JP3857487B2 - 側面加工用ncデータの作成方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、CAM(コンピュータ支援加工)システムによって金型の構成面のうちの側面を加工するために用いられる側面加工用NC(数値制御)データの作成方法に関し、特には、側面加工用のアプローチ位置およびリトラクト位置の決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プレス加工等に使用される金型は一般に、例えば図9の斜視図に金型の下型について示すように、ガイドポストGPやウェアプレートWP等の多数の型構造物から構成されている。それゆえ金型の製作時には、例えば図9に示す下型のダイホルダのみについて図10の斜視図に示すように、それらの型構造物をそれぞれ装着するための平坦な金型構成面である、上方へ向いた座面PL、水平方向へ向いた側面PR、そしてそれら座面PLと側面PRとが組み合わされた複合座面PPを多数加工する必要がある。
【0003】
かかる座面や側面や複合座面をCAMシステムを構成するNC工作機械で加工するには、それらの面の加工用のNCデータを作成する必要があり、そのNCデータの作成の際、従来は作業者が、これもCAMシステムを構成するNCデータ作成用コンピュータの画面上で、別途CAD(コンピュータ支援設計)システムにより作成した三次元金型形状モデルを見ながらコンピュータとの対話形式で、上記座面等の一つ一つに対し、図11のフローチャートに示す如き手順に従って工具のアプローチ位置、リトラクト位置および加工時の工具軌跡を入力して、NCデータを構成するパートプログラムを作成している。
【0004】
図11に示す手順では、先ずステップS1で、工具径や工具長さ、現在作成しているパートプログラムの加工対象の座面等、干渉物(周囲の他の座面等の、その加工対象の座面等以外の金型形状部分)の範囲その他の加工条件を入力し、次いでステップS2で、加工対象の座面等への工具の接近のための、その座面等から離間したアプローチ位置(アプローチ点)を選択して入力し、これによりNCデータ作成用コンピュータにそのアプローチ位置での工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物および加工対象の座面等との干渉チェックを自動的に行わせて、その干渉チェックの結果に基づきアプローチ位置を決定し、それをNCデータ作成用コンピュータに入力する。
【0005】
例えば図12の平面図に示す例では、工具モデルTで示す工具のアプローチ位置として、加工対象の側面PRの左端部の前方(図では上方)の左右二箇所の位置を入力しており、この場合には加工対象の側面PRの左端部の左前方に干渉物IMが存在しているため、コンピュータは、左の方の入力位置をNG(干渉)と判断し、右の方の入力位置のみをOKと判断してその判断結果を画面表示出力し、これにより作業者が、その右の方の入力位置をアプローチ位置に決定している。
【0006】
次いで作業者は、図11中のステップS3で、加工対象の側面等からの工具の離間のための、その側面等から離間したリトラクト位置(リトラクト点)を選択して入力し、これによりNCデータ作成用コンピュータにそのリトラクト位置での工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物および加工対象の座面等との干渉チェックを自動的に行わせて、その干渉チェックの結果に基づきリトラクト位置を決定し、それをNCデータ作成用コンピュータに入力する。
【0007】
例えば図13の平面図に示す例では、工具モデルTで示す工具のリトラクト位置として、加工対象の側面PRの右端部の前方(図では上方)の左右二箇所の位置を入力しており、この場合には加工対象の側面PRの右端部の右前方に干渉物IMが存在しているため、コンピュータは、右の方の入力位置をNG(干渉)と判断し、左の方の入力位置のみをOKと判断してその判断結果を画面表示出力し、これにより作業者が、その左の方の入力位置をリトラクト位置に決定している。
【0008】
