JP2010120557A - 車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵フィーリングを向上できる車両操舵用伸縮軸を提供すること。
【解決手段】樹脂棒41,42,43は、操舵軸3の内軸10および外軸11に形成された三対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間にそれぞれ跨っており、トルクTが所定値以下のときに、両軸10,11の一方を他方に対して周方向Cに浮動状に支持する。両軸10,11の一方を他方によって周方向Cおよび径方向Rに浮動状に弾性支持できるように、各軸方向溝31,32;33,34;35,36の接触面55,56,57,58が、周方向Cに対して傾斜している。周方向Cに関して、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔D1,D1’が不等配とされている。
【選択図】図4
【解決手段】樹脂棒41,42,43は、操舵軸3の内軸10および外軸11に形成された三対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間にそれぞれ跨っており、トルクTが所定値以下のときに、両軸10,11の一方を他方に対して周方向Cに浮動状に支持する。両軸10,11の一方を他方によって周方向Cおよび径方向Rに浮動状に弾性支持できるように、各軸方向溝31,32;33,34;35,36の接触面55,56,57,58が、周方向Cに対して傾斜している。周方向Cに関して、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔D1,D1’が不等配とされている。
【選択図】図4
Description
本発明は、車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置に関する。
ステアリングシャフト等の車両用の伸縮軸には、相対摺動可能に嵌め合わされた雄軸および雌軸を備えるものがある(例えば、特許文献1〜6参照)。
実開平2−96024号公報
米国特許第5709605号
特開2005−114068号公報
特開2007−139091号公報
実開昭54−72251号公報
実開昭55−124629号公報
通常、伸縮軸は、斜めに傾けられた状態で車室内等に配置される。また、雄軸と雌軸との間には、周方向や径方向に関して微小なガタ(遊び)が設けられている。このため、雄軸と雌軸は、自重により真っ直ぐには並ばず、雄軸が雌軸に対して傾いた状態となる。
このため、雄軸または雌軸にトルクが作用すると、雄軸と雌軸とは、両者が真っ直ぐに並ぶように変位し、その後、両軸の歯等の噛み合い部分が互いに噛み合い、両軸の間でトルクが伝わる。したがって、操舵を開始してから両軸が真っ直ぐに並ぶように変位するまでの間は、両軸の間でトルクが実質的に伝わらないことから、運転者に伝わるトルクが略ゼロで、操舵感に乏しく、操舵フィーリングに欠ける。
このため、雄軸または雌軸にトルクが作用すると、雄軸と雌軸とは、両者が真っ直ぐに並ぶように変位し、その後、両軸の歯等の噛み合い部分が互いに噛み合い、両軸の間でトルクが伝わる。したがって、操舵を開始してから両軸が真っ直ぐに並ぶように変位するまでの間は、両軸の間でトルクが実質的に伝わらないことから、運転者に伝わるトルクが略ゼロで、操舵感に乏しく、操舵フィーリングに欠ける。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、操舵フィーリングを向上することのできる車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、操舵部材(2)の操舵に応じて回転する車両操舵用伸縮軸(3)において、軸方向(S)に相対摺動可能に且つ互いにトルク伝達可能に嵌め合わされた内軸(10)および筒状の外軸(11)と、内軸および外軸間に負荷されるトルク(T)が所定値を越えたときに、両軸(10,11)を周方向(C)に剛的に連結する剛性連結要素(25)と、内軸の外周面(26)および外軸の内周面(28)のそれぞれに形成されて互いに対向する少なくとも三対の軸方向溝(31,32,33,34,35,36)と、上記対をなす軸方向溝間にそれぞれ跨り、内軸および外軸間に負荷されるトルク(T)が所定値以下のときに、両軸の一方を他方に対して周方向に浮動状に支持する複数の弾性連結要素としての長尺の樹脂棒(41,42,43;42G,43G)と、各上記樹脂棒を上記周方向に関して互いに弾性連結する連結部材(44)と、を含み、内軸および外軸の中心軸線(A1,A2)間の傾斜角度(θ0)が所定角度以下のときに、両軸の一方を他方によって周方向および径方向(R)に浮動状に弾性支持できるように、樹脂棒の周面(54)に対する各軸方向溝の接触面(61,63,68,70)が、各軸の周方向に対して傾斜されており、当該内軸の周方向に関して、内軸の軸方向溝(31,33,35)の配置間隔(D1,D1’;D1A;D1B;D1C,D1C’;D1D,D1D’;D1E;D1F,D1F’;D1G)、外軸の軸方向溝(32,34,36)の配置間隔(D3;D3A,D3A’;D3B;D3C,D3C’;D3D;D3E,D3E’;D3F,D3F’;D3G)、および上記連結部材による樹脂棒の配置間隔(D2;D2A;D2B,D2B’,D2C;D2D,D2D’;D2E,D2E’;D2F,D2F’;D2G)の少なくとも一つが不等配とされているか、または、上記内軸の周方向に関して、内軸の軸方向溝の配置間隔および外軸の軸方向溝の配置間隔がそれぞれ等配にされ且つ少なくとも1つの樹脂棒の大きさが他の樹脂棒の大きさと異ならされていることを特徴とする(請求項1)。
本発明によれば、少なくとも一対の軸方向溝で、対応する樹脂棒を周方向に弾性的に圧縮することができる。各軸方向溝の接触面が各軸の周方向に対して傾斜していることにより、周方向に弾性的に圧縮された樹脂棒から両軸への弾性反発力は、各軸の径方向に沿う成分を含む。これにより、内軸と外軸とを確実に径方向に離隔しておくことができ、その結果、両軸の傾斜角度を略ゼロにできる。すなわち、両軸間のトルクがゼロのときでも、両軸を概ね真っ直ぐに配置できる。これにより、例えば車両が直進状態にあることから、両軸間にトルクがほとんど作用していない状態から一方の軸にトルクが作用すると、樹脂棒の弾性反発力によって、他方の軸にトルクを確実に伝達できる。これにより、自然な操舵フィーリングを運転者に与えることができる。また、両軸間のトルクが所定値を越えたときには、両軸間である程度トルクが生じている状態で、剛性連結要素が両軸を連結する。これにより、樹脂棒によるトルク伝達から剛性連結要素によるトルク伝達への移行をスムーズに行うことができ、より自然な操舵フィーリングを運転者に与えることができる。
また、本発明は、操舵部材の操舵に応じて回転する上記の車両操舵用伸縮軸を備える車両用操舵装置(1)を提供するものである(請求項2)。この場合、操舵フィーリングに優れた車両用操舵装置を実現できる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる車両操舵用伸縮軸を備える車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2の位置を、運転者に対して略上下に調節するためのチルト調節機能を備えている、また、車両用操舵装置1は、操舵部材2の位置を運転者に対して略前後に調整するためのテレスコピック調節機能を備えている。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる車両操舵用伸縮軸を備える車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2の位置を、運転者に対して略上下に調節するためのチルト調節機能を備えている、また、車両用操舵装置1は、操舵部材2の位置を運転者に対して略前後に調整するためのテレスコピック調節機能を備えている。
