JP2010123876A - インダクタ部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパイラル中央領域に好適な貫通孔を設けるための十分なスペースを確保することのできる、小型化されたインダクタ部品を提供する。
【解決手段】素体14と、素体14表面に形成された外部電極P1,P2と、樹脂層S3上に形成され、X方向に長い形状を有する平面スパイラル導体20と、平面スパイラル導体20の内端20aに設けられたコンタクト導体21と、樹脂層S3上に形成され、平面スパイラル導体20の外端20b及び外部電極P1に接続する引出導体22と、樹脂層S1に形成され、外部電極P2に接続する引出導体23と、コンタクト導体21及び引出導体23に接続するスルーホール導体24と、平面スパイラル導体20のスパイラル中央領域20sを貫通して設けられた磁性部とを備え、コンタクト導体21は、スパイラル中央領域20sのうち、X方向の一端に形成される。
【選択図】図2

Description

本発明はインダクタ部品に関し、特に小型化されたインダクタ部品に関する。
近年、高速な信号伝送インターフェースとして、USB2.0規格やHDMI規格が広く普及し、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなど数多くのデジタル機器に用いられている。USB2.0規格やHDMI規格などのインターフェースは、古くから一般的であったシングルエンド伝送方式とは異なり、一対の信号線を用いて差動信号を伝送する差動信号方式が採用されている。
差動伝送方式は、シングルエンド伝送方式と比べて信号線から発生する放射電磁界が少ないだけでなく、外来ノイズの影響を受けにくいという優れた特徴を有している。このため、信号の小振幅化が容易であり、小振幅化による立ち上がり時間及び立ち下がり時間の短縮によって、シングルエンド伝送方式よりも高速な信号伝送を行うことが可能となる。
図6は、一般的な差動伝送回路の回路図である。
図6に示す差動伝送回路は、一対の信号線51,52と、信号線51,52に差動信号を供給する出力バッファ53と、信号線51,52からの差動信号を受ける入力バッファ54とを備えている。かかる構成により、出力バッファ53に与えられる入力信号INは、一対の信号線51,52を経由して入力バッファ54へ伝えられ、出力信号OUTとして再生される。このような差動伝送回路は、上述の通り、信号線51,52から発生する放射電磁界が少ないという特徴を有しているが、信号線51,52に共通のノイズ(コモンモードノイズ)が重畳した場合には比較的大きな放射電磁界を発生させてしまう。コモンモードノイズによって発生する放射電磁界を低減するためには、図6に示すように、信号線51,52にコモンモードチョークコイル50を挿入することが有効である。
コモンモードチョークコイル50は、信号線51,52を伝わる差動成分(信号)に対するインピーダンス(特性インピーダンス)が低く、同相成分(コモンモードノイズ)に対するインピーダンスが高いという特性を有している。このため、信号線51,52にコモンモードチョークコイル50を挿入することにより、差動信号を実質的に減衰させることなく、一対の信号線51,52を伝わるコモンモードノイズを遮断することができる。
一般的なコモンモードチョークコイルは一対の平面スパイラル導体(平面内で渦巻き状となっている導体)を含む積層体によって構成される(例えば特許文献1参照。)。近年、コモンモードチョークコイル積層体(以下、コモンモードフィルタという。)には小型化・低背化が厳しく要求されており、平面スパイラル導体の幅及びピッチは高精細化の一途を辿っている。
コモンモードチョークコイルは、コモンモードノイズに対してできるだけ高いインピーダンスを有することが好ましいが、コモンモードフィルタが小型化すると、その分だけコモンモードノイズに対するインピーダンスは低下する。そこで、コモンモードフィルタを小型化しても高いインピーダンスを維持できるようにするための技術が種々提案されている。
特許文献1に開示される技術は、そのような技術のうちのひとつである。この技術では平面スパイラル導体に囲まれた領域(以下、スパイラル中央領域という。)に貫通孔が設けられており、その内部に磁性材料が充填される。これにより、磁力線が貫通孔部分に集中し、磁力線の漏れが少なくなるので、平面スパイラル導体間の電磁結合度が高まり、コモンモードノイズに対して高いインピーダンスが実現されている。
特開平11−54326号公報
しかしながら、コモンモードフィルタのさらなる小型化に伴い、スパイラル中央領域に好適な貫通孔を設けることが困難になってきている。以下、具体例を挙げながら詳しく説明する。
