JP2010121434A - 道路橋用幅員拡張材の設置方法 - Google Patents

道路橋用幅員拡張材の設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、道路橋用幅員拡張材の重量の軽量化を図り、施工性に優れ、短期の工事期間を実現する道路橋の道路橋用幅員拡張材及びその設置方法の技術を提供する。
【解決手段】
中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを施工現場に複数個搬入し、上面部11bと前面部11aの継目11g、該上面部11bと背面部11cの突合せ部及び目地10Cをシール材でシール処理し、道路橋用幅員拡張材の前記車両防護柵取付孔11jに車両防護柵25を固定すると共に延伸部12の上面にコンクリートをないし樹脂モルタル舗装を打設してその上面を既存のアスファルト舗装と面一に仕上げる。
【選択図】図3

Description

本発明は、コンクリート床版からなる道路橋の道路橋用幅員拡張材の設置方法に関するものである。
旧道路構造令で設計・施工された道路橋は、通行車両の大型化等による幅員の不足が指摘されると共に、緊急車両走行用の路肩や歩行者用の歩道の確保も困難なことから、安全かつ円滑な交通を維持するために幅員の拡張が急務となっている。また、道路整備が進み路肩の確保などにより総幅員が拡張されても、橋梁部で従来の総幅員により車両が円滑に通行できない問題がある。また、車両防護柵の設置に於いても新たな道路構造令に抵触する橋梁も多々見受けられる。
従来、この種の第1の従来技術(図示せず)に於いては、道路橋の床版がコンクリート床版である場合、まず、コンクリート床版の張出し部を所定の位置で垂直に切断、除去し、コンクリート床版の本体側から露出した補強用鉄筋に既設のものより長い鉄筋を連結一体化した後、改めてコンクリートを打設して張出し部を延長する工法を施していた。そして、延長された張出し部の側端部分に改めて地覆部を設けるというものであった。
また、第2の従来技術の例としては、図11に示すように、特開2004−176400号公開特許公報の図4等に開示された技術がある。すなわち、まず、主桁1から張出して片持ち桁2を取り付け、コンクリート床版3の主桁1の外側の張出し部を主桁1と地覆4の中間の適当な位置Pで垂直に切断し撤去する。次に、コンクリート床版3の端部の主鉄筋5を露出させ、撤去部分に軽量な鋼床版6を搬入し片持ち桁2に載置する。そして、コンクリート床版3と鋼床版6との連結部で主鉄筋5と延長主鉄筋7を連結し同部空間に充填材8を注入して一体化するというものである。9は連結用鋼板である。
また、第3の従来技術の例としては、図12に示すように特開2001−49618号公開特許公報に開示された技術がある。すなわち、道路橋道路幅員拡張用地覆ユニットは、鋼製中空筒体4Aと腹板4Bとにより形成される。鋼製中空筒体4Aは、前面側1a、上面側1b、背面側1cを備えた鋼製の地覆部1Aの前面側1a、背面側1cの下端に底板部2Aを備えている。そして、該底板部2Aはこの地覆部1Aの背面側1cの外方に延伸部2aと底面側2bで一体化している。この例においては地覆部1Aと底板部2Aとを別に形成し、底板部2Aに地覆部1Aの前面側1aと背面側1cの内面に密接する側面板3a、3bを溶接して立ち上げ、側面板3a、3bを地覆部1Aの前面側1aと背面側1cの内面に合わせてボルト4a、4bを用いて締結して取り付けて一体化してある。そしてかかる第3の従来技術は鋼製中空筒体4Aを備えた道路用幅員拡張材が存在するが、2重鋼板で構成したものや、2重鋼板故に高力ボルト4a、4b等が前面に露出した構成であった。
特開2004−176400号公開特許公報 特開2001−49618号公開特許公報
従来の技術は叙上した構成であるので、次の課題が存在する。
従来の技術に於ける道路橋の拡張方法やその構造は、特に第1の従来技術に於いてはコンクリートを付加して打設するものであるので、コンクリート床版3の重量の増加による主桁の強度不足や主桁上部の鉄筋量の不足、更にはコンクリート打設継ぎ部の耐久性不足など、コンクリート床版3の強度を維持するうえで種々の問題点があった。また、増設される部分がコンクリートにより形成されるので、コンクリートの養生や硬化に時間を要し、工事に伴う交通規制などが長期化するという問題点があった。
第2の従来技術に於いては、全て溶接構造であり耐力は高いが、重量が重くなり施工性に欠けるという問題点があり、衝突荷重が作用したとき、腹板部からの支圧力にコンクリート床版3が耐えられないという問題点があり、既存コンクリート床版3の端部を前面板の位置とした場合に、地覆4の耐力に限界があるという問題点があった。更に主桁の腹板にダメージを与える影響が大きいという問題点があった。
また、第3の従来技術に於いては、地覆部1Aと、底板部2Aの側面板3aがボルト4aにより一体化されている構造であるため耐力が低く、衝突荷重が作用したとき、腹板4Bからの支圧力にコンクリート床版が耐えられないという問題点があり、既存のコンクリート床版の端部を背面板1cより外方向の位置とした場合に、地覆部1Aの耐力が不足するという問題点があった。また鋼製中空筒体4Aが底板部2Aの上に補強リブ2cを設置する構造であり道路橋面の調整が難しく施工性に劣るという問題点があった。そして2重鋼板で構成した道路幅員拡張部材は、重量が重く、高力ボルト4a、4b等が外部に露出しているので、車両走行上危険が伴うと共に道路の美麗感に欠けるという問題点があった。
また、上述した第1ないし第3の従来の技術に於ける道路橋の拡張方法や構造は、その施工方法では手順が複雑・雑多でありかつ幅員拡張に必要となる部材も重量が嵩むと共に部品数も多岐にわたっており、特に幅員の拡張幅が相対的に小さくて済む場合には、施工の難易度、工事期間及び工事コスト等の面で比較優位性に劣るという問題点があった。
