JP2010123110A - 先鋭な角度を形成し得る切削加工方法 - Google Patents

先鋭な角度を形成し得る切削加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転する工具の切削によって加工面を形成する際、比較的簡単な制御によって加工面が湾曲せずに不連続状態であることによる先鋭な角度を形成しているコーナー部分を実現し得る構成を提供すること。
【解決手段】三次元造形対象物2に対する工具1の回転に伴う切削加工方法であって、一方の加工面21に沿って工具1が切削しながら特定のコーナー20に至るまで移動した後に、当該コーナー20から離脱して、前記一方の加工面21を延長した方向に移動した後、切削を伴わずに所定の規則に沿って移動したうえで前記コーナー20の位置に戻って突入し、当該突入する方向は前記コーナー20において前記一方の加工面21と交錯している他方の加工面22の交錯方向であって、前記突入以後、当該他方の加工面22に沿って切削を再現することにより、前記課題の解決を可能とするコーナー20において先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、三次元造形対象物に対する工具の回転に伴う切削加工方法において、先鋭な角度を有するコーナーを形成し得る切削方法に関するものである。
回転する工具の切削によって、三次元の造形を行う技術は周知であり、特に、三次元造形対象物が所定の方向と直交する方向の平面に沿って各層毎に区分されており、かつ工具が各層の表面を順次切削することを特徴とする切削加工方法が様々な分野における造形方法として採用されるに至っている。
しかして、三次元造形対象物においては、所定の角度を有するコーナー部分の形成が必要となることが少なからず生じている。
しかるに、工具は順次切削による加工面を連続して移動しており、コーナーを形成する部位においても、このような連続移動が行われていることから、所定の角度を有するコーナーにおいても、図7に示すように、湾曲した連続面による突出状態が形成されており、突出状態の湾曲していない不連続面による突出状態に基づく先鋭な角度を有するコーナーを形成することは三次元造形対象物を切削する際に当該対象物を折損することが多く、また使用する切削工具においても、三次元造形対象物表面の荒れなどによる過負荷を原因とする折損も多く発生することによって技術的に困難な状況にあった。
尚、以下の説明における「先鋭な角度」とは、後に説明するように図4(a)、(b)に示すように、突出状態の湾曲していない不連続面による突出状態に基づく角度という趣旨であって、決して90度未満の鋭角という趣旨ではない(前記のような湾曲していない不連続面である限り、鋭角の場合だけでなく、鈍角の場合であっても180°未満の場合には先鋭な角度を形成することが可能であり、かつこの点については、例えば図4(a)に示すとおりである。)。
工具の切削に基づく三次元造形分野における所定の角度形成については、例えば特許文献1においては、工具の移動によって形成するコーナーの角度が鋭角である場合には、工具が当該コーナーの周囲を移動する軌跡を修正することによって対処する構成を開示している。
他方、特許文献2においては、内側に湾曲した鋭角を形成する場合に工具の移動速度を低下する構成を開示している。
しかしながら、前記各構成においては、所詮所定の直径を有する工具がコーナーの周囲を連続して移動する以上、先鋭な角度によるコーナーを形成することは不可能であると共に、前記各構成はその制御が決して容易ではない。
特開平6−190683号公報 特開2001−154718号公報
本発明は、回転する工具の切削によって加工面を形成する際、比較的簡単な制御によって加工面が湾曲せずに不連続状態であることによる先鋭な角度を形成しているコーナー部分を実現し得る構成を提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明の基本構成は、三次元造形対象物に対する工具の回転に伴う切削加工方法であって、工具が一方の加工面に沿って切削しながら特定のコーナーに至るまで移動した後に、当該コーナーから離脱して、前記一方の加工面を延長した方向に移動した後、切削を伴わずに所定の軌跡に沿って移動したうえで前記コーナーの位置に戻って突入すると共に、当該突入する方向は前記コーナーにおいて前記一方の加工面と交差している他方の加工面の交差方向であって、前記突入以後当該他方の加工面に沿って切削を再現することによるコーナーにおいて先鋭な角度を形成し得る切削加工方法からなる。
