JP2010121186A - 高強度で成形性に優れたチタン合金板およびチタン合金板の製造方法 - Google Patents

高強度で成形性に優れたチタン合金板およびチタン合金板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度で成形性に優れ、更には、安価なチタン合金板とそのチタン合金板の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】β相の最大結晶粒径:15μm以下、α相の面積率:80〜97%、
α相の平均結晶粒径:20μm以下であって、且つ、α相の結晶粒径の標準偏差÷α相の平均結晶粒径×100が、30%以下である。また、β安定化元素として、Feを0.8〜2.5質量%含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、強度と成形性に優れたチタン合金板と、そのチタン合金板の製造方法に関するものである。
Ti−6Al−4Vに代表される高強度α+β型チタン合金は、軽量、高強度、高耐食性に加え、溶接性、超塑性、拡散接合性などの利用加工諸特性を有することから、航空機産業を中心に多用されてきた。これらの特性を更に活用すべく、近年では、ゴルフ用品をはじめとしたスポーツ用品にも使用されるようになってきており、自動車部品、土木建築用素材、各種工具類などの民生品分野や、深海やエネルギー開発用途などへの適用拡大も進んでいる。しかし、α+β型チタン合金の著しく高い製造コストがその適用拡大の妨げとなっており、これら民生品分野等への更なる適用拡大を促進するには、上記した諸特性を阻害することなく、且つ安価なチタン合金が開発されることであり、その開発が待ち望まれている。
これら高強度α+β型チタン合金の製造コストが高くなる理由としては次の2点を挙げることができる。Vなどの高価なβ相安定化元素を使用していること。α相安定化元素として使用しているAlが、熱間での変形抵抗を著しく高め、熱間加工性を損ねるため、加工しにくく、また割れなどの欠陥を生じやすいということ。以上の2点である。
特に、Alの添加は、主要製品である合金板を製造する際に製造コストが高くなる大きな要因となっており、圧延途中で再加熱を必要としたり、合金板の端部に割れを生じて材料歩留まりが低下したりするといった問題が発生する要因となっていた。
このような状況下で、近年、低コストチタン合金が種々提案されている。それらの中でも、Ti−Fe−O−N系高強度チタン合金は、β相安定化元素として、安価なFeを採用し、α相安定化元素として、熱間加工性を低下させるAlに替えて、熱間での加工性を損なわず且つ安価な酸素(O)や窒素(N)を採用していることから、従来のα+β型チタン合金に比べて、相当な低コスト化が期待されている。
しかしながら、このTi−Fe−O−N系高強度チタン合金は、通常の一方向圧延により板を製造した場合、極端な板面内材質異方性が生じ、板の圧延方向すなわち長さ方向の特性は優れるものの、その幅方向の延性が極端に乏しくなってしまうという問題を兼ね備えていた。
この問題を解消するための改善案として一度だけ圧延方向に対して垂直方向に圧延を行い、その面内異方性を小さくすることで、長さ方向、幅方向ともに高強度・高延性のTi−Fe−O−N系高強度チタン合金を得られることが、特許文献1に開示されている。しかしながら、このようなクロス圧延を実機に適用することはコスト増を招くことになり、実質的な改善とはなっていない。従って、実機へ適用してもコスト増を招かず低コストで、面内異方性が小さい上に、高強度で成形性に優れたチタン合金板が開発されることが待ち望まれている。
特開平11−61297号公報
本発明は、上記従来の問題を解決せんとしてなされたもので、高強度で成形性に優れ、更には、安価なチタン合金板とそのチタン合金板の製造方法を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、金属組織が、β相の最大結晶粒径:15μm以下、α相の面積率:80〜97%、α相の平均結晶粒径:20μm以下であって、且つ、α相の結晶粒径の標準偏差÷α相の平均結晶粒径×100が、30%以下であることを特徴とする高強度で成形性に優れたチタン合金板である。
請求項2記載の発明は、β安定化元素を、0.8〜2.5質量%含有することを特徴とする請求項1記載の高強度で成形性に優れたチタン合金板である。
請求項3記載の発明は、前記β安定化元素が、Feであることを特徴とする請求項2記載の高強度で成形性に優れたチタン合金板である。
請求項4記載の発明は、チタン合金鋳塊を用いて、分塊圧延、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍を順次実施して請求項1記載の金属組織を有するチタン合金板を製造するにあたり、前記最終焼鈍をβ変態点以下の温度で2度実施すると共に、2度目の温度を1度目の温度よりも高い温度として前記最終焼鈍を実施することを特徴とする高強度で成形性に優れたチタン合金板の製造方法である。
