JP2006303041A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 異なる複数の発振波長を有する半導体レーザチップの後面側に設けられる端面コート膜が波長に関らず安定した高い反射率を有し、主出射面から高い光出力を得ることができる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】 半導体レーザ装置20では、異なる複数の発振波長を有する半導体レーザチップ21の後面21b側に多層の端面コート膜22が形成される。端面コート膜22は2種類以上の異なる屈折率を有する誘電体膜から成り、薄膜多層29と厚膜層30とによって構成される。端面コート膜22を構成する誘電体膜の屈折率をnとし、半導体レーザチップの異なる複数の発振波長の算術平均波長をλaとするとき、薄膜多層29は、λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が3以上の奇数、たとえば5層になるように形成され、厚膜層30は、λa/2nの膜厚を有し、端面コート膜22の最外層を構成するように形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置に関する。
光情報記録再生装置、レーザプリンタ、光ファイバ通信などの光源として、小型軽量、高効率、高信頼性等の利点を有する半導体レーザ装置が多用されている。図10は、従来の半導体レーザ装置1の構成を簡略化して示す図である。従来の半導体レーザ装置1は、レーザ光を発振する半導体レーザチップ2と、半導体レーザチップ2の光を出射する両端面2a,2bにそれぞれ設けられる保護膜3,4とを有する。なお、半導体レーザチップ2の光を出射する両端面2a,2bのうち、情報の記録再生または画像形成など装置の主操作に使用されるレーザ光が出射する一方の端面2aを便宜上前面2aと呼び、光量モニターに使用されるレーザ光が出射される方の端面2bを便宜上後面2bと呼ぶ。したがって、2つの保護膜3,4を、設けられる位置によって識別し、それぞれを前面保護膜3および後面保護膜4と呼ぶ。
半導体レーザチップ2の活性層5において発振されるレーザ光は、前面保護膜3および後面保護膜4で反射されるとともに、透過して光出力Pとして出射される。レーザ光が、前面保護膜3および後面保護膜4で反射される反射率は、保護膜の厚さdと、レーザ光の波長λとの関係によって定まる。
図11は、保護膜の厚さdとレーザ光に対する反射率との関係を示す図である。図11では、保護膜がアルミナ(Al)で構成され、半導体レーザチップで発振されるレーザ光の波長λが780nmの場合について、保護膜の厚さdとレーザ光に対する反射率との関係を示す。Al保護膜の屈折率を1.60とし、半導体レーザチップの屈折率を3.50として計算すると、保護膜厚さdに応じて、反射率が周期的に変化する結果が得られる。
一般的に、半導体レーザチップ2の前面2aから出射されるレーザ光は主操作に使用されるので、光量が多い方が好ましく、前面保護膜3の反射率は小さくなるようにその厚さdが設定される。一方、後面2bから出射されるレーザ光は、モニターが可能な程度の光量を有するだけで良いので、反射率を大きくして、できるだけ前面2a側へ反射できるようにその厚さdが設定される。しかしながら、図11に示すように、厚さdを変化させることによって得られる反射率は、最大でも30%強であり、高出力レーザを得るには充分ではない。
したがって、高出力半導体レーザ装置では、前面からの光出力を大きくするために、前面保護膜の反射率を、保護膜が設けられない場合よりも小さい反射率になるように、また後面保護膜の反射率を、保護膜が設けられない場合よりも大きい反射率になるように設計される。さらに後面保護膜に半導体レーザチップの屈折率よりも大きい膜を用いたとしても1層では充分な反射率が得られないので、多層の保護膜を設けることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
