JP2010121708A - ナット脱落防止用クリップ - Google Patents

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Hiroshi Kohira
弘 甲平
Masaaki Kohira
雅昭 甲平
Katsuhiko Wakabayashi
克彦 若林
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Abstract

【課題】ナットの戻り回転防止機能が高い線材製クリップを提供する。
【手段】クリップ1はボルト12の谷16に嵌まり込む環状本体部2と、環状本体部2の両端に設けた操作部3,4とを有している。環状本体部2は少なくとも一巻されており、このため両操作部3,4を互いに近づけると環状本体部2は広がり変形する。環状本体部2のうちナット11に近い部分か又は操作部3,4に、ナット11の頂面に点接触に近い状態で当接するストッパー部8,9が設けられている。ナット11が戻り回転しようとすると、回転トルクの垂直分力によってストッパー部8,9がボルト12の軸方向に押圧されることにより、環状本体部2がボルト12の山15に強く押圧される。また、環状本体部2の一端部2aが他端部2bを乗り越える現象が生じて、環状本体部2でボルト12が締め付けられる。
【選択図】図3

Description

本願発明は、振動等で緩んだナットがボルトから脱落することを防止するために使用するクリップに関するものである。
送電用鉄塔に使用するナットや鉄道レールの固定に使用するナットなど、振動によってナットが緩むことがある。そこで、ナットの緩み防止やボルトからの脱落防止のため、鋼線やステンレス線等の金属線材で作られたクリップをボルトの露出部に取り付けることが提案され、かつ、実施されている。
その例として特許文献1には、ボルトの谷に嵌まり込む環状本体部の両端に人が指先を当て得る摘まみ部を曲げ形成してなるホースバンド方式のクリップが提案されている。また、特許文献2には、環状本体部の両端にナットの側面に引っ掛かる鉤部を曲げ形成したものが開示されており、更に、特許文献3には、ボルトにぐるぐる回る状態で抱き付くように二巻以上に巻かれたクリップが開示されている。線材製のクリップは、安価である利点やボルトへの取り付けが容易である利点、或いは、ボルトやナットには特別の加工が不要で既存のボルトにそのまま適用できるといった利点がある。
実開昭61−22916号のマイクロフィルム 実開昭57−6818号のマイクロフィルム 特開平09−144739号公報
各特許文献は、基本的には、環状本体部をボルトの谷に嵌め込んだ状態で弾性復元力を効かせて、弾性力でクリップ自体をボルトに回転不能に保持せんとするものであり、クリップはボルトとの間に生じている摩擦力によってボルトに保持されている。
しかるに、例えば送電用鉄塔に使用されるナットや鉄道レールに使用されるナットのように強い振動が作用するナットの場合、緩んだ状態においてもボルトから外れる方向に相当の大きなトルクが生じており、このため、例えば特許文献1のタイプのクリップの場合、クリップがナットと一緒に連れ回転してボルトから抜け出てしまうことがあった。
本願発明はこのような現状に鑑みて成されたものであり、ボルトに対する保持力が高い線材製クリップを提供せんとするものである。
線材製のクリップにおいて、ボルトへの保持力を高くするには当該クリップとボルトとの間の摩擦抵抗を大きくしたらよい。この点について本願発明者たちは試作と実験を繰り返しつつ分析し、各請求項の発明を完成させるに至った。
すなわち本願発明は、緩んだナットがボルトから脱落するのを防止するために前記ボルトの露出部に取り付ける線材製のクリップであって、前記ボルトの谷に嵌まり込んでボルトを抱き締める環状本体部と、前記環状本体部の両端に曲げ形成した一対の操作部とを有しており、前記環状本体部は少なくともボルトを一巻きしており、このため前記2つの操作部を互いに近づけると環状本体部が広がり変形する、という構成において、請求項1の発明では、前記環状本体部の端部又は操作部でかつナットの頂面と対向する部分に、ナットの頂面に狭い面積で当接するストッパー部が設けられている。
