JP2006165478A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射膜全体の膜厚が薄く、膜剥がれの発生が少なく、より光吸収が少ない反射膜を設けた半導体レーザ提供する。
【解決手段】 高反射膜12が屈折率の異なる3種類の誘電体膜から構成され、一番低い屈折率nを持つ第一の誘電体膜13の光学膜厚nが、半導体レーザ1の発振波長λの1/4の整数倍となる条件を満たし、かつ中間の屈折率nを持つ第二の誘電体膜14と一番高い屈折率nを持つ第三の誘電体膜15との光学膜厚の和n+nが、半導体レーザ1の発振波長λの1/4の整数倍となる条件を満たし、第一の誘電体膜13から順に共振器端面9bに形成した構成とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光通信や光情報処理に使用される半導体レーザに関し、特に共振器端面の高反射膜の構造に関するものである。
半導体レーザは、ウエハを劈開することで得られる共振器端面に誘電体膜が形成されている。誘電体膜を形成する目的は、一つは、光が射出される共振器端面の反射率を低くし、その反対側の共振器端面の反射率を高くすることで、効率よく光を取り出すことができるため、高出力化が実現できること、もう一つは、共振器端面を保護し、半導体の酸化による半導体レーザの劣化を防止することである。
共振器端面に形成される反射膜は、屈折率の異なる2種類(低屈折率膜、高屈折率膜)の誘電体膜を交互に積層することで、所望の反射率が得られる。2種類の誘電体膜の組み合わせでは、低屈折率誘電体膜として、酸化アルミニウム(Al)もしくは二酸化シリコン(SiO)を、高屈折率誘電体膜として、酸化シリコン(SiO)を用いて、反射膜を構成するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
低屈折率誘電体膜と高屈折率誘電体膜の屈折率差が大きいほど、低屈折率誘電体膜と高屈折率誘電体膜の一対あたりの反射率が大きくなるため、高屈折率誘電体膜の屈折率はできるだけ大きいものが望ましく、低屈折率誘電体膜は屈折率の小さいものが望ましいが、一般的には、低屈折率誘電体膜としてSiOよりも、半導体の線膨張係数に近いAlが、膜剥がれが発生し難いことから選ばれることが多い。また、効率のよい反射率を得るため低屈折率誘電体膜と高屈折率誘電体膜の光学膜厚(屈折率×膜厚)は半導体レーザの発振波長に対して、それぞれ1/4の整数倍に設定される。
光ディスクに用いられる半導体レーザは、その書き込み、読み込み速度を上げるため、より高出力なものが求められている。そのため、高い反射率をもつ反射膜が必要とされ、高い反射率を実現するため高屈折率の誘電体膜を使用すればよいが、一般的には高屈折率誘電体膜は光吸収が大きい。このため、光吸収がある誘電体膜を反射膜に用いると、光吸収により反射膜内で発熱が生じ、半導体のエネルギー・ギャップEgの温度依存性により、半導体端面部の温度が上昇して、Egが小さくなり、より光を吸収するようになるため、さらに半導体端面部の温度が上昇する。その結果、半導体レーザの共振器端面破壊である光学損傷(COD:Catastrophic Optical Damage、以下、CODと称する)に至る場合がある。すなわち、高屈折率誘電体膜として、SiOx膜を用いると、光吸収があるため半導体レーザの共振器端面の劣化を抑制できずCOD劣化を発生する場合がある。また、光吸収により、半導体レーザの光出力の低下をもたらし、所期の性能が得られない。
このため、高屈折率誘電体膜として、酸化ニオブ(Nb)を用いた反射膜の構成が開示されている。成膜条件によって値は異なるが、Nbの屈折率は2.0以上2.3未満、SiOxの屈折率は2.3以上3未満であり、誘電体膜の光吸収の割合(光吸収率)を決める消衰係数はSiOxに比べてNbの方が低い。従って、高屈折率誘電体膜として、光吸収の少ないNbを用いることで、COD劣化の発生を抑制している(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−267677号公報(3頁、図1) 特開2002−305348号公報(4頁、図1)