車両用操舵装置1は、操舵部材2と、車両操舵用伸縮軸としての操舵軸3とを備えている。操舵軸3は、操舵部材2に連結されており、操舵部材2の操舵に応じて回転する。
操舵部材2は、操舵軸3の一端部に取り付けられている。操舵軸3は、操舵部材2が取り付けられている一端部が上側(アッパ側)となるように傾けて配置されている。操舵軸3の他端部は、自在継手4、中間軸5および自在継手6を介して舵取り機構7に連結されている。
操舵部材2は、操舵軸3の一端部に取り付けられている。操舵軸3は、操舵部材2が取り付けられている一端部が上側(アッパ側)となるように傾けて配置されている。操舵軸3の他端部は、自在継手4、中間軸5および自在継手6を介して舵取り機構7に連結されている。
舵取り機構7は、ピニオン軸8と、ラック軸9とを備えている。ピニオン軸8は、自在継手6に連なっている。ラック軸9は、ピニオン軸8の一端のピニオン8aに噛み合うラック歯9aを有している。操舵部材2を回転操作して操舵軸3を回転したとき、舵取り機構7のピニオン8aが回転運動を生じ、この回転運動がラック軸9の長手方向への直線運動に変換される。これにより、ラック軸9は、ラック軸9に連結された図示しないタイロッドを介してナックルアームを回動させ、転舵輪を操向する。
操舵軸3は、内軸10と、操舵部材2が取り付けられている筒状の外軸11とを有している。内軸10は棒状をなしており、軸方向Sに沿って延びている。なお、以下では、内軸10の軸方向Sを単に軸方向Sという。内軸10の一端部10aは、外軸11の一端部11aとトルク伝達可能、且つ軸方向Sに相対摺動可能に嵌合している。内軸10の他端部10bには、自在継手4が連結されている。
操舵軸3は、コラムチューブ12によって回転可能に支持されている。コラムチューブ12は、外軸11を取り囲む外筒13と、内筒14とを含んでいる。内筒14は、外筒13とは軸方向Sに相対摺動可能に嵌合されており、内軸10を取り囲んでいる。外筒13は、軸受15を介して外軸11を回転可能に且つ軸方向Sに同行移動可能に支持している。内筒14は、軸受16を介して、内軸10を回転可能に、且つ軸方向Sに相対移動不能に支持している。
内筒14には第1のブラケット17が固定されている。第1のブラケット17は、車体18に固定された第2のブラケット19に、支軸20を介して支持されている。内筒14は、支軸20回りに揺動可能である。
外筒13には第3のブラケット21が固定されている。第3のブラケット21は、車体18に固定された第4のブラケット22と対向している。第3のブラケット21は、ロック機構23によって第4のブラケット22にロックされる。
外筒13には第3のブラケット21が固定されている。第3のブラケット21は、車体18に固定された第4のブラケット22と対向している。第3のブラケット21は、ロック機構23によって第4のブラケット22にロックされる。
ロック機構23の操作レバー24を操作することにより、上記ロックを解除することができる。ロックを解除することにより、外筒13および外軸11を、対応する内筒14および内軸10に対して軸方向Sに相対移動する動作、すなわち、テレスコピック動作をすることができる。また、ロックを解除することにより、操舵軸3およびコラムチューブ12を支軸20回りに揺動させるチルト動作をすることができる。
図2は、操舵軸3の要部の分解斜視図である。図3は、操舵軸3の要部の断面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図であり、車両直進状態のときの操舵軸3(操舵軸3にトルクTが作用していない状態としての操舵中立状態)を示している。
図2を参照して、操舵軸3の内軸10および外軸11は、それぞれ、金属製の高剛性部材である。これら内軸10および外軸11には、剛性連結要素としてのセレーション結合構造25が設けられている。セレーション結合構造25は、内軸10および外軸11間に作用するトルクTの絶対値が所定値を超えたときに、両軸10,11を内軸10の周方向Cに剛的に連結するものである。トルクTの絶対値の所定値は、車両に応じて適宜設定される。
図2を参照して、操舵軸3の内軸10および外軸11は、それぞれ、金属製の高剛性部材である。これら内軸10および外軸11には、剛性連結要素としてのセレーション結合構造25が設けられている。セレーション結合構造25は、内軸10および外軸11間に作用するトルクTの絶対値が所定値を超えたときに、両軸10,11を内軸10の周方向Cに剛的に連結するものである。トルクTの絶対値の所定値は、車両に応じて適宜設定される。
換言すれば、セレーション結合構造25は、内軸10および外軸11の相対位相(内軸10の周方向Cに関する相対位置)が所定範囲を超えたときに、両軸10,11を内軸10の周方向Cに関して剛的に連結する。
なお、以下では、内軸10の周方向Cを単に周方向Cという。また、周方向Cの一方を向くトルクの値を正とし、周方向Cの他方を向くトルクの値を負とする。
なお、以下では、内軸10の周方向Cを単に周方向Cという。また、周方向Cの一方を向くトルクの値を正とし、周方向Cの他方を向くトルクの値を負とする。
セレーション結合構造25は、内軸10の一端部10aの外周面26に設けられた雄セレーション歯部27と、外軸11の一端部11aの内周面28に設けられた雌セレーション歯部29と、を含んでいる。これらのセレーション歯部27,29は、それぞれ、対応する内軸10および外軸11と平行に延びている。外軸11に内軸10を挿入することにより、これら雄セレーション歯部27および雌セレーション歯部29が、互いに噛み合い可能となっている。
図3および図4を参照して、内軸10の外周面26および外軸11の内周面28には、互いに対向する三対の軸方向溝31,32;33,34;35,36が形成されている。各軸方向溝31〜36は、対応する内軸10および外軸11の軸方向と平行に延びている。
外軸11の一端部11aの内周面28には、周方向Cに沿って等間隔に(120°の間隔で)3つの軸方向溝32,34,36が形成されている。操舵中立状態のとき、軸方向溝32は、鉛直方向Vに関する内周面28の上端に位置している。また、軸方向溝34,36は、鉛直方向Vに関する内周面28の下側において、車両の左右方向Hに対称配置されている。
外軸11の一端部11aの内周面28には、周方向Cに沿って等間隔に(120°の間隔で)3つの軸方向溝32,34,36が形成されている。操舵中立状態のとき、軸方向溝32は、鉛直方向Vに関する内周面28の上端に位置している。また、軸方向溝34,36は、鉛直方向Vに関する内周面28の下側において、車両の左右方向Hに対称配置されている。
内軸10の一端部の外周面26には、周方向Cに沿って3つの軸方向溝31,33,35が形成されている。軸方向溝31は、外軸11の軸方向溝32に対応している。軸方向溝33は、外軸11の軸方向溝34に対応している。軸方向溝35は、外軸11の軸方向溝36に対応している。
内軸10の各軸方向溝31,33,35と、外軸11の対応する軸方向溝32,34,36とは、内軸10の径方向Rに関して互いに向き合っている。なお、以下では、内軸10の径方向Rを単に径方向Rという。
内軸10の各軸方向溝31,33,35と、外軸11の対応する軸方向溝32,34,36とは、内軸10の径方向Rに関して互いに向き合っている。なお、以下では、内軸10の径方向Rを単に径方向Rという。
内軸10の各軸方向溝31,33,35は、それぞれ、一対の接触面61,63と、これら一対の接触面61,63を互いに接続する平坦な底面65と、を含んでいる。また、外軸11の各軸方向溝32,34,36は、それぞれ、一対の接触面68,70と、断面円弧形形状をなしてこれら一対の接触面68,70を互いに接続する底面72と、を含んでいる。
