JP2010229458A - 靭性に優れた高強度α+β型チタン合金およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のFe含有高強度α+β型チタン合金よりも靭性の高い高強度α+β型チタン合金を低コストで提供する。
【解決手段】質量%で、Al:4.5%以上5.5%未満、Fe:0.5%以上1.4%未満、Mo:2.0%以上3.5%未満、Si:0.10%未満、O:0.05%以上0.20%未満、C:0.01%未満で残部チタン及び不可避不純物からなる靭性に優れた高強度α+β型チタン合金およびその製造方法。Fe含有量を1.4%未満とし、さらにMoとOの成分を適正化することにより、母材部及び溶接継手ともに、高強度、高耐食性を維持しつつ、靭性を改善することができる。これにより、従来の高強度チタン合金よりも構造部材、溶接継手としての産業上の用途が拡大し、その高強度、高靭性、高耐食性の効果を幅広く得ることが可能になる。
【選択図】なし

Description

本発明は、板材および、5〜30mm厚の板材をフィラーレスで全厚1パス溶接した溶接継手において、高強度、高延性、高破壊靭性値を示す、靭性に優れた高強度α+β型チタン合金およびその製造方法に関する。
軽量、高比強度で耐食性に優れたチタン合金は、航空機用途のほか、構造部材等として広範な用途への適用が期待されている。中でも強度延性バランスに優れているTi−6Al−4Vは、その代表例である。一方で、普及拡大を妨げる要因のひとつであるコスト高を軽減するために、添加元素として安価なFeを利用して、Ti−6Al−4Vと代替可能な合金が開発されてきた。
特許文献1には、Ti−6Al−4Vと同等以上の室温強度、室温延性および疲労強度を有し、かつ熱間・冷間加工性に優れるα+β型チタン合金として、Al:4.4%以上5.5%未満、Fe:1.4%以上2.1%未満、Mo:1.5%以上5.5%未満、不純物としてSi:0.1%未満、C:0.01%未満からなる合金が開示されている。
特開平2005−320618号公報
しかしながら、特許文献1に記載のTi−4.4〜5.5%Al−1.4〜2.1%Fe−1.5〜5.5%Mo系合金は、Ti−6Al−4Vよりも室温における室温強度、室温延性、冷間加工性などの点で優れているが、靭性が低いという課題があった。また、産業上のさまざまな用途に構造部材として適用する場合に重要な特性である溶接性の点で、溶接部における靭性が低いことが課題であった。
そこで、本発明は、上記課題を有利に解決して、Ti−4.4〜5.5%Al−1.4〜2.1%Fe−1.5〜5.5%Mo系合金を改良し、Ti−6Al−4Vよりも、母材および溶接継手が、高強度、高延性で、靭性に優れたチタン合金を低コストで提供するものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、添加元素を調整して、室温強度、室温延性、破壊靭性への影響を鋭意調査した。その結果、FeおよびMoの成分範囲を適量に調整することで、室温強度、室温延性、破壊靭性に優れたα+β型チタン合金を製造可能なことを見出すにいたった。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)質量%で、Al:4.5%以上5.5%未満、Fe:0.5%以上1.4%未満、Mo:2.0%以上3.5%未満、Si:0.10%未満、O:0.05%以上0.20%未満、C:0.10%未満で残部チタン及び不可避不純物からなる強度および靭性に優れた耐熱部材用チタン合金。
(2)上記(1)に記載の成分を有するチタン合金素材を、700℃〜800℃に加熱し30分以上保持し空冷以下の冷却速度で冷却することを特徴とする強度および靭性に優れたチタン合金の製造方法。
(3)上記(1)に記載の成分を有するチタン合金素材を、β変態温度以上の温度で溶体化処理された後、700℃〜800℃に加熱し30分以上保持し空冷以下の冷却速度で冷却することを特徴とする強度および靭性に優れたチタン合金の製造方法。
