JP2007061935A - 工具の加工パスデータ生成方法及び加工パス生成プログラム - Google Patents

工具の加工パスデータ生成方法及び加工パス生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 工具折損を防止すると共に要求される加工精度を得ることが出来る加工パスを生成するための工具の加工パスデータ生成方法等を提供する。
【解決手段】 本発明は、ワークを製品に加工する工具の加工パスデータ生成方法であって、ワーク形状、製品形状、工具形状、及び、要求加工精度に基づく基準切り込み量により基本加工パスを生成し(S28)、基本加工パスから工具移動方向を算出し(S7)、複数の加工領域を規定した工具モデルを生成し(S8)、加工領域毎の切削量を算出すると共に加工領域毎の切削量及び工具移動方向による所定の加工パターンを生成し(S9)、データベースに格納した加工負荷が許容される複数の基準加工パターンに所定の加工パターンが含まれているとき(S11)、要求加工精度を得ることが出来る加工条件及び所定距離の基本加工パスを所定距離の加工パスデータとして生成する(S49)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、加工パスデータ生成方法等に係り、特に、回転する工具によりワークを製品に加工するための工具の加工パスデータを生成する工具の加工パスデータ生成方法等に関する。
一般に、NC工作機械を用いてエンドミルなどの回転工具によりワーク(被加工対象物)を切削加工して製品形状に仕上げる場合、工具の移動軌跡を示す加工パスを設定する。このような加工パスは、図18に示す従来のNCデータ生成プロセスのように、主に、ワークの形状に関するワークモデル、製品の形状に関する製品モデル、ツール(使用する工具及びホルダ)情報及びこのツール情報から得られる基準切り込み量情報から軌跡を生成している。
このように得られた加工パスは、実際の加工時における加工負荷を考慮したものではないので、工具折損によるNC機械の稼働率低下や手戻りが生じていた。そのため、従来は、得られた加工パスによる試加工を行い、作業者が、工具の折損や過度な摩耗等の有無、或いは、加工精度を確認すると共に、工具のワークへの当たり方などを見て加工負荷の大きさを判断していた(目視による切削負荷判定)。そして、作業者は、経験やノウハウに基づいて、加工パスを手動で修正或いは追加をし、さらに、切削速度などの加工条件を決定し、NCデータを得ていた(手動編集)。
一方、特許文献1には、被加工対象物を複数の加工部位として識別し、これらの加工部位別に、加工に関する要件として面精度、公差、被加工物の剛性などを属性定義し、この属性定義を基に加工部位毎に各種工具による加工手順パターンを設定してNCデータを作成する方法が開示されている。
特開2001−092514号公報
しかしながら、上述した作業者の経験やノウハウに基づいて加工パスを修正或いは追加する場合には、その修正や追加に多大な時間がかかっていた。また、加工精度を得るために切り込み量を小さくすると、加工パスの本数が増えてしまうという問題もあった。さらに、切削量や切削方向などの複数の要素が切削負荷に影響を与えるので、適切な加工パスや加工条件を設定することが難しいという問題もあった。
また、特許文献1の方法は、面精度を考慮して加工パスを作成するものであるが、実際の加工時には、工具のワークへの当たり方によっては、加工負荷が増大し、要求される面精度が得られない場合がある。このように、特許文献1の方法では、加工負荷を考慮して加工パスを作成するものではないので、最終的に得られた加工パスを手動で修正或いは追加をする必要が依然として必要なものであった。
これらの問題に対し、本発明者は、加工負荷に大きく影響を与える要因を抽出すると共にそれを基に上述した問題を解決することを試みた。このように、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、工具折損を防止すると共に要求される加工精度を得ることが出来る加工パスを生成するための工具の加工パスデータ生成方法等を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明は、回転する工具によりワークを製品に加工するための工具の加工パスデータを生成する工具の加工パスデータ生成方法であって、ワークのワーク形状データ、製品の製品形状データ、工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により基本加工パスを生成するパスデータ生成工程と、その基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する移動方向算出工程と、複数の加工領域が規定された工具モデルを工具形状データに基づいて生成する工具モデル生成工程と、その工具モデル、ワーク形状データ及び基本加工パスにより、基本加工パスの所定距離毎に、工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する切削量算出工程と、この切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された所定距離における加工パターンを生成する加工パターン生成工程と、工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンをデータベースに格納する基準加工パターン格納工程と、このデータベースに格納された複数の基準加工パターンに、加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき基本加工パスの所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する加工負荷許容判定工程と、この加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されると判定されたとき、加工パターンを含む基準加工パターンから、要求加工精度を得ることが出来る加工条件を選定し、この選定された加工条件及び所定距離の基本加工パスを所定距離の加工パスデータとして生成する加工パスデータ生成工程と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、加工負荷が許容されるパターンとして複数の基準加工パターンが規定され、それらの基準加工パターンに基本加工パスによる加工パターンが含まれるとき、その基本加工パスが加工パスデータとして生成されるので、工具折損や加工精度の悪化を防止することが出来る。さらに、その基準加工パターンから、要求加工精度を得ることが出来る加工条件が選定され、この選定された加工条件及び基本加工パスが加工パスデータとして生成されるので、その加工パスによる加工の加工精度を保証することが出来る。このように、本発明によれば、工具折損を防止すると共に要求される加工精度を得ることが出来る加工パスデータを生成することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、加工条件は、1刃当たりの切削体積及び切削速度の各条件により構成されている。
このように構成された本発明においては、要求される加工精度をより確実に得ることが出来る加工パスデータを生成することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、工具の複数の加工領域は、工具の回転軸の延びる方向に所定の間隔で分割すると共に工具の回転軸に対して放射状に所定の角度で分割した複数の領域で規定される。
このように構成された本発明においては、工具の加工領域を工具の回転軸の延びる方向に所定の間隔で分割することで、工具の周速の違いを考慮することが出来、さらに、工具の加工領域を、工具の回転軸に対して放射状に所定の角度で分割することで、アップ・ダウンカットの違いを考慮することが出来る。従って、工具のワークへの当たり方を含む様々な加工態様を表現することが出来、その結果、加工負荷が許容されるか否かの判定をより精度良く行うことが出来る。
