JP2011165065A - 送り速度制御方法および送り速度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加工中の各瞬間tにおける工具30による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に、各微小領域における加工能率Q"(w,θ,t)が設定上限値Q"set1以下となるように、工具30の被加工物15に対する相対的な送り速度Fを制御する。
【選択図】図10
Description
すなわち、請求項1に係る送り速度制御方法の発明の特徴は、工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御方法において、加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に、各前記微小領域における加工能率が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することである。
請求項3に係る発明の特徴は、前記被加工物は、凹歯と凸歯が周方向に連続して形成され、当該凹歯が相手歯車の凸歯に噛合することにより前記相手歯車との間で動力伝達可能な凹凸歯車であって、前記相手歯車の回転中心軸に対して交差する交差軸を中心として回転する歯車であることである。
請求項4に係る発明の特徴は、前記工具は、中心軸周りに回転しながら前記被加工物を研削する円盤状砥石であり、前記微小領域は、前記円盤状砥石による加工領域を前記円盤状砥石の軸方向断面の表面上に沿って分割された領域であることである。
すなわち、請求項7に係る送り速度制御装置の発明の特徴は、工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御装置において、加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に、各前記微小領域における加工能率が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することである。
工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御方法において、
加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に各前記微小領域における加工能率を算出し、
算出された前記微小領域における加工能率に、当該微小領域の法線方向単位ベクトルにおける所定方向成分を乗算し、
当該乗算値について、前記工具による加工領域に亘って積分を行い、
当該積分値が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することである。
工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御装置において、
加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に各前記微小領域における加工能率を算出し、
算出された前記微小領域における加工能率に、当該微小領域の法線方向単位ベクトルにおける所定方向成分を乗算し、
当該乗算値について、前記工具による加工領域に亘って積分を行い、
当該積分値が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することである。
被加工物を請求項3に係る発明のようにする場合には、ある瞬間におけるそれぞれの微小領域の加工能率が異なる状態となる。従って、本発明を当該被加工物に適用することで、当該被加工物に加工焼けが発生することを防止できる。
請求項5に係る発明によれば、円盤状砥石を用いた研削加工において、微小領域の加工能率を、円盤状砥石の回転位相θを考慮することなく算出することができる。従って、微小領域の加工能率を非常に容易に算出できるようになる。
なお、上述した本発明の送り速度制御方法としての他の特徴について、本発明の送り速度制御装置に同様に適用できる。この場合、同様の効果を奏する。
請求項12に係る送り速度制御装置の発明の特徴は、請求項10に係る送り速度制御方法における効果と同一の効果を奏する。
(1)工作機械の軸構成
第一実施形態の送り速度制御方法および送り速度制御装置による制御対象としての工作機械は、3つの直交する直動軸と、3つの回転軸を有する6軸構成の場合として説明する。後述するが、1つの回転軸は3つの直動軸のうち所定の直動軸に平行な軸を中心に回転する軸であり、残り2つの回転軸は他の1つの直動軸に平行な軸を中心に回転する軸である。つまり、残り2つの回転軸は、相互に平行な軸を中心に回転する軸である。
本発明の加工対象である揺動歯車が用いられる揺動型歯車装置の構成について、図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1(a)は、凸歯ピン12b,13bが、固定軸本体12aおよび出力軸本体13aに対して別体形成されている場合を示し、図1(b)は、凸歯ピン12b,13bが、固定軸本体12aおよび出力軸本体13aに対して一体形成されている場合を示す。なお、以下において、主として図1(a)を参照して説明し、図1(b)については、図1(a)と相違する点のみについて説明する。
(2.1)基本概念
次に、上述した揺動型歯車装置における内輪15(以下、「揺動歯車」と称する)の揺動凹歯15bを加工するNCプログラムの生成方法について説明する。なお、揺動歯車15の揺動凹歯15cを加工するNCプログラムの生成方法についても同様である。まず、揺動歯車15および凸歯ピン12bの三次元CADのモデルまたは数式モデルを生成する。このモデルは、揺動歯車15と固定軸12とが差動回転する動作モデルである。