本発明のチタン合金は、その板材、およびフィラーレス溶接継手における母材部および溶接継手がともに、従来のチタン合金を上回る強度、延性、および靭性を有し、安価であることから、5〜30mm厚の板材のほか管状に成形した後、フィラーレスで全厚1パス溶接して使用することで広範な構造部材への適用が可能であり、その高比強度、高耐食性の効果を幅広く得ることが可能になることから、産業上の効果は計り知れない。
特に、板材を曲げて軸方向に溶接して製造する、海底油田・ガス田におけるライザー管、地熱発電井用ケーシング管用に適した素材が提供できる。
以下、本発明について詳しく説明する。
開発においては、先に高強度・高延性の材料として開発されたTi−4.4〜5.5%Al−1.4〜2.1%Fe−1.5〜5.5%Mo系合金をベースとして、靭性向上の検討を行った。とくに低靭性の傾向がみられる溶接部において、ミクロ組織の詳細は光学顕微鏡では判別不可能であったが、透過電子顕微鏡をもちいて詳細に調査したところ、旧β相内に微細な針状マルテンサイト組織が高密度に存在していることがわかった。微細な針状マルテンサイト組織は、一定温度以上の温度から急冷された場合に、β相内に生じる無拡散変態によって生じる組織である。さらに調査を行い、焼鈍を加えて微細針状マルテンサイト組織を減らすことで靭性は回復することから、この微細な針状マルテンサイト組織が、靭性低下の主因となっていることが明らかになった。
そこで、微細な針状マルテンサイト組織の生成を抑制する方法について検討した。ひとつには、高温で安定なβ相を低温まで安定化することでマルテンサイト変態を抑制することが考えられた。しかし、そのためにFe、Moあるいはその他のβ安定化元素を添加すると、強度が上昇しすぎるため靭性は逆に低下した。他方で、β安定化元素を低減すると、β変態温度が上昇して、高温からの冷却中により高温域から変態を生じるようになるが、温度が高く拡散が進みやすいため微細な針状マルテンサイト組織の生成を抑制できることがわかった。以上の検討にしたがって、β安定化元素であるFeあるいはMoの含有量を調整して、その室温引張特性および靭性を調査した。ここで、β域焼鈍組織は溶接部の組織を模擬したものと捉えることが可能であり、その特性値は溶接性の評価として使用した。β焼鈍組織と溶接部の組織は、ともに、高温のβ単相域から冷却されて 旧β粒内に微細針状のα相が析出した微視組織であるため、同等の特性を有するからである。
Feまたは/およびMoを低減したときの、強度、延性、靭性に対する寄与度を評価すると、以下のようになった。α+β域焼鈍材における特性値の比較では、Moを3.0%から1.5%まで低減すると強度、伸びとも低下した。Feを2.0%から1.0%まで低減すると強度が低下したが伸びは上昇した。さらに、MoおよびFeをともに低減すると強度、伸びともに低下した。また、β域焼鈍材では、Moを3.0%から1.5%まで低減すると強度、伸びとも低下した。Feを2.0%から1.0%まで低減すると強度が低下したが伸びは上昇した。さらに、MoおよびFeをともに低減すると強度は低下して、伸びは上昇した。
以上の結果から、Moを一定にしてFeを低減することにより、強度の減少幅が抑制される一方で、延性が向上することがわかった。同様に靭性についても評価したところ、Moを一定にしてFeを低減することにより、靭性が向上することがわかった。
さらに、溶接部の特性を評価するため、板材を用いて、フィラーレスのプラズマ溶接による全厚1パス溶接試験を行った。溶接部の硬度測定の結果、Feを2.0%から1.0%に低減した溶接材は、ビッカース硬度が約10Hv低いことがわかった。この硬度差は、微細な針状マルテンサイト組織が減少したことによるものであり、靭性の向上に寄与しており、実際に溶接継手部の靭性が向上することを確認できた。溶接部の評価には、今回はフィラーレスのプラズマ溶接を用いたが、フィラーレスで全厚1パス溶接可能な電子ビーム溶接などを用いても同様な結果が得られる。
