基板3上に屈折率n1のガリウム・インジウム砒素燐
(GaInAsP)活性層6およびインジウム燐(InP)クラッ
ド層7を順次に被着して構成した半導体レーザ部Lsのフ
ァブリ・ペロー共振器をなす一方の端面に片側ミラー2a
を形成し、他半部をドライエッチング等を施して除去し
た跡に第5図に例示した各種アサーマルガラスのうちの
例えばPK51を用いて屈折率nwのコア層5と他のアサーマ
ルガラスよりなる上下のクラッド層4b,4aとからなる導
波路部Wを形成し、全体として外部共振器の形態のファ
ブリ・ペロー共振器を構成する。
なお、第7図示のよな接合構造の導波路型光回路を実際
に製作するに当っては、半導体レーザ部Lsにガラス導波
路部Wを無反射に近い状態で接合するためのガラス導波
路部形成技術を確立する必要があるが、かかる接合技術
の問題は、端面無反射コーティング技術や微細凹凸面に
スパッタを反復施して平滑化するバイアス・スパッタ法
による導波路端面接合技術により近い将来完全に解決し
得るものとみられる。
しかして、簡単のために、半導体レーザ部Ls、光導波路
部Wともに、コア層内への伝搬光の閉じ込め作用が強
く、総合の屈折率nの温度変化率dn/dTはそれぞれのコ
ア層6および5をなす誘電体材料によって決まるものと
見做し、半導体レーザ部Lsの屈折率温度変化率をdnL/dT
とし、光導波路部Wの屈折率温度変化率をdnw/dTとす
る。また、半導体レーザ部Lsのコア層6をなす材料はII
I−V族半導体であるガリウム・インジウム砒素燐(GaI
nAsP)であるが、その屈折率温度変化率dn/dTおよび線
膨張係数αはインジウム燐(InP)の屈折率温度変化率
および線膨張係数にそれぞれ近似しているので、インジ
ウム燐(InP)の近似値をそれぞれ用いることにする。
さらに、半導体レーザ部Lsの両端間距離L1を200μmと
する。その結果、 なる値が得られ、したがって、第7図示の構成における
総合光路長の温度変化率dSt/dTを零にするための前述し
た条件式(23)においてb1=1,b2=1と近似することに
より、光導波路部Wの両端間距離Lsの所要値は2,822μ
mとなる。すなわち、かかる形状寸法の外部導波路付き
半導体レーザを構成すれば、温度が変化しても発振波長
がほとんど変化しない安定なレーザ光を取出すことがで
きる。
つぎに、上述と同様の構成とすることにより分布ブラッ
ク反射型(DBR)半導体レーザの発振波長を安定化する
ようにした場合における本発明光導波路の構成例を第8
図(a),(b)にそれぞれ示す。同図(a)に示すDB
R半導体レーザは、コア層5を上面にグラッグ反射用回
折格子を形成したコア層8とする他は第7図示の構成例
と全く同様に構成したものであり、また、同図(b)に
示すDBR半導体レーザも、第7図示の構成例とほぼ同様
の構成ではあるが、上面にブラッグ反射用回折格子を形
成したコア層8−1および8−2をそれぞれ有する導波
路部W1およびW2を半導体レーザ部Lsの両端面にそれぞれ
接合させて、第7図示の構成例で半導体レーザ部Lsにお
ける一方の端面に形成した片側ミラー2aを排したもので
ある。かかる構成のDBR半導体レーザにおいても、導波
路部WもしくはW1,W2の光路長が温度変化によって変化
しないようにする必要があるので、第5図に例示したア
サーマルガラスのうちの例えばATF4を用いてそれぞれコ
ア層8もしくは8−1,8−2を形成し、さらに、第7図
示の構成例におけると同様に、導波路部におけるコア層
内への伝搬光の閉じ込め作用が強く、総合の屈折率の温
度変化率がコア層をなす誘電体材料によって決まるもの
と見做すと、DBR半導体レーザ部Lsにおける発振波長の
温度変化による変化率は同じ半導体材料で形成した従来
のこの種DBR半導体レーザにおける発振波長温度変化率
のほぼ1/76になる。
最後に、互いに平行に近接した2光導波路間における光
波の結合を利用した方向性光結合器におけるそれぞれの
光導波路における光路長の温度依存変化がほぼ零となる
ようにした場合の本発明光導波路の構成例を第9図に示
す。図示の構成は、誘電体平板基板3上に被着したクラ
ッド層4中に形成したコア層5a,5bよりなる2本の光導
波路の一部を互いに平行に近接させてコア層5a,5b中を
伝搬する光波の結合により、入力光Pi1の波長に応じて
いずれかのコア層から出力光Po1もしくはPo2が得られる
