JP2010119179A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属ケースの冷媒流路に流入する冷媒の温度の検出精度を効果的に向上させることができる電力変換装置を提供すること。
【解決手段】電力変換装置1は、電力変換回路を構成する電子部品3を金属製ケース2に配設してなる。金属製ケース2には、電子部品3を冷却するための冷媒Cが流れる冷媒流路21が形成してある。冷媒流路21の入口部211の周辺には、入口部211から流入する冷媒Cの流れを衝突させる対向壁部22が形成してある。対向壁部22は、入口部211から流入する冷媒Cの流れ方向Fに対して傾斜状に形成してある。対向壁部22の外側面221には、冷媒Cの温度を検出する温度検出器4が配設してある。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換回路を構成する電子部品を金属製ケースに配設してなる電力変換装置に関する。
例えば、車載用のインバータ、コンバータ等を構成する電力変換装置は、発熱する電子部品を冷却するために、アルミニウム材料等からなる金属製ケース内に冷媒流路を形成している。この冷媒流路へ流入させる冷媒は、ラジエータ等によって所定の温度に低下させた後、ポンプによって電力変換装置へ循環させている。このような電力変換装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
また、例えば、特許文献2においては、冷媒の温度を所定の温度に制御するために、電力変換装置に設けた冷却器に温度検出器を設けることが開示されている。これにより、冷媒が半導体モジュール等の発熱部品から受ける影響を小さくして、冷媒の温度を精度よく検出している。
特開2005−143244号報 特開2008−220042号報
しかしながら、特許文献2の電力変換装置においては、温度検出器を、複数の半導体モジュールの両表面に接触して積層配置した複数の冷却管において、この複数の冷却管の両側に配設した冷媒入口管の入口部及び冷媒出口管の出口部とは反対側の端部に配置した冷却管に配設している。そのため、温度検出器により検出する冷媒の温度は、特に、冷媒入口管の周辺に電力変換回路を構成する発熱部品(電子部品)が存在するときには、この発熱部品により若干温度が上昇した後の温度となる。
また、温度検出器を冷媒入口管の入口部の周辺に配設することも考えられる。しかし、この場合においても、冷媒入口管の入口部に流入した冷媒の温度が発熱部品からの伝熱によって若干上昇しているおそれがある。そのため、電力変換装置内に流入する冷媒の温度をより正確に検出するためには十分ではない。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、金属ケースの冷媒流路に流入する冷媒の温度の検出精度を効果的に向上させることができる電力変換装置を提供しようとするものである。
本発明は、電力変換回路を構成する電子部品を金属製ケースに配設してなる電力変換装置において、
上記金属製ケースには、上記電子部品を冷却するための冷媒が流れる冷媒流路が形成してあり、
該冷媒流路の入口部の周辺には、該入口部から流入する上記冷媒の流れを衝突させる対向壁部が形成してあり、
該対向壁部の外側面には、上記冷媒の温度を検出する温度検出器が配設してあることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
本発明の電力変換装置は、金属製ケースにおいて温度検出器を配設する部位の形状に工夫をし、温度検出器による冷媒の温度の検出精度を向上させている。
具体的には、本発明の電力変換装置においては、金属製ケースにおける冷媒流路の入口部の周辺に、この入口部から流入する冷媒の流れを衝突させる対向壁部を形成し、この対向壁部の外側面に温度検出器を配設している。そして、温度検出器によって冷媒の温度を検出する際には、冷媒流路の入口部に流入する冷媒が対向壁部に衝突し、冷媒から対向壁部への伝熱を効果的にすることができる。また、電力変換回路を構成する電子部品(発熱部品)から冷媒への伝熱の影響を排除することができ、対向壁部の温度を冷媒の温度とほとんど同じにすることができる。これにより、対向壁部の外側面に配設した温度検出器によって検出する温度は、冷媒流路の入口部に流入した冷媒の温度とほとんど同じにすることができ、その温度検出精度を向上させることができる。
それ故、本発明の電力変換装置によれば、金属ケースの冷媒流路に流入する冷媒の温度の検出精度を効果的に向上させることができる。