また、本発明は、回転する工具によりワークを製品に加工するための工具の加工パスデータを生成する工具の加工パスデータ生成方法であって、ワークのワーク形状データ、製品の製品形状データ、工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により基本加工パスを生成する基本加工パス生成工程と、その基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する移動方向算出工程と、複数の加工領域が規定された工具モデルを工具形状データに基づいて生成する工具モデル生成工程と、その工具モデル、ワーク形状データ及び基本加工パスにより、基本加工パスの所定距離毎に、工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する切削量算出工程と、この切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された所定距離における加工パターンを生成する加工パターン生成工程と、工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンをデータベースに格納する基準加工パターン格納工程と、このデータベースに格納された複数の基準加工パターンに、加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき基本加工パスの所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する加工負荷許容判定工程と、この加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されないと判定されたとき、基本加工パスの一つ前に加工負荷が低減するように追加するパスの追加加工パスデータを生成する追加加工パスデータ生成工程と、その追加加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する第2の移動方向算出工程と、工具モデル、ワーク形状データ及び追加加工パスにより、追加加工パスの所定距離毎に、工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する第2の切削量算出工程と、この第2の切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、第2の移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された追加加工パスの所定距離における追加の加工パターンを生成する第2の加工パターン生成工程と、データベースに格納された複数の基準加工パターンに、第2の加工パターン生成工程により生成された追加の加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき追加加工パスの所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する第2の加工負荷許容判定工程と、この第2の加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されると判定されたとき、第2の加工パターン生成工程により生成された追加の加工パターンを含む基準加工パターンから、要求加工精度を得ることができる加工条件を選定し、この選定された加工条件及び所定距離分の追加加工パスを所定距離における加工パスデータとして生成する第2の加工パスデータ生成工程と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、加工負荷が許容されるパターンとして複数の基準加工パターンが規定され、それらの基準加工パターンに追加加工パスによる加工パターンが含まれる場合に、その追加加工パスが加工パスデータとして生成されるので、工具折損や加工精度の悪化を防止することが出来る。さらに、その基準加工パターンから、要求加工精度を得ることが出来る加工条件が選定され、この選定された加工条件及び基本加工パスが加工パスデータとして生成されるので、その加工パスによる加工の加工精度を保証することが出来る。特に、本発明においては、加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されないと判定されたとき、基本加工パスの一つ前に加工負荷が低減するような追加加工パスを生成しているので、工具折損を防止すると共に要求される加工精度を得ることが出来る加工パスデータを得ることが出来る。
また、本発明は、回転する工具によりワークを製品に加工するための工具の加工パスデータを生成する工具の加工パスデータ生成方法であって、ワークのワーク形状データ、製品の製品形状データ、工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により基本加工パスを生成するパスデータ生成工程と、その基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する移動方向算出工程と、複数の加工領域が規定された工具モデルを工具形状データに基づいて生成する工具モデル生成工程と、その工具モデル、ワーク形状データ及び基本加工パスにより、基本加工パスの所定距離毎に、工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する切削量算出工程と、この切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された所定距離における加工パターンを生成する加工パターン生成工程と、工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンをデータベースに格納する基準加工パターン格納工程と、このデータベースに格納された複数の基準加工パターンに、加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき基本加工パスの所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する加工負荷許容判定工程と、この加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されないと判定されたとき、基本加工パスの一つ前に基本加工パスの加工負荷を低減させるために追加するパスの追加加工パスデータを生成する追加加工パスデータ生成工程と、工具モデル、ワーク形状データ及び追加加工パスデータにより、追加加工パスによる加工後のワークの形状データを生成する加工後ワーク形状データ生成工程と、工具モデル、加工後ワーク形状データ及び基本加工パスにより、基本加工パスの所定距離毎に、工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する第2の切削量算出工程と、この第2の切削量算出工程で算出された加工領域毎の切削量、及び、移動方向算出工程で算出された工具の移動方向により構成された所定距離における加工パターンを生成する第2の加工パターン生成工程と、データベースに格納された複数の基準加工パターンに、第2の加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき基本加工パスの所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する第2の加工負荷許容判定工程と、この第2の加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されると判定されたとき、第2の加工パターン生成工程により生成された加工パターンを含む基準加工パターンから、要求加工精度を得ることができる加工条件を選定し、この選定された加工条件及び所定距離の基本加工パスを所定距離の加工パスデータとして生成する第2の加工パスデータ生成工程と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、加工負荷が許容されるパターンとして複数の基準加工パターンが規定され、それらの基準加工パターンに基本加工パスによる加工パターンが含まれる場合に、その基本加工パスが加工パスデータとして生成されるので、工具折損や加工精度の悪化を防止することが出来る。