JP2010118402A - 半導体ゲート絶縁膜の形成方法 - Google Patents

半導体ゲート絶縁膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温の酸素ラジカルで酸化した膜は、初期特性こそ従来の熱酸化膜同等以上の特性を得られるが、各種のストレスを印加した場合、その特性が大きく劣化するという問題を有しており、その対策が望まれていた。
【解決手段】 500℃以下の温度で保持されたシリコン基板に対し、酸素ラジカルを用いてシリコン表面を酸化し、シリコン酸化膜を形成する半導体ゲート絶縁膜の形成方法において、ラジカル酸化を行う前に、シリコン基板表面を終端している水素原子を1x1014原子/cm以下の面密度にまで除去することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体装置におけるゲート絶縁膜の形成方法に関する。
従来、シリコンを基板とした各種半導体装置のゲート絶縁膜は、シリコン基板を約1000℃前後の高温状態で、常圧の乾燥酸素或いは水蒸気などの酸化雰囲気に曝すことでシリコンの酸化を行う熱酸化法と呼ばれる方法で形成されてきた。熱酸化を行う装置としてはファーネスや赤外ランプを用いた急速熱酸化装置が用いられる。しかし近年、半導体装置の更なる高性能化への要求に伴い、従来の熱酸化法で得られる絶縁膜よりも優れた膜質を有する絶縁膜が求められてきている。また、サーマルバジェットの高い熱酸化法は、半導体装置の微細化の妨げになるとの指摘もある。しかしながら熱酸化法では酸化処理温度を下げると、十分な成膜速度が得られなくなる他、膜質が低下してしまうという問題があった。そこで、熱酸化法に代わる酸化方法として、活性な酸素ラジカルを利用するラジカル酸化法が注目されている。ラジカル酸化法は、酸素などの酸化性ガスから高周波放電、或いは光などによって活性な酸素ラジカルを生成し、それによってシリコンの酸化を行うものである。低温でも高い酸化力を有する酸素ラジカルを用いた酸化では、熱酸化のように基板を高温に曝すことなく高品質な酸化膜を得る事が可能である。このような特徴を有する酸素ラジカルを利用して低いプロセス温度でありながら高品質なMOS(Metal Oxide Semiconductor)界面を得る方法が特許文献1に記載されている。
以下に、シリコン基板表面に対し酸素ラジカルを用いて低温での酸化を行い、MOS型半導体装置に適用可能なゲート絶縁膜を形成する例について説明する。
まず、シリコン基板表面のパーティクル、重金属,有機物などをHSOやNHOHなどの各種薬液を用いた洗浄により除去し、最終的に希HF溶液により自然酸化膜の除去を行う。自然酸化膜が除去されたシリコン表面は非常に活性であるが、希HF溶液中の水素原子により終端され安定となり、新たな自然酸化膜の成長が抑制される。次に基板表面のシリコンを酸素ラジカルによって酸化をおこなう。なお酸素ラジカルによって酸化処理を行う装置は、例えば高周波放電によって酸化性のガスをプラズマ化して酸素ラジカルを発生させるものや、光によって酸素ラジカルを発生させるものなどが適用可能である。例えば高周波放電の場合、CCP、ICP、ヘリコン、ECR、マイクロ波、表面波などのいかなるプラズマ励起手段を用いた装置であっても良い。また光励起の場合、処理用のガスをラジカル状態に励起可能なものであればいかなる光源であっても適用可能である。例えばキセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、ショートアーク型超高圧水銀ランプ、キャピラリーランプ、ロングアークランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、窒素レーザー、エキシマレーザなどの光源が挙げられる。例えばエキシマランプ光源として用いた場合F2、Cl2、Br2、I2、ArBr、KrBr,XeBr、ArCl、KrCl、XeCl、ArF、KrF、XeF、XeIなど封止ガスによって発光中心波長が異なる。それらの中から酸素ラジカルの生成に最も適した波長の光を効率よく発光させることができるものを選ぶことが可能である。またここに示した例に限らずその他の手段によって酸素ラジカルを発生する装置であっても良い。