上述した本発明の電力変換装置における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記対向壁部は、上記入口部から流入する上記冷媒の流れ方向に対して傾斜状に形成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、入口部から流入する冷媒の円滑な流れを維持しつつ、この冷媒を対向壁部に衝突させることができる。
また、上記対向壁部の形成位置における流路断面積は、上記入口部の流路断面積よりも拡大し、かつ当該対向壁部の下流側に位置する流路部分に向けて縮小していることが好ましい(請求項3)。
この場合には、入口部から流入する冷媒を対向壁部の形成部位において、適切に滞留させることができる。そのため、電子部品からの伝熱により温度検出器によって検出する冷媒の温度が上昇することをより効果的に排除することができ、対向壁部の温度を冷媒流路内の冷媒の温度に、より効果的に近づけることができる。
また、上記対向壁部の形成位置における流路断面積が上記入口部の流路断面積よりも拡大する状態は、上記対向壁部によって流れを変化させる方向と直交する方向の流路幅を拡大させて形成することができる(請求項4)。
この場合には、対向壁部の形成位置における流路断面積(冷媒の流れ方向に直交する方向の断面積)を入口部の流路断面積よりも容易に拡大することができる。
また、上記電力変換装置は、自動車において車両駆動用の高圧直流電源から補機用の低圧直流電源を作り出すDC−DCコンバータとすることができる(請求項5)。
この場合には、DC−DCコンバータの冷却に用いる冷媒の温度検出精度を向上させることができる。
以下に、本発明の電力変換装置にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の電力変換装置1は、図1、図2に示すごとく、電力変換回路を構成する電子部品(発熱部品)3を金属製ケース2に配設してなる。金属製ケース2には、電子部品3を冷却するための冷媒(冷却媒体)Cが流れる冷媒流路21が形成してある。冷媒流路21の入口部211の周辺には、入口部211から流入する冷媒Cの流れを衝突させる対向壁部22が形成してある。対向壁部22の外側面221には、冷媒Cの温度を検出する温度検出器4が配設してある。
以下に、本例の電力変換装置1につき、図1〜図3を参照して詳説する。
本例の電力変換装置1は、ハイブリッド自動車又は電気自動車において車両駆動用(車両走行用)の高圧直流電源(約300V)から補機用の(オーディオ、計器、ランプ等に用いる)低圧直流電源(約12V)を作り出すDC−DCコンバータ1である。
図1、図2に示すごとく、金属製ケース2は、アルミニウム材料からなり、電子部品3等を配置する本体部25と、本体部25に対して蓋をする蓋部26とから構成されている。冷媒流路21は、本体部25に形成した流路壁部251と、蓋部26に形成した流路壁部261とを合わせて形成される。蓋部26は、ビス等によって本体部25に固定される。
ここで、図1は、対向壁部22によって冷媒Cの流れを変化させる方向の断面を概略的に示し、図2は、図1に示す断面と直交する方向の断面を、本体部25における冷媒流路21の形成状態として概略的に示す。
本例の対向壁部22は、本体部25において、蓋部26と対面する側から設けた溝部252の形成深さを、流路壁部251の一般部分に比べて深くすることによって形成されている。本例の対向壁部22は、入口部211から流入する冷媒Cの流れ方向Fに対して傾斜状に形成してある。この対向壁部22は、冷媒流路21において、入口部211における流れ方向Fの対向部位に斜めに形成してある。また、対向壁部22は、本体部25と蓋部26とが対面する方向(対面方向Hという。)に傾斜して形成されている。また、対向壁部22によって流れを変化させる方向が対面方向Hとなる。
金属ケースの本体部25に形成した流路壁部251の入口部211に近い部位には、電子部品(発熱部品)3としてのダイオードが配設されている。温度検出器4は、入口部211と電子部品3との中間位置に形成した対向壁部22に配設されている。温度検出器4は、サーミスタ、温度検出ダイオード、熱電対、サーモスタット等から構成することができる。
また、金属ケースにおいて、冷媒Cの入口部211を形成した側とは反対側には、冷媒Cの出口部212が形成されている。
図3に示すごとく、車両駆動用の高圧直流電源は、3相交流モータ(モータジェネレータとして用いる。)を駆動するものであり、3相交流モータは、複数のスイッチング素子を用いて構成したインバータ51によって回転制御される。本例の電力変換装置1としてのDC−DCコンバータ1における金属製ケース2は、インバータ51を構成する別の金属製ケース511と固定されて、パワーコントロールユニット10を構成する。
