JP2006035320A - 揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置 - Google Patents

揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006035320A
JP2006035320A JP2004214115A JP2004214115A JP2006035320A JP 2006035320 A JP2006035320 A JP 2006035320A JP 2004214115 A JP2004214115 A JP 2004214115A JP 2004214115 A JP2004214115 A JP 2004214115A JP 2006035320 A JP2006035320 A JP 2006035320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid
shape
product
electrode
inverted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004214115A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Tanimoto
和久 谷本
Hideto Kumakura
英人 熊倉
Yasuhiro Fukushima
康弘 福島
Daichi Ninagawa
大地 蜷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
INCS Inc
Original Assignee
INCS Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by INCS Inc filed Critical INCS Inc
Priority to JP2004214115A priority Critical patent/JP2006035320A/ja
Publication of JP2006035320A publication Critical patent/JP2006035320A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

【課題】 放電ギャップと揺動代の双方を加味したモデルを、どんな製品形状に対しても正確かつ簡易に作成する。
【解決手段】 CADを使用して、製品形状の反転形状を元に、製品加工用の放電電極を設計するための方法であって、製品のソリッドから製品の反転形状の、第1の反転ソリッドを求める段階と、前記第1の反転ソリッドの全面を、放電ギャップに必要な厚さだけ一律にオフセットして、第2の反転ソリッドを求める段階と、第2の反転ソリッドをコピーし、第2の反転ソリッドと、揺動作業に必要な方向に微小な距離ずつスイープした、一つあるいはそれ以上のスイープ反転ソリッド全てと、の積(AND)をとることによって電極形状(第3の反転ソリッド)を求める段階とを含む方法。
【選択図】 図18