請求項2の発明に係るクリップは、請求項1の構成において、前記両操作部は、環状本体部から遠ざかってのち再び環状本体部に近づくようにカールしており、前記両操作部のうち何れか一方又は両方の先端を前記ストッパーと成している。
請求項3の発明に係るクリップは、請求項2において、前記一対の操作部は、ボルトの軸方向から見て環状を成すようにカールしていると共に先端は環状本体部に近接しており、このためラジオペンチ状の工具で一対の操作部を近接させることが可能ならしめられており、かつ、前記一対の操作部の先端は、ボルトの軸線と直交した方向から見て環状本体部を挟んだ一方の側と他方の側とに位置しており、このため一対の操作部の先端がいずれも前記ストッパー部になっている。
請求項4の発明に係るクリップは、請求項2の構成において、前記一対の操作部は、人が指先を当てて互いに接近させ得るようにボルトの軸心方向から見ておおよそ直線状に延びる姿勢になっている。
請求項5の発明に係るクリップは、請求項1において、前記環状本体部は略一巻より僅かに長い長さであり、このため、前記環状本体部はボルトの軸線と直交した方向から見ると2つの半円状部がV字状に交叉した形態になっており、前記環状本体部を構成する2つの半円状部の両端に、環状本体部の外側に突出した操作部が曲げ形成されており、かつ、前記半円状部とこれに形成された操作部とは、ボルトの軸線と直交した方向から見た状態で両操作部の広がり角度が2つの半円状部の広がり角度よりも大きくなるように屈曲しており、これにより、両操作部の付け根寄りの部位を前記ストッパー部と成している。
[分析及び請求項1の作用・効果]
さて、線材製のクリップにおいて、ボルトへの保持力を高くするには当該クリップとボルトとの間の摩擦抵抗を大きくしたらよい。この点については、線材を太くしたり巻数を大きくしたりすれば良いと考えられるが、線材の太さはボルトのピッチで規制されるためむやみに大きくすることはできず、また、一般にボルトの露出部はねじ山2ピッチ分程度しか露出していないことが多いため、クリップの巻数を増やすこともさほどの現実性はないと言える。
更に本質的な問題として、ナットの戻り回転によってクリップが広げられる傾向を呈すると推測されることがあり、このため、クリップの線径を大きくしたり巻き数を増やしたりして弾性復元力を大きくしても、顕著な効果は期待できないと言える。
つまり、クリップがナットの戻り回転に連れ回転するのは、ナットとクリップとの間の摩擦抵抗がクリップとボルトとの間の摩擦抵抗よりも大きいからであるが、ナットがボルトから外れる方向に戻り回転すると、クリップのうちナットに接触している部分は接戦方向に押圧され、すると、クリップは拡径するように変形する傾向を呈し、これにより、クリップとボルトとの間の摩擦抵抗が小さくなって、ボルトに対するクリップの保持力が低下すると推測されるのである。
本願発明者たちは、加振械を使用して特許文献1のクリップと本願発明品との性能差を同一条件下で実験してみた。すなわち、ボルトにねじ込んだナットでワークを押さえ固定した試材を製作し、ボルトの露出部にクリップを取り付けて試材に強い振動を加えるという試験をした。すると、本願発明のクリップは特許文献1のクリップに対して抜け止め効果が著しく高いことが実証された。
同じ条件の下で本願発明のクリップが回り止め機能に優れているのはストッパー部が存在するからであるが、ストッパー部の機能として、まず、ナットの戻り回転トルクが環状本体部をナットの谷に強く押圧するように作用し、これによってクリップの環状本体部とボルトとの間の摩擦抵抗が大きくなるためと解される。更に、ストッパー部の存在により、環状本体部の一端部と他端部とのうちナットに当たっている一端部が他端部の外側にはみ出る現象を呈し、その結果、環状本体部でボルトを縛る状態になって強い締め付け力が発生していると解される。いずれにしても、詳細は実施形態の欄で図面を参照して説明する。