その後、作業者は、図11中のステップS4で、図12および図13中一点鎖線で示す如き、加工対象とする側面PR等を加工するための工具軌跡を設定し、あるいは上記NCデータ作成用コンピュータにCADシステムからの三次元金型形状モデルの側面データから自動的に作成させ、その工具軌跡での工具モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックをNCデータ作成用コンピュータに自動的に行わせて、その干渉チェックの結果に基づき工具軌跡を決定し、それをNCデータ作成用コンピュータに入力する。そして上記手順では、最後に作業者がステップS5で、画面表示された工具軌跡について、その工具軌跡を辿る工具の移動で上記対象側面に削り残しが生ずるか否かを目視によりチェックする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の方法では、コンピュータとの対話形式で、一つ一つの側面等に対し、工具のアプローチ位置、リトラクト位置および加工時の工具軌跡を入力して工具径路を求めているので、干渉のないNCデータを作成するには、工具選択とアプローチ位置、リトラクト位置の指示を何度もやり直す必要があって、時間がかかってしまうという問題があった。
【0010】
また、上記従来の方法では、複合座面の場合に、作業者が複合座面を対象としていることを認識しながら加工対象部位を指示し、部位毎の特徴に応じて加工条件を指示しているので、条件変更のための入力回数が多くなり、作業者が条件設定を間違えてしまう場合もあって、加工不具合を起こす可能性があるという問題があった。
【0011】
そして上述の如き問題を解決するべく、座面をNC工作機械で加工するためのNCデータを自動的に作成する方法として従来、例えば特開昭62−239206号公報にて開示されたものも知られているが、この方法では、CAMシステムを構成するNCデータ作成用コンピュータが、加工対象の座面の形状に応じてあらかじめ各角部等に設定された加工始点候補位置や加工終点候補位置に対し座標軸方向に沿う工具移動方向後方の位置に設定されたアプローチ候補位置やリトラクト候補位置で、工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉をチェックして、干渉の生じない候補位置のうち優先順位の最も高い位置をアプローチ位置やリトラクト位置に自動決定しているため、あらかじめ設定されたさほど多くない候補位置の全てで干渉が生じたらアプローチ位置やリトラクト位置が決定できなくなるという問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
この発明は、上記課題を有利に解決したNCデータの作成方法を提供することを目的とするものであり、請求項1記載のこの発明の側面加工用NCデータの作成方法は、CAMシステムによって金型の構成面のうちの、座面と組み合わされていない側面を加工するために用いられるNCデータを作成するに際し、前記側面の加工始点および加工終点の各々から前記側面と平行な水平方向に所定距離離間した各加工移動端点に対し前記側面の前方に工具半径以上離間した所定範囲をそれぞれアプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲とし、前記アプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲内について所定開始位置から始めて所定ピッチでその所定開始位置から水平方向へ離間しつつ繰り返し工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置およびリトラクト位置に決定することを特徴とするものである。
【0013】
かかる方法によれば、あらかじめ設定された候補位置のみで干渉チェックを行うのでなく、側面の加工始点および加工終点の各々からその側面と平行な水平方向に所定距離離間した各加工移動端点から前方(斜め前方を含む)に工具半径以上離間した所定範囲をアプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲として、それらの範囲内について所定開始位置から始めて所定ピッチでその所定開始位置から水平方向へ離間しつつ繰り返し工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置およびリトラクト位置に決定するので、加工対象の側面から離間するとともに干渉物との干渉も生じないアプローチ位置およびリトラクト位置ひいては干渉のないNCデータを、短時間で自動的にかつ確実に作成し得て、作業者の負担を削減し得るとともに加工不具合の発生を防止することができる。
【0014】