Description

本発明の実施の形態は、揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置に関する。
2次元または、3次元のCADを用いて、放電加工に使用する電極を設計する技術は、公知であり、特許文献1のような文献が存在する。
この特許文献には、CADを使用して揺動放電加工に使用する電極形状の図を被加工物の形状より自動的に作成することを目的として、放電加工方向(一般にZ軸方向)に垂直な方向に揺動させながら放電加工を行う放電加工装置に使用する放電加工電極設計において、あらかじめ2次元もしくは3次元ソリッドで定義した被加工物形状より、同形状の放電ギャップ量オフセットしてできあがった形状を揺動パターンに従って各エッジポイントに揺動量分平行コピーし、コピーされたソリッド形状の集合演算により、自動的に放電加工電極形状を作成する技術が開示されている。
この技術においては、図1のように、放電加工したい面101cを持つ、穴形状の製品(101a(上面図)、101b(側面図))の加工用の電極を設計する場合には、図1(b)のようにまず、放電ギャップ103を確保し、この放電ギャップを加えた製品形状を反転している。そして、次に、この反転した製品形状(105、201)を図2のように、揺動量だけ平行コピー(203)し、コピーされた複数の形状を「積演算」して、得られた形状(205)を放電電極形状として、図1(c)のように、放電電極を求めている。
また、図3のように、放電加工したい面301cを持つ、凸形状の製品(301a(上面図)、301b(側面図))の加工用の電極を設計する場合には、図3(b)のようにまず、放電ギャップ303を確保し、図4のように、揺動量だけ平行コピー(403)し、コピーされた複数の形状を「和演算」して、これより反転形状を取得し、得られた形状(405)を放電電極形状として、放電電極を求めている。
(特許文献1では、凸形状の場合、製品形状に放電ギャップを加味した状態でコピー、和演算をする。その後、反転形状を取得して電極としている。最後に製品形状から反転をとるために、「和演算」になってしまうのである。図4で移動しているのは製品側である。)
このように、従来技術(特許文献1)では、穴形状も凸形状も、製品形状から放電ギャップを加味するが、その後、穴形状の場合は製品形状を反転、そこから揺動分コピーして積演算、一方で凸形状の場合は、製品形状を揺動分コピーして和演算、次に反転を行う。特許文献1は、穴形状、凸形状で順序、手法が異なり、凸形状の場合は方形ソリッドを考慮しなければならない。
特開平5−92348号公報
上記特許文献1に記載された技術では、3次元の放電加工電極を自動的に設計することは出来ない。それは、特許文献1の演算方法が、XY平面(水平面)上での演算の仕方しか提示しておらず、この演算方法をZ方向(3次元的)に展開した場合に、どのような演算が行われるかについての記述がないためである。
また、被加工物(製品)が穴形状(凹)、凸形状かによって、集合演算の仕方をそれぞれ、和と積に変えなくてはならず、複雑な作業が必要となる。
更に、被加工物(製品)が凸形状の場合、輪郭形状を見て方形ソリッドを発生させ、集合演算結果に加える、という複雑な処理をする必要がある。
本発明の実施の形態に記載の発明は、上記のような特許文献に記載の技術に伴う課題を解決して、放電ギャップと揺動代の双方を加味したモデルを、どんな製品形状に対しても正確かつ簡易に作成することを目的とする。
本発明の前記目的は、(1) CADを使用して、製品形状の反転形状を元に、製品加工用の放電電極を設計するための方法であって、(2) 製品のソリッドから製品の反転形状の、第1の反転ソリッドを求める段階と、(3) 反転ソリッドの全面を、放電ギャップに必要な厚さだけ一律にオフセットして、第2の反転ソリッドを求める段階と、(4)第2の反転ソリッドをコピーし、第2の反転ソリッドと、揺動作業に必要な方向に微小な距離ずつスイープした、一つあるいはそれ以上のスイープ反転ソリッド全てと、の積(AND)をとることによって電極形状を求める段階と、(5) を含む方法(発明1)、によって達成される。
また、好ましい態様では、本発明の方法は、第1の反転ソリッドを求める段階が、放電加工する部位としない部位を定義し、放電しない部位に対しては反転形状を作成する際に当該部位を放電逃げ代分だけオフセットし、放電加工する部位に対しては当該オフセットをしない、段階を含む、発明1に記載の方法(発明2)を含む。
この場合、第1の反転ソリッドを求める段階で放電逃げ代分オフセットを考慮しておくことにより、電極形状が出来上がってから製品形状と照らし合わせて放電に不要な箇所を取り除く手間を省くことができるというメリットがある。
また、別の好ましい態様では、上記電極形状を求める段階の後に、四角柱や円柱を含むブランク形状の電極のブランク形状と、電極形状との和を求めることによって、電極ブランクと一体化した電極形状を求める段階、を更に含む、発明1または2に記載の方法(発明3)を含む。
この場合、得られた電極形状に対して、CAMで加工パスを作成することによってそのまま電極加工に入ることができるというメリットがある。また、一体化した電極形状と、製品形状をCAD上で擬似的に動かすことにより、電極と被加工物が干渉しないかどうか、実加工をシミュレーションすることができるというメリットがある。
また、別の好ましい態様では、発明1乃至3において、第1〜3の反転ソリッドを求める各段階において、(1)製品ソリッドのどの箇所から第1の反転ソリッドを求めたか、(2)第2の反転ソリッドを求める段階でどの面をどれだけオフセットしたか、(3)第3の反転ソリッドを求める段階でどのソリッドをどちらの方向にスイープして、どのソリッドとの積を求めたかの、3種類の情報を含む情報を利用して、穴径を含む製品の一部が寸法変更された場合に自動的に電極の再設計を可能とする方法(発明4)を含む。
この場合、再設計で1から設計手順を踏むことなく、自動でデータ変更が行われるため、製品寸法変更後に即加工パスを求めて電極加工を開始することができるというメリットがある。
また、別の好ましい態様では、電極加工開始位置、揺動量、揺動方向を含む、放電加工に必要な加工情報を製品、電極情報から抽出し、自動的に加工機に伝達する段階を更に含む、発明1乃至4のいずれかに記載の方法(発明5)を含む。
この場合、電極加工終了後、電極を電極ホルダに、被加工物をテーブルに固定、段取りした時点で、即放電加工を開始することができるというメリットがある。
また、別の好ましい態様では、第3の反転ソリッドを求める段階が、電極の加工部分が湾曲部分を含まない場合に、揺動方向に対して、各々極大と極大値、または、極小値と極小値、のエッジに挟まれる辺が、揺動代よりも長く、かつ、揺動方向と平行なとき、第2の反転ソリッドと、第2の反転ソリッドをコピーし揺動代だけ平行移動したソリッドの、二つの積を求める段階を含む、発明1乃至5のいずれかに記載の方法(発明6)を含む。
この場合、微小量ずつコピーした積算を行うことなく、揺動を加味した電極を早く作成することができるというメリットがある。
また、別の好ましい態様では、(1)CADを使用して、製品形状の反転形状を元に、製品加工用の放電電極を設計するための装置であって、(2)製品のソリッドから製品の反転形状の、第1の反転ソリッドを求める、第1の反転ソリッド演算手段と、(3)前記反転ソリッドの全面を、放電ギャップに必要な厚さだけ一律にオフセットして、第2の反転ソリッドを求める、第2の反転ソリッド演算手段と、(4)前記第2の反転ソリッドをコピーし、前記第2の反転ソリッドと、揺動作業に必要な方向に微小な距離ずつスイープした、一つあるいはそれ以上のスイープ反転ソリッド全てと、の積(AND)をとることによって電極形状を求める、電極形状演算手段と、(5)を含む装置(発明7)を含む。
なお、本出願で使用する用語の定義を以下の表に示す。


