本発明は、コンクリート床版からなる道路橋の幅員を拡張するにあたり、道路橋用幅員拡張材が鋼製地覆を備えかつコンクリート床版と完全一体化構造物として構成した。つまり所定長を有する道路橋用幅員拡張材に於いて2種の道路橋用幅員拡張材、すなわち、略T字状支持部材を備えた支柱部材としての道路橋用幅員拡張材と地覆の内部に略T字状支持部材を備えることなく略輪環状補強リブを備えた中間部材としての道路橋用幅員拡張材とを目地(隙間)を介して交互に連続して配設した構成であって、該地覆前方の補強リブを排除すると共に地覆下面に腹板のフランジを備え、地覆部分とコンクリート床版の上面、側面及び下面の全体とをエポキシ樹脂で接着し、車両衝突事故等に際してコンクリート床版の破壊を防止し、必要な強度を維持しつつ重量を大幅に低減し、地覆部分の張出しや強度を更に増強し、施工性の向上を図り工事期間が短期間で済む技術を提供することを目的としたものであって、次の構成、手段から成立する。
請求項1記載の発明によれば、道路橋に於ける幅員拡張材の設置方法であって、コンクリート床版とコンクリート製の地覆で構成された道路橋に於いて、単一の鋼板で形成された前面部、背面部及び底面部の各接合部を溶着すると共に該前面部と上面部との継目の下面に支持板で該上面部をボルトで締結した略箱状体でなる鋼製中空筒体と、該鋼製中空筒体の内部に固定した略輪環状補強リブと、該鋼製中空筒体の前面方向に突設された延伸部と一体形成された底面部の略中央に長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板と、該腹板に対して直角方向に周囲が略不等辺四角形かつ所定の等間隔に列設した該腹板の補強リブと、前記腹板の下端から前記延伸部に略平行にかつ該鋼製中空筒体の前面方向に固定・配設したフランジ延伸部と、前記腹板の背面に備えたフランジとで構成した中間部材としての道路橋用幅員拡張材及び単一の鋼板で形成された前面部、背面部及び底面部の各接合部を溶着すると共に該前面部と上面部との継目の下面に支持板で該上面部をボルトで締結した略箱状体でなる鋼製中空筒体と、該鋼製中空筒体の内部に固定した略T字状支持部材と、前記底面部であって略T字状支持部材の左・右部位に穿孔した作業用穴と、前記上面部に複数個を形成した車両防護柵取付孔と、該鋼製中空筒体の前面方向に突設された延伸部と一体形成された底面部の略中央に長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板と、該腹板に対して直角方向に周囲が略不等辺四角形かつ所定の等間隔に列設した該腹板の補強リブと、前記腹板の下端から前記延伸部に略平行にかつ該鋼製中空筒体の前面方向に固定・配設したフランジ延伸部と、前記腹板の背面に備えたフランジとで構成した支柱部材としての道路橋用幅員拡張材を施工現場に複数個搬入し、第1に道路橋の全長に亘り前記延伸部を設置するために必要な幅寸法の舗装をコンクリート床版から除去しかつ露出したコンクリート床版の上面と同一面に於いて既存のコンクリート製の地覆を切断及び/またはハツリ除去すると共に前記道路橋用幅員拡張材の寸法に基づいてコンクリート床版の上面及び側面にボルト孔の位置を罫書きし、コンクリート床版の罫書き位置に於いて締結部材用の孔を穿孔し、第2に前記コンクリート床版の不陸が著しい場合には下地処理用モルタル層を左官仕上げし、前記道路橋用幅員拡張材をコンクリート床版に仮置きし、前記上面部は全て取外し、締結部材により前記道路橋用幅員拡張材をコンクリート床版に締め付け固定し、第3にコンクリート床版及び下地処理用モルタル層が接する前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材と前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材との端面及び前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材と前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材との隣接部位に形成された目地をシール材でシール処理を行い、コンクリート床版と前記延伸部の下面、前記腹板の前面及び前記フランジ延伸部の上面の間で形成させる隙間に樹脂を注入・充填し、前記上面部を道路橋用幅員拡張材に固定し、第4に該上面部と前記前面部の継目、該上面部と前記背面部の突合せ部及び前記目地を前記シール材でシール処理し、道路橋用幅員拡張材の前記車両防護柵取付孔に車両防護柵を固定すると共に前記延伸部の上面にコンクリートをないし樹脂モルタル舗装を打設してその上面を既存の舗装と面一に仕上げることを特徴とする。
本発明に係る道路橋用幅員拡張材の設置方法は叙上した構成、作用を有するので、次の効果がある。
請求項1記載の発明によれば、道路橋に於ける幅員拡張材の設置方法であって、コンクリート床版とコンクリート製の地覆で構成された道路橋に於いて、単一の鋼板で形成された前面部、背面部及び底面部の各接合部を溶着すると共に該前面部と上面部との継目の下面に支持板で該上面部をボルトで締結した略箱状体でなる鋼製中空筒体と、該鋼製中空筒体の内部に固定した略輪環状補強リブと、該鋼製中空筒体の前面方向に突設された延伸部と一体形成された底面部の略中央に長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板と、該腹板に対して直角方向に周囲が略不等辺四角形かつ所定の等間隔に列設した該腹板の補強リブと、前記腹板の下端から前記延伸部に略平行にかつ該鋼製中空筒体の前面方向に固定・配設したフランジ延伸部と、前記腹板の背面に備えたフランジとで構成した中間部材としての道路橋用幅員拡張材及び単一の鋼板で形成された前面部、背面部及び底面部の各接合部を溶着すると共に該前面部と上面部との継目の下面に支持板で該