JP4840381B2 - コモンモードフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はコモンモードフィルタ及びその製造方法に関し、特に、低背化されたコモンモードフィルタ及びその製造方法に関する。
近年、高速な信号伝送インターフェースとして、USB2.0規格やIEEE1394規格が広く普及し、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなど数多くのデジタル機器に用いられている。USB2.0規格やIEEE1394規格などのインターフェースは、古くから一般的であったシングルエンド伝送方式とは異なり、一対の信号線を用いて差動信号を伝送する差動信号方式が採用されている。
差動伝送方式は、シングルエンド伝送方式と比べて信号線から発生する放射電磁界が少ないだけでなく、外来ノイズの影響を受けにくいという優れた特徴を有している。このため、信号の小振幅化が容易であり、小振幅化による立ち上がり時間及び立ち下がり時間の短縮によって、シングルエンド伝送方式よりも高速な信号伝送を行うことが可能となる。
図5は、一般的な差動伝送回路の回路図である。
図5に示す差動伝送回路は、一対の信号線51,52と、信号線51,52に差動信号を供給する出力バッファ53と、信号線51,52からの差動信号を受ける入力バッファ54とを備えている。かかる構成により、出力バッファ53に与えられる入力信号INは、一対の信号線51,52を経由して入力バッファ54へ伝えられ、出力信号OUTとして再生される。このような差動伝送回路は、上述の通り、信号線51,52から発生する放射電磁界が少ないという特徴を有しているが、信号線51,52に共通のノイズ(コモンモードノイズ)が重畳した場合には比較的大きな放射電磁界を発生させてしまう。コモンモードノイズによって発生する放射電磁界を低減するためには、図5に示すように、信号線51,52にコモンモードチョークコイル50を挿入することが有効である。
コモンモードチョークコイル50は、信号線51,52を伝わる差動成分(信号)に対するインピーダンスが低く、同相成分(コモンモードノイズ)に対するインピーダンスが高いという特性を有している。このため、信号線51,52にコモンモードチョークコイル50を挿入することにより、差動信号を実質的に減衰させることなく、一対の信号線51,52を伝わるコモンモードノイズを遮断することができる。コモンモードチョークコイル50を用いたコモンモードフィルタとしては、例えば特許文献1に記載された素子が知られている。
特開2003−133135号公報
図6は、従来のコモンモードフィルタの構造を示す略分解斜視図である。従来のコモンモードフィルタ600では、磁性体基板60A,60Bの間に、コモンモードチョークコイルを含む絶縁性非磁性樹脂層61が配置されている。
絶縁性非磁性樹脂層61内には、引出電極導体パターン64a,64bを有する第1の絶縁性非磁性樹脂層61a、第1のスパイラル導体パターン65aを有する第2の絶縁性非磁性樹脂層61b、第2のスパイラル導体パターン65bを有する第3の絶縁性非磁性樹脂層61c、導体パターンを有しない第4の絶縁性非磁性樹脂層(アイソレーション層)61dがこの順で下から積層されており、第1のスパイラル導体パターン65aと第2のスパイラル導体パターン65bとによりコモンモードチョークコイルが構成されている。
絶縁性非磁性樹脂層61の中央には、開口66が設けられており、その中には磁性樹脂体62aが充填されている。磁性樹脂体62aは、コモンモードチョークコイルの磁心を構成し、これを設けることによってコモンモードチョークコイルの特性が向上する。
磁性樹脂体62aの充填は、絶縁性非磁性樹脂層の上にまんべんなく流動性のある磁性樹脂体を流すことによって行う。こうして流された磁性樹脂体は、絶縁性非磁性樹脂層61に設けられた開口66に流れ込む。磁性樹脂体62aの充填をこのような工程で行うため、絶縁性非磁性樹脂層61上には一定の厚みをもち、磁性樹脂体62aと一体化された磁性樹脂体層62bが残る。