表1 本出願で使用する用語の定義
Figure 2006035320

Figure 2006035320
本出願の実施の形態に記載の発明によって放電ギャップと揺動代の双方を加味したモデルを、どんな製品形状に対しても正確かつ簡易に作成することが可能となる。
まず、電極設計の一般的方法を概説する。

<電極設計:放電ギャップ>
放電ギャップは、加工面全面に対して一律、法線方向に設定する(一律オフセット)。例えば、オフセット量が0.02mmのとき、
側面:5.00−0.02*2=4.96
フィレット:R1.0−0.02=R0.98
であり、C面、テーパー面は、法線方向にオフセットする。
図13(a)に示す、フィレットでのオフセット例では、側面側面、底面、フィレットは、それぞれ法線方向に0.02mmずつオフセットする。その結果フィレットのR値は0.02mm小さくなる。
図13(b)に示す、テーパ面でのオフセット例では、側面、フォレット面、底面を法線方向に0.02mmオフセットする。結果的にエッジ部分はオフセットにつられてZ方向に移動する。
このように、放電ギャップの場合、オフセットは「サイズの拡大や縮小」、あるいは、「凸Rはオフセットで縮小、凹Rはオフセットで拡大」が原則となる。
<電極設計:揺動代>
揺動代は、揺動方向のみに設定する。XY方向の揺動では、XY方向のみ揺動を設定する。例えば、揺動代を0.1mmとすると、
側面 5.00 − 0.1*2 = 4.80
フィレット そのまま(形状を崩さない)
であり、C面、テーパ面は平行移動するため、Z位置を維持する。
図14(a)に示す、フィレットでのオフセット例では、各面は水平方向にオフセットする。底面の高さは変化ない。面は揺動分の0.1mmオフセットであり、RはR値が維持されたままXY方向にオフセットされる。
図14(b)示す、テーパ面でオフセット例では、テーパ面は水平方向に0.1mmオフセットする(法線方向に0.1mmではない)。そして、テーパ面のエッジ部分の高さは維持する。
このように、揺動代の場合、オフセットは「平行移動」が原則となる。
<本発明の一実施の形態>
以下、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
図15を参照する。
[穴形状の製品の場合]
まず、図15(a)の被加工物(1501(上面図)、1503(側面図))から反転形状を図15(b)のように求める。次に、図15(b)で得られた反転形状から放電ギャップ1507を加えた形状を図15(c)のように求める。そして、揺動代を得るために、図16の反転形状(1601)を揺動量だけコピーし(1603)、反転形状1601とコピー形状(1603)を積演算して、電極形状(1605)を得る。
この場合、図16の反転形状(1601)を一定の揺動量だけコピー(1603)する場合のほかに、所望の揺動量を微小量に細分化し、細分化した微小揺動量ずつコピーした各形状と、反転形状(1601)の積演算を行うことが好ましい。
[凸形状の製品の場合]
まず、図17(a)の被加工物(1701(上面図)、1703(側面図))から反転形状を図17(b)のように求める。次に、図17(b)で得られた反転形状から放電ギャップ1707を加えた形状を図17(c)のように求める。
そして、揺動代を得るために、図16の反転形状(1607)を揺動量だけコピーし(1609)、反転形状(1607)とコピー形状(1609)を積演算して、電極形状(1611)を得る。
この場合、図16の反転形状(1607)を一定の揺動量だけコピー(1609)する場合のほかに、所望の揺動量を微小量に細分化し、細分化した微小揺動量ずつコピーした各形状と、反転形状(1607)の積演算を行うことが好ましい。
[本発明の一実施の形態の特徴]
以上のように、従来技術との決定的差異は、本発明の一実施の形態においては、製品が穴形状であろうと、凸形状であろうと、まず、製品形状から反転形状を作成し、『製品形状の反転形状』から放電ギャップをオフセットし、「『製品形状の反転形状』をオフセットした形状」をコピーして揺動量だけ揺動方向に移動し、「『製品形状の反転形状』をオフセットした形状」との積演算を行うことによって、放電電極の設計を行う点にある。
この点、従来技術では、最後まで「製品形状」を使って処理を行う。(本発明の実施例では一段階目で製品形状から反転形状を取得した以降は、「製品形状」は使用しない。そこが従来技術と異なる点である。)
