JP2010118582A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製品間でばらつくことなく、部品本体の表面に均一で薄い膜を形成することができる電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】部品10を動かしながら、部品10に、第1スラリー6を吹き付けて部品10の表面に第1塗膜6aを形成する。次に、第1塗膜6aが形成された部品10を、第2スラリー7中に浸漬させて、第1塗膜6aが形成された部品10の表面に第2塗膜7aを形成する。その後に、第1塗膜6aおよび第2塗膜7aの硬化処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイル部品などの電子部品を製造する方法に係り、さらに詳しくは、部品本体の表面に均一で薄い膜を形成することができる電子部品の製造方法に関する。
コイル部品の小型化に伴い、必要な特性を得るために、従来のNi−ZnコアからMn−Znコアの使用が検討されている。ところが、Mn−Znコアは、導電性であるために、コアの表面に直接に電極を設けることができない。そこで、Mn−Znコアの表面に絶縁膜をバレルコーティング法で形成することが提案されている(特許文献1参照)。
しかしなから、バレルコーティング方法は、均一なコーティング膜を形成することが可能であるとされているが、製品同士が接触し、ぶつかり合うため、コーティング膜の欠けが発生するおそれがある。また、攪拌がうまくいかなかったりした場合、膜厚が不均一になったりピンホールが形成されたりするものが出てくるおそれがある。特に、ドラムコアなどのように、製品形状が複雑な場合、影となる部分に噴霧したガラススラリーが塗布され難くなるため、特に問題となる。そこで、製品間のコーティング膜のばらつきをより確実に抑える方法が求められている。
また、導電性ではないフェライトコア、バリスタ等の電子部品であっても、その耐環境性や絶縁性を高めるため、その表面に保護膜としてガラス膜を形成することがあり、膜厚が均一でピンホールなどがない絶縁膜の形成方法が求められている。
特開2001−237135号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、製品間でばらつくことなく、部品本体の表面に均一で薄い膜を形成することができる電子部品の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子部品の製造方法は、
部品本体を動かしながら、前記部品本体に、第1スラリーを吹き付けて前記部品本体の表面に第1塗膜を形成する工程と、
前記第1塗膜が形成された前記部品本体を、第2スラリー中に浸漬させて、前記第1塗膜が形成された前記部品本体の表面に第2塗膜を形成する工程と、
前記第1塗膜および第2塗膜の硬化処理を行う工程とを有する。
本発明に係る電子部品の製造方法では、部品本体を動かしながら、部品本体に、第1スラリーを吹き付けて部品本体の表面に第1塗膜を形成する。そのため、一度に多量の部品本体の表面に対して、ほぼ均一に第1塗膜を形成することができる。ただし、希に製品間で塗膜の厚みのバラツキやピンホールや欠けなどが発生することがある。
ただし、本発明では、部品本体の表面に第1塗膜を形成した後に、第2塗膜を浸漬法により形成する。このため、第1塗膜が形成された部品本体の表面に、仮にピンホールや欠けが生じていたとしても、浸漬時の溶液の濡れ性が均一になっているため、第2塗膜がピンホールやクラックを塞ぎ、全体として、部品本体の表面に均一な膜を形成することができる。これによって、バレルコーティングだけでは膜厚が不均一となっていた部品本体に対しても、製品間でばらつくことなく、部品本体の表面に均一で薄い膜を形成することができる。
前記第1塗膜を形成した後に、前記第1塗膜を乾燥させることが好ましい。第1塗膜を乾燥させることで、第1塗膜を安定した状態にすることができる。
前記第1塗膜および/または第2塗膜を加熱または紫外線照射することにより硬化させてもよい。この場合には、第1塗膜および/または第2塗膜により樹脂膜からなる絶縁膜を形成することができる。
前記第1スラリーおよび/または前記第2スラリーとしては、特に限定されないが、ガラス粉末と、バインダ樹脂と、溶剤とを含んでもよい。この場合には、前記第1塗膜および/または第2塗膜を焼成することにより硬化させることが好ましい。この場合には、第1塗膜および/または第2塗膜によりガラスコーティング膜からなる絶縁膜を形成することができる。