しかしながら、低屈折率誘電体膜と高屈折率誘電体膜の屈折率差が小さい組み合わせにおいて、高い反射率を持つ反射膜を得るには、低屈折率誘電体膜と高屈折率誘電体膜の一対の層数を多くする必要がある。しかし、反射膜の膜厚や層数の増加は、半導体端面と誘電体膜間、誘電体膜間の線膨張率の差から応力ストレスを増加させ、膜剥がれが生じる恐れがあった。また、通電のON、OFFに伴う熱履歴による経時変化により、誘電体膜の繰り返し膨張収縮により、同様に反射膜の剥がれが発生する恐れがあった。これに対して、低屈折率誘電体膜と高屈折率誘電体膜の屈折率差の大きな組み合わせで、高い反射率を持つ反射膜を得ようとすると、高い屈折率を持つ高屈折率誘電体膜は、一般的に光吸収が大きいためCOD劣化が懸念される。
例えば、発光波長650nmの半導体レーザにおいて、反射率が60%となるような反射膜を実現しようとする場合、低屈折率誘電体膜としてのAl膜と、屈折率が2.0、消衰係数が0である高屈折率誘電体膜としてのNb膜との組み合わせによる反射膜構成では、屈折率差が小さいために、半導体レーザ端面にAl膜を99nmとNb膜を82nmとを一対形成しただけでは反射率は49.1%となり、目的の60%の反射率は得られない。そこで、Al膜を99nm、Nb膜を82nmと、さらにもう一対追加形成することで、反射率が62.3%となり、目的の反射率60%が達成できる。Al膜、Nb膜とも消衰係数が0であるため、反射膜中での光吸収率が0%と小さいため、反射膜としては優れているが、目的の反射率を得るために、反射膜厚が厚くなり、反射膜剥がれが発生し易くなるという問題があった
一方、屈折率が1.64、消衰係数が0である低屈折率誘電体膜としてのAl膜と、屈折率が2.5、消衰係数が0.01である高屈折率誘電体膜としてのSiO膜との組み合わせによる反射膜構成では、屈折率差が大きいため、半導体レーザの共振器端面にAl膜を99nmとSiO膜を65nmの一対を形成するだけで、反射率63.3%が得られ、合計の膜厚も164nmと薄い反射膜が得られる。しかし、反射膜中での光吸収率は0.67%と大きい。このため、SiO膜による光吸収のため発熱が生じ、COD劣化を発生させる問題があった(表1参照)。
このように、従来の反射膜の構成では、Al膜とSiO膜を組み合わせた場合、異なる材料の膜が接触する界面は、半導体レーザの共振器の端面とAl膜、Al膜とSiO膜の2箇所であるが、Al膜とNb膜を組み合わせた場合、屈折率差が小さいため倍の層数が必要となり、界面は4箇所に増える。一般的に、膜剥がれは界面で発生しやすいことから、反射膜厚や界面数が増えると、成膜時や経時変化に伴う膜剥がれが発生する可能性が高くなるという問題があった。しかし、屈折率の大きいSiO膜を使用すると、光吸収が大きいためCOD劣化耐性に劣るという問題があった。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、膜剥がれの発生が少なく、CODによる半導体レーザの劣化を抑制することができる、高い反射率と光吸収が少ない反射膜を持つ半導体レーザを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係わる半導体レーザおいては、高屈折率の誘電体膜が持つ光の吸収率が高いという欠点を補うため、高屈折率性と光吸収率の低減という相反する課題を両立させる手段として、高屈折率の誘電体膜より低い屈折率をもつ誘電体膜とを組み合わせて、単層の高屈折率の誘電体膜では得られなかった低い光吸収性と合成した膜厚が薄い高反射膜を実現したものである。そこで、低屈折率の第一の誘電体膜と、中屈折率の第二の誘電体膜と、高屈折率の第三の誘電体膜の3種類の屈折率を持つ誘電体膜を組み合わせたものを反射膜に使用し、第一の誘電体膜の光学膜厚(n)が半導体レーザ発振波長の1/4の整数倍、第二の誘電体膜と第三の誘電体膜の合計の光学膜厚(n+n)が半導体レーザ発振波長の1/4の整数倍となるように、半導体レーザの共振器端面の一方の端面に第一の誘電体膜から順に第二の誘電体膜、第三の誘電体膜を積層し、高反射膜としたものである。ここで、n、n、nは、第一の誘電体膜、第二の誘電体膜、第三の誘電体膜の屈折率を、d、d、dは、第一の誘電体膜、第二の誘電体膜、第三の誘電体膜の膜厚をそれぞれ表す。ただし、n<n<nである。
本発明によれば、低屈折率の誘電体膜と、高屈折率の誘電体膜に加え、これらの中間の屈折率をもつ誘電体膜の3種類の屈折率を持つ誘電体膜を使用して、低屈折率の誘電体膜の光学膜厚を半導体レーザの発振波長の1/4の整数倍とするとともに、中間の屈折率の誘電体膜と高屈折率の誘電体膜の合計の光学膜厚を半導体レーザの発振波長の1/4の整数倍とした構成により、消衰係数の大きい高屈折率の誘電体の膜厚を薄くすることができ、その結果、高反射膜による光吸収が少なく、COD劣化の発生の耐性を向上させ、また、高反射膜の膜厚を薄くすることができることにより、膜剥がれの発生も少ない反射膜を持つ半導体レーザを実現できる効果を奏するものである。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1による半導体レーザの構造と作製方法について、図1と図2を参照して説明する。図1は,実施の形態1による半導体レーザを示す構造斜視図であり、図2は上記半導体レーザの反射膜の構成を説明するための断面構造図である。