また、製品が穴形状か、凸形状かによって、積演算か和演算かを使い分けなければならない。また、上述のように、従来技術では3次元設計が不可能である。また、従来技術では、2次元形状について、穴形状に対する電極であれば、理想的な設計ができるが、凹形状に対する電極では、方形ソリッドを加味しなければならない。
このように、本発明の一実施の形態によれば、放電ギャップと揺動代の双方を加味したモデルを、どんな製品形状(穴形状か、凸形状かに関わらず)に対しても正確かつ簡易に(積演算、和演算の使い分けを行わずに)作成することが可能となる。
<フローチャート>
本発明の一実施例の処理の流れを、図18のフローチャートで示す。
S1801で処理が開始される。
次に、S1803で、加工製品ソリッドから、製品形状の反転ソリッドを
求める(ソリッドAが得られる)。
S1805で、ソリッドAの全面を放電ギャップ一律にオフセットする(ソリッドBが得られる)。ここでは、放電ギャップを加味する。
S1807で、ソリッドBをコピーし、揺動方向にスイープしながらソリッドBと積をとる。ここでは、揺動代を加味する。
S1809で処理が終了する。
<詳細なフローチャート>
本発明の一実施例の処理の流れを、更に詳細に、図19のフローチャートで示す。
S1901において本フローが開始する。
S1903で、放電箇所を指定する。
S1905で、揺動代Pと揺動パターンを決定する(揺動方向は(T1,T2,・・・,Ti,・・・,Tm))。
S1907で、揺動量Pをn分割する。
S1909で、加工製品ソリッドから、製品形状の反転ソリッドを求める(ソリッドA)。
S1911で、ソリッドAの全面を放電ギャップ一律にオフセットする(ソリッドB)。
S1913で、i=1に設定する。
S1915で、iがm以下であるか判断する。(mは揺動方向の最大値(MAX値)である。揺動方向が4つあれば、m=4である。)
S1915の条件を満たさなければ(つまり、全ての揺動方向に対する演算が終了したならば)S1917に進み、ソリッドC1n〜Cmnの全ての積をとる。つまり、全揺動方向に対する演算後の積をとる。ここで、演算とは、n=1の場合、元形状と、元形状のコピー形状を揺動方向に平行移動した形状との積である。nが大きければ大きいほど、積に対してさらに元形状のコピーの積を繰り返す作業が増えることになる。
次に、S1919で終了する。
もし、S1915の条件を満足すれば、つまり、演算が終了していない揺動方向が存在する場合は、S1921に進み、ソリッドBをコピーする(ソリッドCi0)。
そして、S1923でj=1とされる。
S1925でjがn以下であれば、S1929に進む。
ここで、nは分割数である(S1907に記載のnと同一)。n=1の場合のこの後の作業は、元形状と、元形状をコピーして揺動方向に揺動量P平行移動した形状との積を意味する。
ここでは、コピーした形状を揺動方向(Ti)に P・j/n平行移動する(ソリッドDij)。次に、S1931において、ソリッドCij-1、ソリッドDijの積をとる(ソリッドCij)。
S1933において、jが1だけ加算され、S1925にすすむ。
S1933で、jがn以下であれば、つまり、分割数分のコピー及び積の作業が終了していない場合は、同様の処理が繰り返され、nより大きければ、つまり、分割数分のコピー及び積の作業が終了した場合は、S1927にすすみ、iが1だけ加算される(一つの揺動方向に対する処理が終了したことを指す)
そしてiの加算後、S1915にすすみ、以後の処理は上述の説明の通りである。
<システム的説明>
本発明の一実施例のシステム的説明を、図20に示す。
本システムは、大きく分けて、製品ソリッド・データ・データベース2001、加工情報格納部2003、電極データ格納部2005、に分けられる。
製品ソリッド・データ・データベースには、加工対象の製品の最終形状が格納されている。
加工情報格納部2003には、放電加工部位DB(2007)(本明細書中でDBとはデータベースを意味する)、放電ギャップDB(2013)、揺動データDB(2019)、が含まれる。
電極データ格納部(2005)には、反転ソリッド・データDB(2011)、放電ギャップ加味データDB(2017)、最終電極データDB(2023)が含まれる。
この他、処理手段として、「製品ソリッドから反転ソリッドを求める手段」(2009)、「反転ソリッドに放電ギャップを加味する手段」(2015)、「ギャップを加味したデータに揺動代を加味する手段」(2021)、が含まれる。
本システムにおいては、製品ソリッドデータDB(2001)と放電加工部位DB(2007)から、製品の加工部位を特定し、反転ソリッドデータDB(2011)に格納される。