本願発明ではクリップに操作部を設けているため、クリップは人が簡単にボルトに着脱することができる。従って、例えば鉄塔での作業や線路での作業のように現場での作業の容易性・迅速性という要請にも的確に応えることができる。
[請求項2〜4の効果]
ストッパー部はクリップとは別部材として取り付けることも可能であるが、請求項2のように操作部の先端をストッパー部として活用すると、製造するに当たっての加工や部材管理の手間を少なくしてコスト抑制に貢献できる。
また、請求項3の構成を採用すると、クリップをボルトに取り付けるに際しての方向性がなくなり、2つの操作部のいずれを先にした姿勢でもボルトに取り付けることができるため、作業の容易性と迅速性とに一層貢献できる利点がある。また、請求項4の構成を採用すると、工具を使用することなく、クリップは人が手で摘んで簡単にボルトに着脱することができる。
[請求項5の効果]
請求項5の構成を採用すると、環状本体部に対する操作部の角度を変えるだけの簡単な構成で操作部の付け根部がストッパー部になるため、製造コストを抑制できる。また、一対の操作部にストッパーが形成されており、クリップはいずれの操作部を先にした姿勢でもボルトに取り付けできるため、取り付けの方向性がなくて作業性か格段に向上する利点もある。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4では第1実施形態を示し、図5以下では他の実施形態を示している。以下、順次説明する。以下の説明では、説明の簡略化のため、ボルトの軸線方向から見た方向を平面視と言い、ボルトの軸線と直交した方向から見た正面視という。また、「上向き」とはボルトの先端に向いた方向をいう。
(1).第1実施形態の構造
まず、図1〜図3に基づいて第1実施形態の構造を説明する。図1のうち(A)はクリップ1の平面図(ナット11を一点差線で表示している)で(B)は側面図、図2は締結部とクリップ1との分離正面図、図3のうち(A)はクリップ1の使用状態での一部破断平面図で(B)は(A)のB−B視断面図である。
図2に示すように、クリップ1は、ボルト12及びナット11でワーク13,14が締結された締結部に使用される。ボルト12はナット11を締め込んだ状態で先端側の山15が2〜3山程度が露出している。
クリップ1は例えばステンレス線材製であり、ボルト12の谷16に嵌まる環状本体部2と、環状本体部2の一端に設けた第1操作部3及び環状本体部2の他端に設けた第2操作部4とから成っている。環状本体部2はボルト12をほぼ一周するように一巻されたシングルループ状態になっており、環状本体部2の一端部2aと他端部2bとは平面視で交差している(重なりなっている。)。
図3(B)に示すよう、クリップ1の外径Dはボルト12のねじ山15のピッチPより小さい寸法であり、従って、環状本体部2をボルト12の谷16に嵌め込むと図3(B)に示すように環状本体部2の一端部2aと他端部2bとは離反しているが、ボルト12に取り付ける前の製造段階では、図2(B)に示すように環状本体部2の一端部2aと他端部2bとは密接又は近接している。これは、ボルト12の山15を環状本体部2で挟み勝手とすることにより、環状本体部2によるボルト12の抱持力をできるだけ大きくするための措置である。
環状本体部2の一端部2aと他端部2bとは平面視で互いに反対方向に延びており、そして、環状本体部2の一端部2aと他端部2bとから操作部3,4の一部を成す直線部5が延びている。2つの直線部5は平面視で一直線の姿勢に延びており、両直線部5に、当該直線部5の外側に向かってから再び直線部5に向けて延びる平面視略円形のカール部6,7が一体に連続している。従って、2つのカール部6,7でメガネ状態になっている。
両カール部6,7の先端はそれぞれ平面視で直線部5と重なる位置まで延びており、第1カール部6の先端を第1ストッパー部8aとなし、第2カール部7の先端を第2ストッパー部8bと成している。この場合、両ストッパー部8a,8bは環状本体部2から離れるように互いに離反している。また、両ストッパー部8a,8bが直線部5と重なっているため、図2に示すように、カール部6,7は先端に行くに従って直線部5から離れるように傾斜している。
