JP2010123110A - 先鋭な角度を形成し得る切削加工方法 - Google Patents
先鋭な角度を形成し得る切削加工方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】三次元造形対象物2に対する工具1の回転に伴う切削加工方法であって、一方の加工面21に沿って工具1が切削しながら特定のコーナー20に至るまで移動した後に、当該コーナー20から離脱して、前記一方の加工面21を延長した方向に移動した後、切削を伴わずに所定の規則に沿って移動したうえで前記コーナー20の位置に戻って突入し、当該突入する方向は前記コーナー20において前記一方の加工面21と交錯している他方の加工面22の交錯方向であって、前記突入以後、当該他方の加工面22に沿って切削を再現することにより、前記課題の解決を可能とするコーナー20において先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
【選択図】図3
Description
尚、以下の説明における「先鋭な角度」とは、後に説明するように図4(a)、(b)に示すように、突出状態の湾曲していない不連続面による突出状態に基づく角度という趣旨であって、決して90度未満の鋭角という趣旨ではない(前記のような湾曲していない不連続面である限り、鋭角の場合だけでなく、鈍角の場合であっても180°未満の場合には先鋭な角度を形成することが可能であり、かつこの点については、例えば図4(a)に示すとおりである。)。
コーナー20に至るまで一方の加工面21に対する切削
↓
一方の加工面21の延長方向に沿ったコーナー20からの離脱
↓
切削を伴わずに所定の軌跡に沿って切削を伴わず、
移動することによるコーナー20へ突入する角度の制御
↓
コーナー20において一方の加工面21と交差している
他方の加工面22の方向に沿ったコーナー20への突入
↓
他方の加工面22の切削
という工程に従って、工具1の作動が行われる。
但し、特に図3(a)に示すように、本発明は、三次元造形対象物2が所定の方向と直交する方向の平面に沿って各層毎に区分されており、かつ工具1が各層の表面を順次切削することを特徴とする実施形態においては、工具1の移動する軌跡4を前記平面方向に沿った二次元に設定し得ることから、好適に適用することができる。
尚、図4(a)、(b)からも明らかなように、工具1が移動する軌跡4について回転中心を基準として設定し、かつ工具1が一方の加工面21の延長方向に沿ってコーナー20から離脱する方向、及び他方の加工面22が交差している方向に沿ってコーナー20に突入する方向についても、回転中心に沿った軌跡に基づいて設定されているが、工具1の切削面は、常に回転中心から回転半径の距離だけ離れた位置にあることを考慮するならば、回転中心を基準とする軌跡に即して前記の各方向を設定することによって、本発明のコーナー20における先鋭な角度の形成は十分実現可能であることが判明する。
記
尚、上記不等式において、a、bはそれぞれ切削工具1の回転中心に係るx軸方向及びy軸方向の座標(a、b)に対応する数値を表しており、前記各式において、i=nの場合のi+1に該当する座標の指標は1であり、i=1の場合のi−1に該当する座標の指標はnである。
1/R=|f″(x)/{1+f′(x)}3/2| ・・・・・・・・・・・・(e)
によって表現されているが(但し、f′(x)はxによる1次微分を示しており、f″(x)はxによる2次微分を示している。)、(a)式は、(e)式の曲率を示す近似式に該当している。
尚、(d)式の不等式を条件としているのは、i番目の座標が先鋭なコーナー20に該当している場合には、i番目の座標位置が隣接するi−1番目の座標及びi+1番目の座標に対し回転中心を基準とした場合、外側に突出している以上、回転中心からの距離を基準とした場合i番目の座標位置の回転中心からの距離は、前記各隣接する座標位置の回転中心からの距離よりも大きいという関係にあることを根拠としている。
記
尚(f)式自体ではなく、(f)式によるΔLiだけでなく、ΔLiの比例式、即ちc・ΔLi(尚、cは定数)を包摂しているのは、当該比例式の場合においても(f)式と同様にコーナー20となる位置を特定することが可能であることに立脚している。
但し、途中段階より後の軌跡から最終段階の軌跡に沿った切削によって、先鋭な角度を形成し得るような切削の程度及び途中段階より後の軌跡の数を設定することが不可欠であることは改めて指摘するまでもない。
記
尚、k、f、m、nがそれぞれ複数の数値である場合には、このような数値よりも小さい数値に対する座標位置、即ちコーナー20の位置により近い座標位置においても、前記一般式による同一方向を呈することが保障されることになる。
2 三次元造形対象物
20 コーナー
21 一方の加工面
22 他方の加工面
23 三次元造形対象物における各層
3 NCコントローラー
4 工具が移動する軌跡
41 軌跡を区分する座標
Claims (11)