本発明チタン合金の室温引張特性および靭性の指標としては、破壊靭性とともに引張強度が特に重視されて溶接を必要としない用途および溶接部以外で破壊靭性および引張特性が必要とされる用途では、高強度が得られる、後述のα+β域焼鈍材を適用し、室温引張強度1000MPa以上、伸び15%以上、破壊靭性50MPa√m以上であることを指標とした。さらに、海底油田・ガス田におけるライザー管等の、破壊靭性が重視される用途では、後述のβ焼鈍材を適用し、室温強度950MPa以上、伸び10%以上、破壊靭性71MPa√m以上(数値根拠は、C.F.Baxter and R.W.Schutz: Experience & Guidance in the Use of Titanium Components in Steel Catenary Riser Systems, 2007 Offshore Technology Conference, OTC-18624, Houston, Texas, 2007.参照)であることを指標とした。ここで、引張特性の評価には、板材の圧延最終方向をL、垂直方向をTとしたときの、L方向とT方向の特性値の平均値を用いた。破壊靭性試験は、除荷弾性コンプライアンス法による試験を行い、JQから換算したK(Q)値にて破壊靭性値を評価した。ただし、材料特性値にはヤング率118GPa、ポアソン比0.3を一律に使用した。
本発明は以上のような知見から導き出されたものであり、以下に、本発明の構成元素の含有比率を規定した理由について述べる。
Alは、α安定化元素であり、α相に固溶することで添加量にしたがって室温での引張強度が増す。しかし、Alを5.5%以上添加すると、室温延性が劣化する。そこで、Alの成分範囲は4.5%以上5.5%未満とした。
Feは、共析型のβ安定化元素であり、β相に固溶することで添加量にしたがって室温強度が増す。室温強度の確保のため、0.5%以上の添加が必要ある。しかし、1.4%以上添加すると、靭性が劣化する。本発明においては、Fe含有量を1.4%未満とすることにより、母材部及び溶接継手ともに、靭性が改善することを知見した。そこで、Feの成分範囲は0.5%以上1.4%未満とした。
Moは、全率固溶型のβ安定化元素であり、β相に固溶することで添加量にしたがって室温強度が増すと同時に、延性向上にも有効な元素である。室温強度および延性の確保のため、2.0%以上の添加が必要である。一方で、3.5%以上の添加により靭性が低下する。そこで、Moの成分範囲は2.0%以上3.5%未満とした。
不純物元素としてのSiおよびCの含有量を規定したのは、これらの元素をある量以上含有した場合、室温延性に悪影響を与えるためである。室温延性に悪影響を与えない含有量を調査した結果、Siは0.1%未満、Cは0.01%未満であれば良いことを見出し、それぞれの上限とした。なお、Si、Cが不可避的不純物として含有は避けられないため、実質的含有量の下限としては、通常、Siは0.005%以上、Cは0.0005%以上となる。
Oは、α相を強化する元素である。その効果を発現させるには、Oが0.05%以上必要である。しかし、Oを0.20%以上添加するとα2相の生成を促進して脆化する。このため、0.05%以上0.20%未満の添加とした。β域焼鈍組織の靭性をより高めるために、より好ましくは、0.05%以上0.14%未満である。
本発明のチタン合金は、通常用いられるチタン合金の製造方法によって製造することにより、本発明の優れた強度、延性、および靭性を具備することができる。
本発明チタン合金の代表的な製造工程は次のとおりである。スポンジチタン、合金素材を原料として、真空中でアーク溶解または電子ビーム溶解し、水冷銅鋳型に鋳造する溶解法により、不純物の混入を抑えて、本発明のチタン合金成分の鋳塊とする。ここで、Oは、溶解の際、例えば酸化チタンまたは酸素濃度の高いスポンジチタンを用いることで添加できる。この鋳塊を880℃以上のα+β域あるいはβ域に加熱後、スラブ形状に鍛造して表面切削した後、880℃以上の加熱温度にて、熱間圧延で5〜30mm厚の板材を製造できる。熱間圧延は、1回の加熱で幅方向、長さ方向のクロス圧延を行っても良いし、幅方向圧延、長さ方向圧延を2回に分けて行っても良い。