上面部をボルトで締結した略箱状体でなる鋼製中空筒体と、該鋼製中空筒体の内部に固定した略T字状支持部材と、前記底面部であって略T字状支持部材の左・右部位に穿孔した作業用穴と、前記上面部に複数個を形成した車両防護柵取付孔と、該鋼製中空筒体の前面方向に突設された延伸部と一体形成された底面部の略中央に長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板と、該腹板に対して直角方向に周囲が略不等辺四角形かつ所定の等間隔に列設した該腹板の補強リブと、前記腹板の下端から前記延伸部に略平行にかつ該鋼製中空筒体の前面方向に固定・配設したフランジ延伸部と、前記腹板の背面に備えたフランジとで構成した支柱部材としての道路橋用幅員拡張材を施工現場に複数個搬入し、第1に道路橋の全長に亘り前記延伸部を設置するために必要な幅寸法の舗装をコンクリート床版から除去しかつ露出したコンクリート床版の上面と同一面に於いて既存のコンクリート製の地覆を切断及び/またはハツリ除去すると共に前記道路橋用幅員拡張材の寸法に基づいてコンクリート床版の上面及び側面にボルト孔の位置を罫書きし、コンクリート床版の罫書き位置に於いて締結部材用の孔を穿孔し、第2に前記コンクリート床版の不陸が著しい場合には下地処理用モルタル層を左官仕上げし、前記道路橋用幅員拡張材をコンクリート床版に仮置きし、前記上面部は全て取外し、締結部材により前記道路橋用幅員拡張材をコンクリート床版に締め付け固定し、第3にコンクリート床版及び下地処理用モルタル層が接する前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材と前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材との端面及び前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材と前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材との隣接部位に形成された目地をシール材でシール処理を行い、コンクリート床版と前記延伸部の下面、前記腹板の前面及び前記フランジ延伸部の上面の間で形成させる隙間に樹脂を注入・充填し、前記上面部を道路橋用幅員拡張材に固定し、第4に該上面部と前記前面部の継目、該上面部と前記背面部の突合せ部及び前記目地を前記シール材でシール処理し、道路橋用幅員拡張材の前記車両防護柵取付孔に車両防護柵を固定すると共に前記延伸部の上面にコンクリートをないし樹脂モルタル舗装を打設してその上面を既存の舗装と面一に仕上げることを特徴とする道路橋用幅員拡張材の設置方法を提供する。
このような構成としたので、前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材は車両等の衝撃荷重に耐えうる構造にして軽量化を図り、前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材は車両防護柵等が車両等による衝突荷重に耐えうる強固な構造として道路橋用幅員拡張材のユニット化を図ったので道路橋全体に於ける道路橋用幅員拡張材の総重量を軽量化できるという効果があり、前記道路橋用幅員拡張材の各々の長さを比較的短く例えば1(m)とすることにより、既設のコンクリート床版の水平レベルすなわち傾斜に沿って前記道路橋用幅員拡張材を設置できるので、その結果前記コンクリート床版と前記道路橋用幅員拡張材の設置面に於ける隙間を少なくすることができ、隙間に充填する材料例えばエポキシ樹脂の量を少なくすることができるので、施工性が向上すると共に十分な施工強度を得られるという効果がある。また、前記コンクリート床版と前記道路橋用幅員拡張材の延伸部の下面、腹板の前面及びフランジ延伸部の上面の間で形成させる隙間にエポキシ樹脂を注入・充填して接着する設置方法であるから、当該前記道路橋用幅員拡張材に車両等による衝突荷重が作用したとき、当該前記道路橋用幅員拡張材からコンクリート床版への衝撃荷重が接着面全体に分散して作用するので、ボルト等の締結部材の締結部位の周辺に荷重が集中することを防止でき、前記締結部位でのコンクリート床版の破壊・破断を有効に防止できるという効果がある。更に、フランジ延伸部を設けて、従来技術に於いて延伸部上に必要とされた補強リブを廃止したので、当該道路橋用幅員拡張材をコンクリート床版に設置した後に復旧工事として行う延伸部に於けるコンクリートないし樹脂モルタル舗装の厚みを自由に調整することができて既存の例えばアスファルト舗装と面一若しくは低く仕上げることができるので、雨水等を路肩において効率よく流過させる路肩形状を容易に舗装・施工することができるという効果がある。
本発明に係る道路橋用幅員拡張材であって、所定長を有する2種の道路橋用幅員拡張材を目地(隙間)を介して一連に設置した状態を示す実施の形態を示す正面図である。 図1の底面図である 図1の矢視A−A線方向から見た本発明に係る道路橋用幅員拡張材の設置方法の実施の形態の一例を示すものであって、地覆すなわち鋼製中空筒体の内部に略輪環状補強リブを備えた中間部材としての道路橋用幅員拡張材を示す垂直拡大断面図である。 図3に示す中間部材としての道路橋用幅員拡張材を上方から見た斜視図である。 図3に示す中間部材としての道路橋用幅員拡張材を下方から見た斜視図である。 図3に示す中間部材としての道路橋用幅員拡張材に於ける地覆の内部に備えた略輪環状補強リブの構成を明示する斜視図である。 図1の矢視B−B線方向から見た本発明に係る道路橋用幅員拡張材の設置方法の実施の形態の一例を示すものであって、地覆すなわち鋼製中空筒体の内部に略T字状支持部材を備えた道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材を示す垂直拡大断面図である。 図7に示す支柱部材としての道路橋用幅員拡張材を上方から見た斜視図である。 図7に示す支柱部材としての道路橋用幅員拡張材に於いて下方から見た斜視図である。 図7に示す支柱部材としての道路橋用幅員拡張材に於ける地覆の内部に備えた略T字状支持部材の構成を明示する斜視図である。 従来の技術に於ける道路橋の拡幅方法の施工後の一例を示す断面図である。 従来の技術に於ける道路橋の拡幅方法の施工後の他の例を示す断面図である。