酸素ラジカルの生成するためのガスとしては例えばO、O、NO、NO、NO、HOなどが挙げられ、Nや希ガスで希釈されたものやHを添加したものであっても良い。ラジカル処理装置内は常圧状態であっても減圧常態であっても良い。高周波放電によって酸素ラジカルを発生させる装置の場合、例えばプラズマ生成に適した数100mPaから数100Pa程度の圧力が選ばれる。前記の各種励起手段によって酸素ラジカルが生成され、シリコン基板の酸化が行われる。酸素ラジカル処理を行う間、シリコン基板温度が所定の温度を保つように、例えばシリコン基板を支持するステージに内蔵された温調手段によって制御される。温調手段としては抵抗ヒーターや赤外ランプなどが用いられる。前記のような温調手段により、シリコン基板温度は例えば500℃以下の温度に保たれ、熱酸化法に比べて遥かに低い温度での酸化処理が行われる。このためシリコンの酸化処理におけるサーマルバジェットを大幅に低減することができ、微細化の妨げとならない。さらに従来、熱酸化法では困難であったTFT用のガラス基板上に成膜されたシリコンの酸化などにも適用可能である。
かくして得られた酸化膜は低温で酸化されたシリコン酸化膜でありながら、同じ低温で処理された熱酸化膜に比べて遥かに優れた膜質を有する。
特開2001−223361号公報
図6はラジカル酸化法及び熱酸化法によって膜厚1.5nmのシリコン酸化膜を形成し、それぞれのサンプルにおいてSi、O、Hの3元素について深さ方向プロファイルを分析した結果である。
基板は共に面方位(100)のP型シリコンを用い、酸化前処理としてRCA洗浄を行い、最後に希HF洗浄を行うことで自然酸化膜の除去を行い表面の水素終端を行ったものを使用した。
ラジカル酸化はマイクロ波プラズマ処理装置において、100%のO雰囲気、300℃の温度条件によって成膜した。一方、熱酸化は急速熱酸化装置において、100%のO雰囲気、1000℃の温度条件によって成膜した。エリプソメーターによって求めた膜厚は共に1.5nmである。SIMSによって深さ方向の解析を行った結果、シリコンと酸素原子については酸化方法によらず同様の深さ方向プロファイルを有している。しかしながら水素原子に関しては酸化方法によって深さ方向のプロファイルが大きく異なる結果が得られた。ラジカル酸化膜は熱酸化膜に比べ、膜中に含まれる水素が多く、特にシリコンとシリコン酸化膜界面に集中していることが分かる。
同じ前洗浄処理を行い、また酸化を行う際に用いたガスも共に100%の酸素を使用したにもかかわらず、膜中に含まれる水素原子の量が大きく異なった原因として、酸化処理中の温度が異なることが考えられる。すなわち酸化温度の高い熱酸化では、シリコン最表面を終端していた水素原子は脱離するため、酸化膜中に含まれる水素原子量は少ない。これに対し、酸化温度の低いラジカル酸化では、表面を終端している水素原子が脱離しないまま酸化が行われる為、膜中に残存する水素原子量が多いものと考えられる。
酸化方法の異なるこれら二つの酸化膜について定電流ストレス印加前後のリーク電流特性についてそれぞれ調べた。その結果図7に示すようにラジカル酸化膜は、ストレス印加前の初期特性では熱酸化膜よりも若干良好な特性を示しているのに対し、ストレス印加後では熱酸化膜よりも大幅に特性が劣化していることが分かった。ラジカル酸化膜においてストレスの印加前後で特性が大きく変化してしまう原因としては、前記のように膜中に大量に含まれる水素原子が原因と考えられる。すなわち、ラジカル酸化膜においては酸化膜中のシリコン原子のダングリングボンドが水素によって終端されて欠陥が少ない為、初期特性としては熱酸化膜に比べて優れた特性を示す。しかしながらシリコン原子と水素原子との結合は、シリコン原子と酸素原子との結合に比べて結合エネルギーは低く、ストレスによってシリコン原子と水素原子との結合は切断されやすい。このため、ストレス印加によって膜中の欠陥は熱酸化膜よりも多くなり、リーク電流特性が劣化してしまったと考えられる。
