JP2011180787A - 点列生成方法、点列生成プログラム、並びに点列生成装置及びこれを備えた工作機械 - Google Patents

点列生成方法、点列生成プログラム、並びに点列生成装置及びこれを備えた工作機械 Download PDF

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Abstract

【課題】高い精度で曲面を再生するために必要とされる点列生成方法、点列生成プログラム、及び点列生成装置、並びにこれらを用いた工作機械を提供する。
【解決手段】対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、前記対象物の再生曲面を定義するための複数の点列を生成する点列生成方法であって、コンピュータが、前記点群内の複数の点からなる点列を抽出する点列抽出過程と、前記点列から解析用点列を作成する解析用点列作成過程と、前記解析用点列を用いて曲面解析を行い、曲面情報を算出する曲面解析処理過程と、前記各解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる点を含む法断面の方向とが一致する特徴点を検出する特徴点検出過程と、前記解析用点列または三次元座標情報からなる点群内の複数の点列に前記特徴点を挿入して新たな点列とする点列生成過程と、を実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、対象物の再生曲面を定義するための新たな点列を生成する点列生成方法、点列生成プログラム、並びに点列生成装置およびこれを備えた工作機械に関する。
一般に、数値制御(NC;Numeral Control)による切削加工において、対象物を三次元形状計測した点群のデータ、あるいはCAD(Computer Aided Design)によって作成された対象物のデータは、CAD/CAMシステムによって生成されたデータファイルを工作機械の操作に必要なコマンド列(例えば、Gコードなど)に変換され、数値制御工作機械(以下、「CNC工作機械」という。)にロードされる。これにより、CNC工作機械の切削工具の通過軌跡(以下、「NCパス」という。)が切削方向に沿って直線または曲線で工作機械に与えられ、切削加工が行われる。
しかしながら、上述のNCパスは、切削後の対象物の形状が直接表わされたものではなく、切削工具の通過位置を示すものであるので、設計された対象物の形状、あるいは切削工具の追従性といったCNC工作機械の制御上の影響等により、切削後の対象物の形状が設計者の意図したとおりの形状にならないことがあった。
例えば、図1に示されるように、NCパス上に曲率が不連続な点や曲率がゼロとなるような変曲点が存在する場合、本来の変曲点である位置の座標が適切にNCパス上の点として設定されていないために、変曲点近傍で、削り込み(図1(a)、図1(b))や削り残し(図1(c))が生じることがある。
特許文献1には、対象物の被加工箇所の加工形状に基づいて変曲点(連続的(折れ角なし)、折れ角大、微小角エッジ)を判別し、判別した変曲点の属性に応じて加工速度を設定し、設定した加工速度に基づいて加工することが開示されている。
また、特許文献2および特許文献3には、制御系及び機械系の追従(応答)遅れおよびバックラッシュによる加工形状精度が低下することを防ぐために、対象物の曲面の頂点近傍で工具の送り速度を減速させる方法が開示されている。
特開2003−108210号公報 特開2002−103192号公報 特開2002−144105号公報
しかしながら、上述の特許文献1〜3においては、加工精度について考慮される形状箇所は、NCパスである断面線上の頂点箇所、あるいはNCパスである断面線上において接線が不連続である箇所でしかないため、例えば、図1(b)および図1(c)に示されるような曲率がゼロとなる箇所を精度良く加工することができないという問題があった。