次に、この反転ソリッドデータDB(2011)に格納された、製品の加工部位を特定された製品データ、および、放電ギャップDB(2013)からの放電ギャップ・データが、「製品ソリッドから反転ソリッドを求める手段」(2009)に加えられて、放電ギャップを反映した反転ソリッドデータが得られ、放電ギャップ加味データDB(2017)に格納される。
更に、放電ギャップ加味データDB(2017)に格納された、放電ギャップを反映した反転ソリッドデータ、および、揺動データ(揺動代、および、揺動方向を含む)が、ギャップを加味したデータに揺動代を加味する手段(2021)に加えられ、最終電極データが得られ、最終電極データDB(2023)に格納される。
なお、このシステムは、CPU、メモリ、ディスプレイ、入力装置(キーボード等)を含んで、これらがバスによって接続されたCADシステムを用いて実現することが可能であるが、ハードウェアのみによって同様の構成を実現することも可能であり、ハードウェアとソフトウェアの組合せによっても同様に実現可能である。
<その他の特徴>
上述のような、本発明の一実施例に係る、電極作成方法およびシステムの、追加的な、その他の特徴を述べる。
(1)放電逃げ代分だけオフセット
図12に示すように、既に切削加工や別電極で加工済みで、再度放電したくない部位がソリッド内に存在するとき、その部分を逃がして電極を作成することができる(この逃がし量を「放電逃げ代」と呼ぶ)。
図12の1201のような「蓋」に相当する距離だけ、予め放電電極からの距離を作られるように、放電電極を作成すれば、その部分は他の部分の放電中でも、放電加工されずに済む。
(2)台座も電極と一緒に作成
図11に示すように、電極を作成する際に、同時に、放電加工の際必要な台座も一緒に加工する方法が存在する。
台座を必要とする場合は、図11で、製品形状(1101)を作成するための電極(1103)が得られた後、実際の放電加工の際に、出来あがった放電電極を固定するためのジグ(1105)を固定し易いように、(設計の段階で)台座(電極ブランク)(1107)が設けられる。
そこで、放電電極を作成する際に、始めから放電電極および、それと一体化した台座の全体の形状を作成しておくと便宜であるため、このような方法を用いることがある。
(3)製品寸法が一部変更された場合に自動的に電極の再設計を可能とする技術
上記のように放電電極の形状が求められた場合、後に、穴径が0.5mm小さくなった、などの、製品の一部の寸法変更があった場合、放電電極作成の際に得られた、(a)製品ソリッドのどの箇所から第1の反転ソリッド(製品の反転形状)を求めたか、(b)第2の反転ソリッド(製品の反転形状にギャップを加味した形状)を求める段階でどの面をどれだけオフセットしたか、(c)第3の反転ソリッド(製品の反転形状にギャップと揺動代を加味した形状)を求める段階でどのソリッドをどちらの方向にスイープして、どのソリッドとの積を求めたか、
の3種類の情報を含む情報を利用して、(電極寸法を変更する手間をかけずに)自動的に必要な電極形状が得られる。
(4)電極加工開始位置、揺動量、揺動方向を含む、放電加工に必要な加工情報を製品、電極情報から抽出し、自動的に加工機に伝達する技術
加工機とは、あらかじめ作成したプログラム通りに、自動で電極の位置決めを行い、電極と被加工物(製品形状)の間で放電加工を行い、被加工物を所望の製品形状に転写加工する機械(放電加工機)のことである。
CADで電極を設計した後、設計通りに電極を切削加工する。次に、切削加工して作成した電極を、放電加工機に取り付ける。また、加工したい被加工物を放電加工機に取り付ける。この時、電極の原点から電極の加工する形状までの距離、と被加工物の原点から被加工物の加工する形状までの距離、がわかれば、加工機のどの位置に電極を持っていけば、被加工物の加工したい位置にあわせることができるか、わかる。
その二つの距離を自動で判別することによって、自動で電極を加工開始位置に位置決めできる(図21)。
図21において、2101はジグ、2103は電極、2105は電極の原点から電極が加工する形状までの距離、2107は電極の形状位置、2109は被加工物の原点から被加工物が加工されるまでの距離、2111は被加工物上の形状位置、2113は被加工物、2115は被加工物の原点、を表す。
被加工物の原点に対する電極原点の座標は、予め求められるので、電極も被加工物も、各々の原点から形状位置までの座標がわかれば、図22に示すように、現在の座標から、加工位置の座標への3次元ベクトル成分が分かれば、自動で位置決めできる。