本発明によると、高強度で成形性に優れ、更には、安価なチタン合金板を得ることができる。また、チタン合金本来の優れた耐久性はもとより、高い機械的強度に加えて、優れた成形性を有しているので、プレート式熱交換器の構成材、燃料電池のセパレーター、携帯電話機、モバイルパソコン、カメラのボディ、眼鏡フレーム等、高度な成形性が要求される用途に広く適用することができる。
本発明者らは、高強度で成形性に優れたチタン合金板を、更には、低コストで得るために、鋭意、実験、研究を進めた結果、β相を分散させることで、従来のJISクラスのチタン合金板より高強度のチタン合金板を実現することができる一方、粗大なβ相が形成されると、成形時の破壊の起点となり、成形性が劣化することを確認した。
その結果、β相の最大結晶粒径を適正サイズとしたうえで、α相の面積率と平均結晶粒径を適正範囲に規定し、更に、α相の平均結晶粒径に対するα相の結晶粒径の標準偏差の比率を適正な比率に制御することで、高強度で、優れた成形性を確保できることを見出し、本発明の完成に至った。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
(β相の最大結晶粒径)
粗大なβ相が形成されると成形時の破壊の起点となり、成形性が劣化してしまう。成形性を劣化させないためには、β相の最大結晶粒径を15μm以下とする必要がある。好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。尚、β相の最大結晶粒径の下限については特に規定しないが、好ましい下限は0.1μmである。
(α相の面積率)
チタン合金におけるα相の結晶構造は六方最密充填構造(HCP)、β相の結晶構造は体心立方構造(BCC)である。よって、α相が減少するに伴い伸びの異方性が減少し、成形性が向上する。但し、α相が減少するに伴いα相の平均結晶粒径が大きくなるため、強度が低下してしまう。α相の面積率が97%を超えると、伸びの異方性が大きくなりすぎ、成形性が劣化してしまう。一方、α相の面積率が80%未満であると、β相の最大結晶粒径が大きくなりすぎ、成形性が劣化してしまう。従って、α相の面積率の上限は97%、下限は80%とする。好ましい上限は96%、下限は90%である。
(α相の平均結晶粒径)
α相の平均結晶粒径が、小さいほど結晶粒微細化効果により強度が大きくなる。従って、α相の平均結晶粒径の上限は、優れた強度を確保できる限界値の20μmとする。好ましい上限は15μmである。但し、α相の平均結晶粒径が1μm以下のチタン合金は、現行の量産工程では作製することは困難である。
(α相の結晶粒径の標準偏差÷α相の平均結晶粒径×100)
α相の結晶粒径の標準偏差が、α相の平均結晶粒径の30%より大きくなると、α相の結晶粒径の平均値と比較して大きな結晶粒の数が多くなりすぎ、その結果、成形性が劣化してしまう。従って、α相の平均結晶粒径に対するα相の結晶粒径の標準偏差の割合(百分率)を30%以下とする。好ましい上限は20%、より好ましい上限は15%である。尚、その下限については小さければ小さいほど良いため特に規定しないが、現実的にはその下限は5%程度であると考えられる。
(成分組成)
β安定化元素としてのFeの含有量は、0.8〜2.5質量%であることが好ましい。Feの含有量が0.8質量%未満であると、必要最低限の強度が得られなくなる。一方、Feの含有量が2.5質量%を超えると、粗大なβ相が形成され、成形性が劣化してしまう。その下限は、1.0質量%であることがより好ましく、1.2質量%であることが更に好ましい。また、上限は、2.3質量%であることがより好ましく、2.1質量%であることが更に好ましい。尚、Fe以外のβ安定化元素も採用することは可能であるが、その場合もそれらの含有量は、0.8〜2.5質量%であることが好ましい。
また、チタン合金中のα相を硬化させるα安定化元素として、Oを添加することが、安価であることもあって好ましい。α安定化元素であるOは材料の強度の増加に寄与するが、Oの含有量が多くなりすぎると、伸びが小さくなり、成形性が低下してしまう。従って、Oの含有量は、0.1質量%以下(0質量%を含まない)であることが好ましい。より好ましくは0.08質量%以下、更に好ましくは0.06質量%以下である。
尚、本発明では、チタン合金の成分組成については特に規定しない。しかしながら、添加するβ安定化元素が不足すると、必要最低限の強度が得られない可能性がある。一方、添加するβ安定化元素が過剰であると、粗大なβ相が形成され、成形性が劣化するおそれがある。β安定化元素としては、Mo、V、Fe、Cr、Ta、Nb、Mn、Cu、Ni、Ca、Si、およびHの1種類以上を添加することができるが、β安定化元素としてFeを添加することが、安価なこともあって好ましい。