前記第1塗膜の厚みは、特に限定されないが、前記第1塗膜と前記第2塗膜の合計厚みの70%以上であることが好ましい。このように構成することで、均一な所望厚みの膜を得ることができる。
前記第1スラリーに含まれる成分と、前記第2スラリーに含まれる成分とは同じであるが、前記第2スラリーの粘度が前記第1スラリーの粘度に比較して低いことが好ましい。このように構成することで、部品本体が複雑な形状であっても、ボイドなどを巻き込むことなく、小さな隙間に溶液が入り込み、確実に表面全体を被う均一な所定厚みの膜を形成することができる。
前記部品本体は、移動可能なバレル内に収容され、当該バレル内で第1スラリーが吹き付けられることが好ましい。このように構成することで、多数の部品本体のそれぞれに対して、表面全体を被う均一な所望厚みの膜を形成することができ、量産性に優れている。
前記部品本体は、前記バレル内で前記第2スラリー中に浸漬されることが好ましい。このように構成することで、第1塗膜を形成した後の部品本体をバレルから取り出すことなく、それらの部品本体に第2塗膜を形成することができる。
前記部品本体は、前記第2スラリー中へ浸漬された後に乾燥処理され、その後に、浸漬処理と乾燥処理とが1回以上繰り返されてもよい。このように繰り返すことで、より確実にピンホールや欠けなどを防止することができる。
前記部品本体としては、特に限定されないが、たとえばドラムコアであり、当該ドラムコアの巻芯部の軸方向幅をWとし、前記巻芯部の軸方向両側に形成してある鍔部の外周表面から前記巻芯部の外周表面までの深さをDとした場合に、D/Wが1以上である。本発明の方法は、D/Wが1以上である場合に特に有効であり、複雑な形状であっても、部品本体の表面に、所望厚みの均一な膜を形成することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法で用いるバレル装置の概略断面図、
図2は図1に示すバレル装置で処理されるドラムコアの断面図、
図3(A)は図2に示すドラムコアの表面に第1塗膜を形成した概略断面図、図3(B)は第1塗膜の表面に第2塗膜を形成したドラムコアの断面図、
図4はコイルを巻回した後のドラムコアの断面図、
図5(A)は本発明の実施例に係るドラムコアの側面図、図5(B)は本発明の比較例に係るドラムコアの側面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るコイル部品の製造方法に用いるバレル装置1は、円柱状または角柱状のシリンダケーシング1aを有し、その中空の内部に、バレル容器2が、その軸芯回りに矢印A方向(またはその逆方向)に回転自在に収容してある。
ケーシング1aには、入口管3と出口管4とが、バレル容器2を挟んでケーシング1aの反対側に、それぞれ形成してある。入口管3からは乾燥用気体がケーシング1aの内部に入り込み、出口管4からケーシング内部の空気を排出可能になっている。
バレル容器2の内部における軸芯位置には、スプレーノズル5が軸方向に沿って配置してあり、ノズル5から、バレル容器2の内部に貯留してある多数のコア部品10に向けて第1スラリー6を吹き付け可能になっている。バレル容器2は、矢印A方向に回転するために、バレル容器2の内部に貯留してあるコア部品10は、バレル容器2の鉛直方向直下よりも回転方向A側に偏って集められ、バレル容器2の回転により撹拌される。
ノズル5は、バレル容器2の鉛直方向直下よりも回転方向A側に偏って集められるコア部品10の集合に向けてスラリー6を噴霧することができるようになっている。なお、ノズル5からのスラリーの噴霧方向を自由に変えられるようにしても良い。
バレル容器2の下方には、第2スラリー7の受け皿8が配置してある。受け皿8の下方には、供給・排出パイプ9が接続してあり、受け皿8の内部に、第2スラリー7を供給し、処理後には、スラリー7を排出可能になっている。受け皿8は、バレル容器2の下半分近くを覆うようになっていることが好ましく、受け皿8の内部にパイプ9を通してスラリーを供給した場合に、そのスラリー液に、バレル容器2の内部に貯留してある全てのコア部品10が浸漬するようになっている。
受け皿8は、ケーシング1aの内部で、バレル容器2に対して相対的に上下移動可能にしてあっても良い。ノズル5から第1スラリー6を噴霧する際には、バレル容器2の回転の邪魔にならない位置に、受け皿8は、待避させておいても良い。そして、第2スラリーをパイプ9から受け皿8の内部に供給し、受け皿8の内部に第2スラリー7を貯留し、そのスラリー7にコア部品10を浸漬する際にのみ、受け皿8をバレル容器2に近づけても良い。