また、請求項2記載のこの発明の側面加工用NCデータの作成方法は、CAMシステムによって金型の構成面のうちの、座面と組み合わされた側面を加工するために用いられるNCデータを作成するに際し、前記側面の加工始点および加工終点の各々から前記側面に対し直角方向の前方に前記座面上で最も離れた各位置から前記側面と平行な水平方向に所定距離離間した各加工移動端点に対し前記側面の前方に工具半径以上離間した所定範囲をそれぞれアプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲とし、前記アプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲内について所定開始位置から始めて所定ピッチでその所定開始位置から水平方向へ離間しつつ繰り返し工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置およびリトラクト位置に決定することを特徴とするものである。
【0015】
かかる方法によれば、あらかじめ設定された候補位置のみで干渉チェックを行うのでなく、側面の加工始点および加工終点の各々からその側面に対し直角方向の前方に座面上で最も離れた各位置からその側面と平行な水平方向に所定距離離間した各加工移動端点に対し側面の前方(斜め前方を含む)に工具半径以上離間した所定範囲をアプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲とし、それらの範囲内について所定開始位置から始めて所定ピッチでその所定開始位置から水平方向へ離間しつつ繰り返し工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置およびリトラクト位置に決定するので、加工対象の側面から離間するとともに干渉物との干渉も生じないアプローチ位置およびリトラクト位置ひいては干渉のないNCデータを、短時間で自動的にかつ確実に作成し得て、作業者の負担を削減し得るとともに加工不具合の発生を防止することができる。
【0016】
なお、この発明の側面加工用NCデータの作成方法においては、請求項3に記載のように、前記所定開始位置を、前記加工移動端点から、前記側面に対し直角方向の前方に工具半径以上の所定距離離間した位置としても良い。このようにして作成したNCデータによれば、工具を、決定したアプローチ位置から工具半径以上離間するとともに加工始点から側面と平行な方向に所定距離離間した一方の加工移動端点に先ずアプローチ移動させて、そこから、側面の加工を行う部分を含む直線径路に沿って他方の加工移動端点まで移動させ、その他方の加工移動端点から、その加工移動端点に対し工具半径以上離間した、決定したリトラクト位置までリトラクト移動させることができるので、側面の加工を精度良く行い得るNCデータを自動的に作成することができる。
【0017】
またこの発明の側面加工用NCデータの作成方法においては、請求項4に記載のように、前記干渉チェックを、前記所定開始位置を通って前記側面と平行に延在する水平な直線上で前記所定開始位置からその直線に沿う一方向およびそれと逆の方向に交互に前記所定ピッチずつ離間しながら繰り返すこととしても良い。このようにすれば、干渉チェック位置が干渉物から所定ピッチずつ離間するので、側面の加工始点および加工終点からそれぞれの前方に工具半径以上離間した、工具干渉の生じないアプローチ位置およびリトラクト位置を、より短時間で確実に探し出すことができる。
【0018】
ここで、上記所定ピッチは、上記所定開始位置を通って前記側面と平行に延在する直線上での距離ピッチとしても良いが、上記加工移動端点と上記所定開始位置とを結ぶ直線に対しその加工移動端点を中心として半径方向に引いた直線がなす角度ピッチとしても良く、その場合には、上記半径方向に引いた直線と上記側面と平行に延在する直線との交点が各干渉チェック位置となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の側面加工用NCデータの作成方法の一実施例の実施手順を示すフローチャートであり、この実施例の方法は、通常のCAMシステムを構成するNCデータ作成用コンピュータの作動プログラムを改変することにて実施されるものである。
【0020】
すなわち、この実施例の方法では、先ず図1中のステップS11で、別途CADシステムにより作成した三次元金型形状モデルのデータを読み込んで、その金型形状モデルの各部分の属性を調べることにより全ての側面および座面を抽出し、抽出した側面に工順を設定するとともに、それらの側面中で、未だ後述するステップS29にて工具軌跡を登録されていない側面のうち現在の処理で作成しているパートプログラムの対象とする一つの側面(対象側面)を検索し、対象側面となる、工具軌跡を登録されていない側面がもう残っていない場合には、続くステップS12を経てこの図1の処理を終了するが、工具軌跡を登録されていない側面が残っている場合には、上記ステップS12でその工具軌跡を登録されていない側面のうちから上記設定した工順の順に一つの対象側面を選択した後にステップS13へ進む。