さらに、三次元における自由曲面を実際に加工する現場においては、上述のような一本の断面線のみによって構成されたNCパスによって切削加工が行われた場合、当該NCパスには曲面の特徴量などの情報が十分に考慮されていないため、設計通りに精度良く曲面を加工することができず、削り込みや削り残しが多く発生するという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、高い精度で曲面を定義するために必要とされる点列生成方法、点列生成プログラム、並びに点列生成装置及びにこれを備えた工作機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第一の態様は、対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、前記対象物の再生曲面を定義するための複数の点列を生成する点列生成方法であって、コンピュータが、前記点群内の複数の点からなる点列を抽出する点列抽出過程と、前記点列から解析用点列を作成する解析用点列作成過程と、前記解析用点列を用いて曲面解析を行い、曲面情報を算出する曲面解析処理過程と、前記各解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる点を含む法断面の方向とが一致する特徴点を検出する特徴点検出過程と、前記解析用点列または三次元座標情報からなる点群内の複数の点列に前記特徴点を挿入して新たな点列とする点列生成過程と、を実行することを特徴とする点列生成方法である。
上記本発明の第一の態様に係る点列生成方法によれば、点列の方向と曲面解析により得られた曲面情報との両方に基づいて得られた特徴点を点列に挿入するので、曲面解析のみによって得られた曲面情報(第1基本量、第2基本量、主曲率、主方向、ガウス曲率、平均曲率など)だけでなく、点列の方向と曲面とによって相対的に形成される特徴点の情報を含んだ点列を生成することができ、より高精度に対象物の再生曲面を定義することができる。
上記本発明の第一の態様において、前記点列は、NCパスとされる構成としてもよい。
この構成によれば、点列をNCパスとすることにより、対象物の曲面情報、および切削方向と対象物の曲面とによって形成される特徴点の情報を含んだNCパスを使用して三次元切削加工を行うことができるので、より高精度に対象物を加工することができる。
上記本発明の第一の態様において、前記特徴点は、前記NCパス上の制御点である構成としてもよい。
この構成によれば、特徴点をNCパス上の制御点とすることができるので、当該特徴点近傍における削り込みや削り残しを防止することができ、より高精度に対象物を加工することができる。
本発明の第二の態様は、対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、前記対象物の再生曲面を定義するための複数の点列を生成する処理をコンピュータに実行させるための点列生成プログラムであって、前記点群内の複数の点からなる点列を抽出する点列抽出ステップと、前記点列から解析用点列を作成する解析用点列作成ステップと、前記解析用点列を用いて曲面解析を行い、曲面情報を算出する曲面解析処理ステップと、前記各解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる法断面の方向とが一致する特徴点を検出する特徴点検出ステップと、前記解析用点列または三次元座標情報からなる点群内の複数の点列に前記特徴点を挿入して新たな点列とする点列生成ステップと、を具備することを特徴とする点列生成プログラムである。
本発明の第三の態様は、対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、前記対象物の再生曲面を定義するための複数の点列を生成する点列生成装置であって、前記点群内の複数の点からなる点列を抽出する点列抽出手段と、前記点列から解析用点列を作成する解析用点列作成手段と、前記解析用点列を用いて曲面解析を行い、曲面情報を算出する曲面解析処理手段と、前記各解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる法断面の方向とが一致する特徴点を検出する特徴点検出手段と、前記解析用点列または三次元座標情報からなる点群内の複数の点列に前記特徴点を挿入して新たな点列とする点列生成手段と、を実行することを特徴とする点列生成装置である。
本発明の第四の態様は、上記第三の態様に記載の点列生成装置を具備したことを特徴とする工作機械である。
本発明によれば、対象物を表現する三次元座標情報からなる点群から、高い精度で曲面を定義することが可能な新たな点列を生成することができる。