バレル容器2の壁には、外部と内部とを連通する多数の孔が形成してあり、受け皿8に貯留してあるスラリー7は、バレル容器2の内部にも侵入し、そのスラリー7にコア部品10を浸漬することができる。また、バレル容器2の壁には、外部と内部とを連通する多数の孔が形成してあることから、ケーシング1aに形成してある入口管3から出口管4へと、ケーシング1aの内部を流れる乾燥用気体がバレル容器2の内部にも流通するようになっている。
次に、図1に示すバレル装置を用いて、コイル部品を製造する方法について説明する。まず、図2に示すコア部品10を準備する。この実施形態のコア部品10は、Mn−Znフェライト、パーマロイなどの軟磁性金属、金属圧粉、などの導電性磁性材で構成してあり、ドラムコア形状を有している。
このコア部品10は、円柱または角柱状の巻芯部12と、その巻芯部12の軸方向に沿って両側に一体的に形成してある一対の鍔部14とを有する。鍔部14の外径は、巻芯部12の外径よりも大きく、巻芯部12の外周には、鍔部14にて囲まれた凹部16が形成してあり、その凹部16に、後で、図4に示すように、コイル30が巻回される。
この実施形態では、巻芯部12の外径は、0.6〜1.2mmであり、巻芯部12の軸方向幅Wは、0.3〜1.0mm、鍔部14の外径は、2.0〜3.0mmであり、鍔部14の厚みは0.2〜0.3mm、鍔部14の外周表面から巻芯部12の外周表面までの深さをDは、0.5〜1.0mmである。しかも本実施形態では、D/Wが1以上、好ましくは1.0〜1.5である。
このようなコア部品10を、図1に示すバレル容器2の内部に多数収容し、まず、パイプ9からは第2スラリーを受け皿8に供給しないで、ノズル5から第1スラリー6のみを吹き付ける。その際に、バレル容器2を回転させ、コア部品10を撹拌しながら、ノズル5から第1スラリー6を吹き付ける。
第1スラリー6は、ガラス粉末と、バインダ樹脂と、溶剤とを含む。このスラリー中におけるバインダ樹脂の含有量は、スラリー全体に対して、好ましくは1重量%以上20重量%未満である。バインダ樹脂はポリビニルアルコール(PVA)及びその変性体が好ましい。
ガラス粉末の軟化温度は800℃以下であることが好ましい。ガラス粉末の平均粒径(メジアン径)は、特に限定されないが、好ましくは、0.1μm以上10μm以下である。ガラス粉末としては、例えば、ホウ珪酸鉛系ガラス、ホウ珪酸ビスマス系ガラス、ホウ珪酸亜鉛系ガラス等の非晶質ガラス粉末や結晶化ガラス粉末等が挙げられる。
スラリー6中のガラス粉末及びバインダ樹脂からなる固形分量は、スラリー6の重量に対して、好ましくは0.1重量%以上20重量%未満であり、さらに好ましくは、0.5重量%以上10重量%以下である。このように、固形成分の割合を低くし、溶剤の割合を高めることにより、バレルの周速を下げても、コア部品10同士が固着しにくくなる。
溶剤は、水を含むことが好ましい。溶剤は水100%でもよいが、コア部品の表面と水との接触角が大きいときは、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、IBA(イソブチルアルコール)等の水溶性のアルコールを一定の割合で混ぜることにより、スラリーとコア部品との濡れ性を改善することが好ましい。
ガラス粉末の軟化点は300℃以上800℃以下であることが好ましい。このように、800℃以下の軟化点をもつガラス粉末を使用することにより、バインダ樹脂の熱分解温度からガラスの軟化点までの温度領域を狭くするか、無くすることが可能となる。そのために、焼成工程においてガラスの軟化点まで昇温する間のガラス粉層の形状を保持できるので好ましい。また、300℃以上と規定したのは、多くのガラス粉末の軟化点が300℃以上であることによる。
図1に示すバレル容器2を回転させて部品10を容器2内で撹拌させながら、これらの部品10にノズル5からスラリー6を吹き付ける。部品10に吹き付けられたスラリー6は、各部品10の表面を覆い、余分なスラリー6は、パイプ9を通して排出される。バレル容器2を回転させて部品10にノズル5からスラリー6を吹き付ける処理時間は、特に限定されないが、たとえば30〜180分程度である。
スプレー時の第1スラリー6の温度は、溶剤の組成にもよるが40℃以上100℃以下が好ましい。沸点の低い溶剤を使用する場合は、上記温度範囲内で温度を下げることが好ましい。
被処理対象である部品10の量が少ない場合は、部品10と比重及び体積の近いボールをメディアとしてバレル容器2内に投入し、メディア及び部品10の量を一定に保ってもよい。