【0021】
ステップS13では、上記対象側面が座面と組み合わされて複合座面を構成しているものか否かを、その対象側面のデータに含まれている属性情報から判断し、複合座面を構成しているものの場合には、次のステップS14で、その対象側面と組み合わされている座面のデータを、上記抽出した座面データ中から検索して求める。一方、上記対象側面が、座面と組み合わされていない単独のものの場合には、ステップS13からステップS15へ進む。
【0022】
ステップS15では、当該CAMシステムを構成するNC工作機械が具える工具のリストを示す工具テーブルを当該コンピュータの記憶領域から読み込み、上記対象側面の加工に適した使用工具を、より太くてより短いものを優先して一種類選定する。そしてもう選択できる工具が残っていない場合には、ステップS15でその対象側面について工具なしとのデータを登録した後にステップS11へ戻り、次の対象側面を検索する。その一方、使用工具として選択できる工具がある場合には、上記ステップS16でその工具を使用工具として選択した後にステップS17へ進む。
【0023】
ステップS17では、図11中のステップS1と同様に、工具径や工具長さ、現在作成しているパートプログラムの加工対象の側面等、干渉物(周囲の他の側面等の、その加工対象の側面等以外の金型形状部分)の範囲その他の加工条件を入力する(一部の加工条件については、CADシステムにより作成した三次元金型形状モデルのデータ等から自動的に入力することができる)。なお、この実施例の方法では、上記工具テーブル上の各工具について、あらかじめ上記CADシステムで三次元工具モデルを作成して、図2(a)に示すように、アプローチ位置およびリトラクト位置での干渉チェック用にその工具モデルTのアーバやシャンクや刃部を含む各部分にそれぞれその部分に見合ったゼロでない適当な値の余裕代Cを設定するとともに、図2(b)に示すように、工具軌跡上での干渉チェック用にその工具モデルTの刃部CTの底面および、刃部CTの側面のうち上端部以外の部分について余裕代をゼロとし、その工具モデルTの他の部分については先のゼロでない適当な値の余裕代Cを設定し、それを上記コンピュータに読み込ませておく。
【0024】
次のステップS18では、上記対象側面についてのアプローチ位置を決定する。すなわち、上記対象側面PRが、例えば図3に示すように、座面と組み合わされていない単独のものの場合には、対象側面PRの加工始点(図では対象側面 PR 左端点に工具が接する位置)からその対象側面PRと平行な方向に所定距離(この実施例では工具半径Rよりも僅かに大きい距離)Lだけ離間した始点側加工移動端点PSから、その対象側面PRに対し直角方向の前方(図では上方)に工具半径R以上の所定距離Mだけ離間した位置を所定開始位置Pa1とするとともに、その所定開始位置Pa1を通って上記対象側面PRに平行に延在する直線上の、その所定開始位置Pa1から所定距離範囲をアプローチ位置範囲とし、そのアプローチ位置範囲内について上記所定開始位置Pa1の両側に、上記加工移動端点PSと上記所定開始位置Pa1とを結ぶ直線に対しその加工移動端点PSを中心として半径方向に引いた直線(図では破線で示す)がなす角度θを所定ピッチとしてその角度ピッチθずつ上記所定開始位置Pa1から離間しつつ、繰り返し工具モデルTと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置に選定(決定)する。
【0025】
例えば図3では、干渉チェック位置Pa1およびPa2では干渉が生じないが、干渉チェック位置Pa3では左側の干渉物IMとの干渉が生じ、干渉チェック位置Pa1とPa2とでは干渉チェック位置Pa1の方が先に干渉が生じなかったものされるので、干渉チェック位置Pa1がアプローチ位置として選定される。
【0026】
上記ステップS18で上記アプローチ位置範囲内にアプローチ位置がなかった場合には、その対象側面については後に人手でアプローチ位置を選定することとして、ステップS19からステップS11へ戻って次の対象側面を選択する。一方、アプローチ位置があった場合には、ステップS19からステップS20へ進んで、選定したアプローチ位置Pa1から上記加工移動端点PSへのアプローチ移動の間の工具モデルTと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行う。そして、そのアプローチ移動で干渉する場合には、ステップS21からステップS18へ戻って次のアプローチ位置(例えば干渉チェック位置Pa2)を選定する。一方、上記アプローチ移動で干渉しない場合には、ステップS22へ進む。