本実施形態では、左右カール部6,7の中心間の間隔寸法を環状本体部2の外径と概ね同じ程度に設定しているが、操作部3,4が環状本体部2から張り出す寸法は任意に設定できる。本実施形態では、カール部6,7は平面視においてカールしているので、クリップ1は全体としてと平坦に近い形態になっている。本実施形態のクリップ1は、ラジオペンチのような2つの拡閉部材を有する工具でカール部6,7を互いに近づけることで環状本体部2を広げることができる。これにより、ボルト12への着脱をワンタッチで行える。工具を使用せずに、クリップ1をボルト12にねじ込むことも可能である。
(2).第1実施形態の作用
次に、主として図4を参照して作用を説明する。図4のうち(A)は図3(A)の IVA-IVA視断面図を基調としつつ図3(A)のA−A視における環状本体部2の一端部2aも表示した図である。(B)〜(D)は作用を説明するための模式図である。
クリップ1をボルト12に取り付けると、クリップ1はその環状本体部2がボルト12の谷16に嵌まり込んでおり、図4(B)に示すように、クリップ1は自身の弾性復元力によってボルト12に抱き付いた状態になっている。この状態では、クリップ1のうちいずれか一方のストッパー部8a,8bがナット11の頂面11aに近接又は当接している。敢えて述べるまでもないが、クリップ1をボルト12に取り付けた状態では、ストッパー部8a,8bはナット11に当たっていなくてもよい。
ナット11が振動等によって緩むことで戻り方向のトルクが発生すると、ナット11の頂面11aによってクリップ1のストッパー部8a,8bが押圧される。この場合、ナット11の戻り回転トルクFはねじ山15の螺旋方向に向かうが、ナット11は回転しつつ上向き移動しようとするので、ナット11の回転トルクFは、円周方向に向かう水平分力F1と上方向に向かう垂直分力F2との合力になる。
そして、仮にナット11とストッパー部8a,8bとの接触面積が大きいと、ナット11の回転トルクFの水平分力F1によってナット11とストッパー部8a,8bとに強い摩擦力が作用し、すると、図4(C)に一点鎖線の矢印Xで示すように環状本体部2は拡がるような作用を受ける。その結果、環状本体部2によるボルト12の抱持力が弱くなって、クリップ1がナット11と簡単に連れ回転する。従来品はこのように推測される。
他方、本願発明では、ナット11の頂面11aはストッパー部8a,8bに対して点接触に近い状態で当たっているに過ぎないため、ナット11と頂面11aとストッパー部8a,8bとの摩擦抵抗はさほど大きくなく、他方、ナット11に作用したトルクの垂直分力F1がストッパー部8a,8bに強く作用してストッパー部8a,8bは上向きに強く押圧される。
すると、図4(D)に示すように、環状本体部2は上向きに押し曲げられるような作用を受けて、環状本体部2のうちナット11に近い部分がボルト12の山16に強く押し付けられるのであり、その結果、ボルト12と環状本体部2との間に強い摩擦抵抗が生じてナット11の戻り回転に対して強い抵抗が発生する。本願発明の作用はこのように推測される。ストッパー部8a,8bはできるだけボルト12に近づけるのが好ましいと言える。
さて、従来品について述べると、従来品も環状本体部の端部がナットの頂面に当たっているが、ボルトのねじ山のリード角はさほど大きくないため、従来品はクリップの環状本体部がナットの頂面に線接触の状態でかなり長い範囲で当っており、このため、ナットと環状本体部と間には強い摩擦抵抗が存在しており、このナットと環状本体部との間に発生している強い摩擦抵抗の故に、クリップの環状本体部はナットの戻り回転トルクによって戻し回転方向に強く押しやられる傾向を呈しており、このため、クリップは拡径する傾向を呈してボルトとの間の摩擦抵抗は小さくなり、その結果、クリップが簡単にナットと連れ回転してしまっていたと推測される。