従来のNC加工における目標とする加工面(点線)および実際に切削された加工面(実線)を示すものであり、(a)は接線不連続点近傍における削り込みの例、(b)は曲率がゼロとなる変曲点における削り込みの例、(c)は曲率がゼロとなる変曲点における削り残しの例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るCNC工作機械の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る処理のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る点列抽出処理の模式図であり、(a)は処理前の点列および直線補間されたNCパスを示す図であり、(b)は処理後の点列およびNCパス方向を示す図である。 点列抽出処理における許容角度を説明する図である。 曲面解析用点列作成処理における3点NURBS補間を用いた均等化処理を説明する図である。 特徴点検出処理をトーラス面に適用した例であって、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
以下に、本発明に係る点列生成方法を実現するCNC工作機械の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るCNC工作機械の概略構成を示すブロック図である。図2に示されるように、本実施形態に係る数値制御工作機械は、CPU(中央演算処理装置)1、RAM(Random Access Memory)などの主記憶装置2、HDD(Hard Disk Drive)などの補助記憶装置3、キーボードなどの入力装置4、およびモニタやプリンタなどの出力装置5、外部機器との間で種々のデータのやりとりを行う外部インターフェイス6、およびCPU1からの軸移動指令を受けて工作機械の軸を制御する軸制御装置7などを備えて構成されている。
補助記憶装置3には、各種プログラムが格納されており、CPU1が補助記憶装置3からプログラムをRAMなどの主記憶装置2に読み出し、実行することにより、種々の処理を実現させる。
上述のような構成を備えたCNC工作機械において、点群から再生曲面を定義する新たな点列を生成する点列生成処理(点列生成方法)について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す処理は、例えば、CPU1補助記憶装置3に格納されている点列生成プログラムをRAMなどの主記憶装置2に読みだして実行することにより実現されるものである。
まず、CPU1は、対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群データ(例えば、CADを用いて作成された製品の座標データ、対象物を三次元計測した結果として得られた座標データなど)を含むNCデータを取得する。このNCデータは、予めCNC工作機械が内蔵する補助記憶装置3などのメモリに格納されていてもよいし、あるいは、外部インターフェイス6を介して他の外部装置からオンラインにて取り込むようにしてもよい。本発明においては、点群データあるいはNCデータの取得手法については、特に限定されない。
図3に示されるように、本実施形態に係る点列生成処理は、点列抽出処理(ステップSA1)、曲面解析用点列作成処理(ステップSA2)、曲面解析処理(ステップSA3)、特徴点検出処理(ステップSA4)、および点列生成処理(ステップSA5)のステップを含んでいる。
以下、各処理の詳細について説明する。
まず、点列抽出処理(点列抽出方法)において、NCデータから点群データm×n個のxyz座標値を抽出するとともに、点群データ1からmnの順に各点間をG01指令により直線補間を行い、一本のNCパスを形成する(図4(a))。ここで、mはNCデータに含まれるx方向の点数、nはy方向の点数を表わしている。なお、それぞれのNCパスに含まれるx方向の点数はm個とは限らないが、ここでは簡単のために、全てm個として説明している。
この際、図5に示されるように、NCパス上の任意の点kの座標値に対して、点kおよびNCパスにおける点kの直前の隣接点k−1によって生成される線分と、点kおよびNCパスにおける点kの直後の隣接点k+1によって生成される線分とが成す角θと予め設定された許容角度との関係が下記の(1)式を満たす場合は、点kにおいてNCパスを区切り、線分データファイルとして一時保存する。
(許容角度)≦2×(θ−π/2) (1)
により設定される。
一時保存された複数の線分データのうち、2点のみによって形成されている線分データは、切削加工される曲面ではない工具のインクリメント分であるので、無効線分データとして判別し、該当する線分データ(図4(a)の点線部)をスクリーニングする。
次に、曲面解析用点列作成処理(曲面解析用点列作成方法)について説明する。