ところで、磁性樹脂体は樹脂に磁性粉を混ぜることによって作られるものであるが、もし磁性樹脂体62aをスパイラル導体パターン65bのすぐ上に積層するとするならば、磁性粉の粒径によっては、磁性粉が障害となって導体間のすき間への樹脂の埋め込みが不十分になるおそれがある。上記第4の絶縁性非磁性樹脂層61dはその対策として設けられている。なお、磁性粉の粒径を小さくすることは、透磁率が低下し、高いインピーダンスの確保ができなくなることから好ましくない。
しかしながら、上記第4の絶縁性非磁性樹脂層61dが存在することによりコモンモードフィルタが高背化してしまうという問題がある。また、上記第4の絶縁性非磁性樹脂層61dを設けるための工程が必要になり製造コストが上がるという問題もある。
本発明は、上述のような問題を解決すべくなされたものであって、絶縁性非磁性樹脂層に開口を設けそこに磁性樹脂体を充填することによりコモンモードチョークコイルの特性を向上させるとともに、コモンモードフィルタの低背化を実現し、製造コストを抑えることが可能なコモンモードフィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によるコモンモードフィルタは、第1の磁性体基板と、上面に第1のスパイラル導体パターンを有する第1の絶縁性非磁性樹脂層、上面に第1のスパイラル導体パターンと互いに磁気結合する第2のスパイラル導体パターンを有する第2の絶縁性非磁性樹脂層、及び上面に第1及び第2のスパイラル導体パターンとそれぞれ電気的に接続する第1及び第2の引出電極導体パターンを有する第3の絶縁性非磁性樹脂層が第1の磁性体基板上にこの順に積層された絶縁性非磁性樹脂積層体と、絶縁性非磁性樹脂積層体の略中央部に設けられた開口に埋め込まれ且つ第1及び第2の引出電極導体パターンに接して第3の絶縁性非磁性樹脂層上に設けられた磁性樹脂体と、磁性樹脂体上に設けられた第2の磁性体基板と、第1の磁性体基板、絶縁性非磁性樹脂積層体及び第2の磁性体基板を含む積層構造体の側面に設けられ、第1及び第2の引出電極導体パターンとそれぞれ接続する第1及び第2の端子電極とを備えることを特徴とする。
本発明によるコモンモードフィルタの製造方法は、第1の磁性体基板上に、上面に第1のスパイラル導体パターンを有する第1の絶縁性非磁性樹脂層、上面に第1のスパイラル導体パターンと互いに磁気結合する第2のスパイラル導体パターンを有する第2の絶縁性非磁性樹脂層、及び上面に第1及び第2のスパイラル導体パターンとそれぞれ電気的に接続する第1及び第2の引出電極導体パターンを有し略中央部に第1の開口を備える第3の絶縁性非磁性樹脂層を順次積層し絶縁性非磁性樹脂積層体を形成する第1の工程と、第1の開口を埋め込み且つ第1及び第2の引出電極導体パターンに接するように第3の絶縁性非磁性樹脂層上に磁性樹脂体を形成する第2の工程と、磁性樹脂体上に第2の磁性体基板を接着する第3の工程と、第1の磁性体基板、絶縁性非磁性樹脂積層体及び第2の磁性体基板を含む積層構造体の側面に、第1及び第2の引出電極導体パターンとそれぞれ接続する第1及び第2の端子電極を形成する第4の工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2の引出電極導体パターンを有する第3の絶縁性非磁性樹脂層を第1及び第2のスパイラル導体パターンをそれぞれ有する第1及び第2の絶縁性非磁性樹脂層よりも上層に設けていることにより、この上に形成される磁性樹脂体との間に導体パターンを有しない絶縁性非磁性樹脂層(アイソレーション層)を設ける必要がなくなる。すなわち、引出電極導体パターンは磁性樹脂体と接触してもコモンモードフィルタの特性にほとんど影響を与えないため、引出電極導体パターンが形成される第3の絶縁性非磁性樹脂層が第2のスパイラル導体パターンと磁性樹脂体とが接触することを防止するアイソレーション層としての機能も果たすことができる。したがって、開口内に磁性樹脂体を設けることによりコモンモードチョークコイルの特性を向上させるとともに、絶縁性非磁性樹脂層一層分の低背化及び製造コストの削減が可能となる。