さらに、その基準加工パターンから、要求加工精度を得ることが出来る加工条件が選定され、この選定された加工条件及び基本加工パスが加工パスデータとして生成されるので、その加工パスによる加工の加工精度を保証することが出来る。特に、本発明においては、加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されないと判定されたとき、基本加工パスの一つ前に基本加工パスの加工負荷を低減させる追加パスを生成し、その追加パスによる加工後のワークに対して基本加工パスの加工パターンを生成し、その加工パターンから加工負荷が許容されるか否かを判定し、加工負荷が許容されるとき、その基本加工パスが加工パスデータとして生成されるので、工具折損を防止すると共に要求される加工精度を得ることが出来る加工パスデータを得ることが出来る。なお、追加パスにおいても、基本加工パスと同様に、移動方向を算出し、工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出し、加工パターンを生成し、加工負荷の許容判定を行い、加工負荷が許容されるときに追加パス及び要求加工精度を得ることが出来る加工条件を加工パスデータとして生成すれば、工具折損を防止すると共に要求される加工精度を得ることが出来る加工パスデータを得ることが出来る。
また、本発明による加工パス生成プログラムは、回転する工具によりワークを製品に加工するための工具の加工パスデータをデータベースに格納された所定のデータを用いて生成する工具の加工パスデータ生成用コンピュータのための加工パス生成プログラムであって、ワークのワーク形状データ、製品の製品形状データ、工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により予め生成された基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出させ、複数の加工領域が規定された工具モデルを工具形状データに基づいて生成させ、その工具モデル、ワーク形状データ及び基本加工パスにより、基本加工パスの所定距離毎に、工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出させ、この算出された加工領域毎の切削量及び算出された工具の移動方向により構成された所定距離における加工パターンを生成させ、予めデータベースに格納され工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンに、生成された加工パターンが含まれているか否かを判定させ、含まれているとき基本加工パスの所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定させ、加工負荷が許容されると判定されたとき、加工パターンを含む基準加工パターンから、要求加工精度を得ることが出来る加工条件を選定させ、この選定された加工条件及び所定距離の基本加工パスを所定距離の加工パスデータとして生成させるように、工具の加工パスデータ生成用コンピュータを制御する。
本発明によれば、工具折損を防止すると共に要求される加工精度を得ることが出来る加工パスを生成することが出来る。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、本実施形態による加工パスデータ生成機能を有するNCデータ生成システムについて説明する。図1は、本実施形態による加工パスデータ生成機能を有するNCデータ生成システムの概略構成図である。
図1に示すように、NC工作機械(数値制御工作機械)1には、NCデータ生成システム2が接続され、このNCデータ生成システム2は、CPU、メモリ、ディスプレイ、キーボードなど(図示せず)を含むコンピュータ4及びデータベース6を備えている。コンピュータ4には、データベース6に格納された、後述する加工パス生成プログラム及び切削負荷判定プログラムを含むNCデータ生成プログラムが読み込まれる。NC工作機械1には、コンピュータ4により生成されたNCデータ(数値制御データ)が入力され、NC工作機械1は、そのNCデータに基づいて作動する。また、データベース6には、製品やワークのモデルデータや、工具やホルダに関するツールデータなどが格納され、また、このデータベース6には、後述する基準切削パターンに関する切削パターンデータベース及び軌跡生成情報データに関する軌跡生成情報データベースが含まれる。
ここで、図2により、本実施形態による加工パスデータの生成プロセスの概略を説明する。図2に示すように、本実施形態では、ワークモデル、製品モデル、使用する工具及びホルダの組み合わせに関するツール情報及びこのツール情報から得られる基準切り込み量から、従来と同様に、例えば公知のソフトウェアを用いて軌跡(加工パス)を生成する。さらに、本実施形態では、この軌跡、ツール情報及びワークモデルにより、工具がどのようにワークに当たりながら加工するかを表す所定の切削パターンをシミュレーションにより生成する。そして、生成した切削パターンが加工負荷の観点で加工OKか否かを、所定の基準切削パターン(加工負荷が許容出来るか否かを規定した複数の切削パターン)により判定すると共に、所定の加工条件データに基づいて加工精度に応じた加工条件を決定する。そして、それらの結果を基に加工負荷が許容される軌跡を自動的に生成し、NCデータを得る。
先ず、図3乃至図8により、データベースに格納された基準切削パターンデータについて説明する。
図3は、切削負荷に影響を与える要素を説明するための図であり、図4は、工具の切削ポジションを説明する図であり、図5は、切削パターンを定義するための工具移動方向及び工具の基準移動距離を説明するための図であり、図6は、データベースに格納された基準切削パターンデータの一例を示す図であり、図7は、基準切削パターンで表現可能な加工形態の例を示す図であり、図8は基準切削パターンの取得例を示す図である。
先ず、ボールエンドミルで自由曲面を切削する際の切削負荷に影響を与える要素を説明する。本実施形態では、切削負荷に大きく影響を与える要素として、図3(a)〜(d)に示す4つの要素を抽出し、後述するように、これらの4つの要素のそれぞれの違いを表現することが出来る基準切削パターンを設定するようにしている。
第1の要素(図3(a))は、単位移動距離当たりの切削体積・切削面積であり、一般に、切削体積や切削面積が大きい程、加工負荷が大きくなる。
第2の要素(図3(b))は、切削周速度であり、工具刃先の高さ方向の位置によって加工負荷が異なる。例えば、一般に、周速が高い部分ほど、切削力が大きくなり、加工負荷が小さい。
第3の要素(図3(c))は、工具の回転軸に対する角度で規定される工具移動方向(工具のZ平面での移動方向)である。即ち、一般に、回転軸と同一且つ上方に移動する掛けあがり加工、斜め上方或いは下方に移動する加工、回転軸に対して垂直方向に移動する等高線加工、回転軸と同一且つ下方に移動する突き加工など、工具移動方向によって加工負荷が異なる。
第4の要素(図3(d))は、アップカット及びダウンカットであり、工具のXY平面での移動方向に対して定められる。図3(d)に示すように、一般に、工具移動方向に対する左右両側では、それらの切削特性の違いにより、切削量や加工負荷が異なる。
次に、本実施形態では、これらの切削負荷要素をパターン化して表現するために、以下のような定義をしている。
先ず、図4に示すように、工具を、その周速の異なる複数の領域(V1〜Vx)に分割すると共にアップ・ダウンカット領域を複数の領域(C1〜C16)に分割して規定される工具切削ポジションを定義する。つまり、工具を高さ方向(回転軸の延びる方向)に所定の間隔で複数の領域に分割すると共に、回転軸から同じ角度で放射状に分割して円周方向に複数の領域に分かれるようにしている。アップ・ダウンカット分割領域は、工具の移動方向を基準に、工具が右回転であることを前提に、C1〜C8の領域がアップカット領域、C9〜C16がダウンカット領域となるように定義されている。このようにして、複数の切削ポジション、即ち、工具がワークに当たる領域をV1C1〜VxC16で規定する。