図12は、後面保護膜を多層構造とした従来の半導体レーザ装置10の構成を示す図である。半導体レーザ装置10は、半導体レーザチップ17と、半導体レーザチップ17の前面17aに設けられる前面保護膜である第1誘電体膜11と、後面17bに設けられる4層の第2〜第5誘電体膜12〜15と、さらに第5誘電体膜15の外層として設けられる第6誘電体膜16とを含む。
半導体レーザチップ17において発振されるレーザ光の波長をλとするとき、第1誘電体膜11は、膜厚λ/4n(nは、第1誘電体膜の屈折率)を有するように形成され。第2〜第5誘電体膜12〜15の4層は、それぞれ膜厚λ/4n(nは、2〜5の各誘電体膜の屈折率)を有し、第6誘電体膜16は、膜厚λ/20n〜λ/2n(nは、第6誘電体膜の屈折率)有するように形成される。
特許文献1に開示される具体的事例では、SiOで第2、第4、第6誘電体膜12,14,16を形成し、非晶質Siで第3、第5誘電体膜13,15を形成することによって、85%以上の反射率を有する後面保護膜を実現し、前面17aから高い光出力を取出すことを可能にしている。
しかしながら、特許文献1に開示される半導体レーザ装置10には、以下のような問題がある。近年半導体レーザ装置には、多様性が要求されるに至っている。たとえば、光情報記録再生装置の光源として用いられる半導体レーザ装置では、複数の異なる発振波長のレーザ光、具体的事例ではコンパクトディスク(CD)に対する情報記録再生用の波長780nmのレーザ光と、デジタルバーサタイルディスク(DVD)に対する情報記録再生用の波長650nmのレーザ光とを高出力で出射することが求められる。
2つの異なる発振波長を有する半導体レーザチップに対して特許文献1の技術を適用すると、2つの異なる波長の算術平均波長を前記波長λとして、4つの偶数層を構成する第2〜第5誘電体膜12〜15を、それぞれの膜厚がλ/4nになるように形成することになる。
レーザ光の波長と反射率との関係を示す反射スペクトルは、膜厚が厚くなる方にシフトすれば長波長側にずれ、膜厚が薄くなる方にシフトすれば短波長側にずれる。保護膜の反射率が高反射率となる波長域が狭い場合、2つの異なる波長の算術平均値であるλに基づいて保護膜の厚さを設計し、保護膜が偶数層で形成されると、膜厚(反射スペクトル)がずれることによって、2波長のうち一方の波長に対する反射率を高反射率の領域内に維持することができたとしても、他方の波長に対する反射率が高反射率となる領域から外れ易くなり、両波長に対し安定して高反射率を得ることが難しくなるという問題がある。
多層に構成される後面保護膜の半導体レーザチップ寄りの第1層目として、半導体チップの屈折率nよりも小さい屈折率n(n<n)の膜を用いることによって、第1層目の膜厚が厚くなるほど徐々に反射率が小さくなり、λ/4nになったとき、1番小さい値となる。
第2層目として、第1層目の屈折率nよりも大きい屈折率n(n>n)の膜を用いることによって、第2層目の膜厚が厚くなるほど徐々に反射率が大きくなり、λ/4nになったとき、1番大きい値となり、膜(第1および第2層)が付されていない半導体レーザチップの反射率よりも大きくなる。このように屈折率差のある膜を交互に繰返し成膜することによって、高反射率を得ることができる。
しかしながら、半導体レーザチップが2つの異なる発振波長を有するとき、一方の波長λ0に対して、膜厚:λ0/4n(nは第i層目の膜の屈折率)の多層膜とした場合、λ0からずれた波長である他方の波長λ1では反射率が低くなる。特に多層膜が偶数層で構成されるとき、全ての層の膜厚がλ0/4nであると、他方の波長λ1に対する反射率が低く落ち込むという問題がある。
特開昭59−145588号公報
本発明の目的は、異なる複数の発振波長を有する半導体レーザチップの後面側に設けられる端面コート膜が波長に関らず安定した高い反射率を有し、主出射面から高い光出力を得ることができる半導体レーザ装置を提供することである。
本発明は、異なる複数の発振波長を有する半導体レーザチップと、半導体レーザチップの一方の端面側に多層に積層される端面コート膜とを有する半導体レーザ装置において、
端面コート膜は、