このように低温の酸素ラジカルで酸化した膜は、初期特性こそ従来の熱酸化膜同等以上の特性を得られるが、各種のストレスを印加した場合、その特性が大きく劣化するという問題を有しており、その対策が望まれていた。本発明はかかる問題を解決し、低温のラジカル酸化法でありながら高品質なゲート絶縁膜を製造する方法を提供する。
上記のような従来技術での課題は、本発明の半導体ゲート絶縁膜の形成方法により解決される。
すなわち、500℃以下の温度で保持されたシリコン基板に対し、酸素ラジカルを用いてシリコン表面を酸化し、シリコン酸化膜を形成する半導体ゲート絶縁膜の形成方法において、ラジカル酸化を行う工程の前に、シリコン基板表面を終端している水素原子を1x1014原子/cm以下の面密度にまで除去する工程を有することを特徴とする。
前記シリコン基板表面を終端している水素原子を除去する工程は、シリコン基板を超高真空下で400℃以上600℃以下の温度で加熱することにより水素原子を脱離させ、脱離した水素原子が基体に再付着させないようにすることを特徴とする。
また前記シリコン基板表面を終端している水素原子を除去する別の工程は、シリコン基板を超高真空下で少なくとも水素原子とシリコン原子との結合を切断するエネルギーの光をシリコン基板表面に照射することを特徴とする。
前記シリコン表面を酸化する為の酸素ラジカルはプラズマ励起或いは光励起により生成されることを特徴とする。
本発明によれば、酸化処理時のサーマルバジェットを低減可能な低温のラジカル酸化でありながら、ストレス耐性に優れた高品質のゲート絶縁膜の形成が可能となる。
以下、本発明の半導体ゲート絶縁膜の形成方法が適用できる実施形態について図1を参照して詳細に説明する。
基体100は例えば(100)面方位を有する単結晶シリコンからなり、さらにリンがドープされ、抵抗値が2から10Ω・cmの範囲に制御されたもの等を使用する。なお本発明においては上記の例に限らず上記以外の異なる面方位、ドーパント、抵抗値を有する基体であっても良い。また基体は、SOI(Silicon on Insulator)や、例えばシリコン以外の材料からなる基体の上に、エピタキシャル法によりシリコンを成長させた物などであっても良い。
まず図1の(a)に示す工程において、基体100表面を公知のRCA洗浄法などによって有機物や重金属などを除去し、最後に希HF洗浄によって自然酸化膜の除去を行う。自然酸化膜が除去された基体最表面のシリコン原子101は非常に活性であるが、希HF溶液中の水素原子102により終端されることで化学的に安定となり、新たな自然酸化膜の成長が抑制される。
次に図1(b)に示す工程において、シリコン原子を終端している水素原子の除去を行う。水素原子の除去は例えば、内部が高真空に排気された図示しない容器内に基体100を設置し、容器内を排気しながら基体を加熱、或いは基体表面に光を照射することで行われる。高真空に保たれた容器内で水素原子の除去を行うことで、シリコンから除去された水素原子が再付着して再びシリコンを終端するのを抑制する。なおこのとき例えばHe、Ne、Ar、Kr、Xeなどの希ガスを微量流しながら、水素の除去を行っても良い。希ガスはシリコン基板に悪影響せず、またパージ効果によって、シリコン基板から脱離した水素原子を処理装置外へと排気しやすくすることが可能となる。
基体を加熱することによって水素原子の除去を行う場合、少なくとも400℃以上の温度で加熱を行うことで、シリコン原子を終端している水素原子を除去することが可能である。但し、あまり高温で加熱してしまうと、基体に対するサーマルバジェットが増加してしまう為、400℃以上600℃以下の温度範囲内で基体を加熱するのが好ましい。
加熱方法としては、例えば容器内で基体を支持する為の図示しない支持手段を抵抗ヒーターや赤外ランプなどによって加熱し、支持手段と基体との接触熱伝導や輻射、或いはヘリウムなどの媒質を介する熱伝導などによって基体を加熱する方法が挙げられる。また赤外ランプ等によって基体を直接加熱しても良い。またこれらの例に限らず基体を加熱できる方法であればいかなるものであっても良い。