次に、ノズル5からのスラリー6の吐出を停止し、入口管3から乾燥用気体をケーシング1aの内部に流し込み、出口管4から排出させ、部品10の表面に塗布された第1塗膜を乾燥させる。この乾燥処理に用いる乾燥用気体は、たとえば温度50〜100°Cの空気であり、乾燥処理に要する時間は、たとえば5〜30分である。
乾燥処理に際しては、バレル容器2を回転させて部品10を容器内で撹拌しながら行うことが好ましい。なお、乾燥時のバレル容器の周速度Vdは、スラリー6をノズル5から吐出する時の周速度Vs1に対して、Vd/Vs1=0.5〜2.0となるように決定されることが好ましい。スラリー6をノズル5から吐出する時の周速度Vs1は、好ましくは0.01m/sec以上0.1m/sec以下であり、好ましくは0.01m/sec以上0.08m/sec以下、さらに好ましくは0.01m/sec以上0.06m/sec以下である。
図3(A)に示すように、乾燥処理後の部品10の表面には、第1スラリー塗布膜6aが形成される。なお、この第1スラリー塗布膜6aには、多少ピンホール6bなどが形成されることがあるが、図3(B)に示すように、後述する第2スラリー塗布膜7aにより被覆されるので問題ない。
乾燥処理後には、図1に示すパイプ9から第2スラリー7を受け皿8の内部に送り込み、受け皿8を第2スラリー7で満たし、バレル容器2内の全ての部品10を第2スラリー7中に浸漬させる。その際には、バレル容器2は、回転させなくても良いが、所定の周速度Vs2で回転させても良い。所定の周速度Vs2は、スラリー6をノズル5から吐出する時の周速度Vs1に対して、Vs2/Vs1=0.5〜2.0となるように決定されることが好ましい。
第2スラリー7は、第1スラリー6と同様に、ガラス粉末と、バインダ樹脂と、溶剤とを含み、第1スラリーに含まれる成分とは同じであるが、第2スラリー7中のガラス粉末の含有量が、第1スラリーに比較して少ない。また、第2スラリー7中の溶剤の含有量が、第1スラリーに比較して多い。
すなわち、第2スラリーの粘度が第1スラリーの粘度に比較して低くなるようにしてある。たとえば第2スラリーの粘度をλ2とし、第1スラリーの粘度λ1とした場合に、λ2/λ1=0.1〜0.5であることが好ましい。なお、第1スラリーの粘度は、好ましくは、0.001Pa・s以上0.01Pa・s以下であり、さらに好ましくは0.001Pa・s以上0.003Pa・s以下である。
部品10を第2スラリー7中に浸漬処理する時間は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜5分である。浸漬処理後には、受け皿8中の第2スラリー7を、パイプ9を通して排出し、その後に、入口管3から乾燥用気体をケーシング1aの内部に流し込み、出口管4から排出させ、部品10の表面に塗布された第2塗膜を乾燥させる。乾燥条件は、第1塗膜の乾燥条件と同様である。
図3(B)に示すように、乾燥処理後の部品10の表面には、第1スラリー塗布膜6aと第2塗膜7aとが形成される。第1スラリー塗布膜6aの平均膜厚t1は、好ましくは5〜20μmである。また第2塗膜7aの平均膜厚t2は、t1/(t1+t2)が0.7以上、好ましくは0.75〜0.9となるように決定される。なお、この第1スラリー塗布膜6aには、多少ピンホール6bなどが形成されることがあるが、図3(B)に示すように、第2スラリー塗布膜7aによりピンホール6bはほとんど被覆される。
乾燥処理後には、部品10は、バレル容器2から取り出され、焼成処理される。焼成条件は、塗膜6aおよび塗膜7aからなるガラス塗膜20に含まれるガラス粉末の軟化点などに応じて決定され、好ましくはガラス粉末の軟化温度以上でガラス塗膜20を焼成する。具体的には、焼成温度は、好ましくは600〜800°Cであり、焼成時間は、5〜30分である。ガラス塗膜20の膜厚は、焼成後において、好ましくは1μm以上20μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下である。
その後に、図4に示すように、各コア部品10における一方の鍔部14の端面に、銀、チタン、ニッケル、クロム、銅などで構成された一対の端子電極32を、印刷、転写、浸漬、スパッタ、メッキ法などで形成する。端子電極32は、コア部品10が導電性であっても、ガラス塗膜20のために絶縁されている。
その後に、巻芯部12の周囲にワイヤ30を巻回し、そのワイヤの両端を、それぞれ端子電極32に熱圧着、超音波やレーザなどによる溶接、はんだ法などで接続し、コイル部品が完成する。
本実施形態に係るコイル部品の製造方法では、バレル容器2の内部で複数の部品10を動かしながら、複数の部品10に、第1スラリー6を吹き付けて部品10の表面に第1塗膜6aを形成する。そのため、一度に多量の部品10の表面に対して、ほぼ均一に第1塗膜6aを形成することができる。ただし、希に製品間で塗膜6aの厚みのバラツキやピンホール6bや欠けなどが発生することがある。
