JP2009239241A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の出射端面の劣化を抑制し、長寿命の窒化物半導体素子を提供する。
【解決手段】窒化物半導体レーザ本体70と、窒化物半導体レーザ本体70上に配置されるレーザストライプ80と、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80のレーザ光の出射端面100上に配置される酸素吸収層50と、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80のレーザ光の出射端面100と対向する反対側に配置される後端面保護膜60とを備え、酸素吸収層50は、ZrO2、Al23、SiO2 、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNx(0<x<1)いずれかを含むことを特徴とする窒化物半導体素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体素子に関し、特に、レーザ光の出射端面の劣化を抑制する窒化物半導体素子に関する。
窒化物半導体レーザでは、レーザ発振状態を継続していくと、レーザ光の出射端面の酸化が進行し、レーザ光の出射端面が劣化する。レーザ光の出射端面の酸化が進むと、レーザ駆動電流の上昇やスロープ効率の低下というように素子特性が劣化してしまう。
半導体レーザ素子等に適用可能な変質し難い、更には剥離し難い光学被膜の例は、既に開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1のGaN系半導体レーザ素子においては、ECRプラズマ法を用いて、Arガスと酸素ガスを含む雰囲気中で、速い成膜速度のスパッタ条件でAlターゲットをスパッタすることによって成膜された光学被膜を共振器面に有する。
特開2003−124561号公報
本発明者は、レーザ端面に、吸収をもった膜質の乏しい膜(元素欠損の多いメタリックな膜)を配置することで、端面酸化に寄与する酸素を捕獲し、端面酸化を抑制することができ、長寿命化可能であることを見出した。すなわち、本発明者は、レーザ光の出射端面に配置する光学被膜の成膜時の酸素(O2)流量と消衰係数との関係を測定し、所定の消衰係数値を有する酸素吸収層をレーザ光の出射端面に配置することで、レーザ光の出射端面の劣化を抑制することができ、長寿命化可能であることを見出した。さらに、レーザ光の出射端面に配置する光学被膜の成膜時の窒素(N2)流量と消衰係数との関係を測定し、所定の消衰係数値を有する酸素吸収層をレーザ光の出射端面に配置することで、レーザ光の出射端面の劣化を抑制することができ、長寿命化可能であることを見出した。
本発明の目的は、レーザ光の出射端面の劣化を抑制し、長寿命の窒化物半導体素子を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、GaN系半導体基板と、前記GaN系半導体基板上に配置されたn型半導体層およびp型半導体層と、前記n型半導体層と前記p型半導体層の間に配置され、Inを含む発光層と、レーザ光の出射端面に配置され、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した酸素吸収層とを備えることを特徴とする窒化物半導体素子が提供される。
本発明の他の態様によれば、窒化物半導体レーザ本体と、前記窒化物半導体レーザ本体上に配置されるレーザストライプと、前記窒化物半導体レーザ本体およびレーザストライプのレーザ光の出射端面上に配置され、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した酸素吸収層と、前記窒化物半導体レーザ本体およびレーザストライプのレーザ出射端面と対向し、後端面を被覆する後端面保護膜とを備えることを特徴とする窒化物半導体素子が提供される。
本発明の他の態様によれば、GaN系半導体基板と、前記GaN系半導体基板上に配置されたn型GaNバッファ層と、前記n型GaNバッファ層上に配置されたn型超格子クラッド層と、前記n型超格子クラッド層上に配置されたn型GaNガイド層と、前記n型GaNガイド層上に配置されたInGaN活性層と、前記InGaN活性層上に配置された電子ブロック層と、前記電子ブロック層上に配置されたp型GaNガイド層とからなる窒化物半導体レーザ本体と、前記p型GaNガイド層上にストライプ状に配置されたp型超格子クラッド層と、前記p型超格子クラッド層上に配置されたp型GaNコンタクト層とからなるレーザストライプと、レーザ光の出射端面に配置され、前記窒化物半導体レーザ本体と前記レーザストライプの両方の前端面を共通に被覆し、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した酸素吸収層とを備えることを特徴とする窒化物半導体素子が提供される。
本発明によれば、レーザ光の出射端面に酸素吸収性の膜を配置することで端面酸化を抑制し、レーザ特性の劣化を低減でき、安定した長寿命の窒化物半導体素子を提供することができる。