以下、本発明に係る道路橋用幅員拡張材の設置方法についての実施の形態を、添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明に係る道路橋用幅員拡張材であって、所定長を有する2種の道路橋用幅員拡張材を目地(隙間)を介して一連に設置した状態を示す実施の形態を示す正面図である。図2は図1の底面図である。図3は図1の矢視A−A線方向から見た本発明に係る道路橋用幅員拡張材の設置方法の実施の形態の一例を示すものであって、地覆の内部に略輪環状補強リブを備えた道路橋用幅員拡張材を示す垂直拡大断面図である。図4は図3に示す道路橋用幅員拡張材を上方から見た斜視図である。図5は図3に示す道路橋用幅員拡張材を下方から見た斜視図である。図6は図3に示す道路橋用幅員拡張材に於ける地覆の内部に備えた略輪環状補強リブの構成を明示する斜視図である。
以下、図1ないし図6に基づき、先ず本発明に係る道路橋用幅員拡張材の構成について説明する。
図1は2種の道路橋用幅員拡張材つまり道路橋用幅員拡張材の中間部材としての道路橋用幅員拡張材と、道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材とを例えば幅長5(mm)程度の目地(隙間)10Cを介して交互に一連に配設した構成例を示している。10Aは道路橋用幅員拡張材の中間部材としての道路橋用幅員拡張材であり、地覆11Aの内部に略T字状支持部材を備えることなく、略輪環状補強リブ11eを配備している。10Bは道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材であり地覆11Bの内部に略T字状支持部材24を配備している。
先ず、道路橋用幅員拡張材の中間部材としての道路橋用幅員拡張材10Aについて説明する。図3に於いて10Aは道路橋用幅員拡張材の中間部材としての道路橋用幅員拡張材の設置状態であって、工場で道路橋用幅員拡張材10Aを製作し、現場の条件及び施工性等を考慮して所望のサイズのユニットとして形成されている。11Aは道路橋用幅員拡張材10Aのうち略箱状体でなる鋼製中空筒体すなわち地覆を指示しており、前面部11a、上面部11b、背面部11c及び底面部11dの各面部から構成されている。これら各面部11a、11b、11c及び11dは単一の鋼板でなっており、各面部の接合部は溶着されている。図3に示すように前面部11aの上端は背面方向に滑らかに屈曲して施工後の供用に配慮してある。
12は鋼製中空筒体つまり地覆11Aの前面方向に突設された延伸部であって、底面部11dと一体成形されている。延伸部12と底面部11dでなる一体成形部材つまり底板部の略中央には、図3に示すように鋼製中空筒体つまり地覆11Aの長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板13が設けられており、該腹板13に対して直角方向には図1及び図3に示すように周囲が略不等辺四角形又は台形状からなる腹板13の補強リブ14が所定の等間隔にて、例えば図1に示すように複数個又は多数個を列設している。該腹板13の補強リブ14、14の相互間で囲われた腹板13には、図1で示すようにその略中央に略長円形のボルト穴13aが1個又は2個並設されている。ここでは、各面ごとに1個又は2個のボルト穴13a、13aを連設しているが、現場の条件により配設数は調整すればよい。
前記地覆11Aの内部には、例えば略輪環状補強リブ11eを固定しており、その横方向側面形状が図3及び図6に示すように略口の字であって図示するように輪環状の4辺で構成している。略輪環状補強リブ11eの4辺のうち上部が前記上面部11bの内壁に密接するように構成している。略輪環状補強リブ11eは平面板状に形成され、例えば図6に示すように所定の等間隔にて垂直方向に底面部11dの上面に立設している。該略輪環状補強リブ11eの上部は例えば平板部(図示せず)を延出形成し該地覆11Aの上面部11bを載置しやすいように構成にしている。該略輪環状補強リブ11eは、例えば前記腹板13の補強リブ14の取付位置と底面部11dを挟んで同一面に取付られており、設置数を同一とする。そして当該本発明に係る道路橋用幅員拡張材の中間部材としての道路橋用幅員拡張材10Aの特徴は地覆11Aの延伸部12の上面に補強リブを備えていない。
前記腹板13の下端には前記地覆11Aの延伸部12と略平行に所定長のフランジ延伸部15を地覆11Aの前面方向に固定・配設している。そして、前記延伸部12、腹板13及びフランジ延伸部15は全体としての側面形状が略コ字状に形成してあり、この略コ字状の部分にエポキシ樹脂層21及び下地処理用モルタル層22を介在させて延伸部12の下面に配置されるコンクリート床板18を保持・固定する。前記延伸部12、腹板13及びフランジ延伸部15はそれぞれが各別部材として溶着手段により固定・配置するが、一つの部材で一体構成することも可能である。
底面部11dには略輪環状補強リブ11e、11eを立設した上面を除き、相互の補強リブ14、14間の略中央に図2、図3で示す略楕円形又は矩形の例えば100(mm)×150(mm)の作業用穴11fが設けられており、上面部11bと略輪環状補強リブ11eとの締結に使用するボルト、ナット等締結部材の挿入作業やその溶接作業を行う。また、延伸部12には略円形又は楕円形のボルト穴12a、12bが設けられている。そしてこのボルト穴12a、12bを介してコンクリートアンカー16、アンカーボルト17をコンクリート床版18に打込む。