【0027】
ステップS22では、上記対象側面についてのリトラクト位置を決定する。すなわち、上記対象側面PRが、例えば図4に示すように、座面と組み合わされていない単独のものの場合には、対象側面PRの加工終点(図では対象側面 PR 右端点に工具が接する位置)からその対象側面PRと平行な方向に所定距離(この実施例では工具半径Rよりも僅かに大きい距離)Lだけ離間した終点側加工移動端点PEから、その対象側面PRに対し直角方向の前方(図では上方)に工具半径R以上の所定距離Mだけ離間した位置を所定開始位置Pr1とするとともに、その所定開始位置Pa1を通って上記対象側面PRに平行に延在する直線上の、その所定開始位置Pr1から所定距離範囲をリトラクト位置範囲とし、そのリトラクト位置範囲内について上記所定開始位置Pr1の両側に、上記加工移動端点PEと上記所定開始位置Pr1とを結ぶ直線に対しその加工移動端点PEを中心として半径方向に引いた直線(図では破線で示す)がなす角度θを所定ピッチとしてその角度ピッチθずつ上記所定開始位置Pr1から離間しつつ繰り返し工具モデルTと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をリトラクト位置に選定(決定)する。
【0028】
例えば図4では、干渉チェック位置Pr2では干渉が生じないが、干渉チェック位置Pr1およびPr3では右側の干渉物IMとの干渉が生ずるので、干渉チェック位置Pr2がリトラクト位置として選定される。
【0029】
上記ステップS22で上記リトラクト位置範囲内にリトラクト位置がなかった場合には、その対象側面については後に人手でリトラクト位置を選定することとして、ステップS23からステップS11へ戻って次の対象側面を選択する。一方、リトラクト位置があった場合には、ステップS23からステップS24へ進んで、上記加工移動端点PEから選定したリトラクト位置Pr2へのリトラクト移動の間の工具モデルTと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行う。そして、そのリトラクト移動で干渉する場合には、ステップS25からステップS22へ戻って次のリトラクト位置を選定する。一方、上記リトラクト移動で干渉しない場合には、ステップS26へ進む。
【0030】
ステップS26では、図12に一点鎖線で示す如き、上記始点側加工移動端点PSから終点側加工移動端点PEまでの加工移動用の工具軌跡を自動作成し、続いて、上記対象座面をその工具軌跡に沿う工具の移動で加工した場合の削り残し領域を計算して削り残しがないことを確認し、続くステップS27では、先に選定した使用工具の工具モデルTに先の工具軌跡上での干渉チェック用の余裕代を適用して上記工具軌跡全体についてその工具軌跡上での工具モデルTと上記干渉物との干渉チェックを行う。そしてその工具移動で干渉する場合には、ステップS28からステップS15へ戻って次の工具を選定する。一方、その工具移動で干渉しない場合には、ステップS28からステップS29へ進んで上記加工移動用の工具軌跡を上記アプローチ移動およびリトラクト移動用の工具軌跡とともに登録する。
【0031】
この一方アプローチ位置を選定する上記ステップS18で、上記対象側面PRが、例えば図5に示すように、座面PLと組み合わされて複合座面を構成するものの場合には、対象側面PRの加工始点(図では対象側面 PR 左端点に工具が接する位置)からその対象側面PRに対し直角方向の前方(図では上方)に(工具中心が)上記座面PL上で最も離れた位置から上記対象側面PRと平行な方向に所定距離(この実施例では工具半径Rよりも僅かに大きい距離)Lだけ離間した点を始点側加工移動端点PSとして、その加工移動端点PSから、上記対象側面PRに対し直角方向の前方(図では上方)に工具半径R以上の所定距離Mだけ離間した位置を所定開始位置Pa1とするとともに、その所定開始位置Pa1を通って上記対象側面PRに平行に延在する直線上の、その所定開始位置Pa1から所定距離範囲をアプローチ位置範囲とし、そのアプローチ位置範囲内について上記所定開始位置Pa1の両側に、上記加工移動端点PSと上記所定開始位置Pa1とを結ぶ直線に対しその加工移動端点PSを中心として半径方向に引いた直線(図では破線で示す)がなす角度θを所定ピッチとしてその角度ピッチθずつ上記所定開始位置Pa1から離間しつつ、繰り返し工具モデルTと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置に選定する。