2種類以上の異なる屈折率を有する誘電体膜から成り、
端面コート膜を構成する誘電体膜の屈折率をnとし、半導体レーザチップの異なる複数の発振波長の算術平均波長をλaとするとき、
λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が3以上の奇数になるように形成される薄膜多層と、λa/2nの膜厚を有して形成される厚膜層とを含むことを特徴とする半導体レーザ装置である。
また本発明は、薄膜多層は、λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が7以上の奇数になるように形成されることを特徴とする。
また本発明は、厚膜層は、半導体レーザチップの一方の端面の最も近くに端面コート膜の最内層として形成されることを特徴とする。
また本発明は、厚膜層は、半導体レーザチップの一方の端面から最も離れた端面コート膜の最外層として形成されることを特徴とする。
また本発明は、端面コート膜を構成する2種類以上の異なる屈折率を有する誘電体膜が、アルミナと酸化チタンとであることを特徴とする。
また本発明は、端面コート膜は、厚膜層を2層含むことを特徴とする。
また本発明は、2層の厚膜層のうち1層は、
半導体レーザチップの一方の端面から最も離れた端面コート膜の最外層として形成され、
Al、BeO、CaO、HfO、LaO、MgO、NiO、PuO、SrO、ThO、UO、Y、ZrOのいずれかを含んで成ることを特徴とする。
また本発明は、端面コート膜は、半導体レーザチップから発振されるレーザ光の反射率が85%以上であることを特徴とする。
本発明によれば、半導体レーザ装置は、半導体レーザチップの一方の端面である後面側に設けられる端面コート膜が、2種類以上の異なる屈折率を有する誘電体膜から成り、端面コート膜を構成する誘電体膜の屈折率をnとし、半導体レーザチップの異なる複数の発振波長の算術平均波長をλaとするとき、λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が3以上の奇数になるように形成される薄膜多層と、λa/2nの膜厚を有して形成される厚膜層とを含む。このような半導体レーザ装置では、薄膜多層を奇数層とすることによって、レーザ光の波長と反射率との関係を示す反射スペクトルにおいて高反射率の得られる波長領域を広くすることができるので、半導体レーザチップの後面側に設けられる端面コート膜が波長に関らず安定した高い反射率を発現し、主出射面である前面から高い光出力を得ることが可能になる。
また本発明によれば、薄膜多層は、λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が好ましくは7以上の奇数になるように形成される。このことによって、端面コート膜の膜厚変動が反射スペクトルに対する影響を一層小さくすることができるので、端面コート膜が波長に関らず一層安定した高い反射率を発現することができる。
また本発明によれば、厚膜層は、半導体レーザチップの一方の端面の最も近くに端面コート膜の最内層として形成、または最も半導体レーザチップの一方の端面から離れた端面コート膜の最外層として形成されることが好ましい。このように、厚膜層が、前記最内層または最外層として形成されることによって、反射スペクトルにおける高反射領域の中心波長での反射率の低下を抑制することができる。
また本発明よれば、端面コート膜を形成する異なる屈折率を有する誘電体膜が、アルミナと酸化チタンとによって構成されるので、半導体レーザチップから発振されるレーザ光の波長が短波長のものであっても、光吸収が抑制されて高出力を得ることができる。
また本発明によれば、端面コート膜が厚膜層を2層含み、2層の厚膜層のうち1層が、最も半導体レーザチップの一方の端面から離れた端面コート膜の最外層として形成され、Al、BeO、CaO、HfO、LaO、MgO、NiO、PuO、SrO、ThO、UO、Y、ZrOのいずれかを含んで成る。このことによって、反射スペクトルにおける高反射領域の中心波長での反射率の低下を抑制することができるとともに、端面コート膜の最外層を外気に対して屈折率の安定な膜にすることができる。