(製造条件)
次に、本発明のチタン合金板の製造方法について説明する。通常のチタン合金板は、分塊圧延→熱間圧延→中間焼鈍→冷間圧延→最終焼鈍といった各工程間に、随時ブラスト、酸洗処理を入れて製造されるが、製造するチタン合金板の成分組成や各工程の設定条件によって、得られる物性や組織状態は変わるので、一連の製造工程として総合的に条件を選択して決定すべきであって、個々の工程毎に条件を厳密に設定することは必ずしも適切でない。
しかしながら、本発明のチタン合金板を製造するための製造条件として、本発明者らが鋭意検討したところ、以下に示す条件を採用することで、本発明で意図する高強度で成形性に優れたチタン合金板を確実に製造することができることを確認した。
その条件は、1)冷間圧延後の最終焼鈍を2度実施する。2)2度の焼鈍の温度は、2度共にβ変態点以下の温度とすると共に、2度目の焼鈍温度を1度目の焼鈍温度よりも高い温度とする。3)1度目の焼鈍の後、室温に冷却しても良いし、室温に冷却せずにそのまま2度目の焼鈍を行っても良い。4)2度の焼鈍共に夫々の焼鈍温度で5分以下保持する。以上の各条件を適切に組み合わせて最終焼鈍を実施することで、本発明で意図する高強度で成形性に優れたチタン合金を確実に製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例では、まず、CCIM(コールドクルーシブル誘導溶解法)により表1に示す各成分組成のチタン合金でなる鋳塊を鋳造した。鋳塊の大きさはφ100mmの円柱形で、10Kgである。この鋳塊を用いて分塊圧延し、以下、熱間圧延→中間焼鈍→冷間圧延→最終焼鈍という工程を経て厚み0.3mmのチタン合金板を製造した。
最終焼鈍は、No.10を除いて2度実施し、1度目の焼鈍後に室温に冷却せずにそのまま2度目の焼鈍を行った。また、1度目の焼鈍、2度目の焼鈍共に、2分間保持した、尚、1度しか焼鈍を行わないNo.10のみ4分間の保持とした。夫々の焼鈍温度は表1に示す通りであり、No.11の1度目の焼鈍を除き、焼鈍温度はβ変態点以下の温度である。尚、本実施例で用いたチタン合金のβ変態点は、約830〜870℃である。
製造した各チタン合金板の金属組織の観察・測定と、強度および成形性の評価を夫々下記の要領で行った。
<β相の最大結晶粒径、α相の面積率、α相の平均結晶粒径、α相の結晶粒径の標準偏差÷α相の平均結晶粒径×100>
本実施例では、上記各パラメータの測定を、電界放出型走査顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FESEM)(日本電子社製、JSM5410)に、後方錯乱電子回析像(Electron Back Scattering(Scattered) Pattern:EBSP)システムを搭載した結晶方位解析法で行った。この測定方法を用いたのは、EBSP法は他の測定方法と比較して高分解能であり、高精度な測定ができるためである。まず、測定原理について説明する。
EBSP法は、FESEMの鏡筒内にセットした試料に電子線を照射してスクリーン上にEBSPを投影する。これを高感度カメラで撮影して、コンピュータに画像として取り込み、この画像を解析する。このプロセスが全測定点に対して自動的に行われるので、測定終了時には数万〜数十万点のデータを得ることができる。
このように、EBSP法には、X線回析法や透過電子顕微鏡を用いた電子線回析法よりも、観察視野が広く、数百個以上の多数の結晶粒に対する、β相の最大結晶粒径、α相の面積率、α相の平均結晶粒径、α相の結晶粒径の標準偏差等に関する情報を、数時間以内で得ることができる利点がある。また、結晶粒毎の測定ではなく、指定した領域を一定間隔で走査して測定するために、測定領域全体を網羅した上記多数の測定ポイントに関する、上記各情報を得ることができる利点もある。尚、これらFESEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法の詳細は、神戸製鋼技報/Vol.52 No.2(Sep.2002)P66−70などに詳細に記載されている。
チタン合金板のβ相の最大結晶粒径、α相の面積率、α相の平均結晶粒径、α相の結晶粒径の標準偏差を、この測定から得た。これらの測定については、前記したように、FESEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法を用いて、チタン合金板の表面に平行な面であり、且つ、板厚方向の1/4t部の集合組織を測定して行った。具体的には、チタン合金板の圧延面表面を機械研磨し、更にバフ研磨に次いで電解研磨を行い、表面を調整した試料を準備した。その後、日本電子社製FESEM(JEOL JSM 5410)を用いて、EBSPによる測定を行った。測定領域は300μm×300μmの領域であり、測定ステップ間隔0.5μmとした。EBSP測定・解析システムは、EBSP:TSL社製のOIM(Orientation Imaging Microscopy)を用いた。