(2.2)軌跡抽出工程
軌跡抽出工程について、図5(a1)(a2)(b1)(b2)(c1)(c2)を参照して説明する。図5の各図において、凸歯ピン12bの形状は、図2(a)(b)にて示す固定軸12の固定軸本体12aに対して突出している凸歯ピン12bの部分のみについて示す。つまり、図5の各図においては、凸歯ピン12bは、図2(a)(b)に示す凸歯ピン12bの共通する部分を示している。
ここで、本実施形態における工作機械は、第一〜第六の軸を有する機械構成を対象としている。つまり、本実施形態におけるNCプログラムは、上述した凸歯ピン12bの動作軌跡と同様に、3つの直動軸と3つの回転軸とにより表されている。つまり、当該座標変換工程においては、凸歯ピン12bの動作軌跡と実質的に同様の動作を行うように、3つの直動軸と3つの回転軸とを含むNCプログラムが生成される。このNCプログラムには、加工工具の円盤状ワークに対する相対的な送り速度が含まれている。
次に、本実施形態における加工工具について図8を参照して説明する。図8に示すように、本実施形態においては、トロイダル砥石30を用いることとする。ただし、凸歯ピン12bの外周形状を表現することができる加工工具であれば、トロイダル砥石30に限るものではない。
ここで、上述したような揺動凹歯15bを加工する場合には、トロイダル砥石30と円盤状ワークとの接触部位(本発明の「工具による加工領域」に相当)が、加工中の各瞬間において、複雑に変化している。例えば、ある瞬間において、トロイダル砥石30の突出部分における軸方向全体が円盤状ワークを加工していたり、また別の瞬間においては、トロイダル砥石30の突出部分における軸方向の一部のみが円盤状ワークを加工していたりする。さらに、加工中のある瞬間に着目してみると、トロイダル砥石30のうち円盤状ワークに接触して加工している加工領域の中でも、加工しようとしている体積が異なることがある。
第一実施形態においては、微小領域における加工能率Q"(w,θ,t)を、回転位相θと軸断面の表面位置wをパラメータとして説明した。これでは、微小領域における加工能率Q"(w,θ,t)を算出するのに、演算処理が非常に複雑となる。そこで、より簡易的に微小領域における加工能率を算出できる手法を以下に説明する。
次に、第三実施形態では、第二実施形態に対して、さらに、微小領域における加工能率Q'(w,t)を算出する際に、クーラントの届きにくさを表す係数C(w,t)を考慮することにする。ここで、研削加工や切削加工を行う場合には、加工により発生する熱を低減するためや、高精度に加工するために、クーラントを利用している。被加工物の形状や砥石などの工具の形状によって、クーラントが届きやすい部位と、クーラントが届きにくい部位とが存在する。クーラントが届きにくい部位では、クーラントが届きやすい部位に比べて、冷却性能が低いために、高熱となりやすい。加工焼けが発生するおそれがある。そこで、本実施形態においては、クーラントの届きにくさを表す係数C(w)を用いて、微小領域における加工能率Q'(w,t)を補正することとする。
次に、本実施形態においては、上述した実施形態を実現するための具体的な構成について、図17を参照して説明する。図17に示すように、本実施形態の送り速度制御装置としては、NCプログラム生成装置110と、NC装置120と、各種情報記憶部131〜134とを備えている。
次に、本実施形態においては、第四実施形態に対して、送り速度補正部と補間処理部との順序を逆にした構成としている。ここで、第五実施形態において、第四実施形態と同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
次に、本実施形態においては、第四実施形態に対して、送り速度補正部をNC装置の内部ではなく、NCプログラム生成装置に含ませる構成としている。ここで、第六実施形態において、第四実施形態と同一構成については、同一符号を付して説明を省略する。
図18に示すように、本実施形態の送り速度制御装置としては、NCプログラム生成装置310と、NC装置320と、各種情報記憶部131〜134とを備えている。
上記実施形態においては、加工対象として、揺動型歯車装置の揺動歯車の場合について説明した。揺動型歯車装置は、それぞれの回転中心軸が交差する凹凸歯車と相手歯車との関係を2組有する構成である。このような凹凸歯車と相手歯車との関係を1組有する構成からなる動力伝達装置について図20(a)(b)を参照して説明する。
ここで、図20(a)は、凸歯ピン112bが、入力軸本体112aに対して別体形成されている場合を示し、図20(b)は、凸歯ピン112bが、入力軸本体112aに対して一体形成されている場合を示す。
本実施形態における送り速度制御は、トロイダル砥石30のアキシャル方向成分の力の合計値QA(t)が設定値QAset以下となるように、かつ、トロイダル砥石30のラジアル方向成分の力の合計値QR(t)が設定値QRset以下となるように、トロイダル砥石30の送り速度を制御する。以下、図21を参照して詳細に説明する。
12:固定軸、 12a:固定軸本体、 12b:凸歯ピン
12C:ピン中心点、 12X:基準軸
13:出力軸、 13a:出力軸本体、 13b:凸歯ピン
14:外輪
15:内輪(揺動歯車)、 15a:転動面、 15b,15c:揺動凹歯
15X:歯溝方向
16:転動体
30:トロイダル砥石
Claims (12)