次に、図5(a)に示すように、工具の移動方向を、工具の回転軸に直交する方向に対する角度で定義する。ここでは、下方への移動が正、上方への移動が負としている。次に、図5(b)に示すように、工具の基準移動距離を定義する。例えば、「1mm」とする。
次に、図6(b)及び図7により、これらの定義に基づいて設定された基準切削パターンを説明する。
図6(b)に示すように、基準切削パターンは、図4に示す各切削ポジション(V1C1〜VxC16)毎の切削量と、工具移動方向とで規定したものであり、複数のパターン(A〜)が設定されている。各切削ポジションの切削量は、上述した基準移動距離(図5(b)参照)毎の切削量として規定されている。
ここで、実際には、様々な加工の態様がある。例えば、図7(a)に示すアップカットのみの加工では、C9〜C16の記号を含む切削ポジションでの切削量は0であり、C1〜C8の記号を含む切削ポジションでの切削量が所定の数値を有することになる。また、図7(b)に示す接触面積の広い加工では、例えば、C1〜C4、C13〜C16の記号を含む切削ポジションでの切削量が所定の数値を有し、図7(c)に示す先端で突く加工では、V1の記号を含む切削ポジションでの切削量が所定の数値を有することになる。
これに対し、図6(b)に示す基準切削パターンは、各切削ポジション毎の切削量がそれぞれ数値範囲として規定され、どのような態様の加工でも、それらの基準切削パターンのいずれかに当てはまるように規定されている。このように、各切削ポジション毎の切削量をパターン化することにより、上述した加工負荷に影響を与える第1、第2及び第4の要素のそれぞれの違いをパターン化して表現することが出来る。第3の要素である工具移動方向(図3(c)参照)は、直接、工具移動方向で規定される。各パターン毎に工具移動方向を規定することにより、例えば、同じV1C1の加工領域でも、その工具移動方向により加工負荷が変わることを考慮することが出来る。
このように基準切削パターンにより、様々な切削態様を表すことが出来る。
また、図6(b)に示すように、これらの各パターンに対して、加工OK或いは加工NGの判定データが付加されている。この判定データは、各パターンに該当する加工をした場合に、工具折損や加工精度悪化が生じないような加工負荷が許容出来る範囲である場合に加工OKであり、工具折損や加工精度悪化が生じるような加工負荷が大きい場合が加工NGであるとして規定されている。
ここで、ワークの材質やツールにより、加工負荷は異なる。そこで、図6(b)に示すような複数の基準切削パターンは、図6(a)に示すように、ワーク材質(被削材質)及びツール毎にそれぞれ規定されている。被削材質は、所定の分類(Ma、Mbなど)に分けられている。また、ツールは、工具とホルダの組み合わせにより所定の分類(Ta、Tbなど)に分けられている。
つまり、図6(a)に示す被削材質及びツールのそれぞれの組み合わせに対応して、切削量や加工判定結果が異なる基準切削パターンセット(基準切削パターンAなど複数の基準切削パターンで構成)が設定されている。このように、データベース6に格納された切削パターンデータ(基準切削パターンデータベース)は、被削材質及びツールを定める第1階層(図6(a))と、基準切削パターンを定める第2階層(図6(b))と、後述する加工精度及び加工条件を定める第3階層(図6(c))とで構成されている。
ここで、図8により、切削パターン及びその加工判定結果のデータの構築の仕方を説明する。
例えば、図8(a)に示すように、落ち込み部を有する溝形状を実際に切削する場合に、作業者が目視で確認し、落ち込み部の一部(移動距離14〜15mmの部分)において工具折損或いは加工精度の悪化が認められたとする。その場合、シミュレーションとして、ワーク形状の3次元座標データ(ワークモデル)、工具形状の3次元座標データ(工具モデル)、及び、NC軌跡データの各座標値から、その工具モデルをNC軌跡に沿って移動させたときに、工具モデルとワークモデルとの重なり合う部分の体積を算出する。工具モデルは、図4に示す各切削ポジションが規定されたものであり、シミュレーションにより、各切削ポジション毎に切削量を算出する。
図8(b)及び(c)にシミュレーション結果の一部を示すように、作業者により加工NGと判定された移動距離14〜15mmの部分において、V1C16等のいくつかの切削ポジションで切削量が多くなり、また、工具移動方向が30度であることが分かる。そして、図8(c)に示すように、移動距離毎に、加工がOKのパターンとNGのパターンが得られる。
図6(b)に示す基準切削パターンは、このようなデータを過去の事例や実験例をもとにデータベース化したものである。ここで、本実施形態による基準切削パターンは、上述したように、各切削ポジション毎の切削量を所定の数値範囲で規定したものである。言い換えれば、加工OKとなる切削量の許容値を各ポジション毎に規定したものである。このように、切削量を所定の数値範囲で規定することで、基準切削パターンのデータの増大を抑制することが出来る。そして、実際に加工を行う毎に、シミュレーションを行って上述したようなデータを取得し、そのデータに作業者の目視による加工判定結果を織り込むことで、基準切削パターンのデータの精度をさらに向上させることが出来る。
次に、図6(c)により、加工条件データについて説明する。この加工条件データは、NCデータとして、切削パターンに応じた最適な加工条件を設定するためのものであり、基準切削パターンデータベースを構成するデータの一部である。
図6(c)に一例を示すように、加工条件データは、加工精度と、その加工精度を得ることが出来る加工条件を規定したものである。本実施形態では、加工条件として、一刃体積及び切削速度を規定している。一刃体積とは、一刃で切削することが出来る体積であり、2つの刃を有する工具であれば半回転分での切削体積となる。これらの一刃体積及び切削速度から、工具の回転数及び工具送り速度(移動速度)が求められる。
このような加工条件データは、加工OKである基準切削パターンに対してそれぞれ割り当てられている。そして、加工精度は、そのパターンでの加工において保証可能な加工精度として設定されている。つまり、工具の当たり方(加工ポジション毎の切削量と工具移動方向)が加工負荷の観点でOKであっても、加工精度が保証できないとき、例えば、荒取り用の加工精度は得られるが、仕上げ用の精度が確保できない場合には、その荒取り用の加工精度のみについて設定されている。
このように、各基準切削パターンに対して、所定の加工精度を得ることが出来る加工条件(一刃体積、切削速度)のデータが設定されているので、これを後述するように加工パスのNCデータに織り込むことで、加工が安定すると共に加工精度を確保することが出来る。
次に、図9により、本実施形態による基準切削パターンを用いた切削負荷判定処理について説明する。本実施形態では、この処理により、NC軌跡が、加工負荷を許容出来るものであるか否かを判定すると共にその軌跡による加工後のワークの形状データを生成するようにしている。図9は、本実施形態による加工軌跡の切削負荷判定処理を示すフローチャートである。
先ず、S1において、データベース或いはメモリに予め格納されたデータから、加工対象とする材料ソリッド(ワークモデル)及び被削材質の材質情報を読み込む。材料ソリッドは、削り出す前のワークの形状を表す3次元の座標データで構成され、材質情報は、上述した所定の分類(Ma、Mbなど)で分けられ、ワークの硬度、材質に関するデータを含んでいる。
次に、S2において、S1で読み込んだ材料ソリッドを、以下のステップにおける最初の処理対象に設定する。後述するように、処理が進む毎に処理対象を随時入れ替えて処理を進めるようにしている(S14)。
次に、S3において、データベース或いはメモリに予め格納されたデータから、加工を行うツールのツール情報を読み込む。ツール情報は、上述した所定の分類(Ta、Tbなど)で分けられた工具とホルダの組み合わせであり、工具の形状や種類に関するデータと、その工具のホルダに関するデータを含んでいる。
次に、S4において、データベース或いはメモリに予め格納されたデータから、製品に要求される加工精度に関する加工精度情報を読み込む。
なお、S1、S2及びS4においては、各データを作業者が任意に入力しても良い。