CADから加工機に渡されるデータは、加工開始位置、複数の反転ソリッドをコピーして作成した場合の数とピッチである。加工機に渡される情報は、揺動量、揺動パターン、放電ギャップから決まる加工条件である。図23に示されるように、揺動量、揺動パターン、加工条件を変数としてプログラムに登録しておき、自動でプログラムに読み込むように設定しておくことで、位置決め後、継続して加工を継続できる。
(5)電極の加工部分が湾曲部分を含まず、揺動方向に対して、各々極大と極大値、または、極小値と極小値、のエッジに挟まれる辺が、揺動代よりも長く、かつ、揺動方向と平行なとき、第2の反転ソリッドと、第2の反転ソリッドをコピーし揺動代だけ平行移動したソリッドの、二つの積を求めることによって、簡易に放電電極形状を求める技術
例えば、製品形状が凸形状の円柱の場合、電極をスイープして作成すると精確に設計できるが、1回のコピーで計算してしまうと、円と円の積では間に溝が出来てしまう(特許文献1参照)。逆に、製品形状が凸形状の四角柱の場合、電極をスイープせずとも、1回のコピーで精確に設計できる。
例えば、図10(a)の極小値、極大値に挟まれる辺は揺動代よりも長く、また揺動方向がX方向のため、揺動代だけ電極を1回平行コピーし、元の形状と積をとることで電極を設計できる。(b)も同様に、極大値に挟まれる辺は揺動代よりも長く、また揺動方向がX方向のため、揺動代だけ電極を1回平行コピーし、元の形状と積をとることで電極を設計できる。図10(a)(b)は、ともに1回のコピーでもスイープソリッドによる積の結果と変わらずに形状を崩さず電極を作成できる例であり、このような例の場合には、簡易に放電電極形状を求めることができる。
つまり、上記条件の場合には、図10に示すように、一律オフセットした第2の反転オフセット(製品の反転形状にギャップを加味した形状)(101、103)を、X方向に揺動代だけ平行コピーして、第2の反転ソリッド(製品の反転形状にギャップを加味した形状)との積を求め、電極ソリッドを作ることができる。
本出願の実施の形態に記載の発明は、3次元のCADを用いて、放電加工に使用する電極を設計する技術の改良に関するものであり、具体的なハードウェアを用いた設計手法に関する。
従って、産業上の利用可能性の要件を満たす。
従来技術での穴形状の製品の放電電極の形成方法を説明する図面。 従来技術での、反転した製品形状を揺動量だけコピーし、コピーされた形状を積演算する様子の説明図。 従来技術での凸形状の製品用の放電電極の形成方法を説明する図面。 従来技術での、放電ギャップだけ加味した「製品形状」を揺動量だけコピーし、コピーされた形状を和演算する様子の説明図。 「C面」の説明図。 「スイープ」の説明図。 「テーパ面」の説明図。 「トリム」の説明図。 「フィレット」の説明図。 「極小値」、「極大値」の説明図。 「電極のブランク」の説明図。 「放電逃げ代」の説明図。 フィレットおよびC面での放電ギャップのオフセット設定例。 フィレットおよびC面での揺動代のオフセット設定例。 被加工物が穴形状の場合の、本発明の一実施例における放電ギャップだけオフセットした反転形状の形成方法。 図15または図17で形成された反転形状を、揺動代だけスイープし、それらのスイープ形状を和演算する方法。 被加工物が凸形状の場合の、本発明の一実施例における放電ギャップだけオフセットした反転形状の形成方法。 本発明の一実施例に記載の発明の処理フロー(概略版)。 本発明の一実施例に記載の発明の処理フロー(詳細版)。 本発明の一実施例に記載の発明のシステム的説明。 電極加工開始位置、揺動量、揺動方向を含む、放電加工に必要な加工情報を、製品、電極情報から抽出し、自動的に加工機に伝達する技術の説明(その1)。 電極加工開始位置、揺動量、揺動方向を含む、放電加工に必要な加工情報を、製品、電極情報から抽出し、自動的に加工機に伝達する技術の説明(その2)。 電極加工開始位置、揺動量、揺動方向を含む、放電加工に必要な加工情報を、製品、電極情報から抽出し、自動的に加工機に伝達する技術の説明(その3)。
符号の説明
1501 被加工物(上面図)
1503 被加工物(側面図)
1505 被加工物から反転した形状
1507 放電ギャップ
1509 反転形状を放電ギャップオフセットした形状
1601 反転形状
1603 反転形状(1601)を揺動量だけコピーした形状
1605 電極形状
1607 反転形状
1609 反転形状(1607)を揺動量だけコピーした形状
1611 電極形状
1701 被加工物(上面図)
1702 放電加工をしたい面
1703 被加工物(側面図)
1705 被加工物から反転した形状
1707 放電ギャップ
1709 反転形状を放電ギャップだけオフセットした形状