前記基本構成では、回転しながら移動している工具は、一方の加工面が一度コーナーの位置を最終点として一方の加工面から離脱した後、コーナーを開始点としてコーナーにおける他方の加工面方向に沿って突入することによって、離脱方向と突入方向との間にて予定したコーナーにおける角度が形成されており、工具の連続した移動の影響を全く受けないことから、先鋭な角度を有するコーナーを形成することが可能となる。
しかも、前記離脱及び前記突入は、決して複雑な制御を必要とする訳ではなく、比較的簡単なNCコントロールによって前記のような先鋭な角度を形成することができる。
前記基本構成において、工具の移動を制御するNCコントローラーにおけるプログラムのフローチャートを示す。 工具が複数個の座標に区分された軌跡に沿って移動する状況を示す平断面図である。 多層切削加工の状況に関する側面図であって、(a)は加工制御が行われた多層の三次元造形対象物の状況を示しており、(b)は各層が段階的ではなく、連続した状態となるような加工方法を示す。 工具が所定の軌跡に沿って移動する状況を示す平断面図であって、(a)は切削を伴わずに移動する中間段階において円周上の軌跡によって移動する場合を示しており、(b)は切削を伴わずに移動する中間段階において直線状の軌跡によって移動する場合を示す。 実施例の構成に関する平断面図を示す(尚、4の符号は外側から内側に至る複数個の軌跡の順番を示す。)。 一方の加工面及び他方の加工面の少なくとも一部が、内側に窪んだ状態にて湾曲している場合の実施形態を示す平断面図であって、(a)は一方の加工面のみが内側に湾曲している場合を示しており、(b)は双方の加工面が内側に湾曲している場合を示している。 従来技術におけるコーナー角度の形成状況を示す平断面図である。
前記基本構成を実現するNCコントローラー3による制御の過程は、図1のフローチャートに示すとおりである。
即ち、工具1による切削面は、工具1の回転中心を所定の軌跡に沿って移動させることによって形成されており、
コーナー20に至るまで一方の加工面21に対する切削

一方の加工面21の延長方向に沿ったコーナー20からの離脱

切削を伴わずに所定の軌跡に沿って切削を伴わず、
移動することによるコーナー20へ突入する角度の制御

コーナー20において一方の加工面21と交差している
他方の加工面22の方向に沿ったコーナー20への突入

他方の加工面22の切削
という工程に従って、工具1の作動が行われる。
工具1が移動する軌跡4は、図2に示すように、工具1の回転中心を基準として設定されるが、軌跡4に沿って各区分に基づく座標41を設定したうえで、特にコーナー20の位置に対応する座標に到達したか否かによって、前記のような一方の加工面21の延長方向によるコーナー20からの離脱を判断し、かつ前記離脱が行われた後の切削を伴わない移動においては、軌跡4上の各座標上の位置を移動しながら、前記のように角度方向を制御することによって、コーナー20において一方の加工面21と交差している他方の加工面22の方向に沿って、コーナー20への突入を実現すると良い。
前記座標位置は、通常工具1が移行している二次元又は三次元の数値のパラメーターとして設定されている。
このように、座標位置を絶対的基準とした場合には、工具1の移動方向は現段階の座標位置と次の段階の座標位置との関係によって、自ずと設定されることになる。
しかしながら、特定の段階における座標位置における移動方向をパラメーターとして設定した場合には、次の段階における座標位置は、当該方向における距離に即して一次元の数値によるパラメーターの設定によって特定することができる。
このような点に着目し、工具1の回転中心が移動する軌跡4を区分する複数の座標41を一次元の数値によって設定すると共に、工具1が離脱し、かつ戻って突入するコーナー20において、特定の座標が存在するような区分が実現されており、工具1が各座標の位置を通過する毎に工具1の移動方向の制御が行われていることを特徴とする実施形態を採用することができる。