光を照射することにより水素原子の除去を行う場合、少なくともシリコン原子と水素原子との結合エネルギー(約3.1eV)程度のエネルギーを含む光を照射することによって水素原子の除去を行う。このようなエネルギーを含む光を基体表面に照射することで、シリコン原子と水素原子との結合を切断し、水素原子を除去することが可能となる。例えばハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、Deep UVランプ、メタルハライドランプ、や、InGaNレーザーなどの光源が挙げられる。また基体のシリコンの吸収帯を含む光を照射することで基体の加熱による水素原子の除去と、シリコン−水素間結合の切断による水素原子の除去とが行われ、効率よく水素原子の除去を行うことが可能となる。
本発明では、基体の加熱と光の照射を同時に行うことによって水素原子の除去を行っても良い。以上のような処理によってシリコン最表面を終端していた水素原子を1x1014原子/cm以下にまで除去を行う。そのようにすることで、低温のラジカル酸化によって膜中に含まれる水素原子の量を、高温の熱酸化処理を行って得られる酸化膜と同等程度にまで低減することが可能となる。
水素原子の除去を行った後、図1(c)に示す工程において、基体表面に酸素ラジカルを暴露しラジカル酸化を行い、シリコン酸化膜を形成する。但し、シリコンを終端する水素原子を除去する工程後、シリコン表面は非常に活性な状態にあるため、そのまま大気などに曝すと、せっかく清浄化した表面が再び汚染、或いは自然酸化され基体に悪影響を及ぼす。そのようなことを防ぐ為、水素原子除去後に基体は大気に曝すことなくラジカル酸化処理を行う処理容器へ移動するのが好ましい。もしくは水素原子の除去を行った処理容器内で連続してラジカル酸化を行っても良い。連続処理を行う場合は処理容器内に水素が残留しないように、酸化処理を行う前に処理容器内を十分排気、或いはパージを行うのが好ましい。
酸素ラジカルによって酸化処理を行う装置は、例えば高周波放電によって酸化性のガスをプラズマ化して酸素ラジカルを発生させるものや、光によって酸素ラジカルを発生させるものなどが適用可能である。例えば高周波放電の場合、CCP、ICP、ヘリコン、ECR、マイクロ波、表面波などのいかなるプラズマ励起手段を用いた装置であっても良い。また光励起の場合、処理用のガスをラジカル状態に励起可能なものであればいかなる光源であっても適用可能である。例えばキセノンショートアークランプ、キセノンフラッシュランプ、ショートアーク型超高圧水銀ランプ、キャピラリーランプ、ロングアークランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、窒素レーザー、エキシマレーザなどの光源が挙げられる。例えばエキシマランプ光源を用いた場合F2、Cl2、Br2、I2、ArBr、KrBr,XeBr、ArCl、KrCl、XeCl、ArF、KrF、XeF、XeIなど封止ガスによって発光中心波長が異なる。それらの中から酸素ラジカルの生成に最も適した波長の光を効率よく発光させることができるものを選ぶことが可能である。またここに示した例に限らずその他の手段によって酸素ラジカルを発生する装置であっても良い。
酸素ラジカルの生成するためのガスとしては例えばO、O、NO、NO、NO、HOなどが挙げられ、Nや希ガスで希釈されたものやHを添加したものであっても良い。ラジカル処理装置内は常圧状態であっても減圧常態であっても良い。高周波放電によって酸素ラジカルを発生させる装置の場合、例えばプラズマ生成に適した数100mPaから数100Pa程度の圧力が好ましい。
サーマルバジェットの低減を図る為、ラジカル酸化酸化を行う際の基体温度は500℃以下であることが好ましい。より好ましくは基体温度を300℃以上500℃以下で処理するのが良い。このような温度で酸化処理を行うことで、従来の熱酸化膜と同等以上の膜質でありながらサーマルバジェットの低いシリコン酸化膜を形成することが可能となる。