このような測定手段により、測定範囲内のβ相の最大結晶粒径、α相の面積率、α相の平均結晶粒径、α相の結晶粒径の標準偏差を求めた。β相の最大結晶粒径は円相当径を採用した。また、α相の平均結晶粒径と平均結晶粒径の標準偏差は、以下に示す各数式から求めだした。すなわち、測定した結晶粒の数をn、夫々の測定した結晶粒径をxとしたときに、平均結晶粒径は、(Σx)/nという数式から、平均結晶粒径の標準偏差は、〔{nΣx−(Σx)}/n/(n−1)〕1/2という数式から求めた。
<引張強度の測定>
得られた各チタン合金板からJISZ2201に規定される13号試験片を作製し、この試験片について、圧延方向の引張強度(TS)を測定した。このとき、試験速度(引張試験での歪み速度)は、0.2%耐力までを0.25mm/min、それ以降を10mm/minとした。
この試験で得られた圧延方向の引張強度(TS)が、500MPa以上のものを高強度であると評価した。
<成形性(エリクセン値)の測定>
本実施例の試験では、成形性の評価にエリクセン試験を採用した。得られた各チタン合金板からJISZ2247に規定される2号試験片を作製し、この試験片について、JISZ2247の規定に準拠するエリクセン試験を実施し、エリクセン値を測定した。このとき、試験速度(エリクセン試験でのプレス速度すなわちプレス工具の変位速度)は、5mm/minとした。
この試験で得られたエリクセン値が、8.0以上のものを成形性に優れると評価した。
以上の試験結果を表1に示す。
Figure 2010121186
No.2は、Feの含有量が請求項3で定めた上限の2.50質量%のもの、No.3は、Feの含有量が請求項3で定めた下限の0.80質量%のもの、No.1はFeの含有量がその中間の1.80質量%のものであり、最終焼鈍の条件は夫々満足している。
これに対し、No.4〜7は、焼鈍温度を略上下限としたものであり、No.4は1度目の焼鈍温度を略上限としたもの、No.5は、1度目の焼鈍温度を略下限としたもの、No.6は、2度目の焼鈍温度を略上限としたもの、No.7は、2度目の焼鈍温度を略下限としたものである。
これらNo.1〜7は、本発明の発明例であって、β相の最大結晶粒径、α相の面積率、α相の平均結晶粒径、α相の結晶粒径の標準偏差÷α相の平均結晶粒径×100は、本発明で規定する要件を全て満たすものであり、試験で得られた圧延方向の引張強度(TS)は、全て500MPa以上、エリクセン値は、全て8.0以上である。すなわち、本発明で規定する要件を満たすチタン合金板は、高強度で且つ成形性に優れたものであることが分かる。
一方、No.8〜11は比較例であって、No.8は、Feの含有量が請求項3で定めた下限未満の0.70質量%のもの、No.9は、Feの含有量が請求項3で定めた上限を超える2.60質量%のもの、No.10は、最終焼鈍を1度しか行わなかったもの。No.11は、1度目の焼鈍温度がβ変態点を超えるものである。
No.8〜10は、本発明で規定する要件のうち、β相の最大結晶粒径が大きすぎ、No.11は、α相の面積率が大きすぎる。その結果、試験で得られた圧延方向の引張強度(TS)が、500MPaに達しないか、エリクセン値が、8.0に達しなかった。すなわち、本発明で規定する要件から外れるチタン合金板は、高強度で且つ成形性に優れたものとはいえないことが分かる。

Claims (4)

  1. 金属組織が、
    β相の最大結晶粒径:15μm以下、
    α相の面積率:80〜97%、
    α相の平均結晶粒径:20μm以下
    であって、
    且つ、α相の結晶粒径の標準偏差÷α相の平均結晶粒径×100が、30%以下であることを特徴とする高強度で成形性に優れたチタン合金板。
  2. β安定化元素を、0.8〜2.5質量%含有することを特徴とする請求項1記載の高強度で成形性に優れたチタン合金板。
  3. 前記β安定化元素が、Feであることを特徴とする請求項2記載の高強度で成形性に優れたチタン合金板。
  4. チタン合金鋳塊を用いて、分塊圧延、熱間圧延、中間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍を順次実施して請求項1記載の金属組織を有するチタン合金板を製造するにあたり、
    前記最終焼鈍をβ変態点以下の温度で2度実施すると共に、2度目の温度を1度目の温度よりも高い温度として前記最終焼鈍を実施することを特徴とする高強度で成形性に優れたチタン合金板の製造方法。
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