次に、S5において、NC軌跡(加工パス)のデータを読み込む。ここでは、複数のNC軌跡がある場合、判定対象とするNC軌跡を1本分読み込む。このS5では、予め生成され、コンピュータのメモリ或いはデータベース6に格納されたNC軌跡を読み込む。
次に、S6において、S5で読み込んだNC軌跡において、その始点から基準移動距離分の区間を処理の対象区間として設定し、その対象区間のNC座標をNC軌跡データから選定する。基準移動距離は、上述したように予め設定されている(図5(b)参照)。
次に、S7において、S6で選定した対象区間のNC座標から、工具移動方向(加工方向)を算出する。工具移動方向は、XY平面における工具の移動方向に関する数値と、Z平面における移動方向として工具回転主軸に対する角度の数値とで規定される。工具回転主軸に対する角度の数値は、上述した図5(a)のように定められる。
次に、S8において、S7で算出したXY平面における工具移動方向を基準にして、S3で読み込んだツール情報を基に分割工具モデルを生成する。具体的には、工具モデル(図12(a)参照)は、工具形状を表す3次元座標データと、図4に示すような切削ポジションを規定するデータとで構成される。つまり、この分割工具モデルでは、図4に示すように、C1〜C8がアップカットの加工領域、C9〜C16がダウンカットの加工領域となるようにモデル化される。
次に、S9において、シミュレーションにより、S8で生成した工具モデルの切削ポジション毎の切削量を算出すると共に対象区間における区間切削パターンを生成する。
具体的には、シミュレーションとして、S1で読み込んだ材料ソリッドの3次元座標データと、S8で生成した工具モデルの3次元座標データと、NC軌跡データとにより、その工具モデルを対象区間で移動させたときの工具モデルと材料ソリッドとの重なり合う部分の体積(切削量)を、各切削ポジション毎に算出する。そして、各切削ポジション毎の切削量と、S7で算出したZ方向の移動方向(具回転主軸に対する角度の数値)とで構成した、この対象区間における切削パターン(区間切削パターン)を生成する。
次に、S10において、基準切削パターンデータベース(図6参照)から、S1で読み込んだ材質情報の被削材質及びS3で読み込んだツール情報のツールに対応する基準切削パターンセット(図6(a)参照)を選定し、さらに、その基準切削パターンセット内から、S9で生成した区間切削パターンが該当する基準切削パターン(例えば図6(b)に示すパターンA)を選定すると共に読み込み、さらに、その基準切削パターンに対応する加工条件データセット(図6(c)参照)を読み込む。区間切削パターンが該当する基準切削パターンとは、基準切削パターンの各切削ポジション毎の切削量及び工具移動方向の各許容値に、区間切削パターンの各切削量及び工具移動方向が全て含まれる場合である。
次に、S11において、区間切削パターンが加工OKか否かを、S10で読み込んだ基準切削パターンに付加された判定データにより判定する。なお、基準切削パターンデータベースを加工判定がOKのパターンのみで構成し、区間切削パターンが該当する基準切削パターンを選定することが出来ない(パターンが無い)場合に、加工NGと判定するようにしても良い。
S11において、加工判定がOKの場合には、S12に進み、S11で読み込んだ加工条件データの中に、S4で読み込んだ要求加工精度に該当する加工精度が含まれているか否かを判定する。
含まれている場合には、S13に進み、その要求加工精度を得ることが出来る加工条件(一刃体積と切削速度)(図6(c)参照)を選定し、その選定した加工条件を対象区間に記録する。具体的には、その選定した加工条件のデータを、S5で読み込んだNC軌跡データの対象区間のデータに付加する。
次に、S14に進み、対象区間を加工した後の材料ソリッドを処理対象に設定する。この加工後の材料ソリッドは、S9のシミュレーションにより得られる。つまり、S1で読み込んだ材料ソリッドから、工具モデルを対象区間で移動させたときの工具モデルと材料ソリッドとの重なり合う部分を除いた形状が加工後の形状であり、この形状を表す3次元座標データを加工後の材料ソリッドとして生成する。
次に、S15において、次のNC座標、即ち、次の基準移動距離分のNC軌跡データがあるか否かを判定する。
次のデータがある場合には、S16に進み、前回処理した対象区間(最初は、S6で設定された対象区間)の終点から基準移動距離分を新たな処理の対象区間として再設定し、その新たな対象区間のNC座標をNC軌跡データから選定する。
そして、このS16で再設定された対象区間のNC軌跡、及び、S14で処理対象として設定された加工後の材料ソリッドについて、上述した処理と同様にS7乃至S15の処理を繰り返す。
S5で読み込んだNC軌跡の全範囲にわたってS7乃至S15の処理が行われるとS17に進む。このS17では、S5で読み込んだNC軌跡での切削パターンがOKであることを示す信号を出力する。さらに、S14で生成した加工後の材料ソリッド(S7乃至S15の繰り返しにより、NC軌跡の全範囲について加工が終了した材料ソリッドとなっている)のデータを出力し、この処理フローを終了する。
ここで、S11において区間切削パターンがNGである場合、或いは、S12において加工条件の中に要求加工精度に該当する加工精度が含まれていない場合には、S18に進み、切削パターンがNGであることを示す信号を出力し、処理フローを終了する。
なお、S17及びS18において、「出力」とは、信号や材料ソリッドデータをメモリ等に記憶させることや、図10及び図11に示す処理ステップへ受け渡すことである。なお、モニター装置などに表示させる信号やデータとしても扱うことが出来る。
次に、図10乃至図17により、本実施形態によるNC加工パスデータの生成処理について説明する。本実施形態では、この処理により、図9に示す切削付加判定処理を用いて軌跡の切削負荷を判定すると共に加工精度を保証することが出来るNCデータを生成するようにしている。
図10は、本実施形態によるNC加工パスデータの生成処理の前半部分を示すフローチャートであり、図11は、その後半部分を示すフローチャートであり、図12は、製品モデル及び工具モデルを示す斜視図(a)及びワークモデルを示す斜視図(b)であり、図13は、軌跡生成情報データベースに格納されたデータの一例を示す図であり、図14は、生成された複数の基本NC軌跡を示す図であり、図15乃至図17は、それぞれ、追加軌跡について説明するための図である。
先ず、図10に示すように、S21において、データベース或いはメモリに予め格納された製品モデルを読み込む。製品モデルは、製品の形状を表す3次元の座標データで構成される。次に、上述した図9のS1、S3及びS4と同様に、S22において材料ソリッド(ワークモデル)及び被削材質の材質情報を読み込み、S23においてツール情報を読み込み、S24において要求される加工精度情報を読み込む。ここでは、図12(a)に示すような形状の製品モデル及び工具モデル、及び、図12(b)に示すような形状の材料ソリッドとする。なお、S21乃至S24においては、各データを作業者が所定の入力装置により任意に入力しても良い。
次に、S25において、材料ソリッド格納領域としてバッファ1及びバッファ2を定義する。即ち、コンピュータのメモリに、材料ソリッドのデータを格納する領域を確保する。以下の処理フローにおいては、このバッファ1に格納される材料ソリッドが常に処理対象となるように設定されている。
次に、S26において、S22で読み込んだ材料ソリッドのデータをバッファ1及びバッファ2のそれぞれに格納する。
次に、S27において、軌跡生成情報データベースに格納された軌跡生成条件を読み込む。
ここで、図13により、軌跡生成情報データベースを説明する。先ず、図13(a)に示すように、軌跡生成条件データベースは、第1階層として、所定の分類(Ma、Mbなど)に分けられたワーク材質(被削材質)、及び、所定の分類(Ta、Tbなど)に分けられたツールの組み合わせに対し、それぞれ、軌跡生成条件が設定されている。次に、図13(b)に示すように、それらの軌跡生成条件が、第2階層として設定されている。軌跡生成条件は、加工精度と、その加工精度に対応して規定された基準切り込み量及び後述する調整下限値とで構成されている。基準切り込み量として、XY方向の切り込み量とZ方向の切り込み量とが設定されている。