本発明のチタン合金の製造方法においては、上記本発明の成分を有するチタン合金素材について上記熱間圧延の後、700℃〜800℃に加熱し30分以上保持し空冷以下の冷却速度で冷却することとすると好ましい。これにより、α+β域焼鈍材とすることができ、母材部品質として、室温引張強度1000MPa以上、伸び15%以上、破壊靭性50MPa√m以上の品質を得ることができる。加熱温度を700℃〜800℃とするのは、チタン合金で一般的な焼鈍温度であり、組織安定化や内部応力の除去のために有効な温度だからである。加熱時間を30分以上とするのは、その効果を得るために必要な時間だからである。冷却速度を空冷以下とするのは、冷却速度が速いときに生成しやすい微細なマルテンサイト組織を抑制するためである。
本発明のチタン合金の製造方法においてはまた、上記本発明の成分を有するチタン合金素材について上記熱間圧延の後、β変態温度以上の温度で溶体化処理された後、700℃〜800℃に加熱し30分以上保持し空冷以下の冷却速度で冷却することとすると好ましい。これにより、β域焼鈍材とすることができ、母材部品質として、室温強度950MPa以上、伸び10%以上、破壊靭性71MPa√m以上の品質を得ることができる。β変態温度以上の温度で溶体化処理するのは、破壊靭性に優れる針状α組織にするためである。700℃〜800℃に加熱し30分以上保持し空冷以下の冷却速度で冷却する理由は、上記α+β域焼鈍材と同じ理由である。
溶接継手の品質としては、上記α+β域焼鈍材、β域焼鈍材のいずれを母材として用いた場合も、上記β域焼鈍材の母材部品質と同等の溶接継手品質を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。以下の表1〜4のいずれも、本発明範囲からはずれる数値にアンダーラインを付している。
(実施例1)
表1に示す素材No.1〜18の成分のチタン合金を真空アーク溶解法により製造し、それぞれ約200kgの鋳塊とした。これら鋳塊をそれぞれ鍛造および熱延して得た12mm厚の板材とした。熱延は、1段目として、α+β域の900℃に加熱して、100mm厚から40mm厚まで圧延した後、2段目として、再度900℃に加熱して1段目に対して90℃の角度をなす方向にクロス圧延を行った。
ここでいう「α+β域焼鈍材」は、前記クロス圧延後に、750℃(α+β域)、1時間、空冷を施した。さらに、ここでいう「β域焼鈍材」は、前記クロス圧延後に、1000℃(β域)、10分、空冷の後、750℃(α+β域)、2時間、空冷を施した。
引張試験は、平行部径6.25mm、標点距離25mmの丸棒試験片を、試験片長手方向が最終圧延方向に対して平行および垂直になるよう採取し、室温にて行った。最終圧延方向をL、垂直方向をTとした場合に、(L方向引張強さ)/(T方向引張強さ)、(L方向伸び)/(T方向伸び)、はともに、0.8以上1.2未満であり、面内異方性は小さかった。評価には、L方向とT方向の特性値の平均値を用いた。破壊靭性試験は、幅W=25.4mm、板厚B=6.35mm、正味板厚Bnet=5.1mmのサイドグルーブ付サブサイズCT試験片を用いて、引張軸方向がL方向になるよう採取し、除荷弾性コンプライアンス法による試験を行った。JQから換算したK(Q)値にて破壊靭性値を評価した。ここで材料特性値としてヤング率118GPa、ポアソン比0.3を一律に使用した。
Figure 2010229458
表2に、α+β域焼鈍材の諸特性を示す。板No.1〜9が本発明例、板No.10〜18はいずれかの成分が本発明範囲をはずれている比較例である。
板No.1〜9の本発明例は、いずれも、引張強度1000MPa以上、伸び15%以上、破壊靭性50MPa√m以上で、良好な強度、延性、靭性を示した。