前記実施形態においては、NCコントローラー3は、各座標位置毎に工具1の移動方向を設定することを不可欠とするが、図1のフローチャートにおいて工具1がコーナー20に対応する位置に到達したか否かの判定を行う際、予め予定した軌跡において1個の数値によるパラメーターによって判断するという迅速な判断を可能とする点において優れている。
本発明の切削加工方法が行われる三次元造形対象物2は、特に限定されている訳ではない。
但し、特に図3(a)に示すように、本発明は、三次元造形対象物2が所定の方向と直交する方向の平面に沿って各層毎に区分されており、かつ工具1が各層の表面を順次切削することを特徴とする実施形態においては、工具1の移動する軌跡4を前記平面方向に沿った二次元に設定し得ることから、好適に適用することができる。
図3(a)では、一見段差が形成されているが如くであるが、多層切削加工においては必ずしも段差が形成される訳ではない。
即ち、図3(b)に示すように、工具1が所定の基準方向に対して傾斜した角度にて切削を行うことによって、切削表面が各層毎に順次連続した状態を形成し得ることを特徴とする実施形態においては、段差による傾斜面ではなく、連続した傾斜面による三次元造形対象物2を実現することが可能である。
図1のフローチャート及び図2の平側面図に示すように、工具1は、一方の加工面21の延長方向に沿ってコーナー20を離脱した後、他方の加工面22がコーナー20において交差している方向に沿ってコーナー20に突入するように、工具1の移動方向を順次制御すること、換言するならば、そのような制御を可能とするような軌跡に沿って移動することが不可欠である。
このような制御を最も実現し易い軌跡としては、例えば図4(a)に示すように、工具1がコーナー20から離れ、再びコーナー20の位置まで戻る工程において、当初の段階及び最終段階において直線状の軌跡に沿って移動を行い、中間段階において円周の軌跡に沿った移動を行っていることを特徴とする実施形態、更には図4(b)に示すような工具1が延長方向に移動し、かつ再びコーナー20の位置に戻って来る工程において、当初の段階及び最終段階において直線状の軌跡に沿って、中間段階においても直線状の方向に沿って移動することを特徴とする実施形態においては、中間段階の円弧状の軌跡又は直線状の軌跡の長さを適宜選択することによって、最終段階のコーナー20に突入する直線状の軌跡による方向を容易に設定し得る点において極めて便利である。
尚、図4(a)、(b)からも明らかなように、工具1が移動する軌跡4について回転中心を基準として設定し、かつ工具1が一方の加工面21の延長方向に沿ってコーナー20から離脱する方向、及び他方の加工面22が交差している方向に沿ってコーナー20に突入する方向についても、回転中心に沿った軌跡に基づいて設定されているが、工具1の切削面は、常に回転中心から回転半径の距離だけ離れた位置にあることを考慮するならば、回転中心を基準とする軌跡に即して前記の各方向を設定することによって、本発明のコーナー20における先鋭な角度の形成は十分実現可能であることが判明する。
本発明によれば、図6(a)、(b)に示すように、コーナー20の両側に位置している一方の加工面21及び他方の加工面22の一方(図6(a)の場合)、又は双方(図6(b)の場合)が、内側に窪んだ状態にて湾曲しているような加工面を伴うような先鋭な角度を形成することも可能である。
本発明においては、先鋭な角度を形成するコーナー20の位置を設定し、かつ工具1がコーナー20から離脱し切削を伴わずに移動したうえで、再びコーナー20の位置に戻って突入するに至るまでの軌跡を設定することを不可欠としている。
このようなコーナー20の位置の設定には、CADシステムと連動しているCAMシステムによって作成した以下のような(a)式を基準として、コーナー20の位置を選択するソフトウエアを有効に活用することができる。
CAD/CAMシステムによって、予め作成されている工具1の回転中心が移動する切削用の軌跡において、切削の基準となる配列点(Cutting Location、以下「CL」と略称する。)の直交座標による位置(x、y)、・・・(x、y)、・・・(x、y)について、以下の近似式による曲率1/R(但し、Rはi点における曲率関係を表す。)又は当該曲率1/Rの比例式(1/Rに所定の係数を掛けた式)を予め算出し、当該曲率が所定の数値以上である場合に、先鋭な角度を有するコーナー20である旨の選択を行うと共に、当該選択に基づいてコーナー20から離脱してからコーナー20の位置に戻って突入するに至るまでの軌跡をCADシステムに作成させるようなCAMによって作成されたソフトウエア。