図5は、図4の要部の拡大図である。図5を参照して、一対の接触面61,63は、それぞれ、平坦な面に形成されており、全体としてテーパ状をなしている。これら一対の接触面61,63は、径方向Rの内側に進むに従い、互いの間隔が狭くなっている。これら一対の接触面61,63は、それぞれ、周方向Cに対して45°程度の角度をなして傾斜している。これら一対の接触面61,63は、平坦な面に形成されているが、湾曲する面に形成されていてもよい。底面65は、軸方向Sと平行に延びる平坦面に形成されている。なお、底面65は、径方向Rの内方に向けて凸となる円弧面に形成されていてもよい。
一対の接触面68,70は、それぞれ、平坦な面に形成されており、全体としてテーパ状をなしている。これら一対の接触面68,70は、径方向Rの外側に進むに従い、互いの間隔が狭くなっている。これら一対の接触面68,70は、それぞれ、周方向Cに対して45°程度の角度をなして傾斜している。これら一対の接触面68,70は、平坦な面に形成されているが、湾曲する面に形成されていてもよい。底面72は、外軸11の径方向外方に向けて凸となる円弧面に形成されている。なお、溝面72は、平坦な面に形成されていてもよい。
図4を参照して、前述したように、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔は、等配とされており、それぞれ等しい配置間隔D3とされている。なお、配置間隔D3は、外軸11の隣接する軸方向溝のそれぞれの底面72の中央72a間の、周方向Cに沿う角度をいう。
一方、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔は、不等配とされている。具体的には、操舵中立状態において、内軸10の軸方向溝31の底面65の中央65aと、外軸11の軸方向溝32の底面72の中央72aとは、周方向Cに関する位置が揃えられている。
一方、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔は、不等配とされている。具体的には、操舵中立状態において、内軸10の軸方向溝31の底面65の中央65aと、外軸11の軸方向溝32の底面72の中央72aとは、周方向Cに関する位置が揃えられている。
また、周方向Cに関して、軸方向溝31,33の各底面65の中央65a間の配置間隔D1は、相対的に短くされており、例えば、119°程度とされている。また、周方向Cに関して、軸方向溝31,35の各底面65の中央65a間の配置間隔D1は、相対的に短くされており、例えば119°程度とされている。上記軸方向溝31,33の配置間隔D1と、軸方向溝31,35間の配置間隔D1とは、等しい。
一方、周方向Cに関して、軸方向溝33,35の各底面65の中央65a間の配置間隔D1’は、相対的に長くされており、例えば、122°程度とされている。
なお、以下では、周方向Cに関する、軸方向溝の底面の中央間の配置間隔を、単に「軸方向溝の配置間隔」ともいう。
図2および図3を参照して、内軸10と外軸11との間に、合成樹脂製の樹脂体39が介装されている。樹脂体39は、一体成形品であり、複数の弾性連結要素としての長尺の樹脂棒41,42,43と、これらの樹脂棒41,42,43の一端としての基端を互いに連結する連結部44とを含んでいる。
なお、以下では、周方向Cに関する、軸方向溝の底面の中央間の配置間隔を、単に「軸方向溝の配置間隔」ともいう。
図2および図3を参照して、内軸10と外軸11との間に、合成樹脂製の樹脂体39が介装されている。樹脂体39は、一体成形品であり、複数の弾性連結要素としての長尺の樹脂棒41,42,43と、これらの樹脂棒41,42,43の一端としての基端を互いに連結する連結部44とを含んでいる。
連結部44は、円板状をなす連結部材である。連結部44には、挿通孔46が形成されている。挿通孔46には、内軸10の一端面に突設された円柱状の突部47が挿通している。突部47には、プッシュナット48が取り付けられている。プッシュナット48と内軸10の一端面とによって、連結部44が挟まれて固定されている。
プッシュナット48は、円板状をなしている。プッシュナット48は、その径方向中央部に形成された挿通孔49の周縁部が、隆起している。この挿通孔49に突部47が挿通されている。挿通孔49の周縁部が、突部47に係止されている。突部47の先端は内軸10の径方向に広がっており、プッシュナット48の挿通孔49の周縁部を係止している。
プッシュナット48は、円板状をなしている。プッシュナット48は、その径方向中央部に形成された挿通孔49の周縁部が、隆起している。この挿通孔49に突部47が挿通されている。挿通孔49の周縁部が、突部47に係止されている。突部47の先端は内軸10の径方向に広がっており、プッシュナット48の挿通孔49の周縁部を係止している。
図2および図4を参照して、各樹脂棒41,42,43は、内軸10および外軸11間に作用するトルクTが所定値以下のときに、外軸11を内軸10に対して周方向Cに浮動状に支持するものである。各樹脂棒41,42,43は、連結部44から内軸10の軸方向Sに沿って延びており、軸方向Sの中間部を肉抜きした形状とされている。
各樹脂棒41,42,43のそれぞれの基端は、連結部44に連なっている。これにより、各樹脂棒41,42,43のそれぞれの基端は、連結部44によって、周方向Cに互いに弾性連結されている。各樹脂棒41,42,43に外力が作用していない自由状態において、周方向Cに関する各樹脂棒41,42,43の中心軸線A3の配置間隔は、互いに等しい配置間隔D2とされている。
各樹脂棒41,42,43のそれぞれの基端は、連結部44に連なっている。これにより、各樹脂棒41,42,43のそれぞれの基端は、連結部44によって、周方向Cに互いに弾性連結されている。各樹脂棒41,42,43に外力が作用していない自由状態において、周方向Cに関する各樹脂棒41,42,43の中心軸線A3の配置間隔は、互いに等しい配置間隔D2とされている。
なお、以下では、周方向Cに関する、自由状態の樹脂棒の中心軸線の配置間隔を、単に「樹脂棒の配置間隔」という。自由状態のときの樹脂棒41,42,43は、2点鎖線で示されている。
各樹脂棒41,42,43は、対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間に圧入されて跨っており、これら対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間で圧縮されて弾性変形している。各樹脂棒41,42,43は、円弧面状の外周面54を有しており、この外周面54が、対応する軸方向溝31,32;33,34;35,36にそれぞれ線接触している。
各樹脂棒41,42,43は、対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間に圧入されて跨っており、これら対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36間で圧縮されて弾性変形している。各樹脂棒41,42,43は、円弧面状の外周面54を有しており、この外周面54が、対応する軸方向溝31,32;33,34;35,36にそれぞれ線接触している。
各樹脂棒41,42,43は、その長手方向Lの長さ(以下、単に「長さ」という。)が、互いに等しくされており、内軸10の対応する軸方向溝31,33,35の長手方向の略全域に亘って延びている。各樹脂棒41,42,43は、径方向Rに関して相対的に厚肉の厚肉部75と、径方向Rに関して相対的に薄肉の薄肉部76と、を含んでいる。各樹脂棒41,42,43の厚肉部75は、当該樹脂棒41,42,43の基端側および先端側のそれぞれに配置されている。