これに対して本願発明では、上記のとおり、ストッパー部8a,8bの存在により、ナット11の戻り回転に際して、環状本体部2の一端部2aが円周方向に押し戻される力よりも軸方向に押しやられる力が強くなっており、その結果、クリップ1が簡単に連れ回転することが防止されていると推測される。更に本願発明では、ナット11の戻り回転によってクリップ1がボルト12を強く縛るようにな現象も見られる。この点は他の実施形態を例に挙げて説明する(第1実施形態とも共通した作用である)。
(3).第1実施形態に関する補足
既述のとおり、クリップ1は工具を使用しなくてもボルト12にねじ込んで取り付けることが可能である。その場合、本実施形態のように操作部3,4に直線部5を形成すると、直線部5がボルト12の谷16への誘い込み作用を果たすため、取り付け(ねじ込み)の容易性が高くなる利点がある。
また、発明の効果でも述べたように、正面視においてストッパー部8a,8bが環状本体部2を挟んだ上下両側に位置しているため、クリップ1は両ストッパー部8a,8bのいずれを先にした姿勢でもボルト12に取り付けることができる。すなわち取り付けるに際しての方向性がない。この面においても作業性向上に貢献できる。言うまでもないが、ストッパー部8a,8bは両カール部6,7のうち片方のみに設けてもよい。
(4).第2〜第4実施形態(図5〜図6)
図5では第2及び第3実施形態を示している。図5のうち(A)〜(C)は第2実施形態であり、(A)は平面図、(B)は(A)の右側面図、(C)は(A)の正面図である。この第2実施形態では、環状本体部2は360°よりも若干大きい範囲で巻かれており、従って、環状本体部2は平面視で重なり合った重合部2c,2dを有している。
また、第2実施形態では、操作部3,4はカール部6,7を有するが、第1実施形態とは異なって、人が指で摘まみ得るように平面視で略直線状に延びる姿勢になっており、側面視で同じ方向に突出している。そして、環状本体部2の両端部2a,2bのうちカール部6,7の突出方向と反対側に位置した第1端部2aに設けた第1操作部3にストッパー部8を設けている。
図5のうち(D)(E)では第3実施形態を示している。(D)は平面図、(E)は正面図である。この実施形態も第2実施形態と同様に環状本体部2は重合部2c,2dを有しており、かつ、操作部3,4も第2実施形態と概ね同じ形態である。そして、この第3実施形態では、環状本体部2における2つの重合部2c,2dのうち操作部3,4の突出方向と反対側に位置した重合部2dに、金属板等からなるストッパー部8を設けている。ストッパー部8は重合部2dに溶接しても良いし、単に巻き付けて取り付けただけでも良い。
図6では第4実施形態を示している。(A)は平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。この第4実施形態は図5(A)〜(C)の第2実施形態と同様に2つの操作部3,4のうち第1操作部3にストッパー部8を形成している。但し、この第4実施形態では、第1操作部2における第1部カール部6の先端をストッパー部8と成すにおいて、ストッパー部8は環状本体部2に向けて真っ直ぐに延びている。ストッパー部8は平面視で第1カール部6の外側に延びている。
ストッパー部8は、(B)に実線で示すように正面視でナット11の頂面と平行に延びる姿勢に設定しておいても良いし、(B)に一点差線で示すように環状本体部2に近づくように傾斜させても良い。ストッパー部8は仮に実線の状態であっても、ナット11が戻り回転すると、第1カール部6が曲がることでストッパー部8は一点鎖線で示す姿勢になる。なお、第2カール部7の先端をストッパー部と成すことも可能である。
(5).第5実施形態(図7〜図10)
図7〜図10では第5実施形態を示している。図7のうち(A)は平面図、(B)は正面図、(C)はクリップ1の模式的な正面図である。この実施形態は図6の第4実施形態と類似しているが、本実施形態の第1の特徴として、ボルト12の軸線と直交した方向から見て操作部3,4が上下対称形状になっている点が挙げられる。つまり、環状本体部2は、ボルト12の軸心と直交した方向から見た側面視で、2つの半円状部2′,2″が操作部3,4と反対側において繋がった横向きV形になっていて、両半円状部2′,2″の先端に操作部3,4が側面時で重なる状態で形成されている点が挙げられる。更に正確に延べると、2つの操作部3,4は、ボルト12の軸心と直交した平面を挟んで対称状になっている。