尚、前記作業用穴11fは省略してもよい。
前記延伸部12の上面にはコンクリートないし樹脂モルタル舗装19を敷設する。このコンクリートないし樹脂モルタル舗装19の前方つまり図3の右方向に隣接して前記コンクリート床版18の上面に例えばアスファルト舗装20を敷設する。また前述したように前記延伸部12の下面、腹板13の前面及びフランジ延伸部15の上面に例えば厚さ5(mm)程度のエポキシ樹脂層21を注入する。このエポキシ樹脂層21の下面及び前記腹板13の前面や前記フランジ延伸部15の上面には下地処理用モルタル層22を塗装してある。このように構成したので中間部材としての道路橋用幅員拡張材10Aをコンクリート床板18に確実に固定しかつ、衝撃に強い構造を実現すると共に雨水等の流入を完全に防止し気密性の高い道路橋用幅員拡張材10Aを提供できる。
前記腹板13を基点としてつまり、腹板13の背面に前記フランジ延伸部15の反対方向すなわち後方には所定幅を有する板状の腹板のフランジ23を備えている。この腹板のフランジ23は図5に示すように地覆11Aの背面部11cの下端と、前記腹板13の下端との間に溶接手段等によりその端部を固定され、地覆11Aの長さ方向に相互間隔を有し、複数個、例えば3個を配備している。すなわち腹板13と地覆11Aの背面部11c間に介設されている。そして該腹板のフランジ23は図5に示すように前記底面部11dの下面に設置した各補強リブ14の下端にそれぞれ固定する。従って、該腹板のフランジ23の設置数は補強リブ14と同一数となり両者の全体側面形状は略T字状となる。このように構成したので、道路橋用幅員拡張材の中間部材としての道路橋用幅員拡張材10Aの耐荷性を向上させ道路上に地震や輪荷重等衝撃が加わったときにも毀損することがなくまた再補修の必要がなく道路の安全性に寄与する。
尚、前記地覆11Aの底面部11d、背面部11c、腹板13、フランジ延伸部15及び腹板のフランジ23を一つの部材で構成することができ、溶接手段や固定手段を省略し、工期の短縮を実現することができる。また、図4に於いて11gは前記地覆11Aの上面部11bと前面部11aとの継目であって長さ方向に隙間を形成している。この継目11gは図5に示すように上面部11bの下面に支持板11hを溶接手段やボルト等の締結部品で固定する。そして該継目11gを閉塞する。
次に本発明に係る道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bについて説明する。
図7は図1の矢視B−B線方向から見た本発明に係る道路橋用幅員拡張材の設置方法の実施の形態の一例を示すものであって、地覆の内部に略T字状支持部材を備えた道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材を示す垂直拡大断面図である。図8は図7に示す道路橋用幅員拡張材を上方から見た斜視図である。図9は図7に示す道路橋用幅員拡張材に於いて下方から見た斜視図である。図10は図7に示す道路橋用幅員拡張材に於ける地覆の内部に備えた略T字状支持部材の構成を明示する斜視図である。
図7に於いて10Bは本発明に係る道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材の設置状態であって、工場で当該道路橋用幅員拡張材を製作し、現場の条件及び施工性等を考慮して所望のサイズのユニットとして形成されている。11Bは道路橋用幅員拡張材10Bのうち略箱状体でなる鋼製中空筒体すなわち地覆を指示しており、前面部11a、上面部11b、背面部11c及び底面部11dの各面部から構成されている。これら各面部11a、11b、11c及び11dは単一の鋼板でなっており、各面部の接合部は溶着されている。図8に示すように前面部11aの上端は背面方向に滑らかに屈曲して施工後の共用に配慮してある。
12は鋼製中空筒体つまり地覆11Bの前面方向に突設された延伸部であって、底面部11dと一体成形されている。延伸部12と底面部11dでなる一体成形部材すなわち底板部の略中央には、図7及び図8に示すように鋼製中空筒体つまり地覆11Bの長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板13が設けられている。補強リブ14は該腹板13に対して直角方向には図9及び図10に示すように周囲が略不等辺四角形又は台形状からなる腹板13の補強リブ14が所定の等間隔にて、例えば図1に示すように複数個又は多数個を列設している。該腹板13の補強リブ14、14の相互間で囲われた腹板13には、図1で示すようにその略中央に略長円形のボルト穴13aが1個又は2個並設されている。ここでは、各面ごとに1個又は2個のボルト穴13a、13aを連設しているが、現場の条件により配設数は調整すればよい。
前記地覆11Bの内部には、例えば図10に示すように略T字状支持部材24を配置している。24は前記鋼製中空筒体つまり地覆11Bの長さ方向略中央部に垂直方向に立設した略T字状支持部材であって、地覆11Bの前面部11a、底面部11d及び背面部11cの内壁面にそれぞれ溶着されていてフランジ24aと該フランジ24aの下面に垂直方向に立設した垂直板部24bとを有し、両者を溶着してなる。略T字状支持部材24は、例えば前記腹板13の各補強リブ14、14のうち中央に位置する補強リブ14の取付位置と底面部11dを挟んで垂直方向の同一位置に取付られている。そして当該本発明に係る道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bの特徴は地覆11Bの延伸部12の上面に補強リブを備えていない。フランジ24aは複数の孔24c・・・・を穿孔しており、地覆11Bの上面部11bに複数個を形成した車両防護柵取付孔11jに適合させこれにボルト、ナット等締結部材を上方から挿入し、上面部11bを介して車両防護柵25を取り付ける。車両防護柵とは、橋や縁、階段などの端に設けた手すり状の部分である。