図7は、一般的な小型化されたコモンモードフィルタ1の分解斜視図である。同図に示すように、小型化されたコモンモードフィルタ1では、一方方向(図7に示したX方向)に長い形状(楕円形や長方形など。)を有する平面スパイラル導体2,3が用いられる。これは平面スパイラル導体の外形サイズをより小型化するためであるが、これによりスパイラル中央領域2s,3sが狭隘化し、特にスパイラル中央領域2s,3sの平面スパイラル導体短手方向(図7に示したY方向)の幅が狭くなる。
そしてさらに、スパイラル中央領域2s,3sには、図7に示すように、平面スパイラル導体2,3の内端2a,3aと他の平面に設けられた引出導体4,5とを接続するスルーホール導体6,7を形成するためのコンタクト導体8,9が設けられる。このコンタクト導体8,9の存在により、スパイラル中央領域2s,3sのY方向の幅がさらに狭くなる。
加えて、貫通孔Hの形成にはエッチングが用いられるが、エッチングの精度の問題で、貫通孔Hと導体パターンの間にはある程度の余裕スペースが必要となる。
以上のような理由により、コモンモードフィルタ1では、特にY方向のスペースが不足して、図7に示したように貫通孔Hの中心が積層体の中心からずれてしまう(偏心してしまう)。このような偏心は、コモンモードフィルタの構造上のバランスを崩し、特性に悪影響を及ぼす。また、図7の例では貫通孔Hを設けることができているが、さらにスペースが不足するとそもそも貫通孔を設けること自体困難になる。
なお、このような事情はコモンモードフィルタに限られるものではない。ノーマルモードフィルタや単純インダクタなどの他のインダクタ部品でも、上記コモンモードフィルタと同様に、スパイラル中央領域に磁性材料を充填した貫通孔を設けることがあり、そのような場合には、インダクタ部品の小型化に伴って上記同様の問題が生ずる。
したがって、本発明の目的の一つは、スパイラル中央領域に好適な貫通孔を設けるための十分なスペースを確保することのできる、小型化されたインダクタ部品を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明によるインダクタ部品は、素体と、前記素体表面に形成された第1及び第2の外部電極と、前記素体内部の第1の平面に形成され、一方方向に長い形状を有する第1の平面スパイラル導体と、前記第1の平面スパイラル導体の内端に設けられた第1のコンタクト導体と、前記第1の平面に形成され、前記第1の平面スパイラル導体の外端及び前記第1の外部電極に接続する第1の外端引出導体と、前記第1の平面とは異なる前記素体内部の第2の平面に形成され、前記第2の外部電極に接続する第1の内端引出導体と、前記第1のコンタクト導体及び前記第1の内端引出導体に接続する第1のスルーホール導体と、前記第1の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域を貫通して設けられた磁性部とを備え、前記第1のコンタクト導体は、前記第1の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域のうち、前記一方方向の一端に形成されることを特徴とする。
本発明によれば、第1のコンタクト導体が、第1の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域のうち、上記一方方向(図7ではX方向)の一端に形成されるので、スパイラル中央領域の平面スパイラル導体短手方向(図7ではY方向)の幅が短くなることを防止できる。したがって、スパイラル中央領域に好適な貫通孔を設けるための十分なスペースを確保することが可能になる。
また、上記インダクタ部品において、前記素体表面に形成された第3及び第4の外部電極と、前記第1及び第2の平面とは異なる前記素体内部の第3の平面に形成され、前記一方方向に長い形状を有し、前記第1の平面スパイラル導体と磁気結合する第2の平面スパイラル導体と、前記第2の平面スパイラル導体の内端に設けられた第2のコンタクト導体と、前記第3の平面に形成され、前記第2の平面スパイラル導体の外端及び前記第3の外部電極に接続する第2の外端引出導体と、前記第2の平面又は前記第1乃至第3の平面とは異なる前記素体内部の第4の平面に形成され、前記第4の外部電極に接続する第2の内端引出導体と、前記第2のコンタクト導体及び前記第2の内端引出導体に接続する第2のスルーホール導体とをさらに備え、前記磁性部は、前記第2の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域も貫通して設けられており、前記第2のコンタクト導体は、前記第2の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域のうち、前記一方方向の他端に形成されることとしてもよい。これによれば、第1及び第2のコンタクト導体が上記一方方向の両端に形成されるので、2つの平面スパイラル導体を備えるインダクタ部品であっても、2つのスパイラル中央領域に、これらを貫通する好適な貫通孔を設けるための十分なスペースを確保することが可能になる。