そして、DC−DCコンバータ1の冷却に用いる冷媒Cは、インバータ51の冷却にも用いられる。すなわち、DC−DCコンバータ1の冷却に用いる冷媒Cは、ハイブリッド用のラジエータ52からポンプ53によってDC−DCコンバータ1における冷媒流路21に送られ、次いで、冷媒流路21からインバータ51における冷却器512に送られ、この冷却器512からラジエータ52へと循環させる。
図1、図2に示すごとく、対向壁部22は板形状に形成してあり、その外側面221には、温度検出器4を配設するための台座部222が形成してある。
対向壁部22の形成位置における流路断面積(流れ方向Fに直交する方向の断面積)は、入口部211の流路断面積よりも拡大し、かつ当該対向壁部22の下流側に位置する流路部分(一般部)210に向けて縮小している。本例においては、対向壁部22の形成位置における流路断面積は、入口部211の流れ方向Fに対して直交する対面方向Hの流路幅H1が拡大すると共に、この流れ方向F及び対面方向Hに直交する横方向Wの流路幅W1も拡大している。
そして、対向壁部22の周辺には、冷媒Cを流入させることができる冷媒保持用の拡大流路部23が形成されている。この拡大流路部23は、対向壁部22が傾斜形成された本体部25と蓋部26との対面方向Hに対して直交する横方向Wに、冷媒流路21を拡大させて形成してある。
本例の電力変換装置1は、金属製ケース2において温度検出器4を配設する部位の形状に工夫をし、温度検出器4による冷媒Cの温度の検出精度を向上させている。
具体的には、本例の電力変換装置1においては、金属製ケース2における冷媒流路21の入口部211の周辺に、この入口部211から流入する冷媒Cの流れを衝突させる対向壁部22を形成し、この対向壁部22の外側面221に温度検出器4を配設している。そして、温度検出器4によって冷媒Cの温度を検出する際には、冷媒流路21の入口部211に流入する冷媒Cが対向壁部22に衝突し、冷媒Cから対向壁部22への伝熱を効果的にすることができる。また、電力変換回路を構成する電子部品(発熱部品)3から冷媒Cへの伝熱の影響を排除することができ、対向壁部22の温度を冷媒Cの温度とほとんど同じにすることができる。これにより、対向壁部22の外側面221に配設した温度検出器4によって検出する温度は、冷媒流路21の入口部211に流入した冷媒Cの温度とほとんど同じにすることができ、その温度検出精度を向上させることができる。
このように、本例の電力変換装置1によれば、金属ケースの冷媒流路21に流入する冷媒Cの温度の検出精度を効果的に向上させることができる。
実施例の電力変換装置について、対向壁部によって冷媒の流れを変化させる方向の断面を概略的に示す断面説明図。 実施例の電力変換装置について、図1に示す断面と直交する方向の断面を概略的に示す断面説明図。 実施例の電力変換装置の周辺の構成図を概略的に示す説明図。
符号の説明
1 電力変換装置(DC−DCコンバータ)
2 金属製ケース
21 冷媒流路
211 入口部
22 対向壁部
221 外側面
3 電子部品
4 温度検出器
C 冷媒
F 流れ方向

Claims (5)

  1. 電力変換回路を構成する電子部品を金属製ケースに配設してなる電力変換装置において、
    上記金属製ケースには、上記電子部品を冷却するための冷媒が流れる冷媒流路が形成してあり、
    該冷媒流路の入口部の周辺には、該入口部から流入する上記冷媒の流れを衝突させる対向壁部が形成してあり、
    該対向壁部の外側面には、上記冷媒の温度を検出する温度検出器が配設してあることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1において、上記対向壁部は、上記入口部から流入する上記冷媒の流れ方向に対して傾斜状に形成してあることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1又は2において、上記対向壁部の形成位置における流路断面積は、上記入口部の流路断面積よりも拡大し、かつ当該対向壁部の下流側に位置する流路部分に向けて縮小していることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3において、上記対向壁部の形成位置における流路断面積が上記入口部の流路断面積よりも拡大する状態は、上記対向壁部によって流れを変化させる方向と直交する方向の流路幅を拡大させて形成してあることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記電力変換装置は、自動車において車両駆動用の高圧直流電源から補機用の低圧直流電源を作り出すDC−DCコンバータであることを特徴とする電力変換装置。
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