本発明では低温のラジカル酸化によって膜中に含有される水素原子量を低減する為、水素原子を除去する工程とラジカル酸化処理を行う工程とを分けて行っている。膜中の水素原子量を低減するのであれば、高温の熱酸化と同程度の温度で基体を加熱しながらラジカル酸化を行うことで、ラジカル酸化膜であっても膜中の水素を低減することは可能である。しかしながらその場合、酸化時のサーマルバジェットの低減という本発明の目的を達成することができない。また水素除去を行わずに500℃程度でラジカル酸化を行った場合、一部の水素の脱離は生じるものの、依然多くの水素が膜中に含まれてしまい、ストレス耐性が低い膜となってしまう。これらに対し、本発明では基体表面への光照射或いは500℃以下の基体の加熱によって水素原子を除去する工程を行った後に、低温のラジカル酸化を行っている。このような方法で成膜されたシリコン酸化膜は、膜中の水素原子含有量が少ないためストレスに強く、またサーマルバジェットが低いため微細化が必要な半導体装置のゲート絶縁膜として用いるのに好適である。
以下実施例を挙げて本発明の絶縁膜形成方法の具体的な適用例を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明を適用した第1の実施例について説明する。
基体は、直径200mm、P型単結晶シリコン基板を使用した。まずシリコン基板表面をRCA洗浄法により洗浄し、最後に希HF洗浄を行うことで、有機物、重金属、自然酸化膜等の除去を行い、シリコン基板最表面のシリコン原子の水素終端処理を行った。次にシリコンを終端している水素原子の除去を行う為、シリコン基板を図2に示すような処理処置201内に搬送した。処理装置201内にはシリコン基板を支持する為のステージ203が配設されている。またステージ203は内部に抵抗ヒーター204が内蔵されており、基体の加熱を行うことが可能である。処理装置には図示しない排気手段が排気部206を介して接続されており、処理装置内部を高真空に排気することが可能である。また本処理装置は表面波プラズマを生成するためのプラズマ源207が搭載されている。プラズマ源207は無終端環状導波管と、導波管H面に穿孔されたスロットからなる。前記無終端環状導波管にマイクロ波を導入し、前記スロットより放射されたマイクロ波は誘電体208を透過して処理装置内に導入され、装置内部の反応ガスを解離し、表面波プラズマを生成する。このような処理装置を用いて、シリコン基板最表面を終端している水素原子の除去と、シリコンのラジカル酸化の一貫処理を行った。
まずシリコン基板202をステージ203に載置した。このときステージ203は内蔵された抵抗ヒーター204により加熱され、450℃に保たれた。次に処理装置内部を排気手段によって排気した。さらにガス導入手段205よりArガスを100sccmの流量で流し、排気手段の一部であるコンダクタンスバルブ(不図示)の開度を調整することで、処理装置内部を1333Paの圧力に保った。これによりシリコン基板表面を終端していた水素原子は熱振動により脱離して、処理装置外へと排気され除去された。次にHeガスの導入を停止し、処理装置内を1x10−5Paにまで減圧して、処理装置内部に残留していた水素の排気をおこなった。次に処理装置内にO2ガスを500sccmの流量で導入し、コンダクタンスバルブを調整し処理装置内を400Paの圧力に調整した。マイクロ波発振機(不図示)より3kWの電力でマイクロ波を発振し、無終端環状導波管へ導いた。無終端環状導波管内のH面に穿孔されたスロットより放射されたマイクロ波は誘電体窓を透過し処理装置内に導入され、Oガスの解離を行いプラズマを生成した。このとき生成された原子状の酸素ラジカルは拡散によってシリコン基板表面へと輸送され、シリコンの酸化を行いシリコン酸化膜が形成された。かくして形成したシリコン酸化膜について、膜中に含まれる水素原子の深さ方向プロファイルを、SIMSを用いて分析を行った。その結果図3に示すように膜中に含まれる水素原子の量は1000℃の温度で酸化成膜した熱酸化膜とほぼ同等であることがわかった。