本発明によるコモンモードフィルタにおいて、開口は、第1及び2のスパイラル導体パターンを避けるように、その底部が第1の絶縁性非磁性樹脂層の上面まで達していることが好ましい。また、本発明のコモンモードフィルタの製造方法において、第1の工程において第2の絶縁性非磁性樹脂層の略中央部に第1の開口と一体となる第2の開口が形成され、第2の工程において磁性樹脂体が第2の開口にも埋め込まれることが好ましい。これにより、コモンモードチョークコイルの特性をより向上させることができる。
本発明において、磁性樹脂体は、ポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂に第1及び第2の引出電極導体パターンの間の領域に入ることが可能な大きさの磁性体粉を混合した混合樹脂であることが好ましい。これにより、磁性樹脂体が第1及び第2の引出電極導体パターン間に埋め込まれず、空隙ができてしまうのを防止することができる。
このように、本発明によれば、コモンモードチョークコイルの特性を劣化させることなく、コモンモードフィルタの低背化を実現し、製造コストを抑えることが可能なコモンモードフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコモンモードフィルタ100の構成を示す略斜視図である。コモンモードフィルタ100は、磁性体基板10A及び10Bと、磁性体基板10A上に形成された複数の絶縁性非磁性樹脂層を有する絶縁性非磁性樹脂積層体20と、磁性樹脂体12と、接着層13とからなる積層構造体と、積層構造体の側面に設けられた第1〜第4の端子電極17a〜17dとを備えて構成されている。
第1及び第2の磁性体基板10A,10Bは、絶縁性非磁性樹脂積層体20を物理的に保護すると共に、コモンモードチョークコイルの磁路としての役割を果たすものである。第1及び第2の磁性体基板10A,10Bの材料としては、焼結フェライト、複合フェライト(粉状のフェライトを含有した樹脂)等を用いることが好適である。
図2は、コモンモードフィルタ100の略分解斜視図である。
図2に示すように絶縁性非磁性樹脂積層体20は、上面に第1のスパイラル導体パターン15aを有する第1の絶縁性非磁性樹脂層11a、上面に第1のスパイラル導体パターン15aと互いに磁気結合する第2のスパイラル導体パターン15bを有する第2の絶縁性非磁性樹脂層11b、及び上面に第1及び第2のスパイラル導体パターン15a,15bとそれぞれ電気的に接続する第1及び第2の引出電極導体パターン14a、14bを有する第3の絶縁性非磁性樹脂層11cが第1の磁性体基板10A上にこの順に積層されて構成されている。そして、第1及び第2のスパイラル導体パターン15a,15bが実際のコモンモードチョークコイルとして機能する。
第1及び第2の引出電極導体パターン14a,14bは、第3の絶縁性非磁性樹脂層11c上に設けられている。第1の引出電極導体パターン14aの一端14aが第1の端子電極17aに接続され、第2の引出電極導体パターン14bの一端14bが第2の端子電極17bに接続されている。引出電極導体パターン14a,14bとしては、特に限定されるものではないが、Cu等の金属材料を用いることが好ましい。
第1のスパイラル導体パターン15aは、第1の絶縁性非磁性樹脂層11a上に設けられている。第1のスパイラル導体パターン15aはCu等の金属材料からなり、平面形状を有している。第1のスパイラル導体パターン15aの外周端15aは、第3の端子電極17cに接続されている。一方、第1のスパイラル導体パターン15aの内周端15aは、第2及び第3の絶縁性非磁性樹脂層11b,11cを貫通するスルーホール18aに埋め込まれたスルーホール電極を介して第1の引出電極導体パターン14aの他端14aに接続され、これにより第1の端子電極17aと電気的に接続されている。