本発明によれば、レーザ端面に、吸収をもった膜質の乏しい膜(酸素欠損の多いメタリックな膜)を配置することで、端面酸化に寄与する酸素を捕獲し、端面酸化を抑制する窒化物半導体素子を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下において、同じ部材または要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子は、図1の上面図に模式的に示すように、窒化物半導体レーザ本体70と、窒化物半導体レーザ本体70上に配置されるレーザストライプ80と、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80のレーザ光の出射端面100上に配置される酸素吸収層50と、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80のレーザ光の出射端面100と対向する反対側に配置される後端面保護膜60とを備える。
酸素吸収層50は、ZrO2、Al23、SiO2 、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNx(0<x<1)いずれかを含む。
後端面保護膜60は、ZrO2、Al23、SiO2 、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNx(0<x<1)いずれかを含む多層膜によって形成される。ここで、AlNx(0<x<1)は、AlNのストイキオメトリ制御からずれている組成比の場合を示す。
本実施の形態に係る窒化物半導体素子の酸素吸収層50および後端面保護膜60を除く窒化物半導体レーザ素子部分は、図2の鳥瞰図に模式的に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10に配置されたn型GaNバッファ層12と、n型GaNバッファ層12上に配置されたn型超格子クラッド層14と、n型超格子クラッド層14上に配置されたn型GaNガイド層16と、n型GaNガイド層16上に配置されたInGaN活性層18と、InGaN活性層18上に配置された電子ブロック層20と、電子ブロック層20上に配置されたp型GaNガイド層22とを備える。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子は、p型GaNガイド層22上にストライプ状に配置されたp型超格子クラッド層26と、p型超格子クラッド層26上に配置されたp型GaNコンタクト層28とを備える。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子は、p型GaNガイド層22上、p型超格子クラッド層26およびp型GaNコンタクト層28の側壁上に配置された絶縁膜24を備える。絶縁膜24は、ストライプ状に配置されたp型GaNコンタクト層28の上面において窓開けされている。この窓開けされた開口部において、p型GaNコンタクト層28は、p側オーミック電極30と接触している。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子において、p側オーミック電極30は、ストライプ状に配置されたp型超格子クラッド層26およびp型GaNコンタクト層28の側壁部を絶縁膜24を介して被覆しており、レーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されている。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子において、窒化物半導体レーザ本体70を被覆する絶縁膜24上およびレーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されるp側オーミック電極30上にはp側電極32が配置され、p側電極32が配置される面と対向する裏面側のGaN系半導体基板10上には、n側電極40が配置される。
絶縁膜24は、例えば、ZrO2で形成される。また、p側オーミック電極は、例えば、Pd/Auで形成される。n側電極40は、例えば、Al/Ti/Auで形成される。
本実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、酸素吸収層50および後端面保護膜60は、図1に対応する図3の鳥瞰図に示すように、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80の両方の端面を共通に被覆するように配置されている。
したがって、本実施の形態に係る窒化物半導体素子は、図1〜図3に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10上に配置されたn型半導体層(12,14,16)およびp型半導体層(20,22,26,28)と、n型半導体層(12,14,16)とp型半導体層(20,22,26,28)の間に配置され、Inを含む活性層(18)と、レーザ光の出射端面100に配置され、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した酸素吸収層50とを備える。
(消衰係数k)
図4を用いて、消衰係数kについて説明する。
吸収媒質90に対する入射光強度I0に対して、透過光強度をIとすると、光透過率は、I/I0=exp(−αd)で表される。ここで、αは吸収係数であり、α=4πk/λで表され、dは吸収媒質90の厚さ、kは消衰係数、λは波長を表す。
光透過率は、吸収係数αの値に応じて指数関数的に減少する。この吸収係数αに(λ/4π)を乗じたものが消衰係数kと定義される。なお、上記の式は、吸収媒質90の表面の反射を考慮に入れない簡易の計算例に相当する。
図5は、本実施の形態に係る窒化物半導体素子の動作電流Iop(mA)と時間(hr)との関係を表す。図5の例では、後述する成膜時の酸素(O2)流量(sccm)と消衰係数kの値は、比較例では、それぞれ4sccm、0.0026の場合に相当し、本発明の例では、それぞれ3sccm、0.017の場合に相当する。