点列抽出処理によって得られた51ラインのピック(NCパス)は、各ピック(NCパス)におけるパスの方向が一本毎に逆向きとなっている。次ステップSA3の曲面解析処理では、各ピック(NCパス)において、同じ方向に点列を並べる必要があるため、ピック(NCパス)の各パス方向が揃うようにソーティングを行う(図4(b))。
次に、ソーティングされた各線分データの点列に対して、図6に示されるように、各点間の弧長Δsの長さを略均等にするとともに、各ピック(NCパス)の個数を隣接するピック(NCパス)の個数と同じにするために、新たな51点の補間点からなる点列を設定する。なお、図5においては、簡単のために、線分データに含まれる点数を9点としている。具体的には、隣接する3点毎に2次NURBS(Non−Uniform B−Spline)補間式により補間する。ここで補間される各線分の数は、具体的には下記の(2)式によって算出される。
(補間される線分の数)=(補間点点数−3)/2+1 (2)
本実施形態では、補間点点数を51としているので、補間される線分の数は25となる。
そして、補間された各線分の長さΔL1〜ΔL25の和を求め、線分データの全長Lを求める。線分データの全長Lを(補間点点数−1)で除したものを弧長Δsとし、この弧長Δsを媒介にして、各3点毎の2次NURBS補間式から補間点の座標値を決定する(この処理を以下、「3点NURBS補間」と称する)。それぞれの補間点間の弧長Δsが等しく取られた曲面上座標をuv座標系とする。上述したような51ラインの各ピック(NCパス)に対して51点の補間点が設定された場合、uv座標系におけるuおよびvの取り得る範囲は、0≦u≦50、0≦v≦50となる。
以下、上述した3点NURBS補間について補足しておく。
3点NURBS補間では、隣接する3点に注目する。空間上の任意の3点を選択することにより平面が決定される。従って、この3点の補間には平面幾何を適用することができる。また、「曲線の任意の点で二次の接触をする円は曲率円に限られる」という定理から、3点を通る二次式で補間することで曲線を同定することができる。
また、NURBSの特徴からn個の点を通る補間式は(n−1)次式である。従って、この3点NURBS補間においては二次式の補間式となる。なお、この二次式は、選択した3点を必ず通る式となる。
また、上述した二次式では、高次の多項式補間において問題となるルンゲ現象(補間点から離れた補間点が大きく振動する現象)が発生しない。高次の補間式では、選択した点を通るために高次の成分に値を持たせる必要があり、この高次の成分が補間点においては適切な値であっても、補間点から離れた点で誤差となる。それに対し、二次式の場合は、上述したように必ず選択した3点を通るので、ルンゲ現象は発生しない。
したがって、本実施形態における3点NURBS補間では、与えられる3点を必ず通りルンゲ現象を抑制した二次の補間式を3点毎に与えられた点列のセグメントとして区分けすることにより、弧長に応じた補間式として利用できる。
なお、本実施形態における3点NURBS補間では、3点毎に平面幾何を適用しているため、実際に与えられた曲線が空間における自由曲線の場合、各点間の距離が大きいと、空間曲線の捩率の影響が誤差となる問題が生じる。従って、厳密には、捩率が略ゼロとなるような3点を選択したり、あるいは、3点毎に取られた各セグメントの捩率を計算し、この捩率の影響を考慮した補正を行う必要がある。
しかしながら、本実施形態のように、3点NURBS補間をNCパスに適用する場合には、NCパスの点列は、通常、曲面の断面線として与えられ、3点毎に点を選択した各々のセグメントの捩率は略ゼロに等しいため、上述したような捩率の影響はほとんど問題にはならない。
上述の3点NURBS補間による方法によれば、各補間点の弧長Δsが均等化されるため、各補間点により曲率に応じて自動的に補間点間隔の粗密が調整される。すなわち、曲率の大きい箇所では密に補間点が設定され、曲率の小さい箇所では粗く補間点が設定される。
なお、上述したように、本実施形態において、51ライン×51点の曲面格子点列(すなわち、51本の線分データ、および各線分データに対して51点の補間点)を抽出したが、この点数は限定されるものではなく、任意の点数に変更することができる。
曲面解析処理過程(ステップSA3)では、曲面解析用点列作成処理過程において設定された曲面格子点列を用いて曲面解析処理を行う。具体的には、51×51点の各格子点において、第1基本量、第2基本量、主曲率、主方向、ガウス曲率、平均曲率などの曲面の特徴量を算出する。これらの特徴量は、本出願人らが先に出願した特開2006−268188号公報に開示された方法によって算出することができる。