図1において、半導体レーザ1では、GaAs基板2に第一のクラッド層3、活性層4、第二のクラッド層5やキャップ層6がエピタキシャル成長法により結晶成長され、結晶成長側に第一の電極7とGaAs基板側2に第二の電極8が形成されている。その後、ウエハを劈開することで得られる共振器端面9a、9bに、レーザ光10が射出する一方の共振器端面9aに低反射膜11、他方の共振器端面9bに高反射膜12が形成されている。この高反射膜12は、共振器端面9b側から、屈折率n1、膜厚dを有する第一の誘電体膜13、屈折率n2、膜厚dを有する第二の誘電体膜14と屈折率n3、膜厚dを有する第三の誘電体膜15が順に形成されている。
第一、第二及び第三の誘電体膜13、14、15は、電子ビーム蒸着、スパッタ、CVDなどの手法で半導体レーザ1の共振器端面9bに形成される。
本実施の形態1における半導体レーザは発振波長λが650nmであり、反射率60%をもつような高反射膜12を構成している。ここで、高反射膜12を構成する第一の誘電体膜13は屈折率nが1.64、消衰係数が0である低誘電体膜であるAl膜であり、膜厚dは光学膜厚nがλ/4となる99nmに形成している。
同様に、高反射膜12を構成する第二の誘電体膜14は、Al膜の屈折率より大きい屈折率nとして2.0をもち、消衰係数が0であるNb膜とし、第三の誘電体膜15は、Nb膜の屈折率nより大きい屈折率nである2.5をもち、消衰係数0.01であるSiO膜として形成している。
Nb膜とSiO膜との膜厚は、それぞれが単独で存在するのではなく、併合された単一の膜とした膜厚を設定している。すなわち、Nb膜の膜厚をd、SiO膜の膜厚をdとして、Nb膜の膜厚dとSiO膜の膜厚dとにより合成された膜厚(d+d)が光学膜厚(n+n)がλ/4となる71.5nmに形成している。この膜厚71.5nmのうち、膜厚31.5nmをNb膜dで構成し、膜厚40nmをSiO膜dそれぞれ分担するように構成している。従って、高反射膜12の膜厚は、Nb膜及びSiO膜の膜厚を合計した厚さとして170.5nmとなる。
ここで、SiO膜の膜厚に注目すると、膜厚40nmと薄く設定しているためSiO膜による光吸収を低減することができ、従来のSiO膜を単独に使用した高反射膜による光吸収が0.67%であったものが、本実施の形態1の高反射膜12では0.28%にまで低減することができる。なお、Nb膜とSiO膜との膜厚は合成した単一の膜として設定されるため、両膜の膜厚は、合成した膜の光学膜厚がλ/4を満足する条件で、調整すれば、薄い膜厚と低い光吸収率を両立させることができる。
なお、両膜厚は調整することができる。例えば、高反射膜12は、第二及び第三の誘電体膜14、15の膜厚d、dが、光学膜厚の和n+nがpλ/4(pは整数)を満足する条件で、所望の反射率、光吸収率となるよう調整する。すなわち、反射率を高くしたい場合は、第二の誘電体膜14の膜厚dを薄く、第三の誘電体膜15の膜厚dを厚くすれば良い。また、光吸収率を小さくしたい場合は、第二の誘電体膜14の膜厚dを厚く、第三の誘電体膜15の膜厚d薄くすれば良い。
さらに、高反射膜12において、第一の誘電体膜としては、屈折率が1.8未満のものを、第二の誘電体膜としては、屈折率が1.8以上2.3未満ものを、また、第三の誘電体膜としては、屈折率が2.3以上のものを使用すれば、低い光吸収性と薄い膜厚で高反射膜を構成できることが期待できる。
表1に本実施の形態1と従来の二層構造により構成された反射率60%の高反射膜の光吸収率、膜厚、界面の数の比較を示す。
Figure 2006165478