また、図6は、図5に基づく動作電流の変動率と時間(hr)との関係を表す。
レーザ光の出射端面100上に酸素吸収層50を配置しない構造例に相当する比較例の場合、長時間動作させると、動作電流Iop(mA)の上昇が現れ、また、動作電流の変動率の上昇の割合も大きい。一方、本実施の形態に係る窒化物半導体素子の場合、動作電流Iop(mA)と時間(hr)との関係を表すエージングデータより、レーザ光の出射端面100上に酸素吸収層50を配置しない比較例に比べて、長時間に渡り動作電流Iop(mA)の上昇が現れず、また、動作電流の変動率の上昇の割合も少ない。
図7は、ZrO2膜の成膜時の酸素(O2)流量(sccm)とZrO2膜の消衰係数kの値を示す。また、図8は、図7に対応し、ZrO2膜の成膜時の酸素(O2)流量(sccm)とZrO2膜の消衰係数kの値の関係を示す。
本実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、レーザ光の出射端面100に配置される酸素吸収層50は、波長405nmでの消衰係数を、例えば、約0.2〜0.002程度に調整することが望ましいことが明らかである。例えば、酸素吸収層50は、波長405nmでの消衰係数を例えば、約0.2〜0.002程度に調整した屈折率が約2.3〜2.6程度のZrO2であっても良い。
あるいはまた、酸素吸収層50は、波長405nmでの消衰係数を例えば、約0.2〜0.002程度に調整した屈折率が1.7〜1.9のAl23であっても良い。
本実施の形態によれば、レーザ光の出射端面に酸素吸収性の膜を配置することで端面酸化を抑制し、レーザ特性の劣化を低減でき、安定した長寿命の窒化物半導体素子を提供することができる。
本実施の形態によれば、レーザ端面に、吸収をもった膜質の乏しい膜(元素欠損の多いメタリックな膜)を配置することで、端面酸化に寄与する酸素を捕獲し、端面酸化を抑制する窒化物半導体素子を提供することができる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態に係る窒化物半導体素子は、図9の上面図に模式的に示すように、窒化物半導体レーザ本体70と、窒化物半導体レーザ本体70上に配置されるレーザストライプ80と、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80のレーザ光の出射端面100上に配置される酸素吸収層52と、酸素吸収層52上に配置される光吸収を考慮しないコーティング膜54とを備える。
ここで、光吸収を考慮しないコーティング膜54における「光吸収を考慮しない」とは、意図的に吸収を持たせないという意味に相当する。実際上、酸素吸収層52には、意図的に元素欠損の多い膜質の悪い膜を形成しており、これに対して、「光吸収を考慮しない膜」とは、最適成膜条件で、良質の膜を形成していることを意味する。したがって、「光吸収を考慮しないコーティング膜54」とは、「意図的に光吸収を持たせていない適性成膜条件での良質のコーティング膜54」という意味である。
さらに、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80のレーザ光の出射端面100と対向する反対側に配置されるDBR(Distributed Bragg Reflector)膜62を備えていてもよい。
DBR膜62は、ZrO2、Al23、SiO2 、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNx(0<x<1)いずれかを含む多層膜によって形成されていてもよい。ここで、AlNx(0<x<1)は、AlNのストイキオメトリ制御からずれている組成比の場合を示す。
また、DBR膜62は、図9の示すように、高光反射特性を有し、例えば、ZrO2膜62aとSiO2膜62bからなる積層構造を備えていてもよい。ZrO2膜62aの厚さd1およびSiO2膜62bの厚さd2は、d1=λ/4n1、d2=λ/4n2となるように形成する。ここで、n1はZrO2膜62aの屈折率2.18であり、n2はSiO2膜62bの屈折率1.46である。例えば、λ=405nmに対して、d1は、約48nm程度であり、d2は、約69nm程度である。
酸素吸収層52は、ZrO2、Al23、SiO2 、TiO2、Ta25、Nb25、AlN、SiN、AlON、SiON、AlNx(0<x<1)いずれかを含む層が適用可能である。
酸素吸収層52/光吸収を考慮しないコーティング膜54との組み合わせの例としては、ZrO2/ZrO2、ZrO2/Al23、AlN/ZrO2などが適用可能である。
酸素吸収層52は、波長405nmでの消衰係数を約0.2〜0.002程度に調整した屈折率が2.3〜2.6のZrO2であってもよい。
また、酸素吸収層52は、波長405nmでの消衰係数を約0.2〜0.002程度に調整した屈折率が1.7〜1.9のAl23であってもよい。