厚肉部75には、溝50が形成されている。溝50は、当該溝50が形成されている厚肉部75の長手方向Lに平行に延びている。溝50は、当該溝50が形成されている厚肉部75を長手方向Lに貫通しているが、各厚肉部75を貫通していなくてもよい。各厚肉部75の溝50のうち、長手方向Lと直交する断面は、内軸10の径方向Rの外方に向けて開放するU字形形状をなしている。厚肉部75に溝50が形成されていることにより、径方向Rに関する厚肉部75の先端の可撓性が、厚肉部75の基端の可撓性と比べて高くされている。なお、厚肉部75に溝50を形成しなくてもよい。
図5を参照して、厚肉部75(図5において、樹脂棒41の溝50のみを図示)における外周面54は、対応する一対の軸方向溝31,32;33,34;35,36にそれぞれ接触しており、接触部55,56,57,58を形成している。
接触部55,56は、軸方向溝31,33,35の対応する接触面61,63に線接触して形成されている。接触部57,58は、軸方向溝32,34,36の対応する接触面68,70に線接触して形成されている。
接触部55,56は、軸方向溝31,33,35の対応する接触面61,63に線接触して形成されている。接触部57,58は、軸方向溝32,34,36の対応する接触面68,70に線接触して形成されている。
図5に示す断面において、接触面61は、所定の接触角θ1’で接触部55と接触している。接触面70は、接触面61の接触角θ1’と同じ接触角θ1’で接触部58と接触している。接触面68は、所定の接触角θ1で接触部57と接触している。接触面63は、接触面68の接触角θ1と同じ接触角θ1で接触部56と接触している。
ここで、接触角θ1,θ1’は、内軸10の中心軸線A1を含み底面65の中心を通る平面Bと、各接触面61,63,68,70が外周面54へ伝える力の合力の作用線と、がなす角度である。
ここで、接触角θ1,θ1’は、内軸10の中心軸線A1を含み底面65の中心を通る平面Bと、各接触面61,63,68,70が外周面54へ伝える力の合力の作用線と、がなす角度である。
底面65と外周面54との間に隙間Wが形成されており、各樹脂棒41,42,43が弾性変形したときの当該樹脂棒41,42,43の肉の逃げ場とされている。
これにより、各樹脂棒41,42,43が弾性変形したときの肉が内軸10のうちの一対の接触面61,63以外の箇所に接触することを防止できる。したがって、両軸10,11間のトルクの伝達特性を不用意に変化させてしまうことを防止できる。
これにより、各樹脂棒41,42,43が弾性変形したときの肉が内軸10のうちの一対の接触面61,63以外の箇所に接触することを防止できる。したがって、両軸10,11間のトルクの伝達特性を不用意に変化させてしまうことを防止できる。
図3を参照して、薄肉部76は、内軸10にのみ接触しており、内軸10と外軸11との間のトルク伝達経路とはされていない。各樹脂棒41,42,43(図3において、樹脂棒41,43のみ図示)のうち、それぞれの基端側および先端側に配置された厚肉部75が、内軸10および外軸11に当接している。これにより、各樹脂棒41,42,43は、その基端側および先端側の2箇所で、外軸11を両持ち支持しており、外軸11の支持スパンが長くされている。
図4を参照して、操舵中立状態において、樹脂棒41の厚肉部75は、周方向Cに圧縮されていない。このとき、樹脂棒41の厚肉部75は、内軸10と外軸11とを周方向Cおよび径方向Rに離隔するように軸方向溝31,32間に介在している。
一方、操舵中立状態において、軸方向溝33,34の底面65,72の中央65a,72aの位相は、互いに異ならされている。これにより、操舵中立状態において、径方向Rに関する樹脂棒42の厚肉部75の先端側の一部が、軸方向溝33,34によって周方向Cに弾性的に圧縮されている。これにより、樹脂棒42の外周面54は、軸方向溝33に保持されつつ、軸方向溝34の接触面68に、弾性反発力F3(接触面68における垂直抗力)を付与している。この弾性反発力F3は、鉛直方向Vのうちの上側を向く成分F3’と、径方向Rの外側を向く成分F3’’と、を含んでいる。
一方、操舵中立状態において、軸方向溝33,34の底面65,72の中央65a,72aの位相は、互いに異ならされている。これにより、操舵中立状態において、径方向Rに関する樹脂棒42の厚肉部75の先端側の一部が、軸方向溝33,34によって周方向Cに弾性的に圧縮されている。これにより、樹脂棒42の外周面54は、軸方向溝33に保持されつつ、軸方向溝34の接触面68に、弾性反発力F3(接触面68における垂直抗力)を付与している。この弾性反発力F3は、鉛直方向Vのうちの上側を向く成分F3’と、径方向Rの外側を向く成分F3’’と、を含んでいる。
また、操舵中立状態における、軸方向溝35,36の底面65,72の中央65a,72aの位相は、異ならされている。これにより、操舵中立状態において、径方向Rに関する樹脂棒43の厚肉部75の先端側の一部が、軸方向溝35,36によって周方向Cに弾性的に圧縮されている。これにより、樹脂棒43の外周面54は、軸方向溝35に保持されつつ、軸方向溝36の接触面70に、弾性反発力F6(接触面70における垂直抗力)を付与している。この弾性反発力F6の値は、樹脂棒42の弾性反発力F3と同じにされている。この弾性反発力F6は、鉛直方向Vのうちの上側を向く成分F6’と、径方向Rの外側を向く成分F6’’と、を含んでいる。
以上のように、外軸11には、樹脂棒42の弾性反発力F3の成分F3’と、樹脂棒43の弾性反発力F6の成分F6’とが作用している。これら各成分F3’,F6’の和は、外軸11に作用する重力Mgと向きが反対で値が等しくされている。
また、各樹脂棒42,43から外軸11に作用する力F3,F6の成分F3’’,F6’’によって、外軸11は、内軸10に対して浮動状に支持されている。
また、各樹脂棒42,43から外軸11に作用する力F3,F6の成分F3’’,F6’’によって、外軸11は、内軸10に対して浮動状に支持されている。
図3および図4を参照して、上記のように、外軸11の一端部11aの近傍、および中間部において、樹脂棒42,43が外軸11を鉛直方向Vの上側に持ち上げようとする力(F3’+F6’)と、外軸11の重力Mgとが、釣り合っている。これにより、外軸11が内軸10に対して傾くことが抑制されており、内軸10の中心軸線A1と外軸11の中心軸線A2との傾斜角度θ0が、実質的にゼロとされている。
このように、傾斜角度θ0が所定角度(例えば、数度)以下のとき、内軸10は、樹脂棒41,42,43を介して、外軸11を周方向Cおよび径方向Rの双方に関して浮動状に支持している。この状態は、チルト角度(図1における、支軸20回りの操舵軸3の位置)に関わらず成立する。
図5を参照して、上記の構成により、操舵部材の操舵角θ3が−θ3’≦θ3≦θ3’のとき(θ3’は、所定の操舵角であり、例えば、数分程度)、両軸10,11の相対位相は、所定の範囲内にあり、両軸10,11間に作用するトルクは所定値以下である。なお、操舵角θ3がゼロのときは、操舵中立状態となっている。操舵角θ3は、周方向Cの一方に関して正であり、周方向Cの他方に関して負である。
図5を参照して、上記の構成により、操舵部材の操舵角θ3が−θ3’≦θ3≦θ3’のとき(θ3’は、所定の操舵角であり、例えば、数分程度)、両軸10,11の相対位相は、所定の範囲内にあり、両軸10,11間に作用するトルクは所定値以下である。なお、操舵角θ3がゼロのときは、操舵中立状態となっている。操舵角θ3は、周方向Cの一方に関して正であり、周方向Cの他方に関して負である。