また定電流ストレスを与えた後のリーク電流特性を調べたところ、図4に示すように従来のラジカル酸化膜に比べて本発明のラジカル酸化膜ではリーク電流の劣化が少なく、高品質な膜質であることが明らかとなった。
本発明を適用した第2の実施例について説明する。
基体は、直径200mm、P型単結晶シリコン基板を使用した。まずシリコン基板表面をRCA洗浄法により洗浄し、最後に希HF洗浄を行うことで、有機物、重金属、自然酸化膜等の除去を行い、シリコン基板最表面のシリコン原子の水素終端処理を行った。次にシリコンを終端している水素原子の除去を行う為、シリコン基板を図5に示すような処理処置301内に搬送した。処理装置301内にはシリコン基板を支持する為のステージ203が配設されている。処理装置には図示しない排気手段が排気部206を介して接続されており、処理装置内部を高真空に排気することが可能である。シリコン基板に対向する面にはランプ302が設置されており、本実施例では重水素ランプを用いた。このような処理装置を用いて、シリコン基板最表面を終端している水素原子の除去をおこなった。
まずシリコン基板202をステージ203に載置した。次に処理装置内部を排気手段によって排気した。さらにガス導入手段205よりArガスを100sccmの流量で流し、排気手段の一部であるコンダクタンスバルブ(不図示)の開度を調整することで、処理装置内部を1333Paの圧力に保った。さらに重水素ランプを点灯し、発光をシリコン基板に照射した。ランプから発せられた光の一部は基板表面で吸収され、シリコン原子と水素原子との結合を切断し脱離して、処理装置外へと排気され除去された。
次にシリコン基板をラジカル酸化するため、図2に示したプラズマ処理装置内へと搬送した。なお水素除去を行う処理装置301と、ラジカル酸化を行う処理装置201は、高真空に排気された搬送経路を介して接続されている。このため、シリコン基板の搬送中に、シリコン基板表面が汚染されることが無い。
シリコン基板をプラズマ処理装置内に搬送後、処理装置内にOガスを500sccmの流量で導入し、コンダクタンスバルブを調整し処理装置内を400Paの圧力に調整した。マイクロ波発振機(不図示)より3kWの電力でマイクロ波を発振しプラズマを生成した。このとき生成された原子状の酸素ラジカルは拡散によってシリコン基板表面へと輸送され、シリコンの酸化を行いシリコン酸化膜が形成された。かくして形成したシリコン酸化膜について、膜中に含まれる水素原子の深さ方向プロファイルを、SIMSを用いて分析を行った。その結果、膜中に含まれる水素原子の量は1000℃の温度で酸化成膜した熱酸化膜とほぼ同等であることがわかった。
本発明を適用した第3の実施例について説明する。
基体は、直径200mm、P型単結晶シリコン基板を使用した。まずシリコン基板表面をRCA洗浄法により洗浄し、最後に希HF洗浄を行い、水素終端処理を行った。次にシリコンを終端している水素原子の除去を行う為、シリコン基板を図5に示すような処理処置301内に搬送した。シリコン基板に対抗する面にはランプ302が設置されており、本実施例ではハロゲンランプを用いた。このような処理装置を用いて、シリコン基板最表面を終端している水素原子の除去をおこなった。
まずシリコン基板202をステージ203に載置した。次に処理装置内部を排気手段によって排気した。さらにガス導入手段205よりArガスを100sccmの流量で流し、排気手段の一部であるコンダクタンスバルブ(不図示)の開度を調整することで、処理装置内部を1333Paの圧力に保った。さらにハロゲンランプを点灯し、発光をシリコン基板に照射した。ハロゲンランプより発せられた光の一部はシリコン基板に吸収され表面温度が上昇した。このとき放射温度計(不図示)によって基板の温度を測定し、基板温度が500℃となるようにランプの発光出力を調整した。ランプ照射された光エネルギーによる、水素結合の切断と、基板の加熱効果によりシリコン基板表面を終端していた水素原子は脱離して、処理装置外へと排気され除去された。
