JP2008186046A - 切削経路作成方法及びプログラム並びに装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】切削加工の完成品の形状に関する点列データまたは切削経路に関する点列データを用いて、切削面のエッジ部を検出するエッジ部検出過程と、検出したエッジ部に切削経路の通過点となる制御点を追加する制御点追加過程と、追加した前記制御点を通り、微分連続である曲線関数で表される空送り経路を生成する経路追加過程とを有し、点列データおよび空送り経路を用いて工具の切削経路を作成する切削経路作成方法を提供する。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、マシニングセンタを用いたNC装置によりワークの輪郭加工を行う場合、工具がワークに干渉することなく工具をワークの切削開始点に切り込ませ、また、ワークの切削終了点から工具を逃がすために、アプローチ経路およびリトラクト経路等の削り代を設け、これらを含む経路を工具の切削経路として作成することが開示されている。
例えば、切削途中における工具の切削経路は、通常、CAMデータ等を用いて設定された制御点(点列データ)を直線で結ぶ経路とされるが、切削する形状が曲面の場合には、制御点をつなぐ直線が滑らかにならない。このため、例えば、不連続面の接合部分であるエッジ部を切削する場合には、図15に示すように、工具の移動軌跡が切削経路上から外れてしまい切削不具合が発生してしまうという問題があった。
本発明は、切削加工の完成品の形状に関する点列データまたは切削経路に関する点列データを用いて、切削面のエッジ部を検出するエッジ部検出過程と、検出したエッジ部に切削経路の通過点となる制御点を追加する制御点追加過程と、追加した前記制御点を通り、微分連続である曲線関数で表される空送り経路を生成する経路追加過程とを有し、前記点列データおよび前記空送り経路を用いて工具の切削経路を作成する切削経路作成方法を提供する。
この場合において、エッジ部に作成される空送り経路は、微分連続である曲線関数で示されているので、空送り経路を滑らかにつながる経路とすることが可能となる。これにより、この空送り経路においては、工具を滑らかに移動させることができる。この結果、工具が切削経路から外れることによる切削不具合を解消することができ、切削品質を向上させることができる。
このように、フィレット関数または円の一部を用いた空送り経路とすることで、エッジ部において工具を滑らかに移動させることができる。更に、円およびフィレット関数は、速度ベクトルが一定となるので、空送り経路を移動する際の工具の移動速度を一定に保つことができ、安定した工具送りを実現することができる。
このように、対数渦巻き線またはレムニスケート曲線の一部を用いた空送り経路とすることで、円やフィレット関数の一部を用いる場合に比べて空送り経路の距離を短くすることができる。これにより、切削に要する時間を短縮することが可能となる。
本発明は、上記切削加工方法により切削加工された加工品を提供する。
本発明は、切削加工の完成品の形状に関する点列データまたは切削経路に関する点列データを用いて、切削面のエッジ部を検出するエッジ部検出処理と、検出したエッジ部に切削経路の通過点となる制御点を追加する制御点追加処理と、追加した前記制御点を通り、微分連続である曲線関数で表される空送り経路を生成する経路追加処理とをコンピュータに実行させる切削経路作成プログラムであって、前記点列データおよび前記空送り経路を用いて工具の切削経路を作成する切削経路作成プログラムを提供する。
本発明は、上記切削経路作成プログラムを実行することにより、工具の切削経路を作成する切削経路作成装置を提供する。
図1は、本発明の一実施形態に係る切削経路作成装置の概略構成を示したブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る切削経路作成装置1は、例えば、CAM(Computer Aided
Manufacturing)であり、コンピュータ10と、コンピュータ10に接続される入力装置11、出力装置12、および外部記憶装置13を備えている。
コンピュータ10は、CPU(中央演算処理装置)14、RAM(Random Access Memory)15、ROM(Read
Only Memory)16等を備えている。
入力装置11は、例えば、キーボードやマウス等の入力手段であり、出力装置12は、例えば、ディスプレイ、プリンタ等の出力手段である。外部記憶装置13は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリ等である。コンピュータ10は、これらの外部記憶装置13に対してデータの読み出しと書き込みとが可能な構成とされている。また、切削経路作成装置1は、LAN等の通信回線を介してデータを取得する通信装置を備えていてもよい。
Aided Design)等により作成された切削加工の完成品の曲面形状を表す点列データである。なお、通信回線等を介して、上記点列データを取得することとしてもよい。
例えば、点列データに基づいて切削加工の完成品の形状曲面を再現し、この曲面を解析することによりエッジ部を検出する。エッジ部は、例えば、曲面解析によって変極点を検出することで行われる。例えば、ガウス曲率がマイナスの値からプラスの値へ、或いは、プラスの値からマイナスの値へ変化するその箇所をエッジ部として検出する。なお、ガウス曲率等を始めとする曲面解析の詳細については、例えば、特開2006−142585号公報に開示されている。