Figure 2010123110

但し、
Figure 2010123110
であって、かつ
Figure 2010123110
を条件とする。
尚、上記不等式において、a、bはそれぞれ切削工具1の回転中心に係るx軸方向及びy軸方向の座標(a、b)に対応する数値を表しており、前記各式において、i=nの場合のi+1に該当する座標の指標は1であり、i=1の場合のi−1に該当する座標の指標はnである。
一般に関数y=f(x)とした場合の曲率1/Rは、
1/R=|f″(x)/{1+f′(x)}3/2| ・・・・・・・・・・・・(e)
によって表現されているが(但し、f′(x)はxによる1次微分を示しており、f″(x)はxによる2次微分を示している。)、(a)式は、(e)式の曲率を示す近似式に該当している。
因みに、(a)式において分母を構成している(b)式は、i番目の座標位置における勾配の平均式を示しており、1次微分式であるf′(x)の近似式に該当しており、(a)式の分子を構成している(c)式は、i番目の座標位置における(b)式に基づく勾配の平均値をx軸方向における隣接する各単位長さである(xi+1−x)及び(x−xi−1)によって除したことによる平均値であって、2次微分式であるf″(x)の近似式に該当している。
即ち、(a)式は、i番目の座標における曲率の近似式である(a)式は、これによる数値が大きい程カーブの程度が著しいことを示すが、先鋭な角度を形成するコーナー20位置においては、他のなだらかに連続する座標位置の曲率半径に比し、桁違いに大きな数値を呈することから、(a)式を所定の数値以上に設定することによって、コーナー20となる位置を特定することができる。
尚、(d)式の不等式を条件としているのは、i番目の座標が先鋭なコーナー20に該当している場合には、i番目の座標位置が隣接するi−1番目の座標及びi+1番目の座標に対し回転中心を基準とした場合、外側に突出している以上、回転中心からの距離を基準とした場合i番目の座標位置の回転中心からの距離は、前記各隣接する座標位置の回転中心からの距離よりも大きいという関係にあることを根拠としている。
そして、(a)式による曲率1/Rだけではなく、曲率1/Rの比例式、即ちc/R(尚、cは比例係数)をも包摂しているのは、当該比例式の場合においても、(a)式と同様にコーナー20となる位置を特定することが可能であることに立脚している。
このようなコーナー20位置をCAMによって作成したソフトウエアによって特定しかつ選択した後においては、CAD/CAMシステムによって工具1がコーナー20から離脱し、かつ再びコーナー20に突入するに至るまでの軌跡を作成することが可能であり、当該軌跡に対応するソフトウエアは、CAMによって当然作成することができる。
そして、CADシステムと連動しているCAMシステムによって作成されたソフトウエアに基づき、本発明においては、工具1の移動を制御することは当然可能である。
コーナー20の位置の特定は、(a)式のような厳密な曲率の計算ではなく、(d)式の不等式に着目したことによる以下のような(f)式を基準として、コーナー20の位置を選択するソフトウエアによっても、実現可能である。
CAD/CAMシステムによって、予め作成されている工具1の回転中心が移動する切削用の軌跡4において、切削の基準となる配列点であるCLの直交座標による位置(x、y)、・・・(x、y)、・・・(x、y)について、以下のΔL又は当該ΔLの比例式(ΔLに所定の係数を掛けた式)を予め算出し、当該曲率が所定の数値以上である場合に、先鋭な角度を有するコーナー20である旨の選択を行うと共に、当該選択に基づいてコーナー20から離脱してからコーナー20の位置に戻って突入するに至るまでの軌跡をCADシステムに作成させるようなCAMによって作成されたソフトウエア。
Figure 2010123110