- 工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御方法において、
加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に、各前記微小領域における加工能率が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することを特徴とする送り速度制御方法。 - 請求項1において、
加工中の各瞬間における前記微小領域の加工能率の最大値が設定下限値以上となるように前記送り速度を制御することを特徴とする送り速度制御方法。 - 請求項1または2において、
前記被加工物は、凹歯と凸歯が周方向に連続して形成され、当該凹歯が相手歯車の凸歯に噛合することにより前記相手歯車との間で動力伝達可能な凹凸歯車であって、前記相手歯車の回転中心軸に対して交差する交差軸を中心として回転する歯車であることを特徴とする送り速度制御方法。 - 請求項1〜3の何れか一項において、
前記工具は、中心軸周りに回転しながら前記被加工物を研削する円盤状砥石であり、
前記微小領域は、前記円盤状砥石による加工領域を前記円盤状砥石の軸方向断面の表面上に沿って分割された領域であることを特徴とする送り速度制御方法。 - 請求項4において、
加工中の各瞬間における前記円盤状砥石による前記微小領域を平面状とみなし、かつ、加工中の各瞬間における前記円盤状砥石の前記被加工物に対する相対的な移動方向を直進方向とみなした場合に、
前記微小領域における加工能率は、前記円盤状砥石の軸方向断面における砥石表面上の各位置における前記被加工物との接触弧長さと、前記円盤状砥石の前記被加工物に対する相対的な送り速度における前記平面状とみなした前記微小領域の法線方向成分と、を乗算することにより算出することを特徴とする送り速度制御方法。 - 請求項1〜5の何れか一項において、
前記工具の表面位置に応じてクーラントの届きにくさを表す係数を設定しておき、
前記微小領域における加工能率は、前記微小領域の面積と当該微小領域における前記工具の前記被加工物に対する送り速度とに基づいて算出された基本加工能率に対して、前記係数を乗算して補正された値であることを特徴とする送り速度制御方法。 - 工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御装置において、
加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に、各前記微小領域における加工能率が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することを特徴とする送り速度制御装置。 - 請求項7において、
前記送り速度制御装置は、NCプログラムに基づいてNC工作機械を制御すると共に、NCプログラムにおける前記工具の前記被加工物に対する送り速度に対して、各前記微小領域における加工能率が設定上限値以下となるように補正した送り速度により制御するNC装置であることを特徴とする送り速度制御装置。 - 請求項7において、
加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に、各前記微小領域における加工能率が設定上限値以下となるように算出された前記送り速度に基づいて、NCプログラムを生成するNCプログラム生成装置と、
前記NCプログラムの前記送り速度に基づいて前記工具の前記被加工物の相対的な送り速度を制御して、前記工具により前記被加工物を加工するNC装置と、
を備えることを特徴とする送り速度制御装置。 - 工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御方法において、
加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に各前記微小領域における加工能率を算出し、
算出された前記微小領域における加工能率に、当該微小領域の法線方向単位ベクトルにおける所定方向成分を乗算し、
当該乗算値について、前記工具による加工領域に亘って積分を行い、
当該積分値が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することを特徴とする送り速度制御方法。 - 請求項10において、
前記工具は、中心軸周りに回転しながら前記被加工物を研削する円盤状砥石であり、
前記所定方向は、前記円盤状砥石の回転軸方向および前記円盤状砥石の回転軸に直交する方向の少なくとも何れかであることを特徴とする送り速度制御方法。 - 工具により被加工物を加工する際に、前記被加工物に対する前記工具の相対的な送り速度を制御する送り速度制御装置において、
加工中の各瞬間における前記工具による加工領域を複数の微小領域に分割した場合に各前記微小領域における加工能率を算出し、
算出された前記微小領域における加工能率に、当該微小領域の法線方向単位ベクトルにおける所定方向成分を乗算し、
当該乗算値について、前記工具による加工領域に亘って積分を行い、
当該積分値が設定上限値以下となるように前記送り速度を制御することを特徴とする送り速度制御装置。
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JP2007061935A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Mazda Motor Corp | 工具の加工パスデータ生成方法及び加工パス生成プログラム |
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