比較例の板No.10はFe含有量が下限値をはずれ、板No.11はMo含有量が下限値を外れ、比較例の板No.16はAl含有量が下限値をはずれており、いずれも引張強度が不足であった。また比較例の板No.12はMo量が上限値をはずれ、板No.17はAl量が上限値をはずれ、板No.18はSi量およびC量が上限値をはずれており、いずれも伸びが不足であった。また比較例の板No.13〜15はFe量が上限値をはずれ、および/またはMo量が上限値または下限値をはずれており、いずれも破壊靭性が指標に達さなかった。
Figure 2010229458
表3に、β域焼鈍材の諸特性を示す。板No.21〜29が本発明例、板No.30〜38はいずれかの成分が本発明範囲をはずれている比較例である。
板No.21〜29の本発明例は、いずれも、引張強度950MPa以上、伸び10%以上、破壊靭性71MPa√m以上で、指標を満足する良好な強度、延性、靭性を示した。
比較例の板No.30はFe含有量が下限値をはずれ、板No.31はMo含有量が下限値を外れ、板No.36はAl量の下限値がはずれ、いずれも引張強度が不足であった。比較例の板No.32はMo量が上限値をはずれ、破壊靭性が不足した。また比較例の板No.33、35はFe量およびMo量が上限値をはずれ、比較例のNo.34はFe量が上限値をはずれ、比較例の板No.37はAl量が上限値をはずれ、比較例の板No.38はSi量およびC量が上限値をはずれており、いずれも伸びが不足であった。また比較例の板No.33〜35は、Fe量が上限値をはずれ、および/またはMo量が上限値または下限値をはずれており、いずれも引張伸びおよび破壊靭性が指標に達さなかった。
Figure 2010229458
(実施例2)
実施例1において鋳塊を鍛造および熱延する際、前記2段目の熱延途中で17mm厚の板材を、一部、熱間でシャー切断して取り出し、1000℃、10分、空冷の後、750℃、2時間、空冷を施し(β域焼鈍材に相当)、溶接試験を行った。表4に用いた板の成分を示す。溶接は、I開先とした板材をつき合わせて、フィラーレスのプラズマ溶接で全厚1パス溶接を行った。その後、720℃、4時間、空冷の焼鈍を施した。引張軸方向が溶接方向(溶接線)に垂直になるよう、かつ、溶接金属部に予き裂先端があり、サイドグルーブ中央部が溶接線の溶接金属部を通るように、幅W=25.4mm、板厚B=12.7mm、正味板厚Bnet=10.2mmのサイドグルーブ付0.5T−CT試験片を用いて、除荷弾性コンプライアンス法による破壊靭性試験を行った。JQから換算したK(Q)値にて破壊靭性値を評価した。ここで材料特性値としてヤング率118GPa、ポアソン比0.3を一律に使用した。
板No.41、42、43が本発明例、No.44はFeおよびMoが、No.45はFeが本発明範囲をはずれている比較例である。
No.41〜45の板材は、β域焼鈍を施していることから、達成すべき破壊靭性の指標値が71MPa√mである。そして評価位置が溶接金属部であるから、本発明例はβ域焼鈍材の品質指標を実現することが可能である。No.41、42、43の本発明例は、破壊靭性がそれぞれ、77、75、72MPa√mと良好であったのに対し、No.44、No.45の比較例は破壊靭性が、指標の71MPa√mに達せず不足していた。
Figure 2010229458

Claims (3)

  1. 質量%で、Al:4.5%以上5.5%未満、Fe:0.5%以上1.4%未満、Mo:2.0%以上3.5%未満、Si:0.10%未満、O:0.05%以上0.20%未満、C:0.01%未満で残部チタン及び不可避不純物からなる強度および靭性に優れたチタン合金。
  2. 請求項1に記載の成分を有するチタン合金素材を、700℃〜800℃に加熱し30分以上保持し空冷以下の冷却速度で冷却することを特徴とする強度および靭性に優れたチタン合金の製造方法。
  3. 請求項1に記載の成分を有するチタン合金素材を、β変態温度以上の温度で溶体化処理された後、700℃〜800℃に加熱し30分以上保持し空冷以下の冷却速度で冷却することを特徴とする強度および靭性に優れたチタン合金の製造方法。
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