24d、24dはフランジ24aの下面であって、かつ垂直板部24bの左右側面に例えば4個適宜間隔を有して突設したフランジ補強リブ24e、24e間に介設・固定されたフランジ補強版である。フランジ補強板24dは地覆11Bの上面部11bを介してフランジ24aにボルト、ナット等締結部材で固定した前記車両防護柵25の剛性を高める。フランジ補強板24dは車両防護柵25が車両等の衝突などで外力を受けた際に発生する曲げモーメントによってフランジ24aが変形することを防止する。
24e、24eは図10に示すように、垂直板部24bの左・右側面及び前記平フランジ補強板24d、24dの両端部に配置・溶着したフランジ補強リブであって、フランジ24aの下面の左右にそれぞれ2個備えている。フランジ補強リブ24e、24eは、前記車両防護柵25が車両等の衝突などの外力を受けた際に発生する曲げモーメントによってフランジ24aが変形することを防止する共に、併せて垂直板部24bの変形も防止できる。
前記腹板13の下端には前記地覆11Bの延伸部12と略平行に所定長のフランジ延伸部15を固定・配設している。そして、前記延伸部12、腹板13及びフランジ延伸部15は全体としての側面形状が略コ字状に形成してあり、この略コ字状の部分にエポキシ樹脂層21及び下地処理用モルタル層22を介在させて延伸部12の下面に配置されるコンクリート床板18を保持・固定する。前記延伸部12、腹板13及びフランジ延伸部15はそれぞれが各別部材として溶着手段により固定・配置するが、一つの部材で一体構成することも可能である。
底面部11dには図10で示す略楕円形又は矩形の例えば100(mm)×150(mm)の作業用穴11iが複数個、例えば2個設けられており、前記車両防護柵25と略T字状支持部材24との締結に使用するボルト、ナット等締結部材の挿入作業やその溶接作業を行う。該作業用穴11iは、地覆11Bの底面部であって略T字状支持部材24が立設する位置の左・右部位それぞれ穿孔する。具体的には図10に示すように2個を穿孔する。
また、延伸部12には略円形又は楕円形のボルト穴12a、12bが設けられている。そしてこのボルト穴12a、12bを介してコンクリートアンカー16、アンカーボルト17をコンクリート床版18に打込む。
前記延伸部12の上面にはコンクリートないし樹脂モルタル舗装19を敷設する。このコンクリートないし樹脂モルタル舗装19の前方つまり図7の左方向に隣接して前記コンクリート床版18の上面に例えばアスファルト舗装20を敷設する。また前述したように前記延伸部12の下面、腹板13の前面及びフランジ延伸部15の上面には例えば厚さ5(mm)程度のエポキシ樹脂層21を注入する。このエポキシ樹脂層21の下面及び前記腹板13の前面や前記フランジ延伸部15の上面には下地処理用モルタル層22を塗装してある。このように構成したので支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bをコンクリート床板18に確実に固定しかつ、衝撃に強い構造を実現すると共に雨水等の流入を完全に防止し気密性の高い道路橋用幅員拡張材10Bを提供できる。
前記腹板13を基点としてつまり、腹板13の後面に前記フランジ延伸部15の反対方向すなわち後方には所定幅を有する板状の腹板のフランジ23を備えている。この腹板のフランジ23は図9に示すように地覆11Bの背面部11cの下端と、前記腹板13の下端との間に溶接手段等によりその端部を固定され、相互間隔を有し、複数個、例えば3個を配備している。そして該腹板のフランジ23は図9に示すように前記底面部11dの下面に設置した各補強リブ14の下端にそれぞれ固定する。従って、該腹板のフランジ23の設置数は補強リブ14と同一数となり両者の全体側面形状は略T字状となる。このように構成したので、道路橋用幅員拡張材の支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bの耐荷性を向上させ道路上に地震や輪荷重等衝撃が加わったときにも毀損することがなくまた再補修の必要がなく道路の安全性に寄与する。
前記地覆11Bの底面部11d、背面部11c、腹板13、フランジ延伸部15及び腹板のフランジ23を一つの部材で構成することができ、溶接手段や固定手段を省略し、工期の短縮を実現することができる。
前述した本発明に係る道路橋用幅員拡張材を道路橋に組付ける際は、中間部材としての道路橋用幅員拡張材10Aと支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bとを図1に示すように連結する。図1に示すものは左側から支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを2個連続して連結し、次に中間部材としての道路橋用幅員拡張材10Aと該支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを交互に連結した構成である。
尚、図1に示す構成例は一例であって現場の状況に応じて中間部材及び支柱部材に係る道路橋用幅員拡張材10A、10Bを適宜編成・組み合わせることは可能である。また両道路橋用幅員拡張材10A、10Bの各個の間には幅長5(mm)程度の目地(隙間)10Cを介して連結することを通例とするが、これに限定されず、例えば予め複数個を溶着して連結して構成された両道路橋用幅員拡張材10A、10Bを現場で設置し、当該目地(隙間)10Cの部位を適宜選定してもよい。
次に本発明に係る道路橋用幅員拡張材の設置方法について道路橋への施工例を詳細に説明する。