第2のスパイラル導体パターン15bは、第2の絶縁性非磁性樹脂層11b上に設けられている。第2のスパイラル導体パターン15bもまたCu等の金属材料からなり、第1のスパイラル導体パターン15aと同様、平面形状を有し、第1のスパイラル導体パターン15aと非常に近い形状をしている。第2のスパイラル導体パターン15bは、第1のスパイラル導体パターン15aと完全に重なり合っていることから、第1のスパイラル導体パターン15aと第2のスパイラル導体パターン15bとの間には強い磁気結合が生じている。第2のスパイラル導体パターン15bの外周端15bは、第4の端子電極17dに接続されている。一方、第2のスパイラル導体パターン15bの内周端15bは、第3絶縁性非磁性樹脂層11cを貫通するスルーホール18bに埋め込まれたスルーホール電極を介して第2の引出電極導体パターン14bの他端14bに接続され、これにより第2の端子電極17bと電気的に接続されている。
第1〜第3の絶縁性非磁性樹脂層11a〜11cは、各導体パターン間、或いは導体パターンと磁性体基板とを絶縁すると共に、導体パターンが形成される平面の平坦性を確保する役割を果たす。絶縁性非磁性樹脂層11a〜11cとしては、特に限定されるものではないが、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等、電気的及び磁気的な絶縁性に優れ、加工性のよい樹脂材料を用いることが好ましい。ここで、スパイラル導体パターンを高精細化する場合、その下に形成する絶縁性非磁性樹脂層の表面に特に高い平坦性が求められる。そのため、第2の絶縁性非磁性樹脂層11bは、ある程度厚く形成する必要がある。なお、第1の絶縁性非磁性樹脂層11aは、第1の磁性体基板10A上に形成するため、第2の絶縁性非磁性樹脂層11bほどは厚くしなくても、第1のスパイラル導体パターン15aを高精細に形成することができる。一方、第1及び第2の引出電極導体パターン14a,14bは、高精細に形成される必要はなく、凹凸のある平面上にも形成が可能である。そのため、第1及び第2の引出電極導体パターン14a,14bが形成される第3の絶縁性非磁性樹脂層11cは、第2の絶縁性非磁性樹脂層11bよりも比較的薄く形成することができる。したがって、図に示す従来技術では、引出電極導体パターン4a,4b上に第2の絶縁性非磁性樹脂層1bを、第1のスパイラル導体パターン5a上に第3の絶縁性非磁性樹脂層1cを形成していることから、第2及び第3の絶縁性非磁性樹脂層1b,1cの二層とも高い平坦性を得るために厚く形成しなければならなかったのに対し、本実施形態によれば、厚く形成するのは第2の絶縁性非磁性樹脂層11bのみでよい。これにより、コモンモードフィルタ100を低背化することが可能となる。


第2及び第3の絶縁性非磁性樹脂層11b,11cの中央領域には、第2及び第3の絶縁性非磁性樹脂層11b,11cを貫通する開口16が設けられている。開口16は、第1及び第2のスパイラル導体パターン15a,15bを避けるように、その内側の中央領域に形成され、その底部が第1の絶縁性非磁性樹脂層11aの上面に達している。そして、絶縁性非磁性樹脂積層体20上に、平面状の部分12aとその中央部から下側に突出した凸部12bを備えた磁性樹脂体12が設けられる。この磁性樹脂体12の凸部12bが開口16内に埋め込まれるように配置され、第1の磁性体基板10Aと第2の磁性体基板10Bとの間に磁路が形成される。これにより、コモンモードフィルタ100の特性を向上させることができる。磁性樹脂体12としては、樹脂にフェライト等の磁性体粉を混ぜた混合樹脂を用いることが好適である。