このとき、内軸10は、各樹脂棒41,42,43(図5において、樹脂棒41のみを図示)を介して、外軸11を周方向Cおよび径方向Rに弾性支持している。すなわち、各樹脂棒41,42,43によって、外軸11が周方向Cおよび径方向Rにフローティング支持されている。
内軸10と外軸11との間の周方向Cに関する隙間が、対応する樹脂棒41,42,43によって詰められている。外軸11に作用するトルクT(図5では、トルクTが周方向Cの一方を向いている状態を図示)は、接触部57または接触部58に作用し、内軸10と外軸11の相対回転に抵抗が付与される。このとき、各樹脂棒41,42,43の厚肉部75は、対応する接触部57,58からの力の入力に対して、U型のばねとして機能する。このとき、軸方向Sに沿って見て、接触部55,58を結ぶラインJ1と、接触部56,57を結ぶラインJ2との交点Kは、雄セレーション歯部27と雌セレーション歯部29との噛合いのピッチ円上またはピッチ円の近傍に存在する。また、軸方向Sに沿って見て、接触部55と交点Kとの間の距離と、交点Kと接触部58との距離は互いに等しく、接触部56と交点Kとの間の距離と、交点Kと接触部57との間の距離は互いに等しい。これにより、各樹脂棒41,42,43は、両軸10,11に対して大幅にすべることがないようにされている。
内軸10と外軸11との間の周方向Cに関する隙間が、対応する樹脂棒41,42,43によって詰められている。外軸11に作用するトルクT(図5では、トルクTが周方向Cの一方を向いている状態を図示)は、接触部57または接触部58に作用し、内軸10と外軸11の相対回転に抵抗が付与される。このとき、各樹脂棒41,42,43の厚肉部75は、対応する接触部57,58からの力の入力に対して、U型のばねとして機能する。このとき、軸方向Sに沿って見て、接触部55,58を結ぶラインJ1と、接触部56,57を結ぶラインJ2との交点Kは、雄セレーション歯部27と雌セレーション歯部29との噛合いのピッチ円上またはピッチ円の近傍に存在する。また、軸方向Sに沿って見て、接触部55と交点Kとの間の距離と、交点Kと接触部58との距離は互いに等しく、接触部56と交点Kとの間の距離と、交点Kと接触部57との間の距離は互いに等しい。これにより、各樹脂棒41,42,43は、両軸10,11に対して大幅にすべることがないようにされている。
また、内軸10の雄セレーション歯部27および外軸11の雌セレーション歯部29は、互いに噛み合っていない。
操舵部材の操舵に伴って操舵角θ3の絶対値が増すに従い、各樹脂棒41,42,43は、内軸10の周方向Cに圧縮されて弾性変形する。これに従い、各セレーション歯部27,29間の隙間Jが狭まる。
操舵部材の操舵に伴って操舵角θ3の絶対値が増すに従い、各樹脂棒41,42,43は、内軸10の周方向Cに圧縮されて弾性変形する。これに従い、各セレーション歯部27,29間の隙間Jが狭まる。
θ3<−θ3’となるか、または、θ3’<θ3となることにより、両軸10,11の相対位相が所定の範囲を超える。これにより、セレーション歯部27,29間の隙間がなくなり、例えば、図6に示すように、雄セレーション歯部27と、雌セレーション歯部29とが互いに噛み合う。これにより、両軸10,11は、セレーション歯部27,29を介してトルク伝達可能となる。
操舵角θ3と操舵部材のトルクTとの関係は、図7に示すものとなる。図7に示すように、操舵角θ3の絶対値が所定の操舵角θ3’以下である微操舵域においては、操舵角θ3の絶対値が所定の操舵角θ3’を超えているときと同様に、操舵角θ3の変化に応じてトルクTが略線形的に変化している。このため、操舵角θ3の絶対値が、所定の操舵角θ3’以下の状態と、θ3’を越えた状態との間を移行するときのトルクTの変動が滑らかなものとなっている。
これにより、自然な操舵フィーリングを実現できる。例えば、操舵角θ3が−θ3’≦θ3≦θ3’のときにはトルクTが略ゼロであるが、θ3<−θ3’、またはθ3’<θ3となったときに急にトルクが大きくなるといった特性とならない。その結果、操舵中立付近での操舵のふらつきを防止できる。
以上より、操舵角θ3と、操舵軸3に作用するトルクTとの関係を、略線形的なものにできる。その結果、図7において1点鎖線で示す理想のグラフに近いものにできる。
以上より、操舵角θ3と、操舵軸3に作用するトルクTとの関係を、略線形的なものにできる。その結果、図7において1点鎖線で示す理想のグラフに近いものにできる。
以上の次第で、本実施の形態によれば、二対の軸方向溝33,34;35,36で、対応する樹脂棒42,43を周方向Cに弾性的に圧縮している。各軸方向溝33,34;35,36の各接触面61,63,68,70が、周方向Cに対して傾斜していることにより、周方向Cに弾性的に圧縮された各樹脂棒42,43から外軸11への弾性反発力F3,F6は、それぞれ径方向Rに沿う成分F3’’,F6’’を含む。
これらの成分F3’’,F6’’により、内軸10と外軸11とを確実に径方向Rに離隔しておくことができる。その結果、両軸10,11の傾斜角度θ0を略ゼロにできる。すなわち、両軸10,11間のトルクTがゼロのときでも、両軸10,11を概ね真っ直ぐに配置できる。例えば車両が直進状態にあることから、両軸10,11間にトルクTがほとんど作用していない状態から外軸11にトルクTが作用したときに、各樹脂棒41,42,43の弾性反発力によって、内軸10にトルクTを確実に伝達できる。これにより、自然な操舵フィーリングを運転者に与えることができる。
また、両軸10,11間のトルクTが所定値を越えたときには、両軸10,11間である程度のトルクTが生じている状態で、雄セレーション歯部27と雌セレーション歯部29とが噛み合う。これにより、各樹脂棒41,42,43によるトルク伝達から、セレーション結合構造25によるトルク伝達への移行をスムーズに行うことができ、より自然な操舵フィーリングを運転者に与えることができる。
また、操舵中立状態のときでも、各樹脂棒42,43が外軸11に与える弾性反発力F3,F6のうち鉛直方向Vの上側を向く成分F3’’,F6’’によって、外軸11が支持されている。これにより、外軸11の一端部11aを、周方向Cに関してバランスよく支持することができる。したがって、外軸11が内軸10に対して傾斜することを抑制でき、操舵中立状態でも、両軸10,11の傾斜角度θ0をよりゼロに近づけることができる。これにより、操舵中立状態から、操舵部材2の操舵により外軸11に伝わったトルクTが、樹脂棒41,42,43を介して内軸10に伝わるとき、外軸11のトルクTを、各樹脂棒41,42,43を介して遅れなく、内軸10に伝達し、外軸11の回転に抵抗を生じさせることができる。外軸11が内軸10に対して傾いた状態から真っ直ぐの状態に移行する動作が必要ないからである。したがって、操舵中立付近でも、操舵部材2の操舵感を運転者に確実に与えることができる。
例えば、図8(A)に示すように、操舵中立状態のときに、内軸100と外軸101の自重により、互いの中心軸線102,103が傾いている従来例であれば、外軸101から内軸100にトルクが伝わると、両軸100,101は、図8(B)から図8(C)に示すように、互いの中心軸線102,103が真っ直ぐに並ぼうと変位する。このような変位が生じている間は、両軸100,101間にトルクが伝わらない結果、操舵中立状態に近い状態では、操舵部材に伝わる反力がほとんどなく、操舵に対する手ごたえを運転者が感じられず、操舵フィーリングに欠ける。
一方、本実施の形態の内軸10および外軸11では、上述のような、両軸100,101が互いにまっすぐに並ぼうとする変位を生じない分、操舵中立状態に近い状態でも、操舵部材2に確実に反力を伝えることができ、操舵に対する手ごたえを運転者に与えられる。したがって、良好な操舵フィーリングを実現できる。