第1に、工場に於いて所要数の中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを製造して、それぞれの道路橋用幅員拡張材10A、10Bを幅員を拡張する道路橋の施工現場に搬入する。
そして、幅員を拡張する道路橋の路肩に於いて道路橋の全長に亘り地覆の延伸部12を設置するのに必要な幅寸法の例えばアスファルト舗装20をブレーカー等の工具によりコンクリート床版18から除去する。また、露出したコンクリート床版18の上面と同一面に於いて、既存のコンクリート製の地覆(図示せず)をコンクリートカッタ等で切断及び/またはハツリ除去する。ハツリ除去とは上記工具等でコンクリート床版18の上面を平坦になるように薄く切削・除去することをいう。次に、道路橋用幅員拡張材10A、10Bの寸法に基づいてコンクリート床版18の上面及び側面にボルト孔12a、12b、13aの位置を罫書きする。このとき、道路橋の両側端部、いわゆる橋の袂に支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを少なくとも4個設置し、道路橋の長さ方向に亘って、中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを図1及び図2に示すように適宜配置する。
更に、コンクリート床版18の罫書き位置に於いてダイヤモンドコア等を取付けたコアドリルを用いて、ボルト13b、コンクリートアンカー16及びアンカーボルト17用の孔を穿孔する。そして、高圧洗浄機等を用いてコンクリート床版18の前記の加工面の清掃を行う。第2に、道路橋用幅員拡張材10A及び10Bをコンクリート床版18に設置したとき、コンクリート床版18を延伸部12の下面と腹板13の前面とフランジ延伸部15の上面に均等に接触させるために、コンクリート床版18の不陸すなわち凹凸ないしうねりが著しい場合には下地処理用モルタル層22を左官仕上げする。すなわち前記3面に対向するコンクリート床版18の3面の所定範囲にモルタル又は無収縮モルタルを適宜の厚さにて左官仕上げして、平滑な平面を施工する。工場から施工現場に搬入した道路橋用幅員拡張材10A、10Bを前記した配列によって、コンクリート床版18に仮置きする。このとき、道路橋用幅員拡張材10A、10Bの上面部11bは全て取外しておく。そしてボルト孔13を介してボルト13bで腹板13をコンクリート床版18に締め付け固定し、続いてボルト穴12a、12bを介してコンクリートアンカー16及びアンカーボルト17で延伸部12をコンクリート床版18に締め付け固定する。
第3に、コンクリート床版及び下地処理用モルタル層が接する前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材と前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材との端面をシリコン系シール材等のシール材でシール処理を行い、更に目地10Cを全て前記シール材でシールを行う。そしてコンクリート床版18と延伸部12の下面、腹板13の前面及びフランジ延伸部15の上面の間で形成させる隙間にエポキシ樹脂を注入・充填する。また上面部11bを道路橋用幅員拡張材10A、10Bにボルト締めして固定する。第4に上面部11bと前面部11aの継目11g、上面部11bと背面部11cの突合せ部及び目地10Cの未だシール処理を行っていない部位等を前記シール材でシール処理して地覆すなわち鋼製中空筒体を密封し、鋼製中空筒体内に雨水等が流入・浸入することを防止する。そして車両防護柵取付孔11jに車両防護柵25をボルトで締付・固定する。図3及び図7に示すように、延伸部12の上面にコンクリートないし樹脂モルタル舗装19を打設して延伸部12、コンクリートアンカー16及びアンカーボルト17を被覆すると共に、コンクリートないし樹脂モルタル舗装19の上面を既存の例えばアスファルト舗装20と面一に仕上げる。最後に必要であれば、道路橋用幅員拡張材10A、10Bを塗装して施工を完了する。
このような設置方法によれば、前記道路橋用幅員拡張材10Aは車両等の衝撃荷重に耐えうる構造にして軽量化を図り、前記道路橋用幅員拡張材10Bは車両防護柵25が車両等による衝突荷重に耐えうる強固な構造として道路橋用幅員拡張材のユニット化を図ったので道路橋全体に於ける道路橋用幅員拡張材10A、10Bの総重量を軽量化できるという効果があり、道路橋用幅員拡張材10A、10Bの各々の長さを比較的短く例えば1(m)とすることにより、既設のコンクリート床版の水平レベルすなわち傾斜に沿って道路橋用幅員拡張材10A、10Bを設置できる。その結果コンクリート床版18と道路橋用幅員拡張材10A、10Bの設置面に於ける隙間を少なくすることができ、隙間に充填する材料例えばエポキシ樹脂の量を少なくすることができる。そして施工性が向上すると共に十分な施工強度を得られる。また、コンクリート床版18と延伸部12の下面、腹板13の前面及びフランジ延伸部15の上面の間で形成させる隙間にエポキシ樹脂を注入・充填して接着する設置方法であるから、道路橋用幅員拡張材10A、10Bに車両等による衝突荷重が作用したとき、道路橋用幅員拡張材10A、10Bからコンクリート床版18への衝撃荷重が接着面全体に分散して作用するので、ボルト等の締結部材の締結部位の周辺に荷重が集中することを防止でき、該締結部位でのコンクリート床版18の破壊・破断を有効に防止できる。更に、フランジ延伸部15を設けて、従来技術に於いて延伸部12上に必要とされた補強リブを廃止したので、当該道路橋用幅員拡張材10A、10Bをコンクリート床版18に設置した後に復旧工事として行う延伸部12に於けるコンクリートないし樹脂モルタル舗装19の厚みを自由に調整することができて既存の例えばアスファルト舗装20と面一若しくは低く仕上げることができ、雨水等を路肩26において効率よく流過させる路肩形状を容易に舗装・施工することができる。