このように、本実施形態によるコモンモードフィルタ100では、第1及び第2の引出電極導体パターン14a,14bを有する第3の絶縁性非磁性樹脂層を第1及び第2のスパイラル導体パターン15a,15bをそれぞれ有する第1及び第2の絶縁性非磁性樹脂層11a,11bよりも上層に設けていることにより、絶縁性非磁性樹脂積層体20(第3の絶縁性非磁性樹脂層11c)上に直接磁性樹脂体12を形成することができる。すなわち、絶縁性非磁性樹脂積層体20上に形成される磁性樹脂体12との間に導体パターンを有しない絶縁性非磁性樹脂層(アイソレーション層)を設ける必要がなくなる。これは、引出電極導体パターン14a,14bは磁性樹脂体12と接触してもコモンモードフィルタの特性にほとんど影響を与えないためである。そして、引出電極導体パターン14a,14bが形成される第3の絶縁性非磁性樹脂層が第2のスパイラル導体パターンと磁性樹脂体とが接触することを防止するアイソレーション層としての機能も果たすことができる。したがって、開口16内に磁性樹脂体12を設けることによりコモンモードチョークコイルの特性を向上させるとともに、絶縁性非磁性樹脂層(アイソレーション層)一層分の低背化及び製造コストの削減が可能となる。
次に、本実施形態によるコモンモードフィルタ100の製造方法について説明する。
図3は、本実施形態によるコモンモードフィルタ100の製造工程を示すフローチャートである。
まず、第1の磁性体基板10Aを用意する(ステップS1)。第1の磁性体基板10Aとしては、多数のチップを同時形成可能なウェハ状のものを用いることが好ましい。続いて、薄膜工法により、第1の絶縁性非磁性樹脂層11a、第1のスパイラル導体パターン15a、第2の絶縁性非磁性樹脂層11b、第2のスパイラル導体パターン15b、第3の絶縁性非磁性樹脂層11c及び第1及び第2の引出電極導体パターン14a,14bを順次形成する(ステップS2〜S4)。すなわち、磁性体基板10A上に絶縁性非磁性樹脂(例えば感光性ポリイミド樹脂)をスピンコートし(ステップS2)、これを露光・現像することによって(ステップS3)、第1の絶縁性非磁性樹脂層11aを形成する。続いて、蒸着法又はスパッタリング法により下地導電層を形成し、これを給電体としたメッキを行うことにより第1の絶縁性非磁性樹脂層11a上に第1のスパイラル導体パターン15aを形成する(ステップS4)。この場合、下地導電層の全表面にレジストを形成し、フォトリソグラフィー法によって所定領域の下地導電層を露出させた後、メッキを行っても構わないし、或いは、フォトリソグラフィー法によって下地導電層をパターニングした後、メッキを行っても構わない。このようなステップS2〜S4を繰り返し実行することにより、図2に示した絶縁性非磁性樹脂積層体20が形成される。なお、本実施形態では、第1の絶縁性非磁性樹脂層11aには開口を形成しないため、同層11aの形成時には露光・現像の工程(ステップS3)は行わない。
ここで、第2及び第3の絶縁性非磁性樹脂層11b,11cの形成においては、感光性樹脂の露光及び現像により、開口16及びスルーホール18a,18bを同時に形成することができる。また、第2のスパイラル導体パターン15b形成時及び第1及び第2の引出電極導体パターン14a,14b形成時にスルーホール18a,18b内に導電体が埋め込まれることによりスルーホール電極が形成される。
このようにして第1の磁性体基板10A上に絶縁性非磁性樹脂積層体20を形成した後、磁性樹脂を開口16に流し込むようにして第3の絶縁性非磁性樹脂層11c上に磁性樹脂体12を形成する(ステップS5)。さらに、磁性樹脂体12上に接着層13を形成し(ステップS6)、その上に第2の磁性体基板10Bを貼り付ける(ステップS7)。そして、ダイシングにより個別のチップに分割した後、端子電極17a〜17dを形成すれば(ステップS8)、本実施形態によるコモンモードフィルタ100が完成する。