本実施の形態に係る窒化物半導体素子の酸素吸収層52,光吸収を考慮しないコーティング膜54およびDBR膜62を除く窒化物半導体レーザ素子部分は、第1の実施の形態において示した図2の鳥瞰図と同様に、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10に配置されたn型GaNバッファ層12と、n型GaNバッファ層12上に配置されたn型超格子クラッド層14と、n型超格子クラッド層14上に配置されたn型GaNガイド層16と、n型GaNガイド層16上に配置されたInGaN活性層18と、InGaN活性層18上に配置された電子ブロック層20と、電子ブロック層20上に配置されたp型GaNガイド層22とを備える。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子は、p型GaNガイド層22上にストライプ状に配置されたp型超格子クラッド層26と、p型超格子クラッド層26上に配置されたp型GaNコンタクト層28とを備える。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子は、p型GaNガイド層22上、p型超格子クラッド層26およびp型GaNコンタクト層28の側壁上に配置された絶縁膜24を備える。絶縁膜24は、ストライプ状に配置されたp型GaNコンタクト層28の上面において窓開けされている。この窓開けされた開口部において、p型GaNコンタクト層28は、p側オーミック電極30と接触している。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子において、p側オーミック電極30は、ストライプ状に配置されたp型超格子クラッド層26およびp型GaNコンタクト層28の側壁部を絶縁膜24を介して被覆しており、レーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されている。
さらに、本実施の形態に係る窒化物半導体素子において、窒化物半導体レーザ本体70を被覆する絶縁膜24上およびレーザストライプ80に沿って、ストライプ状に配置されるp側オーミック電極30上にはp側電極32が配置され、p側電極32が配置される面と対向する裏面側のGaN系半導体基板10上には、n側電極40が配置される。
絶縁膜24は、例えば、ZrO2で形成される。また、p側オーミック電極は、例えば、Pd/Auで形成される。n側電極40は、例えば、Al/Ti/Auで形成される。
本実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、酸素吸収層50および後端面保護膜60は、図1に対応する図3の鳥瞰図に示すように、窒化物半導体レーザ本体70およびレーザストライプ80の両方の端面を共通に被覆するように配置されている。
したがって、本実施の形態に係る窒化物半導体素子は、図2、図9、および図10に示すように、GaN系半導体基板10と、GaN系半導体基板10上に配置されたn型半導体層(12,14,16)およびp型半導体層(20,22,26,28)と、n型半導体層(12,14,16)とp型半導体層(20,22,26,28)の間に配置され、Inを含む活性層(18)と、レーザ光の出射端面100に配置され、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した酸素吸収層50と、酸素吸収層50上に配置された光吸収を考慮しないコーティング膜54とを備える。
酸素吸収層52として、波長λ=405nmにおける消衰係数k=0.11を有するZrO2膜を挿入した場合の動作電流Iop(mA)と時間(hr)との関係を表す比較エージングデータを図11に示す。ここで、光吸収を考慮しないコーティング膜54として、波長λ=405nmにおける消衰係数k=0.002を有するZrO2膜を使用している。すなわち、図11の例では、酸素吸収層52/光吸収を考慮しないコーティング膜54との組み合わせの例としては、ZrO2/ZrO2の場合に対応している。図11の傾向から、酸素吸収層52の膜厚が30nmの場合には、動作電流Iop(mA)の時間変化は、他の10nmの場合や比較例(酸素吸収層52を挿入しない0nmの場合)に比べて、大きく上昇している。
酸素吸収層52の膜厚が30nmと相対的に厚い場合には、酸素吸収層52内で光が吸収され、このため酸素吸収層52内における熱の発生によって、動作電流Iop(mA)の上昇が生じている。
酸素吸収層52として波長λ=405nmにおける消衰係数k=0.004を有するAlN膜を挿入した場合の動作電流Iop(mA)と時間(hr)との関係を表す比較エージングデータを図12に示す。ここで、光吸収を考慮しないコーティング膜54として、波長λ=405nmにおける消衰係数k=0.0002を有するAl23 膜を使用している。すなわち、図12の例では、酸素吸収層52/光吸収を考慮しないコーティング膜54との組み合わせの例としては、AlN/Al23の場合に対応している。図12の傾向から、酸素吸収層52の膜厚が5nmの場合には、動作電流Iop(mA)の時間変化は、他の10nmや20nmの場合に比べて、大きく上昇している。酸素吸収層52の膜厚が5nm程度と相対的に薄い場合には、酸素吸収層52が酸化されやすいため、動作電流Iop(mA)の上昇が生じている。
図11および図12の結果より、本実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、レーザ光の出射端面100に配置される酸素吸収層52の厚さ
図13は、AlN膜の成膜時の窒素(N2)流量(sccm)とAlN膜の消衰係数kのは、5nm〜20nmの範囲内であることが望ましい。値を示す。また、図14は、図13に対応し、AlN膜の成膜時の窒素(N2)流量(sccm)とAlN膜の消衰係数kの値の関係を示す。
本実施の形態に係る窒化物半導体素子においては、レーザ光の出射端面100に配置される酸素吸収層52は、波長405nmでの消衰係数を、例えば、約0.03〜0.0004程度に調整することが望ましいことが明らかである。例えば、酸素吸収層52は、波長405nmでの消衰係数を例えば、約0.03〜0.0004程度に調整した屈折率が1.9〜2.15のAlNであっても良い。