このS27では、このような軌跡生成情報データベースの中から、S22で読み込んだ材質情報の被削材質及びS23で読み込んだツール情報のツールの組み合わせに該当する軌跡生成条件を選定し、さらに、S24で読み込んだ要求加工精度に対応する加工精度を選定し、さらに、その加工精度に対応する基準切り込み量及び調整下限値を読み込む。
次に、S28において、S21で読み込んだ製品モデル、S22で読み込んだ材料ソリッド、及び、S23で読み込んだツール情報の各座標データと、S27で読み込んだ基準切り込み量(XY方向及びZ方向)のデータとを基にして基本NC軌跡のデータを生成する。このS28では、この基本NC軌跡データを、公知のソフトウエアにより生成するようにしている。ここでは、図14に示すように、9本の基本NC軌跡が生成されている。
次に、S29において、S28で生成した基本NC軌跡のうち、1本目の基本NC軌跡を選定すると共に処理を行う対象とする対象軌跡として設定する。
次に、図11に示すように、S30において、対象軌跡による切削パターンの加工判定を行う。具体的には、このS30において、対象軌跡による加工が切削負荷を許容出来る加工であるか否かを、上述した図9に示す処理フローを用いて判定する。
ここで、図9に示すS1、S3及びS4においては、S22乃至S24で読み込んだ各データが、メモリなどへの各データの格納及び読み込みにより受け渡されるようになっている。また、S5で読み込むNC軌跡は、S29で設定した対象軌跡となるように設定されている。そして、上述したようなS7乃至S18の処理により、対象軌跡の加工判定(S11、S12)、対象軌跡による加工後の材料ソリッドの出力(S17)、対象軌跡の切削パターンがOK或いはNGの信号の出力(S17、S18)が行われる。
このS30において、対象軌跡の切削パターンがOKである場合には、S31に進み、S17(図9参照)で生成した対象軌跡による加工後の材料ソリッドを、バッファ1及びバッファ2のそれぞれに格納する。
次に、S32において、次の基本NC軌跡があるか否かを判定し、ある場合には、S33に進む。S33においては、次の基本NC軌跡を選定すると共に対象軌跡として設定する。その後、S30において対象軌跡の切削パターンがNGとならない限り、S28で生成した全ての基本NC軌跡について、S30乃至S33の処理が繰り返される。
次に、S30において、対象軌跡の切削パターンがNGと判定された場合には、以下に説明するS34乃至S48の処理に進む。これらの処理では、主に、その加工NGとなった対象軌跡における加工負荷が減少するように、今回の軌跡(対象軌跡)の一つ前に軌跡を追加して、切り込み量を減少させるようにしている。そして、最終的に、加工NGとなった対象軌跡及び追加軌跡の両方が加工OKとなるようにしている。以下、このような処理内容を説明する。
先ず、S34において、加工NGとなった対象軌跡を修正軌跡、即ち、修正すべき軌跡として設定する。以下の説明では、加工NGとなった対象軌跡が、図14に示す9番目の軌跡であるものとする。
次に、S35において、S27で読み込んだ基準切り込み量(XY方向及びZ方向)を修正切り込み量として設定し、さらに、S36において、S35で設定した修正切り込み量(XY方向及びZ方向)の1/2の値を追加切り込み量として設定する。
次に、S37において、S36で設定した追加切り込み量が、S27で読み込んだ調整下限値以上か否かを判定し、調整下限値以上であればS38に進む。
S38において、修正軌跡の前に追加軌跡を生成する。具体的には、図15に示すように、修正軌跡(9)の座標から、追加切り込み量分だけ後退させた座標位置に追加軌跡(8−2)を生成する。つまり、この追加軌跡(8−2)による加工後の材料ソリッドに対して修正軌跡(9)を加工すると、その切り込み量が追加切り込み量となるようにしている。そして、追加切り込み量を修正切り込み量より小さくすることで、修正軌跡(9)の加工負荷を減少させる(切削パターンを変える)のである。
次に、S39において、S38で生成した追加軌跡による加工後の材料ソリッドを生成し、この追加軌跡による材料ソリッドをバッファ1(処理対象を格納するバッファ)に格納する。追加軌跡による加工後の材料ソリッドは、上述したシミュレーションと同様に、軌跡(8)による加工後の材料ソリッド、追加軌跡(8−2)の軌跡データ及び工具モデルから3次元座標データとして算出する。
次に、S40において、修正軌跡による加工(追加軌跡による加工後の材料ソリッドからの加工)が、加工負荷を許容出来且つ要求加工精度を得られる加工であるか否かを判定する。このS40においても、上述したS30と同様に、図9に示す処理フローを用いて判定する。
このS40における図9の処理フローでは、S39で生成した追加軌跡による加工後の材料ソリッドが処理対象となり(S1、S2)、S5で読み込むNC軌跡は、S34で設定した修正軌跡となるように設定されている。そして、上述したようなS7乃至S18の処理により、修正軌跡の加工判定(S11、S12)、修正軌跡による加工後の材料ソリッドの出力(S17)、修正軌跡の切削パターンがOK或いはNGの信号の出力(S17、S18)が行われる。
このS40において、加工OK(S17)と判定されたときには、S41に進む。
ここで、修正軌跡(9)による加工はOKと判定されたが、追加軌跡(8−2)による加工がOKか否かが判定されていない。そこで、このS41においては、バッファ1に、バッファ2の材料ソリッドを上書き(格納)する。即ち、バッファ2には、S31において対象軌跡(9)による加工を行う前の軌跡(8)による加工後の材料ソリッドが格納されているので、これを処理対象とするのである。
次に、S42において、追加軌跡による加工(その前の軌跡による加工後の材料ソリッドからの加工)が、加工負荷を許容出来且つ要求加工精度を得られる加工であるか否かを判定する。このS42においても、上述したS30及びS40と同様に、図9に示す処理フローを用いて判定する。
このS42における図9の処理フローでは、バッファ1に格納された材料ソリッド(この場合は、軌跡(8)による加工後の材料ソリッド)が処理対象となり(S1、S2)、S5で読み込むNC軌跡は、S38で設定した追加軌跡となるように設定されている。そして、上述したようなS7乃至S18の処理により、追加軌跡の加工判定(S11、S12)、追加軌跡による加工後の材料ソリッドの出力(S17)、追加軌跡の切削パターンがOK或いはNGの信号の出力(S17、S18)が行われる。
このS42において、加工OK(S17)と判定されたとき、即ち、修正軌跡及び追加軌跡とも加工OKであるときは、S43に進み、追加軌跡及び修正軌跡の両方の加工が終了した後の材料ソリッドを、上述したシミュレーションと同様のシミュレーションにより生成し、その生成した材料ソリッドデータをバッファ1及びバッファ2に上書き(格納)する。
次に、図11、図16及び図17により、修正軌跡或いは追加軌跡の切削パターンがNGの場合の処理について説明する。
先ず、S40において修正軌跡の切削パターンがNGと判定された場合を説明する。この場合には、S40からS44に進み、S38で生成した追加軌跡を削除し、次に、S45に進み、追加切り込み量の1/2の値を追加切り込み量として設定する。即ち、追加切り込み量をさらに小さくすることで、その後のS38において、図16に示すように、修正軌跡(9)にさらに近い座標位置(追加切り込み量分だけ後退させた座標位置)に追加軌跡(8−2)を生成する。このようにして、修正軌跡による加工の加工負荷をさらに減少させる。その後、追加切り込み量が調整下限値以上である限り(S37)、S40で修正軌跡の加工がOKと判定されるまで、S38〜S40、S44、S45の処理を繰り返す。
次に、S42において追加軌跡の切削パターンがNGと判定された場合を説明する。この場合、S42からS46に進み、加工NGである追加軌跡を修正軌跡として設定する。つまり、以後のS38以降の処理において修正軌跡として扱う。
次に、S47において、修正切り込み量から追加切り込み量を引いた値を、新たに修正切り込み量として設定する。なお、この設定された切り込み量は、S42において加工NGとなった場合の追加軌跡での切り込み量と同じであり、この切り込み量を、S35と同様に、先ず、修正切り込み量として設定する。そして、S36において、その修正切り込み量の1/2の値を、新たに追加切り込み量として設定する。このように、加工NGとなった場合の切り込み量の1/2の値を切り込み量として、加工負荷を低減するようにしている。