また、操舵角θ3が−θ3’≦θ≦θ3’のときには、各樹脂棒41,42,43によって両軸10,11を周方向Cに弾性的に連結している。これにより、操舵角θ3が−θ3’≦θ≦θ3’のときでも、操舵部材2を操舵したときに、操舵角θ3に応じた入力トルクに等しい反作用としての反力トルクを生じさせることができる。その結果、操舵不足または操舵過剰を防止でき、運転者の操舵のふらつきを防止できる。
また、操舵角θ3が−θ3’≦θ≦θ3’のときには、各樹脂棒41,42,43によって両軸10,11を周方向Cに弾性的に連結している。これにより、操舵角θ3が−θ3’≦θ≦θ3’のときでも、操舵部材2を操舵したときに、操舵角θ3に応じた入力トルクに等しい反作用としての反力トルクを生じさせることができる。その結果、操舵不足または操舵過剰を防止でき、運転者の操舵のふらつきを防止できる。
さらに、操舵角θ3がθ<−θ3’、またはθ3’<θとなる前には、操舵反力がある程度生じているので、操舵角θ3がθ<−θ3’、またはθ3’<θとなる前後における伝達トルクの急峻な変化を防止でき、入力トルクに等しい反作用としての反力トルクを滑らかに上昇できる。したがって、運転者に無用なトルク変動を与えず、路面状態・車両挙動等の、運転者が必要とする情報のみを伝えることができる。その結果、操舵角θ3がゼロである操舵中立付近での操舵のふらつきがなくなり、操舵部材2から得られる操舵装置1の安定感を向上できる。
また、操舵部材2を操舵中立状態から急操舵したときには、内軸10外軸11の間の各樹脂棒41,42,43が圧縮されつつ、内軸10の雄セレーション歯部27と外軸11の雌セレーション歯部29とが互いに接触する。このとき、各樹脂棒41,42,43が緩衝作用を発揮することとなり、各セレーション歯部27,29の接触の衝撃を緩和でき、接触音を抑制できる。
また、各樹脂棒41,42,43の長手方向Lの中間部が薄肉部76とされていることで、これら樹脂棒41,42,43によって、外軸11が長手方向Lに2点支持されている。これにより、樹脂棒41,42,43による外軸11の支持スパンを十分に確保しつつ、テレスコピック調整のときに、樹脂棒41,42,43と外軸11との摺動抵抗を確実に低減することができ、両軸10,11をスムーズに摺動できる。
さらに、内軸10と外軸11との間に樹脂棒41,42,43を圧入するという簡易な構成でよく、コスト安価に操舵軸3を形成することができる。
以上より、操舵フィーリングに優れ且つ安価な車両用操舵装置1を実現できる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
以上より、操舵フィーリングに優れ且つ安価な車両用操舵装置1を実現できる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
なお、以下では、図4に示す構成と異なる構成について説明し、同様の構成については図に同様の符号を付してその説明を省略する。
図4では、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を不等配にしたが、外軸11の配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、図9に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔、および樹脂棒41,42,43の配置間隔を等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔は、それぞれ配置間隔D1Aで等配である。また、樹脂棒41,42,43の配置間隔は、それぞれ配置間隔D2Aで等配である。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、それぞれ配置間隔D3Aで等しい。一方、軸方向溝34,36の配置間隔D3A’は、配置間隔D3と比べて、例えば2°程度小さくされている。
図4では、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を不等配にしたが、外軸11の配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、図9に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔、および樹脂棒41,42,43の配置間隔を等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔は、それぞれ配置間隔D1Aで等配である。また、樹脂棒41,42,43の配置間隔は、それぞれ配置間隔D2Aで等配である。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、それぞれ配置間隔D3Aで等しい。一方、軸方向溝34,36の配置間隔D3A’は、配置間隔D3と比べて、例えば2°程度小さくされている。
この場合も、図4の構成と同様の作用効果を得ることができる。
また、図10に示すように、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔は、それぞれ配置間隔D1Bで等配である。また、樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43のそれぞれ配置間隔は、配置間隔D2Bで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2B’は、配置間隔D2Bと比べて、例えば2°程度大きくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔は、それぞれ配置間隔D3Bで等配である。
また、図10に示すように、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔は、それぞれ配置間隔D1Bで等配である。また、樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43のそれぞれ配置間隔は、配置間隔D2Bで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2B’は、配置間隔D2Bと比べて、例えば2°程度大きくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔は、それぞれ配置間隔D3Bで等配である。
この場合も、図4の構成と同様の作用効果を得ることができる。
また、図11に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35および外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を不等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33の配置間隔、および軸方向溝31,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Cで互いに等しい。一方、軸方向溝33,35間の配置間隔D1C’は、配置間隔D1Cと比べて、例えば2°程度小さくされている。また、各樹脂棒41,42,43の配置間隔は、配置間隔D2Cで等配である。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、配置間隔D3Cで互いに等しい。一方、軸方向溝34,36間の配置間隔D3C’は、配置間隔D3Cと比べて、例えば、2°程度小さくされている。