また本発明によれば、端面コート膜は半導体レーザチップから発振されるレーザ光の反射率が85%以上であるように形成されるので、半導体レーザチップで発振されるレーザ光の多くを後面側で反射し、前面から高出力のレーザ光を得ることができる。
図1は、本発明の実施の第1形態である半導体レーザ装置20の構成を簡略化して示す図である。半導体レーザ装置20は、異なる2つの発振波長を有する半導体レーザチップ21と、半導体レーザチップ21の一方の端面である後面21b側に多層に積層される端面コート膜22と、後面21bの反対側の端面である主出射面(前面)21a側に設けられる前面保護膜23とを含む。
本実施の形態では、半導体レーザチップ21は、第1活性層25において波長650nmの赤色レーザ光を発振する第1レーザチップ26と、第2活性層27において波長780nmの赤外レーザ光を発振する第2レーザチップ28とを含み、たとえばCDとDVDとの両方のディスクに情報を記録/再生する光情報記録再生装置の光源として用いられる。
本実施の形態では、半導体レーザチップ21の後面21bに設けられる後面保護膜である端面コート膜22は、2種類の異なる屈折率を有するアルミナ誘電体膜と酸化チタン誘電体膜とから成り、端面コート22膜を構成する誘電体膜の屈折率をnとし、半導体レーザチップ21の異なる2つの発振波長の算術平均波長をλaとするとき、λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が3以上の奇数(本実施形態では5層)になるように形成される薄膜多層29と、λa/2nの膜厚を有して形成される厚膜層30とを含む。
薄膜多層29は、第1〜第5薄膜層31,32,33,34,35の5層に形成される。各薄膜層の膜厚は、上記のようにλa/4nで与えられ、iは後面21b側から数えた薄膜層の形成順位であり、nは当該形成順位の薄膜層を構成する誘電体膜の屈折率である。詳細には、第1薄膜層31の膜厚がλa/4nであり、第2薄膜層32の膜厚がλa/4nであり、第3薄膜層33の膜厚がλa/4nであり、第4薄膜層34の膜厚がλa/4nであり、第5薄膜層35の膜厚がλa/4nである。
本実施形態では、異なる2つの波長が650nmと780nmとであるので、両波長の算術平均波長であるλaが715nm{=(650+780)/2}であり、第1、第3および第5薄膜層31,33,35が、アルミナで形成されるので、屈折率n、n、nが1.65、第2および第4薄膜層32,34が、酸化チタンで形成されるので、屈折率n、nが2.50である。厚膜層30は、本実施の形態では、酸化チタン誘電体膜から成り、その屈折率がn=2.50である。
したがって、本実施形態の事例において、各層の膜厚を求めると、第1、第3および第5薄膜層31,33,35が、それぞれ108.3nmであり、第2および第4薄膜層32,34が、71.5nmであり、厚膜層30が143.0nmである。
前面21a側に設けられる前面保護膜23は、たとえばアルミナで形成され、反射スペクトルにおいて、反射率が低い、たとえば15%以下となるような厚さに形成される。
この半導体レーザ装置20では、第1レーザチップ26で発振される波長650nmのレーザ光は、前面21aから光出力Pf1で出射し、後面21bから光出力Pr1で出射し、また第2レーザチップ28で発振される波長780nmのレーザ光は、前面21aから光出力Pf2で出射し、後面21bから光出力Pr2で出射する。
図2は、本発明の実施の第2形態である半導体レーザ装置40の構成を簡略化して示す図である。本実施形態の半導体レーザ装置40は、実施の第1形態の半導体レーザ装置20に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体レーザ装置40において注目すべきは、端面コート膜39の構成であり、端面コート膜39の薄膜多層38が奇数である7層で構成されることである。すなわち、半導体レーザ装置40の薄膜多層38は、前述の半導体レーザ装置20における5層の薄膜多層29に加えて、さらに膜厚がλa/4nの酸化チタン誘電体膜から成る第6薄膜層36と、膜厚がλa/4nのアルミナ誘電体膜から成る第7薄膜層37とを含んで構成される。