本実施形態の第2の特徴として、半円状部2′,2″の先端にそれぞれ直線部5を介して操作部3,4を形成するにおいて、操作部3,4の基部(付け根寄りの部位)は側面視で半円状部2′,3′に対して若干の角度θだけ上下外側に屈曲しており、このため、両操作部3,4の基部が成す開き角度は半円状部2′,2″の開き角度よりも2θだけ大きくなっている。そして、このように両操作部3,4の基部を側面視で半円状部2′,2″に対して屈曲させることにより、両操作部3,4における付け根寄りの部位をストッパー部8と成している。
本実施形態では、クリップ1を構成する線材の外径はボルト12のピッチPとほぼ同じかやや小さい寸法に設定している。従って、図8に示すように、無負荷状態では環状本体部2の両端部は2a,2bは上下方向(ボルト12の軸方向)に当接又は近接している。また、無負荷状態では、クリップ1のうちストッパー部8がナット11の外周縁に当接している。
そして、ナット11が戻り回転すると、図9(A)に示すように、ナット11でストッパー部8が押し上げられることで、環状本体部2の一端部2aが他端部2bを乗り越える現象が見られ、この乗り越え現象は、操作部3,4と反対側において環状本体部2がナット11の頂面に当接するまで続く。環状本体部2の一端部2aが他端部2bを乗り越えることによってクリップ1は変形しているが、この変形により、環状本体部2はボルト12を強烈に縛る状態になっており、その結果、クリップ1とボルト12との間に極めて高い摩擦抵抗が発生してナット11の戻り回転が停止する。
図10では、クリップ1の作用を写真でより明瞭に示している。図10のうち(A)は無負荷状態での正面図、(B)は無負荷状態での平面図であり、この条板では、環状本体部2の一端部2aと他端部2bとは上下に完全に重なり合っている。図10のうち(C)〜(F)はナット11が戻り回転してから停止した状態を示しており、(C)は正面図、(D)は平面図、(E)は右側面図、(F)は左側面図である。
(C)〜(D)から理解できるように、ナット11の戻り回転が進行して環状本体部2の一端部2aが他端部2bを乗り越えると、環状本体部2は第2操作部4に近い部分を除いた広い範囲でナット11の頂面に当接している。そして、環状本体部2の一端部2aが他端部2bを乗り越えると、環状本体部2は図9に矢印Xで示すように強く引っ張られ、そのためにボルト12は環状本体部2で強烈に締め付けられる。
他方、環状本体部2が広い範囲でナット11に当接していると、環状本体部2はボルト12の谷(螺旋溝)16から外れようとしているが、環状本体部2の一端部2aの近くが第2操作部4の付け根に下方から当接して曲げ作用を受けていることにより、環状本体部2は所定範囲以上に広がり変形することが阻止されており、その結果、環状本体部2はボルト12の谷に嵌まった状態が保持されている。
視点を変えて延べると、クリップ1は、環状本体部2をボルト12に巻き付けた状態で、両操作部3,4の付け根を絡ませるように捩じられる作用を受けているのであり、これにより、極めて高い締め付け力が維持されているのである。よって、ナット11に強い振動が作用して戻り回転トルクが生じても、その戻り回転を途中でそしてして脱落を防止できるのである。既述のように、図9〜図10を参照して説明した作用は他の実施形態でも見られるものである。
ところで、ナット11の頂面と雌ねじ穴との境界部には、ボルト12の誘い込みやタップの誘い込みのために一般に面取りがされており、図9(B)に示すように、面とり部11bの外周縁は雌ねじ穴の仮想内周面11cの半径外側に位置している。そして、本願発明では、上記のとおり環状本体部2はその広い範囲がナット11の頂面に強く当接し得るが、図9(A)の矢印Xのように環状本体部2に強い引っ張り力が作用することにより、環状本体部2の一部がボルト12の山15とナット11の面取り部11bとで形成された凹みに嵌まり込んでおり、このため、環状本体部2がボルト12に食い込んだかのような状態になっている。その結果、環状本体部2はボルト12から脱落することなく強烈な締め付け力が実現している。端的に延べると、ナット11の戻り回転トルクが強ければ強いほどクリップ1がボルト12を締め付ける力は強くなるのである。