- 三次元造形対象物に対する工具の回転に伴う切削加工方法であって、工具が一方の加工面に沿って切削しながら特定のコーナーに至るまで移動した後に、当該コーナーから離脱して、前記一方の加工面を延長した方向に移動した後、切削を伴わずに所定の軌跡に沿って移動したうえで前記コーナーの位置に戻って突入すると共に、当該突入する方向は前記コーナーにおいて前記一方の加工面と交差している他方の加工面の交差方向であって、前記突入以後当該他方の加工面に沿って切削を再現することによるコーナーにおいて先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- 工具の回転中心が移動する軌跡を区分する複数の座標を一次元の数値によって設定すると共に、工具が離脱し、かつ戻って突入するコーナーにおいて、特定の座標が存在するような区分が実現されており、工具が各座標の位置を通過する毎に工具の移動方向の制御が行われていることを特徴とする請求項1、2、3の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- 三次元造形対象物が所定の方向と直交する方向の平面に沿って各層毎に区分されており、かつ工具が各層の表面を順次切削することを特徴とする請求項1記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- 工具が所定の基準方向に対して傾斜した角度にて切削を行うことによって、切削表面が各層毎に順次連続した状態を形成し得ることを特徴とする請求項3記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- 工具がコーナーから離れ、再びコーナーの位置まで戻る工程において、当初の段階及び最終段階において直線上の軌跡に沿って移動を行い、中間段階において円周の軌跡に沿った移動を行っていることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- 工具が延長方向に移動し、かつ再びコーナーの位置に戻って来る工程において、当初の段階及び最終段階において直線上の軌跡に沿って、中間段階においても直線状の方向に沿って移動することを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- コーナーの両側に位置している一方の加工面及び他方の加工面の内の少なくとも一部が、内側に窪んだ状態にて湾曲していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- 三次元造形対象物の表面を複数回切削する場合において、第1回目から途中の回数までの加工段階では、工具がコーナーから離脱せずに一方の加工面から他方の加工面に沿って連続して移動し、前記途中の回数の加工段階を経た後、工具がコーナーから離脱し、再びコーナーに戻って突入するように移動することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
- CAD/CAMシステムによって、予め作成されている工具の回転中心が移動する切削用の軌跡において、切削の基準となる配列点(Cutting Location、以下「CL」と略称する。)の直交座標による位置(x1、y1)、・・・(xi、yi)、・・・(xn、yn)について、以下の近似式による曲率1/Ri(但し、Riはi点における曲率関係を表す。)又は当該曲率1/Riの比例式(1/Riに所定の係数を掛けた式)を予め算出し、当該曲率が所定の数値以上である場合に、先鋭な角度を有するコーナーである旨の選択を行うと共に、当該選択に基づいてコーナーから離脱してからコーナーの位置に戻って突入するに至るまでの軌跡をCADシステムに指令して作成させるようなソフトウエアをCAMによって作成し、かつ当該ソフトウエアに基づいて、工具の移動に対する制御を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
記
尚、上記不等式において、a、bはそれぞれ切削工具の回転中心に係るx軸方向及びy軸方向の座標(a、b)に対応する数値を表しており、前記各式において、i=nの場合のi+1に該当する座標の指標は1であり、i=1の場合のi−1に該当する座標の指標はnである。 - CAD/CAMシステムによって、予め作成されている工具の回転中心が移動する切削用の軌跡において、切削の基準となる配列点であるCLの直交座標による位置(x1、y1)、・・・(xi、yi)、・・・(xn、yn)について、以下のΔLi又は当該ΔLiの比例式(ΔLiに所定の係数を掛けた式)を予め算出し、当該曲率が所定の数値以上である場合に、先鋭な角度を有するコーナーである旨の選択を行うと共に、当該選択に基づいてコーナーから離脱してからコーナーの位置に戻って突入するに至るまでの軌跡をCADシステムに作成させるようなソフトウエアをCAMによって作成し、かつ当該ソフトウエアに基づいて、工具の移動に対する制御を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
記
- コーナーの座標位置を(xi、yi)とし、工具がコーナーから離脱する前段階の軌跡において、前記コーナーの座標位置よりもf個だけ前に位置しているCLの座標位置(但し、fは単数又は複数)を(xi−f、yi−f)とし、工具がコーナーから離脱した後段階の軌跡において、コーナーよりもk個だけ後に位置しているCLの座標位置(但し、kは単数又は複数)を(xi+k、yi+k)とした場合、コーナーから工具が離脱する直前及び直後において同一方向を維持するために、下記の式が成立するようにCAMシステムにおいて予め各座標位置を設定する一方、工具が再びコーナーの位置に戻って突入する場合において、前記コーナーの座標を(xj、yj)と設定したうえで(但し、(xj、yj)は、前記(xi、yi)と同一位置である。)、当該コーナーに突入する前段階の軌跡において、前記コーナーの座標位置よりもm個前の位置にあるCLの座標位置(但し、mは単数又は複数)を(xj−m、yj−m)とし、コーナーに突入した後の段階の軌跡において、コーナーよりもp個だけ後に位置しているCLの座標位置(但し、pは単数又は複数)を(xj+p、yj+p)とした場合、工具が再びコーナーに突入する直前と直後において同一方向を維持するために、下記の一般式が成立するようなソフトウエアをCAMによって作成することを特徴とする請求項9、10の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
記
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