また、図11に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35および外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を不等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33の配置間隔、および軸方向溝31,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Cで互いに等しい。一方、軸方向溝33,35間の配置間隔D1C’は、配置間隔D1Cと比べて、例えば2°程度小さくされている。また、各樹脂棒41,42,43の配置間隔は、配置間隔D2Cで等配である。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、配置間隔D3Cで互いに等しい。一方、軸方向溝34,36間の配置間隔D3C’は、配置間隔D3Cと比べて、例えば、2°程度小さくされている。
この場合も、図4の構成と同様の作用効果を得ることができる。
また、図12に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35と樹脂棒41,42,43のそれぞれの配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を不等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33の配置間隔、および軸方向溝31,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Dで互いに等しい。一方、軸方向溝33,35間の配置間隔D1D’は、配置間隔D1Dと比べて、例えば2°程度大きくされている。また、各樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43の配置間隔は、配置間隔D2Dで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2D’は、配置間隔D2Dと比べて、例えば、2°程度大きくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔は、配置間隔D3Dで等配である。
また、図12に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35と樹脂棒41,42,43のそれぞれの配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を不等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33の配置間隔、および軸方向溝31,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Dで互いに等しい。一方、軸方向溝33,35間の配置間隔D1D’は、配置間隔D1Dと比べて、例えば2°程度大きくされている。また、各樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43の配置間隔は、配置間隔D2Dで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2D’は、配置間隔D2Dと比べて、例えば、2°程度大きくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔は、配置間隔D3Dで等配である。
この場合も、図4の構成と同様の作用効果を得ることができる。
また、図13に示すように、樹脂棒41,42,43の配置間隔と外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔のそれぞれの配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Eで等配である。また、各樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43の配置間隔は、配置間隔D2Eで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2E’は、配置間隔D2Eと比べて、例えば、2°程度小さくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、配置間隔D3Eで互いに等しい。一方、軸方向溝34,36の配置間隔D3E’は、配置間隔D3Eと比べて、例えば2°程度小さくされている。
また、図13に示すように、樹脂棒41,42,43の配置間隔と外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔のそれぞれの配置間隔を不等配にしてもよい。具体的には、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を等配にし、樹脂棒41,42,43の配置間隔を不等配にし、且つ、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔を不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Eで等配である。また、各樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43の配置間隔は、配置間隔D2Eで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2E’は、配置間隔D2Eと比べて、例えば、2°程度小さくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、配置間隔D3Eで互いに等しい。一方、軸方向溝34,36の配置間隔D3E’は、配置間隔D3Eと比べて、例えば2°程度小さくされている。
この場合も、図4の構成と同様の作用効果を得ることができる。
また、図14に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔、樹脂棒41,42,43の配置間隔、および、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔の全てを不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33、および軸方向溝31,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Fで互いに等しい。一方、軸方向溝33,35の配置間隔D1F’は、配置間隔D1Fと比べて2°程度小さくされている。また、各樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43の配置間隔は、配置間隔D2Fで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2F’は、配置間隔D2Fと比べて、例えば、2°程度大きくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、配置間隔D3Fで互いに等しい。一方、軸方向溝34,36の配置間隔D3F’は、配置間隔D3Fと比べて、例えば2°程度小さくされている。
また、図14に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔、樹脂棒41,42,43の配置間隔、および、外軸11の軸方向溝32,34,36の配置間隔の全てを不等配にしてもよい。この場合、内軸10の軸方向溝31,33、および軸方向溝31,35のそれぞれの配置間隔は、配置間隔D1Fで互いに等しい。一方、軸方向溝33,35の配置間隔D1F’は、配置間隔D1Fと比べて2°程度小さくされている。また、各樹脂棒41,42の配置間隔、および樹脂棒41,43の配置間隔は、配置間隔D2Fで互いに等しい。一方、樹脂棒42,43の配置間隔D2F’は、配置間隔D2Fと比べて、例えば、2°程度大きくされている。また、外軸11の軸方向溝32,34の配置間隔、および軸方向溝32,36の配置間隔は、配置間隔D3Fで互いに等しい。一方、軸方向溝34,36の配置間隔D3F’は、配置間隔D3Fと比べて、例えば2°程度小さくされている。