図3は、薄膜多層38が7層に形成される半導体レーザ装置40における反射スペクトルを示す図である。図3中のライン41が、7層の薄膜多層38を有する半導体レーザ装置40において、波長と反射率との関係である反射スペクトルの結果を示す。
ところで、本発明とは異なり、薄膜多層42が、アルミナ誘電体膜と酸化チタン誘電体膜とが交互に偶数の8層で形成されること以外は、図2に示す半導体レーザ装置40と同一に構成される図4に示す半導体レーザ装置43において、反射スペクトルを求めた結果を図5に示す。図5中のライン44が反射スペクトルである。
図3中のライン41で示す反射スペクトルと、図5中のライン44で示す反射スペクトルとを比較すると、膜厚がλa/4nの薄膜層を奇数である7層有する本発明の半導体レーザ装置40の方が、薄膜層を偶数である8層有する半導体レーザ装置43よりも、明らかに高反射率を示す波長領域が広い。本発明の半導体レーザ装置40のように、薄膜多層38を奇数層とすることによって、レーザ光の波長と反射率との関係を示す反射スペクトルにおいて高反射率の得られる波長領域を広くすることができるので、半導体レーザチップ21の後面21b側に設けられる端面コート膜39が波長に関らず安定した高い反射率を発現し、前面21aから高い光出力でレーザ光を出射させることが可能になる。
薄膜多層の第1薄膜層として、半導体チップの屈折率nよりも小さい屈折率n(n<n)を有する膜を用いることによって、第1薄膜層の膜厚が厚くなるほど徐々に反射率が小さくなり、λ/4nになったとき、1番小さい値となる。
第2薄膜層として、第1薄膜層の屈折率nよりも大きい屈折率n(n>n)を有する膜を用いることによって、第2薄膜層の膜厚が厚くなるほど徐々に反射率が大きくなり、λ/4nになったとき、1番大きい値となり、第1および第2薄膜層が付されていない半導体レーザチップの反射率よりも大きくなる。このように屈折率差のある膜を交互に繰返し成膜することによって、高反射率を得ることができ、またある程度の多層の構成とすることによって、最終層の膜厚が反射率に対してあまり影響しなくなる。
半導体レーザチップが2つの異なる発振波長を有するとき、一方の波長λ0に対して、膜厚:λ0/4n(nは第i層目の膜の屈折率)の薄膜多層とした場合、λ0からずれた波長である他方の波長λ1では反射率が低くなる。特に薄膜多層が偶数層で構成されるとき、全ての層の膜厚がλ0/4nであると、他方の波長λ1に対する反射率が低く落ち込む。
しかしながら、最終層(もしくは途中の層)を、膜厚λ0/4nだけさらにずらせることによって、他方の波長λ1に対する反射率を上げることができる。本発明は、算術平均波長λaに基づいて、偶数層からさらに1層増やして奇数層とし、薄膜多層の膜厚をさらにλa/4nだけずらせることによって、2つの異なる波長が算術平均波長λaから若干のずれを有する場合であっても、2つの異なる波長のいずれに対しても反射率を引き上げることができるようにするものである。
また、λa/2nの膜厚を有して形成される厚膜層30が、半導体レーザチップ21の一方の端面である後面21bから最も離れた端面コート膜39の最外層として形成されるので、反射スペクトル41における高反射領域の中心波長での反射率の低下が抑制される。半導体レーザ装置20,40では、膜厚λa/2nの酸化チタン誘電体膜からなる厚膜層30を最外層としているけれども、これに限定されることなく、第1薄膜層31よりも内方の後面21aに最も近く寄った最内層として厚膜層30が形成されるように構成されても良い。さらに、厚膜層30は、最外層および最内層以外の位置に形成されるように構成されても良い。ただし、高反射領域の中心波長における反射率の低下を抑制するためには、最外層または最内層であることが好ましい。
上記のように、端面コート膜の薄膜多層を3層以上の奇数層とすることによって、特に7層以上の奇数層とすることによって、波長650nmの赤色レーザ光および波長780nmの赤外レーザ光の反射率を85%以上にすることができ、発光効率を大きくするのに有効となる。