【0032】
例えば図5では、干渉チェック位置Pa1およびPa2では干渉が生じないが、干渉チェック位置Pa3では左側の干渉物IMとの干渉が生じ、干渉チェック位置Pa1とPa2とでは干渉チェック位置Pa1の方が先に干渉が生じなかったものされるので、干渉チェック位置Pa1がアプローチ位置として選定される。
【0033】
また、リトラクト位置を選定する上記ステップS22で、上記対象側面PRが、例えば図6に示すように、座面PLと組み合わされて複合座面を構成するものの場合には、対象側面PRの加工終点(図では対象側面 PR 右端点に工具が接する位置)からその対象側面PRに対し直角方向の前方(図では上方)に(工具中心が)上記座面PL上で最も離れた位置から上記対象側面PRと平行な方向に所定距離(この実施例では工具半径Rよりも僅かに大きい距離)Lだけ離間した点を終点側加工移動端点PEとして、その加工移動端点PEから、上記対象側面PRに対し直角方向の前方(図では上方)に工具半径R以上の所定距離Mだけ離間した位置を所定開始位置Pr1とするとともに、その所定開始位置Pr1を通って上記対象側面PRに平行に延在する直線上の、その所定開始位置Pr1から所定距離範囲をリトラクト位置範囲とし、そのリトラクト位置範囲内について上記所定開始位置Pr1の両側に、上記加工移動端点PEと上記所定開始位置Pr1とを結ぶ直線に対しその加工移動端点PEを中心として半径方向に引いた直線(図では破線で示す)がなす角度θを所定ピッチとしてその角度ピッチθずつ上記所定開始位置Pr1から離間しつつ繰り返し工具モデルTと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をリトラクト位置に選定する。
【0034】
例えば図6では、干渉チェック位置Pr2では干渉が生じないが、干渉チェック位置Pr1およびPr3では右側の干渉物IMとの干渉が生ずるので、干渉チェック位置Pr2がリトラクト位置として選定される。
【0035】
図7(a),(b)は、上記複合座面を構成する側面PRと座面PLとの組み合わせを示す縦断面図および平面図であり、ここで用いるCADデータでは、かかる複合座面を構成する側面PRと座面PLとのデータに、互いに組み合わされて共通の金型構成部品が装着されることを示す属性情報が含まれていることから、対象側面が複合座面を構成する側面であることは自動的に認識される。それゆえこの実施例では、複合座面において側面PRと座面PLとのそれぞれの加工用の工具軌跡を作成する際、図7(a)に示す如き、側面PRの上端から座面PLまでの深さDPと、図8の縦断面図に示す如き、側面PRと座面PLとの互いの逃げ量Aとを自動的に読み出して、一方を加工する際の他方に対する最適なクリアランス量(余裕代)Cを自動的に設定する。
【0036】
かくしてこの実施例の方法によれば、単独の側面および複合座面を構成する側面の何れについても、加工対象の側面から離間するとともに干渉物との干渉も生じないアプローチ位置およびリトラクト位置ひいては干渉のないNCデータを、短時間で自動的にかつ確実に作成し得て、作業者の負担を削減し得るとともに加工不具合の発生を防止することができる。
【0037】
しかもこの実施例の方法によれば、工具を、決定したアプローチ位置から工具半径以上離間するとともに加工始点から側面と平行な方向に所定距離離間した一方の加工移動端点PSに先ずアプローチ移動させて、その加工移動端点PSから、側面PRの加工を行う部分を含む直線径路に沿って他方の加工移動端点PEまで移動させ、その他方の加工移動端点PEから、その加工移動端点PEに対し工具半径以上離間した、決定したリトラクト位置までリトラクト移動させることができるので、側面の加工を精度良く行い得るNCデータを自動的に作成することができる。
【0038】
さらにこの実施例の方法によれば、干渉チェックを、所定開始位置Pa1またはPr1を通って対象側面PRと平行に延在する直線上でその所定開始位置から両方向に交互に所定角度ピッチθずつ離間しながら繰り返すことから、干渉チェック位置が干渉物IMから所定ピッチθずつ離間するので、対象側面PRの加工始点および加工終点からそれぞれの前方(斜め前方を含む)に工具半径R以上離間した、工具干渉の生じないアプローチ位置およびリトラクト位置を、より短時間で確実に探し出すことができる。