上記の曲面解析処理によって求められた曲面の特徴量の情報の算出結果から、ガウス曲率がゼロとなる点の点列の曲面上uv座標値を探索し、このuv座標値を対応するxyz座標値に変換する。ここで算出されたxyz座標値は、ガウス曲率ゼロの座標値リストとして保存される。このガウス曲率がゼロとなる座標値リストは、後述されるように、新たなNCパス上の点として、新たなNCパスに挿入される。
また、曲面格子点列データはガウス曲率がゼロとなる点の点列のuv座標値を境界として分割される。なお、分割された曲面に対して、上述した曲面解析処理用点列作成処理および曲面解析処理を再度実行してもよい。
ガウス曲率がゼロである点を含む曲面の変曲点によって曲面分割された曲面は、滑らかで連続な(微分可能な)曲面である。ここで、分割された曲面のそれぞれの各格子点上において算出された主曲率に基づいて曲率線を生成する。この曲率線は、算出された最大の主曲率および最小の主曲率のそれぞれを接続することで得られ、各曲率線によって挟まれた領域は直交格子となる。曲率線によって生成された直交格子の交点を求めて、51×51点の直交格子点列を作成する。
なお、51×51点の曲面格子点列データから上記処理によって直交格子点列を算出すると、膨大な数の直交格子点列が算出されるが、本実施形態においては、51×51点の直交格子点列が生成されるように設計されている。何点の直交格子点列を作成するかは設計事項であり、任意の数に設定可能である。
作成された上記の直交格子点列の間隔は不均等であるため、微分計算の精度維持およびCADデータ作成時の波打ちを防止するために、直交格子点列のu方向v方向のそれぞれの方向の格子点3点づつを用いて、上述の曲面解析用点列作成処理において実行された3点NURBS補間処理によって均等化処理を行う。均等化された直交格子座標系をu’v’とする。
上述した曲率線を用いて曲面再生技術によって、曲面を再生することが可能である。例えば、曲率線に基づいて、ガウス写像・逆写像を行い、曲面を生成することができる。具体的には、ユークリッド幾何が成り立つパラメータ空間への座標変換を行った後、曲面の補間を行うことにより曲面を生成することができる。
これまでの処理により、滑らかで連続な(微分可能な)曲面が再生されているとともに、分割された各曲面上に曲率線からなる直交格子座標系であるu’v’座標系がそれぞれ設定されている。また、ガウス曲率がゼロとなる点の点列の座標値リストが得られている。
ここで、元のNCデータ(すなわち、mn個の点群を含むNCデータ)に含まれる点群のxyz座標系における座標値データを各曲面におけるu’v’座標系へと写像する。そして、u’v’座標系に変換された元のNCデータに含まれる点群と、ガウス曲率がゼロの座標値リストに保存されたガウス曲率がゼロの座標値とをxyz座標系における座標値に変換する。
この処理により、ガウス曲率がゼロである座標値以外の点群は、元のNCデータに含まれる点群の座標値と略同一のものとなるが、ノイズ成分を含む元のNCデータの位置を曲面解析処理において得られた理想的な曲面上の点に補正されたものとなる。
ここで、得られた全ての点群に対して、上述した3点NURBS補間により、弧長等で点群が等間隔に並ぶように再度均等化処理を実行してもよい。
このようにして得られた点群間をG指令により直線補間を行い、新たな一本のNCパスとなるように接続する。
次に特徴点検出処理(ステップSA5)について説明する。
ここでは、解析用点列作成処理において生成された解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる法断面の方向とが一致する特徴点を検出する。
特徴点検出処理について、ガウス曲率が正、負、およびゼロの特徴を有する曲面トーラス面を持つ被加工物を例として説明する。
トーラス面は、図7(a)および図7(b)に示されるように、その外側がガウス曲率が正、内側がガウス曲率が負になることが知られている。トーラス面の一番高い点からなる円と一番低い点からなる円とにおいてガウス曲率はゼロとなる。
これまでの処理を実行することによって作成されたNCパスの一部が、例えば図7(a)に示されるようなトーラス面の曲面上に設定されているとする。
トーラス面の内側のガウス曲率が負とされる領域においては、工具の切削方向と曲面の情報との相対関係によって、特徴点と成り得る点が存在する。
すなわち、トーラス面のようにガウス曲率が負になる領域では、当該領域における任意の点において最大曲率が正、最小曲率が負となっているので、中間値の定理により、当該点において法曲率がゼロとなる法断面が必ず存在する。