尚、上記不等式において、a、bはそれぞれ切削工具1の回転中心に係るx軸方向及びy軸方向の座標、即ち(a、b)に対応する数値を表しており、前記各式において、i=nの場合のi+1に該当する座標の指標は1であり、i=1の場合のi−1に該当する座標の指標はnである。
(f)式においては、工具1が回転する中心位置(a、b)を基準とした場合、座標位置(x、y)と両側の座標位置(xi−1、yi−1)及び(xi+1、yi+1)との距離の差の総和、即ち
Figure 2010123110
を算定した場合、前記差の総和は、先鋭な角度を呈するコーナー20位置の場合には、なだらかに接続している座標位置の場合に比し、極端に大きな値を呈することに立脚している。
尚(f)式自体ではなく、(f)式によるΔLiだけでなく、ΔLiの比例式、即ちc・ΔLi(尚、cは定数)を包摂しているのは、当該比例式の場合においても(f)式と同様にコーナー20となる位置を特定することが可能であることに立脚している。
そして、コーナー20の位置を離脱してから、再びコーナー20の位置に戻って突入するに至る軌跡をCAD/CAMシステムによって作成すること、及び当該軌跡に対応するソフトウエアをCAMによって作成し得ることには、(a)式に基づく実施形態の場合と変わりはない。
以下実施例に即して説明する。
実施例1においては、図5に示すように、三次元造形対象物2の表面を複数回切削する場合において、第1回目から途中の回数までの加工段階では、工具1がコーナー20から離脱せずに一方の加工面21から他方の加工面22に沿って連続して移動し、前記途中の回数の加工段階を経た後、工具1がコーナー20から離脱し、再びコーナー20に戻って突入するように移動することを特徴としている。
工具1による所定の位置における表面加工は、必ずしも一挙に行われる訳ではなく、最終的な造形表面を設定したうえで複数個の回転中心の軌跡を設定し、各軌跡に対応した切削を行いながら順次加工表面が形成されており、特に図3に示すような多層切削加工の場合には殆ど大抵の場合、このような複数個の軌跡(実際には少なくとも数十個の軌跡)に基づいて最終的な加工表面が形成されている。
このような場合、コーナー20における先鋭な角度は、最終段階において形成されれば良く、その前の段階ではコーナー20の外側位置では決して先鋭な角度の形成が要求されている訳ではない。
即ち、複数個の軌跡に沿った工具1の移動の後、途中段階においては従来技術の場合と同様、連続した湾曲した角度形成であっても支障となる訳ではなく、全ての軌跡において前記基本構成のように、コーナー20における離脱及び突入が行われたのでは作業効率が低下することにならざるを得ない。
実施例1の場合には、途中段階の軌跡に至るまで、従来技術を採用することによって全体としての作業効率を向上させることができる。
但し、途中段階より後の軌跡から最終段階の軌跡に沿った切削によって、先鋭な角度を形成し得るような切削の程度及び途中段階より後の軌跡の数を設定することが不可欠であることは改めて指摘するまでもない。
実施例2においては、前記CAMシステムによって作成されたソフトウエアによってコーナー20位置を選択しかつ設定したことを前提としたうえで、直交座標を採用する場合には、コーナー20の座標位置を(x、y)とし、工具1がコーナー20から離脱する前段階の軌跡において、前記コーナー20の座標位置よりもf個だけ前に位置しているCLの座標位置(但し、fは単数又は複数)を(xi−f、yi−f)とし、工具1がコーナー20から離脱した後段階の軌跡において、コーナー20よりもk個だけ後に位置しているCLの座標位置(但し、kは単数又は複数)を(xi+k、yi+k)とした場合、コーナー20から工具1が離脱する直前及び直後において同一方向を維持するために、下記の式が成立するようにCAMシステムにおいて予め各座標位置を設定する一方、工具1が再びコーナー20の位置に戻って突入する場合において、前記コーナー20の座標を(x、y)と設定したうえで(但し、(x、y)は、前記(x、y)と同一位置である。)、当該コーナー20に突入する前段階の軌跡において、前記コーナー20の座標位置よりもm個前の位置にあるCLの座標位置(但し、mは単数又は複数)を(xj−m、yj−m)とし、コーナー20に突入した後の段階の軌跡において、コーナー20よりもp個だけ後に位置しているCLの座標位置(但し、pは単数又は複数)を(xj+p、yj+p)とした場合、工具1が再びコーナー20に突入する直前と直後において同一方向を維持するために、下記の一般式が成立するようなソフトウエアをCAMによって作成することを特徴としている。