また、上記インダクタ部品において、前記第1の平面スパイラル導体及び前記第1の外端引出導体を構成する導体パターンの導体厚みは、前記第2の平面スパイラル導体及び前記第2の外端引出導体を構成する導体パターンの導体厚みより厚いこととしてもよい。これによれば、第1の平面スパイラル導体及び第1の外端引出導体の直流抵抗は、導体厚みが第2の平面スパイラル導体及び第2の外端引出導体の導体厚みと同一である場合に比べて小さくなる。したがって、第1及び第2のコンタクト導体を上記一方方向の両端に形成した結果、第1の平面スパイラル導体及び第1の外端引出導体の合計長が第2の平面スパイラル導体及び第2の外端引出導体の合計長よりも長くなってしまった場合であっても、これらの直流抵抗を揃えることが可能になる。
また、上記インダクタ部品において、前記第2の外端引出導体の長さは、前記第1の外端引出導体の長さより長いこととしてもよい。これによれば、第2の外端引出導体の直流抵抗は、長さが第1の外端引出導体の長さと同一である場合に比べて大きくなる。したがって、第1及び第2のコンタクト導体を上記一方方向の両端に形成した結果、第1の平面スパイラル導体の長さが第2の平面スパイラル導体の長さよりも長くなってしまった場合であっても、外端引出導体の直流抵抗の差により、平面スパイラル導体の長さの差による直流抵抗の差を相殺することが可能になる。
また、上記インダクタ部品において、前記第1の外端引出導体に平面導体が付加されていることとしてもよい。これによれば、第1の外端引出導体の直流抵抗は、平面導体がない場合に比べて小さくなる。したがって、第1及び第2のコンタクト導体を上記一方方向の両端に形成した結果、第1の平面スパイラル導体及び第1の外端引出導体の合計長が第2の平面スパイラル導体及び第2の外端引出導体の合計長よりも長くなってしまった場合であっても、これらの直流抵抗を揃えることが可能になる。
また、上記各インダクタ部品において、前記磁性部は、前記素体の中心に配置されていることとしてもよい。これによれば、インダクタ部品の構造上のバランスを良好に保つことが可能になる。
このように、本発明によれば、スパイラル中央領域に好適な貫通孔を設けるための十分なスペースを確保することのできる、小型化されたインダクタ部品を提供することが可能になる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の好ましい実施の形態によるコモンモードフィルタ10の斜視図である。同図に示すように、コモンモードフィルタ10は、2枚の磁性体基板11,12で層構造体13を挟み込んだ直方体状の積層体(素体)14と、積層体14の表面に形成された外部電極P1〜P4(第1〜第4の外部電極)とによって構成される。
磁性体基板11,12は層構造体13を物理的に保護するとともに、コモンモードチョークコイルの磁路としての役割を果たすものである。磁性体基板11,12の材料としては、焼結フェライトや複合フェライト(粉状のフェライトを含有した樹脂)を用いることが好適である。特に、Ni−Cu−Zn系フェライトやMn−Zn系フェライトなどの比較的透磁率の高い材料を用いることが好ましい。透磁率の高い磁性材料を用いることにより、コモンモードフィルタとして本来求められる磁気特性が高められるからである。
外部電極P1〜P4は、積層体14のY方向に垂直な側面14a,14b(長辺側側面)に、上面から下面にわたって設けられた所定幅の導体パターンである。外部電極P1,P3は側面14aに、外部電極P2,P4は側面14bにそれぞれ設けられている。また、外部電極P1と外部電極P3,外部電極P2と外部電極P4は、それぞれ側面14a,14bのZ方向中心線に対して線対称に、所定間隔で設けられている。
外部電極P1〜P4の形成にはマスクスパッタ法及び電気めっきを用いることが好適である。すなわち、まず積層体14の側面14a,14bに、マスクスパッタ法によりCr/Cu膜又はTi/Cu膜を成膜し、その後、Ni/Snを用いて電気めっきを施すことで、外部電極P1〜P4を形成する。
コモンモードフィルタ10は、外部電極P1,P3を通じて入力される差動信号からコモンモードノイズを除去するために用いられるものである。コモンモードフィルタには大きさによって色々な種類があるが、例えば所謂0605型(図1に示したx方向の長さが0.65mm、y方向の長さが0.5mm、z方向の長さが0.3mm。)や1005型(x方向の長さが1.0mm、y方向の長さが0.5mm、z方向の長さが0.4mm。)は、小型化されたコモンモードフィルタであると言える。