本実施の形態1におけるAl膜/Nb膜/SiO膜の反射膜構成では、従来におけるAl膜/SiO膜の反射膜構成と比較して、本実施の形態1の高反射膜では、膜厚が170.5nmであり、従来のAl膜/SiO膜の膜厚164nmに比べ膜厚を大幅に厚くすることなく、光吸収率はAl膜/SiO膜の0.67%に対し、本実施の形態1の高反射膜では、前述したように0.28%までに低減することができる。また、本実施の形態1の高反射膜を従来におけるAl膜/Nb膜の構成と比較してみると、Al膜/Nb膜の膜厚は362nmであるのに対し、本実施の形態1の高反射膜では前述のように膜厚は170.5nmであり1/2以下となり、しかも界面数においても4から3に減少している。従って、本実施の形態1によると、従来例に比べて光吸収率を減少させることにより、COD劣化耐性に優れ、また膜剥がれが発生し難く、信頼性の高い高反射膜が得られる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について、図3を参照して説明する。図3において、発振波長がλとλ(λ<λ)の異なる波長の光を発する2つの半導体レーザ101a、101bが同一の半導体基板102上に形成された半導体レーザの構造を示す。図3において、GaAs基板102に第一のクラッド層103、活性層104、第二のクラッド層105やキャップ層106がエピタキシャル成長法により結晶成長され、結晶成長側に半導体レーザ101a、101bの第一の電極107a、107bとGaAs基板側102に共通電極である第二の電極108が形成されている。その後、ウエハを劈開することで得られる共振器端面109aに低反射膜111が、109bに高反射膜112が形成され、この高反射膜112は、第一、第二及び第三の誘電体膜113、114、115から構成されており、それぞれ屈折率n、n、nと膜厚d、d、dを持つ。レーザ光110a、110bは低反射膜111側から射出される。なお、2つの半導体レーザの構造と反射膜の構成は実施の形態1を示す図1と同様であるが、第二の半導体レーザ101bの発振波長が780nmであることと高反射膜112の膜厚が異なる。
例えば、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk)の再生もしくは書き込み用に同一半導体基板102上に形成された、異なる波長λとλで発振する2つの半導体レーザ101a、101bにおいては、高反射膜112をどちらかの発振波長、例えばλで第一、第二及び第三の誘電体膜113、114、115の膜厚を決定すると、もう一方の発振波長λでは、高い反射率となる高反射膜112は得られない。例えば、DVDの再生もしくは書き込みで使用される発振波長λは650nmであり、CDの再生もしくは書き込みで使用される発振波長λは780nmである。実施の形態1の図2で示したように、第一の誘電体膜113としてAl膜の膜厚dを99nm、第二の誘電体膜114としてNb膜の膜厚dを31.5nm、第三の誘電体膜115としてSiO膜の膜厚dを40nm形成した高反射膜112の光吸収率は、波長λの650nmでは0.28%であり、波長λの780nmでは0.23%となり、両波長において光吸収率を低くすることはできる。しかしながら、反射率は、波長λの650nmでは60.0%であるが、波長λの780nmでは54.8%とその値は小さくなる。
そこで、2つのレーザ光110a、110bの発振波長λ、λのいずれに対しても、高い反射率を持つ高反射膜112を得るため、波長λ1と波長λ2の間の波長λ(λは、λ<λ<λを満たす任意の波長である)を選択し、図3に示すように、波長λである650nmと波長λである780nmの間で、波長λを700nmとして、λとλのいずれの波長においても反射率60%をもつような高反射膜112を構成する場合、第一の誘電体膜113は、屈折率nが1.64、消衰係数が0である低屈折率誘電体であるAl膜であり、膜厚dは光学膜厚nがλ/4となる107nmに形成している。第二の誘電体膜114は、Al膜の屈折率nより大きい屈折率nとして2.0をもち、消衰係数が0であるNb膜とし、第三の誘電体膜115は、Nb膜の屈折率nより大きい屈折率nである2.5をもち、消衰係数0.01であるSiO膜として形成している。
実施の形態1と同様に、Nb膜とSiO膜との膜厚は、それぞれが単独で存在するのではなく、併合された単一の膜とした膜厚を設定している。すなわち、Nb膜の膜厚をd、SiO膜の膜厚をdとして、Nb膜の膜厚dとSiO膜の膜厚dとにより合成された膜厚(d+d)が光学膜厚(n+n)がλ/4となる77nmに形成している。この膜厚77nmのうち、膜厚34nmをNb膜dで構成し、膜厚43nmをSiO膜の膜厚dによりそれぞれ分担するように構成している。従って、高反射膜112膜厚は、Al膜、Nb膜及びSiO膜の合計した厚さとして184nmとなる。その結果、波長650nmでの反射率は58.5%、光吸収率は0.28%となり、波長780nmでの反射率は58.1%、光吸収率は0.24%が得られる。いずれの波長においても、ほぼ同じ高い反射率が得られ、全体の膜厚も184nmとなり、従来よりも薄い高反射膜112が得られる。また、従来におけるAl膜とSiO膜の二層構造の高反射膜の光吸収率が0.67%であるのに対して、本実施の形態2の高反射膜では、波長650nmでの光吸収率は0.28%、波長780nmでの光吸収率は0.24%まで低減することができる。