Figure 2010123110
上記比例式の成立によって、コーナー20となる(x、y)の座標位置及び(x、y)の座標位置(但し、双方は同一位置を表しているが、説明の便宜上、異なる符号を採用している。)に対し、工具1が突入する直前及び突入した直後の方向が同一であることが保障され、先鋭な角度を確実に形成することができる。
尚、k、f、m、nがそれぞれ複数の数値である場合には、このような数値よりも小さい数値に対する座標位置、即ちコーナー20の位置により近い座標位置においても、前記一般式による同一方向を呈することが保障されることになる。
本発明は、工具の回転を利用した切削に基づく表面加工の全分野において利用することが可能である。
1 工具
2 三次元造形対象物
20 コーナー
21 一方の加工面
22 他方の加工面
23 三次元造形対象物における各層
3 NCコントローラー
4 工具が移動する軌跡
41 軌跡を区分する座標

Claims (11)

  1. 三次元造形対象物に対する工具の回転に伴う切削加工方法であって、工具が一方の加工面に沿って切削しながら特定のコーナーに至るまで移動した後に、当該コーナーから離脱して、前記一方の加工面を延長した方向に移動した後、切削を伴わずに所定の軌跡に沿って移動したうえで前記コーナーの位置に戻って突入すると共に、当該突入する方向は前記コーナーにおいて前記一方の加工面と交差している他方の加工面の交差方向であって、前記突入以後当該他方の加工面に沿って切削を再現することによるコーナーにおいて先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  2. 工具の回転中心が移動する軌跡を区分する複数の座標を一次元の数値によって設定すると共に、工具が離脱し、かつ戻って突入するコーナーにおいて、特定の座標が存在するような区分が実現されており、工具が各座標の位置を通過する毎に工具の移動方向の制御が行われていることを特徴とする請求項1、2、3の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  3. 三次元造形対象物が所定の方向と直交する方向の平面に沿って各層毎に区分されており、かつ工具が各層の表面を順次切削することを特徴とする請求項1記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  4. 工具が所定の基準方向に対して傾斜した角度にて切削を行うことによって、切削表面が各層毎に順次連続した状態を形成し得ることを特徴とする請求項3記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  5. 工具がコーナーから離れ、再びコーナーの位置まで戻る工程において、当初の段階及び最終段階において直線上の軌跡に沿って移動を行い、中間段階において円周の軌跡に沿った移動を行っていることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  6. 工具が延長方向に移動し、かつ再びコーナーの位置に戻って来る工程において、当初の段階及び最終段階において直線上の軌跡に沿って、中間段階においても直線状の方向に沿って移動することを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  7. コーナーの両側に位置している一方の加工面及び他方の加工面の内の少なくとも一部が、内側に窪んだ状態にて湾曲していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  8. 三次元造形対象物の表面を複数回切削する場合において、第1回目から途中の回数までの加工段階では、工具がコーナーから離脱せずに一方の加工面から他方の加工面に沿って連続して移動し、前記途中の回数の加工段階を経た後、工具がコーナーから離脱し、再びコーナーに戻って突入するように移動することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。