また、上述したエッジ部検出方法を収束計算することにより、エッジ部をより正確に求めることとしてもよい。このように、エッジ部の検出については、種々の方法を採用することが可能である。
この空送り経路Aは、工具20が滑らかに移動することのできる経路曲線とされる。より好ましくは、空送り経路Aは、工作機械の制御遅れ、工具20を含む駆動系の慣性力を考慮した経路とされる。具体的には、空送り経路は、微分連続な曲線関数で表される。
対数渦巻き線は、例えば、以下の(1)式で表される。
r=aθ(a>0定数、θ>0) (1)
上記(1)式で表される対数渦巻き曲線を用いて作成された空送り経路の一例を図6に示す。
図6、図7において、点Pは追加されたエッジ部における制御点、実線Aはエッジ部における制御点を起点とするとともに終点とする空送り経路である。このように、空送り経路を表す微分連続な曲線関数として、対数渦巻き線或いはレムニスケート曲線を採用することにより、エッジ部において工具を滑らかに移動させることができる。この結果、エッジ部における切削不具合の発生率を低減させることができる。
なお、上記対数渦巻き曲線およびレムニスケート曲線は、いずれも平面曲線関数のため、これらの関数を用いて表される空送り経路は平面内に制約される。
そして、ステップSA6において、作成された切削経路データがNC加工装置2へ出力される。
また、空送り経路として、対数渦巻き線或いはレムニスケート曲線の一部を採用することにより、後述するフィレット関数等を採用する場合に比べて、空送り経路の距離を短くすることができる。これにより、切削加工に要する時間を短縮することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る切削経路作成方法及びプログラム並びに装置について説明する。本実施形態に係る切削経路作成方法が上記第1の実施形態に係る切削経路作成方法と異なる点は、空送り経路を作成する際に用いる微分連続な曲線関数として、フィレット関数および円を用いる点である。
まず、フィレット関数は、以下の(3)式で表される。
また、係数k2を適宜変化させることにより、直交する2つの線分だけではなく、所定の角度をもって交わっている2つの線分についても滑らかなフィレット面を作成することが可能となる。なお、フィレット関数については、特開2006−146437号公報に詳述されている。
この場合、例えば、上述したCADからの点列データに代えて、従来のNC加工装置によって作成されたNCデータを取り込み、この点列データを解析することにより、エッジを検出する。
エッジの検出については、例えば、点列データを繋ぎあわせることにより切削経路の曲線を求め、この曲線の変極点を検出することにより、エッジ部を検出する。なお、エッジの検出方法については、上記例に限られることなく、他の方法を採用してもよい。
なお、一般的なNC加工装置に、上述した切削経路作成方法を実現するための機能を持たせ、NC加工装置内でNCデータを修正し、修正したNCデータに基づいて工具を移動させることとしてもよい。このように、NC加工装置内にNCデータを修正する機能を持たせることにより、別途装置を設ける必要がなくなる。
例えば、上述した実施形態では制御点を起点および終点とする空送り経路を作成したが、これに代えて、図14に示すように、空送り経路の起点と終点とを異なる制御点としてもよい。例えば、終点については、空送り経路の起点として設定された制御点に隣接する制御点としてもよい。また、このような場合には、空送り経路を表す曲線関数として、裏表の区別のない関数、例えば、メビウスの環等の曲線関数を用いる必要がある。
2 NC加工装置
10 コンピュータ
11 入力装置
12 出力装置
13 外部記憶装置
14 CPU
15 RAM
16 ROM
Claims (7)
- 切削加工の完成品の形状に関する点列データまたは切削経路に関する点列データを用いて、切削面のエッジ部を検出するエッジ部検出過程と、
検出したエッジ部に切削経路の通過点となる制御点を追加する制御点追加過程と、
追加した前記制御点を通り、微分連続である曲線関数で表される空送り経路を生成する経路追加過程と
を有し、
前記点列データおよび前記空送り経路を用いて工具の切削経路を作成する切削経路作成方法。 - 前記空送り経路が、フィレット関数および円の一部を用いて示されている請求項1に記載の切削経路作成方法。
- 前記空送り経路が、対数渦巻き線またはレムニスケート曲線の一部を用いて示されている請求項1に記載の切削経路作成方法。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の切削経路作成方法によって作成された切削経路に沿って工具を移動させることにより、被切削材の切削加工を行う切削加工方法。
- 請求項4の切削加工方法により切削加工された加工品。
- 切削加工の完成品の形状に関する点列データまたは切削経路に関する点列データを用いて、切削面のエッジ部を検出するエッジ部検出処理と、
検出したエッジ部に切削経路の通過点となる制御点を追加する制御点追加処理と、
追加した前記制御点を通り、微分連続である曲線関数で表される空送り経路を生成する経路追加処理と
をコンピュータに実行させる切削経路作成プログラムであって、
前記点列データおよび前記空送り経路を用いて工具の切削経路を作成する切削経路作成プログラム。 - 請求項6に記載の切削経路作成プログラムを実行することにより、工具の切削経路を作成する切削経路作成装置。
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