S38では、このような追加切り込み量の設定により、図17に示すように、修正軌跡(もとの追加軌跡であり、ここでは8−3とする)に対し、追加軌跡(8−2)を生成する。そして、S39により、その追加軌跡(8−2)による加工後の材料ソリッドを生成した後、S40において、上述したように、修正軌跡(8−3)による加工の切削パターンがOKか否かを判定する。もしNGの場合には、追加切り込み量が調整下限値以上である限り(S37)、S40で修正軌跡の加工がOKと判定されるまで、S38〜S40、S44、S45の処理を繰り返す。
S40において、加工OKと判定された場合には、S42において、追加軌跡(8−2)の加工による切削パターンがOKかを判定し、加工OKの場合にはS43に進む。加工NGの場合には、S46、S47の処理に進み、上述したようにさらに軌跡を追加する処理を行う。
ここで、調整下限値について説明する。S37において、追加切り込み量に下限値を設けたのは、S36、S45或いはS47の処理により切り込み量が小さくなりすぎると、実際の加工において、軌跡の本数が非常に多くなり、加工の効率が落ちることになるので現実的ではないからである。一方、加工精度によっては、切り込み量を小さくする必要もあるので、軌跡生成条件(図13(b)参照)に、予め、加工精度毎の切り込み量の下限値(調整下限値)をそれぞれ規定したのである。
従って、S37において、追加切り込み量が調整下限値を下回った場合には、S48に進み、対象軌跡(修正軌跡)及び追加軌跡を全て削除する。この場合には、この対象軌跡で加工するはずであった部分は、他の工具により新たに軌跡を生成して加工することになる。
次に、S32において次の軌跡が無いと判定された場合、即ち、全ての軌跡について処理が終了した場合には、S49に進み、NC加工パスデータを生成する。このS49では、NC加工パスデータとして、加工OKと判定された対象軌跡、修正軌跡及び追加軌跡に関するデータと、それらの軌跡に対し図9の処理フローのS13で選定(記録)された加工条件データ(一刃体積及び切削速度の条件)とで構成されるデータを生成する。従って、このS49で生成されたNC加工パスデータによれば、要求される加工精度を満たすことが出来る加工軌跡及び加工条件でのNC加工が可能になり、その結果、工具折損を防止すると共に要求する加工精度を得ることが出来る加工パスデータを得ることが出来る。
本実施形態による加工パスデータ生成機能を有するNCデータ生成システムの概略構成図である。 本実施形態による加工パスデータの生成プロセスの概略を示す図である。 切削負荷に影響を与える要素を説明するための図である。 工具の切削ポジションを説明する図である。 切削パターンを定義するための工具移動方向及び工具の基準移動距離を説明するための図である。 データベースに格納された基準切削パターンデータの一例を示す図である。 基準切削パターンで表現可能な加工形態の例を示す図である。 基準切削パターンの取得例を示す図である。 本実施形態による加工軌跡の切削負荷判定処理を示すフローチャートである。 本実施形態によるNC加工パスデータの生成処理の前半部分を示すフローチャートである。 本実施形態によるNC加工パスデータの生成処理の後半部分を示すフローチャートである。 製品モデル及び工具モデルを示す斜視図(a)及びワークモデルを示す斜視図(b)である。 軌跡生成情報データベースに格納されたデータの一例を示す図である。 生成された複数の基本NC軌跡を示す図である。 追加軌跡について説明するための図である。 追加軌跡について説明するための図である。 追加軌跡について説明するための図である。 従来の加工パスデータの生成プロセスの概略を示す図である。
符号の説明
2 NCデータ生成システム
4 コンピュータ
6 データベース

Claims (6)

  1. 回転する工具によりワークを製品に加工するための上記工具の加工パスデータを生成する工具の加工パスデータ生成方法であって、
    上記ワークのワーク形状データ、上記製品の製品形状データ、上記工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により基本加工パスを生成する基本加工パス生成工程と、
    その基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する移動方向算出工程と、
    複数の加工領域が規定された工具モデルを上記工具形状データに基づいて生成する工具モデル生成工程と、
    その工具モデル、上記ワーク形状データ及び上記基本加工パスにより、上記基本加工パスの所定距離毎に、上記工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する切削量算出工程と、
    この切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、上記移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された上記所定距離における加工パターンを生成する加工パターン生成工程と、
    工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンをデータベースに格納する基準加工パターン格納工程と、
    このデータベースに格納された複数の基準加工パターンに、上記加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき上記基本加工パスの上記所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する加工負荷許容判定工程と、
    この加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されると判定されたとき、上記加工パターンを含む基準加工パターンから、上記要求加工精度を得ることが出来る加工条件を選定し、この選定された加工条件及び上記所定距離分の基本加工パスを上記所定距離における加工パスデータとして生成する加工パスデータ生成工程と、
    を有することを特徴とする工具の加工パスデータ生成方法。
  2. 上記加工条件は、1刃当たりの切削体積及び切削速度の各条件により構成されている請求項1記載の工具の加工パスデータ生成方法。
  3. 上記工具の複数の加工領域は、工具の回転軸の延びる方向に所定の間隔で分割すると共に工具の回転軸に対して放射状に所定の角度で分割した複数の領域で規定される請求項1又は請求項2に記載の工具の加工パスデータ生成方法。
  4. 回転する工具によりワークを製品に加工するための上記工具の加工パスデータを生成する工具の加工パスデータ生成方法であって、
    上記ワークのワーク形状データ、上記製品の製品形状データ、上記工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により基本加工パスを生成する基本加工パス生成工程と、
    その基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する移動方向算出工程と、
    複数の加工領域が規定された工具モデルを上記工具形状データに基づいて生成する工具モデル生成工程と、
    その工具モデル、上記ワーク形状データ及び上記基本加工パスにより、上記基本加工パスの所定距離毎に、上記工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する切削量算出工程と、
    この切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、上記移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された上記所定距離における加工パターンを生成する加工パターン生成工程と、