さらに、高反射膜112において、第一の誘電体膜としては、屈折率が1.8未満のものを、第二の誘電体膜としては、屈折率が1.8以上2.3未満ものを、また、第三の誘電体膜としては、屈折率が2.3以上のものを使用すれば、低い光吸収性と薄い膜厚で高反射膜を構成できることが期待できる。
従って、異なる発振波長を持つ2つの半導体レーザが同一基板上に形成された半導体レーザにおいて、各発振波長に対して、より反射率が高く、COD劣化耐性に優れ、反射膜剥がれが生じ難い、信頼性の高い反射膜をもつ半導体レーザが得られる。
上記実施の形態1、2では、第一の誘電体膜13、113として、Al膜を、第二の誘電体膜14、114としてNb膜を、第三の誘電体膜15、115として、SiO膜を利用する場合について説明したが、第一の誘電体膜としては、屈折率が1.8未満の条件を満たすMgF、SiO、MgOなどであってもよく、第二の誘電体膜としては、屈折率が1.8以上2.3未満の条件を満たすTa、TaO、ZrO、HfO、Sc、Si、AlNなどであってもよく、また、第三の誘電体膜としては、屈折率が2.3以上の条件を満たすα−Siなどであってもよく、上記実施の形態1、2と同様の効果が期待できる。
また、上記実施の形態1、2では、第一、第二の誘電体膜は、一つの誘電体膜で構成する場合について述べたが、必ずしも一つの誘電体膜で構成する必要はなく、二つ以上の複数の誘電体膜で構成してもよく、同様の効果が期待できる。
実施の形態1における半導体レーザを示す構造斜視図である。 実施の形態1における半導体レーザの反射膜を説明する断面図である。 実施の形態2における半導体レーザを示す構造斜視図である。
符号の説明
1、101a、101b 半導体レーザ
2、102 半導体基板
9b、109b 共振器端面
10、110a、110b レーザ光
12、112 高反射膜
13、113 第一の誘電体膜
14、114 第二の誘電体膜
15、115 第三の誘電体膜

Claims (6)

  1. 発振波長がλである半導体レーザの共振器端面の一方に、
    屈折率がnである第一の誘電体膜と、
    屈折率がnである第二の誘電体膜と、
    屈折率がnである第三の誘電体膜と、により構成され、
    <n<n、n=mλ/4(dはnの厚さ、mは整数)及びn+n=pλ/4(d、dはn、nの厚さ、pは整数)の条件を満足し、上記共振器端面から順に上記第一の誘電体膜、上記第二の誘電体膜、上記第三の誘電体により形成されてなる反射膜を設けた半導体レーザ。
  2. 同一の基板上に形成され、発振波長がλとλ(λ<λ)の異なる波長の光を発する2つの半導体レーザの共振器端面の一方に、
    屈折率がnである第一の誘電体膜と、
    屈折率がnである第二の誘電体膜と、
    屈折率がnである第三の誘電体膜と、により構成され、
    λがλ1<λ<λ2を満たす任意の波長であるとしたとき、n<n<n、n=mλ/4(dはnの厚さ、mは整数)及びn+n=pλ/4(d、dはn、nの厚さ、pは整数)の条件を満足し、上記共振器端面から順に上記第一の誘電体膜、上記第二の誘電体膜、上記第三の誘電体により形成されてなる反射膜を設けた半導体レーザ。
  3. 第一の誘電体膜の屈折率nが1.8未満であること、
    第二の誘電体膜の屈折率nが1.8以上2.3未満であること、
    第三の誘電体膜の屈折率nが2.3以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体レーザ。
  4. 第一の誘電体膜が、酸化アルミニウム(Al)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザ。
  5. 第二の誘電体膜が、酸化ニオブ(Nb)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザ。
  6. 第三の誘電体膜が、酸化シリコン(SiO)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体レーザ。
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