Claims (7)

  1. (1) CADを使用して、製品形状の反転形状を元に、製品加工用の放電電極を設計するための方法であって、
    (2) 製品のソリッドから製品の反転形状の、第1の反転ソリッドを求める段階と、
    (3) 前記第1の反転ソリッドの全面を、放電ギャップに必要な厚さだけ一律にオフセットして、第2の反転ソリッドを求める段階と、
    (4)前記第2の反転ソリッドをコピーし、前記第2の反転ソリッドと、揺動作業に必要な方向に微小な距離ずつスイープした、一つあるいはそれ以上のスイープ反転ソリッド全てと、の積(AND)をとることによって電極形状(第3の反転ソリッド)を求める段階と、
    (5) を含む方法。
  2. 第1の反転ソリッドを求める段階が、
    放電加工する部位としない部位を定義し、
    放電しない部位に対しては反転形状を作成する際に当該部位を放電逃げ代分だけオフセットし、
    放電加工する部位に対しては当該オフセットをしない、
    段階を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 上記電極形状を求める段階の後に、
    四角柱や円柱を含むブランク形状の電極のブランク形状と、前記電極形状との和を求めることによって、電極ブランクと一体化した電極形状を求める段階、
    を更に含む、以上の請求項のいずれかに記載の方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの方法において、
    第1〜3の反転ソリッドを求める各段階において、
    (1)製品ソリッドのどの箇所から第1の反転ソリッドを求めたか、
    (2)第2の反転ソリッドを求める段階でどの面をどれだけオフセットしたか、
    (3)第3の反転ソリッドを求める段階でどのソリッドをどちらの方向にスイープして、どのソリッドとの積を求めたか、
    の、3種類の情報を含む情報を利用して、穴径を含む製品の一部が寸法変更された場合に自動的に電極の再設計を可能とする方法。
  5. 電極加工開始位置、揺動量、揺動方向を含む、放電加工に必要な加工情報を製品、電極情報から抽出し、自動的に加工機に伝達する段階を更に含む、以上のいずれかの請求項に記載の方法。
  6. 第3の反転ソリッドを求める段階が、
    電極の加工部分が湾曲部分を含まない場合に、揺動方向に対して、各々極大と極大値、または、極小値と極小値、のエッジに挟まれる辺が、揺動代よりも長く、かつ、揺動方向と平行なとき、第2の反転ソリッドと、第2の反転ソリッドをコピーし揺動代だけ平行移動したソリッドの、二つの積を求める段階を含む、
    以上のいずれかの請求項に記載の方法。
  7. (1) CADを使用して、製品形状の反転形状を元に、製品加工用の放電電極を設計するための装置であって、
    (2) 製品のソリッドから製品の反転形状の、第1の反転ソリッドを求める、第1の反転ソリッド演算手段と、
    (3) 前記反転ソリッドの全面を、放電ギャップに必要な厚さだけ一律にオフセットして、第2の反転ソリッドを求める、第2の反転ソリッド演算手段と、
    (4) 前記第2の反転ソリッドをコピーし、前記第2の反転ソリッドと、揺動作業に必要な方向に微小な距離ずつスイープした、一つあるいはそれ以上のスイープ反転ソリッド全てと、の積(AND)をとることによって電極形状を求める、電極形状演算手段と、
    (5) を含む装置。
JP2004214115A 2004-07-22 2004-07-22 揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置 Pending JP2006035320A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004214115A JP2006035320A (ja) 2004-07-22 2004-07-22 揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004214115A JP2006035320A (ja) 2004-07-22 2004-07-22 揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006035320A true JP2006035320A (ja) 2006-02-09