この場合も、図4の構成と同様の作用効果を得ることができる。
また、図15に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を配置間隔D1Gで等配にし、各樹脂棒41,42G,43Gの配置間隔を配置間隔D2Gで等配にし、外軸11の軸方向溝32,34、36の配置間隔を配置間隔D3Gで等配にし、且つ、例えば2つの樹脂棒42G,43Gの大きさを、樹脂棒41の大きさと比べて大きくしてもよい。
また、図15に示すように、内軸10の軸方向溝31,33,35の配置間隔を配置間隔D1Gで等配にし、各樹脂棒41,42G,43Gの配置間隔を配置間隔D2Gで等配にし、外軸11の軸方向溝32,34、36の配置間隔を配置間隔D3Gで等配にし、且つ、例えば2つの樹脂棒42G,43Gの大きさを、樹脂棒41の大きさと比べて大きくしてもよい。
この場合、軸方向Sに沿って見て、自由状態における樹脂棒42G,43Gは、自由状態における樹脂棒41と相似である。樹脂棒42G,43Gは、対応する軸方向溝33,34;35,36内で周方向Cに弾性的に圧縮されている。これにより、各樹脂棒42G,43Gから外軸11の対応する軸方向溝34,36の接触面68,70に弾性反発力F3G,F4G,F5G,F6Gが作用する。これらの弾性反発力F3G,F4G,F5G,F6Gは、径方向Rに沿う成分F3G’’,F4G’’,F5G’’,F6G’’を含んでいる。これにより、内軸10と外軸11とを径方向Rに確実に離隔しておくことができ、両軸10,11の傾斜角度θ0を略ゼロにできる。このように、両軸10,11を概ね真っ直ぐにできることから、図4に示す実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、各上記実施の形態において、セレーション結合構造25に代えて、スプライン結合構造を設けてもよい。この場合、スプライン結合構造の雄スプライン歯部は、内軸10の外周面26に形成され、雌スプライン歯部は、外軸11の内周面28に形成される。
また、内軸10と外軸11の相対向する軸方向溝は、4対以上設けられていてもよい。この場合、各軸方向溝に樹脂棒が配置される。
また、内軸10と外軸11の相対向する軸方向溝は、4対以上設けられていてもよい。この場合、各軸方向溝に樹脂棒が配置される。
さらに、電動モータ用いて操舵軸に操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置や、油圧シリンダを用いてラック軸に操舵補助力を付与する油圧パワーステアリング装置等の、パワーステアリング装置に、本発明を適用することができる。
この場合、操舵補助力の付与が開始される操舵角θ3の絶対値は、上記所定の操舵角θ31に相当するように設定される。すなわち、操舵角θ3が−θ3’≦θ≦θ3’である領域は、操舵部材2の操舵にかかわらず操舵補助力が生じない、いわゆる不感帯領域とされる。操舵補助力が付与されない程度の微小な操舵角(不感帯領域)のとき、各樹脂棒のみを介して内軸10と外軸11との間でトルクが伝達される。
この場合、操舵補助力の付与が開始される操舵角θ3の絶対値は、上記所定の操舵角θ31に相当するように設定される。すなわち、操舵角θ3が−θ3’≦θ≦θ3’である領域は、操舵部材2の操舵にかかわらず操舵補助力が生じない、いわゆる不感帯領域とされる。操舵補助力が付与されない程度の微小な操舵角(不感帯領域)のとき、各樹脂棒のみを介して内軸10と外軸11との間でトルクが伝達される。
また、本発明を、操舵部材と舵取り機構との間に配置される中間軸に適用してもよい。
1…車両用操舵装置、2…操舵部材、3…操舵軸(車両操舵用伸縮軸)、10…内軸、11…外軸、25…セレーション結合構造(剛性連結要素)、26…(内軸の)外周面、28…(外軸の)内周面、31,32,33,34,35,36…軸方向溝、41,42,43,42G,43G…樹脂棒、44…連結部(連結部材)、54…(樹脂棒の)外周面、61,63,68,70…接触面、A1…(内軸の)中心軸線、A2…(外軸の)中心軸線、C…周方向、D1,D1’D1A,D1B,D1C,D1C’,D1D,D1D’,D1E,D1F,D1F’,D1G…(内軸の軸方向溝の)配置間隔、D2,D2A,D2B,D2B’,D2C,D2D,D2D’,D2E,D2E’,D2F,D2F’,D2G…(樹脂棒の)配置間隔、D3,D3A,D3A’,D3B,D3C,D3C’,D3D,D3E,D3E’,D3F,D3F’,D3G…(外軸の軸方向溝の)配置間隔、R…径方向、S…軸方向、T…トルク、θ0…(中心軸線間の)傾斜角度。
Claims (2)
- 操舵部材の操舵に応じて回転する車両操舵用伸縮軸において、
軸方向に相対摺動可能に且つ互いにトルク伝達可能に嵌め合わされた内軸および筒状の外軸と、
内軸および外軸間に負荷されるトルクが所定値を越えたときに、両軸を周方向に剛的に連結する剛性連結要素と、
内軸の外周面および外軸の内周面のそれぞれに形成されて互いに対向する少なくとも三対の軸方向溝と、
上記対をなす軸方向溝間にそれぞれ跨り、内軸および外軸間に負荷されるトルクが所定値以下のときに、両軸の一方を他方に対して周方向に浮動状に支持する複数の弾性連結要素としての長尺の樹脂棒と、
各上記樹脂棒を上記周方向に関して互いに弾性連結する連結部材と、を含み、
内軸および外軸の中心軸線間の傾斜角度が所定角度以下のときに、両軸の一方を他方によって周方向および径方向に浮動状に弾性支持できるように、樹脂棒の周面に対する各軸方向溝の接触面が、各軸の周方向に対して傾斜されており、
内軸の周方向に関して、内軸の軸方向溝の配置間隔、外軸の軸方向溝の配置間隔、および上記連結部材による樹脂棒の配置間隔の少なくとも一つが不等配とされているか、または、上記内軸の周方向に関して、内軸の軸方向溝の配置間隔および外軸の軸方向溝の配置間隔がそれぞれ等配にされ且つ少なくとも1つの樹脂棒の大きさが他の樹脂棒の大きさと異ならされていることを特徴とする車両操舵用伸縮軸。 - 操舵部材の操舵に応じて回転する請求項1記載の車両操舵用伸縮軸を備える車両用操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008297350A JP2010120557A (ja) | 2008-11-20 | 2008-11-20 | 車両操舵用伸縮軸およびこれを備える車両用操舵装置 |
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KR20170079712A (ko) * | 2015-12-31 | 2017-07-10 | 남양공업주식회사 | 스티어링 장치의 인터미디에이트 샤프트 |
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2008
- 2008-11-20 JP JP2008297350A patent/JP2010120557A/ja active Pending
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KR102105339B1 (ko) * | 2015-12-31 | 2020-04-28 | 남양넥스모 주식회사 | 스티어링 장치의 인터미디에이트 샤프트 |
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