(6).その他
本願発明は、上記の各実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば環状本体部2は例えば2巻程度のように360°以上の範囲で巻かれていても良いし、また、操作部の形態は必ずしもカールされている必要はなく、例えば環状本体部はL形を成すように曲げただけの形態でも良い。人が摘んで操作する場合、操作部に樹脂製等の当て材を取り付けることも可能である。
第1実施形態を示す図で、(A)はクリップの平面図、(B)は側面図である。 締結部とクリップとの分離正面図である。 (A)はクリップの使用状態での一部破断平面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。 作用を説明するための図である。 (A)〜(C)は第2実施形態を示す図、(D)(E)は第3実施形態を示す図である。 第4実施形態を示す図である。 第5実施形態を示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)はクリップ1の模式的な正面図である。 図7(A)の VIII-VIII視断面図である。 作用の説明図である。 第5実施形態の作用を示す図である。
符号の説明
1 クリップ
2 環状本体部
3,4 操作部
5 直線部
6,7 カール部
8,8a,8b ストッパー部
11 ナット
12 ボルト
13 ワーク

Claims (5)

  1. 緩んだナットがボルトから脱落するのを防止するために前記ボルトの露出部に取り付ける線材製のクリップであって、
    前記ボルトの谷に嵌まり込んでボルトを抱き締める環状本体部と、前記環状本体部の両端に曲げ形成した一対の操作部とを有しており、前記環状本体部は少なくともボルトを一巻きしており、このため前記2つの操作部を互いに近づけると環状本体部が広がり変形する、
    という構成において、
    前記環状本体部の端部又は操作部でかつナットの頂面と対向する部分に、ナットの頂面に狭い面積で当接するストッパー部が設けられている、
    ナット脱落防止用クリップ。
  2. 前記両操作部は、環状本体部から遠ざかってのち再び環状本体部に近づくようにカールしており、前記両操作部のうち何れか一方又は両方の先端を前記ストッパーと成している、
    請求項1に記載したナット脱落防止用クリップ。
  3. 前記一対の操作部は、ボルトの軸方向から見て環状を成すようにカールしていると共に先端は環状本体部に近接しており、このためラジオペンチ状の工具で一対の操作部を近接させることが可能ならしめられており、かつ、前記一対の操作部の先端は、ボルトの軸線と直交した方向から見て環状本体部を挟んだ一方の側と他方の側とに位置しており、このため一対の操作部の先端がいずれも前記ストッパー部になっている、
    請求項2に記載したナット脱落防止用クリップ。
  4. 前記一対の操作部は、人が指先を当てて互いに接近させ得るようにボルトの軸心方向から見ておおよそ直線状に延びる姿勢になっている、
    請求項2に記載したナット脱落防止用クリップ。
  5. 前記環状本体部は略一巻より僅かに長い長さであり、このため、前記環状本体部はボルトの軸線と直交した方向から見ると2つの半円状部がV字状に交叉した形態になっており、前記環状本体部を構成する2つの半円状部の両端に、環状本体部の外側に突出した操作部が曲げ形成されており、かつ、前記半円状部とこれに形成された操作部とは、ボルトの軸線と直交した方向から見た状態で両操作部の広がり角度が2つの半円状部の広がり角度よりも大きくなるように屈曲しており、これにより、両操作部の付け根寄りの部位を前記ストッパー部と成している、
    請求項1に記載したナット脱落防止用クリップ。
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