したがって、ガウス曲率が負の領域において、切削工具の進行方向と法曲率がゼロとなる法断面の方向とが一致した場合に、当該点を特徴点として検出する。
検出された特徴点は、点列生成処理において、NCパス上の点としてNCパスに挿入することで新たなNCパスが作成される。
本実施形態によれば、ガウス曲率がゼロとなる点のような曲面に固有の特徴点だけではなく、切削工具の進行方向と曲面との相対的な関係によって生じる特徴点も考慮したNCパスを生成することができるので、削り込みや削り残しを防止することが出来、より高精度な曲面の切削加工を行うことが出来る。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 CPU
2 主記憶装置
3 補助記憶装置
4 入力装置
5 出力装置
6 外部インターフェイス
7 軸制御装置

Claims (7)

  1. 対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、前記対象物の再生曲面を定義するための複数の点列を生成する点列生成方法であって、
    コンピュータが、
    前記点群内の複数の点からなる点列を抽出する点列抽出過程と、
    前記点列から解析用点列を作成する解析用点列作成過程と、
    前記解析用点列を用いて曲面解析を行い、曲面情報を算出する曲面解析処理過程と、
    前記各解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる点を含む法断面の方向とが一致する特徴点を検出する特徴点検出過程と、
    前記解析用点列または三次元座標情報からなる点群内の複数の点列に前記特徴点を挿入して新たな点列とする点列生成過程と、
    を実行することを特徴とする点列生成方法。
  2. 前記解析用点列作成過程は、
    前記点列上の隣接する3点を3点毎に二次補間式により補間する3点補間過程と、
    前記3点補間過程により補間された各補間曲線を前記点列の始点から終点にわたって連結し、点列長さを算出する点列長さ算出過程と、
    前記点列長さおよび前記点列の点数に応じて、前記補間曲線上に互いの距離が均等になるように補間点を設定する補間点設定過程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の点列生成方法。
  3. 前記点列は、NCパスであることを特徴とする請求項1に記載の点列生成方法。
  4. 前記特徴点は、前記NCパス上の制御点であることを特徴とする請求項3に記載の点列生成方法。
  5. 対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、前記対象物の再生曲面を定義する複数の点列を生成するため処理をコンピュータに実行させるための点列生成プログラムであって、
    前記点群内の複数の点からなる点列を抽出する点列抽出ステップと、
    前記点列から解析用点列を作成する解析用点列作成ステップと、
    前記解析用点列を用いて曲面解析を行い、曲面情報を算出する曲面解析処理ステップと、
    前記各解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる点を含む法断面の方向とが一致する特徴点を検出する特徴点検出ステップと、
    前記解析用点列または三次元座標情報からなる点群内の複数の点列に前記特徴点を挿入して新たな点列とする点列生成ステップと、
    を具備することを特徴とする点列生成プログラム。
  6. 対象物の曲面を表現する三次元座標情報からなる点群から、前記対象物の再生曲面を定義する複数の点列を生成するための点列生成装置であって、
    前記点群内の複数の点からなる点列を抽出する点列抽出手段と、
    前記点列から解析用点列を作成する解析用点列作成手段と、
    前記解析用点列を用いて曲面解析を行い、曲面情報を算出する曲面解析処理手段と、
    前記各解析用点列の各点において、解析用点列の方向と法曲率がゼロとなる点を含む法断面の方向とが一致する特徴点を検出する特徴点検出手段と、
    前記解析用点列または三次元座標情報からなる点群内の複数の点列に前記特徴点を挿入して新たな点列とする点列生成手段と、
    を実行することを特徴とする点列生成装置。
  7. 請求項6に記載の点列生成装置を具備したことを特徴とする工作機械。

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