【0039】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、上記所定ピッチを、所定開始位置を通って対象側面と平行に延在する直線上での距離ピッチとしても良い。また例えば、この発明の方法に基づくNCデータの作成をCAMシステム以外のコンピュータ、例えばCADシステムを構成するコンピュータで行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の側面加工用NCデータの作成方法の一実施例の実施手順を示すフローチャートである。
【図2】 上記実施例の方法での干渉チェックにおける取り代の設けかたおよび余裕代のとりかたを縦断面図で示す説明図である。
【図3】 上記実施例の方法での単独側面についてのアプローチ位置の決定方法を平面図で示す説明図である。
【図4】 上記実施例の方法での単独側面についてのリトラクト位置の決定方法を平面図で示す説明図である。
【図5】 上記実施例の方法での複合座面の側面についてのアプローチ位置の決定方法を平面図で示す説明図である。
【図6】 上記実施例の方法での複合座面の側面についてのリトラクト位置の決定方法を平面図で示す説明図である。
【図7】 (a)および(b)は、複合座面の例を示す縦断面図および平面図である。
【図8】 上記複合座面についての工具クリアランスの設定方法を縦断面図で示す説明図である。
【図9】 金型の下型を例示する斜視図である。
【図10】 図9に示す下型のダイホルダのみについて示す斜視図である。
【図11】 従来のNCデータの作成方法を示すフローチャートである。
【図12】 上記従来の方法でのアプローチ位置の決定方法を平面図で示す説明図である。
【図13】 上記従来の方法でのリトラクト位置の決定方法を平面図で示す説明図である。
【符号の説明】
C 余裕代
CT 刃部
GP ガイドポスト
IM 干渉物
L,M 所定距離
Pa1〜Pa3 アプローチ用干渉チェック位置
Pa1 アプローチ位置
PE,PS 加工移動端点
PP 複合座面
Pr1〜Pr3 リトラクト用干渉チェック位置
Pr2 リトラクト位置
PL 座面
PR 側面
R 工具半径
RP 取り代
T 工具モデル
WP ウェアプレート
θ 角度ピッチ

Claims (4)

  1. CAMシステムによって金型の構成面のうちの、座面と組み合わされていない側面を加工するために用いられるNCデータを作成するに際し、
    前記側面の加工始点および加工終点の各々から前記側面と平行な水平方向に所定距離離間した各加工移動端点に対し前記側面の前方に工具半径以上離間した所定範囲をそれぞれアプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲とし、
    前記アプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲内について所定開始位置から始めて所定ピッチでその所定開始位置から水平方向へ離間しつつ繰り返し工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置およびリトラクト位置に決定することを特徴とする、側面加工用NCデータの作成方法。
  2. CAMシステムによって金型の構成面のうちの、座面と組み合わされた側面を加工するために用いられるNCデータを作成するに際し、
    前記側面の加工始点および加工終点の各々から前記側面に対し直角方向の前方に前記座面上で最も離れた各位置から前記側面と平行な水平方向に所定距離離間した各加工移動端点に対し前記側面の前方に工具半径以上離間した所定範囲をそれぞれアプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲とし、
    前記アプローチ位置範囲およびリトラクト位置範囲内について所定開始位置から始めて所定ピッチでその所定開始位置から水平方向へ離間しつつ繰り返し工具形状モデルと金型形状モデルの干渉物との干渉チェックを行って、干渉が生じなかった最初の位置をアプローチ位置およびリトラクト位置に決定することを特徴とする、側面加工用NCデータの作成方法。
  3. 前記所定開始位置は、前記加工移動端点から、前記側面に対し直角方向の前方に工具半径以上の所定距離離間した位置であることを特徴とする、請求項1または2記載の側面加工用NCデータの作成方法。
  4. 前記干渉チェックは、前記所定開始位置を通って前記側面と平行に延在する水平な直線上で前記所定開始位置からその直線に沿う一方向およびそれと逆の方向に交互に前記所定ピッチずつ離間しながら繰り返すことを特徴とする、請求項3記載の側面加工用NCデータの作成方法。
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