本実施の形態によれば、レーザ光の出射端面に酸素吸収性の膜を配置することで端面酸化を抑制し、レーザ特性の劣化を低減でき、安定した長寿命の窒化物半導体素子を提供することができる。
本実施の形態によれば、レーザ端面に、吸収をもった膜質の乏しい膜(元素欠損の多いメタリックな膜)を配置することで、端面酸化に寄与する酸素を捕獲し、端面酸化を抑制する窒化物半導体素子を提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の模式的上面図。 本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の素子部分の模式的鳥瞰図。 本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体素子の図1に対応する鳥瞰図。 消衰係数kの説明図。 動作電流Iop(mA)と時間(hr)との関係を表す比較エージングデータ。 動作電流の変動率と時間(hr)との関係を表す比較エージングデータ。 ZrO2膜の成膜時の酸素(O2)流量(sccm)とZrO2膜の消衰係数kの値の測定結果。 ZrO2膜の成膜時の酸素(O2)流量(sccm)とZrO2膜の消衰係数kの値の関係を示す図。 本発明の第2の実施の形態に係る窒化物半導体素子の模式的上面図。 本発明の第2の実施の形態に係る窒化物半導体素子の図9に対応する鳥瞰図。 酸素吸収膜としてZrO2(消衰係数0.11,波長λ=405nm)を挿入した場合の動作電流Iop(mA)と時間(hr)との関係を表す比較エージングデータ。 酸素吸収膜としてAlN(消衰係数0.004,波長λ=405nm)を挿入した場合の動作電流Iop(mA)と時間(hr)との関係を表す比較エージングデータ。 AlN膜の成膜時の窒素(N2)流量(sccm)とAlN膜の消衰係数kの値の測定結果。 AlN膜の成膜時の窒素(N2)流量(sccm)とAlN膜の消衰係数kの値の関係を示す図。
符号の説明
10…GaN系半導体基板
12…n型GaNバッファ層
14…n型超格子クラッド層
16…n型GaNガイド層
18…InGaN活性層
20…電子ブロック層
22…p型GaNガイド層
24…絶縁膜
26…p型超格子クラッド層
28…p型GaNコンタクト層
30…p側オーミック電極
32…p側電極
40…n側電極
50,52…酸素吸収層
54…光吸収を考慮しないコーティング膜
60…後端面保護膜
62…DBR膜
62a…ZrO2
62b…SiO2
70…窒化物半導体レーザ本体
80…レーザストライプ
90…吸収媒質
100…レーザ光の出射端面

Claims (10)

  1. GaN系半導体基板と、
    前記GaN系半導体基板上に配置されたn型半導体層およびp型半導体層と、
    前記n型半導体層と前記p型半導体層の間に配置され、Inを含む活性層と、
    レーザ光の出射端面に配置され、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した酸素吸収層と
    を備えることを特徴とする窒化物半導体素子。
  2. 前記酸素吸収層に対向し、前記窒化物半導体素子の後端面を被覆する後端面保護膜をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  3. 前記酸素吸収層は、屈折率が2.3〜2.6のZrO2からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  4. 前記酸素吸収層は、屈折率が1.7〜1.9のAl23からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  5. GaN系半導体基板と、
    前記GaN系半導体基板上に配置されたn型半導体層およびp型半導体層と、
    前記n型半導体層と前記p型半導体層の間に配置され、Inを含む活性層と、
    レーザ光の出射端面に配置され、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.0004に調整した酸素吸収層と、
    前記酸素吸収層上に、光吸収を考慮しないコーティング膜と
    を備えることを特徴とする窒化物半導体素子。
  6. 前記酸素吸収層に対向し、前記窒化物半導体素子の後端面を被覆する後端面保護膜をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の窒化物半導体素子。
  7. 前記酸素吸収層は、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した屈折率が2.3〜2.6のZrO2からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  8. 前記酸素吸収層は、波長405nmでの消衰係数を0.2〜0.002に調整した屈折率が1.7〜1.9のAl23からなることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  9. 前記酸素吸収層は、波長405nmでの消衰係数を0.03〜0.0004に調整した屈折率が1.9〜2.15のAlNからなることを特徴とする請求項5に記載の窒化物半導体素子。
  10. 前記酸素吸収層の厚さは、5nm〜20nmであることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の窒化物半導体素子。
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