    工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンをデータベースに格納する基準加工パターン格納工程と、
    このデータベースに格納された複数の基準加工パターンに、上記加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき上記基本加工パスの上記所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する加工負荷許容判定工程と、
    この加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されないと判定されたとき、上記基本加工パスの一つ前に加工負荷が低減するように追加するパスの追加加工パスデータを生成する追加加工パスデータ生成工程と、
    その追加加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する第2の移動方向算出工程と、
    上記工具モデル、上記ワーク形状データ及び上記追加加工パスにより、上記追加加工パスの所定距離毎に、上記工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する第2の切削量算出工程と、
    この第2の切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、上記第2の移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された上記追加加工パスの所定距離における追加の加工パターンを生成する第2の加工パターン生成工程と、
    上記データベースに格納された複数の基準加工パターンに、上記第2の加工パターン生成工程により生成された追加の加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき上記追加加工パスの上記所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する第2の加工負荷許容判定工程と、
    この第2の加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されると判定されたとき、上記第2の加工パターン生成工程により生成された追加の加工パターンを含む基準加工パターンから、上記要求加工精度を得ることができる加工条件を選定し、この選定された加工条件及び上記所定距離分の追加加工パスを上記所定距離における加工パスデータとして生成する第2の加工パスデータ生成工程と、
    を有することを特徴とする工具の加工パスデータ生成方法。
  5. 回転する工具によりワークを製品に加工するための上記工具の加工パスデータを生成する工具の加工パスデータ生成方法であって、
    上記ワークのワーク形状データ、上記製品の製品形状データ、上記工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により基本加工パスを生成する基本加工パス生成工程と、
    その基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出する移動方向算出工程と、
    複数の加工領域が規定された工具モデルを上記工具形状データに基づいて生成する工具モデル生成工程と、
    その工具モデル、上記ワーク形状データ及び上記基本加工パスにより、上記基本加工パスの所定距離毎に、上記工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する切削量算出工程と、
    この切削量算出工程により算出された加工領域毎の切削量、及び、上記移動方向算出工程により算出された工具の移動方向により構成された上記所定距離における加工パターンを生成する加工パターン生成工程と、
    工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンをデータベースに格納する基準加工パターン格納工程と、
    このデータベースに格納された複数の基準加工パターンに、上記加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき上記基本加工パスの上記所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する加工負荷許容判定工程と、
    この加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されないと判定されたとき、上記基本加工パスの一つ前に上記基本加工パスの加工負荷を低減させるために追加するパスの追加加工パスデータを生成する追加加工パスデータ生成工程と、
    上記工具モデル、上記ワーク形状データ及び上記追加加工パスデータにより、上記追加加工パスによる加工後のワークの形状データを生成する加工後ワーク形状データ生成工程と、
    上記工具モデル、上記加工後ワーク形状データ及び上記基本加工パスにより、上記基本加工パスの所定距離毎に、上記工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出する第2の切削量算出工程と、
    この第2の切削量算出工程で算出された加工領域毎の切削量、及び、上記移動方向算出工程で算出された工具の移動方向により構成された上記所定距離における加工パターンを生成する第2の加工パターン生成工程と、
    上記データベースに格納された複数の基準加工パターンに、上記第2の加工パターン生成工程により生成された加工パターンが含まれているか否かを判定し、含まれているとき上記基本加工パスの上記所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定する第2の加工負荷許容判定工程と、
    この第2の加工負荷許容判定工程により加工負荷が許容されると判定されたとき、上記第2の加工パターン生成工程により生成された加工パターンを含む基準加工パターンから、上記要求加工精度を得ることができる加工条件を選定し、この選定された加工条件及び上記所定距離分の基本加工パスを上記所定距離における加工パスデータとして生成する第2の加工パスデータ生成工程と、
    を有することを特徴とする工具の加工パスデータ生成方法。
  6. 回転する工具によりワークを製品に加工するための上記工具の加工パスデータをデータベースに格納された所定のデータを用いて生成する工具の加工パスデータ生成用コンピュータのための加工パス生成プログラムであって、
    上記ワークのワーク形状データ、上記製品の製品形状データ、上記工具の工具形状データ、及び、要求される加工精度に基づいた基準切り込み量により予め生成された基本加工パスから所定距離毎に工具の移動方向を算出させ、
    複数の加工領域が規定された工具モデルを上記工具形状データに基づいて生成させ、
    その工具モデル、上記ワーク形状データ及び上記基本加工パスにより、上記基本加工パスの所定距離毎に、上記工具モデルの複数の加工領域毎の切削量を算出させ、
    この算出された加工領域毎の切削量及び上記算出された工具の移動方向により構成された上記所定距離における加工パターンを生成させ、
    予めデータベースに格納され工具の複数の加工領域毎の切削量、工具の移動方向、加工精度、及び、その加工精度を得ることが出来る加工条件により構成されると共に加工負荷が許容されるパターンとして規定された複数の基準加工パターンに、上記生成された加工パターンが含まれているか否かを判定させ、含まれているとき上記基本加工パスの上記所定距離における加工の加工負荷が許容されると判定させ、
    加工負荷が許容されると判定されたとき、上記加工パターンを含む基準加工パターンから、上記要求加工精度を得ることが出来る加工条件を選定させ、この選定された加工条件及び上記所定距離分の基本加工パスを上記所定距離における加工パスデータとして生成させるように、
    上記工具の加工パスデータ生成用コンピュータを制御する加工パス生成プログラム。
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