実施の第1および第2形態の半導体レーザ装置20,40においては、端面コート膜22,39が、アルミナ誘電体膜と酸化チタン誘電体膜とで構成されるけれども、これに限定されることなく、酸化シリコン、酸化タンタル、酸化ジルコニウムなどの誘電体膜によって構成されても良い。
図6は、本発明の実施の第3形態である半導体レーザ装置50の構成を簡略化して示す図である。本実施の形態の半導体レーザ装置50は、実施の第2形態の半導体レーザ装置40に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
半導体レーザ装置50において注目すべきは、端面コート膜53において、膜厚がλa/2nを有する厚膜層が2層、すなわち第1厚膜層51と第2厚膜層52とから成ることである。端面コート膜53では、第1厚膜層51が最外層として形成され、第2厚膜層52が第4薄膜層34と第5薄膜層35との間に形成される。
このように、端面コート膜53の薄膜多層38が奇数層から成る場合、厚膜層を2層以上有する構成にすることができる。ただし、半導体レーザ装置50の端面保護の観点から、複数層の厚膜層のうちいずれか1つが端面コート膜の最外層として形成されることが望ましい。最外層を構成する第1厚膜層51としては、Al、BeO、CaO、HfO、LaO、MgO、NiO、PuO、SrO、ThO、UO、Y、ZrOのいずれかを含んで成る誘電体膜が好適に用いられる。最外層の第1厚膜層51を上記素材の誘電体膜とすることによって、外気および温度の変化に対して安定な膜を形成することができ、反射率の変動を防ぎ、特性の変動を防ぐことが可能になる。
以下本発明の半導体レーザ装置の製造方法について説明する。図7〜図9は、半導体レーザ装置の製造方法の概要を示す図である。図7では、2つの異なる発振波長、たとえば赤色波長650nmと赤外波長780nmとの活性層リッジを有する半導体レーザウエハ61の特定素子の電極62aと隣接する特定素子の電極62bとの間に、発光部(チャネル)63と直交する方向に、へき開線64をスクライブにより形成する。なお、電極は総称する場合、参照符62のみで表す。図8では、半導体レーザウエハ61を、へき開線64に沿ってへき開し、バー状態のレーザチップであるレーザバー65に分割する。
図9では、レーザバー65を、レーザバー固定装置66に電極62面を重ねるように重畳させてセットする。このとき、すべてのレーザバー65において、レーザチップ(バー)の前面(主出射面)側同士、および後面側同士を、同じ向きとなるようにセットする。次に、レーザバー固定装置66に固定されたレーザバー65の前面に所定の反射率を有する前面保護膜の形成を行なう。この前面保護膜および端面コート膜の成膜には、一般的に真空蒸着装置またはスパッタ装置などが用いられる。
1チップの中に2つの波長を有するレーザチップに蒸着またはスパッタにて前面保護膜および端面コート膜を形成する場合、2つの波長のレーザ端面に対して一緒に成膜するので、いずれのレーザチップに対しても同じ構造および同じ厚さの膜が形成される。その場合、高出力半導体レーザ装置の後面側で2つの波長のいずれに対しても高反射率とするために、2つの波長のほぼ中心波長に反射スペクトルの反射率のピークが位置するように膜厚を設定する。
前面側の成膜を完了した後、レーザバー固定装置66を180°反転させ、後面側に薄膜多層と厚膜層とから成る端面コート膜を成膜する。薄膜多層は、まず膜厚がλa/4nのたとえばアルミナ誘電体膜を形成し、次いでλa/4nのたとえば酸化チタン誘電体膜を形成し、さらにアルミナ誘電体膜の数と酸化チタン誘電体膜の数との和が奇数層になるように成膜を交互に繰り返して形成される。最後に酸化チタンの誘電体膜から成る厚膜層が、膜厚λa/2nを有するように形成される。このようにして、本発明の半導体レーザ装置が製造される。