尚、図1及び図2に示すように中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを交互に配置しているが、道路橋の使用条件等によって、中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bの設置個数を適宜変更してもよく、例えば中間部材としての道路橋用幅員拡張材10Aのみを道路橋全長に設置してもよいし、道路橋用幅員拡張材10Bのみを道路橋全長に設置してもよい。
中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bの施工手順を示したが、施工手順は前記手順に限定されるものではなく、施工現場の状況に応じて変更できることは当然である。また中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを工場で製造し、単独で道路橋の幅員拡張現場に搬入した後に、前記道路橋用幅員拡張材10A及び10Bを連接して施工する例を示したが、中間部材としての道路橋用幅員拡張材10A及び支柱部材としての道路橋用幅員拡張材10Bを工場で予め所望数、例えば一個づつ連接して一体化して道路橋の幅員拡張現場に搬入することで、施工現場での工事期間を短縮することもできる。
10A 中間部材としての道路橋用幅員拡張材
10B 支柱部材としての道路橋用幅員拡張材
10C 目地(隙間)
11A 地覆(鋼製中空筒体)
11B 地覆(鋼製中空筒体)
11a 前面部
11b 上面部
11c 背面部
11d 底面部
11e 略輪環状補強リブ
11f 作業用穴
11g 継目
11h 支持板
11i 作業用穴
11j 車両防護柵等取付孔
12 延伸部
12a ボルト穴
12b ボルト穴
13 腹板
13a ボルト穴
13b ボルト
14 補強リブ
15 フランジ延伸部
16 コンクリートアンカー
17 アンカーボルト
18 コンクリート床版
19 コンクリートないし樹脂モルタル舗装
20 アスファルト舗装
21 エポキシ樹脂層
22 下地処理用モルタル層
23 腹板のフランジ
24 略T字状支持部材
24a フランジ
24b 垂直板部
24c 孔
24d フランジ補強板
24e フランジ補強リブ
25 車両防護柵
26 路肩

Claims (1)

  1. 道路橋に於ける幅員拡張材の設置方法であって、コンクリート床版とコンクリート製の地覆で構成された道路橋に於いて、単一の鋼板で形成された前面部、背面部及び底面部の各接合部を溶着すると共に該前面部と上面部との継目の下面に支持板で該上面部をボルトで締結した略箱状体でなる鋼製中空筒体と、該鋼製中空筒体の内部に固定した略輪環状補強リブと、該鋼製中空筒体の前面方向に突設された延伸部と一体形成された底面部の略中央に長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板と、該腹板に対して直角方向に周囲が略不等辺四角形かつ所定の等間隔に列設した該腹板の補強リブと、前記腹板の下端から前記延伸部に略平行にかつ該鋼製中空筒体の前面方向に固定・配設したフランジ延伸部と、前記腹板の背面に備えたフランジとで構成した中間部材としての道路橋用幅員拡張材及び単一の鋼板で形成された前面部、背面部及び底面部の各接合部を溶着すると共に該前面部と上面部との継目の下面に支持板で該上面部をボルトで締結した略箱状体でなる鋼製中空筒体と、該鋼製中空筒体の内部に固定した略T字状支持部材と、前記底面部であって略T字状支持部材の左・右部位に穿孔した作業用穴と、前記上面部に複数個を形成した車両防護柵取付孔と、該鋼製中空筒体の前面方向に突設された延伸部と一体形成された底面部の略中央に長さ方向に一連に垂下固定した略矩形の腹板と、該腹板に対して直角方向に周囲が略不等辺四角形かつ所定の等間隔に列設した該腹板の補強リブと、前記腹板の下端から前記延伸部に略平行にかつ該鋼製中空筒体の前面方向に固定・配設したフランジ延伸部と、前記腹板の背面に備えたフランジとで構成した支柱部材としての道路橋用幅員拡張材を施工現場に複数個搬入し、第1に道路橋の全長に亘り前記延伸部を設置するために必要な幅寸法の舗装をコンクリート床版から除去しかつ露出したコンクリート床版の上面と同一面に於いて既存のコンクリート製の地覆を切断及び/またはハツリ除去すると共に前記道路橋用幅員拡張材の寸法に基づいてコンクリート床版の上面及び側面にボルト孔の位置を罫書きし、コンクリート床版の罫書き位置に於いて締結部材用の孔を穿孔し、第2に前記コンクリート床版の不陸が著しい場合には下地処理用モルタル層を左官仕上げし、前記道路橋用幅員拡張材をコンクリート床版に仮置きし、前記上面部は全て取外し、締結部材により前記道路橋用幅員拡張材をコンクリート床版に締め付け固定し、第3にコンクリート床版及び下地処理用モルタル層が接する前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材と前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材との端面及び前記中間部材としての道路橋用幅員拡張材と前記支柱部材としての道路橋用幅員拡張材との隣接部位に形成された目地をシール材でシール処理を行い、コンクリート床版と前記延伸部の下面、前記腹板の前面及び前記フランジ延伸部の上面の間で形成させる隙間に樹脂を注入・充填し、前記上面部を道路橋用幅員拡張材に固定し、第4に該上面部と前記前面部の継目、該上面部と前記背面部の突合せ部及び前記目地を前記シール材でシール処理し、道路橋用幅員拡張材の前記車両防護柵取付孔に車両防護柵を固定すると共に前記延伸部の上面にコンクリートをないし樹脂モルタル舗装を打設してその上面を既存の舗装と面一に仕上げることを特徴とする道路橋用幅員拡張材の設置方法。
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