しかしながら、本実施形態では、部品10の表面に第1塗膜6aを形成した後に、第2塗膜7aを浸漬法により形成する。このため、第1塗膜6aが形成された部品10の表面に、仮にピンホール6bやクラックなどが生じていたとしても、浸漬時の溶液の濡れ性が均一になっているため、第2塗膜7aがピンホール6bや欠けを塞ぎ、全体として、部品10の表面に均一なガラス膜20を形成することができる。これによって、バレルコーティングだけでは膜厚が不均一となっていた部品10に対しても、製品間でばらつくことなく、部品10の表面に均一で薄い膜20を形成することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した部品10は、第2スラリー7中へ浸漬された後に乾燥処理され、その後に、浸漬処理と乾燥処理とが1回以上繰り返されてもよい。このように繰り返すことで、より確実にピンホールや欠けなどを防止することができる。
また、本発明の方法により処理される部品本体としては、コイル部品のコア部品10に限らず、トランス等のインダクティブデバイスのコアでもよい。また、コアの材質は、特に限定されず、例えばフェライト、アルミナ、鉄などからなるものであってもよい。さらに、本発明の方法で処理される部品としては、バリスタ、サーミスタ、コンデンサ、コイル等のセラミック積層チップ部品、Nd−Fe系金属磁石などでもよい。
また本発明では、第1塗膜6aのみをガラス塗膜で形成し、その塗膜を焼成後に、その表面に、第2塗膜7aとして、樹脂塗膜を形成しても良い。樹脂塗膜の樹脂は、紫外線硬化樹脂でも、熱硬化性樹脂でも良い。
また、本発明では、第2スラリー7中の溶剤には水を含めず、かつバインダ樹脂として非水溶性のエチルセルロースなどを用いてもよい。これによって、第1スラリー6中の水溶性のバインダ樹脂(PVA)が第2スラリー7中へ溶出することを防止することができる。
また、本発明では、第1スラリー塗布膜形成後に、バレル容器2からコア部品10を取り出して個別に分離した状態で容器に並べ入れ、そのまま第2スラリー7へ浸漬し、乾燥するようにしてもよい。これによって、乾燥後にコア部品同士が固着してしまうのを防止することができる。
さらに、上述した実施形態では、ガラス膜20を絶縁膜として用いたが、その他の用途、たとえば緩衝膜として用いることも可能である。緩衝膜を付けることで、部品10が硬い場合に、部品10を取り扱う工具の摩耗を低減することができる。また、ガラス膜20は、部品10を保護するための膜として用いても良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
図1に示すバレル容器2の外径が200mmのバレル装置1を準備し、図2に示すコア部品10に対してガラス膜を形成した。コア部品10は、Mn−Zn系のフェライトで構成され、鍔14の直径が3mm、顎14の厚みが0.25mm、寸法Dが0.8mm、寸法Wが0.6mmであった。
まず、軟化点が645℃で平均粒径が0.4μmのガラス粉末を作製し、当該ガラス粉末とポリビニルアルコール樹脂とを95:5の重量比で混合した。さらに、得られた固形成分(ガラス粉末及びポリビニルアルコールの混合物)と溶剤とを2.5:97.5の重量比で混合し、16時間ボールミルでかき混ぜた。溶剤としては、水とエタノールを8:2で混合したものを用いた。
次に、図1に示すバレル装置1のバレル容器2内に部品10を900g投入し、部品10の表面に、スプレー処理により第1塗膜6aを形成した。バレル容器2の回転スピードは5rpm(周速0.05m/s)で第1スラリー吐出量、コーティング時間は適宜調整した。
次に、温風温度70℃で乾燥処理した。その後に、第2スラリー7による浸漬処理を行い、図3(B)に示す第2塗布膜7aを形成した。第2スラリー7は、固形成分と溶剤とを2.5:97.5の重量比ではなく、1.0:99.0として溶剤量を多くした以外は、第1スラリー6と同じ組成である。
その後に、乾燥処理を行い、バレル容器2から部品10を取り出し、得られた部品10を670℃で焼成した。この結果、図10に示すように、ピンホールがほとんど観察されない連続的なガラス膜20を有する部品10が得られた。
比較例1
第2スラリー7による浸漬処理を行わずに、図3(B)に示す第2塗布膜7aを形成しない以外は、実施例1と同様にして、バレル容器2から部品10を取り出し、得られた部品10を670℃で焼成した。この結果、図10に示すように、ピンホール6bが多数観察された第1塗膜6aからなるガラス膜を有する部品10が得られた。特に、巻芯部12の外周面に、ピンホール6bが多数観察された。凹部16内に第1スラリー6が入り込み難かったと考えられる。