このように本実施形態では、フィルタの特性に直接的な影響が少ないため磁性樹脂体12と直接接触可能な引出電極導体パターンを絶縁性非磁性樹脂積層体20の中で最上層に形成している。これにより、絶縁性非磁性樹脂層の総数を少なくできるため、材料コスト及び製造コストを抑えることができ、なおかつ低背化も実現できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、感光性樹脂をスピンコートした後、これを露光・現像することによって開口及びスルーホールを有する絶縁性非磁性樹脂層を形成しているが、絶縁性非磁性樹脂層に開口及びスルーホールを形成する方法としてはこれに限定されるものではない。例えば、スピンコートによって絶縁性非磁性樹脂層を形成した後、感光性レジストを形成し、これをマスクとしてエッチングを行うことによって絶縁性非磁性樹脂層に開口及びスルーホールを形成しても構わない。或いは、スピンコートによって絶縁性非磁性樹脂層を形成した後、レーザビームを照射することによって絶縁性非磁性樹脂層に開口及及びスルーホール部を形成しても構わない。また、絶縁層の材料としては樹脂材料に限定されるものではなく、他の絶縁材料を用いても構わない。
また、開口16は、第2及び第3の絶縁性非磁性樹脂層11b,11cを貫通するように設けたが、これに限定されるものではない。フィルタの特性が十分に得られれば、開口16の底部が第2の絶縁性非磁性樹脂層の上面に達するように第3の絶縁性非磁性樹脂層11cのみに開口16を設け、これを磁性樹脂体12(12b)で充填するようにしてもよい。あるいは、図4に示すように、その底部が第1の磁性体基板10Aの上面に達するように第1〜第3の絶縁性非磁性樹脂層11a〜11cを貫通する開口16を設け、磁性樹脂体12(12b)で充填するようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、磁性樹脂体12を充填するために絶縁性非磁性樹脂積層体20の中央部のみに開口16を設けているが、図4に示すように、絶縁性非磁性樹脂積層体20の外周部に切り欠き部41,42を設け、この切り欠き部41,42にも磁性樹脂体12を充填するようにしても構わない。これらの場合、上記実施形態よりも、より一層、フィルタの特性を向上させることができる。
本発明の好ましい実施形態によるコモンモードフィルタ100の構成を示す略斜視図である。 コモンモードフィルタ100の略分解斜視図である。 コモンモードフィルタ100の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の好ましい実施形態によるコモンモードフィルタ100の変形例の略分解斜視図である。 一般的な差動伝送回路の回路図である。 従来のコモンモードフィルタ500の略分解斜視図である。
符号の説明
10A,10B 磁性体基板
11a,11b,11c 絶縁性非磁性樹脂層
12 磁性樹脂体
13 接着層
14a,14b 引出電極導体パターン
15a,15b スパイラル導体パターン
16 開口
17a 端子電極
17b 端子電極
17c 端子電極
17d 端子電極
18a スルーホール
18a,18b スルーホール
18b スルーホール
20 絶縁性非磁性樹脂積層体
100 コモンモードフィルタ
41,42 切り欠き部

Claims (6)

  1. 第1の磁性体基板と、
    上面に第1のスパイラル導体パターンを有する第1の絶縁性非磁性樹脂層、上面に前記第1のスパイラル導体パターンと互いに磁気結合する第2のスパイラル導体パターンを有する第2の絶縁性非磁性樹脂層、並びに上面に前記第1のスパイラル導体パターンの内周端と電気的に接続する第1の引出電極導体パターン及び前記第2のスパイラル導体パターンの内周端と電気的に接続する第2の引出電極導体パターンを有する第3の絶縁性非磁性樹脂層が前記第1の磁性体基板上にこの順に積層された絶縁性非磁性樹脂積層体と、