ようにしたものである。かかる構成の方向性結合部にお
ける平行光導波路の光路長が温度変化によって変化すれ
ば、平行光導波路間における光結合の態様が変化するの
で、出力光の比Po1/po2が温度変化によって変動するこ
とになる。しかしながら、第9図示の構成における誘電
体平板基板3を例えばシリコン(Si)をもって構成する
とともに、第5図に例示したアサーマルガラスのうちの
例えばATF5によりコア層5a,5bを形成して光導波路を構
成した本発明による方向性光結合器においては、方向性
結合部における光路長の温度変化に伴う変動を従来に比
して格段に小さくすることができる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明においては、誘
電体平板基板上に形成した光導波路およびその光導波路
を基本とする導波路型光回路において、光導波膜を構成
する誘電体材料の屈折率の温度係数が負であるようなも
のを用いて光導波路における光路長の温度依存変化率dS
/dTを負もしくはほぼ零にする。したがって、本発明に
よれば、つぎのような顕著な作用効果が得られる。
(1)光路長の温度依存変化率dS/dTが負になる場合に
は、屈折率の温度依存変化率dn/dTが正である他の光導
波路と組合わせて双方の温度依存変化を相殺して補償
し、総合光路長の温度依存変化をほぼ零にすることかで
きる。
(2)光路長の温度依存変化率dS/dTがほぼ零になる場
合には、その光導波路自体により構成した回折格子付光
導波路や方向性光結合器等の光回路における光学的諸特
性の温度依存変化をほぼ零にすることができる。
(3)本発明光導波路を適用すれば、光学的諸特性の温
度依存変化を極めて小さくした導波路型光回路装置を実
現することができるので、光の干渉を用いた光計測装置
や周波数を精密に制御したコヒーレント光通信などの光
通信に用いる光学装置の精密な温度制御を不要にするこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は光路長の定義を示す線図、 第2図はファブリ・ペロー共振器の概略構成を示す線
図、 第3図は2光路長の組合わせによる光路長温度依存変化
の補償の態様を示す線図、 第4図は光導波路の概略構成を示す断面図、 第5図は各種材料の線膨張係数と屈折率温度変化率との
関係を示す特性曲線図、 第6図は本発明による2光導波路の組合わせによる光路
長温度依存変化の補償の態様を示す断面図、 第7図は本発明による半導体レーザ発振波長の温度依存
変化の補償の態様を示す断面図、 第8図(a),(b)は本発明によるDBRレーザ発振波
長の温度依存変化の補償の態様を示す断面図、 第9図は本発明による方向性光結合器の概略構成を示す
斜視図である。 1,1−1,1−2……誘電体媒質 2a,2b……反射鏡、3……平板基板 4a,4a−1,4a−2,4b,4b−1,4b−2,7……クラッド層 5,5−1,5−2,5a,5b……コア層 6……活性層 8,8−1,8−2……回折格子付きコア層 Ls……半導体レーザ部 W,W1,W2……導波路部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導体又は半導体より成る平板基板上にク
    ラッド層により囲繞したコア層よりなる少なくとも2つ
    の誘導体導波膜を被着した光導波路において、 (A) 前記誘導体導波膜の少なくとも一部を屈折率n
    の温度係数dn/dTが負の誘導体材料によって構成するこ
    と、 (B) 前記誘導体又は半導体平板基板の線膨張係数α
    が前述の負の屈折率温度係数をもつ層の中でその絶対
    値が最も大きな屈折率温度係数に比較して、 の条件を満たす誘導体材料により構成すること、及び (C) 当該光導波路の伝搬光の伝搬定数を真空中の光
    の伝搬定数で規格化した等価屈折率neqの温度変化率をd
    neq/dTとして により定義される光路長の温度変化率が零または負とな
    るように前記コア層とクラッド層の屈折率および膜厚、
    幅を選択したことを特徴とする光導波路。
  2. 【請求項2】平板基板はシリコン又はインジウム燐のい
    ずれかより成る半導体である請求項1記載の光導波路。
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