次に、図2は本発明の好ましい実施の形態によるコモンモードフィルタ10の略分解斜視図である。図2に示すように、コモンモードフィルタ10の層構造体13は、樹脂層S1〜S4、磁性体層S5a,S5b、接着層S6がこの順で積層されたものである。
樹脂層S1〜S4は、中央付近に、略長方形断面を有する貫通孔Hを有している。また、樹脂層S2,S3の表面には一対の平面スパイラル導体が形成され、樹脂層S2〜S4の表面には平面スパイラル導体を外部電極P1〜P4に電気的に接続するための導体パターンが形成されている。一方、樹脂層S4は導体パターンと磁性体層S5bを分離するために設けられているもので、その表面には導体パターンは形成されていない。
各樹脂層S1〜S4は、感光性を有する絶縁性非磁性樹脂(例えば感光性ポリイミド樹脂)をスピンコートし、これを露光・現像・熱硬化することによって形成する。ディップ法やスプレー法を用いてもよい。樹脂層S2〜S4の貫通孔Hは、エッチングにより形成する。各導体パターンは、蒸着法又はスパッタリング法により樹脂層の上に下地導電層を形成し、これを給電体としたメッキを行うことにより形成する。
磁性体層S5aはコモンモードチョークコイルの磁路としての役割を果たす層であり、貫通孔H内に埋め込まれている。磁性体層S5aは、樹脂を混ぜて流動性を持たせた磁性材料を樹脂層S4上に流すことによって形成する。磁性体層S5bは磁性材料を樹脂層S4上に流した際に形成される層である。
以下、樹脂層S1〜S3について詳しく説明する。
図3(a)〜(c)は、樹脂層S3〜S1の各平面図である。
図3(a)に示すように、樹脂層S3上には、X方向に長い略楕円形状を有する平面スパイラル導体20(第1の平面スパイラル導体)と、平面スパイラル導体20の内端20aに設けられたコンタクト導体21(第1のコンタクト導体)と、平面スパイラル導体20の外端20b及び外部電極P1に接続するL字状の引出導体22(第1の外端引出導体)とが形成されている。なお、コモンモードフィルタ10を0605型とする場合、平面スパイラル導体20の導体幅は6.5μm、導体間距離は4μmとする。また、コモンモードフィルタ10を1005型とする場合、平面スパイラル導体20の導体幅は10μm、導体間距離(ピッチ)は4μmとする。
図3(b)に示すように、樹脂層S2上には、X方向に長い略楕円形状を有する平面スパイラル導体30(第2の平面スパイラル導体)と、平面スパイラル導体30の内端30aに設けられたコンタクト導体31(第2のコンタクト導体)と、平面スパイラル導体30の外端30b及び外部電極P3に接続するL字状の引出導体32(第2の外端引出導体)とが形成されている。平面スパイラル導体30は、平面スパイラル導体20の内端20a付近を除いて平面スパイラル導体20と同形で、Z方向に重なり合っており、平面スパイラル導体20と磁気結合する。
ここで、平面スパイラル導体20,30の外端20b,30bは、いずれも外部電極P1,P3から等距離の位置にあり、かつZ方向から見てXY平面内の同じ位置にある。これを利用し、引出導体22と引出導体32とは、長さが等しくなるようにしている。また、引出導体22,32は、それぞれ対応する平面スパイラル導体の外端に近い部分に長さの等しい直線部分22a,32aを有しており、これらはZ方向で重なっている。
次に、図3(c)に示すように、樹脂層S1上には、外部電極P2,P4にそれぞれ接続する引出導体23,33(第1,第2の内端引出導体)とが形成されている。引出導体23は、樹脂層S2,S3を貫通するスルーホール導体24を介して、樹脂層S3上のコンタクト導体21と接続している。また、引出導体33は、樹脂層S2を貫通するスルーホール導体34を介して、樹脂層S2上のコンタクト導体31と接続している。
ここで、スルーホール導体24,34は、まずエッチングによって各樹脂層に貫通孔を形成し、その中に導電性材料を充填することによって形成する。この貫通孔の形成は、貫通孔Hの形成と同時に行うことができる。この方法でスルーホール導体24,34を形成する場合、XY方向の位置精度があまり高くないため、コンタクト導体21,31,引出導体23,33の面積をある程度広く確保しておく必要がある。具体的には、平面スパイラル導体の導体幅の数倍程度の幅で、かつできるだけ長くすることが好ましい。結果的に、コンタクト導体21,31,引出導体23,33は、図3に示すような略長方形の導体パターンを有することになる。