  9. CAD/CAMシステムによって、予め作成されている工具の回転中心が移動する切削用の軌跡において、切削の基準となる配列点(Cutting Location、以下「CL」と略称する。)の直交座標による位置(x、y)、・・・(x、y)、・・・(x、y)について、以下の近似式による曲率1/R(但し、Rはi点における曲率関係を表す。)又は当該曲率1/Rの比例式(1/Rに所定の係数を掛けた式)を予め算出し、当該曲率が所定の数値以上である場合に、先鋭な角度を有するコーナーである旨の選択を行うと共に、当該選択に基づいてコーナーから離脱してからコーナーの位置に戻って突入するに至るまでの軌跡をCADシステムに指令して作成させるようなソフトウエアをCAMによって作成し、かつ当該ソフトウエアに基づいて、工具の移動に対する制御を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。

    Figure 2010123110
    但し、
    Figure 2010123110
    であって、かつ
    Figure 2010123110
    を条件とする。
    尚、上記不等式において、a、bはそれぞれ切削工具の回転中心に係るx軸方向及びy軸方向の座標(a、b)に対応する数値を表しており、前記各式において、i=nの場合のi+1に該当する座標の指標は1であり、i=1の場合のi−1に該当する座標の指標はnである。
  10. CAD/CAMシステムによって、予め作成されている工具の回転中心が移動する切削用の軌跡において、切削の基準となる配列点であるCLの直交座標による位置(x、y)、・・・(x、y)、・・・(x、y)について、以下のΔL又は当該ΔLの比例式(ΔLに所定の係数を掛けた式)を予め算出し、当該曲率が所定の数値以上である場合に、先鋭な角度を有するコーナーである旨の選択を行うと共に、当該選択に基づいてコーナーから離脱してからコーナーの位置に戻って突入するに至るまでの軌跡をCADシステムに作成させるようなソフトウエアをCAMによって作成し、かつ当該ソフトウエアに基づいて、工具の移動に対する制御を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。

    Figure 2010123110
    尚、上記不等式において、a、bはそれぞれ切削工具の回転中心に係るx軸方向及びy軸方向の座標(a、b)に対応する数値を表しており、前記各式において、i=nの場合のi+1に該当する座標の指標は1であり、i=1の場合のi−1に該当する座標の指標はnである。
  11. コーナーの座標位置を(x、y)とし、工具がコーナーから離脱する前段階の軌跡において、前記コーナーの座標位置よりもf個だけ前に位置しているCLの座標位置(但し、fは単数又は複数)を(xi−f、yi−f)とし、工具がコーナーから離脱した後段階の軌跡において、コーナーよりもk個だけ後に位置しているCLの座標位置(但し、kは単数又は複数)を(xi+k、yi+k)とした場合、コーナーから工具が離脱する直前及び直後において同一方向を維持するために、下記の式が成立するようにCAMシステムにおいて予め各座標位置を設定する一方、工具が再びコーナーの位置に戻って突入する場合において、前記コーナーの座標を(x、y)と設定したうえで(但し、(x、y)は、前記(x、y)と同一位置である。)、当該コーナーに突入する前段階の軌跡において、前記コーナーの座標位置よりもm個前の位置にあるCLの座標位置(但し、mは単数又は複数)を(xj−m、yj−m)とし、コーナーに突入した後の段階の軌跡において、コーナーよりもp個だけ後に位置しているCLの座標位置(但し、pは単数又は複数)を(xj+p、yj+p)とした場合、工具が再びコーナーに突入する直前と直後において同一方向を維持するために、下記の一般式が成立するようなソフトウエアをCAMによって作成することを特徴とする請求項9、10の何れか一項に記載の先鋭な角度を形成し得る切削加工方法。

    Figure 2010123110

    Figure 2010123110
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