次にシリコン基板をラジカル酸化するため、図2に示したプラズマ処理装置内へと搬送した。
シリコン基板をプラズマ処理装置内に搬送後、処理装置内にOガスを500sccmの流量で導入し、コンダクタンスバルブを調整し処理装置内を400Paの圧力に調整した。マイクロ波発振機(不図示)より3kWの電力でマイクロ波を発振しプラズマを生成した。このとき生成された原子状の酸素ラジカルは拡散によってシリコン基板表面へと輸送され、シリコンの酸化を行いシリコン酸化膜が形成された。かくして形成したシリコン酸化膜について、膜中に含まれる水素原子の深さ方向プロファイルを、SIMSを用いて分析を行った。その結果、膜中に含まれる水素原子の量は1000℃の温度で酸化成膜した熱酸化膜とほぼ同等であることがわかった。
本発明の実施形態を適用した絶縁膜の製造過程における断面を表わす図である。 本発明の実施例で用いた水素除去及びラジカル酸化を行う処理装置の断面を表わす図である。 本発明を適用したラジカル酸化膜と従来のラジカル酸化膜及び熱酸化膜中に含まれる水素原子の深さ方向プロファイルを示す図である。 本発明を適用したラジカル酸化膜と従来のラジカル酸化膜について定電流ストレスを与えた後のリーク電流特性を示す図である。 本発明の実施例で用いたランプによる発光照射を行う処理装置の断面を表わす図である。 従来のラジカル酸化膜と熱酸化膜において、深さ方向分布分析を行った結果を示す図である。 従来のラジカル酸化膜と熱酸化膜において、定電流ストレスを与える前後のリーク電流特性を示す図である。
符号の説明
100 基体
101 シリコン原子
102 水素原子
103 酸素原子
201 処理装置
202 シリコン基板
203 ステージ
204 抵抗ヒータ
205 ガス導入手段
206 排気部
207 プラズマ源
208 誘電体

Claims (5)

  1. 500℃以下の温度で保持されたシリコン基板に対し、酸素ラジカルを用いてシリコン表面を酸化し、シリコン酸化膜を形成する半導体ゲート絶縁膜の形成方法において、ラジカル酸化を行う工程の前に、シリコン基板表面を終端している水素原子を1x1014原子/cm以下の面密度にまで除去する工程を有することを特徴とする半導体ゲート絶縁膜の形成方法。
  2. 前記シリコン基板表面を終端している水素原子を除去する工程手段は、シリコン基板を超高真空下で400℃以上600℃以下の温度で加熱することにより水素原子を脱離させ、脱離した水素原子が基体に再付着させないようにする工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ゲート絶縁膜の形成方法。
  3. 前記シリコン基板表面を終端している水素原子を除去する工程は、シリコン基板を超高真空下で少なくとも水素原子とシリコン原子との結合を切断するエネルギーの光をシリコン基板表面に照射する工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ゲート絶縁膜の形成方法。
  4. 前記シリコン表面を酸化する為の酸素ラジカルはプラズマ励起により生成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体ゲート絶縁膜の形成方法。
  5. 前記シリコン表面を酸化する為の酸素ラジカルは光励起により生成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体ゲート絶縁膜の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016122769A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 東京エレクトロン株式会社 ドーピング方法および半導体素子の製造方法

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