さて、図3(a),(b)に示すように、樹脂層S2,S3の中央付近には、平面スパイラル導体20,30に囲まれ、導体パターンが形成されていないスパイラル中央領域20s,30sが広がっている。磁性体層S5aが埋め込まれた貫通孔Hは、スパイラル中央領域20s,30sを貫通して設けられた磁性部40を構成している。この磁性部40は、コモンモードフィルタ10の閉磁路の一部を構成する。コモンモードフィルタ10では、この磁性部40のZ方向(積層方向)中心線が、積層体14のZ方向中心線と一致している(積層体14の中心から偏心していない。)。また、スパイラル中央領域20s,30sを十分に広く取ることが可能になっている。以下、具体的に説明する。
コンタクト導体21は、略長方形部分の長手方向をY方向として、スパイラル中央領域20sのX方向の一端に形成されている。また、コンタクト導体31は、略長方形部分の長手方向をY方向として、スパイラル中央領域30sのX方向の他端に形成されている。このように、コンタクト導体21,31がX方向の両端に形成されるので、コモンモードフィルタ10では、スパイラル中央領域20s,30sのY方向の幅が短くなることを防止できる。そして、これにより、コモンモードフィルタ10では、2つのスパイラル中央領域20s,30sに、これらを貫通し、かつ積層体14の中心から偏心していない貫通孔Hを設けるための十分なスペースを確保することが可能になっている。
コモンモードフィルタ10を図7に示した背景技術によるコモンモードフィルタ1と比較すると、上記効果がより明らかである。すなわち、コモンモードフィルタ1は、コンタクト導体21,31とほぼ同じ形状の略長方形部分を有するコンタクト導体8,9を備えているが、これらは、略長方形部分の長手方向をX方向として、スパイラル中央領域のY方向の一端に形成されている。コンタクト導体8,9をこのように形成した結果、スパイラル中央領域20s,30sのY方向の幅が短くなり、貫通孔Hは積層体の中心から偏心してしまっている。
以上説明したように、コモンモードフィルタ10によれば、2つのスパイラル中央領域20s,30sに、これらを貫通する好適な(積層体14の中心から偏心していない)貫通孔Hを設けるための十分なスペースを確保することが可能になっている。また、積層体14の中心から偏心していない貫通孔Hを設けることで、コモンモードフィルタ10の構造上のバランスを良好に保ち、良好な特性を得ることが可能になる。
ところで、コンタクト導体21,31を以上説明したように形成することにより、平面スパイラル導体20の導体長は、図3(a)に示した部分Lの分だけ長くなってしまっている。このような導体長の差があると、直流抵抗に差が生ずる。そこで、コモンモードフィルタ10では、導体パターンを形成する際に、樹脂層S3上の導体パターン(平面スパイラル導体20及び引出導体22など。)の導体厚みが、樹脂層S2上の導体パターン(平面スパイラル導体30及び引出導体32など。)の導体厚みより厚くなるようにしている。このようにすることで、上記導体長の差によって生ずる直流抵抗の差を打ち消し、直流抵抗を揃えることが可能になる。なお、各樹脂層上の導体パターンの一部分のみ、上記のように導体厚みを異ならせることとしても、同様に直流抵抗を揃えることが可能になるのは勿論である。
なお、直流抵抗を揃えるために、他の方法を採用することも可能である。以下、具体的な方法を2つ取り上げて説明する。
図4は、引出導体32の長さを引出導体22の長さよりも長くした例である。具体的には、Z方向で重なる直線部分22a,32aの位置を、図3に示した例よりも外部電極P1よりに変更している。
こうすることで、引出導体32の直流抵抗は、その長さが引出導体22の長さと同一である場合に比べて大きくなる。したがって、引出導体22,32の直流抵抗の差により、平面スパイラル導体20,30の長さの差による直流抵抗の差を相殺することが可能になる。
図5は、引出導体22に平面導体22bを付加した例である。具体的には、引出導体22の一部の幅を太くし、平面導体22bとしている。
こうすることで、引出導体22の直流抵抗は、平面導体22bを付加していない場合に比べて小さくなる。したがって、引出導体22,32の直流抵抗の差により、平面スパイラル導体20,30の長さの差による直流抵抗の差を相殺することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態ではコモンモードフィルタの例を取り上げたが、ノーマルモードフィルタや単純インダクタなどの他のインダクタ部品でも、上記コモンモードフィルタと同様に、スパイラル中央領域に磁性材料を充填した貫通孔を設けることがある。本発明は、そのような場合にも適用可能である。
また、上記実施の形態では引出導体23,33を同一平面上に形成したが、これらは互いに異なる平面に形成してもよい。例えば、樹脂層S3と樹脂層S4の間にもう1層の樹脂層を設け、そこに引出導体23を形成することとしてもよい。こうすることで、スルーホール導体の長さを揃えることが可能になる。