Family

ID=35900855

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004214115A Pending JP2006035320A (ja) 2004-07-22 2004-07-22 揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006035320A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167964A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Sodick Co Ltd 揺動放電加工電極モデル生成方法および装置並びにプログラム
JP2009532211A (ja) * 2006-03-30 2009-09-10 シーメンス プロダクト ライフサイクル マネージメント ソフトウェアー インコーポレイテッド 多角形軌道放電加工用電極を縮小する方法
CN109202192A (zh) * 2018-10-31 2019-01-15 清华大学 微细电火花伺服扫描加工参数优选方法及系统

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167964A (ja) * 2005-12-19 2007-07-05 Sodick Co Ltd 揺動放電加工電極モデル生成方法および装置並びにプログラム
JP2009532211A (ja) * 2006-03-30 2009-09-10 シーメンス プロダクト ライフサイクル マネージメント ソフトウェアー インコーポレイテッド 多角形軌道放電加工用電極を縮小する方法
CN109202192A (zh) * 2018-10-31 2019-01-15 清华大学 微细电火花伺服扫描加工参数优选方法及系统
CN109202192B (zh) * 2018-10-31 2019-09-17 清华大学 微细电火花伺服扫描加工参数优选方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6775581B2 (en) Horizontally-structured CAD/CAM modeling for virtual concurrent product and process design
JP5163814B2 (ja) 自動プログラミング装置および方法
JPWO2011004584A1 (ja) 自動プログラミング装置および方法
EP3067140B1 (en) Machining tool positioning template for airfoil
US6735489B1 (en) Horizontally structured manufacturing process modeling
JP2006035320A (ja) 揺動放電加工用電極の自動作成方法および装置
Park et al. Mitered offset for profile machining
US7079908B2 (en) Horizontally-structured modeling for analysis
EP2674825A1 (en) Machining path creation method and machining method
JP2004157724A (ja) 解析モデル変換方法
JP2000057184A (ja) 3次元形状モデルの作成方法
JP2008186046A (ja) 切削経路作成方法及びプログラム並びに装置
CN111837080B (zh) 刀具路径生成方法
JP4102057B2 (ja) 3次元製品作成方法及びその装置、3次元製品加工用モデル作成プログラム
US20080177416A1 (en) Method and apparatus for automatic construction of electrodes for rocking-motion electric discharge machining
JP4225422B2 (ja) Nc加工システム、ncデータ作成装置、ncデータ作成システム、ncデータ作成方法及びncデータ作成プログラム
JP4898211B2 (ja) 揺動放電加工電極モデル生成方法および装置並びにプログラム
JP2799531B2 (ja) Ncデータ作成方法
JP4381950B2 (ja) Nc加工システム、ncデータ作成装置、ncデータ作成システム、ncデータ作成方法及びncデータ作成プログラム
JP5383370B2 (ja) 解析用モデル作成装置及び解析用モデル作成方法
TW200925918A (en) System and method for designing components
JP2010149213A (ja) ワイヤ制御指令生成装置、及びワイヤ制御指令生成プログラム、並びにコンピュータ読取可能記憶媒体
CA2344366A1 (en) Process and system for working a workpiece through numerically controlled machine tools
JP3886164B2 (ja) Nc加工用工具切削経路の作成方法およびその装置
Suresh et al. Tool path generation algorithm and 3D tolerance analysis for free-form surfaces·

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080922

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090817