比較例2
第1スラリー6によるスプレー処理を行わずに、図3(B)に示す第1塗布膜6aを形成しない以外は、実施例1と同様にして、バレル容器2から部品10を取り出し、得られた部品10を670℃で焼成した。この結果、比較例1と同様に、ピンホールが多数観察された第1塗膜からなるガラス膜を有する部品が得られた。特に、巻芯部12の外周面に、ピンホール6bが多数観察された。凹部16内にエアーが巻き込み、第2スラリー7が入り込み難かったと考えられる。
図1は本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法で用いるバレル装置の概略断面図である。 図2は図1に示すバレル装置で処理されるドラムコアの断面図である。 図3(A)は図2に示すドラムコアの表面に第1塗膜を形成した概略断面図、図3(B)は第1塗膜の表面に第2塗膜を形成したドラムコアの断面図である。 図4はコイルを巻回した後のドラムコアの断面図である。 図5(A)は本発明の実施例に係るドラムコアの側面図、図5(B)は本発明の比較例に係るドラムコアの側面図である。
符号の説明
1… バレル装置
1a… ケーシング
2… バレル容器
3… 入口管
4… 出口管
5… スプレーノズル
6… 第1スラリー
6a… 第1塗膜
7… 第2スラリー
7a… 第2塗膜
8… 受け皿
9… 供給・排出パイプ
10… コア部品
12… 巻芯部
14… 鍔部
16… 凹部
20… ガラス塗膜

Claims (11)

  1. 部品本体を動かしながら、前記部品本体に、第1スラリーを吹き付けて前記部品本体の表面に第1塗膜を形成する工程と、
    前記第1塗膜が形成された前記部品本体を、第2スラリー中に浸漬させて、前記第1塗膜が形成された前記部品本体の表面に第2塗膜を形成する工程と、
    前記第1塗膜および第2塗膜の硬化処理を行う工程とを有する電子部品の製造方法。
  2. 前記第1塗膜を形成した後に、前記第1塗膜を乾燥させる工程を有する請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記第1塗膜および/または第2塗膜を加熱または紫外線照射することにより硬化させる請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記第1塗膜および/または第2塗膜を焼成することにより硬化させる請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記第1スラリーおよび/または前記第2スラリーが、ガラス粉末と、バインダ樹脂と、溶剤とを含む請求項4に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記第1塗膜の厚みは、前記第1塗膜と前記第2塗膜の合計厚みの70%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記第1スラリーに含まれる成分と、前記第2スラリーに含まれる成分とは同じであるが、前記第2スラリーの粘度が前記第1スラリーの粘度に比較して低い請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記部品本体は、移動可能なバレル内に収容され、当該バレル内で第1スラリーが吹き付けられる請求項1〜7のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記部品本体は、前記バレル内で前記第2スラリー中に浸漬される請求項8に記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記部品本体は、前記第2スラリー中へ浸漬された後に乾燥処理され、その後に、浸漬処理と乾燥処理とが1回以上繰り返される請求項1〜9のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記部品本体が、ドラムコアであり、当該ドラムコアの巻芯部の軸方向幅をWとし、前記巻芯部の軸方向両側に形成してある鍔部の外周表面から前記巻芯部の外周表面までの深さをDとした場合に、D/Wが1以上である請求項1〜10のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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