    少なくとも前記第3の絶縁性非磁性樹脂層の略中央部に設けられた開口に埋め込まれ且つ前記第1及び第2の引出電極導体パターンに接して前記第3の絶縁性非磁性樹脂層上に設けられた磁性樹脂体と、
    前記磁性樹脂体上に設けられた第2の磁性体基板と、
    前記第1の磁性体基板、前記絶縁性非磁性樹脂積層体、前記磁性樹脂体及び前記第2の磁性体基板を含む積層構造体の側面に設けられ、前記第1及び第2の引出電極導体パターンとそれぞれ接続する第1及び第2の端子電極とを備え、
    前記第1及び第3の絶縁性非磁性樹脂層は、前記第2の絶縁性非磁性樹脂層に比べて薄く形成されることを特徴とするコモンモードフィルタ。
  2. 前記開口は、前記第1及び2のスパイラル導体パターンを避けるように、その底部が第1の絶縁性非磁性樹脂層の上面まで達していることを特徴とする請求項1記載のコモンモードフィルタ。
  3. 前記磁性樹脂体は、ポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂に前記第1及び第2の引出電極導体パターンの間の領域に入ることが可能な大きさの磁性体粉を混合した混合樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコモンモードフィルタ。
  4. 第1の磁性体基板上に感光性の絶縁性非磁性樹脂をスピンコートし、該感光性の絶縁性非磁性樹脂を露光及び現像することによって、第1の絶縁性非磁性樹脂層を形成するステップと前記第1の絶縁性非磁性樹脂層の上面に第1のスパイラル導体パターンを形成するステップと、前記第1の絶縁性非磁性樹脂層上に感光性の絶縁性非磁性樹脂をスピンコートし、該感光性の絶縁性非磁性樹脂を露光及び現像することによって、第2の絶縁性非磁性樹脂層を形成するステップと、前記第2の絶縁性非磁性樹脂層の上面に、前記第1のスパイラル導体パターンと互いに磁気結合する第2のスパイラル導体パターンを形成するステップと、前記第2の絶縁性非磁性樹脂層上に感光性の絶縁性非磁性樹脂をスピンコートし、該感光性の絶縁性非磁性樹脂を露光及び現像することによって、略中央部に第1の開口を有する第3の絶縁性非磁性樹脂層を形成するステップと、前記第3の絶縁性非磁性樹脂層の上面に、前記第1のスパイラル導体パターンの内周端と電気的に接続する第1の引出電極導体パターン及び前記第2のスパイラル導体パターンの内周端と電気的に接続する第2の引出電極導体パターンを形成するステップとを順次実行することにより、絶縁性非磁性樹脂積層体を形成する第1の工程と、
    前記第1の開口を埋め込み且つ前記第1及び第2の引出電極導体パターンに接するように前記第3の絶縁性非磁性樹脂層上に磁性樹脂体を形成する第2の工程と、
    前記磁性樹脂体上に第2の磁性体基板を接着する第3の工程と、
    前記第1の磁性体基板、前記絶縁性非磁性樹脂積層体、前記磁性樹脂体及び前記第2の磁性体基板を含む積層構造体の側面に、前記第1及び第2の引出電極導体パターンとそれぞれ接続する第1及び第2の端子電極を形成する第4の工程とを備え、
    記第1及び第3の絶縁性非磁性樹脂層は、前記第2の絶縁性非磁性樹脂層に比べて薄く形成されることを特徴とするコモンモードフィルタの製造方法。
  5. 前記第1の工程において前記第2の絶縁性非磁性樹脂層の略中央部に前記第1の開口と一体となる第2の開口が形成され、
    前記第2の工程において前記磁性樹脂体が前記第2の開口にも埋め込まれることを特徴とする請求項4記載のコモンモードフィルタの製造方法。
  6. 前記磁性樹脂体は、ポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂に前記第1及び第2の引出電極導体パターンの間の領域に入ることが可能な大きさの磁性体粉を混合した混合樹脂であることを特徴とする請求項4又は5に記載のコモンモードフィルタの製造方法。
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