本発明の実施の第1形態である半導体レーザ装置20の構成を簡略化して示す図である。 本発明の実施の第2形態である半導体レーザ装置40の構成を簡略化して示す図である。 薄膜多層38が7層に形成される半導体レーザ装置40における反射スペクトルを示す図である。 薄膜多層42が8層に形成される半導体レーザ装置43の構成を示す図である。 薄膜多層42が8層に形成される半導体レーザ装置43における反射スペクトルを示す図である。 本発明の実施の第3形態である半導体レーザ装置50の構成を簡略化して示す図である。 半導体レーザ装置の製造方法の概要を示す図である。 半導体レーザ装置の製造方法の概要を示す図である。 半導体レーザ装置の製造方法の概要を示す図である。 従来の半導体レーザ装置1の構成を簡略化して示す図である。 保護膜の厚さdとレーザ光に対する反射率との関係を示す図である。 後面保護膜を多層構造とした従来の半導体レーザ装置10の構成を示す図である。
符号の説明
20,40,50 半導体レーザ装置
21 半導体レーザチップ
22,39,53 端面コート膜
29,38,42 薄膜多層
30,51,52 厚膜層
61 半導体レーザウエハ
62 電極
63 チャネル
64 へき開線
65 レーザバー
66 レーザバー固定装置

Claims (8)

  1. 異なる複数の発振波長を有する半導体レーザチップと、半導体レーザチップの一方の端面側に多層に積層される端面コート膜とを有する半導体レーザ装置において、
    端面コート膜は、
    2種類以上の異なる屈折率を有する誘電体膜から成り、
    端面コート膜を構成する誘電体膜の屈折率をnとし、半導体レーザチップの異なる複数の発振波長の算術平均波長をλaとするとき、
    λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が3以上の奇数になるように形成される薄膜多層と、λa/2nの膜厚を有して形成される厚膜層とを含むことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 薄膜多層は、λa/4nの膜厚を有する誘電体膜の層の数が7以上の奇数になるように形成されることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 厚膜層は、
    半導体レーザチップの一方の端面の最も近くに端面コート膜の最内層として形成されることを特徴とする請求項1または2記載の半導体レーザ装置。
  4. 厚膜層は、
    半導体レーザチップの一方の端面から最も離れた端面コート膜の最外層として形成されることを特徴とする請求項1または2記載の半導体レーザ装置。
  5. 端面コート膜を構成する2種類以上の異なる屈折率を有する誘電体膜が、
    アルミナと酸化チタンとであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
  6. 端面コート膜は、厚膜層を2層含むことを特徴とする請求項1または2記載の半導体レーザ装置。
  7. 2層の厚膜層のうち1層は、
    半導体レーザチップの一方の端面から最も離れた端面コート膜の最外層として形成され、
    Al、BeO、CaO、HfO、LaO、MgO、NiO、PuO、SrO、ThO、UO、Y、ZrOのいずれかを含んで成ることを特徴とする請求項6記載の半導体レーザ装置。
  8. 端面コート膜は、
    半導体レーザチップから発振されるレーザ光の反射率が85%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
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KR101071466B1 (ko) 2007-02-22 2011-10-10 올림푸스 가부시키가이샤 피검체 내 도입 시스템
JP2018006396A (ja) * 2016-06-28 2018-01-11 ウシオ電機株式会社 半導体レーザ素子および半導体レーザ装置

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