また、上記実施の形態では略楕円形状を有する平面スパイラル導体を用いたが、略長方形状など一方方向に長い形状を有する平面スパイラル導体を用いる場合であれば、本発明を適用可能である。
本発明の好ましい実施の形態によるコモンモードフィルタの斜視図である。 本発明の好ましい実施の形態によるコモンモードフィルタの略分解斜視図である。 本発明の好ましい実施の形態によるコモンモードフィルタを構成する各樹脂層の各平面図である。 本発明の好ましい実施の形態の変形例によるコモンモードフィルタを構成する各樹脂層の各平面図である。 本発明の好ましい実施の形態の変形例によるコモンモードフィルタを構成する各樹脂層の各平面図である。 本発明の背景技術による差動伝送回路の回路図である。 本発明の背景技術によるコモンモードフィルタの略分解斜視図である。
符号の説明
H 貫通孔
P1〜P4 外部電極
S1〜S4 樹脂層
S5a,S5b 磁性体層
S6 接着層
10 コモンモードフィルタ
11,12 磁性体基板
13 層構造体
14 積層体(素体)
20,30 平面スパイラル導体
20a,30a 内端
20b,30b 外端
20b,30b 外端
20s,30s スパイラル中央領域
21,31 コンタクト導体
22,23,32,33 引出導体
24,34 スルーホール導体
40 磁性部

Claims (6)

  1. 素体と、
    前記素体表面に形成された第1及び第2の外部電極と、
    前記素体内部の第1の平面に形成され、一方方向に長い形状を有する第1の平面スパイラル導体と、
    前記第1の平面スパイラル導体の内端に設けられた第1のコンタクト導体と、
    前記第1の平面に形成され、前記第1の平面スパイラル導体の外端及び前記第1の外部電極に接続する第1の外端引出導体と、
    前記第1の平面とは異なる前記素体内部の第2の平面に形成され、前記第2の外部電極に接続する第1の内端引出導体と、
    前記第1のコンタクト導体及び前記第1の内端引出導体に接続する第1のスルーホール導体と、
    前記第1の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域を貫通して設けられた磁性部とを備え、
    前記第1のコンタクト導体は、前記第1の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域のうち、前記一方方向の一端に形成されることを特徴とするインダクタ部品。
  2. 前記素体表面に形成された第3及び第4の外部電極と、
    前記第1及び第2の平面とは異なる前記素体内部の第3の平面に形成され、前記一方方向に長い形状を有し、前記第1の平面スパイラル導体と磁気結合する第2の平面スパイラル導体と、
    前記第2の平面スパイラル導体の内端に設けられた第2のコンタクト導体と、
    前記第3の平面に形成され、前記第2の平面スパイラル導体の外端及び前記第3の外部電極に接続する第2の外端引出導体と、
    前記第2の平面又は前記第1乃至第3の平面とは異なる前記素体内部の第4の平面に形成され、前記第4の外部電極に接続する第2の内端引出導体と、
    前記第2のコンタクト導体及び前記第2の内端引出導体に接続する第2のスルーホール導体とをさらに備え、
    前記磁性部は、前記第2の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域も貫通して設けられており、
    前記第2のコンタクト導体は、前記第2の平面スパイラル導体のスパイラル中央領域のうち、前記一方方向の他端に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ部品。
  3. 前記第1の平面スパイラル導体及び前記第1の外端引出導体を構成する導体パターンの導体厚みは、前記第2の平面スパイラル導体及び前記第2の外端引出導体を構成する導体パターンの導体厚みより厚いことを特徴とする請求項2に記載のインダクタ部品。
  4. 前記第2の外端引出導体の長さは、前記第1の外端引出導体の長さより長いことを特徴とする請求項2に記載のインダクタ部品。
  5. 前記第1の外端引出導体に平面導体が付加されていることを特徴とする請求項2に記載のインダクタ部品。
  6. 前記磁性部は、前記素体の中心に配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインダクタ部品。
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